JP2014213251A - Led光触媒ユニットとそれを用いた食品貯蔵装置 - Google Patents

Led光触媒ユニットとそれを用いた食品貯蔵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型・軽量で省エネルギーなLEDを光源とした光触媒反応を利用したLED光触媒ユニットにおいて、従来のものより効率的にエチレンその他の腐臭性ガスを除去できると共に、食品への攻撃性が低く、食品の長期貯蔵が可能となるような、LED光触媒ユニットを提供する。
【解決手段】紫外光LEDと可視光LEDの2種類からなるLED3を複数用いて平面状に配置した光源の照射側に対向して光触媒シート8を配置し、光源の裏面側に放熱フィン12を配置し、紫外光LEDは所定時間のみ点灯させ、可視光LEDは常時点灯とし、前記光触媒シート8は、粉末状の白金を担持した酸化チタンを光触媒としたLED光触媒ユニット1。
【選択図】図1

Description

本発明は、LEDによる光触媒の酸化還元反応と紫外光LEDによる殺菌を併用した生鮮食品、例えば果物類の長期貯蔵を行うための光触媒ユニットと、それを用いた食品貯蔵装置に関するものである。
近年、食の安全性に関心が増え、生鮮食品を扱う小売店等でも24時間販売が行われ、流通体系が変化している。こういった現状の中、食品の鮮度保持の重要性が高まってきている。
従来より、食品の鮮度維持の技術として光触媒を用いた光触媒酸化還元効果により、食料品の鮮度維持を図り、食料品の貯蔵技術として用いられており、それを克服する技術として、食品分野に最先端エレクトロニクスを導入する機運が高まっている。
既存技術としては、大気ガス組成を変え仮死状態にするCA(Controlled Atmosphere)貯蔵技術である。しかしながら、大掛かりな設備が必要となり汎用性が乏しいという問題がある。
また、プラスチックフィルムで包装貯蔵するMA(Modified Atmosphere)貯蔵技術もあるが、フィルムやガス透過度やその他の性質(湿度等)を考慮せず貯蔵すると酸欠状態となり、逆に鮮度の劣化を招くことがある。
ところで、野菜や果物は、エチレン(C)という植物ホルモンの作用で生長・熟成するとされ、収穫した後も野菜や果物自身が、エチレンガスを放出して成熟し、その後腐敗に至るようになっている。即ち、野菜や果物の生長にエチレンは必要不可欠なものであるが、収穫後は自ら、または周辺の野菜や果物までをも傷めることになるため、食品、特に果物等を新鮮な状態で貯蔵する場合は、このエチレンガスを果物等の周囲から取り除く必要がある。
そこで、光触媒の二酸化チタン(TiO)に光を当てて酸化還元反応を起こさせ、前記したエチレンガス等の果物等の鮮度保持に有害な、いわゆる腐臭性ガス成分を分解除去する方法が考案されてきている。また最近では、光触媒を活性化させる光源として、小型軽量で省エネルギーかつ長寿命のLEDを用いることが行われている。
例えば、収納室が形成されたボックス本体に二酸化チタン薄膜からなる光触媒を保持し、波長360〜400nmの紫外線を主に放射するLEDを利用して、二酸化チタンと光触媒反応を起こすようにした抗菌脱臭ボックスがある(特許文献1参照)。
特許第3674987号公報
上記のように、果実表面から放出されるエチレンを、光触媒の酸化還元反応で取り除くことで鮮度保持が可能であることが判った。しかしながら、高次炭化物系腐臭性ガスであるエタノール(C)と酢酸エチル(C)は、上記従来の酸化還元反応では十分に分解されないという問題があった。
また、光触媒は紫外線により活性化するのであるが、紫外線自体が果実等の食品にダメージを与えてしまい、食品貯蔵の目的に反するというという問題があった。但し、紫外線には殺菌作用という、食品の保管には有効な効能もあり、紫外線を全く用いない場合は、紫外線照射に代わる他の殺菌機能が必要となっていた。
本願発明は、上記のような課題を解決し、小型・軽量で省エネルギーなLEDを光源とした光触媒反応を利用したLED光触媒ユニットにおいて、従来のものより効率的にエチレンその他の腐臭性ガスを除去できると共に、食品への攻撃性が低く、食品の長期貯蔵が可能となるような、LED光触媒ユニットと、それを用いた食品貯蔵装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、平面状に配置された光源の照射側に対向して光触媒シートを配置し、光源の裏面側に放熱板を配置した光触媒ユニットにおいて、前記平面状の光源は、紫外光LEDと可視光LEDの2種類の光源を複数用いて平面状に配置したもので、紫外光LEDは所定時間のみ点灯させて可視光LEDは常時点灯とし、前記光触媒シートは、粉末状の白金を担持した酸化チタンを光触媒としたLED光触媒ユニットである。
LED光触媒ユニットは、ユニット化により小型となり、かつ食品保存用ボックス内等の矩形状の装置内部の各壁面に配置しやすい略平面形状となっている。
また、紫外光LEDと可視光LEDの2種類の波長を発するLEDを用いることで、紫外光LEDは主として紫外線による殺菌を受け持ち所定時間のみ点灯させ、可視光LEDは、粉末状の白金を担持した酸化チタンからなる光触媒シートを活性化する役目を持ち常時点灯する。
なお、紫外光LEDは、常時点灯せず、短時間照射で定期的な殺菌を行うのみであり、紫外線を常時照射して光触媒の活性化に用いる場合のように、紫外線の照射による食品の鮮度への影響も少なくなる。
この紫外光LEDを照射する所定時間、照射時間やその間隔等は、特に限定されるものではないが、定期的な殺菌を行えれば十分であり、食品や光触媒シートへの攻撃性を低下させるため、効果のある範囲内で、できるだけ短時間であることが望ましい。
光触媒は、酸化チタンを主とするが、従来の紫外線応答型酸化チタンが紫外光で活性化して酸化還元反応を生じるのに対し、本願発明が用いる光触媒の構成は、酸化チタンに更に粉末状の白金を担持させたものであり、この光触媒は、可視光波長で十分に活性化することがわかった。
また、従来の紫外線応答型酸化チタンでは、酢酸エチルやエタノールといった高次炭化水素ガスを分解できなかったが、この発明で用いる可視光光触媒では分解することができることがわかった。これは光源に可視光を用いたためであると考えられる。
なお、可視光光触媒中の酸化チタンと白金の割合としては、二酸化チタン(TiO)、酸化白金(PtO)その他の不純物を含んだ光触媒全体からの酸化白金(PtO)の割合として、0.5重量%からそれ以下で十分に効果があることがわかった。
なお、この発明のユニットは、想定される食品貯蔵装置内にのみ適用されるものではなく、食料保存倉庫や食品運搬車両等の大型のものなどに対しても適用でき、その場合、ユニットを内部壁面に複数配置したり、ユニット自体を相当する大きさに大型化したりして適用できるものである。
請求項2の発明は、前記請求項1に記載のLED光触媒ユニットにおいて、光触媒シートは、蛇腹状に折り込んだ紙製のシートの繊維中に、粉末状の白金を担持した酸化チタンを配した構成を採用したものである。
光触媒となる白金を担持した酸化チタンは粉末状なので、光触媒シートは紙の繊維によりシート状に加工したものを利用可能であるが、紙製で簡単に形状加工でき、蛇腹状に折り畳んで形成することにより、光触媒ユニットの面積以上の面積の光触媒シートを収納できることになる。
また、常時点灯するのは可視光だけを照射する可視光LEDであり、紫外光LEDは照射時間は短時間であるので、シート材の材料に合成樹脂や紙を用いても、これらへの腐食性は少ない。
なお、光触媒シート中の基材(紙の繊維)と光触媒(粉末状の白金を担持した酸化チタン)の構成比としては、重量比で、基材:光触媒が90:10〜30:70の範囲のもので十分に効果を確認できたが、特に、基材:光触媒が50:50〜30:70の範囲が鮮度保持効果を発揮するのにより有効であることがわかった。
請求項3の発明は、前記請求項1又は2に記載のLED光触媒ユニットにおいて、放熱板は、紙製の放熱シートを蛇腹状に織り込んだ構成を採用したものである。
放熱板を紙製とすることで、LED光触媒ユニットがより小型化、軽量化されると共に、紙製で簡単に形状加工でき、蛇腹状に折り畳んで形成することにより、放熱面積を増大させることが可能となる。
請求項4の発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光触媒ユニットにおいて、紫外光LEDの波長は255〜395nmの範囲内、可視光LEDの波長は400〜410nmの範囲内である構成を採用したものである。
紫外光LEDは、殺菌と食品等への攻撃性、或いは点灯時間やその間隔との兼ね合いにより適宜決定されるが、現状、波長は255〜395nmの範囲内が好ましく、また、可視光LEDは、本願発明が用いる粉末状の白金を担持した酸化チタンに対しては、現状、400〜410nmの範囲内が好ましいことが判った。
請求項5の発明は、前記請求項1乃至4のいずれかに記載のLED光触媒ユニットを、矩形状の本体の少なくとも3面に組み込んだ食品貯蔵装置である。
食品貯蔵装置、例えば、食糧貯蔵ボックスは、棚や枠体への固定や設置の容易さから、通常は全体が矩形状となり、略平面形状のこの発明のLED光触媒ユニットは、食品貯蔵装置の内面6面に設置するのが理想的であるが、正面の食品収納用の扉部分や、換気装置、制御装置を置く部分を考慮しても、少なくとも上下面、背面(又は側面)の3面以上にLED光触媒ユニットを配置するのが好ましい。
請求項6の発明は、請求項5に記載の食品貯蔵装置において、内部空間の空気を循環させる整流装置を組み込んだ構成を採用する。
食品貯蔵装置内に整流装置により微風を起こし、内部の空気を循環させ、光触媒へ当接する空気を入れ替えることで、より酸化還元効果を促進させて鮮度保持効果を向上させることが期待される。
なお、整流装置による空気の循環速度があまり速すぎると、光触媒シートに当たる空気が十分に反応を起こさずに過ぎ去ってしまうので、効果が薄くなってしまうのがわかっており、空気の流速は低く抑えるのが好ましく、整流装置の構成は特に限定されないが、例えば、極低速で回転するファンを設置すること等が考えられる。
以上のように、この発明のLED光触媒ユニットによると、光触媒を活性化させるために常時点灯している可視光LEDが、食品への攻撃性が少ない可視光を照射するので、食品の劣化が少なく、食品の長期保存が可能となる。
また、殺菌については、紫外光LEDを用い、時間を区切って定期的に照射制御することで、食品への攻撃を最小限にしつつ、有効な殺菌作用を行うことができる。
更に、光源に2種類のLEDのみ用いることで全体に小型軽量化でき、加えて光触媒シートの基材や、LEDの放熱対策用放熱板に紙製のものを用いることで、全体がより小型・軽量化される。
また、従来の紫外線応答型酸化チタンでは、エチレンは分解できても酢酸エチルやエタノールといった高次炭化水素ガスを分解できなかったが、この発明で用いる粉末状の白金を担持した酸化チタンの光触媒を可視光で活性化させた場合、これらの高次炭化水素ガスをも分解することができる。
上記LED光触媒ユニットは、小型でかつ略平面状であるので、矩形状の食品貯蔵装置内部の各内壁面に設置しやすい利点がある。
更に、食品貯属装置に内部空間の空気を循環させる整流装置を組み込んだ場合、食品貯蔵装置内に整流装置により微風を起こし、内部の空気を循環させ、光触媒表面に接する空気を連続して入れ替えることで、光触媒の酸化還元効果をより促進させることができる。
(a)と(b)は、この発明のLED光触媒ユニットの断面図である。 この発明のLED光触媒ユニットを組み込む食品貯蔵装置の斜視図である。 上記食品貯蔵装置の平面断面図である。 紫外線照射時間と腐臭性ガスの関連を示すグラフである。
以下、この発明のLED光触媒ユニットについて説明する。
図1は、略矩形状となる光触媒ユニット1の断面図であり、(a)は幅方向(短手方向)に沿って切断した断面図、(b)は長さ方向(長手方向)に沿って切断した断面図である。
平板状で長方形の基板2の一方面には、複数のLED3が配置されている。
LED3は、紫外光LEDと可視光LEDの2種類を用い、その波長は、紫外光LEDが255〜395nmの範囲内、可視光LEDの波長が400〜410nmの範囲内であり、2種類のLEDは、可視光LEDは光触媒を活性化させる作用を、紫外光LEDは殺菌作用を、それぞれ役割分担させている。
なお、これらの2種類のLEDは、両者ともパワーLED(定格電流500mA程度)としており、その数量、割合や配置等は、特に限定されるものではなく、図示では両種類のLED共にLED3として示している。
LED3のうち、可視光LEDは常時点灯し、紫外光LEDは、その発光波長である255〜395nmを長時間照射すると食品の鮮度への影響が現れるため、常時点灯とせず時間を区切った短時間の照射としておくことで、果物等の食品の鮮度を失うことがないようにしているが、紫外光LEDの点灯時間、間隔等も特に限定されず、食品に劣化を与えず、かつ殺菌にも効果がある範囲で適宜変更して実施することができる。
基板2のLED3を配置した面の周辺部付近からLED3群を取り囲むように垂直に遮光壁4が立ち上がり、更に、遮光壁4の先端から基板2の内側に向かって基板2と平行に折り曲げ状に若干突出する突出部5が形成されている。
更に、遮光壁4と突出部5に囲まれた開口を塞ぐように、メッシュ網保持枠6が取り付けられており、このメッシュ網保持枠6には、網メッシュ7と、網メッシュ7の内側に長手方向に平行な複数の折り曲げ線に沿って蛇腹状に折り曲げられた光触媒シート8が保持されている。
メッシュ網保持枠6の周囲全周に、補強と光漏れ防止のために内側に折り曲げた折り曲げ片6aが形成され、更にメッシュ網保持枠6の短手側二辺には、上記折り曲げ片6aと平行な保持片6bが設けられている。
メッシュ網保持枠6による光触媒シート8の保持手段は、折り曲げ片6aと保持片6bに挟まれた部分にスポンジゴム9を挿入しておき、その部分に蛇腹状に折り曲げられた光触媒シート8の寸法が変わらない長手方向両端を挿入し、スポンジゴム9の圧縮により光触媒シート8を押さえ込んで固定する。
また、光触媒シート8、スポンジゴム9の表面側と、折り曲げ片6aの間に網メッシュ7の長手方向両端辺を挟んで網メッシュ7を固定している。
光触媒シート8は、有機成分や有機繊維からなり、紙製シート状に加工したものを基材とし、その中に、粉末状の白金を担持した酸化チタンを保持したものである。
酸化チタンは紫外線により酸化還元反応を生じるが、更に粉末の白金を担持させることで、可視光波長400〜410nmで十分に活性化することになり、可視光の照射であれば、従来型の紫外線の照射におけるシート材の紙の繊維の腐食性は少ないし、紫外線による食品の劣化となる影響も少ない。
また、従来型の紫外線応答型酸化チタンでは、酢酸エチルやエタノールといった高次炭化水素ガスを分解できなかったが、この可視光で活性化される本発明で用いる光触媒では分解することができるのがわかった。これは光源が可視光であるためと考える。
光触媒としては、石原産業株式会社製の可視光応答型光触媒MPT−623を用いたが、その組成内容は、二酸化チタン(TiO)が90重量%以上で、酸化白金(PtO)が0.5重量%未満というものである。
また、光触媒シート8の基材の組成は有機繊維や有機成分を主成分とするもので、基材と光触媒との構成としては、重量比で、基材:光触媒が90:10〜30:70の範囲のもので十分に効果を確認でき、基材:光触媒が50:50〜30:70の範囲が特に有効であり、当該実施形態では、基材:光触媒を30:70のものを使用した。
更に、光触媒シート8の構造を蛇腹状に織り込んだものとすることで、実質上の表面積を増大させることができ、専有面積が同じ面積の平面シートの場合より効率よく酸化還元反応を起こすことが可能となる。
基板2の他面側には、そのほぼ全面に熱伝導シート10を介してアルミ製の金属プレート11が取り付けられ、更に、シート状のものを蛇腹状の織り込んだ紙製の放熱フィン12が取り付けられている。
なお、LED3のうち、紫外光LEDは殺菌に必要ではあるが、強すぎると食品を劣化させるので、紫外線の不要な漏れは極力防がなくてはならないし、また、常灯させている可視光LEDも発光波長のピーク値が可視光域にあっても、厳密には強度の弱い紫外線を放出しているので、光触媒だけに照射して、外部への光漏れは極力防ぐ必要がある。
そこで、LED光触媒ユニット1では、LED3の光は遮光壁4と突出部5により基板2の横方向外部へLEDの光漏れが極力生じないようになっており、また、光触媒シート8の固定は、光触媒シート8の寸法が変わらない長手方向をスポンジゴム9で押さえることで固定しているが、更にこの効能として、長手方向端部での折り曲げの山と谷の部分から光(紫外光)がメッシュ網保持枠6の内側端部で反射して外部漏れることをスポンジゴム9により遮蔽することとなっている。
また、スポンジゴム9は、雰囲気中の空気が光触媒シート8を通るように、側面の隙間をカバーして塞ぐ役割もある。但し、特にスポンジゴムに限定されるわけではなく、隙間を塞げるものであればどのような材質のものでも使用できる。
LED3は、パワーLEDを用いているために、通常のLEDより発熱するが、基板2、熱伝導シート10、金属プレート11を介して放熱フィン12に伝えて効率よく放熱しており、また、放熱フィン12を紙製としたので、放熱フィン12の加工性に優れ容易に放熱性に優れた蛇腹形状とすることができると共に、LED光触媒ユニット1全体を軽量化することができた。
なお、この発明のLED光触媒ユニット1は、上記説明した通りであるが、図示や上記説明の構造のものに限られること無く、この発明の目的の範囲内で適宜設計変更して実施可能である。
図2は、この発明のLED光触媒ユニット1を利用した食品貯蔵装置21を示すものであり、図3は、同断面平面図である。食糧貯蔵装置21は、固定や設置時の便宜のため、全体に矩形状となっており、正面に貯蔵のための果物等の食品を出し入れするための、ヒンジが下側にある上側から開く扉22を有している。
扉22を開いた内部空間には、両側支持枠23にかけ渡された網状のテーブル24が設けられており、このテーブル24上に保存・貯蔵すべき果物等の食品を載置するようになっている。
LED光触媒ユニット1は、このテーブル24を挟む上下面(図2参照)と、扉22の反対側となる背面(図3参照)の3面の壁面に埋め込まれるように設置され、いずれも光触媒シート8を内側に、放熱フィン12を外側に向けて設置されている。
この3つのLED光触媒ユニット1の電源供給や、LED3のうちの紫外光LEDの点灯時間等の制御は、LED光触媒ユニット1や扉22が設置されていない食品貯蔵装置21の向かって右側に設置されている。
また、同じくLED光触媒ユニット1や扉22が無い左側には、空間が設けられ、後部のファン26により生じた空気の流れが、空間から通気板27を通じて食品が貯蔵された内部に流れ込み、この空気の流れが、網状のテーブル24を介して下面のLED光触媒ユニット1の光触媒シート8に接し、また、任意に開閉可能なシャッター28(図3参照)を介して背面のLED光触媒ユニット1の光触媒シート8に接し、また、上昇する空気は上面のLED光触媒ユニット1の光触媒シート8に接することになる。
光触媒シート8に接した空気は、食品が発散したエチレン、エタノール、酢酸エチル等のいわゆる腐臭性ガスが光触媒シート8の酸化還元作用により分解され、更に内部で循環して、食品を老化させる腐臭性ガスを抑制することになる。
ところで、食品貯蔵装置21内の空気循環は必要であるが、あまり空気の流れが速くなりすぎると、空気が光触媒シート8に十分接触して反応せずに流れてしまうためか、効果が低下するのがわかっており、設置するファン26としては、極低速で回転するファンを用いたり、ファンを常時稼働とせずに間歇的に稼働させたりするのが好ましい。
この実施形態では、ファン26の回転数は約400〜700rpmのものを用い、常時稼働とはせずに、約17分の間に1秒間オンにする制御を行うことで、極小規模な空気の循環を行うようにしている。もちろん、ファン26に代えて微弱な空気の流れを流せる他の手段や構造を用いてもよい。
なお、図示の食品貯蔵装置21では、ガス検知管29により、発生した腐臭性ガスの濃度を検知することが出来るようになっているが、これは実験や測定のために設置されたものであり、実際の使用ではガスの除去条件等は実験等により事前に検証済みであり、特に必要では無い。
その他、この発明の食品貯蔵装置としては、図示や説明のものに限定されず、この発明の目的の範囲内で適宜変更して実施することができ、例えば、LED光触媒ユニット1の数や接地面の場所等もコストや効果の兼ね合いから適宜増減したり場所を変えたりすることができ、その他の構造についても適宜変更して実施できる。
また、LED光触媒ユニット1を適用する対象も上記実施形態の食品貯蔵装置に限定されるものではなく、より大型の食料保存倉庫や食品運搬車両等にも適用できる。その場合、実施形態の大きさ程度のユニットを内部壁面に複数配置したり、ユニット自体のLED3を配する面積と光触媒シート8の面積を大型化したりして適用できるものである。
更に、光触媒を駆動するLEDは省エネルギーであるので、食料運搬車両がトラック等の電源容量が限られたものである場合も適用できるし、LED自体は太陽電池でも駆動可能であるため、車載の太陽電池を利用する等の方法も考えられる。
[実験方法]
本発明のLED光触媒ユニットと、図2、図3で示すものと同様の食品貯蔵装置を利用し、1日に点灯させる紫外光LEDの時間を変化させて、1週間の鮮度保持実験を行った。可視光LED(Nichia, NCSU275 U405)は405nm発光波長のもの(IF=10〜20mA/個)を、光触媒は可視光応答型光触媒粉末を利用した。紫外光LED(Nichia, NCSU033B)は、365nm発光波長のもの(IF=500mA/個)を利用し、点灯時間は0〜120minの間で変化させた。試料は、熟成度が評価し易いクライマクテリック型であるバナナを用い、24℃一定の暗室で貯蔵保存した。貯蔵装置の寸法は140×210×160mmである。
鮮度評価は、果皮色とガス濃度に着目した。果皮色は、食品の劣化度を計測するために開発した画像処理プログラムを用いて4色(緑,黄,茶,黒)で鮮度を評価した。
果皮表面から放出されるガス濃度は、ガスクロマトグラフにより同定した有機系腐臭性ガス(エチレン,酢酸エチル,エタノール)と大気組成ガスである二酸化炭素COと酸素Oをガス検知管により分析した。
未処理のバナナでは、1週間放置したものと比較すると、果皮表面は、紫外光LED点灯時間に依存することなく鮮度保持効果が見受けられる。ただ、詳細な画像処理分析によると、紫外光LED点灯時間依存性があり、点灯時間が長くなると、鮮度保持効果が抑制されるのがわかった。
図4のグラフに見られるように、MA貯蔵上(プラスチックフィルム貯蔵)のバナナと比較すると、果皮表面から放出されるエチレンは、紫外光LED照射効果がなく、その放出量が抑制されない。酢酸エチルは紫外光LED照射により表皮効果から十分に放出される。興味深いことに、紫外光LED点灯時間の依存性はない。この事実は、酢酸エチルは紫外光(365nm)と強い相関性があることを示唆する。おそらく、紫外光により生成されるラジカルとエチレン生合成経路中に存在する高分子が反応し、酢酸エチルが放出されたと考える。エタノールは、紫外光に関わらず、その放出量は十分に抑えられる。
この実験結果より、殺菌として使用する紫外光LEDの照射時間により、腐臭性ガス、特に酢酸エチルの発生濃度が変化するのがわかり、また、紫外線の照射時間が長いと、貯蔵食品の鮮度が劣化することもわかった。従って、紫外光LEDの照射時間の制御がこれらの腐臭性ガスの抑制に有効であると考えられる。
1 LED光触媒ユニット
3 LED
8 光触媒シート
12 放熱フィン
21 食品貯蔵装置
26 ファン

Claims (6)

  1. 平面状に配置された光源の照射側に対向して光触媒シートを配置し、光源の裏面側に放熱板を配置した光触媒ユニットにおいて、前記平面状の光源は、紫外光LEDと可視光LEDの2種類の光源を複数用いて平面状に配置したもので、紫外光LEDは所定時間のみ点灯させて可視光LEDは常時点灯とし、前記光触媒シートは、粉末状の白金を担持した酸化チタンを光触媒としたことを特徴とするLED光触媒ユニット。
  2. 前記光触媒シートは、蛇腹状に折り込んだ紙製のシートの繊維中に、粉末状の白金を担持した酸化チタンを配したものであることを特徴とする請求項1に記載のLED光触媒ユニット。
  3. 前記放熱板は、紙製の放熱シートを蛇腹状に織り込んだものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のLED光触媒ユニット。
  4. 前記紫外光LEDの波長は255〜395nmの範囲内、可視光LEDの波長は400〜410nmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光触媒ユニット。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかに記載のLED光触媒ユニットを、矩形状の本体の少なくとも3面に組み込んだことを特徴とする食品貯蔵装置。
  6. 内部空間の空気を循環させる整流装置を組み込んだことを特徴とする請求項5に記載の食品貯蔵装置。
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