JP3149972B2 - 量子干渉素子及び実空間トランスファーを利用して電子波を処理する方法 - Google Patents

量子干渉素子及び実空間トランスファーを利用して電子波を処理する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁場、電場、光(強
度、波長)などにより伝えられる信号をアハロノフ−ボ
−ム効果(A−B効果)や光シュタルク効果などにより
電気信号に変換する量子干渉素子、及び実空間トランス
ファーを利用して電子波を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図10に示す様な量子干渉素子が
知られており、それは以下の如く動作する。
【0003】電極10により注入された電子波は、2つ
の電子波導波路11、12間の距離が電子波のカップリ
ングする程度に短く構成されている部分(図10の左端
の部分)によりデカップリング部(分岐部)15に運ば
れる。このデカップリング部(図10中左側の破線のリ
ングで示す部分)15は上記左端部分のカップリング部
よりも2つの電子波導波路11、12間の距離が離れて
いるために電子波が2つに分離する。このカップリング
部分では、2つの電子波導波路11、12内のフェルミ
レベルは第1、第2量子準位ないしサブバンドの間にな
る様に(これによりフェルミレベル以下の第1準位にの
み電子波が集中してカップリングが起こる)Siをド−
プしてある。実際には、バリア層13であるAlAs層
の厚さを変えることでカップリング、デカップリングが
実現される。即ち、バリア層13が両端で薄くされ、両
端で導波路井戸11、12間に相当のトンネリングが起
きるが、中央部ではトンネリングが殆ど起きないように
なっている。
【0004】このデカップリング部15で、図10紙面
垂直方向に磁場を加えることで、いわゆるA−B効果
(正確には、マグネトスタチックなA−B効果)により
2つの電子波の間に位相差が生じる。この2つの電子波
を図10右側の破線のリングで示す合流部16でカップ
リングさせることで、エネルギの低いボンディング状態
かエネルギの高いアンチボンディング状態を作る。ここ
で、フェルミレベルがド−ピング量で調整され、低いエ
ネルギの電子波のみがドレイン14に達する様になって
いる。すなわち、光における干渉効果と類似の効果をカ
ップリングする2つの電子波に生じさせ、検出側の電極
14に電子波が到達する場合と到達しない場合とを生じ
させ、素子のon/off制御を行なっている。
【0005】このデカップリング部の長さは、電子波の
コヒ−レンスが保たれるものでなければならないので、
現状では液体ヘリウム(LHe)温度で1μm以下であ
る。以上の素子は、S. Datta, et al., Appl. Phys. Le
tt. 48 (7), 17 February 1989, pp. 487-489 に開示さ
れている。
【0006】また、トンネリング現象を利用しないリア
ルスペース(実空間)トランスファーを用いた図11に
示す様な素子も提案されている。図11の例は電子波を
扱ったものではないが、電流が流れている層20を量子
井戸等に変えることにより、電子波を量子構造外に取り
出す素子になる。
【0007】本素子は、ヘテロ接合部(層20と層21
の接合部)でのエネルギの不連続性がk空間におけるΓ
点とX点とで異なることを利用している。例えば、層2
0、21のAlの混晶比x、yの値をそれぞれ0.33
と0.6にすると、n−AlGaAs層20とi−Al
GaAs層21と間での接合点でのエネルギの不連続性
はΓ点で+0.23eV、X点では+0.03〜0.0
75eVとなり(n−AlGaAs20を基準にして層
21のエネルギが高い場合+、低い場合−符号とな
る)、Γ点にいる電子は層21によるエネルギ障壁のた
めに容易にn−AlGaAs層20の外に出ていけない
が、X点にある電子は容易に上記n−AlGaAs層2
01の外に出ていける。このため、n−AlGaAs層
20の電子をΓ点からX点に遷移させることで、電流の
on/off制御などの所望の素子動作が得られること
がわかる。
【0008】この動作を行なわせるために、素子の膜面
方向(図11左右方向)に電圧を印加し(VSで示
す)、電子の波数kを増加させて上記の遷移を起こさせ
る。更に、膜厚方向(図11上下方向)に電子が流れ出
す様に膜厚方向にも電圧が印加されている(VTで示す)
。これにより、VS=1V(電極間距離1μmで)と0
Vの間で変化させて(77Kにおいて)、X点に遷移す
ることで生じる膜厚方向の電流の比は105(VS=1V
の場合):1(VS=0Vの場合)となり、膜面方向に
電圧を加えることで効率よく電子がΓ点からX点に遷移
することがわかる(図11の例についてはJasprit Sing
h, Appl. Phys.Lett. 55(25), 18 December, 1989 pp.
2652-2654の論文参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記図10の
従来例では、ドレイン14側の合流部で反射されたアン
チボンディング状態の電子波が、ソ−ス10・ドレイン
14間で熱を発生したり、ソ−ス10から抜け出て別の
素子のノイズ源になる等の問題があった。また、2つの
電子波の位相差が2mπ(mは整数)のもののみ測定し
ていたために、信号のS/Nが悪かった。
【0010】一方、図11に示すリアルスペ−ストラン
スファーの方法として膜面方向に電界を印加するもので
は、量子干渉素子の様に伝導電子の持つ波数の広がりを
できるだけ小さくしたい(干渉をよりシャ−プに起こさ
せるのに必要)素子には適さないという問題がある。ま
た、上記S/Nの問題もある。
【0011】よって、本発明の第1の目的は、上記の課
題に鑑み、反射電子波の問題もなく伝導電子の波数の広
がりの問題もなくした量子干渉素子を提供することにあ
る。
【0012】本発明の第2の目的は、上記の課題に鑑
み、反射電子波の問題もなく伝導電子の波数の広がりの
問題もなくした実空間トランスファーを利用する電子波
の処理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の電子波
が量子構造の複数のパスを導波されてその後1つの電子
波に合流される量子干渉構造に関し、合流された電子波
はそのエネルギ状態に応じて実空間トランスファーによ
ってパスから外に取り出される。
【0014】本発明による第1の形態の量子干渉素子は
以下のものを有する:ソース;ドレイン;夫々、量子構
造を有する複数の導波路、各導波路はソースとドレイン
の間を伸びている;複数の導波路内に閉じ込められたソ
ースからの1つの電子波を複数の電子波に分岐する為の
手段;分岐した複数の電子波を1つの電子波に合流する
為の手段;分岐した複数の電子波の間の位相差を制御す
る為の手段;及び合流した電子波のエネルギー状態に応
じて、実空間トランスファーを利用して、合流した電子
波をドレインに導くか或は複数の導波路の外に導くかす
る為の手段。
【0015】本発明による第2の形態の量子干渉素子
:ソース、ドレイン及び量子構造を有し且つ、複数の
パスを備える量子干渉素子であって、分岐部で分岐され
複数のパスを導波してきた複数の電子波を1つの電子
波に合流する為の手段;及び合流した電子波のエネルギ
ー状態に応じて、実空間トランスファーを利用して、合
流した電子波を該ドレインに導くか或いは該複数のパス
の外に取り出す為の手段を有することを特徴とする
【0016】本発明による第1の形態の電子波の処理方
法は以下のステップを有する:電子波を導波する複数の
導波路に第1の電圧を印加して1つの電子波を作るステ
ップ;1つの電子波を2つの電子波に分岐するステッ
プ;分岐した複数の電子波の間の位相差を制御するステ
ップ;複数の導波路に第2の電圧を印加して分岐した複
数の電子波を1つの電子波に合流するステップ;及び合
流した電子波のエネルギー状態に応じて、実空間トラン
スファーを利用して、合流した電子波を複数の導波路の
外に導くステップ。
【0017】本発明による第2の形態の電子波の処理方
法はソース、ドレイン及び量子構造を有する素子を用
い、以下のステップを有する:分岐部で分岐された電子
波を導波する複数のパスに電圧を印加して複数のパス
を導波してきた複数の電子波を1つの電子波に合流する
ステップ;及び合流した電子波のエネルギー状態に応じ
て、実空間トランスファーを利用して、合流した電子波
該ドレインに導くか或いは該複数のパスの外に取り出
すステップ。
【0018】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の素子構成を示
す。同図において、n−GaAs基板31上に、n−A
xGa1-xAs層32、i−AlAs層33、i−Ga
As34、i−AlAs35、i−GaAs36、i−
AlAs37、n−Al0.3Ga0.7As38、n−Ga
Asキャップ層(不図示)を分子線エピタキシ−(MB
E)法で堆積する。このキャップ層は、ソ−ス電極3
9、ドレイン電極40でオ−ミックコンタクトを取るた
めの層であり、これらの電極39、40直下以外の部分
では除去しておく。
【0019】直線状電子波導波路はi−AlAs層3
3、35、37に挟まれたi−GaAs層34、36に
より構成され、基板31に近いi−GaAs層34の幅
を例えば45Å、もう一方のi−GaAS層36の幅を
40Å、これら34、36の間のi−AlAs35の厚
さを22Åとする。即ち、下部のGaAs層34の厚さ
は上部のGaAs層36の厚さより大きくされ、電子波
が電極42の下のデカップリング部で等しい比で2つに
分岐されるようになっている。こうして、非対称2重量
子井戸構造が形成されている。最下層のi−AlAs層
33の厚さは、後述するトンネリングする電子のエネル
ギ選択性をよくするために、30Å程度とする。
【0020】ゲ−ト電極41と42の距離は、1:1の
分岐比の分岐部を形成するように、0.6μm程度とし
その間の電界は100KV/cmとし、図2に示す様に
フェルミレベルEfとゲート42の下での井戸34、3
6の最低エネルギレベル51との差を15meVになる
様に、n−AlGaAs層38のド−ピング量が調整さ
れている。この量はオ−ダ−的には1017〜1018cm
-3位である。
【0021】以上の条件により、電子波導波路である井
戸34、36内にコヒ−レントな電子波が1:1に分か
れて導波する。
【0022】次に、ゲ−ト電極43の下の合流部では、
ゲ−ト42、43間の距離を約0.6μmとし電界を1
15KV/cm程度にする。ゲ−ト電極43の幅(図1
左右方向の長さ)は2〜3μmとし、このゲ−ト電極4
3を通過する間に高エネルギ状態(図2の曲線52で示
す)の電子波が基板31側に十分にトンネリングする様
にしておく。このゲ−ト43の下では2つの電子波の状
態(曲線51、52で示す)がフェルミエネルギEf
下になる様に、層38とゲ−ト電極43の間に層38よ
り高ド−プのn−AlyGa1-yAs(不図示)を300
Åほど堆積する(ただし、y<0.3である)。
【0023】このように構成された井戸層34、36で
のエネルギレベル51、52の変化を、フェルミレベル
を基準に電子波の導波方向に沿って示したものが図2で
ある。図2の破線の曲線53は、層33と層32の接合
部でのエネルギレベル(伝導帯のもの)の変化を電子波
導波方向に沿って示したものである。
【0024】尚、図1において、44は電源、45、4
6は可変電源、47、47′はAuGe拡散部である。
【0025】以上の構成において、ゼロバイアス(ソ−
ス39直後の部分の状態)でのサンプルの伝導帯のバン
ド図が 図3に示され、点線はフェルミレベルEfを表
わし、各井戸34、36のエネルギレベルのところに第
1、第2量子準位(波動関数が示され、斜線部は電子が
つまったレベルを示す)が示されている。
【0026】図4は、ゲ−ト43の直下における同様な
バンド図を示し、各井戸34、36内の第2準位は省略
され、ボンディング状態(下のレベルの斜線部の波動関
数で示す)とアンチボンディング状態(上のレベルの斜
線部の波動関数で示す)とのエネルギ差は20meV程
である。ここでは、アンチボンディング状態の電子波は
トンネリングによりn−AlxGa1-xAs層32に抜け
てくる(図4中矢印で示す)。これは、i−AlAs層
33の厚さが上記の如く設定され、バイアス時に上記ア
ンチボンディング状態のレベルがこのバリア層33とn
−AlXGa1xAs層32の接合部cのレベルに等しい
かこれより高くなっているからである(図4の例では等
しくなっている)。しかし、十分なトンネリングが達成
されるなら、前者のレベルが後者のレベルより少し低く
てもよい。
【0027】従って、位相差が(2m+1)πの2つの
電子波が合流してできた電子波はアンチボンディング状
態となって、基板31方向に抜け出してしまいドレイン
電極40には達しない。これら2つの電子波はゲート電
極41と42の間の分岐部ではフェルミレベルEfより
下にある2つのレベルにある。
【0028】一方、この位相差が2mπのものはボンデ
ィング状態(図4の下のレベルの斜線部の波動関数で示
す)になり、上記の基板31方向への抜け出しは起こら
ずドレイン電極40に達する。
【0029】この例において、2つの電子波の位相差の
コントロ−ルは、電源45、46のいずれかの電圧(す
なわち、電極41と42間又は/及び電極42と43間
の電圧)を1%ほど変えるのみで行なわれ、素子のオフ
セット(電極41と42間の距離等の設定値からのず
れ)もこれらの電源45、46を僅かに調整するだけで
補償される。電圧源45は、高いレベル52をフェルミ
レベルEfより高くし低いほうのレベル51をフェルミ
レベルEfより低くする為にも働き、こうして、電極4
1と43の間の分岐部の上流において1つのカップルし
た電子波を作り出す。
【0030】こうして、電極41と42間の電圧や電極
42と43間の電圧の少なくとも1つを僅かに制御する
ことでドレイン40に達する電流が変調される量子干渉
素子が実現される。この量子干渉素子は電界効果型トラ
ンジスタなどとして利用できる。
【0031】図5は上記実施例の全体を示す。分岐部で
の位相差を変調するには、他の方法も可能である。
【0032】1つは以下の通りである。図6に示すよう
に、第2実施例では、ゲート電極41、42、43間の
電圧は一定に保って、分岐部の2つの電子波の間の部分
に印加された磁場が変調される。2つの電子波間の位相
差θは次の式で表わされる。 θ=2πe/ch・Φ ここで、Φは2つの電子波間の部分を通過する磁束であ
り、eは電子の電荷であり、cは光速度であり、hはプ
ランク定数である。第2実施例では、ドレイン40への
電流は、位相差がπの偶数倍か奇数倍かによってオン・
オフ制御される。この場合、電磁石55への電流がオン
のとき、デバイスの信号電流がオン状態となる。磁場の
方向と積層構造との関係は、図10の従来のデバイスと
同じである。
【0033】次に、もう1つの方法は、素子の分岐部に
光を当てるものである。この第3実施例では、図7に示
すように、リッジ型の光導波路56が形成されている。
井戸層のサブバンドレベルは導波されてくる光により光
シュタルク効果で変化させられる。こうして、位相差が
変調され、ドレインへの電流が変調される。導波光は積
層面に垂直な方向に偏光したものであるのが好ましい。
【0034】また、上記実施例ではアンチボンディング
状態の電子波を電子波導波路の外に抜き出していたが、
ボンディング状態の電子波を導波路外に遷移させる様に
しても一般的な量子干渉素子と同等の機能が得られる。
この場合、図4において、バリア層33とn−Alx
1-xAs層32の接合部の価電子帯のエネルギレベル
がボンディング状態の電子波のレベルに等しいかこれよ
り高くなる様にする。或は、このエネルギレベルは、十
分なトンネリングが達成される限り、後者のレベルより
少し低くてもよい。
【0035】上記実施例ではGaAsなどの材料を用い
たが、III−V族の他の材料やII−VI族の材料
(CdTeなど)も同様に用いられる。
【0036】上記量子干渉素子は高速電流変調器として
用いられる。図8は、図7の実施例を光ゲートトランジ
スタに適用した例を示すブロック図である。図8におい
て、符号58はこのようなデバイスである。このデバイ
ス58の電極間には、電源59によって電圧が印加され
ている。このデバイス58には半導体レーザなどのレー
ザ光源61よりゲート光LGが照射される。この光LG
レーザ駆動回路60からレーザ光源61に供給する電流
Gで変調することによって、デバイス58のドレイン
電流iDが変調される。ゲート光LGをパルス幅1ps以
下のパルス光とすると、ドレイン電流iDをこの速度で
変調することができ、高速な電流変調器を実現すること
ができる。
【0037】図9は、本発明の半導体装置を光通信シス
テムの光検出器として用いた例を説明するブロック図で
ある。図9において、符号66は光信号を伝送する光フ
ァイバーである。この光ファイバー66には、光ノード
671,672,・・・,67nを夫々介して、複数のタ
ーミナル681,682,・・・,68nが接続されてい
る。夫々のターミナルには、キーボード、表示素子など
を有する端末装置691,692,・・・,69nが接続
されている。
【0038】各ターミナルは、変調回路63及びレーザ
光源62から成る光信号送信機を有している。また、各
ターミナルは、光検出器80及び復調回路81から成る
光信号受信機を有している。これら送信機及び受信機
は、端末装置691からの指令に基づいて制御回路64
によって制御される。前記光検出器80として、図7で
説明した様な本発明の電子波干渉デバイスを好適に用い
ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、あ
る設定値のエネルギレベルにある電子波をトンネリング
させて基板側の電極に抜く等のリアルスペ−ストランス
ファ−を用いて電子波導波路外に抜く為に、従来例(こ
こでは、通常、フェルミレベルを調整し、2つの電子波
の位相差が(2m+1)πの電子波のエネルギがそれよ
り高い状態にし、これによりこうした合流電子波が反射
されてドレイン電極に達しない様にしている)の如く反
射電子波を生じず、回路等に悪影響を及ぼさない。
【0040】また、膜面方向に印加する電界が小さくて
も、設定したエネルギレベルにある電子波(ボンディン
グ状態かアンチボンディング状態のいずれか)を電子波
導波路外に遷移させられて、伝導電子の持つ波数の広が
りをできるだけ小さくするという要求をも満足させられ
る。
【0041】更に、基板側電極に抜ける電子波を測定す
ることで、ドレインに達する電子波の状態(例えば、ソ
−スから全く電子が供給されないから電子波が達しない
のか、基板側電極に電子波が抜けているからドレインに
電子波が達しないかが区別できる)が明確に確定できて
S/Nも良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す断面図。
【図2】図1の第1実施例の電子波導波方向における導
波路のサブバンドのエネルギレベルの変化を示す図。
【図3】図1におけるソ−ス直後の素子の部分のバンド
構造と波動関数を示す図。
【図4】図1におけるゲ−ト43直下での素子の部分の
バンド構造とカップリングした電子波の波動関数を示す
図。
【図5】図1の第1実施例の全体構造を示す斜視図。
【図6】本発明の第2実施例の構成を示す斜視図。
【図7】本発明の第3実施例の構成を示す斜視図。
【図8】本発明の量子干渉素子が光ゲートトランジスタ
として使用される例を示すブロック図。
【図9】本発明の量子干渉素子が光検出器として使用さ
れる光通信システムの例を示すブロック図。
【図10】量子干渉素子の第1の従来例を示す断面図。
【図11】k空間のキャリアトランスファーを利用した
他の従来例を示す図。
【符号の説明】
31:GaAs基板 32:n−AlGaAs 33、35、37:i−AlAsバリア 34、36:i−GaAs井戸(電子波導波路) 38:n−Al0.3Ga0.7As層 39:ソ−ス電極 40:ドレイン電極 41、42、43:ゲ−ト電極 44:電源 45、46:可変電源 47、47′:AuGe拡散部 51:第1準位 52:第2準位 53:層33と層32の接合部cのエネルギレベル 55:電磁石 56:リッジ型光導波路 60:レーザ駆動回路 61、62:レーザ光源 63:変調回路 64:制御回路 66:光ファイバ 68n:ターミナル 67n:光ノード 69n:端末 80:光検出器 81:復調回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/337 H01L 21/338 H01L 27/065 H01L 29/778 H01L 29/80 - 29/812

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のものを有することを特徴とする量
    子干渉素子:ソース;ドレイン;夫々、量子構造を有す
    る複数の導波路、各導波路はソースとドレインの間を伸
    びている;複数の導波路内に閉じ込められたソースから
    の1つの電子波を複数の電子波に分岐する為の手段;分
    岐した複数の電子波を1つの電子波に合流する為の手
    段;分岐した複数の電子波の間の位相差を制御する為の
    手段;及び合流した電子波のエネルギー状態に応じて、
    実空間トランスファーを利用して、合流した電子波をド
    レインに導くか或は複数の導波路の外に導くかする為の
    手段。
  2. 【請求項2】 上記実空間トランスファ−は、前記複数
    の導波路の1つに隣接して形成されたバリア層を、所定
    のエネルギー状態にある合流された電子波がトンネリン
    グすることで行なわれる請求項1記載の量子干渉素子。
  3. 【請求項3】 上記トンネリングは、前記バリア層とこ
    れに接する基板側の層との接合部の伝導帯のエネルギー
    レベルが上記所定のエネルギー状態のレベルに等しいか
    これより低い様に設定されることで行なわれる請求項2
    記載の量子干渉素子。
  4. 【請求項4】 上記トンネリングは、前記バリア層とこ
    れに接する基板側の層との接合部の価電子帯のエネルギ
    ーレベルが上記所定のエネルギー状態のレベルに等しい
    かこれより高い様に設定されることで行なわれる請求項
    2記載の量子干渉素子。
  5. 【請求項5】 前記合流手段のところでの前記複数の導
    波路の第1及び第2サブバンドがフェルミレベルより下
    のレベルに設定されている請求項1記載の量子干渉素
    子。
  6. 【請求項6】 前記分岐手段は、前記複数の導波路の第
    1及び第2サブバンドをフェルミレベル以下に設定する
    ことで電子波を分岐している請求項1記載の量子干渉素
    子。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記複数の導波路に印
    加される電圧を変調することで位相差を制御している請
    求項1記載の量子干渉素子。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記複数の導波路に導
    かれる光を変調することで位相差を制御している請求項
    1記載の量子干渉素子。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記複数の導波路に印
    加される磁場を変調することで位相差を制御している請
    求項1記載の量子干渉素子。
  10. 【請求項10】前記ソースとドレインの間を伸びる前記
    複数の導波路は、実質的に直線状である請求項1記載の
    量子干渉素子。
  11. 【請求項11】当該素子は光検出器として構成されてい
    る請求項1記載の量子干渉素子。
  12. 【請求項12】当該素子は光ゲートトランジスタとして
    構成されている請求項1記載の量子干渉素子。
  13. 【請求項13】ソース、ドレイン及び量子構造を有し且
    つ、複数のパスを備える量子干渉素子であって、 分岐部で分岐され 複数のパスを導波してきた複数の電
    子波を1つの電子波に合流する為の手段;及び合流した
    電子波のエネルギー状態に応じて、実空間トランスファ
    ーを利用して、合流した電子波を該ドレインに導くか或
    いは該複数のパスの外に取り出す為の手段を有すること
    を特徴とする量子干渉素子
  14. 【請求項14】以下のステップを有することを特徴とす
    る電子波を処理する方法:電子波を導波する複数の導波
    路に第1の電圧を印加して1つの電子波を作るステッ
    プ;1つの電子波を2つの電子波に分岐するステップ;
    分岐した複数の電子波の間の位相差を制御するステッ
    プ;複数の導波路に第2の電圧を印加して分岐した複数
    の電子波を1つの電子波に合流するステップ;及び合流
    した電子波のエネルギー状態に応じて、実空間トランス
    ファーを利用して、合流した電子波を複数の導波路の外
    に導くステップ。
  15. 【請求項15】上記実空間トランスファ−は、前記複数
    の導波路の1つに隣接して形成されたバリア層を、所定
    のエネルギー状態にある合流された電子波がトンネリン
    グすることで行なわれる請求項14記載の電子波処理方
    法。
  16. 【請求項16】上記トンネリングは、前記バリア層とこ
    れに接する基板側の層との接合部の伝導帯のエネルギー
    レベルが上記所定のエネルギー状態のレベルに等しいか
    これより低い様に設定されることで行なわれる請求項1
    5記載の電子波処理方法。
  17. 【請求項17】上記トンネリングは、前記バリア層とこ
    れに接する基板側の層との接合部の価電子帯のエネルギ
    ーレベルが上記所定のエネルギー状態のレベルに等しい
    かこれより高い様に設定されることで行なわれる請求項
    15記載の電子波処理方法。
  18. 【請求項18】前記分岐ステップは、前記複数の導波路
    の第1及び第2サブバンドがフェルミレベルより下のレ
    ベルに設定されることで行なわれる請求項14記載の電
    子波処理方法。
  19. 【請求項19】前記制御ステップは、前記複数の導波路
    に印加される電圧を変調することで行なわれる請求項1
    4記載の電子波処理方法。
  20. 【請求項20】前記制御ステップは、前記複数の導波路
    に導かれる光を変調することで行なわれる請求項14記
    載の電子波処理方法。
  21. 【請求項21】前記制御ステップは、前記複数の導波路
    に印加される磁場を変調することで行なわれる請求項1
    4記載の電子波処理方法。
  22. 【請求項22】ソース、ドレイン及び量子構造を有する
    素子を用い、以下のステップを有することを特徴とする
    電子波を処理する方法:分岐部で分岐された 電子波を導波する複数のパスに電圧
    を印加して複数のパスを導波してきた複数の電子波を
    1つの電子波に合流するステップ;及び合流した電子波
    のエネルギー状態に応じて、実空間トランスファーを利
    用して、合流した電子波を該ドレインに導くか或いは該
    複数のパスの外に取り出すステップ。
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