JP3149088U - サージ吸収器 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなサージ吸収素子としては、放電間隙における放電現象を利用するガスアレスタや、電圧非直線特性を備えた高抵抗体素子であるバリスタが用いられている。
しかしながら、特許文献1に図示されている切り離し導体は、帯板状の導電性金属を単に折り曲げて構成しているものであり、そのばね力は大きいとはいえず、長期間経過して弾性変形を生じ難くなる「へたり」が発生すると、低溶融金属合金が溶融しても、切り離し導体を酸化亜鉛形バリスタの電極から切り離しできないおそれがある。
サージ吸収素子と、該サージ吸収素子に接続される導電性のバネ部材を備えたサージ吸収器であって、
上記バネ部材は、支持部材に固定される基端部と、上記サージ吸収素子の電極にハンダを介して接続される接続部と、上記基端部と接続部との間に形成された板状部を有しており、
上記バネ部材の板状部を捻り変形及び曲げ変形させ、元の形状へ戻ろうとする弾性力により、バネ部材の接続部が、サージ吸収素子の電極から分離する方向への付勢力を有することを特徴とする。
上記サージ吸収素子としては、例えば、バリスタ又はガスアレスタが該当する。
このため、長期間にわたって、故障時に継続的な過電流がバリスタに流れた場合におけるバリスタへの給電を遮断することができ、発火・焼損を防止できる。
本考案のサージ吸収器10は、第1のサージ吸収素子としてのガスアレスタ12と、第2のサージ吸収素子としての2個のバリスタ14と、2個のバネ部材16と、樹脂等より成る支持部材としての絶縁基板18を備えている。
また、両端に配置された一対の端面電極20,20は、気密外囲器28の中心に向けて突出して気密外囲器28内に配置される放電電極部32を備えており、端面電極20,20の放電電極部32,32間には放電間隙34が形成されている。
尚、上記中間電極22には、端子ピン35が接続されている。
上記気密外囲器28内には、所定の放電ガスが封入されている。この放電ガスとしては、例えば、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン等の希ガスあるいは窒素ガス等の不活性ガスの単体又は混合ガスが該当する。
すなわち、上記バリスタ14は、図7に示すように、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、これに微量のBi2O3等の金属酸化物を添加して構成した円板状の電圧非直線抵抗体38の両面に、Ag等より成る円形状の電極層40を形成して成り、さらに、円形状の上記電極層40の周縁部40aを被覆する樹脂等より成る絶縁層42を形成している。
而して、上記バリスタ14に定格を越えるサージが印加されると、抵抗が急激に減少することにより上記電圧非直線抵抗体38が瞬時に導通してサージの吸収を行うのである。
すなわち、バリスタ14によるサージ吸収時には、電極層40,40間の電圧非直線抵抗体38表面に沿面放電が発生し、該沿面放電によって電圧非直線抵抗体38の表面が高温となって金属化する、いわゆる還元現象が生ずるおそれがあった。そして、電圧非直線抵抗体38の表面が金属化することで、電圧非直線係数及び制限電圧が変動してサージ吸収特性が不安定となり、ついには電極層40,40間が短絡するという危険性がある。
本考案の上記バリスタ14にあっては、電圧非直線抵抗体38の両面に形成した電極層40の周縁部40aを絶縁層42で被覆することにより、電極層40,40間の沿面距離が延びるため、電極層40,40間における沿面放電の発生を防止できるのである。
また、上記基端部16aと接続部16bとの間に、略S字状の板状部16dが設けられている。さらに、板状部16dと基端部16aとの間に略波状の湾曲部16eが形成されている。また、上記接続部16bと天板部16cとの間には、直線部16gが介在しており、天板部16cは直線部16gと直交して設けられている。
先ず、ガスアレスタ12の各端面電極20,20に、それぞれ、上記バリスタ14の内面側の電極層40を接合材36を介して接続することにより、ガスアレスタ12と2個のバリスタ14とを一体化する。
この結果、図11乃至図13に示すように、ガスアレスタ12、2個のバリスタ14、2個のバネ部材16が一体化される。
この際、バネ部材16の基端部16aは、絶縁基板18の孔48に挿通後、折り曲げられて絶縁基板18の裏面に密着した状態で固着される。また、図1と図13、図3と図11、図5と図12の比較において示される通り、バネ部材16の板状部16dを捻ると共に、下方に折り曲げた状態でバネ部材16は絶縁基板18に固着される。
その結果、バネ部材16の板状部16dが捻り変形及び下方へ曲げ変形し、元の形状へ戻ろうとする弾性力を生じることにより、バネ部材16の接続部16bは、バリスタ14の電極層40の外面から斜め上方向に分離する付勢力を有した状態で固定されることとなる。
このため、長期間にわたって、故障時に継続的な過電流がバリスタ14に流れた場合におけるバリスタ14への給電を遮断することができ、発火・焼損を防止できる。
すなわち、このサージ吸収器10の変形例にあっては、バネ部材16の天板部16cの表面に識別部52が設けられている。本実施形態においては、天板部16cの表面を黒色に着色することにより識別部52を構成しているが、これに限定されるものではなく、赤色等の他の所定色に着色して識別部52を構成したり、或いは、天板部16cの表面に所定の記号・文字を表示して識別部52と成しても良い。
上記ガスアレスタ12、バリスタ14、バネ部材16を搭載・固定した絶縁基板18は、外装ケース50の本体部50a内の段部54上に載置・固定される。尚、バネ部材16の基端部16aには、例えば、外部端子(図示省略)の一端が接続されると共に、外部端子(図示省略)の他端は外装ケース50外に導出される。
この結果、バリスタ14の故障時において、バネ部材16の接続部16bが、バリスタ14の電極層40から分離すると、図17及び図18に示すように、バネ部材16の天板部16cがバリスタ14の電極層40から斜め上方向に移動するため、上記表示窓部50cから、バネ部材16の天板部16cに形成した識別部52が視認できるようになり、その結果、バリスタ14の故障したことが判るのである。
要するに、バネ部材16の接続部16bとバリスタ14の電極層40とが接続されている状態においては、表示窓部を通じて外装ケース50の外部からバネ部材16の識別部52を視認できず、一方、バネ部材16の接続部16bとバリスタ14の電極層40とが分離した状態においては、表示窓部を通じて外装ケース50の外部からバネ部材16の識別部52が視認できるよう構成されていれば良い。
融点が210℃以上の高融点金属としては、例えば、融点が243℃のSn−5.0Sb、融点が227℃のSn−0.7Cu、融点が221℃のSn−3.5Ag、融点が219℃のSn−3.0Ag−0.5Cu、融点が214℃のSn−3.5Ag−3.0In−0.5Bi、融点が211℃のSn−3.5Ag−4.0In−0.5Biが該当する。
また、融点が140℃以下の低融点金属としては、例えば、融点が138℃のSn−58Bi、融点が119℃のSn−52Inが該当する。
すなわち、融点が210℃以上の高融点金属のみでハンダ46を構成すると、通常のサージ吸収時に溶断し難く、且つ、バリスタ14の故障時において、継続的な過電流がバリスタ14に流れた場合にも溶断し難いものとなってしまう。
一方、融点が140℃以下の低融点金属のみでハンダ46を構成すると、通常のサージ吸収時に溶断し易く、且つ、バリスタ14の故障時において、継続的な過電流がバリスタ14に流れた場合にも溶断し易いものとなってしまう。
これに対し、本考案の如く、融点が210℃以上の高融点金属と融点が140℃以下の低融点金属とを2:1〜5:1の割合で配合した合金でハンダ46を構成した場合には、瞬時にバリスタ14が高温となる通常のサージ吸収時には溶断し難く、一方、バリスタ14の故障時において、継続的な過電流がバリスタ14に流れ、徐々にバリスタ14が昇温する場合には溶断し易いものとすることができる。
本考案者等は、上記ハンダ46を、融点が219℃の高融点金属であるSn−3.0Ag−0.5Cuと融点が138℃の低融点金属であるSn−58Biを3:1の割合で配合した合金で構成したサージ吸収器10を複数個準備し、これらに通常のサージ吸収時のインパルス放電電流の約5倍である5kA(電流波形8/20μs)を繰り返し通電させたところ、平均8回の通電までハンダ46が溶断することはなく、通常のサージ吸収時には溶断し難い特性を発揮するものであった。
一方、バリスタ14の故障時におけるハンダ46の溶断特性に関しては、6Aの過電流が継続的に通電した場合に1sで溶断すれば使用に適したものといえる。本考案者等は、上記ハンダ46を、融点が219℃の高融点金属であるSn−3.0Ag−0.5Cuと融点が138℃の低融点金属であるSn−58Biを3:1の割合で配合した合金で構成したサージ吸収器10を複数個準備し、これらに6Aの過電流を継続的に通電したところ、平均0.83sで溶断し、継続的な過電流が流れた場合には溶断し易い特性を発揮するものであった。
12 ガスアレスタ
14 バリスタ
16 バネ部材
16a バネ部材の基端部
16b バネ部材の接続部
16c バネ部材の天板部
16d バネ部材の板状部
16e バネ部材の湾曲部
16g バネ部材の直線部
18 絶縁基板
20 ガスアレスタの端面電極
22 ガスアレスタの中間電極
28 ガスアレスタの気密外囲器
35 ガスアレスタの端子ピン
36 接合材
38 バリスタの電圧非直線抵抗体
40 バリスタの電極層
40a バリスタの電極層の周縁部
42 バリスタの絶縁層
46 ハンダ
48 絶縁基板の孔
49 絶縁基板の孔
50 外装ケース
50a 外装ケースの本体部
50b 外装ケースのシール部材
50c 外装ケースの表示窓部
52 識別部
Claims (8)
- サージ吸収素子と、該サージ吸収素子に接続される導電性のバネ部材を備えたサージ吸収器であって、
上記バネ部材は、支持部材に固定される基端部と、上記サージ吸収素子の電極にハンダを介して接続される接続部と、上記基端部と接続部との間に形成された板状部を有しており、
上記バネ部材の板状部を捻り変形及び曲げ変形させ、元の形状へ戻ろうとする弾性力により、バネ部材の接続部が、サージ吸収素子の電極から分離する方向への付勢力を有することを特徴とするサージ吸収器。 - 上記サージ吸収素子が、バリスタ又はガスアレスタであることを特徴とする請求項1に記載のサージ吸収器。
- 上記サージ吸収素子及びバネ部材を収納する外装ケースを備えると共に、該外装ケースに表示窓部を形成し、また、上記バネ部材の上端に天板部を形成すると共に、該天板部の表面を識別部と成し、バネ部材の接続部とサージ吸収素子の電極とが接続されている状態においては、上記表示窓部を通じて外装ケースの外部からバネ部材の識別部を視認できず、バネ部材の接続部とサージ吸収素子の電極層とが分離した状態においては、表示窓部を通じて外装ケースの外部からバネ部材の識別部が視認できるよう構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のサージ吸収器。
- 上記識別部が、バネ部材の天板部の表面を所定色に着色することにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載のサージ吸収器。
- 上記ハンダを、融点が210℃以上の高融点金属と、融点が140℃以下の低融点金属とを2:1〜5:1の割合で配合して成る合金で構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のサージ吸収器。
- 上記ハンダを、融点が210℃以上の高融点金属と、融点が140℃以下の低融点金属とを3:1の割合で配合して成る合金で構成したことを特徴とする請求項5に記載のサージ吸収器。
- 融点が210℃以上の上記高融点金属が、Sn−5.0Sb、Sn−0.7Cu、Sn−3.5Ag、Sn−3.0Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag−3.0In−0.5Bi、Sn−3.5Ag−4.0In−0.5Biであり、融点が140℃以下の上記低融点金属が、Sn−58Bi、Sn−52Inであることを特徴とする請求項5又は6に記載のサージ吸収器。
- 融点が210℃以上の上記高融点金属がSn−3.0Ag−0.5Cuであり、融点が140℃以下の上記低融点金属が、Sn−58Biであることを特徴とする請求項7に記載のサージ吸収器。
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JP2020025058A (ja) * | 2018-08-08 | 2020-02-13 | トヨタ自動車株式会社 | 半導体装置 |
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2008
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