JP3150248U - 防犯機能を有する賃走車用の現金受払システム - Google Patents

防犯機能を有する賃走車用の現金受払システム Download PDF

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Abstract

【課題】強盗から運転手の安全を容易に守ることができると共に、現金の持出しを効果的に抑止する機能を備えた賃走車用の現金受払システムを提供する。【解決手段】現金受払装置2と、現金払出実行装置4と、これらを接続する信号ケーブル3とを備え、少なくとも(i)賃走車のエンジンが起動されていること、(ii)運転席側部の扉が閉じられていること、(iii)電源がオン状態であることの3条件が満たされているときに、現金の受払機能が作動するように構成されている現金受払システムである。この現金受払システムは、電源部が、賃走車のブレーキ機構部、ブレーキランプ及びシフトレバー機構部の電気系統に接続されるように構成されており、電源がオフ状態にある場合には、シフトレバーの動作が禁止されることが好ましく、また、警報機能及びシートベルト自動解除機能を更に有していてもよい。【選択図】図1

Description

本考案は、強盗などの犯罪に対して運転手の身体の安全を守ることができると共に、暴漢による現金の持出しを抑止することが可能な賃走車用の現金受払システムに関するものである。
通常、タクシー、ハイヤー等の賃走車の料金精算時には、乗車時間に応じて料金が表示され、乗車顧客が貨幣を運転者に支払い、それに対して運転者が釣銭を乗車顧客に支払うことによって精算している。このような料金精算時には、運転者が手持ちの現金バッグ、財布等(以下、単に「現金バッグ」という)を用いて、乗車顧客から支払われた現金の収納、及び釣銭の勘定・支払を行っているのが一般的である。
近年、貧困層の拡大や外国人労働者の増大などの社会構造的な問題に起因して治安が悪化し、賃走車の運転手を襲い現金を強奪する事件が増加している。賃走車に対して強盗を行う暴漢の常套手段としては、まず運転手を襲い致命的な攻撃を行った上で、現金バッグを持ち去るか、又は気を失った運転手を車外に出してから賃走車を運転して逃走する場合が考えられる。賃走車の運転者が用いる一般的な料金精算用の現金バッグとしては、使用の利便性を考慮して、皮革性のものが多く、特に施錠部は設けられていないため、容易に強盗の標的となりうる。そこで、賃走車の運転手の安全を守ると同時に、経済的な損失の発生を最大限抑止する手段が求められている。
特開2007−112216号公報には、運転席の上部空間と、運転席と助手席との間の空間を確実に遮蔽することができ、賃走車の運転手の安全性を高めることができる車両室内隔離用エアバッグ上昇装置が提案されている。この装置によれば、後部室側の暴漢が腕を伸ばして運転手を襲うことができず、咄嗟の攻撃に対して一時的に運転手の安全を効果的に守ることができるが、暴漢による現金の持出しに対する抑止手段については何ら記載されていない。
また、特開2002−260026号公報には、賃走車の運賃精算において、予め決められた金額に応じた情報を磁気的に保持したプリペイドカード及び貨幣を受け入れ、精算を行う運賃精算システムが提案されている。このシステムによれば、運転手が大量の貨幣を持たなくなることで盗難や強盗等に遭う危険性を低下させることができる。しかし、タクシーなどの個別車両の賃走車は、バスなどの固定された需要を有する大型車両とは異なり、時と場合に応じて需要が発生するものであるから、乗車顧客が車両(又はその車両が属する企業)を選別して乗車することは殆ど無い。それに対して、特定のプリペイドカードを受入れ可能な運賃精算システムは、各車両(又は各企業)で仕様が統一されている必要があるが、そのようなシステムは高価なものであるから、実際には仕様の統一は困難である。また、上述のようなタクシーなどの個別車両の賃走車に対する需要の突発的性質から、乗車顧客は、プリペードカードよりも現金で支払うことを希望する傾向が強い。従って、賃走車についてのプリペイドカードを利用した運賃精算システムの普及は、現実的なものではない。なお、特開2002−260026号公報には、この運賃精算システムが防犯センサーを備えてもよいと記載されているが、車両自体は運転可能に保たれているため、暴漢は防犯センサー周辺の電気系統を破壊した上で車両を運転し逃走することができる。
このように、先行技術においては、強盗からの攻撃に対して運転手の安全を効果的に守ると同時に、暴漢の現金バッグの持出し又は車両運転による現金持ち逃げを防止することができる技術は提案されていない。従って、強盗から運転手の身体の安全を守ることができると共に、暴漢による現金の持出しを抑止することが可能な賃走車用の現金受払システムの開発が、強く望まれている。
特開2007−112216号公報 特開2002−260026号公報
本考案はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、強盗から運転手の身体の安全を容易に守ることができると共に、現金の持出しを効果的に抑止する機能を備えた賃走車用の現金受払システムの提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた考案は、
防犯機能を有する賃走車用の現金受払システムであって、
乗車顧客から受取る紙幣が収納される受取紙幣収納部、乗車顧客に払出す紙幣が収納される払出紙幣収納部、乗車顧客から受取る硬貨と乗車顧客に払出す硬貨が収納される硬貨収納部、及び電源部を有する現金受払装置と、
乗車顧客に払出す紙幣の種類と数量が入力される払出紙幣入力部、及び、上記現金受払装置からの紙幣の払出しと硬貨収納部での硬貨の受払いとを実行する払出実行スイッチ部を有する現金払出実行装置と、
上記現金受払装置と上記現金払出実行装置とを接続する信号ケーブルとを備え、
少なくとも、
(i)賃走車のエンジンが起動されていること、
(ii)運転席側部の扉が閉じられていること、及び
(iii)電源がオン状態であること
の3条件が満たされているときに、現金の受払機能が作動するように構成されている現金受払システムである。
当該賃走車用の現金受払システムは、受取紙幣収納部、払出紙幣収納部、硬貨収納部、電源スイッチ部及び鍵錠部を有する現金受払装置と、払出紙幣入力部及び払出実行スイッチを有する現金払出実行装置と、現金受払装置と現金払出実行装置とを接続する信号ケーブルとを備えることから、必要最小限の現金受払機能を有すると同時に余分な設備を省いたため、システムのサイズ及び作製コストの大幅な低減と、使用の容易性・利便性の向上とを達成することが可能となる。また、賃走車の運転手は、従来のように現金バッグを携帯する必要がなくなる。さらに、この現金受払システムは、少なくとも上記(i)、(ii)及び(iii)の3条件が満たされているときに現金の受払機能が作動するように構成されていることから、電源スイッチを部外者が容易に発見することができない位置に設置することによって、強盗が当該システムを操作して貨幣を持出すことが極めて困難な状況とすることができる。なお、ここでの「現金の受払機能」とは、現金払出実行装置から信号ケーブルを経由して伝送される現金の払出し実行指令を、現金受払装置で受信して、紙幣を払出し及び/又は硬貨を受払うように現金受払装置が作動する機能を言うものとする。
当該賃走車用の現金受払システムにおいて、上記電源部が、賃走車のブレーキ機構部、ブレーキランプ及びシフトレバー機構部の電気系統に接続可能に構成されており、電源がオフ状態にある場合に、シフトレバーの動作が禁止されることが好ましい。このように、現金受払システムの電源の系統を、ブレーキ機構部からシフトレバーにつながる電気系統に組み入れて、現金受払システムの電源がオフ状態の場合にシフトレバーがロックされるように構成することによって、強盗による車両そのものの運転・逃走を効果的に抑止することが可能となる。
当該賃走車用の現金受払システムは、警報機能及びシートベルト自動解除機能を更に有していてよい。このように、現金受払システムが警報機能を有することによって、強盗の存在を周囲に知らせると共に、強盗行為を効果的に中断・抑止することが可能となる。また、現金受払システムが、警報機能が作用した際にシートベルトが自動的に解除される機能を有することによって、運転者が暴漢から容易かつ迅速に逃走することができる。
当該賃走車用の現金受払システムは、指紋及び/又は暗証番号による認証機能を更に有していてよい。このように、現金受払システムの電源をオン状態にする際や、現金受払装置全体を解錠する際に指紋及び/又は暗証番号による認証を必要とすることによって、強盗による現金持出しに対する抑止力をさらに高めることが可能となる。
当該賃走車用の現金受払システムにおける現金受払装置は、賃走車の内部に固定するための複数の固定手段を備えていることが好ましく、この複数の固定手段の少なくとも1つは、現金受払装置の筐体内部からのみ固定状態が解除されうるものとしてよい。このように、現金受払装置の車両への固定手段を複数とし、このうちの少なくとも1つの固定手段を筐体の外部から容易に視認できない位置に備えることによって、強盗による装置そのものの持出しを効果的に防止することが可能となる。
以上説明したように、本考案の賃走車用の現金受払システムは、必要最小限の現金受払機能を有し、余分な設備を省いたため、システムのサイズ及び作製コストの低減、及び使用の容易性・利便性の向上を同時に達成することが可能となる。さらに、この現金受払システムは、少なくとも上記の3条件が満たされているときに現金の受払機能が作動するように構成されているため、強盗が当該システムを操作して貨幣を持出すことが極めて困難となる。
図1は、本考案の一実施形態に係る賃走車用の現金受払システムを示す概観図である。 図2は、図1の現金受払システムの現金受払装置における受取紙幣収納部の模式的断面図である。 図3は、図1の現金受払システムの現金受払装置における払出紙幣収納部及び硬貨収納部の模式的断面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ本考案の実施の形態を詳説する。
図1の賃走車用の現金受払システム1は、主に、現金受払装置2、信号ケーブル3及び現金払出実行装置4を備えている。
現金受払装置2は、電源ランプ5、受取紙幣収納部6、払出紙幣収納部7(5千円札紙幣収納部7a及び1千円札紙幣収納部7b)、硬貨収納部8、払出紙幣表示部9、鍵錠機構10及び固定手段11を有している。また、現金受払装置2には、図示されない位置に電源部が配設されている。現金受払装置2は、賃走業務が終了し、管理部門において売上げの勘定や釣銭の補充を行う際には、取外して移動させることが前提となるため、車両の前方部分の任意の箇所に取付け可能に構成されている。また、現金受払装置2は、移動可能なものであるため、人に対して大きな負荷を与えることがない程度の重量を有することが好ましい。現金受払装置2を車両に搭載した状態において、少なくとも外部に露出される部分は、強盗によって加えられる打撃・衝撃に対する耐性強化の観点から、鋼鉄製、合金製あるいは鋳鉄製であることが好ましい。また、現金受払装置2を車両に搭載した状態において車両の内部に収納される部分は、上記以外の材料、例えば皮革や合成繊維等で構成することができる。現金受払装置2全体の形状は、特に限定されないが、例えば、略直方体や略立方体であってよい。
現金受払装置2に配設されている電源部は、本システム外部の電源スイッチと電気的に接続可能に構成されている。本システム外部の電源スイッチは、賃走車の運転手や管理者以外の第三者が容易に発見できない位置に設置するのが好ましい。このような電源スイッチは、例えば、助手席前方の格納庫の内部や、車両のボンネット内部に設置することができる。電源スイッチによって、現金受払装置2の電源がオン状態になることによって、現金受払装置2と現金払出実行装置4とを含む現金受払システム1全体の電源がオン状態になるように設定することが好ましい。
電源ランプ5は、電源がオン状態になっているとき、赤色等の原色系統の明瞭な色彩に点灯する。このような電源ランプ5としては、平面形状が略円形または略方形であり、外面がガラス素材のものを用いることができる。
この電源ランプ5は、警報スイッチの機能を兼ね備えている。強盗などがこの電源ランプを誤って押した際には、例えば、大音量の警報を周囲に流し、事件の発生を周知させることが可能なように構成することができる。また、電源ランプ5から発せられる警報は、所定の停止釦を押すまで鳴り続けるように構成することによって、犯罪抑止機能がさらに高められる。このような警報機能を兼ね備えた電源ランプ5は、強盗などが誤って押すことが期待される他、運転手が自主的に警報を発することによって、犯罪を周囲に知らせて運転手自身の安全を守ることが可能となる。警報の停止釦は、第三者が容易に発見することができない位置に設置するのが好ましいが、それと同時に、運転手が座席状態で手が届く範囲内に設置することもまた好ましい。
受取紙幣収納部6は、賃走車が目的地に到着し精算する際に、運転者が乗車顧客から受け取った紙幣を収納するための部材である。この受取紙幣収納部6は、図2に示されるように、外蓋15と受取紙幣収納庫16とを有している。外蓋15は、上辺部を軸とし、現金受払装置2の内側で(矢印の方向に沿って)開閉可能なように設置されている。また、受取紙幣収納庫16は、紙幣の奥行き方向に収納可能な平面積を有すると共に、ある程度の数量の紙幣を重ねて収納できる高さを持っていることが要求される。受取紙幣収納庫16の上面の外蓋に近い側(収納庫入口)は、奥に向かって徐々に小さくなるように入口断面積を設定することが好ましい。受取紙幣収納庫16の入口をこのような形状とすることによって、強盗などが直接又は工具などを用いて紙幣を取り出すことが困難となる。
払出紙幣収納部7は、乗車顧客に払出すための釣銭を収納し、精算時に必要に応じて5千円札紙幣や1千円札紙幣を払出す部材であり、5千円札紙幣収納部7a及び1千円札紙幣収納部7bとからなる。5千円札紙幣収納部7a及び1千円札紙幣収納部7bの入口部分は、それぞれ5千円札紙幣又は1千円札紙幣の払出しが容易に行えるように、扁平な長方形の形状を有している。図3に示されるように、5千円札紙幣収納部7aは、5千円札紙幣収納庫17aと5千円札紙幣払出機構18aとを有している。また、1千円札紙幣収納部7bは、1千円札紙幣収納庫17bと1千円札紙幣払出機構18bとを有している。5千円札紙幣収納部7a及び1千円札紙幣収納部7bは、それぞれ5千円札紙幣と1千円札紙幣を多量に収納しておき、精算時には、現金払出実行装置4において入力された情報に応じて、必要な種類及び量の紙幣を払出す機能を有する。紙幣の払出しは、紙幣払出機構18a及び18bの設計仕様にもよるが、全ての種類及び量の紙幣を同時に払出すようにしてもよいし、また紙幣の種類毎に順次払出すようにしてもよいし、あるいは紙幣一枚毎に順次払出すようにしてもよい。
払出紙幣収納部7における5千円札紙幣払出機構18a及び1千円札紙幣払出機構18bは、例えば、5千円札紙幣収納庫17aまたは1千円札紙幣収納庫17bから払出保留部へ紙幣を一枚ずつ搬送し、搬送過程で紙幣が重なっていることを識別センサで検出する機構を備えていてよい。あるいは、5千円札紙幣払出機構18a及び1千円札紙幣払出機構18bは、設定紙幣枚数に応じて発行部の発光値を設定し、受光部での受光量がこの発光値に対応した値であるか否かによって、紙幣枚数が所定枚数であるか否か判別する機能を有していてよい。これらの紙幣払出機構は、所望の紙幣を確実に払出すことが可能な限りは、その機能は特に限定されるものではないが、最低限要求される確実な払出機能と、安価な製作コストの両面を兼ね備えたものであるのが好ましい。
硬貨収納部8は、精算時に乗車顧客から受取る硬貨を収納すると共に、釣銭として支払う硬貨を払出すための部材である。この硬貨収納部8は、引出の形態を有し、現金払出実行装置4によって払出しを実行する際に、引出が手前に突出するように構成されている。釣銭として硬貨を払出すときには、運転手が収納硬貨収納部8から自身の手で硬貨を取出し、勘定する。精算のため手前に突出した硬貨収納部8を元の状態に戻す操作は、運転手による手動とするように設計することが好ましい。このような操作を手動とすることにより、装置全体の製造コストの増大を抑えることができる。硬貨収納部8の大きさは、十分な量の硬貨を入れられる容積を有することが要求されるが、奥行きが大きすぎると、一番奥にまで運転手の手が届かなくおそれがある。
払出紙幣表示部9は、5千円札紙幣収納部7a及び1千円札紙幣収納部7bから払出された各々の紙幣の枚数を表示するための画面を有する。払出紙幣表示部9に表示される情報は、後述の現金払出実行装置4の払出紙幣表示部14に表示される情報と同じである。画面の形状は視認しやすいものであれば特に限定されないが、略正方形や略長方形としてよい。また、この画面は、有機ELや液晶等の公知の材料で構成することができる。このような画面表示によって、運転手による精算間違いを容易に発見することが可能となる。
鍵錠機構10は、固定手段11と連動した構造を有する。鍵を鍵錠機構10の鍵穴に通し、回動させることによって、固定手段11が突出し又は引込むように構成されている。
現金受払装置2を車両内の所定箇所に載置した上で、鍵錠機構10を施錠し、固定手段11が突出させることによって、現金受払装置2が車両側に設けられた凹部に嵌合・固定される。固定手段11の形状は、現金受払装置2が車両の所定箇所に嵌合可能である限りは特に限定されないが、例えば、図示されているように略三角形の突出部を有するものを用いることができる。
信号ケーブル3は、現金受払装置2と現金払出実行装置4とを接続し、両者の間で電気信号を伝送するケーブルである。信号ケーブル3の材質、断面積、長さ等は特に限定されず、現金受払装置2と現金払出実行装置4との間で電気信号を確実に伝送することができるものである限りは、公知のものを適宜用いることができる。信号ケーブル3としては、例えば、絶縁プラスチックの外皮の内部に、ヨリ対線を使用したツイストペアケーブルを用いることができる。信号ケーブル3は、賃走車の車両から取外し可能に構成されていてもよいし、埋込み固定されていてもよい。
現金払出実行装置4は、信号ケーブル3を介して現金受払装置2と接続されており、また、車両内の現金受払装置2以外であってかつ運転手から容易に手が届く範囲の任意の箇所に取付け可能に構成されている。この現金払出実行装置4は、料金の精算時に、乗車顧客に支払う釣銭として必要な紙幣の種類及び数量を入力し、払出しを実行するための指令を現金受払装置2に与える機能を有する部材である。上記のように、現金受払装置2の電源がオン状態になることによって、現金払出実行装置4も含めた現金受払システム1全体の電源がオン状態になるように設定することが好ましいが、現金払出実行装置4は、電池等のそれ自身の電源を別途有していてもよい。現金払出実行装置4は、払出紙幣入力部12(5千円札紙幣入力部12a及び1千円札紙幣入力部12b)、払出実行スイッチ13及び払出紙幣表示部14を有している。
払出紙幣入力部12は、5千円札紙幣入力部12aと、1千円札紙幣入力部12bとからなる。5千円札紙幣入力部12a及び1千円札紙幣入力部12bの各々は、枚数セット釦とエラー訂正釦とを有する。賃走車の運転者は、料金の精算時に、払出すべき紙幣の枚数の回数だけ枚数セット釦を押し、過剰に押した際には過剰分枚数の回数だけエラー訂正釦を押すことによって、払出し紙幣の種類及び数量を払出紙幣表示部14に表示させる。次いで、払出実行スイッチ13を押すことによって、信号ケーブル3を介して、払出し紙幣の種類及び数量に関する情報を含む電気信号が現金受払装置2に伝送され、払出紙幣収納部7から所望の紙幣が払い出される。
現金受払装置2、信号ケーブル3及び現金払出実行装置4を備える現金受払システム1は、(i)賃走車のエンジンが起動されていること、(ii)運転席側部の扉が閉じられていること、及び(iii)電源がオン状態であることの3条件が全て満たされているときに、現金の受払機能が作動するように構成されている。すなわち、これらの3条件のうちの1つの条件だけが満足されていない状態であっても、現金受払システム1の現金受払機能が作動する状態にすることができないように、賃走車の車両内部の電気系統と現金受払システム1の電気系統との接続関係を設計することが求められる。このように現金受払システム1の現金受払機能の作動条件を設定し、かつ現金受払装置2の電源(システム全体の電源)に繋がっている外部の電源スイッチを第三者が容易に発見できない位置(例えば、助手席前方の格納庫の内部や、車両のボンネット内部)に設置することによって、暴漢による現金の強奪を効果的に抑止することができ、ひいては強盗行為に対する動機付けを抑制することによって運転手の安全性を高めることができる。
さらに、現金受払システム1は、現金受払装置2の電源(システム全体の電源)が、賃走車のブレーキ機構部、ブレーキランプ及びシフトレバー機構部の電気系統に接続されるように構成されており、電源がオフ状態にある場合には、シフトレバーの動作が禁止される。すなわち、賃走車の運転手が逃走した後、強盗が自ら運転席に座る際には、通常運転手側の扉を開けて運転席に乗り込む動作が考えられる。しかし、現金受払システム1の電源がオフ状態のままではシフトレバーがロックされていて車両を運転することができない。従って、運転手は、自分の逃走後に現金が車両と共に持ち去られる危惧を一切持つことなく、強盗から逃走することが可能である。
本実施形態の現金受払システムは、現金受払に必要な最小限度の機能を発揮する以外の余分な設備を極力省いたため、システムのサイズを小さくし、作製コストを大幅に低減すると共に、システムの良好な使用性を得ることが可能である。また、この現金受払システムは、少なくとも上記の3条件が満たされているときに現金の受払機能が作動するように構成されていることから、部外者に分かりにくい位置に電源スイッチを設置することによって、現金の強奪に対する抑止力及び運転手の安全性を高めることができる。さらに、この現金受払システムの電源部は、賃走車のブレーキ機構部からシフトレバー機構部に至る電気系統に接続されて、電源がオフ状態にある場合には、シフトレバーの動作がロックされるため、車両運転による現金の強奪を防止することができ、運転手は経済的な損失を憂慮することなく素早く逃走することができる。
本考案の現金受払システムは、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、電源ランプは、警報スイッチの機能に加えて、さらにシートベルト自動解除機能を有していてよい。賃走車の運転手が強盗に襲われる際に、最も賢明な安全確保の方法は車両から逃走することである。暴漢が誤って電源ランプを押した場合には、大音量の警報が周囲に流れると共に、シートベルトが自動的に解除されることによって、運転手は迅速に車両から逃走することができる。
また、現金受払装置の払出紙幣表示部及び現金払出実行装置の払出紙幣表示部は設置されていなくてもよい。これらの表示部を設置しない場合、紙幣の種類毎及び一枚毎に払出実行スイッチを押して払出紙幣収納部から紙幣を払出すことが必要となるが、このような構成とすることによって、払出紙幣収納部における紙幣払出機構を簡略化することができるため、製作コストを低減することが可能となる。
また、現金受払装置は、上記のような鍵錠機構の施錠による固定手段に加えて、他の固定手段(例えばフック形状の係止装置)を、現金受払装置の逆の側面に有してもよい。この他の固定手段は、現金受払装置の内面からのみ固定の解除が可能なように構成することができる。すなわち、このような固定手段は、硬貨収納部の引出が前方に突出した状態(すなわち現金の払出実行時の状態)として、硬貨収納部の内部に手を差し込むことによってのみアクセスすることが可能である。このように、現金受払装置において、賃走車の内部に固定するための複数の固定手段を設け、その少なくとも1つを筐体内部からのみ固定状態を解除可能に構成することによって、現金受払装置自体の持出しを効果的に防止することができる。
さらに、現金受払装置は、指紋及び暗証番号のいずれか一方又は両方による認証機能を備えた機構を有していてよい。例えば、装置の電源をオン状態にした後、これらの認証作業を行わない限りは、現金の受払動作に関して装置がロックされるように構成することができる。特に現金受払装置が指紋認証機能を有することによって、運転手及び特定の関係者以外に対する防護機能をさらに強固にすることが可能となる。
本考案の現金受払システムは、強盗などによる現金の強奪や車両運転による現金の持ち逃げを防止すると共に、運転手の身体の安全を効果的に守りつつ、料金精算時の現金の受払いを迅速に行うことが可能であるため、タクシーやハイヤー等の賃走車に好適に設置される。
1 現金受払システム
2 現金受払装置
3 信号ケーブル
4 現金払出実行装置
5 電源ランプ
6 受取紙幣収納部
7 払出紙幣収納部
7a 5千円札紙幣収納部
7b 1千円札紙幣収納部
8 硬貨収納部
9 払出紙幣表示部
10 鍵錠機構
11 固定手段
12 払出紙幣入力部
12a 5千円札紙幣入力部
12b 1千円札紙幣入力部
13 払出実行スイッチ
14 払出紙幣表示部
15 外蓋
16 受取紙幣収納庫
17a 5千円札紙幣収納庫
17b 1千円札紙幣収納庫
18a 5千円札紙幣払出機構
18b 1千円札紙幣払出機構

Claims (5)

  1. 防犯機能を有する賃走車用の現金受払システムであって、
    乗車顧客から受取る紙幣が収納される受取紙幣収納部、乗車顧客に払出す紙幣が収納される払出紙幣収納部、乗車顧客から受取る硬貨と乗車顧客に払出す硬貨が収納される硬貨収納部、及び電源部を有する現金受払装置と、
    乗車顧客に払出す紙幣の種類と数量が入力される払出紙幣入力部、及び、上記現金受払装置からの紙幣の払出しと硬貨収納部での硬貨の受払いとを実行する払出実行スイッチを有する現金払出実行装置と、
    上記現金受払装置と上記現金払出実行装置とを接続する信号ケーブルとを備え、
    少なくとも、
    (i)賃走車のエンジンが起動されていること、
    (ii)運転席側部の扉が閉じられていること、及び
    (iii)電源がオン状態であること
    の3条件が満たされているときに、現金の受払機能が作動するように構成されている現金受払システム。
  2. 上記電源部が、賃走車のブレーキ機構部、ブレーキランプ及びシフトレバー機構部の電気系統に接続されるように構成されており、
    電源がオフ状態にある場合に、シフトレバーの動作が禁止される請求項1に記載の現金受払システム。
  3. 警報機能及びシートベルト自動解除機能を更に有する請求項1又は請求項2に記載の現金受払システム。
  4. 指紋及び/又は暗証番号による認証機能を更に有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の現金受払システム。
  5. 上記現金受払装置は、賃走車の内部に固定するための複数の固定手段を備え、この複数の固定手段の少なくとも1つは、現金受払装置の筐体内部からのみ固定状態が解除される固定手段である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現金受払システム。
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