JP3149876U - コック付き継手 - Google Patents

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雄之介 杉山
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Abstract

【課題】2つの部材の接続及び流体・気体の流路の開閉の両方の機能を具備するコック付き継手であって、流路の開閉操作を簡単、かつ、円滑に行なえるようにする。【解決手段】接続される一方の部材2の開口端部に略半球状の凸球面10を有する第1の継手部1を設けると共に他方の部材4の開口端部に略半球状の凹球面30を有する第2の継手部3を設ける。第1の継手部に第1の流路60を設けると共に第2の継手部に第2の流路61を設け、両流路で両部材内間を連通・遮断する開閉流路6を構成する。凹球面を凸球面に嵌合した状態で、両継手部を互に周方向へのみ回動自在に留め着して一方及び他方の部材を接続する。第1又は第2の継手部を回動して前記両流路を連通させることにより、両部材内間を連通させるように構成する。第1又は第2の流路のうち、少なくとも一方の流路を2個の流路で構成する。【選択図】図1

Description

本考案は、例えば管同士、或いはその他の所望の2つの部材を接続するコック付き継手に関する。さらに詳しくは、接続される一方の部材内と他方の部材内との間を連通・遮断する開閉流路を備えたコック付き継手に関する。
従来、管同士、或いはその他の所望の2つの部材を接続する技術として、例えば球面継手(ボールジョイント)が一般に知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、液体の流路を連通・遮断する技術として、例えば、入口側の管と出口側の管とを備えたコック本体の栓室(コックハウジング)内に連通孔を有する中栓(コックプラグ)を回動自在に嵌合してなるコック(二方コック)が一般に知られている(例えば、特許文献3,4参照)。
しかし、上記した特許文献1,2に記載の球面継手は管同士等、2つの部材の接続専用であり、また、従来の特許文献3,4に記載の上記コックは、専ら液体の流路を連通・遮断する機能だけしか有していない。
そのため、従来、管同士等、2つの部材の接続と液体の流路の開閉の両方の機能を具備する装置等を組立てる際には、継手とコックの両方を使用する必要がある。
そこで、上記問題を解決するため、特許文献5に記載のコック付き継手(以下「先行技術」という)が提出された。この先行技術は、接続される一方の部材(管)の開口端部に略半球状の凸球面を有する第1の継手部を設けると共に他方の部材(管)の開口端に前記凸球面に適合して嵌合される略半球状の凹球面を有する第2の継手を設ける。前記第1の継手部に第1の流路を設けると共に第2の継手部に第2の流路を設け、両流路で一方の部材内と他方の部材内との間を連通・遮断する開閉流路を構成する。前記凹球面を凸球面に嵌合した状態で、留め着手段により両継手部を互に周方向へのみ回動自在に留め着して一方及び他方の部材を接続する。両継手部には、第1及び第2の流路の位置を示す指標(めじるし)が設けてある。第1の継手部と第2の継手部を相対的に回動し、前記両指標を合わせて第1の流路と第2の流路を合致させることにより両流路を連通させるように構成してある。
先行技術は上記のように構成したもので、これによれば上述した問題を解消し、部材同士の接続及び流路の開閉の両方の機能を具備したコック付き継手が得られる。しかし、この先行技術によっても次のような改良を加えるべき余地が残されている。
即ち、先行技術の第1及び第2の継手部に設けた第1の流路及び第2の流路はそれぞれ1個の流路で構成されている。そして、上述したように、第1の継手部と第2の継手部を相対的に回動して第1の流路と第2の流路を合致させることにより両流路を連通させ、また、前記両流路の連通状態を解除(継手部を回動して両流路の位置を変位する)することにより両流路を遮断するように構成したものである。
上記したように、第1の継手部と第2の継手部を相対的に回動操作して第1及び第2の流路を連通・遮断するものである。例えば、両流路の連通状態から遮断状態にする場合、一般的には、例えば第1又は第2の継手部を時計方向(正方向)又は逆時計方向(逆方向)へ約90度回動操作することにより行なわれる。また、両流路の遮断状態から両流路を連通状態にする場合には、遮断状態の位置から第1又は第2の継手部を所定の位置(元の位置)まで回動操作することにより行なわれる。
しかるに、上記流路の開閉(連通・遮断)操作において、例えば、第1の継手部を逆時計方向に約90度回動して遮断した場合、前記継手部を前記遮断状態から時計方向(正方向)に約90度回動することにより両流路を合致(両指標を合わせる)させて連通状態にすることができるが、前記継手部を前記遮断状態から逆時計方向(逆方向)に回動して両流路を合致させるためには、前記継手部を約270度回動する必要がある。
したがって、先行技術においては、両流路を遮断状態から連通状態に操作する場合、遮断状態が前記継手部の時計方向の回動によるものか、或いは逆時計方向の回動によるものかを確認しないと回動操作に手間が掛かる。このように、先行技術は両流路の開閉操作、特に両流路を連通させる操作が煩雑になる問題を有している。
特開2001−263561号公報 特開2006−307747号公報 特開2002−054752号公報 特開平10−299911号公報 実用新案登録第3145253号公報
本考案は上記したような実情に鑑みてなされたもので、先行技術の有する特長はそのまま活用すると共に上記した問題点を解消し、流路の開閉操作を簡単、かつ、迅速良好に行なうことができるコック付き継手を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本考案のうち1つの考案(第1の考案)は、2つの部材を接続すると共に接続される一方の部材内と他方の部材内との間を連通・遮断する開閉流路を備えたコック付き継手であって、
略半球状の凸球面を有し、前記一方の部材の開口端部に設けた第1の継手部と、
前記凸球面に適合して嵌脱自在に嵌合される略半球状の凹球面を有し、前記他方の部材の開口端部に設けた第2の継手部と、
前記凹球面を前記凸球面に嵌合した状態で前記第1及び第2の継手部を互に周方向へ回動自在、かつ、前記方向以外の方向への動きを規制して留め着する留め着手段と、
一端側を前記一方の部材内に連通させると共に他端側を前記凸球面の頂部中心から離れた部位の外側へ開口して前記第1の継手部に設けた第1の流路と、
一端側を前記他方の部材内に連通させると共に他端側を前記第1の流路の前記凸球面側の開口端部と連通可能になるように形成して前記第2の継手部に設けた第2の流路とを備え、
前記開閉流路は前記第1及び第2の流路で構成され、
前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動することにより前記第1の流路と第2の流路を連通させるように構成され、
前記第1及び第2の流路のうち、少なくとも一方の流路は2個の流路を備えて構成されていることを特徴とする。
なお、本考案において、「周方向」の用語は、第1の継手部の中心軸線と第2の継手部の中心軸線とが同一の直線上になるようにして凹球面を凸球面に嵌合した状態において、両継手部の中心軸線を同一直線上に保持したままで、第1の継手部は第2の継手部の中心軸線に対し、また、第2の継手部は第1の継手部の中心軸線に対してそれぞれ直交して周回する方向を意味する用語として用いられている。
本考案のうち、他の1つの考案(第2の考案)は、第1の考案のコック付き継手において、前記第1の流路は1個の流路で構成されていると共に前記第2の流路は2個の流路を備えて構成され、前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動した時点で前記第1の流路と前記第2の流路のうちのいずれか一方の流路を選択的に連通させるように構成したことを特徴とする。
本考案のうち、さらに他の1つの考案(第3の考案)は、第1の考案のコック付き継手において、前記第1の流路は2個の流路を備えて構成されていると共に前記第2の流路は1個の流路で構成され、前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動した時点で前記第2の流路と前記第1の流路のうちのいずれか一方の流路を選択的に連通させるように構成したことを特徴とする。
本考案のうち、さらに他の1つの考案(第4の考案)は、第1の考案のコック付き継手において、前記第1及び第2の流路はそれぞれ2個の流路を備えて構成され、前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動した時点で前記第1の流路のうちのいずれか一方の流路と前記第2の流路のうちいずれか一方の流路を連通させると共に前記第1の流路のうちの他方の流路と前記第2の流路のうちの他方の流路を連通させるように構成したことを特徴とする。
本考案によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)第1の流路又は第2の流路のうち、少なくとも一方の流路は2個の流路を備えて構成されているので、両流路を遮断状態から連通状態にする場合、一方の継手部を他方の継手部に対して正逆の回動方向に関係なく、最大約90度回動することにより第1の流路と第2の流路を合致させて連通させることができる。したがって、開閉流路の開閉(連通・遮断)操作を容易、かつ迅速良好に行なうことができる。
(2)第1の継手部と第2の継手部を相対的に回動して第1の流路と第2の流路を連通させることにより、一方の部材内と他方の部材内との間に液体又は/及び気体を流通する流通路が形成されて連通し、また、前記連通状態を解除することにより、前記両部材内間は遮断される。したがって、良好なコック(二方コック)機能を具備させることができる。
(3)構成を簡素化すると共に装置をコンパクト化し、管同士、或いはその他の任意の2つの部材の接続及び液体又は/及び気体の流路の開閉の両方の機能を具備したコック付き継手を提供することができる。
(4)凸球面に凹球面を嵌合して接続するものであるため、凸球面を凹球面に強く押し込んでも食い込むことはない。したがって、第1及び第2の継手部を互に周方向へ円滑、良好に回動することができる。
以下、図面を参照して本考案の管用のコック付き継手の最良の実施形態の一例について説明する。
図1は本考案の一実施形態のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は前記継手を概略的に示す縦断面図、同図(b)は前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図、同図(c)は同図(a)のA−A線断面図、図2は図1の前記継手に採用した他方の部材及び第2の継手部の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は側面図、同図(b)は底面図、同図(c)は同図(a)のB−B線断面図、同図(d)は同図(c)のC−C線断面図、図3は図1の前記継手に採用した一方の部材及び第1の継手部の構成を概略的に示す斜視図(a)と平面図(b)、図4は図1の前記継手に採用した回動操作用手段の操作用レバー部の構成を概略的に示す斜視図、図5は図1の前記継手に採用したネジキャップ部の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は前記キャップ部を開口端側から見た平面図、同図(b)は同図(a)のD−D線断面図、図6(a),(b)は前記継手の第2の流路及び第1の流路の構成を概略的に示す説明図である。
上記図1〜図6において、この実施形態(実施形態1)のコック付き継手は、接続される一方の部材2に設けた第1の継手部1と、他方の部材4に設けた第2の継手部3と、留め着手段5と、開閉流路6と、回動操作用手段7とを備える。
実施形態1の一方の部材2及び他方の部材4はそれぞれ管20及び40で構成した例が開示されている。なお、この明細書においては、一方の部材2を一方の管20、また、他方の部材4を他方の管40の用語を使用して説明することもある。
第1の継手部1は、一方の部材2(一方の管20)より大径に形成した略半球状の凸球面10を有し、部材2(管20)の一方の開口端部に固定して設けてある。実施形態1の継手部1は部材2と一体成形して設けてある。
第2の継手部3は、凸球面10に適合して嵌脱自在に嵌合される略半球状の凹球面30を有し、部材4(管40)の一方の開口端部に固定して設けてある。実施形態1の継手部3は部材4と一体成形して設けてある。第2の継手部3は、凹球面30が設けられている部位の外周部は所望の径及び長さの円柱状に形成した円形状の外周壁面を有して形成されている。
実施形態1の第1の継手部1は、凸球面10の基端面11を凹球面30の開口端面から若干突出させて凸球面10を凹球面30に嵌合するように構成してある。基端面11を開口端面から突出させる寸法は適当に決定し得るものであるが、例えば、約0.5mm〜約1.5mm程度を挙げることができる。但し、上記範囲内に限定するものではない。前記基端面11は平滑面ないし平坦面に形成されている。
第1の継手部1は、第1の流路60を備えている。実施形態1の第1の流路60は1個の流路60aで構成されている。前記流路60は、一端側を一方の部材内21(管20の内部)へ連通させると共に他端側を凸球面10の頂部中心(図1(a),(b)において上端中心)から適当な距離だけ離れた部位に位置させて凸球面10の外側へ開口して継手部1に設けた適当な径の孔で構成されている。この実施形態1の前記流路60(60a)は、凸球面10の前記位置に設けた貫通孔で構成されている。
ここで、前記流路60の凸球面10の外側の開口位置の構成等について、さらに具体的に説明する。即ち、上述したように、前記流路60は、一端側を一方の部材内21へ連通させてある。そして、前記流路60の他端側は、図6(b)に示すように、凸球面10の頂部中心点Pを通る凸球面10の直径方向の線L上に位置させて、前記中心点Pから適当(所望)の距離Xだけ離れた部位に位置させて凸球面10の外側へ開口して設けてある。
第2の継手部3は、第2の流路61を備えている。実施形態1の第2の流路61は2個の流路61a,61bを備えて構成されている。前記両流路61a,61bは、一端側を他方の部材内41(他方の管40の内部)に連通させると共に他端側を第1の流路60(60a)の凸球面側の開口端(開口端部)と連通可能(実施形態1では選択的に連通可能)になるように形成して設けてある。
実施形態1の前記流路61a,61bは、一端側を他方の管40内へ連通して開口すると共に他端側を第1の流路60の凸球面側の開口端部と対応する部位に位置させて凹球面30に開口して設けた貫通孔で構成されている。
ここで、実施形態1の第1の流路60に対する第2の流路61の両流路61a,61bの配置構成等について、さらに具体的に説明する。上述したように、前記流路61a,61bは、一端側を他方の部材内41へ連通させてある。そして、図6(a)に示すように、両流路61a,61bの他端側は、凹球面30の谷部中心点Pを通る凹球面30の直径方向の線L上に位置させて、中心点Pから図6(a)において左右に、前記距離Xと対応する距離Y,Yだけ離れた部位に位置させて凹球面30に開口して設けてある。前記距離Y,Y及びXは全て等しく設定されている。
前記第1の流路60と第2の流路61とにより、一方の部材2の内部(管20の内部)と他方の部材4の内部(管40の内部)との間を連通・遮断する開閉流路6が構成されている。これにより、凹球面30を凸球面10に嵌合した状態で、第1の継手部1と第2の継手部3を相対的に周方向へ所定の位置に回動した時点で第1の流路60(60a)と第2の流路61のうちのいずれか一方の流路61a又は61bを選択的に連通させるように構成してある。そして、上記のように、第1の流路60と第2の流路61のうちいずれか一方の流路61a又は61bを連通させることにより、一方の部材内21と他方の部材内41との間に液体又は/及び気体を流通する流通路が形成されて連通する(図1(a)参照)。なお、図1(a)には、第1の流路60と第2の流路61のうちの流路61aを連通させた例が開示されている。
また、上記状態において、第1の継手部1と第2の継手部3を相対的に周方向へ回動することにより前記流路60と前記流路61aとの連通状態は解除され、図1(b)に示すように、両部材内21,41間(管20の内部と管40の内部との間)は遮断される。なお、第1及び第2の継手部1,3は凸球面10と凹球面30とを摺接した状態で回動する。
前記一方及び他方の部材2,4、第1及び第2の継手部1,3の構成素材は特に限定するものではなく、利用分野や用途等に応じて任意の素材を選択できるものであるが、例えば、ガラス材,ステンレスやアルミ合金その他の金属材、或いは合成樹脂やプラスチック材等を採用できる。
前記留め着手段5は、凹球面30を凸球面10に嵌合した状態で、第1及び第2の継手部1,3を互に周方向へ回動自在、かつ、周方向以外の方向への動きを規制して両継手部1,3を留め着するものである。実施形態1の留め着手段5は、第2の継手部3の前記外周壁面にネジ溝51(雄ネジ溝)を設けて構成したネジ部50と、ネジ部50に嵌合するネジキャップ部52とを備えて構成されている。前記キャップ部52の構成素材は特に限定するものではないが、例えば、合成樹脂やプラスチック材、或いはアルミ合金やステンレスその他の金属材等を採用できる。
前記キャップ部52は、図5に詳細に示すように、一端を開口53し、内周壁面にネジ溝51と螺合するネジ溝54(雌ネジ溝)が設けられ、ネジ部50に螺合するネジ筒55と、ネジ筒55の他端に設けた押接板56とを備えている。前記押接板56は、一方の部材2(管20)を貫挿する貫挿部57を有している。実施形態1の貫挿部57は前記板56の中心部に開設され、一方の管20より幾分大径の円孔で構成されている。
実施形態1の留め着手段5は上記のように構成され、図1に示すように、一方の部材2を貫挿部57へ貫挿した状態で第1の継手部1の凸球面10に第2の継手部3の凹球面30を嵌合し、その状態でネジキャップ部52をネジ部50に螺合して適当な強さで締め付けて押接板56で第1の継手部1の基端面11を第2の継手部3側へ押動し、凸球面10を凹球面30に当接させる。これにより、第1及び第2の継手部1及び3は、互に周方向へ回動自在、かつ、周方向以外の方向への動きを規制して留め着され、一方の部材2(管20)と他方の部材4(管40)は接続される。なお、本考案においては、回動操作用手段7を設けてあるので、前記キャップ部52を可成り強く締め付けても第1及び第2の継手部を円滑良好に回動操作することができる。
上記のように、第1及び第2の継手部1,3を留め着して両部材2,4を接続した状態において、第1と第2の継手部1,3を相対的に周方向へ回動して第1の流路60(60a)と第2の流路61のうちいずれか一方の流路61a又は61bを連通させることにより、一方の部材内21(管20の内部)と他方の部材内41(管40の内部)との間に液体又は/及び気体を流通する流通路が形成されて連通する(図1(a)参照)。
また、上記状態において、第1と第2の継手部を相対的に周方向へ回動して前記流路60と流路61a又は61bとの連通状態を解除することにより、図1(b)に示すように、両部材内21,41間は遮断される。したがって、管20の内部と管40の内部との間を連通・遮断する開閉コック(二方コック)が構成される。
本考案のコック付き継手は、第1の継手部1に設けた第1の流路60の位置及び第2の継手部3に設けた第2の流路61の位置をそれぞれ示す指標8,9(めじるし)を備える。前記指標8,9は所望の部位に任意の手段で構成できる。実施形態1の第2の流路61の位置を示す指標9は、第2の継手部3の外周面に、前記流路61a,61bを形成した位置と一致させた部位に位置させて継手部3の軸方向に向けて設けた凹溝で構成されている。また、第1の流路60の位置を示す指標8は回動操作用手段の操作レバー部で構成されるが、この点については追って説明する。上記のように、指標8,9を設けることにより、第1及び第2の流路60(60a)及び61(61a,61b)の位置を外部から容易かつ正確に確認することができる。
前記回動操作用手段7は、一方又は他方の部材2又は4、或いは両方の部材2,4に設ける。実施形態1の前記手段7は一方の部材2に設けてある。実施形態1の回動操作用手段7は、一方の部材2に形成した係合部70と、係合部70に取付ける操作レバー部71とを備える。
前記係合部70は、第1の流路60の前記開口端部と凸球面10の頂部中心点Pとを直線で結ぶ凸球面10の直径方向の線L(図6(b)参照)と直交する側における前記部材2の対応する両側周壁面を対称的に凹ませて形成した適当な幅の平坦面72,72を備える。これにより、係合部70は図1(c)等に示すように、断面形状が両端側を円形状に形成した略長方形状に形成されている。前記両平坦面72,72の両端(図1(b),図3(a)において上下端)には、係合段部73,73が形成されている。
前記操作レバー71は、図4に詳細に示すように、ヒンジ74を介して二つ折りに折り曲げ自在に形成した適当な長さ及び肉厚の一対の挟持片75a,75bを有するレバー75を備える。両挟持片75a,75bは係合部70の平坦面と略同幅に形成されている。レバー75の一方の挟持片75aの中間部には、前記係合部70の一方の平坦面72側の外周面(係合部70の外周の略半分)に適合して嵌合する嵌合部76aが形成されている。また、他方の挟持片75bの中間部には、前記係合部70の他方の平坦面72側の外周面(係合部70の外周の略半分)に適合して嵌合する嵌合部76bが前記嵌合部76aと相対して形成されている。
前記操作レバー部71は、両挟持片75a,75bを二つ折りした状態で一方の挟持片を他方の挟持片に係脱自在に係着する任意の構成のストッパー手段を備えている。この実施形態1のストッパー手段は、一方の挟持片75aの先端部(ヒンジ74と反対側の端部)に設けた係合孔77と、他方の挟持片75bの先端部の内側面に設け、前記孔77に脱抜可能に係入するストッパー用のピン部材78で構成されている。前記ピン部材78は前記孔77に係入することにより、その状態を維持して両挟持片75a,75bの先端部を互に係着してロックし、ピン部材78の先端部を強く押動(押圧)することにより、前記ロックを解除してピン部材78を前記孔77から脱抜できるように構成されている。
前記レバー部71の構成素材は特に限定するものではないが、例えば、合成樹脂やプラスチック材、或いはアルミ合金その他の金属材等を採用できる。
実施形態1の回動操作用手段7は上記のように構成され、両挟持片75a,75bの嵌合部76a,76bで係合部70の両平坦面72を挟ませるようにして両挟持片を二つ折りすると共にピン部材78を前記孔77に係入して前記レバー部71を一方の部材2に取付けて使用される。これにより、両嵌合部76a,76bは係合部70に適合して嵌合すると共に両嵌合部の上下端は前記段部73にそれぞれ係合して上下方向の動きを規制される。また、一方の部材2はレバー部71と一体的に回動する。したがって、前記レバー部71を操作することにより、一方の部材2を通じて第1の継手部1を簡単、かつ、円滑良好に回動することができる。
実施形態1の第1の流路60(60a)の位置を示す指標8は前記レバー部71で構成される。即ち、前記レバー部71を上記したように一方の部材2へ取付けると、前記レバー部71(レバー75)の端部は第1の流路60を形成した方向を指すことになる。したがって、レバー部71が前記指標8になる。そして、レバー部71を操作して第1の継手部1を第2の継手部3に対して相対的に回動して指標8(レバー部71)を指標9(指標9,9のうちの一方の指標9)と一致させることにより、前記第1の流路60は第2の流路61のうちいずれか一方の流路(61a又は61b)と選択的に連通する。
なお、実施形態1では、第2の流路61の位置を示す指標9を前記流路61aを設けた位置及び前記流路61bを設けた位置の両方に設けた例が開示されている。この場合、指標9は、第2の流路61のうち、いずれか一方の流路61a又は61bが形成されている位置に設ける構成を採用することもできる。
実施形態1は上記のように構成され、上述したように管同士、或いはその他の所望の2つの部材の接続及び液体又は/及び気体の流路の開閉の両方の機能を具備する。この実施形態1は、それ自体でそのまま各種分野のコック付き継手として、或いは各種分野の装置等の構成部材として使用される。以下、その使用例ないし適用例の一例について説明する。
図7は、実施形態1の前記継手を適用して構成したコック付き継手の使用例(使用例1)の一例を概略的に示す説明図である。
使用例1は、一方の部材2(管20)で入口側(又は出口側)の口管20aを形成すると共に他方の部材4(管40)で出口側(又は入口側)の口管40aを形成してコック付き継手を構成したものである。この継手は各種分野において、コック付き継手として使用し得るものである。なお、図7の前記継手は、前記と同様に留め着手段5を用いて第1及び第2の継手部1,3を留め着するものである。また、操作レバー部71を上記と同様に一方の部材2に取付けて使用される。
図8は、実施形態1の前記継手を理化学装置に適用した使用例(使用例2)の一例を示す説明図である。
使用例2は、実施形態1の前記継手を適用して分液ロートを構成したものである。使用例2の前記他方の部材4は分液ロートの容器40bで構成され、第2の継手部3の基部側(図8において上端側)の開口端部を、容器40bの底部の開口端部に連通させ、溶接等で固着してある。また、第1の継手部1の前記一方の部材2(管20)で排出管21b(流出管)を形成し、これにより分液ロートを構成したものである。図8において、42は容器40bの上端部に形成した口管部、43は口管部42に着脱自在に設けた栓体(開閉蓋)、44は口管部42に設けたエアー抜き孔、45は栓体43の外周壁面に設けた凹溝を示す。口管部42及び栓体43の構成は従来の分液ロートと同様であるため、作用等の説明は省略する。
図8の分液ロートは上記したように構成したもので、従来の分液ロートと同様に使用するものである。また、容器40bと排出管21bとの間を連通・遮断する開閉流路6は前記と同様に操作して開閉する。
なお、上記した実施形態1のコック付き継手の適用ないし使用例は一例として開示したもので、上記に限定するものではなく、上記以外の各種分野に広く適用して使用できること勿論である。この点については後述する各実施形態のコック付き継手においても同様である。
図9は本考案の他の実施形態(実施形態2)のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図、同図(c)は図9の前記継手に採用した第1の継手部の構成を概略的に示す平面図、同図(d)は前記第1の継手部に設けた第1の流路の構成を概略的に示す説明図である。
実施形態2のコック付き継手において、実施形態1で既に説明した構成と共通する構成部等には同一符号を付して説明を省略する。この点については後述する各実施形態のコック付き継手においても同様である。実施形態2の前記継手は、第1の流路及び第2の流路の構成に特徴がある。
実施形態2の第1の継手部1に設けた第1の流路60は2個の流路60a,60bを備えて構成されている。前記流路60のうち、一方の流路60aは実施形態1と全く同様に前記線L上に位置させて、前記中心点Pから前記距離Xだけ離れた部位に位置させて凸球面10の外側へ開口して設けてある。また、他方の流路60bは、前記線L上に位置させて、前記中心点Pから前記流路60aと反対方向(図9(d)において左方向)に、前記距離Xと等しい距離Xだけ離れた部位に位置させて凸球面10の外側へ開口して設けてある。
また、第2の継手部3に設けた第2の流路61は、1個の流路61aで構成されている。即ち、第2の流路61は、実施形態1の第2の流路61のうち、一方の流路61bを省略して他方の流路61aのみで構成したものである。他の構成は実施形態1と同様である。
上記のように構成した実施形態2は、実施形態1と同様に凹球面30を凸球面10に嵌合して第1及び第2の継手部1及び3を留め着する。そして、第1の継手部1と第2の継手部3を相対的に周方向へ回動して指標8(レバー部71)を指標9と一致させることにより、第2の流路61(61a)と第1の流路60のうち、いずれか一方の流路60a又は60bとが選択的に連通するように構成してある。図9(a)には、第2の流路61(61a)と第1の流路60のうちの流路60aを連通させた例が開示されている。
また、上記状態において、第1の継手部1と第2の継手部3を相対的に周方向へ回動することにより前記流路61(61a)と流路60aとの連通状態は解除され、図9(b)に示すように、一方の部材内21と他方の部材内41との間は遮断される。
実施形態2のコック付き継手は上記のように構成され、実施形態1の前記継手と同様に使用される。これにより実施形態1と同様の作用効果を奏する。
図10は本考案のさらに他の実施形態(実施形態3)のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図である。実施形態3の前記継手も第1の流路及び第2の流路の構成に特徴がある。
実施形態3は、第1の継手部1に設けた第1の流路60を2個の流路60a,60bを備えて構成されている。また、第2の継手部3に設けた第2の流路61も2個の流路61a,61bを備えて構成されている。
実施形態3の第1の流路60は実施形態2の第1の流路60と全く同一に構成されている。また、第2の流路61は実施形態1の第2の流路61と全く同一に構成されている。他の構成は実施形態1と同様である。
上記のように構成した実施形態3は、実施形態1と同様に凹球面30を凸球面10に嵌合して第1及び第2の継手部1及び3を留め着する。そして、第1の継手部1と第2の継手部3を相対的に周方向へ回動して指標8(レバー部71)を指標9と一致させる。これにより、第1の流路60のうちのいずれか一方の流路60a(又は60b)と第2の流路61のうちのいずれか一方の流路61a(又は61b)を連通させると共に第1の流路60のうちの他方の流路60b(又は60a)と第2の流路61のうちの他方の流路61b(又は61a)とを連通するように構成してある。
実施形態3によれば、前記開閉流路6を2箇所に備える構成になる。図10(a)には、流路60aと流路61aを、また、流路60bと流路61bとがそれぞれ連通されている例が開示されている。
また、上記状態において、第1の継手部1と第2の継手部3を相対的に周方向へ回動することにより、前記各流路の連通状態は解除され、図10(b)に示すように、一方の部材内21と他方の部材内41との間は遮断される。
実施形態3のコック付き継手は上記のように構成され、実施形態1の前記継手と同様に使用される。これにより実施形態1と同様の作用効果を奏する。
図11は本考案のさらに他の実施形態(実施形態4)のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図である。
実施の形態4の前記継手は、第1の継手部1の構成に特徴がある。即ち、実施形態4の継手部1は、凸球面10の基端部に突設した環状フランジ12を有している。前記フランジ12の両面(図11において上下面)は平滑面ないし平坦面に形成されている。
実施形態4は、一方の部材2をネジキャップ部52の貫挿部57へ貫挿して第1の継手部1の凸球面10を第2の継手部3の凹球面30に嵌入し、押接板56の内側面をフランジ12の基端面(図11において下面)に当接した状態でネジキャップ部52をネジ部50に螺合する。そして、実施形態1と同様に、第1及び第2の継手部1及び3を互に周方向へ回動自在になるように、前記キャップ部52を適当な強さで締め付けて両継手部1,3を留め着し、一方の部材2と他方の部材4を接続するものである。この実施形態4においては、前記フランジ12は両継手部1,3の周方向以外の方向への動きを規制する役目をなしている。他の構成は実施形態1と同様である。
実施の形態4のコック付き継手は上記したように構成され、実施形態1の前記継手と同様に使用される。これにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
なお、上記した各実施形態のコック付き継手は一例として開示したもので、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載の技術思想を越脱しない範囲において任意に変更可能なものである。
本考案の一実施形態のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図、同図(c)は同図(a)のA−A線断面図である。 図1の前記継手に採用した他方の部材及び第2の継手部の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は側面図、同図(b)は底面図、同図(c)は同図(a)のB−B線断面図、同図(d)は同図(c)のC−C線断面図である。 図1の前記継手に採用した一方の部材及び第1の継手部の構成を概略的に示す図であって、同図(a)は斜視図、同図(b)は平面図である。 図1の前記継手に採用した回動操作用手段の操作レバー部の構成を概略的に示す斜視図である。 図1の前記継手に採用したネジキャップ部を示す図であって、同図(a)は前記キャップ部の構成を概略的に示す開口端側から見た平面図、同図(b)は同図(a)のD−D線断面図である。 図6(a)は前記継手の第2の継手部の第2の流路の構成を概略的に示す説明図、同図(b)は前記継手の第1の継手部の第1の流路の構成を概略的に示す説明図である。 図1の前記継手を適用して構成されるコック付き継手の使用例の一例を概略的に示す説明図である。 図1の前記継手を適用して構成した理化学器具(分液ロート)の構成の一例を概略的に示す説明図である。 本考案の他の実施形態のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図、同図(c)は図9の前記継手に採用した第1の継手部の構成を概略的に示す平面図、同図(d)は前記第1の継手部に設けた第1の流路の構成を概略的に示す説明図である。 本考案のさらに他の実施形態のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図である。 本考案のさらに他の実施形態のコック付き継手を示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の前記継手において、開閉流路を遮断した状態の構成を概略的に示す縦断面図である。
1 第1の継手部
2 一方の部材
3 第2の継手部
4 他方の部材
6 開閉流路
10 凸球面
30 凹球面
60 第1の流路
61 第2の流路

Claims (4)

  1. 2つの部材を接続すると共に接続される一方の部材内と他方の部材内との間を連通・遮断する開閉流路を備えたコック付き継手であって、
    略半球状の凸球面を有し、前記一方の部材の開口端部に設けた第1の継手部と、
    前記凸球面に適合して嵌脱自在に嵌合される略半球状の凹球面を有し、前記他方の部材の開口端部に設けた第2の継手部と、
    前記凹球面を前記凸球面に嵌合した状態で前記第1及び第2の継手部を互に周方向へ回動自在、かつ、前記方向以外の方向への動きを規制して留め着する留め着手段と、
    一端側を前記一方の部材内に連通させると共に他端側を前記凸球面の頂部中心から離れた部位の外側へ開口して前記第1の継手部に設けた第1の流路と、
    一端側を前記他方の部材内に連通させると共に他端側を前記第1の流路の前記凸球面側の開口端部と連通可能になるように形成して前記第2の継手部に設けた第2の流路とを備え、
    前記開閉流路は前記第1及び第2の流路で構成され、
    前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動することにより前記第1の流路と第2の流路を連通させるように構成され、
    前記第1及び第2の流路のうち、少なくとも一方の流路は2個の流路を備えて構成されている、
    ことを特徴とする、コック付き継手。
  2. 前記第1の流路は1個の流路で構成されていると共に前記第2の流路は2個の流路を備えて構成され、前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動した時点で前記第1の流路と前記第2の流路のうちのいずれか一方の流路を選択的に連通させるように構成したことを特徴とする、請求項1に記載のコック付き継手。
  3. 前記第1の流路は2個の流路を備えて構成されていると共に前記第2の流路は1個の流路で構成され、前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動した時点で前記第2の流路と前記第1の流路のうちのいずれか一方の流路を選択的に連通させるように構成したことを特徴とする、請求項1に記載のコック付き継手。
  4. 前記第1及び第2の流路はそれぞれ2個の流路を備えて構成され、前記第1の継手部と第2の継手部を相対的に周方向へ所定の位置に回動した時点で前記第1の流路のうちのいずれか一方の流路と前記第2の流路のうちいずれか一方の流路を連通させると共に前記第1の流路のうちの他方の流路と前記第2の流路のうちの他方の流路を連通させるように構成したことを特徴とする、請求項1に記載のコック付き継手。
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