JP3149854U - ２軸ターレット巻取機における巻取原動装置 - Google Patents

Abstract

【課題】
２軸ターレット巻取機において、巻取軸駆動用モータから巻取軸への伝達にメカロスを発生する伝導部をなくし、低張力で張力変動の少ない張力制御を可能とする。
【解決手段】
ターレット盤１中心に対し、対称的に対向して巻取軸Ａ，Ｂを設けた２軸ターレット巻取機において、各巻取軸駆動用モータＭ₁，Ｍ₂をターレット盤１外の固定フレーム３よりモータブラケット８，８′を介してターレット盤内の左右センター部に位置させて配設し、該各巻取軸駆動用モータＭ₁，Ｍ₂より駆動プーリ７ａ，７ｂ及び７′ａ，７′ｂを介して各巻取軸Ａ，Ｂを駆動せしめる如く構成した。
【選択図】 図１

Description

本考案は２軸ターレット巻取機における巻取原動装置に係り、詳しくはターレット盤内に設けられる巻取軸駆動用巻取モータの設置態様に関するものである。

前工程より流れてくるウエブを連続してロール状に巻取るターレット巻取機は巻取中の巻取軸と、新巻芯側の巻取軸との最低２本の軸を必要とし、巻取中の軸と巻替中の軸を交互に入れ替え、連続して前工程より送られるウエブを一定長さに巻き替えている。このため巻取軸を設けるターレット盤１１には図４に示す如く２軸の巻取軸Ａ，Ｂを設け、夫々巻取用モータＭ₁，Ｍ₂から駆動プーリを介してトルク伝達をはかっている。（例えば特許文献１参照）
この巻取用モータＭ₁，Ｍ₂は旋回するターレット盤１１内に設けるにはモータに直接、モータ用電線ｌ₁及び制御用電線ｌ₂をつなぐことが必要となるが、ターレット盤１１が旋回することから電線がねじれてしまう問題がある。このためターレット盤外の固定フレーム１２に軸受１３を介して支承した旋回軸１４の軸端においてターレットが旋回するセンター部分にスリップリンク１５を設け、モータに動力電源及び制御用信号を送っている。しかし、スリップリング１５は旋回軸１４にスリップしながら動力電源や制御用信号を送ることは微少で変動の少ない信号を送るには難しく、近年の高品質，高機能のウエブを巻き取るには適切でなくなって来ている。

一方、図５に示すようにターレット盤外に巻取用モータＭ₁，Ｍ₂を設け、ターレット盤１１を支持するターレット元軸１６に、巻取動力をターレット元軸取付スプロケット１８及び駆動用スプロケット１９を介して巻取軸Ａ，Ｂに伝達するようにしたものが使用されているが、ターレット元軸１６に上記の如くスプロケット等を設けて強度的に太さが必要とされるターレット元軸に大きな径のベアリング１７を組み込むことが求められ、メカロスが大きくなり、微少な巻取トルクを伝達するには適していない。

特開２００２−６００９９号公報

本考案は上述の如き実状に鑑み、ターレット盤内巻取軸に巻取トルクを伝達するにあたり、モータをターレット盤外の固定フレーム側に設け、モータへの動力線及び信号線をモータに直結し、モータトルクの伝達する原動部に大きなメカロスを発生する伝導部をなくすることを見出すことにより、低張力で張力変動の少ない張力制御を可能ならしめることを目的とするものである。

即ち、上記目的に適合する本考案装置は、２軸ターレット巻取機においてターレット盤に設けられる巻取軸駆動用の巻取モータをターレット盤のセンター位置に設けた構成を基本的特徴とする。これを更に詳述すると、ターレット盤中心に対し、対称的に対向して巻取軸を設けた２軸ターレット巻取機において、各巻取軸駆動用モータをターレット盤外の固定フレームよりモータブラケットを介して夫々ターレット盤内の左右各センター部に位置させて配設し、該各巻取軸駆動用モータより駆動プーリを介して各巻取軸を駆動せしめる如くなした構成にある。

本考案は以上のような各駆動用モータをターレット盤内の左右各センター部に設けたことにより、各巻取軸が旋回してもターレット盤センターからの距離が変わることはなく、従って巻取りモータからの駆動プーリは一定長さで変化することがなく、低張力で張力変動の少ない張力制御が可能となる効果を有している。

本考案に係る原動装置の正面側概要図である。 要部側面図である。 作用説明図である。 従来の巻取駆動装置例を示す正面側概要図である。 従来の他の巻取軸駆動装置例を示す正面側概要図である。

以下、更に添付図面に基づいて本考案原動装置の具体的な態様を説明する。図１は本考案原動装置の１態様を示し、図において、１はターレット盤で左右両盤間に巻取中の巻取軸Ａ及び巻き替える新巻芯側巻取軸Ｂが夫々、端部をチャック部２に保持されて亘設されていて、ターレット旋回用連動軸６両端のターレット旋回ギヤ５により夫々ベアリング４を介して固定フレーム３に対し旋回し得るように装設されている。

Ｍ₁，Ｍ₂は夫々上記巻取軸Ａと巻取軸Ｂを駆動する各モータであり、ターレット盤外の固定フレーム３に対し上端が止着された各モータブラケット８，８′の下部に装着されており、各モータＭ₁，Ｍ₂は夫々、各駆動プーリ７ａ，７ｂ又は７′ａ，７′ｂを介して巻取軸Ａ，Ｂを回動し得るようになっている。

ここで特に本考案においては上記構成において各巻取軸Ａ，Ｂを駆動するモータＭ₁，Ｍ₂がターレット盤外の固定フレーム３に上端が止着された各ブラケット８，８′の下部に装着されて、図１に示す如くターレット盤外でターレット盤１のセンターに位置して配設されている。図２は該ターレット盤センタＰに位置するモータＭ₁，Ｍ₂の位置を示しており、モータブラケット８又は８′に保持されており、ターレット盤１の旋回により、巻取軸Ａ又はＢが図の左位置より右位置に移動してもターレット盤センターＰからの距離は変わることはない。

図３は上記におけるターレット盤旋回時の各動きを示し、例えば巻取軸側プーリ７ｂ，７′ｂが巻取モータ側プーリ７ａ，７′ａと同径である場合、ターレット旋回により巻取軸側プーリ７ｂ，７′ｂがターレット旋回芯で回動するとき、巻取モータ側プーリ７ａ，７′ａを回転させない場合には図中のａ，ｂ，ｃ，ｄの位置のまま巻取軸側プーリ７ｂ，７′ｂは遊星歯車状態となり、巻取軸側プーリ７ｂ，７′ｂは当初のｅ，ｆ，ｇ，ｈの位置を上下を同じ状態のｅ′，ｆ′，ｇ′，ｈ′の位置、更にｅ″，ｆ″，ｇ″，ｈ″の位置でターレットセンター中心に対し回動する。しかし、巻取軸はウエブを巻取るのであり、巻取軸を速度又はトルク制御にしても何ら影響なく巻取ることができる。

逆にターレット旋回中は前工程からのウエブの通過長さが変化するが、この遊星状態を利用すれば従来より短くなり、ウエブの長さの変化が少ない制御が可能となる。

また、巻取軸駆動用の巻取モータがターレット盤センターＰにあることは図３に示す如く、各巻取軸 Ａ，Ｂが旋回してもターレット盤センターからの距離が変わらないため、巻取軸側モータからの駆動プーリは一定長さで変化はしない。

かくしてモーターへの動力線及び信号線をモータに直結し、またモータトルクの伝達する原動部に大きなメカロスを発生することなく、低張力で変動の少ない張力変動が可能となる。

Ａ，Ｂ：巻取軸
Ｍ₁，Ｍ₂：巻取軸用駆動モータ
１：ターレット盤
２：チャック部
３：固定フレーム
７ａ，７′ａ，：モータ側駆動プーリ
７ｂ，７′ｂ：巻取軸側駆動プーリ
８，８′：モータブラケット

Claims (2)

1. ２軸ターレット巻取機において、ターレット盤内に設けられる各巻取軸駆動用モータをターレット盤センター部に位置させて設けたことを特徴とする２軸ターレット巻取機における巻取原動装置。
2. ターレット盤中心に対し対称的に対向して巻取軸を設けた２軸ターレット巻取機において、各巻取軸駆動用モータをターレット盤外の固定フレームよりモータブラケットを介して夫々、ターレット盤内の左右各センター部に位置させて配設し、該各巻取軸駆動用モータより駆動プーリを介して各巻取軸を駆動せしめる如くなしたことを特徴とする２軸ターレット巻取機における巻取原動装置。

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