JP3149298B2 - 卵製品の黒緑変防止方法 - Google Patents
卵製品の黒緑変防止方法Info
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- JP3149298B2 JP3149298B2 JP23564893A JP23564893A JP3149298B2 JP 3149298 B2 JP3149298 B2 JP 3149298B2 JP 23564893 A JP23564893 A JP 23564893A JP 23564893 A JP23564893 A JP 23564893A JP 3149298 B2 JP3149298 B2 JP 3149298B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品に係わるものであっ
て、乳清ミネラルを卵製品に添加することを特徴とする
卵製品の黒緑変防止方法に関する。この発明において卵
製品とは卵液を原料とし、加熱処理されて製品となるも
のをいい、例えば、だし巻き卵、炒り卵、錦糸卵、オム
レツの皮、その他の焼き卵類、茶碗蒸し、卵豆腐やクレ
ープの皮、スポンジケーキ、カステラ、シュー皮、ホッ
トケーキ、その他の菓子類、カスタードプリン、ババロ
ア、その他のデザート類をいう。
て、乳清ミネラルを卵製品に添加することを特徴とする
卵製品の黒緑変防止方法に関する。この発明において卵
製品とは卵液を原料とし、加熱処理されて製品となるも
のをいい、例えば、だし巻き卵、炒り卵、錦糸卵、オム
レツの皮、その他の焼き卵類、茶碗蒸し、卵豆腐やクレ
ープの皮、スポンジケーキ、カステラ、シュー皮、ホッ
トケーキ、その他の菓子類、カスタードプリン、ババロ
ア、その他のデザート類をいう。
【0002】
【従来の技術】希釈液卵を原料として製品を製造する際
に、加熱すると凝固物が黒緑変することが知られてい
る。特に、製品の滅菌効果や保存効果を上げるために加
熱温度を高くすると黒緑変が大きくなって商品価値を低
下させる。そのために、例えば、卵豆腐を製造する場合
にピロリン酸カリウムやポリリン酸ナトリウム等の無機
リン酸塩を添加し、黒緑変を防止する方法が知られてい
る。その他に、フィチン酸又はその塩類やクエン酸また
はその塩類を添加する方法が提案されている(特開平3
−94635)が、出来上がりの製品の風味、黒緑変化
の防止効果において充分満足されていない。
に、加熱すると凝固物が黒緑変することが知られてい
る。特に、製品の滅菌効果や保存効果を上げるために加
熱温度を高くすると黒緑変が大きくなって商品価値を低
下させる。そのために、例えば、卵豆腐を製造する場合
にピロリン酸カリウムやポリリン酸ナトリウム等の無機
リン酸塩を添加し、黒緑変を防止する方法が知られてい
る。その他に、フィチン酸又はその塩類やクエン酸また
はその塩類を添加する方法が提案されている(特開平3
−94635)が、出来上がりの製品の風味、黒緑変化
の防止効果において充分満足されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、無機リン酸
塩類や、フィチン酸、クエン酸またはそれらの塩類を使
用せずに、風味が良い卵製品の黒緑変を防止する方法が
強く望まれている。この発明はこの要望に応えるもので
あって、以下にその詳細を説明する。
塩類や、フィチン酸、クエン酸またはそれらの塩類を使
用せずに、風味が良い卵製品の黒緑変を防止する方法が
強く望まれている。この発明はこの要望に応えるもので
あって、以下にその詳細を説明する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述の課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、風味が良く、黒緑変
を防止した卵製品を得ることに成功し、本発明に至っ
た。すなわち本発明は卵製品製造時に乳清ミネラルを添
加することで実現した、風味の良い卵製品の黒緑変を防
止する方法である。本発明で用いる乳清ミネラルとは、
牛乳を初めとする哺乳動物から得られる乳清より限外ろ
過、その他のろ過で乳清蛋白質を可及的に除去後濃縮
し、乳糖を晶析分離して得られた濃縮物、またはこれら
の乾燥固形物(例えば、全固形分96〜98%(重量、
以下同じ)、乳糖38〜60%、非蛋白態窒素1〜3
%、灰分20〜35%、灰分の内カリウム5〜10%、
カルシウム2.5〜5%、ナトリウム2.5〜5%、マ
グネシウム0.25〜0.5%。なお、この組成例は、
乳清ミネラルを限定するものではない)や牛乳ホエーよ
りカルシウムを主体とするミネラルを分離したものを広
く用いることができ、例えば以下のように製造したもの
を用いることができる(特開昭60−248152)。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、風味が良く、黒緑変
を防止した卵製品を得ることに成功し、本発明に至っ
た。すなわち本発明は卵製品製造時に乳清ミネラルを添
加することで実現した、風味の良い卵製品の黒緑変を防
止する方法である。本発明で用いる乳清ミネラルとは、
牛乳を初めとする哺乳動物から得られる乳清より限外ろ
過、その他のろ過で乳清蛋白質を可及的に除去後濃縮
し、乳糖を晶析分離して得られた濃縮物、またはこれら
の乾燥固形物(例えば、全固形分96〜98%(重量、
以下同じ)、乳糖38〜60%、非蛋白態窒素1〜3
%、灰分20〜35%、灰分の内カリウム5〜10%、
カルシウム2.5〜5%、ナトリウム2.5〜5%、マ
グネシウム0.25〜0.5%。なお、この組成例は、
乳清ミネラルを限定するものではない)や牛乳ホエーよ
りカルシウムを主体とするミネラルを分離したものを広
く用いることができ、例えば以下のように製造したもの
を用いることができる(特開昭60−248152)。
【0005】チーズホエーをそのままもしくは適当濃度
に濃縮して、限外ろ過膜、電気透析膜などを用いて膜ろ
過にかける。ここにおけるチーズホエーは予め乳酸発酵
させたり、塩酸等を添加してpHを5.0以下、好まし
くはpH4.0以下に調整しておく。このような酸性ホ
エーでなく、pH5.0を越える甘性ホエーを原料とす
る場合、特に電気透析膜処理の場合には、処理後の膜透
過液に塩酸等の酸を添加してpH5.0以下好ましくは
pH4.0以下に調整する必要がある。このようにして
得られた透過液にカセイソーダ等のアルカリ液を加えて
pHを6.0〜9.0好ましくはpH7.0に中和する
ことにより生成した沈澱濃縮物をそのまま又は適宜加水
して噴霧乾燥、凍結乾燥などによって乾燥し、乳清ミネ
ラルとしてこれを得る。また、乳清ミネラルとしては、
市販品(例えば、商品名カポラック;デンマークプロテ
イン社製)も自由に使用することができる。
に濃縮して、限外ろ過膜、電気透析膜などを用いて膜ろ
過にかける。ここにおけるチーズホエーは予め乳酸発酵
させたり、塩酸等を添加してpHを5.0以下、好まし
くはpH4.0以下に調整しておく。このような酸性ホ
エーでなく、pH5.0を越える甘性ホエーを原料とす
る場合、特に電気透析膜処理の場合には、処理後の膜透
過液に塩酸等の酸を添加してpH5.0以下好ましくは
pH4.0以下に調整する必要がある。このようにして
得られた透過液にカセイソーダ等のアルカリ液を加えて
pHを6.0〜9.0好ましくはpH7.0に中和する
ことにより生成した沈澱濃縮物をそのまま又は適宜加水
して噴霧乾燥、凍結乾燥などによって乾燥し、乳清ミネ
ラルとしてこれを得る。また、乳清ミネラルとしては、
市販品(例えば、商品名カポラック;デンマークプロテ
イン社製)も自由に使用することができる。
【0006】この乳清ミネラルの使用量は、その卵製品
の特性により左右されるので一義的に特定することはで
きないが、通常は使用する卵の量に対して0.05%か
ら50%の範囲でよく、好ましくは、0.3〜10%の
範囲である。使用量が0.1%未満の場合は、黒緑変防
止効果がほとんどない。50%を越えて多い場合は、乳
清ミネラルに起因する異味が感じられ、製品である食品
の味を劣化させるようになる。上記のように、乳清ミネ
ラルを卵製品製造時に均一添加することにより風味が良
く、加熱工程での黒緑変を防止することができる。ここ
に、この発明の目的を達しおえる。以下に実施例をもっ
て詳しく説明する。
の特性により左右されるので一義的に特定することはで
きないが、通常は使用する卵の量に対して0.05%か
ら50%の範囲でよく、好ましくは、0.3〜10%の
範囲である。使用量が0.1%未満の場合は、黒緑変防
止効果がほとんどない。50%を越えて多い場合は、乳
清ミネラルに起因する異味が感じられ、製品である食品
の味を劣化させるようになる。上記のように、乳清ミネ
ラルを卵製品製造時に均一添加することにより風味が良
く、加熱工程での黒緑変を防止することができる。ここ
に、この発明の目的を達しおえる。以下に実施例をもっ
て詳しく説明する。
【0007】
実施例1 鶏卵含有率30%の卵豆腐1000gを製造の際に、鶏
卵に対して乳清ミネラル(灰分含量30%)0.9gを
均一添加し、常法により卵豆腐を製造したところ、黒緑
変が防止され、黄色を呈した風味の良い卵豆腐が得られ
た。なお、乳清ミネラルを添加しない場合は、黒緑変
し、商品価値が著しく低下した卵豆腐になった。
卵に対して乳清ミネラル(灰分含量30%)0.9gを
均一添加し、常法により卵豆腐を製造したところ、黒緑
変が防止され、黄色を呈した風味の良い卵豆腐が得られ
た。なお、乳清ミネラルを添加しない場合は、黒緑変
し、商品価値が著しく低下した卵豆腐になった。
【0008】実施例2 鶏卵含有率75%のだ出し巻き卵200gを製造の際
に、鶏卵に対して市販品乳清ミネラル(商品名カポラッ
ク;デンマークプロテイン社製、灰分含量50%、内カ
ルシウム含量18%)1.5gを均一添加し、常法によ
りだし巻き卵を製造したところ、黒緑変が防止され、黄
色を呈した風味の良いだし巻き卵が得られた。なお、、
乳清ミネラルを添加しない場合は、黒緑変を生じ、商品
価値が低下しただし巻き卵になった。
に、鶏卵に対して市販品乳清ミネラル(商品名カポラッ
ク;デンマークプロテイン社製、灰分含量50%、内カ
ルシウム含量18%)1.5gを均一添加し、常法によ
りだし巻き卵を製造したところ、黒緑変が防止され、黄
色を呈した風味の良いだし巻き卵が得られた。なお、、
乳清ミネラルを添加しない場合は、黒緑変を生じ、商品
価値が低下しただし巻き卵になった。
【0009】実施例3 鶏卵含有率40%のカステラ200gを製造の際に、鶏
卵に対してカルシウム主体の乳清ミネラル(灰分含量3
0%、カルシウム含量10%)4gを均一添加し、常法
によりカステラを製造したところ、黒緑変が防止され、
黄色を呈した風味の良いカステラが得られた。なお、乳
清ミネラルを添加しない場合は、黒緑色を帯びた淡黄色
のカステラとなった。
卵に対してカルシウム主体の乳清ミネラル(灰分含量3
0%、カルシウム含量10%)4gを均一添加し、常法
によりカステラを製造したところ、黒緑変が防止され、
黄色を呈した風味の良いカステラが得られた。なお、乳
清ミネラルを添加しない場合は、黒緑色を帯びた淡黄色
のカステラとなった。
【0010】実施例4 鶏卵含有率25%のカスタードプリン100gを製造の
際に、鶏卵に対して乳清ミネラル(灰分含量20%)
2.5gを均一添加し、常法によりカスタードプリンを
製造したところ、黒緑変が防止され、黄色を呈した風味
の良いカスタードプリンが得られた。なお、乳清ミネラ
ルを添加しない場合は、黒緑色を帯びた淡い黄色のカス
タードプリンなった。
際に、鶏卵に対して乳清ミネラル(灰分含量20%)
2.5gを均一添加し、常法によりカスタードプリンを
製造したところ、黒緑変が防止され、黄色を呈した風味
の良いカスタードプリンが得られた。なお、乳清ミネラ
ルを添加しない場合は、黒緑色を帯びた淡い黄色のカス
タードプリンなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/32 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】 乳清ミネラルを添加することを特徴とす
る、卵製品の黒緑変防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23564893A JP3149298B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | 卵製品の黒緑変防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23564893A JP3149298B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | 卵製品の黒緑変防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0767581A JPH0767581A (ja) | 1995-03-14 |
JP3149298B2 true JP3149298B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=16989134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23564893A Expired - Fee Related JP3149298B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | 卵製品の黒緑変防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3149298B2 (ja) |
-
1993
- 1993-08-27 JP JP23564893A patent/JP3149298B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0767581A (ja) | 1995-03-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20001212 |
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R250 | Receipt of annual fees |
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