JPH0686640A - 食品素材の製法 - Google Patents

食品素材の製法

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JPH0686640A
JPH0686640A JP5152098A JP15209893A JPH0686640A JP H0686640 A JPH0686640 A JP H0686640A JP 5152098 A JP5152098 A JP 5152098A JP 15209893 A JP15209893 A JP 15209893A JP H0686640 A JPH0686640 A JP H0686640A
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soybean protein
soybean
protein
low
solubility
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JP5152098A
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Chie Kitazawa
千恵 北沢
Minoru Nishida
稔 西田
Muneo Sakai
宗雄 堺
Masaaki Sato
雅章 佐藤
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大豆が本来含む灰分を簡便に低減化でき、かつ
製造工程中に灰分が増加しないような、風味、色調の優
れた大豆たん白からなる食品素材を製造する。 【構成】アルコール洗浄濃縮大豆たん白、高変性脱脂大
豆等の低溶解性大豆たん白の水性懸濁液を必要に応じて
pH4.0〜6.0に調整したのち、フィチン酸分解活
性を有する酵素を作用させ、水洗浄および乾燥処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大豆臭、もしくは製造工
程中に発生する異臭が極めて少ない、風味、色調が優
れ、かつ低灰分の食品素材の製法に係わり、本食品素材
は従来の大豆たん白の利用用途はもとより、カリウムや
リン成分の摂取が制限される腎臓疾患用等の食品類の蛋
白質源として利用できる。
【0002】
【従来の技術】大豆たん白は種々の優れた特性を有する
植物性たん白でありながら、独特の風味、色調を有する
ため、食品への利用が制限されている。また、大豆はカ
リウム、リン等の灰分を多く含み、これらの成分は腎臓
疾患を有する患者では摂食が制限されるため、大豆およ
び大豆たん白の利用を妨げる結果となっている。
【0003】一般に、大豆は他の天然食品原料と同様
に、種々の有臭成分や色素類を含有する。脱脂大豆から
水抽出によって製造される抽出大豆たん白や分離大豆た
ん白のように、高い窒素溶解指数(NSI)を示す大豆
たん白は、水洗処理等を数回繰り返しても、依然として
大豆臭や色調の原因物質は完全に除去されず、大豆たん
白を利用するうえで課題となっている。大豆たん白の風
味、色調を改善する技術として、脱脂大豆を含水アルコ
ールを用いて洗浄処理することにより、有臭成分、色素
成分を洗浄除去する方法が知られている。これは有効な
手段のひとつではあるが、原料大豆に由来する大豆臭や
脱脂大豆を製造する過程で発生した大豆臭の原因物質が
含水アルコール洗浄でも完全には除去されず、依然とし
てさらに風味、色調に優れた大豆たん白が要望されてい
る。
【0004】一方、大豆中には約0.8〜1.0%のリ
ンが含まれており、そのうちおよそ75%がフィチン態
リンとして存在しているといわれる。フィチン酸すなわ
ちミオ−イノシトールヘキサリン酸エステルは、細胞外
支持物質中に、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の
ような栄養上重要なミネラル成分とキレート結合して難
溶性の化合物を形成するので、生体中でこの種の微量金
属の吸収を阻害する。さらに、フィチン酸はカルシウム
等の金属イオンを活性化因子とするα−アミラーゼやト
リプシン、ペプシン等の消化酵素に対しても阻害作用を
有することが知られている。また、カリウムイオンは他
の陰イオンとの共存により、えぐ味を呈する原因ともな
っている。
【0005】大豆中のかかるフィチン酸やカリウム、リ
ン等のいわば灰分は、過多量になれば食品素材としての
品質に好ましくない影響を及ぼすが、これらの成分は大
豆たん白の製造においても残存することがある。例え
ば、前述の抽出大豆たん白や分離大豆たん白には、本来
大豆中に存在する灰分をそのままの状態で含んでいる
か、あるいは除去されても製造工程中で中和等に使用さ
れる酸や塩基のため、新たに大豆由来の本質的な灰分で
ない無機物が生成された状態で存在する。また、前述の
アルコール洗浄タイプの濃縮大豆たん白にも、本来大豆
が含有するカリウム、リン等の灰分は殆ど除去されずに
残存し、通常5〜7%程度の灰分を含有している。
【0006】大豆たん白中の灰分の低減化もしくは除去
方法には、(1) 限外濾過(UF)あるいは逆浸透圧(R
O)法、(2) イオン交換樹脂法、(3) 電気透析法、(4)
化学的方法がある。UF,RO法は、操作中、膜表面に
蛋白質が付着し濾過速度が低下するため、定期的な洗浄
を繰り返し行なわなければならない等の欠点を有する。
また、イオン交換樹脂を用いて灰分を低減することも可
能であるが、大豆蛋白質は中性付近では負の電荷を有
し、蛋白質の吸着が著しいため、短期間のうちに洗浄、
再生操作を実施せねばならず、さらに蛋白質の回収率も
少なく、懸濁液のような微粒子を含む原料は処理出来な
い。電気透析法は従来からチーズホエーの脱塩方法とし
て知られているが、大豆は有機酸(フィチン酸)、水溶
性多糖類等のfouling 物質を含有し、これらが透析効率
を阻害することが知られている。化学的処理法では大豆
蛋白質を強酸あるいは強塩基で処理することにより抽出
除去できるが、製造操作が煩雑なうえ大量の廃液処理が
必要となる。また、蛋白質の変性やその消化性に好まし
くない影響をまねく。したがって、これらいずれかの方
法あるいは組合わせによっても、大豆たん白を処理し灰
分を低減化することは、実製造において操作性、設備等
の点で問題を生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、大豆た
ん白の食品への応用に際し、その中の風味、色調、灰分
が大豆たん白の種々の利用の妨げになっていること、さ
らに腎臓疾患を有する患者の重要な蛋白質源として、フ
ィチン酸、リン、カリウム等の灰分を低減化した大豆た
ん白が期待できることに着目し、風味、色調に優れ、か
つ低灰分の大豆たん白の製造について鋭意検討した。す
なわち、本発明の課題は、大豆が本来含む灰分を簡便に
低減化し、かつ製造工程中に灰分が増加しないような、
風味、色調の優れた大豆たん白を製造する方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題について種々検討した結果、本発明を完成するに到っ
た。すなわち本発明は、低溶解性大豆たん白の水性懸濁
液にフィチン酸分解活性を有する酵素を作用させた後、
水を用いて洗浄する第1工程、要すれば該工程で得られ
る処理物をさらに乾燥する第2工程からなる処理を施す
ことを特徴とする低灰分、かつ風味、色調に優れた食品
素材の製法にある。
【0009】本発明において、原料として低溶解性大豆
たん白を使用する主目的は、蛋白質と、灰分および水可
溶性の風味、色調の劣化原因成分との分離を容易に行う
ことにある。リン、カリウム等の灰分は、酵素分解を行
った後、例えば遠心分離により容易に蛋白質と分離でき
るため、操作が簡便であり洗浄中の蛋白質の収量ロスを
最小限に抑えることができ、製品の歩留まり向上につな
がる。
【0010】また、本発明でいう低溶解性とはNSIで
表現すれば30以下のものをいうが、好ましくは15以
下の大豆たん白を使用することが望ましい。また、一般
的には低溶解性大豆たん白とは熱変性と化学変性処理に
より得られるが、本発明では高変性脱脂大豆や有臭成
分、色素成分が予めある程度除去された含水アルコール
洗浄タイプの濃縮大豆たん白等の粉状もしくは粒状物を
用いることが好ましい。なお本発明の低溶解性大豆たん
白には、アルコール洗浄処理した濃縮大豆たん白および
脱脂大豆のうち少なくとも一方を主原料として得られる
粒状大豆たん白を含めることができる。
【0011】また、水で洗浄する際の加温は色素成分、
有臭成分の除去効率にある程度影響するが、灰分の低減
率には特に影響しない。一般に10〜50℃で処理すれ
ばよい。なお、かかる洗浄に際し、洗浄中のpHを少な
くとも1回は弱酸性、好ましくは6.0〜6.5に調整
して洗浄した後、水で洗浄を繰り返すと、得られる大豆
たん白製品の風味、色調、そして灰分の低減率はいっそ
う優れたものとなる。これは、蛋白質を前記弱酸性下に
さらすことにより、蛋白質の負の電荷が弱まり、強固に
結合していた有臭、色素成分およびカリウムに代表され
るカチオンが遊離することによるものと考える。さら
に、酵素処理によって遊離したリン酸基の除去効率を高
めるためにpHを中性付近に調整する。したがって酵素
処理後の水洗工程においてはpHを6.5〜8.0とす
ることが好ましい。
【0012】本発明に使用する酵素は、小麦や馬鈴薯等
の植物に由来する酵素あるいは腸管等の動物臓器に由来
する酵素、細菌、酵母、かび、放線菌等の微生物起源の
酵素で、フィチン酸分解活性を有するフィターゼやホス
ファターゼ等の酵素を用いることができる。酵素処理に
よるフィチン酸の分解反応は非常に温和な条件下で実施
できるため蛋白質への影響は極めて少ない。本発明の酵
素反応は、30〜60℃で0.5〜30時間行えばよ
い。
【0013】前述のとおり、大豆中のリンのおよそ75
%はフィチン酸として存在しており、フィチン酸はカル
シウム等の金属塩を介してたん白質と強固に結合してい
るため、前述の(1) 〜(4) の方法をもってしてもこれら
を除去することは困難であり、結果的に大豆たん白中の
リン含量を低減することは困難となっていた。本発明は
このフィチン酸のリン酸基を酵素によって分解すること
によって、水に可溶化させ、その後の水洗浄処理によっ
て効率的にリンを除去することができる。
【0014】また、前述のpH調整の目的は蛋白質と結
合しているカリウム等のカチオンを遊離することにある
が、本発明に使用している酵素の至適pHは5.5もし
くはその近傍にあるため、pH調整は酵素反応を効率的
に行わしめリンの最適除去を行うためにも必要である。
pHを調整するための酸およびアルカリは食品添加物で
あればいずれも使用できるが、本発明はこれに限定され
るものではない。また多量の水によってもpH調整が可
能である。酵素処理にあたりpHを調整する際、酸性度
を高くするに伴い、処理物中の灰分量は減少するが、
4.0未満のpHに調整した場合には、酵素量および酸
の添加量にみあう効果は期待できず、かえって製品の風
味の劣化、洗浄回数の増加といったデメリットを生じ
る。ゆえに、酵素処理にあたってはpH4.0〜6.
0、また水洗処理においてはpH6.0〜8.0に調整
することが好ましい。
【0015】洗浄回数は、pH調整の有無、あるいはp
H調整に使用した酸の種類に左右される。洗浄の際の固
液分離は、公知の遠心分離機等を使用して実施すれば良
い。乾燥法は従来からよく知られている凍結乾燥、噴霧
乾燥、通風乾燥等が目的にかなうものである。
【0016】なお、本発明では洗浄時の水中のpHを必
要ならば6.0〜6.5に調整するが、本法は一般的に
よく知られている分離大豆たん白を製造する際に酸を添
加する工程とは、その目的、方法において全く異質のも
のである。すなわち、分離大豆たん白の製造の際に酸を
添加する目的は、もともと溶解性の高いたん白原料溶解
液から糖質のような(通常大豆ホエーと呼ばれる)酸可
溶性成分と蛋白質の分離を行うために、大豆たん白溶液
のpHを大豆蛋白質の等電点付近(pH4.4〜4.
6)に調整し酸沈澱させ、蛋白質を高収率で回収するこ
とを目的としている。
【0017】これに対し本発明では、低溶解性の大豆た
ん白を原料としており、たん白の不溶化を目的としてい
るのではなく、蛋白質と結合している有臭、色素成分お
よびカリウム等のカチオンを遊離させることを目的とし
ている。さらに、大豆蛋白質の11s画分を粗分画する
際に、大豆たん白溶液のpHを6.4付近に調整するこ
とが従来知られているが、これも、本質的に水溶性の蛋
白質の溶解性を変えることを目的としており、本発明と
は目的、方法において異質のものである。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 アルコール洗浄の濃縮大豆たん白(日清製油(株)製、
ソルピー600(NSI=8)、以下同じ)に対し、9
倍重量の水(55℃)を加えホモミキサーを用いて10
分間攪拌した後、塩酸を添加してpH5.5に調整し
た。このたん白懸濁液にフィチン酸分解活性を有する酵
素;フィナーゼ−S2X(ALKO社製)を濃縮大豆た
ん白に対して1〜5重量%添加し、55℃の恒温下で2
時間反応させた後、酵素を加熱失活させ、遠心分離によ
り固液分離を行った。沈澱部分を水(pH7.0)で1
回洗浄し、得られた沈澱部分を凍結乾燥により粉体とし
た。この粉体物の分析値を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果から明らかなように、フィチン
酸分解活性を有する酵素処理および水洗浄処理により大
豆たん白中の灰分、リン、カリウム含量の低減効果が認
められた。
【0021】実施例2 実施例1で用いたアルコール洗浄の濃縮大豆たん白に対
し、9倍重量の水を加えホモミキサーを用いて10分間
攪拌した後、塩酸を用いてpH4.0〜6.5の一定値
に調整した。このたん白懸濁液にフィナーゼ−S2Xを
濃縮大豆たん白に対して2重量%添加し、55℃の恒温
下で2時間反応させ、酵素を加熱失活させた後、遠心分
離により固液分離を行った。沈澱部分を水で1回洗浄
し、得られた沈澱部分を凍結乾燥により粉体とした。こ
の粉体物の分析値を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2の結果から、弱酸性下での酵素処理は
pH無調整の場合と比較して、灰分含量低減、リン、カ
リウム含量低減効果において、卓越したものであった。
また、本発明の処理物の色調および風味の違いを確認す
るため、原料であるアルコール洗浄の濃縮大豆たん白と
上記実施例2で得られた粉体について色調および風味に
ついて評価した。風味の評価法は12名の熟練したパネ
ラーによる官能評価試験(3点評価法)を行った。その
結果を表3、表4に示す。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】表3、表4の結果から、酵素および洗浄処
理により、色調、風味も明らかに改善されていることが
確認された。実施例3 実施例1で用いたアルコール洗浄の濃縮大豆たん白に対
し、9倍重量の水を加えホモミキサーを用いて10分間
攪拌した後、塩酸を用いてpH5.0に調整した。この
たん白懸濁液にフィナーゼ−S2Xを濃縮大豆たん白に
対して2重量%添加し、55℃の恒温下で2時間反応さ
せ、酵素を加熱失活させた。該反応液のpHは4.8で
あった。その後、遠心分離により固液分離を行った。沈
澱部分を水酸化ナトリウムを用いてpH5.5〜8.5
に調整した水溶液で1回洗浄し、得られた沈澱部分を水
で1回洗浄した後、その沈澱部分を凍結乾燥により粉体
とした。この粉体物の分析値を表5に示す。
【0027】
【表5】
【0028】表5の結果から、酵素後の洗浄処理におい
て、pHを中性付近に調整することにより試料中のリン
含量が優位に低下することが確認された。 実施例4 低溶解性である高変性脱脂大豆(日清製油(株)製、ソ
ーヤフラワーFT(NSI=25)、以下同じ)を原料
として、実施例1と同一操作により粉体物を調製した。
このときの酵素添加量は2重量%とした。分析結果を表
6に示す。
【0029】
【表6】
【0030】表6の結果から、原料に高変性脱脂大豆を
用いた場合においても、アルコール洗浄の濃縮大豆たん
白と同様に、灰分含量およびリン、カリウム含量低減効
果が確認された。上記実施例4で得られた粉体物の色調
における評価結果を表7に示す。
【0031】
【表7】
【0032】表7の結果から、上記の処理を施すことに
より高変性脱脂大豆の色調が改善されていることが確認
された。また、風味においても改善されていることが熟
練したパネラー(実施例2と同様)の評価で明らかとな
った。
【0033】実施例5 低溶解性である市販の粒状大豆たん白(プロコン200
N:濃縮大豆たん白と脱脂大豆との混合物の粒状品、プ
ロコン210:濃縮大豆たん白の粒状品、ソイミーS−
20F:脱脂大豆の粒状品、いずれも日清製油(株)
製)を原料として、9倍重量の水を加え10分間攪拌
(100rpm)した後、塩酸を用いてpH5.5に調
整した。ここにフィナーゼ−S2Xを粒状大豆たん白に
対して2重量%添加し、55℃の恒温下で2時間反応さ
せ、酵素を加熱失活させた後、脱水器を用いて固液分離
を行った。粒状部分を、水酸化ナトリウムを用いてpH
6.8に調整した水溶液で1回洗浄し、さらに得られた
粒状部分を水で1回洗浄した後、60℃に加熱した熱風
を通気して乾燥した。この粒状物の分析値を表8に示
す。
【0034】
【表8】
【0035】表8の結果から、原料に低溶解性粒状大豆
たん白を用いた場合においてもアルコール洗浄の濃縮大
豆たん白と同様に、灰分、リン、カリウム低減効果が認
められた。またこれら処理物の風味および食感におい
て、大豆臭が改善され、また十分にかたい食感を有して
いることが熟練したパネラー(実施例2と同様)の評価
で明らかとなった。
【0036】以下、本発明の製法により得られた食品素
材(大豆たん白)を用いて加工食品を製造した応用例を
記す。 応用例1 実施例5で得た粒状大豆たん白プロコン200Nの処理
物を水分75%に調整した。該粒状処理物360gに対
して牛肉280g、豚脂160g、玉葱70g、澱粉5
0g、その他調味料30gおよび食塩少量を加えよく混
合した。得られた組成物60gを小判型に成型し、14
0℃の鉄板上で片面3分ずつ合計6分間焼成してハンバ
ーグ様食品を作製した。また対照として、粒状処理物3
60gおよび牛肉280gを牛肉640gにおきかえ、
他の材料を同一にして、同じ処理をしてハンバーグを作
製した。焼き上がったハンバーグ様食品は、極めて風味
が良く、適度な弾力感があった。また、このハンバーグ
様食品は、レトルト処理を施しても風味、食感を損なう
ことがなかった。なおこのハンバーグ様食品のリンおよ
びカリウム含量は、蛋白質1g当たりそれぞれ5.0m
gおよび7.5mgであった。ちなみに対照のハンバー
グのリンおよびカリウム含量は、蛋白質1g当たり9.
0mgおよび17.4mgであり、その風味、食感は前
記ハンバーグ様食品と同程度であった。
【0037】応用例2 すけそうだら無リン冷凍すり身800gを半解凍後、サ
イレントカッターで細断し、これに実施例2で得た粉体
物50gと水150gとを加え、均一になるまで混練し
た。その後、食塩25gを加え十分に塩ずりを行い、澱
粉100g、調味料50gおよび水200gを添加して
混合し蒲鉾の生地を得た。これらの全工程は品温が10
℃を越えないようにした。該生地の50gを小判型に成
形し、140℃で3分、180℃で1分揚げて、揚げか
まを作製した。この揚げかまは、蛋白質1g当たりのリ
ン含量が3.4mg、カリウム含量が20mgであり、
風味および食感ともに市販品に比べ遜色のないものであ
った。なお上記粉体物をソルピー600におきかえ、無
リンすり身を通常流通しているすり身の同量に置き換
え、他を同一配合とし、同じ操作で作製したものは、リ
ンおよびカリウム含量が蛋白質1g当たりそれぞれ7.
6mgおよび32mgであった。
【0038】応用例3 実施例5で得た粒状大豆たん白ソイミーS−20Fの処
理物を水分70%に調整した。該粒状処理物3.0kg
に対して醤油0.8kg、大豆油0.8kg、砂糖0.
4kg、みりん0.4kg、適量の調味料および生姜を
加え、15分間煮込みそぼろ様食品を作製した。このも
ののリンおよびカリウム含量は、蛋白質1g当たりそれ
ぞれ2.6mgおよび5.6mgであり、風味および食
感ともに市販品と同程度であった。ちなみに市販の牛肉
そぼろのリンおよびカリウム含量は、蛋白質1g当たり
それぞれ11mgおよび21mgであった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、大豆たん白中の蛋白質
を本質的に改変させない条件下で、灰分およびリン、カ
リウム含量を簡便な操作で低減化し、かつ風味、色調を
改善することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低溶解性大豆たん白の水性懸濁液にフィ
    チン酸分解活性を有する酵素を作用させた後、水を用い
    て洗浄する第1工程、要すれば該第1工程で得られる処
    理物をさらに乾燥する第2工程を包含する処理を施すこ
    とを特徴とする低灰分かつ風味、色調に優れた食品素材
    の製法。
  2. 【請求項2】 低溶解性大豆たん白が、30以下の窒素
    溶解指数を有するものである請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 低溶解性大豆たん白が、アルコール洗浄
    処理した濃縮大豆たん白である請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】 低溶解性大豆たん白が、アルコール洗浄
    処理した濃縮大豆たん白および脱脂大豆のうち、少なく
    とも一方を主原料とする粒状大豆たん白である請求項1
    記載の製法。
  5. 【請求項5】 低溶解性大豆たん白の水性懸濁液をpH
    4.0〜6.0に調整する請求項1記載の製法。
  6. 【請求項6】 第1工程において、酵素を作用させた
    後、酸性下で固液分離し、水を用いて洗浄する際のpH
    を6.0〜8.0に調整する請求項1記載の製法。
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