JP3149089U - サージ吸収器 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなサージ吸収素子としては、放電間隙における放電現象を利用するガスアレスタや、電圧非直線特性を備えた高抵抗体素子であるバリスタが用いられている。
しかしながら、酸化亜鉛形バリスタの電極と切り離し導体とを上記低溶融金属合金を介して接続した場合にあっては、酸化亜鉛形バリスタが故障した場合だけでなく、通常のサージ吸収時における酸化亜鉛形バリスタの昇温によっても溶融してしまうおそれがある。
サージ吸収素子と、該サージ吸収素子の電極にハンダを介して接続される導電性のバネ部材を備え、該バネ部材はサージ吸収素子の電極から分離する方向への付勢力を有して成るサージ吸収器において、上記ハンダを、融点が210℃以上の高融点金属と、融点が140℃以下の低融点金属とを2:1〜5:1の割合で配合して成る合金で構成したことを特徴とする。
尚、融点が210℃以上の高融点金属と、融点が140℃以下の低融点金属とを3:1の割合で配合して成る合金が最も好適である。
上記サージ吸収素子としては、例えば、バリスタ又はガスアレスタが該当する。
本考案のサージ吸収器10は、第1のサージ吸収素子としてのガスアレスタ12と、第2のサージ吸収素子としての2個のバリスタ14と、2個のバネ部材16と、樹脂等より成る支持部材としての絶縁基板18を備えている。
また、両端に配置された一対の端面電極20,20は、気密外囲器28の中心に向けて突出して気密外囲器28内に配置される放電電極部32を備えており、端面電極20,20の放電電極部32,32間には放電間隙34が形成されている。
尚、上記中間電極22には、端子ピン35が接続されている。
上記気密外囲器28内には、所定の放電ガスが封入されている。この放電ガスとしては、例えば、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン等の希ガスあるいは窒素ガス等の不活性ガスの単体又は混合ガスが該当する。
すなわち、上記バリスタ14は、図7に示すように、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、これに微量のBi2O3等の金属酸化物を添加して構成した円板状の電圧非直線抵抗体38の両面に、Ag等より成る円形状の電極層40を形成して成り、さらに、円形状の上記電極層40の周縁部40aを被覆する樹脂等より成る絶縁層42を形成している。
而して、上記バリスタ14に定格を越えるサージが印加されると、抵抗が急激に減少することにより上記電圧非直線抵抗体38が瞬時に導通してサージの吸収を行うのである。
すなわち、バリスタ14によるサージ吸収時には、電極層40,40間の電圧非直線抵抗体38表面に沿面放電が発生し、該沿面放電によって電圧非直線抵抗体38の表面が高温となって金属化する、いわゆる還元現象が生ずるおそれがあった。そして、電圧非直線抵抗体38の表面が金属化することで、電圧非直線係数及び制限電圧が変動してサージ吸収特性が不安定となり、ついには電極層40,40間が短絡するという危険性がある。
本考案の上記バリスタ14にあっては、電圧非直線抵抗体38の両面に形成した電極層40の周縁部40aを絶縁層42で被覆することにより、電極層40,40間の沿面距離が延びるため、電極層40,40間における沿面放電の発生を防止できるのである。
また、上記基端部16aと接続部16bとの間に、板材を曲げ加工して成る第1の湾曲部16d、第2の湾曲部16e、第3の湾曲部16fが略S字状に連続形成されている。また、上記接続部16bと天板部16cとの間には、直線部16gが介在しており、天板部16cは直線部16gと直交して設けられている。
上記バネ部材16は付勢力を有しない状態においては、接続部16bより下方の湾曲部16d,16e,16f及び基端部16aが、上記直線部16gに対して約30度傾いている。
先ず、ガスアレスタ12の各端面電極20,20に、それぞれ、上記バリスタ14の内面側の電極層40を接合材36を介して接続することにより、ガスアレスタ12と2個のバリスタ14とを一体化する。
この際、バネ部材16の基端部16aが、絶縁基板18に対して略垂直となるように、約30度内方に折り曲げた状態で絶縁基板18に固定する。その結果、バネ部材16の湾曲部16d,16e,16fが変形して弾性力を生じることにより、バネ部材16の接続部16bは、バリスタ14の電極層40の外面に対して垂直方向に分離する付勢力を有した状態で固定されることとなる。
以上の手順を経て、図1に示す本考案のサージ吸収器10が完成する。
このため、バネ部材16にへたりを生じることが防止され、長期間にわたって、故障時に継続的な過電流がバリスタ14に流れた場合におけるバリスタ14への給電を遮断することができ、発火・焼損を防止できる。
融点が210℃以上の高融点金属としては、例えば、融点が243℃のSn−5.0Sb、融点が227℃のSn−0.7Cu、融点が221℃のSn−3.5Ag、融点が219℃のSn−3.0Ag−0.5Cu、融点が214℃のSn−3.5Ag−3.0In−0.5Bi、融点が211℃のSn−3.5Ag−4.0In−0.5Biが該当する。
また、融点が140℃以下の低融点金属としては、例えば、融点が138℃のSn−58Bi、融点が119℃のSn−52Inが該当する。
すなわち、融点が210℃以上の高融点金属のみでハンダ46を構成すると、通常のサージ吸収時に溶断し難く、且つ、バリスタ14の故障時において、継続的な過電流がバリスタ14に流れた場合にも溶断し難いものとなってしまう。
一方、融点が140℃以下の低融点金属のみでハンダ46を構成すると、通常のサージ吸収時に溶断し易く、且つ、バリスタ14の故障時において、継続的な過電流がバリスタ14に流れた場合にも溶断し易いものとなってしまう。
これに対し、本考案の如く、融点が210℃以上の高融点金属と融点が140℃以下の低融点金属とを2:1〜5:1の割合で配合した合金でハンダ46を構成した場合には、瞬時にバリスタ14が高温となる通常のサージ吸収時には溶断し難く、一方、バリスタ14の故障時において、継続的な過電流がバリスタ14に流れ、徐々にバリスタ14が昇温する場合には溶断し易いものとすることができる。
本考案者等は、上記ハンダ46を、融点が219℃の高融点金属であるSn−3.0Ag−0.5Cuと融点が138℃の低融点金属であるSn−58Biを3:1の割合で配合した合金で構成したサージ吸収器10を複数個準備し、これらに通常のサージ吸収時のインパルス放電電流の約5倍である5kA(電流波形8/20μs)を繰り返し通電させたところ、平均8回の通電までハンダ46が溶断することはなく、通常のサージ吸収時には溶断し難い特性を発揮するものであった。
一方、バリスタ14の故障時におけるハンダ46の溶断特性に関しては、6Aの過電流が継続的に通電した場合に1sで溶断すれば使用に適したものといえる。本考案者等は、上記ハンダ46を、融点が219℃の高融点金属であるSn−3.0Ag−0.5Cuと融点が138℃の低融点金属であるSn−58Biを3:1の割合で配合した合金で構成したサージ吸収器10を複数個準備し、これらに6Aの過電流を継続的に通電したところ、平均0.83sで溶断し、継続的な過電流が流れた場合には溶断し易い特性を発揮するものであった。
12 ガスアレスタ
14 バリスタ
16 バネ部材
16a バネ部材の基端部
16b バネ部材の接続部
16c バネ部材の天板部
16d バネ部材の第1の湾曲部
16e バネ部材の第2の湾曲部
16f バネ部材の第3の湾曲部
16g バネ部材の直線部
18 絶縁基板
20 ガスアレスタの端面電極
22 ガスアレスタの中間電極
28 ガスアレスタの気密外囲器
35 ガスアレスタの端子ピン
36 接合材
38 バリスタの電圧非直線抵抗体
40 バリスタの電極層
40a バリスタの電極層の周縁部
42 バリスタの絶縁層
46 ハンダ
48 絶縁基板の孔
49 絶縁基板の孔
Claims (5)
- サージ吸収素子と、該サージ吸収素子の電極にハンダを介して接続される導電性のバネ部材を備え、該バネ部材はサージ吸収素子の電極から分離する方向への付勢力を有して成るサージ吸収器において、上記ハンダを、融点が210℃以上の高融点金属と、融点が140℃以下の低融点金属とを2:1〜5:1の割合で配合して成る合金で構成したことを特徴とするサージ吸収器。
- 上記ハンダを、融点が210℃以上の高融点金属と、融点が140℃以下の低融点金属とを3:1の割合で配合して成る合金で構成したことを特徴とする請求項1に記載のサージ吸収器
- 上記サージ吸収素子が、バリスタ又はガスアレスタであることを特徴とする請求項1又は2に記載のサージ吸収器。
- 融点が210℃以上の上記高融点金属が、Sn−5.0Sb、Sn−0.7Cu、Sn−3.5Ag、Sn−3.0Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag−3.0In−0.5Bi、Sn−3.5Ag−4.0In−0.5Biであり、融点が140℃以下の上記低融点金属が、Sn−58Bi、Sn−52Inであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のサージ吸収器。
- 融点が210℃以上の上記高融点金属がSn−3.0Ag−0.5Cuであり、融点が140℃以下の上記低融点金属が、Sn−58Biであることを特徴とする請求項4に記載のサージ吸収器。
Priority Applications (1)
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JP2008009066U JP3149089U (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | サージ吸収器 |
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2008
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