JP3151136U - カーポート - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に設置可能で木材の利用促進にも寄与するカーポートを提供する。【解決手段】木製の柱21と木製の梁25を門形に連結した門形フレーム11と、柱21が差し込まれてコンクリートC中に埋め込まれる基礎パイプ12と、三角断面が連続する折板屋根13と、折板屋根13を取り付けるためのタイトフレーム14と、を用いて、複数の門形フレーム11を同一直線上に並べて配置して、個々の梁25の上面にタイトフレーム14を取り付けて、複数の門形フレーム11を結ぶように折板屋根13を敷設することで、簡単な構造のカーポートが実現する。このカーポートは材料費を抑制できるほか、建築業者に依頼することなく日曜大工での施工も容易でコストダウンが実現され、しかも門形フレーム11は木製で、木材の利用促進にも寄与する。【選択図】図1

Description

本考案は、自動車を風雨にさらすことなく保管するためのカーポートに関する。
自動車を保管する際は、一般に青空駐車と呼ばれるように、何らの覆いも設けないことも多いが、個人が所有する乗用車を中心に、降雨などによる車体の汚れや直射日光による色あせなどを防止するため、カーポートを設置することも多い。カーポートは、建物と一体構造でシャッターによって外部と隔離できる物や、アルミフレームと樹脂板を組み合わせて自動車の上部だけを覆う物など、様々なタイプが普及している。建物と一体構造になったカーポートは、汚れが付着しにくく、しかもセキュリティーの面でも優れているが、設置費用は高額になる。対するアルミフレームを用いた物は、敷地があれば比較的簡単に設置でき、また規模や構造による差はあるが、設置費用も比較的安価である。
特開2000−226947号公報 特開2003−64897号公報
カーポートは、自動車の保管のために必要不可欠な物ではなく、敷地が確保されていても、費用の面で設置を見合わせることがある。カーポートを設置する際の費用は、大半が材料費と現地での労務費であり、構造を簡素化できれば材料費を抑制可能で、しかも建築業者に依頼することなく自力で施工できれば、労務費も大幅に軽減可能であり、コストダウンによって新たな需要を呼び起こすことが期待できる。
また近年は、国内の森林保護の観点から、伐採した木材の有効活用が模索されているが、カーポートにおいても、アルミフレームなどの代替として木材を使用できれば、新たな需要が開拓され環境面にも貢献できる。なおカーポートに関しては、以下のような特許文献が公開されている。文献1では、箱状のフレームを用いた汎用的な構造のカーポートが提案されており、柔軟性に優れしかも費用の抑制を実現しており、また文献2では、木材を用いた高級感のある片持ち式のカーポートが提案されている。
本考案はこうした実情を基に開発されたもので、安価に設置可能で木材の利用促進にも寄与するカーポートの提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の考案は、いずれも木製である一本の梁と二本の柱を門形に連結した門形フレームと、前記柱の下部が差し込まれて柱と一体化する基礎パイプと、三角状の断面が連続する折板屋根と、前記折板屋根を取り付けるためのタイトフレームと、からなり、前記門形フレームは、複数が所定の間隔で並んで配置されており、前記基礎パイプは、地面を掘削したピットの中に埋め込まれ且つコンクリートによって固定されており、前記個々の梁の上面には、梁の長手方向に沿ってタイトフレームが取り付けられ、折板屋根が複数の門形フレームを結ぶように敷設されていることを特徴とするカーポートである。
本考案は、複数の門形フレームを地面に直立させて、折板屋根を介して全ての門形フレームを一体化したカーポートであり、門形フレームを構成する柱および梁には木材を使用しており、折板屋根は汎用品をそのまま使用する。門形フレームは、架設される一本の梁の両端を柱で支持したもので、柱と梁との連結方法に限定はないが、作業性や強度の確保といった観点から各種金具を用いることが好ましい。また一組の門形フレームだけでカーポートを構築することは不可能なので、最低でも二組を平行且つ同一直線上に並べる必要があり、門形フレームをくぐる方向に自動車を出し入れするものとする。
基礎パイプは、門形フレームを地面に固定するために用いられる金属製のパイプであり、内部に柱の下部を差し込むことができる。木製の柱を地面に直接埋め込むと、雨水などによる腐食が予想される。そこで柱が雨水に浸ることを防止するため基礎パイプで保護しており、さらに地面を掘削したピットの中に基礎パイプの下部を埋め込み、ピットの中にコックリートを流し込んで門形フレームを地面に固定する。なお柱に作用する垂直荷重は、基礎パイプを介して地面に伝達していくため、双方を強固に一体化する必要があり、基礎パイプの側面から柱に向けて複数のネジ釘を打ち込むなどの方法で柱を固定する。
柱は、基礎パイプの下端まで差し込む必要はなく、むしろ地面に浸透した雨水との接触を避けるため、基礎パイプの全長の半分程度だけ差し込むことが好ましい。なお基礎パイプは、下部が地面に埋め込まれるため雨水と直に接触する。そのため、防錆塗装や耐食性のある素材を使用するなどの腐食対策が必要である。
門形フレームは、前記のように所定の間隔を空けて複数を同一直線上に配置するが、個々の門形フレームは、ピットに流し込まれたコンクリートによって自立的に直立することができ、隣接する門形フレーム同士を別途、横架材などで締結する必要はない。そのため、全ての門形フレームの据え付けが完了した後、複数の門形フレームを結ぶように折板屋根を敷設すると、カーポートが完成する。
折板屋根は、倉庫などの屋根に使用されている汎用品であり、断面から見て、水平方向に複数の三角形が連続して並んでいるため、軽量で剛性に優れており、積雪にも十分対応できる。また折板屋根の敷設には、タイトフレームと呼ばれる部品を使用する。タイトフレームは、折板屋根に合わせた三角形が連続して並ぶ帯状のもので、折板屋根を受け止めることができる。本考案では、梁の上面の長手方向に沿ってタイトフレームを取り付けることを想定しており、したがってカーポートの前後方向(自動車を出し入れする方向)から見た際、折板屋根の三角形断面が視認できる。
本考案では、門形フレームの上に折板屋根を敷設するだけでカーポートが完成するため、部品点数が少なく、また高精度を要する部品も不要であり、最小限の加工を施した木材と汎用の折板屋根を主体に構成され、材料費を抑制できる。しかも地面にピットを掘り、この中に門形フレームの下部を埋め込んでコンクリートで固めた後、折板屋根を敷設するだけでカーポートが完成する。したがって建築業者に依頼することなく、自力での施工も可能である。
請求項2記載の考案は、門形フレームの詳細に関するもので、柱および梁には、円断面の木材を使用しており、柱と梁の連結部には、柱の上部を差し込むため、梁の下面を弦状に切削した底溝を備えていることを特徴とする。門形フレームを構成する柱と梁を円断面の丸材とする場合、原木を所定の直径に削り出すだけで部材が完成するため、コストを抑制できる。ただし柱と梁の両方が丸材の場合、双方の連結作業が複雑になる。そこで、梁の下面を部分的に弦状に切削した底溝を設けて、この底溝に柱の上部を差し入れるようにすると、柱の上面全体が梁と接触でき、梁を安定して架設できるようになる。
請求項1記載の考案のように、カーポートを、門形フレームと折板屋根による簡素な構造とすることで、材料費を抑制できるほか、建築業者に依頼することなく日曜大工として自力で施工可能で労務費も抑制でき、従来に比べて安価にカーポートを入手できる。そのため、従来は費用の面でカーポートの設置を断念していた人々の購買意欲を刺激して、新たな需要を呼び起こすことが期待できる。また柱や梁に国産の木材を使用することで、森林資源の有効活用にも貢献する。そのほかにも、設置作業を自力で行うことで、完成時に大きな達成感が得られるほか、一連の作業を通じて家族間でのコミュニケションも活性化するなど、心理的な効果も期待できる。
請求項2記載の考案のように、柱と梁のいずれも円断面の木材を使用することで、製材の工程を簡素化でき、費用の抑制が可能である。またログハウスなどに似た外観となり、自然を意識した独自性のあるカーポートが実現する。
本考案によるカーポートの構成を示す斜視図であり、(A)は全体で、(B)は柱と梁の連結部を拡大したものである。 柱の下部と基礎パイプとの接続構造を示す斜視図であり、(A)は接続にネジ釘だけを使用したもので、(B)はネジ釘と受け棒を併用したものである。 図1に示すカーポートを設置する際の手順を示す斜視図であり、(A)は初期の段階で、(B)は完成直前の段階である。 地面に据え付けられた門形フレームの縦断面図である。 図1とは異なる形態の本考案によるカーポートを示す斜視図である。
図1は、本考案によるカーポートの構成を示しており、図1(A)は全体で、図1(B)は柱21と梁25の連結部を拡大したものである。カーポートの骨格となる門形フレーム11は、二本の柱21で一本の梁25を架設した文字通りの門形であり、柱21と梁25のいずれも、原木の表皮を削って所定の直径に仕上げた丸材を使用している。そして柱21の下部は、金属製の基礎パイプ12の中に差し込まれており、この基礎パイプ12が地面Gを掘削したピットPの中に差し込まれており、ピットPに流し込まれたコンクリートCによって基礎パイプ12が地面Gに固定されている。なお柱21は、基礎パイプ12の側面に打ち込まれたネジ釘39によって基礎パイプ12と一体化されている。
柱21と梁25の連結部は十分な強度を確保するため、図1(B)のような構造になっており、シャフト31とボルト36とドリフトピン34を介して双方が一体化している。シャフト31は金属製の丸棒であり、また柱21の上面には、シャフト31を差し込むための丸穴22が加工されている。さらに柱21の側面には、柱21とシャフト31を貫通するドリフトピン34を打ち込むための横孔23が加工されている。なおシャフト31の上面には、ボルト36を螺合するための雌ネジ32が形成されており、さらに梁25の上面には、ボルト36を差し込むためのネジ孔27が加工されている。そのほか、柱21の上面が梁25と密着できるよう、梁25の下面を弦状に切削した底溝26を設けており、さらにボルト36の頭部を埋め込むため、梁25の上面には座グリ穴28を設けている。
そして柱21の丸穴22にシャフト31を差し込んだ後、柱21側面の横孔23からドリフトピン34を打ち込んで双方を一体化した後、柱21の上面に梁25を載せて、梁25の上部からボルト36を差し込み、その先部をシャフト31の雌ネジ32に螺合させて締め上げると、梁25が柱21と一体化する。なお、経年によるボルト36の陥没を防止するため、ボルト36の頭部と梁25の間にワッシャ37を介在させている。丸穴22などは、製材段階で加工しておき、しかもシャフト31とドリフトピン34の打ち込みも事前に済ませておけば、現地での作業は、梁25を組み合わせてボルト36を締め上げるだけであり、施工は容易である。
本図では、同一構造の門形フレーム11が同一直線上に計三組並んでおり、個々の門形フレーム11はコンクリートCによって地面Gに固定されている。そのため個々の門形フレーム11は、自立して直立しており、隣接する門形フレーム11同士を別途、横架材で締結する必要はない。全ての門形フレーム11が地面Gに固定された後、梁25上面の両端を結ぶようにタイトフレーム14を取り付けて、さらに全面に折板屋根13を敷設する。なお折板屋根13は、三角形断面が梁25の長手方向に沿って並ぶように敷設するため、必然的に折板屋根13の尾根筋や谷筋は、カーポートの長手方向に平行する。
図2は、柱21の下部と基礎パイプ12との接続構造を示しており、図2(A)は接続にネジ釘39だけを使用したもので、図2(B)はネジ釘39と受け棒40を併用したものである。柱21に作用する垂直荷重は、基礎パイプ12を介して地面Gに伝達されるため、双方を強固に接続する必要があり、通常は図2(A)のように、基礎パイプ12の側面から複数のネジ釘39を打ち込んでおり、荷重条件に応じてネジ釘39の本数や種類を調整する。
そして荷重条件が厳しい場合には、図2(B)のように、柱21の下面を載置するため、基礎パイプ12の側面に受け棒40を差し込んでいる。この受け棒40は、基礎パイプ12の対面まで貫通しており、溶接によって両端が基礎パイプ12と一体化している。また柱21の底面には、割れを防止するため金属製の下板41を取り付けている。この下板41は、釘類42によって柱21と一体化している。このような構造とすることで、柱21の下面が受け棒40で支持されるため、ネジ釘39に作用する負荷が軽減され、より大きな垂直荷重に耐えることができる。なお本図では、溶接で受け棒40を基礎パイプ12と一体化しているが、受け棒40として汎用のボルトとナットを用いて、溶接を省略することもできる。
図3は、図1に示すカーポートを設置する際の手順を示しており、図3(A)は初期の段階で、図3(B)は完成直前の段階である。設置に際しては、まず最初に図3(A)のように、柱21を据え付ける位置にピットPを掘削する。このピットPの深さは、基礎パイプ12の全長の半分程度とする。また柱21を横倒しにした状態で、柱21と梁25を一体化して門形フレーム11を組み上げて、さらに柱21の下部に基礎パイプ12を差し込み、所定の本数のネジ釘39を打ち込んで双方を一体化する。
次に図3(B)のように、基礎パイプ12をピットPの中に落とし込みながら門形フレーム11を立ち上げる。その後、門形フレーム11が転倒しないよう棒などで拘束してから、ピットPの中にコンクリートCを流し込み、これが凝固するまで放置する。そして門形フレーム11が地面Gに固定された後、梁25上面の両端を結ぶようにタイトフレーム14を取り付けてから、全ての門形フレーム11を結ぶように折板屋根13を敷設すると、カーポートが完成する。なおタイトフレーム14は、門形フレーム11を横倒しにしている段階で梁25に取り付けてもよい。
図4は、地面に据え付けられた門形フレーム11の縦断面を示している。柱21の下部が雨水で腐食することを防ぐため、本考案では基礎パイプ12を用いているが、基礎パイプ12の下部まで柱21が差し込まれている訳ではなく、基礎パイプ12の半分程度までしか柱21は差し込まれていない。これは、地中から浸透する水分で柱21が腐食することを防ぐためで、柱21の下面は地表面とほぼ同じ高さになっている。また基礎パイプ12の下半分は、側周の全域がコンクリートCで囲まれているため、門形フレーム11は単独でも直立状態を維持できる。そのほか柱21と梁25の連結部は、シャフト31とドリフトピン34とボルト36を介して一体化しており、連結作業が容易で、強度にも優れている。
図5は、図1とは異なる形態の本考案によるカーポートを示している。本考案は、柱21と梁25のいずれも木材を使用することを前提としているが、必ずしも丸材を使用する必要はなく、本図のように角材を使用することもできる。このように柱21と梁25のいずれも角材とした場合でも、基礎パイプ12を使用する点や、柱21と梁25の連結にドリフトピン34などを使用する点は全く同様である。ただし基礎パイプ12は、柱21に応じて角形になる。なお図中では、折板屋根13を一部だけ描いているが、実際には三本の梁25で囲まれる領域全てを覆うように敷設される。そのほか作図は省略するが、柱21を丸材として梁25を角材とする組み合わせや、これとは逆に、柱21を角材として梁25を丸材とする組み合わせも問題なく実現できる。
11 門形フレーム
12 基礎パイプ
13 折板屋根
14 タイトフレーム
21 柱
22 丸穴
23 横孔
25 梁
26 底溝
27 ネジ孔
28 座グリ穴
31 シャフト
32 雌ネジ
34 ドリフトピン
36 ボルト
37 ワッシャ
39 ネジ釘
40 受け棒
41 下板
42 釘類
C コンクリート
G 地面
P ピット

Claims (2)

  1. いずれも木製である一本の梁(25)と二本の柱(21)を門形に連結した門形フレーム(11)と、
    前記柱(21)の下部が差し込まれて柱(21)と一体化する基礎パイプ(12)と、
    三角状の断面が連続する折板屋根(13)と、
    前記折板屋根(13)を取り付けるためのタイトフレーム(14)と、
    からなり、
    前記門形フレーム(11)は、複数が所定の間隔で並んで配置されており、
    前記基礎パイプ(12)は、地面(G)を掘削したピット(P)の中に埋め込まれ且つコンクリート(C)によって固定されており、
    前記個々の梁(25)の上面には、梁(25)の長手方向に沿ってタイトフレーム(14)が取り付けられ、折板屋根(13)が複数の門形フレーム(11)を結ぶように敷設されていることを特徴とするカーポート。
  2. 前記柱(21)および梁(25)には、円断面の木材を使用しており、柱(21)と梁(25)の連結部には、柱(21)の上部を差し込むため、梁(25)の下面を弦状に切削した底溝(26)を備えていることを特徴とする請求項1記載のカーポート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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