JP3147787B2 - 核酸の処理装置 - Google Patents

核酸の処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシン、
ナノマシン、シリコンマイクロシステム等と称されるマ
イクロアセンブリに用いられる生体高分子および/また
は生体組織を保持、固定化、処理するための装置に関
し、特にDNAやRNA等の核酸分子を処理するための
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシン、ナノマシン、あ
るいはシリコンマイクロシステム(以下M&Nマシンと
略記)と呼ばれる微小機械により、非常に高感度でかつ
微小な産業用のセンサや、生体組織内で細胞等の除去や
治療作業を行なう医療用の微小ロボットを実現させよう
という研究が盛んに行なわれている。M&Nマシンは、
最近の半導体、特にシリコン集積回路のプロセス技術、
特に微細加工技術の飛躍的な進歩によりその実現性が期
待されているものである。そして、半導体のうちでも、
特にシリコンは微細加工のためのプロセス技術が発達し
ていること、機械的特性に優れていること、集積回路を
内蔵することによってワンチップ化・微細化が可能にな
ること、等の理由によって、シリコンを用いた機械の小
型化・高性能化が特に期待されている。
【0003】M&Nマシンのセンサへの用途としては、
圧力センサ、加速度センサ、温度センサ、流量計、化学
分析用イオンセンサ等が考案されている。このうち、圧
力センサへの適用例を図12に示す[文献;江刺:“半
導体マイクロメカニカルマシーニングとセンサ”センサ
技術、5巻、P.114(昭和60年)]。図12に示
す例では、シリコン基板140の裏面側を異方性エッチ
ングにより薄く加工し、ダイヤフラム141を形成して
いる。さらにシリコンダイヤフラム141の表面にはポ
リシリコンで作製した歪み検出用ゲージ142が設置さ
れている。このもののダイヤフラム141に圧力を印加
すると、圧力の大きさに比例してダイヤフラム141が
撓み、ダイヤフラム141上のポリシリコン歪みゲージ
142の抵抗値が変化する。この変化を電極143を介
してブリッジ回路で検出して圧力値を知る仕組みになっ
ている。図12の例に示したように、M&Nセンサの作
製においては、シリコン基板の微細加工プロセス技術が
重要となることがわかる。
【0004】次に、M&Nマシンによる生体内での作業
ロボットについて説明する。これについては未だ実現さ
れた例はないが、1つの試みとして、自走ロボットの移
動用の脚として適用することを狙ったアレイ型感知レバ
ーアクチュエータについて説明する。図13にその概略
を示す[文献;N.Takeshima and H.Fujita:“Polyimid
e Bimorph Actuators for a Ciliary Motion System "1
991 ASME Winter Meeting,DSC-Vol32 (Micromechanic
al Sensors, Actuators, and Systems ), PP.203-209.
]。図13に示す例は、シリコン基板上に熱膨張係数
の異なる2種類の薄膜を積層し、このものの垂直方向に
おける変位によって基板を走行させようとするものであ
る。図13において、シリコン基板150上には2種類
の熱膨張係数の異なるポリイミド薄膜151および15
2が、ニクロム配線153(ヒータとして働く)を挟む
ようにして積層されており、これがシリコン基板150
と中空部154を介して隔離されることにより、感知レ
バーとして機能する。この感知レバーは、初期状態では
残留応力のため片方に反っているが、中央のニクロム配
線153に電流を流すことにより発熱し、その結果、バ
イメタルのように反対方向に変位する。この運動を連続
的に行なうことによって、生体内を自由に動き回る人工
微小ロボットを実現させようとするものである。
【0005】以上に示したものはM&Nマシンのほんの
一例であるが、ここで示したもの以外のものについて
も、基本となる技術は、シリコン基板を主として用いた
微細加工プロセスによって微小な人工システムを実現さ
せようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】医療等の生物学的な分
野への応用を狙ったM&Nマシンでは、生体内または生
体内と類似の環境下において、種々のセンシング、生体
物質の操作・除去、外科的治療等を行なうことを必要と
している。その際に、M&Nマシンに生体関連物質や生
体組織の保持、固定化を容易に行なうことができるよう
な機能を付加することが不可欠となる。
【0007】従来の技術において、たとえば特開平6−
238578号公報は、微細な物体をピンセットのよう
に把持し、離脱させる装置を開示する。同公報に開示さ
れる装置は、開閉可能な1対の把持脚を有する本体と、
把持脚を開閉させる静電アクチュエータとを備える。ま
た把持脚の先端部には強誘電体素子が取付けられてお
り、これに電圧を印加することによって分極状態を変化
させるようになっている。この装置において微細物体を
強誘電体素子の設けられた先端に把持した後、電圧の印
加により強誘電体の分極反転を行ない、静電的な反発力
を生じさせて微細物体を離脱させようとしている。この
ような装置においては、微小な先端部分に微細な誘電体
素子を取付けるため、その作製は容易ではない。またこ
のような装置は、生体組織等を所定の場所に保持するた
めの装置としてはその機構が複雑であり、より簡単な機
構のものが望まれる。
【0008】本発明の目的は、より簡単な構造におい
て、生体高分子および/または生体組織等をM&Nマシ
ンの特定領域に保持、固定化、処理することのできる装
置を提供することである。
【0009】本発明のさらなる目的は、生体高分子およ
び/または生体組織等を保持、固定化、処理することの
できるモノリシックな装置を提供することである。
【0010】本発明のさらなる目的は、シリコンを主た
る半導体基板として用いるM&Nマシンにおいて、シリ
コン基板の微細加工技術により生体高分子および/また
は生体組織等を保持、固定化、処理することのできる装
置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明により、二本鎖の
核酸を処理するための装置が提供され、当該装置は、
面にもたらされる静電特性により、二本鎖の核酸を特定
の領域に吸着固定することができる基材と、該基材上の
特定の領域に設けられた電極とを備える。また、基材上
の特定の領域に設けられた電極は、特定の領域に吸着固
定される二本鎖の核酸を2つの一本鎖に分離するための
熱エネルギを与える第1電極と、分離された一本鎖の核
酸に静電引力および/または静電斥力をそれぞれ及ぼす
ことのできる1対の第2電極とを含む。
【0012】本発明の装置において、第1電極は、対向
して配置される1対の第2電極の間に設けられる。
【0013】核酸を吸着固定するための基材上における
特定の領域は、核酸の取りやすい形状に応じた所定のパ
ターンを有することが好ましい。
【0014】本発明の装置において、核酸を吸着固定す
るための静電特性は、含有される不純物の濃度および/
または種類が制御された半導体によりもたらすことがで
きる。
【0015】本発明に従う装置は、特に、生物および医
学の分野におけるM&Nマシンに適用することができ
る。マイクロマシンは、半導体の微細加工技術(μmレ
ベル)を用いて、主としてシリコン基板において作製さ
れた微小機械であり、各種センサ、ロボット等に適用さ
れるものである。ナノマシンは、マイクロマシンの微細
加工レベルをさらに上げ、ナノメータレベルの領域まで
至らしめたものである。このレベルのマシンでは、分子
レベルでの作業や操作が可能となる。
【0016】本発明に従う装置は、不純物元素のドーピ
ングされた半導体結晶から構成することができる。半導
体には、シリコン、ゲルマニウム等の単体のもの、Ga
As、CdS等の化合物のもの等が含まれる。また本発
明に用いられる材料として、不純物元素のドーピングに
よる価電子制御が可能なものであれば、その他の材料を
用いることもでき、たとえば、チタン酸バリウム、チタ
ン酸ストロンチウム等の強誘電材料を用いることもでき
る。さらに、マトリックス中にドーパントが添加された
有機導電性化合物、あるいは、固定化されたイオンを内
蔵した絶縁性有機高分子化合物等も用いることができ
る。
【0017】本発明を構成する材料として、特に好まし
いものはシリコン結晶である。シリコン結晶へ不純物元
素をドーピングしてN型にする場合には、通常、周期律
表第V族の元素を用い、P型にする場合には周期律表第
III族の元素を用いる。シリコン結晶からなる基板の
同一平面上に不純物元素の種類および/または濃度の異
なる領域を形成するためには、たとえばイオン注入法を
用いることができる。後述するように、半導体装置の製
造プロセスに使われる通常の技術を用いて、本発明に従
う装置を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】蛋白質や核酸を始めとする生体高
分子では、生体内および生体内と類似の環境下におい
て、分子間同士の認識は、ほとんど、幾何学的に特異的
な構造および静電的な相互作用(静電斥力・引力、ファ
ンデルワールス力)によって行なわれている。静電的な
エネルギに基づく分子間の相互作用においては、個々の
分子最表面でのわずかな空間的な電荷分布の相違が、分
子間の認識の度合、分子集合体の作りやすさに決定的な
影響を及ぼすと考えられている。
【0019】本発明者は、生体内での種々の生体構成分
子のセンシング、生体物質の固定化、捕獲等を行なうこ
とを目的として、シリコンに代表される材料を用いてM
&Nマシンの研究を進めていく中で、シリコン基板と生
体関連高分子(具体的には酵素等に代表される蛋白質分
子および生体内で遺伝情報の処理機能を担う核酸分子)
とが特異的に吸着反応を起こすことを見出した。たとえ
ば、特定の蛋白質を含有する母液とシリコン基板を透析
チューブ内に入れ、これを容器内に満たされた緩衝溶液
中に浸漬すると、シリコン表面に蛋白質の結晶が析出し
てくる一方、その際の結晶化の度合がシリコン基板の種
類によって大きく異なることを見出した。たとえば、水
溶性蛋白質分子としてあるpH条件下で分子表面の実効
表面電荷が負のものを用いると、高抵抗のN型シリコン
表面には多くの蛋白質結晶が析出する一方、低抵抗のN
型シリコン表面ではほとんど蛋白質の結晶化が起こらな
いことを見出した。
【0020】この現象は以下のように解釈される。以
下、負の実効表面電荷を有する蛋白質分子がシリコン表
面と接している場合を考える。高抵抗N型シリコンと低
抵抗N型シリコンとを比較すると、ドーパント(たとえ
ばリン原子)の濃度は低抵抗N型シリコンの方が高いた
め、シリコンの表面近傍で誘起される空間電荷層の空乏
層幅は低抵抗N型シリコンの方が狭くなる。よって、空
乏層容量は低抵抗N型シリコンの方が高抵抗N型シリコ
ンより大となることから、表面電位は低抵抗N型シリコ
ンの方が高抵抗N型シリコンより小さくなる。
【0021】このシリコン表面の表面電位は正の極性を
有することから、負の実効表面電荷、したがって負の表
面電位を有する生体高分子と互いに静電的な引力が働く
ことになる。その際、低抵抗N型シリコンの方が高抵抗
N型シリコンより表面電位が低いため、生体高分子に作
用する静電引力が弱く、低抵抗N型シリコン上では生体
高分子の結晶化が起こりにくくなると考えられる。した
がって、負の実効表面電荷を有する生体高分子および/
または生体組織とN型シリコン基板が接する場合には、
該分子を吸着固定するため、不純物のドーピングにおい
てシリコン基板の表面を高抵抗のN型とすることが有効
である。また、P型シリコン基板の場合にも同様のドー
ピングが有効である。
【0022】一方、正の実効表面電荷を有する生体高分
子および/または生体組織とP型シリコン基板が接する
場合には、分子の固定化のため、シリコン基板の表面が
高抵抗P型となるように不純物をドーピングするのが有
効である。また、N型シリコン基板を用いる場合にも同
様な表面へのドーピングが有効である。
【0023】以上のことから、本発明者は基板に添加さ
れる不純物の濃度および/または種類を制御することに
より、生体高分子および/または生体組織を吸着かつ固
定化するためのより好ましい静電特性が得られることを
まず見出した。すなわち本発明では、まず、たとえば図
1に示すように、固定化させるべき分子2に対して、異
なる静電特性を示す領域1aおよび1bを設け、その中
の特定の領域1aにおいて分子2を吸着固定する。基板
1において、このような2以上の領域は、添加される不
純物の種類および/または濃度を変えることによって形
成することができる。図に示すように、領域1aでは生
体高分子および/または生体組織の吸着が促進される一
方、領域1bでは、それらの吸着が抑制される。後述す
るように、このような領域は、所定のパターンで形成す
ることがより好ましい。
【0024】一般に、電解質溶液内における帯電物質ま
たは分子の凝集性は、それらの間の電気二重層斥力とフ
ァンデルワールス力との和に依存するため、物質または
分子同士を凝集させる場合、電解質溶液中に添加する表
面電位を調整するための塩濃度を人為的にコントロール
することが非常に重要となる。しかしながら、実際の生
体内においてそのような操作はほとんど不可能である。
一方、本発明によれば、基材表面の静電特性は、添加さ
れる不純物の種類および/または濃度を制御することに
より、すなわち価電子制御により予め調整されているた
め、固定化すべき分子を含む溶液の塩濃度の調整が容易
または不要になるというメリットも生じる。このこと
は、本発明の装置が、M&Nマシンとして生体内で適用
するのにより優れていることを意味する。
【0025】定化のための基材上の領域は、固定化す
べき分子または組織の取りやすい形状に応じたパターン
にすることがより好ましい。たとえば、固定化すべき分
子が円形の形状を取りやすい場合、図2に示すように、
基材10上において価電子制御により特定の静電特性を
示す固定化領域11もそれに応じた円形とすることが好
ましい。生体高分子および生体組織の取り得る形状に即
して基材上に形成する固定化領域の形状およびサイズを
選択することができる。以下には、DNAを固定化する
ための装置を具体例として挙げながら本発明をより詳細
に説明する。
【0026】固定化および処理(操作)すべき分子で特
に産業上重要なものとして核酸(DNA等)分子が挙げ
られる。これは、遺伝子工学の分野において、DNAの
組換えおよび遺伝子クローニングの実験を行なう上で核
酸の人為的な操作が不可欠となるからである。DNA
は、通常、糸状あるいは環状の二本鎖構造を有してい
る。生理的条件下では、核酸の骨格を形成するヌクレオ
チド鎖のリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオ
チドの間を結ぶリン酸基は解離しているため、核酸は通
常は負に帯電している。したがって、上述したように、
不純物がドーピングされた表面を有するシリコン基板を
用いることによって、核酸分子を安定に固定化すること
が可能である。
【0027】また、特にDNA分子の固定化および操作
のための装置においては、固定化した後、分子に対して
一本鎖への分離や鎖の切断等の処理を施したり、分子を
固定化領域から容易に離脱させたりする機能が重要とな
る。本発明の装置では、固定化した分子に熱エネルギー
を与えるための第1電極と、固定化した分子に静電引力
および/または静電斥力をそれぞれ及ぼすことのできる
1対の第2電極とが設けられている。たとえばDNA分
子を本発明に従う装置の特定の領域に固定化した場合、
第1電極の局所的な加熱により、固定化されたDNA分
子を揺動させ、2つの一本鎖分子に分けることができ
る。本発明の装置において解離した2つの一本鎖分子
は、1対の第2電極の作用によりさらに操作することが
できる。たとえば、1対の第2電極からそれぞれ2つの
一本鎖分子に静電引力を及ぼせば、装置上でこれらの分
子を互いに引き離した状態で保持することができる。ま
た、1対の第2電極から、これらの分子に静電引力およ
び静電斥力をそれぞれ及ぼせば、一方の分子を保持した
状態で、他方の分子を固定化領域から速やかに離脱させ
ることができる。
【0028】DNA分子に代表される鎖状あるいは環状
の生体高分子を固定化および処理するための装置の一具
体例を図3〜図5に示す。図3に示す装置の断面構造に
おいて、シリコン基板20上には酸化シリコン(SiO
2)膜21、第1ポリシリコン層22および第2ポリシ
リコン層23が順に堆積されている。特定の領域におい
て、シリコン基板20上に形成された3つの層は所定の
パターンで除去されており、溝25が形成されている。
溝25内の中央にはポリシリコン層が山状の形状で残さ
れている。図4に示すように、溝25は円環の形状を有
しており、その中央に残されたポリシリコン層の部分も
円環の形状を有している。後述するように、不純物濃度
の異なるシリコンを組合せることにより、溝25内にお
いて負に帯電する分子を吸着固定する一方、溝25の外
において負に帯電する分子の吸着を抑制することができ
る。したがって、溝25は、目的とする分子のための固
定化部24を構成する。一方、溝25内のポリシリコン
層22および23からなる部分は固定化される分子に熱
エネルギを付与するための第1電極26を構成する。ま
た、溝25に囲まれたポリシリコン層22および23か
らなる円形の部分ならびに溝25を取り囲むポリシリコ
ン層22および23からなる部分はそれぞれ、固定化さ
れる分子に静電引力および/または静電斥力を及ぼすた
めの1対の第2電極27および28を構成する。円形の
第2電極27は、中央部に形成された接続用ビア29を
介して基板20上に形成された外部接続用端子31と電
気的に接続される。第1電極26および第2電極28
は、それぞれ、基板20上に形成された外部接続用端子
32および32′、ならびに33および33′に電気的
に接続される。第1電極26には、端子32および3
2′を介して加熱のための電流が流される。電極27お
よび28には、端子31、33および33′を介してそ
れぞれ電圧が印加される。なお、第1電極26は、図5
に拡大して示すように、波状またはジグザグの形状を有
することができる。このような形状は、固定化された分
子の揺動のため、より効果的に熱エネルギを与えること
ができる。
【0029】以上に示す装置の構造において、たとえ
ば、シリコン基板20に低不純物濃度のN型シリコンを
用い、第1ポリシリコン層22および第2ポリシリコン
層23にそれぞれ周期律表第V族の元素が低濃度および
高濃度で添加された半導体層を用いることができる。こ
の場合、高不純物濃度の第2ポリシリコン層23には、
DNA分子のように溶液中で負の実効電荷を有する分子
は付着しにくい。一方、低不純物濃度の第1ポリシリコ
ン層22およびシリコン基板20には、DNA分子のよ
うな溶液中負に帯電する分子は付着しやすい。したがっ
て、DNA分子のような負に帯電する分子は選択的に溝
25内に吸着、固定することができる。なお以上に示し
た装置ではDNA分子を固定化しやすいように溝25を
有する固定化部24を円形としているが、固定化部の形
状はこれに何ら限定されるものではなく、固定化すべき
分子の形状等に応じて種々のパターンとすることができ
る。
【0030】上述した装置において、特にDNA分子を
固定化および処理する例を図6〜図9に示す。DNA分
子は溶液中で解離して負に帯電しているため、上述した
ように、本発明の装置の表面のうち、高不純物濃度(低
抵抗)の第2ポリシリコン層23の表面には静電的に結
合されにくく、低不純物濃度(高抵抗)の第1ポリシリ
コン層22および溝25において露出しているシリコン
基板20の表面に選択的に固定化される。図6は、溝2
5内にDNA分子35が固定化される様子を示してい
る。一般に環状または線状の構造を有するDNA分子
は、二本鎖の状態で溝25に露出した低不純物濃度のポ
リシリコン層およびシリコン基板の表面に吸着される。
固定化されたDNA分子が二本鎖の場合には、これを2
つの一本鎖に分ける必要が生じる。その場合、溝25の
中央に設けられたポリシリコン層からなる凸状の電極2
6に電流を流して発熱させることで、DNA分子を局所
的に加熱する。DNA分子を加熱により揺動させれば、
2本鎖の間に働く水素結合を切り、図7に示すように2
つの一本鎖35aおよび35bを得ることができる。さ
らに、分離した一本鎖35aおよび35bが再び相補的
に結合することを防ぐため、図8に示すように、溝25
の両側に対向して設けられる電極27および28にそれ
ぞれ分子の有する電荷と極性が逆である正の電圧を印加
する。これによって、DNAの各一本鎖は空間的に分
離、保持される。さらに、一方の一本鎖のみを必要とす
る場合、図9に示すように、電極27および28のうち
いずれかに負の電圧を印加することができる。負の電圧
を印加された電極と分子との静電的な反発力により、一
方の一本鎖35bを装置の表面から排除することができ
る。
【0031】上述したような本発明の装置は、たとえば
図10および図11に示すようなプロセスによって製造
することができる。まず、シリコン基板40上に熱酸化
等によってシリコン酸化膜41を形成する(図10
(a))。次いで、その上にCVD等により第1ポリシ
リコン層42を形成する(図10(b))。さらにポリ
シリコン層42の表面に所定の深さでイオン注入を行な
うことによって第2ポリシリコン層43を形成する(図
10(c))。第2ポリシリコン層43上にCVD等に
よりシリコン酸化膜53を形成した後、その上にレジス
ト層54を形成する(図10(d))。次いで、電子ビ
ーム等による露光工程および現像工程の後、レジストパ
ターン54′を得る(図10(e))。酸化膜53のレ
ジストに覆われていない部分をエッチングした後、表面
のレジストを除去する(図10(f))。次いで、酸化
膜を保護膜として2つのポリシリコン層をドライエッチ
ングする(図11(a))。さらに酸化膜を保護膜とし
てウェットエッチングを行ない、2つのポリシリコン層
を浸食させる(図11(b))。酸化膜をエッチングに
より除去すれば、所定のパターンで溝、電極およびビア
ホールが形成された構造が得られる(図11(c))。
得られた構造物の表面にAl等の金属層55を形成する
(図11(d))。金属層55をフォトリソグラフィ等
を用いてパターニングすれば、接続用端子および接続用
ビアが形成される(図11(e))。
【0032】本発明の装置に用いられる材料として、上
述したような静電特性を有し、電荷量および極性の制御
が可能な物質で、溶液中において化学的に安定な物質で
あれば種々の物質を用いることができるが、最も好まし
い物質の1つとして、半導体結晶であるシリコンが挙げ
られる。なお、以上において主に負の帯電特性を有する
分子のためのシリコン材料について説明を行なってきた
が、正の帯電特性を有する分子の固定化のためには、上
述の極性を反転させた価電子の制御方法が用いられる。
【0033】本発明に用いられるN型およびP型のシリ
コン結晶は、通常のLSIプロセスに用いられるシリコ
ンウェハと同等の特性を有するものでよい。シリコン結
晶表面の比抵抗は、0.0001〜1000Ωcm程度
の範囲内であることが望ましく、より望ましくは0.0
001〜100Ωcmであり、さらに望ましくは0.0
001〜10Ωcmである。N型およびP型に価電子制
御されたシリコンの調製方法として、種々のものが考え
られ、どのような方式のものでもよいが、最も簡便で不
純物濃度の制御が正確に行なえる方法として、イオン注
入法が挙げられる。この場合、P型およびN型の価電子
制御は、それぞれ周期律表第III族および第V族に属
する元素のイオンをシリコン中に注入、アニールするこ
とによって容易に行なうことができる。P型にするため
のIII族元素としてB、Al、Ga、In、Tl等を
挙げることができる。特にBが一般的である。N型にす
るための第V族元素としてN、P、As、Sb、Bi等
を挙げることができ、特にP、As、Sbが一般的であ
る。ドーピングに用いられる周期律表第III族および
第V族元素の濃度は、1012〜1021/cm3の範囲が
望ましく、より望ましくは1013〜1021/cm3であ
り、さらに望ましくは1014〜1021/cm3である。
また本発明においてシリコン表面にN型またはP型の不
純物層を形成する場合、その厚みは1〜200μmの範
囲が望ましく、より望ましくは3〜50μmの範囲であ
る。これ以外の範囲では作製が容易でなかったり、効果
がなくなるため望ましくない。なお、シリコン結晶の表
面は、ミラーポリッシュされたものが、余分な結晶核の
生成を抑制する上で好ましい。
【0034】また、上述したように目的とする分子の固
定化のためにCVD等によってポリシリコン層を形成す
ることができる。P型およびN型に価電子制御されたポ
リシリコンを得る方法として、種々の方法を用いること
ができるが、最も簡便で不純物濃度の制御が正確に行な
える方法としてイオン注入を挙げることができる。この
方法を用いる場合、周期律表第III族および第V族に
それぞれ属する元素のイオンをポリシリコン中に注入
し、アニールすることによって、P型およびN型への価
電子制御を容易に行なうことができる。N型またはP型
のポリシリコン層を形成する場合、その厚みは0.00
1〜100μmの範囲が好ましく、0.01〜50μm
の範囲がより好ましい。これ以外の範囲では作製が容易
でなかったり、効果が乏しくなる。
【0035】上述した本発明の装置において、次のよう
なサイズの固定化領域を形成することが好ましい。固定
化領域の溝のサイズについては、解離したリン酸基を安
定して固定化するため、その幅が10Åから0.1μm
の範囲であることが望ましい。円形の溝の直径は固定化
すべき分子のサイズに応じて適宜変更することができる
が、通常、数μmから数100μmの範囲とすることが
できる。また、必要に応じて複数の直径の異なる溝、あ
るいは長さの異なる直線状の溝を形成しても差支えな
い。直線状の溝を形成する場合、その幅は10Åから
0.1μmの範囲とすることができる。また直線状の溝
の長さは固定化すべき分子のサイズに応じて変更される
が、通常数μmから数mmの範囲である。
【0036】本発明の装置において、シリコン基板の表
面には絶縁性の膜を形成することができる。この膜に
は、酸化物、窒化物等の無機絶縁材料、ポリイミド等の
有機絶縁材料を用いることができる。絶縁膜の厚みは、
絶縁性を確保するため100Åから数μmの範囲であれ
ば十分である。それ以上の厚みを用いても特に差支えは
ない。
【0037】上述した本発明の装置において、基板表面
に形成される外部接続用端子および接続用ビアは金属薄
膜によって形成することができる。金属薄膜の下地金属
として、Ti、Cr等の金属を100Åから1μmの範
囲の厚みで堆積させるのがよい。さらにバリアメタルと
して、Ni、W、Mo等の金属を100Åから1μmの
範囲の厚みで堆積し、その上に上部電極としてAl、C
u、Au等の金属を100Åから10μmの範囲の厚み
で堆積するのがよい。またより簡便な方法として、ポリ
シリコン層上にAlを直接100Åから10μmの範囲
の厚みで堆積させてもよい。
【0038】以上、価電子制御が容易な半導体結晶であ
るシリコンを用いた例について説明してきたが、シリコ
ン以外にも、同様の機能を有する物質でかつ固定化すべ
き物質を含む溶液に対して安定な種々の材料を用いるこ
とができる。たとえば、固定化装置を構成するための基
材として、電荷分布の制御された無機化合物、有機化合
物、有機高分子等を候補として挙げることができる。さ
らに、半導体、金属、有機化合物、無機化合物等が組合
された複合化合物でも固定化のための基材を構成するこ
とができる。
【0039】上述したように、本発明の装置において、
DNA、RNA等の核酸分子を効果的に固定化すること
ができる。本発明が適用される生体高分子の具体例とし
て、DNA、RNA、目的とする遺伝子を含むDNA、
遺伝子組換えに用いられるDNA断片、組換えDNA、
プラスミド、クローン化されたプラスミドベクター等
挙げることができる。
【0040】
【実施例】DNA分子を固定化するためのシリコンを基
板とする装置を、図10および図11に示すようなプロ
セスを用いて次のように作製した。まず、約100Ωc
mの比抵抗の高抵抗N型シリコンウェハの全面に熱酸化
によって200Åの酸化膜を形成した。次いで、CVD
装置を用いて、リンドープ・ポリシリコン層を2000
Åの厚みで形成した。このポリシリコン層(第1ポリシ
リコン層)の比抵抗は2Ωcmであった。得られた第1
ポリシリコン層の表面に、イオン注入装置によってリン
イオンを約514/cm2のドーズ量で注入した。その
後、窒素中900℃で10分間のアニールを行なうこと
によって、低抵抗N型ポリシリコン層(第2ポリシリコ
ン層)を得た。その比抵抗は約0.01Ωcmであり、
その接合深さは約1000Åであった。
【0041】次に、得られた第2ポリシリコン層の全面
にCVDにより酸化膜を1000Åの厚みで形成した。
その上に電子線用のレジスト材料をコーティングした
後、電子ビーム露光装置により溝部および電極部のため
の描画を行なった。描画にあたって、溝部の中に形成さ
れる第1の電極に相当する部分には300Åの線幅を有
する円形状のパターンを描いた。また、第1電極を挟ん
で対向する1対の第2電極のうち一方に相当する部分に
は、直径40μmの円形パターンを描いた。さらに、第
1電極とその両側に設けられる1対の第2電極との間隔
がそれぞれ300Åとなるよう描画を行なった。また、
直径40μmの円形パターンの中央には、5μm角のサ
イズを有する接続用ビアのための描画を行なった。この
ようにして描画されたパターンを有するレジストを現像
液によって現像した後、プラズマエッチング装置内で酸
化膜のエッチングを行なった。表面のレジスト膜を除去
した後、残った酸化膜を保護膜として第1ポリシリコン
層および第2ポリシリコン層のドライエッチングを行な
った。ドライエッチングが完了した後、酸化膜を保護膜
としてアルカリ水溶液中で第1ポリシリコン層および第
2ポリシリコン層をウェットエッチングによりさらに浸
食した。これにより、図11(b)に示すように、凸状
でしかも先端が尖っている構造を有する第1電極の部分
が得られた。
【0042】ポリシリコン層のエッチングが完了した
後、酸化膜をエッチングにより除去した。これによっ
て、溝、電極および接続用ビアホールが形成された構造
体を得ることができた。その後、スパッタリング装置に
よって、Ti、Ni、Auを順に500Å、5000
Å、5000Åの厚みで堆積した。次いで、フォトリソ
グラフィを用いて金属膜のパターニングを行なった。そ
の後、水素中、400℃で30分間アニール処理を行な
った。これにより、第1電極および1対の第2電極のた
めの外部接続用端子および接続用ビアを形成した。次い
で、ウェハをダイシングし、5mm角のサイズに切出し
た。
【0043】以上のようにして得られた装置のサンプル
とは別に、Ti、Ni、Auを順に堆積しパターニング
した10mm角のシリコン片を準備した。このシリコン
片に、得られた装置のサンプルを接着し一体化させた。
次に、両シリコン片に形成された接続用端子同士をワイ
ヤボンディング装置によって金線で電気的に接続した。
次に、金線の他端が接続された10mm角のシリコン片
に、外部から電圧を印加するためのリード線をはんだに
よって接合した。
【0044】このようにして得られたサンプルを有機溶
剤で十分洗浄した後、透析チューブに入れ、DNA溶液
に浸漬させた。透析チューブの端からリード線を取出し
た後、透析チューブを密閉し、静置、保存した。なお、
この状態のサンプルを2個調製した。
【0045】DNAとして、トウモロコシ葉緑体のDN
A(ctDNA)(塩基対1.36×105、リングサ
イズ約43μm)を用いた。このctDNAを10μg
/mlとなるようpH=7.0の緩衝溶液に溶解してD
NA溶液を調製した。透析チューブ外の緩衝溶液のpH
は12.0とした。
【0046】ビーカにpH12.0の緩衝溶液を入れ、
そこにDNA溶液および固定化装置のサンプルを封入し
た透析チューブを入れた。試料の入ったビーカを10℃
の冷暗所に5時間保存した後、1つの透析チューブ内か
ら固定化装置のサンプルを注意深く取り出した。取り出
した固定化装置を純水中に3分間浸漬させ、ゆっくり揺
動させて溶液を除去した後、チトクロームCを含むタン
パク質溶液をそこに滴下し、その後、自然乾燥を行なっ
た。得られた試料をサンプル−1とする。
【0047】一方、もう1つの固定化装置を透析チュー
ブ内においてさらに保持しながら、10℃の冷暗所にお
いてこの装置に第1電極の端子を介して15VのDC電
圧、150mAの電流を3分間印加した。この電圧印加
により、装置の溝部直上にある溶液の温度が3分後には
90℃となったことが別途行なった計測により明らかに
なった。第1電極への電圧の印加を中止した後、1対の
第2電極に+0.1VのDC電圧を3分間印加した。そ
の後、透析チューブ内から装置のサンプルを注意深く取
り出した。固定化装置を純水中に3分間浸漬させ、ゆっ
くり揺動させて溶液を除去した後、チトクロームCを含
むタンパク質溶液をこれに滴下し、乾燥を行なった。こ
の試料をサンプル−2とする。
【0048】サンプル−1およびサンプル−2の表面を
電子顕微鏡によって観察した。観察のため、サンプル表
面をウラニールアセテートにより予め染色した。観察の
結果、サンプル−1では、直径が40μmの円形の溝内
に、ctDNAが環状となって固定化されていることが
確認された。一方、サンプル−2では、溝を構成する1
対の電極の側壁に、一本鎖のDNAがそれぞれ分離して
環状に付着していることが確認された。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望の生体関連高分子、特に鎖状のDNA分子を処理す
るための装置を、容易に入手できる材料について単に不
純物の添加、微細加工、電極形成を施すことにより容易
に作製することができる。特に本発明によれば、シリコ
ンを主たる半導体基板として用いるM&Nマシンにおい
て、核酸を処理するための装置を、ドーピング、薄膜形
成および微細加工の技術を用いることによって容易に作
製することができる。本発明の装置は、固定化すべき分
子の形状に応じた固定化領域を容易に形成することがで
き、特定のサイズおよび形状を有する生体関連高分子を
選択的かつ有効に固定化および処理することが可能であ
る。また、サイズおよび/または形状の異なる種々の固
定化領域を形成することにより、1つの装置においてあ
らゆる種類の生体関連高分子の固定化および処理を行な
うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置において生体関連高分子が基材上
に固定化される様子を示す模式図である。
【図2】本発明の装置において、生体関連高分子を固定
化するための領域の1つのパターンを示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の装置の一具体例を示す概略断面図であ
る。
【図4】図3に示す装置の概略平面図である。
【図5】図3に示す装置の電極部を拡大して示す模式図
である。
【図6】本発明の装置においてDNA分子が特定の領域
に固定化される状態を示す模式図である。
【図7】本発明の装置において固定化されたDNA分子
が電極の加熱により一本鎖に分離される様子を示す模式
図である。
【図8】図7において分離された一本鎖が1対の電極に
引き寄せられて保持される様子を示す模式図である。
【図9】2つの一本鎖のうち一方が電極の作用により排
除される様子を示す模式図である。
【図10】本発明の装置を製造するためのプロセスを示
す概略断面図である。
【図11】本発明の装置を製造するためのプロセスを示
す概略断面図である。
【図12】従来のM&Nマシンセンサの例を示す斜視図
である。
【図13】従来のM&Nマシンアクチュエータの例を示
す図である。
【符号の説明】
1 基材 2 生体関連高分子 10 基材 11 固定化領域 20 シリコン基板 21 酸化シリコン膜 22 第1ポリシリコン層 23 第2ポリシリコン層 24 固定化部 25 溝 26 第1電極 27、28 1対の第2電極

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二本鎖の核酸を処理するための装置であ
    って、 表面にもたらされる静電特性により、前記二本鎖の核酸
    特定の領域に吸着固定することができる基材と、 前記基材上の前記特定の領域に設けられた電極とを備
    え、 記電極は、前記特定の領域に吸着固定される前記二本
    鎖の核酸を2つの一本鎖に分離するための熱エネルギを
    与える第1電極と、分離された一本鎖の核酸に静電引力
    および/または静電斥力をそれぞれ及ぼすことのできる
    1対の第2電極とを含み、 前記第1電極は、対向して配置される1対の前記第2電
    極の間に設けられている ことを特徴とする、核酸の処理
    装置
  2. 【請求項2】 前記特定の領域は、前記核酸の取りやす
    い形状に応じた所定のパターンを有することを特徴とす
    る、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記静電特性は、含有される不純物の濃
    度および/または種類が制御された半導体によりもたら
    されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装
    置。
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