JP3150565U - 酸化チタン保護被膜層を付した果物野菜用オープンショーケース - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化チタン保護皮膜を形成した青果物ショーケースを安価で取り扱い易く、且つ、紫外線による視機能低下を回避できる果物等の脱臭ショーケースを提供する。【解決手段】複数枚の棚板9を階段状に設け、下部に設けた冷却装置13、該冷却装置で冷やされた空気をファンを通じて背面板4側に設けた送風路15及び該送風路の上部前面側吹き出し口を介して上下前後に循環してなり、天板の前方下面、複数枚の各棚板の下面、送風路の吹き出し口16,18、並びにオープンショーケース下部前面手前の腰板6に設けた手摺7の内側に、酸化チタン保護皮膜Tを形成すると共に上記各棚板前方下面に蛍光管11を包持する蛍光管カバー12表面に酸化チタン保護皮膜を形成し、酸化チタンから飛び出す電子の重畳作用で青果物Fの鮮度保持を図る。【選択図】図1
Description
本考案は、酸化チタン保護被膜層を付した果物野菜用オープンショーケースに関するものであり、特に、光触媒の機能を呈する酸化チタン保護膜層をオープンショーケースの所望とする複数個所に形成し、それに光を照射して、果物、野菜の鮮度低下を可及的に回避するように構成したことを特徴とする果物野菜用オープンショーケースの構造に関するものである。
従来から、この種の光触媒の機能を有する野菜類の保冷庫等に関する技術が提供されていた。従来技術も、光触媒の作用を酸化チタン等の光触媒材料をショーケースの下部におき、それに紫外線を照射し、吹き出し空気を循環して、冷蔵室内の果物、野菜を脱臭、除菌し被収容物の鮮度低下を回避するように構成したものである。
この種の先行技術文献の一例として、特開2003−139465号公報(発明の名称「補鮮庫」)が存する(後記する[特許文献1]参照)。この特許文献1に開示の技術は、冷却室と、貯水層と該貯水層内の水を所定温度に冷却保持する冷却コイルと貯水槽内の冷水を空気中に噴霧する噴霧装置と、冷蔵室内の空気を循環させるファンと、紫外線発生装置と紫外線照射面に設置された光触媒とで除菌処理した水を空気中に噴霧して冷蔵室内の冷却・加温・除塵を行うだけでなく、空気中の雑菌やエチレンガスなどを除去分解し、冷蔵室内の青果物の鮮度を保持するというものである。
上記特許文献1に開示の技術事項は、冷蔵室を擁するものであるところクローズド型の構造を採用している。クローズド型であると、構成を重装備にしなければ成らず、コスト高となる外に取り扱いも相応に煩瑣である。また、上記従来例においては、光触媒に照射させるために化学線たる紫外線照射装置を使用しているので、通例の蛍光灯に比し高価であり、人畜の眼の角膜または結膜に急性の傷害を与え一時的に視機能を低下させる光効果を伴うという危惧も考えられてきている。
そこで、果物、野菜等の青果物の鮮度を保持しつつ、コストが安価で取り扱いが簡便なショーケースの開発が望まれていた。また、可及的に青果物の消費者や取り扱い者が、化学線の照射から眼を保護することができる可視光線領域の光源を用いた光触媒反応による脱臭、抗菌の作用をもたらす青果物用ショーケースが望まれていた。このような点において、解決すべき技術的課題が提唱されてきており、本考案は、斯かる技術的課題を解決することを目的とするものである。
本考案は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の考案は、天板、背面板及び底板からなり前面に開口部を有する躯体の内面側に断熱材を固設したオープンショーケースに複数枚の棚板を階段状に設け、下部に設けた冷却装置、該冷却装置で冷やされた空気をファンを通じて上記背面板側に設けた送風路及び該送風路の上部前面側吹き出し口を介して上下前後に循環してなる果物、野菜用オープンショーケースであり、上記天板の前方下面、複数枚の各棚板の下面、送風路の吹き出し口、並びにオープンショーケース下部前面手前に設けた手摺の内側、夫々に、酸化チタン保護被膜層を形成すると共に、上記各棚板前方下面に蛍光管を包持する蛍光管カバーを設け、これ等蛍光管カバーの表面に酸化チタン保護被膜層を形成した果物、野菜用オープンショーケースを提供するものである。
本願の請求項1に記載の考案は、果物、野菜等の青果物を保存、陳列するに当たり、オープン型のショーケースを採用するものであるため、オープンショーケース躯体の構造を過重に構成するには及ばないから、安価に提供することができて製品のコストダウンが図られる。
また、本考案においては、冷却装置で冷やされた空気をファンを通じて上記背面板側に設けた送風路及び該送風路の上部前面側吹き出し口を介して上下前後に循環してなり、且つ、上記天板の下面、複数枚の各棚板の下面、送風路の吹き出し口、並びにオープンショーケース下部前面手前に設けた手摺の内側、夫々に、酸化チタン保護皮膜を形成すると共に、上記各棚板前方下面に蛍光管を包持する蛍光管カバーを設け、これ等蛍光管カバーの表面に酸化チタン保護被膜を形成したので、複数個所に形成された酸化チタン保護被膜部分に、複数個所である蛍光管から照射される光エネルギーが当たり多くの個所で光エネルギーと酸化チタンとの反応が誘導され、それが、前記吹き出された冷風が循環することに伴い、各棚板に載置した果物、野菜から発生するエチレンガスを無害化、消臭化して、該果物、野菜の鮮度を良好に維持することができる。
更に、本考案においては、光源は普通の可視光線を照射する蛍光管を使用するので、紫外線量を確保することが困難な場所でも支障が無く、且つ、通常の可視光線の光源で足るから、紫外放射の化学的作用に伴う人畜に及ぼす視機能低下の虞を回避することができる。
本考案に係る実施例につき、図1に従って、詳述する。同図中、1は、オープンショーケースを示し、2は、オープンショーケース躯体であり、天板3、背面板4、底板5によって構成されている。これ等を構成する部材は、木材、コンクリート、プラスチック、金属等如何なる素材で形成されても構わない。部材6は、オープンショーケースの前面下方に設けられた腰板であり、該腰板6の上部に手摺7が設けられている。該手摺7の内側には、酸化チタン保護被膜層Tが形成されている。8は、断熱材であり、前記オープンショーケース躯体2を構成する前記底板5、背面板4、天板3及び腰板6の内面側を覆って固設されている。前記断熱材8の素材は特に問うところではないが、熱遮断性があって成形の容易な合成樹脂を以って供すると便宜である。
9は棚板であり、オープンショーケース1の開口から野菜、果物等の成果物Fを載置、収納、取り出しができるように階段状に複数段、ステイ10によって支持されて設けられている。これ等複数の各棚板9,9,9…の前方下面には、蛍光管11が、該蛍光管11を覆っているガラス筒で構成される蛍光管カバー12によって抱持された状態で、設けられている。これ等複数の各棚板9,9,…の下部面(裏面)には、酸化チタン保護被膜層Tが形成されている。また、前記蛍光管カバー12の表面にも、酸化チタン保護被膜層Tが形成されている。
また、13は、オープンショーケース1の下部に設けられた冷却装置であり、該冷却装置13によって冷却された空気はファン14によって背面板4側の送風路15を通じて該送風路の前方の吹き出し口16から送り出され、その結果、送風が、オープンショーケースを前後左右に循環されることとなる。前記送り出し口16には、酸化チタン保護被膜層Tが形成されている。
上記送風路15の更に背面板側には、同じく送風の役目をする通気間隙17が形成されておりその通気間隙17は上部において、上記天板3の下面を通り、通気をその噴き出し口18を通じて前記吹き出し口16よりも手前側から送風するものである。この噴き出し口18にも、酸化チタン保護被膜層Tが形成されている。なお、19は、除塵フィルタであり、空気中の塵や芥を除き清浄な空気を循環させるために役立つものである。
前記天板3の前方下面には、酸化チタン保護被膜層Tが形成されており、且つ該天板3の先端部には、蛍光管11をガラス管で覆う如く抱持する蛍光管カバー12が設けられており、この蛍光管カバー12にも、酸化チタン保護被膜層Tが形成されている。斯くして、該蛍光管11から照射される光エネルギーが前記カバー12及び天板3下面の酸化チタン保護被膜層Tに照射反応して消臭、殺菌、防塵の働きをする。
(1)つまり、本考案が、使用に供する酸化チタン(Titanium Dioxide:TiO2)の保護皮膜層は、光エネルギーの照射を受けると、その表面から電子(−)が飛び出し、空気中の酸素と結びつき「O2−」を生成する。
(2)次いで、電子が飛び出した酸化チタン保護被膜層の表面は、プラス(+)の電荷を帯びて空気中の水分(H2O)から電子を奪い元に戻ることとなる。他方、電子を奪われた水分は「OH」(Hydroxy radical:水酸基)となる。
(3)斯様にして発生した電子の移動により出現した「O2−」と「OH」の強い分解力により、近づいてくる塵埃、汚れ付着の原因となる雑菌、有機化学ガス、カビ等の有機化学物質を分解し無害化することができるものである。
(2)次いで、電子が飛び出した酸化チタン保護被膜層の表面は、プラス(+)の電荷を帯びて空気中の水分(H2O)から電子を奪い元に戻ることとなる。他方、電子を奪われた水分は「OH」(Hydroxy radical:水酸基)となる。
(3)斯様にして発生した電子の移動により出現した「O2−」と「OH」の強い分解力により、近づいてくる塵埃、汚れ付着の原因となる雑菌、有機化学ガス、カビ等の有機化学物質を分解し無害化することができるものである。
特に、本考案に係る果物、野菜等の青果物においては、該青果物から放散されるエチレンガス等の臭いを、上記酸化チタン保護皮膜層から飛び出した電子を作用させて消臭し、加えて、食中毒の原因となる大腸菌、黄色ブドウ球菌、ベロ毒素を分解して、無害物質にすることが可能であり、青果物食品の衛生保持に貢献することを期待することができる。
また、本考案においては、オープンショーケースであることの故に、該オープンショーケースの青果物を陳列する棚板に載置した果物、野菜等を客が物色中に取ったり置いたり、又従業員が青果物を陳列、整理したり、除去したりする傍ら、複数個所に存する酸化チタン保護皮膜層から発する電子が果物、野菜に効果的に反応して、青果物の保存に、好結果をもたらすことを期待することができる。
本考案においては、上記の如き機能を呈する酸化チタン保護被膜層を上記手摺の内側面、複数の各棚板の下部面、送風路、通気路(送風路)の吹き出し口、蛍光管カバーの表面の夫々に形成したので、複数個所から重畳的に飛び出される電子(−)によって多くの「O2−」を生成せしめ、次いで、多くの「OH」を生じさせ、その結果、多くの「O2−」並びに多くの「OH」により夥しい量の有害ガスや有害物質等を有効に分解することが可能である。
本考案において使用に供する酸化チタン保護被膜層は、密度が高く密着性が良好であり、膜を低温度で提供できるとともに中性であるところ取り扱い易いので、各種の基体に皮膜を容易に形成することができるというメリットを有する。
本考案において使用に供する蛍光管は、可視光線の領域の波長の光源でも十分、光エネルギーの機能を発揮することが可能であるので、紫外線設備を確保することが出来ないところでも、有効に使用することができるのみならず、却って、紫外線の化学作用に伴う、視機能劣化等の弊害から人畜を安全に防護できるという利点を期待することができるものである。
なお本考案は、本考案の基本的技術思想の範囲内において各種の改変を施すことが可能であり、該改変された技術的事項にも、本考案の権利が及ぶことは当然のことである。
上記のとおり、本考案においては、光触媒の機能を呈する酸化チタン防護皮膜を、複数個所に重畳的に形成して設け、光源を通例の蛍光管(可視光線)を以って、化学的分解作用を実践させて、有効に果物、野菜等の青果物の鮮度維持と有害物質の除去を達成することができるものである。
1 オープンショーケース
2 オープンショーケースの躯体
3 天板
4 背面板
5 底板(基台)
6 腰板
7 手摺
8 断熱材
9 棚板
10 ステイ
11 蛍光管
12 蛍光管カバー
13 冷却装置
14 ファン
15 送風路
16 吹き出し口(送風路の吹き出し口)
17 通気間隙
18 吹き出し口(通気間隙たる送風路の吹き出し口)
19 除塵フィルタ
F 果物、野菜(青果物)
T 酸化チタン保護被膜層(光触媒保護被膜層)
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19 除塵フィルタ
F 果物、野菜(青果物)
T 酸化チタン保護被膜層(光触媒保護被膜層)
Claims (1)
- 天板、背面板及び底板からなり前面に開口部を有する躯体の内面側に断熱材を固設したオープンショーケースに複数枚の棚板を階段状に設け、下部に設けた冷却装置、該冷却装置で冷やされた空気をファンを通じて上記背面板側に設けた送風路及び該送風路の上部前面側吹き出し口を介して上下前後に循環してなる果物、野菜用オープンショーケースであり、上記天板の前方下面、複数枚の各棚板の下面、送風路の吹き出し口、並びにオープンショーケース下部前面手前の腰板に設けた手摺の内側、夫々に、酸化チタン保護皮膜層を形成すると共に、上記各棚板前方下面に蛍光管を包持する蛍光管カバーを設け、これ等蛍光管カバーの表面に酸化チタン保護皮膜層を形成した果物、野菜用オープンショーケース。
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JP2009001270U JP3150565U (ja) | 2009-03-05 | 2009-03-05 | 酸化チタン保護被膜層を付した果物野菜用オープンショーケース |
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JP2009001270U JP3150565U (ja) | 2009-03-05 | 2009-03-05 | 酸化チタン保護被膜層を付した果物野菜用オープンショーケース |
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