JP3150504U - 戒名板 - Google Patents

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Abstract

【課題】戒名や遺影等の故人に関する各種情報を取得するためのコードが表示されていても宗教性を損なうことがないとともに、そのコードを立体的な面にも表示することができる戒名板を提供する。【解決手段】故人に関する情報である故人情報をコード化したカラー二次元コード13を戒名板10に表示させる。カラー二次元コード13は、そのコード自体を宗教性を帯びたデザインにすることができるため、戒名板10を故人を供養するための宗教用具に相応しい形態にすることができる。カラー二次元コード13は各セルの形状が多少乱れても情報を読み取ることができるため、それを立体的な面に表示したり、プリンタを使わずに手書きで描いたりすることができる。【選択図】図1

Description

本考案は、故人の戒名等が記された戒名板に関する。
一般に、戒名板には故人の戒名、俗名、死亡年月日、行年等の限られた情報は記されるが、遺影や遺訓、故地等のように故人を懐かしく偲んだり故人の人となりに思いを馳せたりする際の助けとなるような情報は記されない。
そこで、近年急速に発達している情報通信技術を利用して、戒名や遺影等の故人に関する各種情報をインターネットに接続可能なサーバに保存するとともに、そのサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)をコード化したQRコード(商標)を戒名板(メモリアルプレート)に印刷することが提案されている(特許文献1参照)。使用者は戒名板に表示されたQRコードを携帯端末で読み取り、上記サーバにアクセスすることにより、故人に関する各種情報を携帯端末で閲覧することができる。
特開2008-243159号公報
戒名板はあくまで故人の供養に用いるためのものであり、それ自体が宗教性を帯びていることが重要である。しかし、QRコードが表示された従来の戒名板は、QRコードが白と黒の四角いドットから成る機械的で無機的なパターンであるために宗教性が感じられず、単なる情報記録板のような印象を与える。
QRコードは各ドットの形状に関する制限が厳しく、立体的な面に表示すると読取エラーを発生させやすい。QRコードを印刷するためのプリンタは一般に平面印刷にしか対応しておらず、立体的な形状を有する戒名板に印刷することは困難である。
本考案は以上のような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、戒名や遺影等の故人に関する各種情報を取得するためのコードが表示されていても宗教性を損なうことがないとともに、そのコードを立体的な面にも表示することができる戒名板を提供することである。
上記課題を解決するために成された本考案に係る戒名板は、
故人に関する情報である故人情報をコード化したカラー二次元コードが表示されていることを特徴とする。
故人情報は、故人に関連する任意の情報であり、戒名、俗名、死亡年月日、行年等に限らず、遺影、遺訓、故地等であってもよい。また、それらの情報が保存されたサーバにネットワークを介してアクセスするためのアドレス情報であってもよい。
カラー二次元コードは、マトリクス状に分割された各セルに所定の色のうちの一つがそれぞれ割り当てられており、それによって生成されるマトリクス状の色の配置パターンが文字列等のデジタル情報に関連付けられている二次元コードであり、例えば韓国のカラージップメディア社が開発したカラーコード(商標)を用いることができる。二次元カラーコードは各セル内で或る色が所定の割合以上塗りつぶされていれば、そのセルにその色が割り当てられていると判断されるため、視覚的なデザインの自由度が高いとともに、各セルの形状が多少乱れても情報を読み取ることができる。
使用者は上記戒名板に表示されたカラー二次元コードを携帯端末等で読み取ることにより、故人情報を携帯端末等で閲覧する。故人情報がアドレス情報である場合は、カラー二次元コードを読み取った携帯端末等でそのアドレス情報が示すサーバにネットワークを介してアクセスし、そこから故人に関する情報を取得し携帯端末等で閲覧する。
本考案に係る戒名板によれば、戒名や遺影等の故人に関する各種情報を取得するためのコードがカラー二次元コードであるため、そのコード自体を宗教性を帯びたデザインにすることができる。従って、戒名板を故人を供養するための宗教用具に相応しい形態にすることができる。
カラー二次元コードは各セルの形状が多少乱れても情報を読み取ることができるため、それを立体的な面に表示したり、プリンタを使わずに手書きで描いたりすることができる。従って、戒名板の宗教的な意義をより一層高めるために戒名板の一面に立体的な仏像等の礼拝対象物を現しておき、その面にコードを表示することもできる。
本考案の実施例に係る戒名板の平面図。 本考案の実施例に係る戒名板の斜視図。 戒名板の変形例を示す平面図。
以下、図面に基づき、本考案に係る戒名板の実施例について説明する。
本考案の実施例に係る戒名板10の平面図を図1に示し、斜視図を図2に示す。戒名板10は矩形板状の基部11の表面に立体的な仏像12を現したものである。仏像12の台座にはカラー二次元コード13を表示する。
基部11及び仏像12の大きさはカラー二次元コード13の表示に必要な面積や持ち運びやすさ等を考慮して決めればよく、例えば基部11については縦横の長さを8〜10cm、厚さを数mm〜1cmとし、仏像12については最も盛り上がっている部分を基部11から1〜2cmの高さとする。戒名板10を安定して立たせるために、仏像12の台座の下端は基部11から前方に突き出させておくことが好ましい。基部11及び仏像12の材料は特に問わず、陶磁器や木、石などを用いることができる。
図2に示すように、仏像12の台座は中央を窪ませ、その窪んだ部分にカラー二次元コード13を表示させる。カラー二次元コード13は戒名等の故人の情報をコード化したものであってもよいが、本実施例では故人の情報が保存されたサーバにネットワークを介してアクセスするためのアドレス情報をコード化したものとする。アドレス情報はURLであってもよく、利用する情報管理システム(例えばカラージップメディア社が提供するカラーコード(商標)の管理システム)に特有の識別番号等であってもよい。上記サーバに保存されている故人の情報は故人に関連する任意の情報であり、例えば戒名、俗名、死亡年月日、行年、続柄、系図、遺影、遺訓、故地、故人の歴史であり、文字に限らず画像や動画であってもよい。その他にも、例えば故人の家系の本山やお手次の寺院、本家の墓石等の写真や所在地、宗旨の写経等を故人の情報としてもよい。カラー二次元コード13は各セルの形状が多少乱れても情報を読み取ることができるため、手書きで描くことができる。基部11や仏像12が陶磁器の場合、それらの表面にカラー二次元コード13を焼き付けてもよい。
カラー二次元コード13の読み取りには携帯電話等の携帯端末を用いる。携帯端末は、カラー二次元コードを読み込むためのカメラと、読み込んだカラー二次元コードを所定の文字列に変換するための変換プログラムと、インターネットを介して上記サーバから情報を受信するための通信機能と、液晶ディスプレイ等の表示部を備えたものである。
携帯端末は使用者の操作によって、まず戒名板10に表示されたカラー二次元コード13をカメラで撮影し、その画像を変換プログラムによりアドレス情報に変換する。次に、携帯端末の通信機能を用いてそのアドレス情報が示すサーバにインターネットを介してアクセスし、そこから故人に関する情報を取得する。そして、取得した情報を表示部に表示させる。使用者は表示部に表示された情報から故人の各種情報を知ることができる。
戒名板10は故人を供養するための宗教用具に相応しい形態であるため、仏壇に安置したり、過去帳を載せるための見台に載置したり、墓地や納骨堂、寺院等に持ち込んだりしても何ら違和感を与えない。
幾世代にも及ぶ先祖の戒名や死亡年月日等を墓石に刻むためには、十分に大きな墓石を準備する必要がある。そのような大型の墓石を立てるためには、大きな石材を採掘し、それを墓地まで輸送しなければならない。そのため、墓石が大きくなるほど、製作や輸送等に多量のエネルギーが必要となり、環境への負荷が増大する。また、大型の墓石を立てるためには、それに見合った十分な広さの墓地を確保しなければならないという問題もある。
本考案に係る戒名板によればカラー二次元コードを用いて戒名や続柄等を管理するため、墓石には先祖代々の戒名等を彫刻しなくてもよい。そのため、幾人もの先祖の戒名を刻むことができるような大型の墓石を準備しなくてもよく、小型の墓石で先祖を祀ることができる。墓石が小型であれば、石材の採掘量は少なくてすみ、その輸送が容易であるため、環境への負荷が低減する。また、小型の墓石であれば、それほど広くない墓地にも立てることができる。
親族が亡くなる度に墓石に追加彫刻を行うことは、遺族によっては煩わしかったり、費用負担が重荷になったりすることがある。しかし、本考案に係る戒名板を用いれば、墓石に追加彫刻を行わなくてもよいため、遺族の負担が軽減する。
先祖の戒名等を従来のように過去帳で管理する場合、火事や天災等によって過去帳が消失してしまうと、先祖の戒名等を知ることが非常に困難となる。一方、先祖の戒名等を戒名板とサーバを用いて管理する場合、仮に戒名板が破損したり紛失したりしてもサーバには戒名等の情報は残っているため、先祖の戒名等をサーバから再度入手することは容易である。
サーバには父方と母方の双方の家系の情報を保存してもよい。これにより、両家系を合祀することができ、母側や妻側の絶家になった家系も迎え入れて祭祀供養することができる。例えば、妻の実家に祭祀継承者がいない場合、永代管理費を納めて寺院に祭祀を委託する方法もあるが、その妻の父親や母親からすれば、我が娘である、嫁に出た娘宅で祀ってもらう方が安寧を得られる。そこで、本考案に係る戒名板を用いて上記のように合祀すれば、そのような人間の道理に適った供養を行うことができる。
一般に自らの先祖のことを詳しく知らない人は多い。それは従来、先祖のことを知る手がかりが墓石や過去帳等しかなかったことが一つの要因として考えられる。
そこで、先祖代々の故人の様々な情報をサーバに保存するとともに、そのサーバにアクセスするための戒名板を子孫に受け渡していけば、子孫は先祖に関する情報を容易に入手することができる。子孫はサーバに保存された先祖の遺影や遺訓等の様々な情報に触れることで、先祖をより身近に感じることができ、それによって先祖を供養する気持ちがより一層高まる。
上記実施例は本考案の一例であり、本考案の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。例えば、カラー二次元コード13は戒名板10の任意の位置に表示させることができ、図3に示すように仏像12の胸のあたりに表示して仏像12がカラー二次元コード13を手に持っているようなデザインにしたり、仏像12と重ならないように仏像12の隣に表示したりしてもよい。
戒名板10には仏像12の代わりに、各宗教で礼拝の対象とするものを現してもよい。礼拝対象物は神道であれば鏡、キリスト教であれば十字架などが代表的なものである。礼拝対象物は立体的に現れたものであっても平面的に描かれたものであってもよい。
10…戒名板
11…基部
12…仏像
13…カラー二次元コード

Claims (4)

  1. 故人に関する情報である故人情報をコード化したカラー二次元コードが表示されていることを特徴とする戒名板。
  2. 前記カラー二次元コードが礼拝対象物が現れている面に表示されていることを特徴とする請求項1に記載の戒名板。
  3. 前記カラー二次元コードが立体的な面に表示されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の戒名板。
  4. 前記故人情報が、故人の情報が保存されたサーバにネットワークを介してアクセスするためのアドレス情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の戒名板。
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