JP3150048U - ステンレス,チタン又はチタン合金から成る高耐食性金属部品 - Google Patents

ステンレス,チタン又はチタン合金から成る高耐食性金属部品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性金属の耐食性向上を図った金属被膜を有する機械部品を提供する。【解決手段】ステンレス、チタン又はチタン合金から成る機械部品の基材表面に、前記基材と同等以上の硬度を有する粉体を噴射速度50m/sec以上、又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射し、前記基材表面に1μm以下の粒径の微細結晶層を形成し、表面硬度をHV250〜HV600とする。微細結晶層が形成された前記基材表面に、チタン又はチタン合金の粉体と貴金属の粉体を混合した噴射粉体を噴射速度80m/sec以上、又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して前記基材の表面に前記貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持した酸化チタンの被膜を作り、高耐食性金属部品を構成する。【選択図】図2

Description

本考案は,高耐食性金属に関し,詳細には,ステンレス,チタン又はチタン合金から成る耐食性を有する金属の耐食性が更に増強された高耐食性金属に関する。
さらに,より詳細には,熱処理硬化及び圧縮残留応力の発生に伴う基材表面の硬化,疲労強度の増加と共に,表面内部のより深い圧縮残留応力の向上した前記基材表面に対し,さらに,耐食性を付与するものである。
耐食性材料一般
耐食性の求められる分野において使用される耐食性の金属材料として,ステンレスやチタン,チタン合金等が使用されている。そして,一般的な耐食性が求められる用途では,ステンレス材として通常SUS304を使用し,このSUS304では耐食性が不十分な場合には,より耐食性の高いSUS316を使用している。
さらに,このSUS316によっても十分な耐食性が得られない場合には,チタン(純チタン)が使用され,チタンによっても腐蝕が生じる用途では,チタン合金,例えばチタン−パラジウム合金(Ti-0.15%Pd)が使用される。
上記チタン,チタン合金からなる基材は,チタン単体の金属,チタンと他の金属元素との合金であってよい。本考案により処理されるチタン系金属材料は,チタン単体金属( 例えば,JIS1種〜4種の純チタン金属)のみならず,例えば,Ti-6Al-4V,Ti-6Al-2Sn-4Zr-2Mo,Ti-3Al-2.5V,Ti-6Al-2Sn-4Zr-6Moなどの各種のチタン合金に適応できる。なお,チタン合金は,α型,β型,α+β型合金系があるが,本考案により処理される基材としては,強度,靭性を備え,耐食性に優れるα+β型のチタン合金が好ましい。
ステンレス材の耐食性向上
前述のように,耐食性が求められる用途で使用される金属材料中,チタンやチタン合金はステンレス材に比較して高価であるために,経済的な見地からは比較的安価なステンレス材の使用が要望されている。
そのため,前述のステンレス自体が持つ耐食性では不十分な場合であってもチタン材を使用せずにステンレス材で対応するために,ステンレス材を表面処理して耐食性を向上する手段が提案されている。
このようにステンレス材の耐食性を向上させるために,ステンレス製基材の表面にクロムメッキを施したり,またはPVDやCVD等の蒸着法により耐食性の被膜を形成することが行われている。
チタン材の耐食性向上
一方,チタンは優れた耐食性を有するものであり,通常の用途であればそれ自体が持つ耐食性により十分に対応可能であり,一般には表面処理等によってさらに耐食性を高めることは行われていない。
しかし,例えばチタンが比較的腐蝕されやすい塩酸,硫酸などの非酸化性酸水溶液中での全面腐蝕防止対策や,NaCl水溶液中での隙間腐蝕防止策として更なる耐食性の向上が求められる場合がある。
この場合,純チタンに比較して耐食性の高い,前述のTi-0.15%Pd合金等を使用して腐蝕防止を図ることもできるが,このチタン合金が持つ機械的性質より用途が制限されるという問題があり,また,貴金属であるパラジウムは極めて高価であり(2008年12月05日現在の相場でパラジウムの円/gは,550円/g〜565円/g),パラジウムを添加したTi-0.15%Pd合金は,純チタンに比較して高価であり,これにより製造された機械,器具,装置等もまた高価なものとなる。
そこで純チタン製の基材に表面処理を施し,耐食性を向上させる手段が試みられている。
このような耐食性を向上させるための表面処理手段としては,チタンの表面酸化被膜の厚みを増すことにより耐食性の向上を図ることを目的として行われる常温大気酸化処理や陽極酸化処理がある。
また,その他の手段としては,パラジウム(Pd),ルテニウム(Ru),もしくはこれらの酸化物である貴金属をチタン製の基材表面にコーティングする方法,PVDやCVD等の乾式プロセスによりチタン製基材の表面にTiCやTiN被膜を形成する方法,さらには,パラジウム(Pd),プラチナ(Pt)等の貴金属をチタン製の基材表面にイオン注入する方法も提案されている。
この考案の先行技術文献情報としては次のものがある。
特許第3730015号公報(USP6038900) 特許第3496923号公報(USP6455465) 特許第3607637号公報
以上説明した従来技術において,前述の各従来技術にはそれぞれ以下の欠点がある。
ステンレス材の耐食性向上について
前述の従来技術中,ステンレス材の表面にクロムメッキを施し,またはPVD,CVD等による被膜の蒸着を行う手段にあっては,比較的コストがかかり,使用する耐食性材料が高価となるだけでなく,コストに見合った程の効果が得られていないのが実情である。
チタン材の耐食性向上について
チタンは,常温大気中において表面に数nmの厚みの非常に強固な酸化被膜を形成し,これにより高い耐食性を維持している。従って,チタン材の腐蝕とは,この酸化被膜がなくなることを意味している。
そこで,前述の常温大気酸化処理や陽極酸化処理では,このように耐食性の発揮に貢献する酸化被膜の厚みを増すことで,耐食性の向上を図ったものであるが,酸化被膜の厚みを増すことによる耐食性の向上には一定の限界がある。
また,前述した従来技術中,チタン製基材の表面に貴金属であるパラジウム(Pd),ルテニウム(Ru),もしくはこれらの酸化物をコーティングする手段では,高価な貴金属をコーティングすることによりコストが高くなるという問題があり,また,このようにして形成された貴金属の被膜は基材に対する密着性が低く,剥離し易いという問題がある。
さらに,PVDやCVD等の乾式プロセスによるコーティングにより,チタン材料の表面にTiCやTiNの被膜を形成する手段では,このような表面処理に多大なコストがかかる。
加えて,パラジウム(Pd),プラチナ(Pt)等の貴金属をチタン製基材の表面にイオン注入する方法では,既存のイオン注入装置では処理時間や処理材料の形状に大きな制約があり,また,生産性も悪く処理コストも高いことから,ごく限られた分野でしか実用化されていないのが現状である。
なお,以上で説明した表面処理は,いずれも基材の表面を被膜で覆う等することにより酸化の防止を図るものであり,酸化が生じやすい表面部分において還元性を発現させて酸化,従って腐蝕を防止しようとするものではない。
特許文献1については,金属成品の表面に,高強度,高硬度な材質からなる前記金属成品と同等以上の硬度を有する金属又は金属成分から成るショットを,大小の粒径から成る混合ショットとして,前記金属成品の表面に噴射し,前記金属成品の表面内部のより深い圧縮残留応力の増加と,前記金属成品の表面の熱処理硬化及び表面粗さの向上をもたらす表面処理方法に関し,金属成品の表面層の金属組織が微細化され高強度で靱性に富む組織を創製するものではあるが,耐食性については,使用する噴射粉体によっては,低下することとなり,耐食性の課題は意図されていない。また,特許文献2については,光触媒コーティング成形物に関し,金属成品又はセラミック又はこれらの混合体から成る被処理成品の表面に,チタン又はチタン合金から成る粉体を噴射し,前記被処理成品の表面にチタニア被膜を形成する手段に係るものであるが,同じくチタンの,脱臭,抗菌,防汚といった分解機能及び親水機能を有する光触媒としての機能を意図するもので,耐食性金属表面層の微細結晶化により,前記被膜を強固なものとし,耐食性能の強化を図ると言う課題は開示されていない。さらに,特許文献3記載のものは,チタン又はチタン合金製の金網から成る基材の表面にチタンまたはチタン合金の粉体を,特許文献1,2と同じく圧縮空気と共に噴射するショットピーニングにより,紫外線以外の電磁波をも有効に利用して光触媒性能を向上させることができると共に,飲料や食品等の分野において使用した場合においても基材や被膜の組成成分の溶出等の問題が生じることなく,従って広範な分野において使用することができる光触媒コーティング組成物を提供するものであるが,特許文献2と同様に,耐食性金属表面層の微細結晶化により,前記被膜を強固なものとし,耐食性能の強化を図ると言う課題は示唆されていない。
そこで,本考案は上記従来技術における欠点ないし問題点を解消するためになされたものであり,処理対象とする基材の形状や用途等に影響されることなく,前記基材表面の金属組織を高強度,高硬度化とするためナノ結晶組織まで,微細結晶化し,かつ,前記結晶の微細化により,剥離等が生じにくく信頼性が高く,しかも,還元能を有する耐食性被膜を,低コストで容易に形成することにより,耐食性金属の耐食性を増強し,且つ永続させ,及び前記被膜の形成により永続する耐食性が増強された,高耐食性金属を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本考案の高耐食性金属は,ステンレス,チタン又はチタン合金から成る耐食性金属の基材表面に,前記基材と同等以上の硬度を有する粉体を噴射速度50m/sec以上,又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して成る,前記基材表面の金属組織を高強度,高硬度化する1μm以下の粒径の微細結晶層と,
前記微細結晶層の形成されたHV250〜HV600以上の硬度である前記基材表面に,チタン又はチタン合金の粉体と貴金属の粉体を混合した噴射粉体を噴射速度80m/sec以上,又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して成る前記基材の表面に形成した前記貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持した酸化チタンの被膜から成ることを特徴とする。
前記酸化チタンの被膜が,前記貴金属及び/又は貴金属の酸化物を重量比で0.1〜10%,好ましくは0.1〜5%,より好ましくは3〜5%担持するものであることが好ましい(請求項2)。
また,前記被膜形成における噴射粉体は,粒径10〜800μm,好ましくは20〜300μmのものを使用することができる(請求項3)。
この噴射粉体の粒径は,チタン又はチタン合金の粉体と,貴金属の粉体とで同一の粒径のものを使用しても良いが,好ましくは前記チタン又はチタン合金の個々の粉体と,前記貴金属の個々粉体の重量が近似するように,前記金属の粉体を前記チタン又はチタン合金の粉体に比較して小径とすることが好ましい(請求項4)。
以上に説明した本考案の構成により,本考案のステンレス,チタン又はチタン合金から成る高耐食性金属は,以下の顕著な効果を得ることができた。
耐食性の基材表面の金属組織を1μm以下の粒径に微細結晶化された微細結晶層を形成し,HV250〜HV600以上の硬度を有する高強度,高硬度化された,この基材表面に貴金属を担持した酸化チタンの被膜により前記耐食性金属の耐食性を大幅に向上させることができた。また,前記被膜は,1μm以下の粒径へのナノ結晶化により,この微細結晶層へ付着される被膜が,機械部品など永続的な使用に耐える付着力ないし担持力の高い強固なものとして形成され,基材の耐食性の寿命を延長させることになる。
また,1μm以下の粒径の微細結晶層に被膜を形成することから,付着力の高い強固な被膜として形成され,金属製基材の形状等に影響されず,複雑な形状を有する基材に対しても容易に高強度,高硬度化された微細結晶層上に重ねて高耐食処理を施すことが可能であり,かつ,貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持した酸化チタンの被膜は基材表面の1μm以下の粒径のナノ結晶層に強固に付着しており剥離等が生じ難い。
さらに,ナノ結晶層に形成された,貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持した酸化チタンの被膜は,実験の結果,光触媒としての触媒機能を発揮することが確認されている。その結果,この触媒効果によって発揮される還元能により,基材の酸化が積極的に防止されており,単に基材の表面を被膜によって覆う従来技術の耐食処理方法に比較してより高い耐食性能が発揮される。
前記被膜形成における噴射粉体の粒径を,前記チタン又はチタン合金の個々の粉体と,前記貴金属の個々粉体の重量が略同一となるように,前記チタン又はチタン合金の粉体と前記貴金属の粉体とで粒径を異ならせることにより,両粉体を同程度の噴射速度で噴射することができると共に,1μm以下の粒径のナノ結晶層に形成される酸化チタンの被膜中に貴金属を均一に担持させることができた。
次に,本考案の実施形態につき以下説明する。
本考案の高耐食性金属は,耐食性金属の基材表面に,基材表面の金属組織を100nm以下の粒径に微細結晶化された微細結晶層を形成し,HV250〜HV600以上の硬度を有する高強度,高硬度化すると共に,さらに,この微細結晶層上に,チタンやチタン合金製の粉体と,貴金属製の粉体とを混合した噴射粒体を噴射して成る前述の基材の表面に噴射粉体中に含まれる貴金属及び/又は該貴金属の酸化物を担持した酸化チタンの被膜から成るもので,この被膜によって基材である耐食性金属の耐食性の更なる向上が図られるものである。
基材
本考案では,通常の鋼材等と比較してそれ自体が既に耐食性を有する金属によって得られた基材,すなわち,この耐食性金属基材の更なる耐食性の向上を目的として,前述の被膜が形成されたものである。
このような基材となる耐食性金属としては,ここでは,ステンレス,チタン及びチタン合金である。処理対象とする基材が例えばステンレス製である場合には,従来技術においても紹介したSUS304,SUS316等のステンレス材を使用することができる。また,チタン製の基材を処理対象とする場合,前述のように,純チタン製の基材の他,チタン合金製の基材を処理対象としても良い。
微細結晶化
基材に噴射する噴射粉体は,アルミナ・シリカビーズが代表例としてあげられる。鋳鋼の粉体は,耐食性に悪影響をおよぼすため使用できないが,下記に例示するように,耐食性を低下させることがない金属粉体を用いることが出来る。
この噴射粉体の粒径は,#1000(16μm)〜#80(297μm),好ましくは20μm〜200μmの範囲であり,形状は特に限定されず,多角形状,その他の各種の形状のものを使用することができるが,球状が好ましい。
前述のアルミナ・シリカビーズの他に,例えばステンレスビーズ,高速度工具鋼から成る金属系ビーズあるいは,他のセラミック系ビーズを用いることが出来る。
そして,前記基材と同等以上の硬度を有する粉体を,ここでは,圧縮気体により,噴射速度50m/sec以上,又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して,前記基材表面の金属組織を1μm以下の粒径に微細化し,高強度,高硬度化する。
また,この工程においては,ブラスト装置により噴射粉体を低温圧縮気体により噴射して基材の表面に衝突させるものであり,該噴射粉体の加速は既知のエア式のブラスト装置を使用して行うことができる。
このエア式のブラスト装置としては各種の型式のものを使用することができ,例えば噴射粉体の投入されたタンク内に圧縮空気を供給し該圧縮空気により搬送された噴射粉体を別途与えられた圧縮空気の空気流に乗せてブラストガンより噴射する直圧式のブラスト装置,噴射粉体のタンクから重力により落下した噴射粉体を圧縮空気に乗せて噴射する重力式のブラスト装置,圧縮空気の噴射により生じた負圧により噴射粉体を吸引して圧縮空気と共に噴射するサイホン式のブラスト装置等の各種のブラスト装置を使用することができる。
被膜形成
前処理の微細結晶化工程で1μm以下の粒径で,HV250〜HV600以上とされた処理対象である基材表面に噴射する噴射粉体は,チタン又はチタン合金製の粉体(以下,これらを総称して「チタン粉体」という。)と,貴金属製の粉体とを混合したものを使用する。
この噴射粉体の粒径は,いずれも10〜800μm,好ましくは20〜300μmの範囲であり,形状は特に限定されず,球状又は多角形状,その他の各種の形状のものを使用することができる。
なお,両粉体の粒径は必ずしも同一径である必要はなく,チタン粉体と貴金属粉体とで異なる粒径のものを使用しても良い。特に,チタン粉体に比較して貴金属粉体は比重が大きいことから,チタン粉体に比較して貴金属粉体の粒径を小さくして両粉体の個々の重量を近付けることにより,両粉体の噴射速度等が略同一となるように調整することが好ましい。
前述の貴金属粉体の材質としては,例えば金,銀,プラチナ,パラジウム,ルテニウム等を使用することができ,前述の噴射粉体全体を100%としたときの前記貴金属の混合比が,重量比で約0.1〜10%,好ましくは0.1〜5%,より好ましくは3〜5%となるように混合する。
一例として,処理対象とする金属製基材の材質がステンレスである場合には,例えばチタン粉体に銀粉体を重量比で10%混合したものを前述の噴射粉体として使用することができ,また,処理対象とする金属製基材の材質がチタンである場合には,例えばチタン粉体にパラジウム粉体を重量比で3%混合したものを前述の噴射粉体として使用することができる。
処理条件等
以上の噴射粉体は,噴射速度80m/sec以上又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して,前述の処理対象とする前処理の微細結晶化工程で1μm以下の粒径のナノ結晶層を成すHV250〜HV600以上とされた基材の表面に衝突させる。
上記の噴射速度,又は噴射圧力により噴射粉体の噴射を行うものであれば,使用する加工装置(噴射装置)は特に限定されないが,噴射粉体の噴射は,既知のブラスト加工装置によって容易に行うことができる。
噴射粉体の噴射は,圧縮空気等の圧縮ガスを使用した乾式によって行い,使用する圧縮ガスについては特に制限はない。もっとも,粉塵爆発等の危険性を回避して安全に作業を行うために,好ましくは窒素ガス等の不活性ガスを圧縮ガスの主成分とすることが好ましく,不活性ガスのみで構成された圧縮ガスによって噴射することも可能であるが,噴射したチタン粉体が後述するように基材表面に衝突して酸化チタンの被膜となるためには,周辺に酸素の存在を必要とすることから,一例として本実施形態にあっては酸素を15%以下の範囲で添加した不活性ガスを前述した噴射粉体の噴射に使用した。
作用等
微細結晶化
ステンレス,チタン,チタン合金等の耐食性基材表面に,前述のアルミナ・シリカビーズを噴射圧力0.5MPa以上,噴射速度50m/sec以上で噴射して基材の表面に衝突させると,混合粉体の速度はこの衝突の前後で変化する。
噴射粉体の衝突前と衝突後の速度変化は,基材及び噴射粉体の硬度により異なるが,衝突後の速度は低下する。この速度の変化はエネルギー不変の法則により,その大部分は熱エネルギーに変換され,噴射粉体の衝突した変形部分のみで熱交換が行われるので,温度上昇は基材の表面付近に局部的に生ずる。
このとき,基材の表面が温度上昇し,基材が鉄系の場合は,基材がA3変態点以上に達し,この温度上昇が基材及び噴射粉体の表面層付近に局部的なものであるゆえに,直ちに冷却される。また,さらに連続して行われる噴射粉体によるショットピーニングでの上昇する温度が低いときや,冷却速度が遅いときは焼き戻し処理の効果が生じ,基材の表面層の金属組織が微細化され高強度で靱性に富む組織となり,高硬度な表面層が生成される。
なお,上記温度上昇はショットの速度により変化するので,噴射圧力又は速度,ショット径及び材質によっては温度上昇が小さく,したがって,基材が鉄系の場合は,基材の母材のA3変態点以上にまで温度は上昇しないが,この場合は,基材の表面に噴射粉体との衝突による塑性変形が生じ,いわゆるショットピーニングによる基材の表面の硬度及び疲労強度の向上といった改質が行われる。
すなわち,加工硬化と,高硬度微細炭化物の生成により,一例として,SUS304で表面がHV300からHV600に,表面から30μmの深さで,HV400強(10g)への硬度上昇が見られ,上記組織微細化と,炭化物の微細化,固溶化などにより衝撃値も2.2から2.5(シャルピー;kgf/m/cm3 )上昇し,残留オーステナイト量の15%から5%への減少は,マルテンサイト変態と相関するものと考えられる。また,表面の内部圧縮残留応力も190MPaから11000MPaとなる。図1は,微細結晶化工程前後に於けるSUS304の表面層の組織を示す顕微鏡写真で,同図(A)は,処理前,同図(B)は,処理後を示す。
微細結晶組織は,表面から,2μm〜5μmの深さに塑性流動領域が生成され,表面から約0.5μmの領域が折りたたまれたり,湾曲した層状組織とはならない100nm以下の粒径の等軸粒が生成され,その内部に於ける塑性流動領域(加工硬化した転位セル構造)とは,明瞭な界面を画している。加工領域における基材表面で転位密度が臨界値に達し,転位セル構造が粒界構造へ変化することによりナノ結晶が生成すると考えられる。また,これは,次工程の表面層への微少面積の瞬間的な加熱を含むショットピーニングによる被膜形成工程によっても,前記ナノ結晶組織が消滅していないことは,この表面層を焼鈍しても,前記ナノ結晶組織は,再結晶しないが,それより,内層の前記加工硬化領域では,再結晶が生ずることによっても裏付けられるものである。
また,チタン合金基材,例えば,Ti-50,2Ni合金では,マルテンサイト相が,ショットピーニングにより,基材表面層が一旦,アモルファス相単層状態となり,つづくショットピーニングにより,同様なナノ結晶相が生成することが観察されている。前述ショットピーニングによる熱的効果又は,アモルファス相の歪誘起結晶化と考えられる。
図2は,微細結晶化工程前後に於けるTi6Al4Vの表面層の組織を示す顕微鏡写真で,同図(A)は,処理前,同図(B)は,処理後を示す。
チタン合金Ti-6Al-4Vでは,同様に組織が500nm以下に微細化し,表面硬度は,HV340からHV450へ上昇し,表面の内部圧縮残留応力も200MPaから750MPaとなる。純チタンについても同様に表面に100nm以下の組織の微細結晶化が見られ,表面層の硬度は,HV300程度に,母材硬度の約1.3倍に上昇している。
被膜形成工程
前記微細結晶化工程により,表面層の金属組織が微細化され高強度・高硬度で靱性に富む組織となり,高硬度な表面層とされたステンレス,チタン,チタン合金から成る耐食性基材表面に,前述のチタン粉体と貴金属粉体との混合物である噴射粉体を噴射速度80m/sec以上又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して基材の表面に衝突させると,混合粉体の速度はこの衝突の前後で変化する。
前述熱エネルギーにより噴射粉体を構成するチタン粉体と貴金属粉体とが基材表面で加熱されるため,チタン,貴金属が基材表面に活性化吸着して拡散浸透する。この際,圧縮気体中の酸素や大気中の酸素と反応して表面が酸化し,噴射粉体の配合量に対応して重量比で0.1〜10%の貴金属又は貴金属の酸化物を担持した酸化チタン(TiO2)被膜が形成され,この被膜の形成によって基材の耐食性が向上する。前記被膜は,膜厚約0.5μmで,基材表面の前記微細化された組織の表面層に活性化吸着しており,基材表面から内部に約5μmの深さにチタン,又はチタン及び貴金属が拡散浸透している。
すなわち,ここで形成される被膜は,高い耐食性を発揮する酸化チタンを主成分とするだけでなく,貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持することにより高い還元能を発揮する触媒としての機能を持ち,その結果,基材の腐蝕(基材の腐蝕は基材が酸化することにより生じる)をこの還元能によって好適に防止することができる。
次に,本考案に関する実施例を実験例により,以下説明する。
実験例1
実験の目的
本考案により,前記基材表面の金属組織を1μm以下の粒径に微細化し,高強度,高硬度化する微細結晶化と,前記微細結晶層が形成されHV250〜HV600以上となった基材表面に,貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持して形成される酸化チタンの被膜により,耐食性の向上が得られることを確認する。
実験の内容
食品メーカで使用する食品加工機械(材質;SUS316:ウズラ塩ゆで卵缶詰ライン)の部品を処理対象とし,その表面に,下記加工条件で,微細結晶を得た後,チタン粉体と貴金属粉体との混合物から成る噴射粉体を噴射して,被膜形成を行った。
このようにして得た高耐食処理した食品加工機械の部品を所定時間使用して,腐蝕の発生状態を確認した。
なお,本実験における高耐食処理の条件を下記の表1に示す。
なお,この実施例で用いる微細結晶化工程におけるショットピーニング装置としてのブラスト装置は,上記アルミナ・シリカビーズを用いるときは,表面創製に必要なエネルギーを得るため,高速で噴射することとなり,エア式の吸込式のサイホン式を用い,ステンレスビーズなど金属系粉体のときは,直圧式が好ましい。被膜形成工程においては,ブラスト装置は吸込式のサイホン式のものを用いているが,重力式,あるいは他のブラスト装置でもよい。
前記被膜形成工程における噴射粉体を構成するチタン粉体の比重は4.54,銀の比重は10.49であり,このチタン粉体900gと銀粉体100gを混合して使用した。
使用した噴射粉体を構成するチタン粉体の粒径は300μm(#54)であり,銀粉体の粒径は177μm(#80)である。
また,基材とした前記食品加工機械の部品は,長さ1500mm,幅500mm,厚み1mmのSUS316製の矩形板を,長さ500mm毎に折り曲げて形成した略コ字状の部品である。
実験の結果
以上の条件に従い,上記噴射粉体が噴射されたSUS316製の食品加工機械の部品では,前記基材表面の金属組織が100nm以下の粒径に微細結晶化され,高強度,高硬度化し,次いで,前記被膜形成工程における噴射粉体の衝突によりその表面が灰色の明るい梨地状となり,その表面に被膜が形成されていることが肉眼によっても確認することができた。
また,耐食性についても,同様にSUS316を使用した未処理の前記部品が,1日8時間の稼働で,約6ヶ月で腐食が発生していたのに対し,本考案の高耐食部品では,1日あたりの稼動時間を同じくした使用状態において約3年間使用しても腐蝕の発生は確認できず,耐食性が飛躍的に向上していることが確認できた。
さらに,上記食品加工機械の部品と同形状,同サイズの部品を純チタンで製造し,この部品を組み込んだ食品加工機械を同様に1日8時間の稼動で使用したところ,約1年で腐蝕の発生が確認された。このことから,本考案の高耐食のSUS316製の前記部品は,純チタン製の部品と比較した場合であっても3倍以上の耐食性能を発揮するものであることが確認された。
そして,前処理としての微細結晶化工程を経たものと,これを経ずに,被膜形成工程のみを施したものでは,後者の寿命が短いことが判明した。前処理により,微細結晶化した組織表面への後処理に於ける被膜の付着力ないし前記微細結晶層の被膜の担持力を高くすることができたものと考えられる。
実験例2
実験の目的
前記基材表面の金属組織が微細結晶化され100nm以下の粒径に高強度,高硬度化された基材に対して,前記被膜形成工程における噴射粉体中に混入する貴金属粉体(パラジウム粉体)の配合量を変化させ,貴金属粉体の混入量の変化に伴う被膜形成状況の変化を確認する。
また,本考案の貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持した酸化チタンの被膜が,還元性能を有すること,及び貴金属粉体(パラジウム粉体)の配合量の変化に伴う還元能の変化を確認し,貴金属粉体(パラジウム粉体)の最適な配合量を求める。
前記被膜形成工程における噴射粉体を構成するチタン粉体として,ガスアトマイズ法により製造された低酸素チタン粉末(TILOP:Titanium Low Oxygen Powder)(球状)300μm(#54)を使用し,貴金属粉体としてパラジウム粉体(球状)177μm(#80)を混入した。
このパラジウム粉体の混合量を,重量比で0.1%(実施例1),5%(実施例2),10%(実施例3)と変化させて,形成される被膜の状態変化を確認した。
比較例としてパラジウム粉体を混入することなく,チタン粉体のみの噴射を行ったもの(比較例1),及び未処理品(比較例2)を比較した。
なお,このときの被膜形成条件を表3に示す。
なお,チタンの比重4.54,パラジウムの比重12.0から,混合噴射の容易性を考慮して前述のようにチタン粉体の粒径を300μm(#54),パラジウム粉体の粒径を177μm(#80)とした。
酸化還元電位(ORP)変化の確認
以上のようにして得た実施例1〜3のチタンラス金網を縦100mm×横500mmに裁断したものと,比較例1,2のチタンラス金網を同様に縦100mm×横500mmに裁断したものとを,同一条件下(室内:太陽光(昼))においてそれぞれ水道水100cc中に浸漬し,10分ごとに水道水の酸化還元電位(ORP)を測定した。
実験結果
被膜形成状態の確認
噴射粉体中の貴金属粉体(パラジウム粉体)の配合比を変化させた場合における被膜の状態変化を下表4に示す。
酸化還元電位(ORP)変化の確認
前述の処理に従い,実施例1〜3のチタンラス金網,及び比較例1,2のチタンラス金網を浸漬した各水道水の酸化還元電位(ORP)を測定した結果を下記の表5に示す。
考察
ORPの測定結果により,噴射粉体中に重量比で0.1%以上のパラジウムを混入することで,パラジウムを混入することなくチタン粉体のみを噴射した場合に比較して水道水の酸化還元電位(ORP)の低下が著しいことが確認できた。
比較例2のチタンラス(未処理品)にあっても,その表面にはチタンの酸化被膜が形成されている筈であるが,酸化還元電位(ORP)の測定結果からも明らかなように,単にチタンの酸化被膜が形成されているというだけでは,還元能は殆ど発揮されておらず,チタン粉体の噴射という処理が,このような還元能の発現に寄与していることは明らかである。
一方,前記被膜形成工程におけるチタン粉体のみを噴射した比較例1においても酸化還元電位(ORP)の低下は生じており,還元能が発現していることは確認できるが,パラジウムを担持させた酸化チタンの被膜を形成した実施例1〜3のチタンラス金網に比較して,酸化還元電位(ORP)の低下速度はより緩やかである。
従って,噴射粉体中に貴金属であるパラジウムを重量比で0.1%以上混入することで,高い還元能を発揮する被膜が形成されており,その結果,この被膜は酸化により生じる腐蝕に対する耐性が高いことが確認された。
一方,パラジウムを5%混入した噴射粉体で表面処理した実施例2のチタンラス金網と,パラジウムを10%混入した噴射粉体を使用したチタンラス金網とでは,酸化還元電位(ORP)の変化に大幅な違いは生じない一方,貴金属であるパラジウムを多く混入すればする程,コスト高となる。このことから,パラジウムの混入量は,重量比で10%以下とすることが好ましく,より好ましくは重量比で0.1〜5%,効果と安定した処理,コスト面を考慮すると,3〜5%の範囲でパラジウムを混入することが最適であると思われる。
また,酸化水と還元水とは,酸化還元電位(ORP)で+200mVを分岐点とし,数値が高まるに従い酸化の度合いが高くなるが,上記実施例1〜3のチタンラス金網にあっては,当初700mV以上のORPを示していた水道水を,263mV以下のORPに還元していることからも,還元能が高いこと,従って耐食性が高いことが確認できた。
上記実施例1〜3によれば,チタンの最表面にのみパラジウムを担持した酸化チタンの被膜が形成されるために,Ti-Pd合金によって基材を構成する場合のように,基材全体にパラジウムを含む場合に比較して低コストで耐食性を向上させることができるだけでなく,前述のような高い還元性からTi-Pd合金と同等以上の耐食性の向上を得ることができるものとなっている。
特に,前述のように噴射粉体を処理対象とする基材に噴射するのみで,耐食性の向上を得ることができることから,処理対象とする基材の形状に基づく制約がなく,各種の基材に対して処理を行うことが可能である。
広く耐食性が求められる用途で使用される比較的安価なステンレス材,及び高価なチタンやチタン合金についても耐食性を向上し,且つ,永続的使用が予定されている機械部品等広範囲に適応することができる。
微細結晶化工程前後に於けるSUS304の表面層の組織を示す顕微鏡写真で,同図(A)は,処理前,同図(B)は,処理後を示す。 微細結晶化工程前後に於けるTi6Al4Vの表面層の組織を示す顕微鏡写真で,同図(A)は,処理前,同図(B)は,処理後を示す。

Claims (4)

  1. ステンレス,チタン又はチタン合金から成る基材表面に,前記基材と同等以上の硬度を有する粉体を噴射速度50m/sec以上,又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して成る,前記基材表面の金属組織を高強度,高硬度化する1μm以下の粒径の微細結晶層と,
    前記微細結晶層の形成されたHV250〜HV600以上の硬度である前記基材表面に,チタン又はチタン合金の粉体と貴金属の粉体を混合した噴射粉体を噴射速度80m/sec以上,又は噴射圧力0.29MPa以上で噴射して成る前記基材の表面に形成した前記貴金属及び/又は貴金属の酸化物を担持した酸化チタンの被膜から成ることを特徴とするステンレス,チタン又はチタン合金から成る高耐食性金属。
  2. 前記酸化チタンの被膜が,前記貴金属及び/又は貴金属の酸化物を重量比で0.1〜10%担持することを特徴とする請求項1記載のステンレス,チタン又はチタン合金から成る請求項1記載の高耐食性金属。
  3. 前記被膜形成における前記噴射粉体が,10〜800μm,好ましくは20〜300μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のステンレス,チタン又はチタン合金から成る高耐食性金属。
  4. 前記被膜形成における前記噴射粉体を構成する前記チタン又はチタン合金の個々の粉体と,前記貴金属の個々の粉体の重量が近似するように,前記貴金属の粉体を前記チタン又はチタン合金の粉体に対して小径に形成したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のステンレス,チタン又はチタン合金から成る高耐食性金属。
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