JP3147637U - ガス検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガスの検出並びに送気及び排気を行うことができるガス検出装置を提供する。
【解決手段】
作業現場外から作業現場内に導入され当該作業現場における酸素を含むガスを検出するガス検出器とケーブルを介して接続され、前記作業現場外に配置されるガス検出装置50は、前記作業現場外の空気を吸引して前記作業現場内へ送出する送気と、前記作業現場内の空気を吸引して前記作業現場外へ排出する排気とを行うブロワ71と、前記ガス検出器によるガスの検出結果に応じて、前記作業現場外において警告を発するパイロットランプ4とを具備している。
【選択図】 図6

Description

本考案は、酸素等のガスを検出するために用いられるガス検出装置に関する。
マンホール内及びタンク内等の作業現場においては、空気中の酸素濃度が低下したり、硫化水素及び一酸化炭素等の有毒ガスが相当量発生したりする等、人体にとって有害な環境が生じ得る。したがって、その作業現場における作業者の保護を図るために、当該現場における空気中の酸素濃度及び有毒ガスの濃度を検出する必要があり、そのためのガス検出器が種々提案されている。
このようなガス検出器には所定長のケーブルが接続されており、そのケーブルを用いて、ガス検出器を地上からマンホール内に導入することにより、作業現場における空気中の酸素濃度等を検出することが可能となる。
上記のようなガス検出器においては、酸素濃度を検出するためのセンサとして、正極と負極と電解液と酸素透過膜とを備えてなるガルバニ電池式酸素センサが広く用いられている(例えば、特許文献1を参照。)。このようなガルバニ電池式酸素センサを用いることにより、安価で高性能なガス検出器を得ることができる。
なお、上記のようなガス検出器は、地上に配置され、所定の情報を表示することができる表示部を備えたガス検出装置と接続されているのが一般的である。このガス検出装置は、地上において、ガス検出器により検出された酸素濃度及び有害ガスの濃度等の情報を表示部に表示する。これにより、地上にいる作業者は、作業現場における状況を確認することができる。
上述したガス検出器及びガス検出装置を用いてガスの検出を行う場合、マンホール内等の作業現場に対して作業現場外の新鮮な空気を送り込む必要がある。そのために、これまでは、マンホール内に導入される送気用ホースを介して作業現場外から作業現場内へ空気を送る専用の送気装置を利用していた。
また、作業現場内の空気の汚染が著しい場合は、上記の送気に加えて、当該作業現場内の汚染空気を作業現場外へ強制的に排出することが望ましい。この場合も、これまでは、マンホール内に導入される吸気用ホースを介して作業現場内の空気を吸引して作業現場外へ排出する専用の排気装置を利用していた。
特開2002−350384号公報
しかしながら、上記のように、従来ではガス検出装置とは別に送気装置を用意しなければならないために、その取扱が煩雑になる等の問題があった。また、さらに専用の排気装置を別途用意することになると、より一層取扱が煩雑になるとともに、送気用ホースと排気用ホースとによってマンホール入口の大部分が塞がれてしまうため、マンホール内での作業が困難になるという問題も生じていた。
本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができるガス検出装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本考案の一の態様のガス検出装置は、作業現場外から作業現場内に導入され当該作業現場における酸素を含むガスを検出するガス検出器とケーブルを介して接続され、前記作業現場外に配置されるガス検出装置であって、前記作業現場外の空気を吸引して前記作業現場内へ送出する送気と、前記作業現場内の空気を吸引して前記作業現場外へ排出する排気とを行うブロワと、前記ガス検出器によるガスの検出結果に応じて、前記作業現場外において警告を発する警告出力部とを具備する。
上記態様において、前記ブロワが、外部から空気を取り込むために形成された吸気孔部と、前記吸気孔部を介して取り込んだ前記ガス検出装置周辺の空気を前記作業現場内へ送るために形成された送気孔部と、前記吸気孔部を介して取り込んだ前記作業現場内の空気を前記作業現場外へ排出するために形成された排気孔部とを有していてもよい。
また、上記態様において、前記ブロワが、前記送気を行う場合には前記排気孔部を塞ぐ一方で、前記排気を行う場合には前記送気孔部を塞ぐように構成されている蓋部をさらに有していてもよい。
さらに、上記態様において、前記ガス検出装置が、前記排気孔部から排出される空気中の塵を捕集する集塵フィルタをさらに具備していてもよい。
本考案の他の態様のガス検出装置は、作業現場外から作業現場内に導入され当該作業現場における酸素を含むガスを検出するガス検出器とケーブルを介して接続され、前記作業現場外に配置されるガス検出装置であって、前記作業現場外の空気を吸引して前記作業現場内へ送る送気用ブロワと、前記作業現場内の空気を吸引して前記作業現場外へ排出する排気用ブロワと、前記ガス検出器によるガスの検出結果に応じて、前記作業現場外において警告を発する警告出力部とを具備する。
本考案に係るガス検出装置によれば、コンパクトな構成で、ガスの検出のみではなく、作業現場外の空気を作業現場内へ送出する送気と、作業現場内の空気を作業現場外へ排出する排気とを行うことが可能になる。
以下、本考案の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本考案の実施の形態1に係るガス検出装置は、ガスの濃度を検出するセンサを具備するガス検出器とケーブルを介して接続されている。以下、これらのガス検出装置及びガス検出器の構成を順に説明する。
[ガス検出装置の構成]
図1は、本考案の実施の形態1に係るガス検出装置の構成を示す正面図である。図1に示すように、ガス検出装置1は直方体状の筐体2を具備しており、当該筐体2には、ガス検出の結果を数値に表示する表示部等を有する計器パネル3と、作業者に対して警告を発するための回転灯で構成されたパイロットランプ4とが設けられている。
また、筐体2の正面下部の右側及び右側面の上部には、筐体2の内部と外部とを連通する断面円形状の孔が形成されており、後述する排気用ブロワが具備する吸気用管部5と送気用ブロワが具備する送気用管部6とがこれらの孔から突出している。
さらに、筐体2の左側面の下部には排気孔(図示せず)が形成されており、その排気孔と対向する位置には、マンホール内の作業現場における空気を吸引してガス検出装置1の外部へ排出する際に当該空気中の粉塵等を捕集するためのフィルタ8が設けられている。また、筐体2の背面の上部には吸気孔(図示せず)が形成されており、その吸気孔と対向する位置には、ガス検出装置1の外部の空気を吸引してマンホール内の作業現場内へ送る際に当該空気中の粉塵等を捕集するためのフィルタ9が設けられている。これらのフィルタ8及び9は、例えば光触媒フィルタ等で構成されている。
なお、筐体2の底面の四隅には、車輪7(4つ車輪7のうち2つは図示せず)が設けられている。これらの車輪7により、ガス検出装置1を所望の場所に容易に移動させることができる。
計器パネル3には、酸素の濃度、一酸化炭素の濃度、硫化水素の濃度、及び可燃性ガスの濃度をそれぞれ表示するための酸素濃度表示部11、一酸化炭素濃度表示部12、硫化水素濃度表示部13、及び可燃性ガス濃度表示部14が配設されている。
また、この計器パネル3には、校正・点検ボタン15、水位ブザー部16、ブザー停止ボタン17、スタンバイランプ18、水位検知ランプ19、ブロワONボタン20A、及びブロワOFFボタン20Bが配設されている。
ここで、校正・点検ボタン15は、ガス検出装置1の校正及び点検を行うときに押下されるボタンであり、水位ブザー部16は、後述するように作業現場において水が検出された場合にブザー音を出力する出力部であり、ブザー停止ボタン17は、ガス検出の結果異常状態が検出された場合に出力されるブザー音を停止させるときに押下されるボタンである。
また、スタンバイランプ18は、ガス検出装置1においてガス検出を開始する準備が整ったときに点灯するランプであり、水位検知ランプ19は、作業現場において水が検出された場合に点灯するランプである。さらに、ブロワONボタン20Aは、後述する送気用ブロワ及び排気用ブロワの動作を開始させる場合に押下されるボタンであり、ブロワOFFボタン20Bは、これらの送気用ブロワ及び排気用ブロワの動作を停止させる場合に押下されるボタンである。
図2は、図1のガス検出装置1の正面カバーを外した場合の構成を示す正面図である。図2に示すように、筐体2の内部には仕切壁によって4つの収容スペース2A、2B、2C及び2Dが形成されている。
筐体2の下段に形成されている収容スペース2A及び2Bには、排気用ブロワ21が配設されている。この排気用ブロワ21は、ガス検出装置1の外部と排気用ブロワ21の内部とを連通する吸気用管部5、及び収容スペース2B内と排気用ブロワ21の内部とを連通する排気用管部22を備えている。なお、収容スペース2Aと2Bとの間の仕切壁には貫通孔が形成されており、排気用管部22はその貫通孔を介し収容スペース2Aから収容スペース2Bに向けて突設されている。
排気用ブロワ21は、その内部に送風ファン(図示せず)と当該送風ファンを駆動する駆動部(図示せず)とを備えており、この駆動部が送風ファンを回転させることにより、吸気用管部5を介してガス検出装置1の外部の空気を吸引し、その吸引した空気を排気用管部22を介して収容スペース2B内へ排出することができる。収容スペース2B内に排出された空気は、フィルタ8により粉塵等が除去された後に、ガス検出装置1の外部へ排出される。このため、収容スペース2Bはダストボックスとして機能することになる。
また、筐体2の上段右部に形成されている収容スペース2Cには、送気用ブロワ31が配設されている。この送気用ブロワ31は、ガス検出装置1の外部と送気用ブロワ31の内部とを連通する送気用管部6、及び収容スペース2C内と排気用ブロワ31の内部とを連通する吸気用管部32を備えている。
送気用ブロワ31は、排気用ブロワ21と同様に、その内部に送風ファン(図示せず)と当該送風ファンを駆動する駆動部(図示せず)とを備えており、この駆動部が送風ファンを回転させることにより、吸気用管部32を介してガス検出装置1の外部の空気を吸引し、その吸引した空気を送気用管部6を介してガス検出装置1の外部へ送出することができる。ここで、吸気用管部32を介してガス検出装置1の外部から吸引される空気は、フィルタ9により粉塵等が除去された後に送気用ブロワ31の内部に取り込まれ、その後送気用管部6を介してガス検出装置1の外部へ送出されることになる。
なお、筐体2の上段左部に形成されている収容スペース2Dは、種々の構成要素の収容部として機能する。例えば、図2に示すように、収容スペース2Dに後述するガス検出器110を収容するようにしてもよい。また、パイロットランプ4を、筐体2の上面に脱着可能な構成とした場合では、筐体2の上面から取り外されたパイロットランプ4を収容スペース2Dの適宜の箇所に収容するようにしてもよい。
[ガス検出器の構成]
次に、ガス検出器の構成について説明する。図3は、本考案の実施の形態1に係るガス検出装置と接続されるガス検出器の構成を示す正面図である。図3に示すとおり、ガス検出器110は、筒状のケーシング112と、ケーシング112の下面及び下部側面を覆うように設けられた台座113と、ケーシング112の上面に取り付けられたパイロットランプ115,115と、ケーシング112の内部に配設された後述する各種のセンサを収容するセンサ収容部120とから構成されている。
なお、このケーシング112をその軸線と直角な平面で切断した場合、その断面形状は円形である。同様にして、台座113をその軸線と直角な平面で切断した場合の断面形状も円形となっている。
ケーシング112の正面の略中央部には、ケーシング112内と連通したガス通流孔116が複数設けられている。また、その背面の略中央部にも、ガス通流孔116と対向する位置に、同様のガス通流孔(図示せず)が複数形成されている。
なお、本実施の形態ではガス通流孔がケーシング112の正面に形成されているが、その位置はこれに限定されるわけではなく、例えばケーシング112の上面等に形成されていてもよい。
ケーシング112内であって、複数のガス通流孔116と対向する位置には、ファン121が取り付けられている。このファン121が作動することにより、ケーシング112の正面に設けられたガス通流孔116を介してケーシング112外の空気がケーシング112内に吸入され、また、その背面に設けられたガス通流孔を介してケーシング112内からケーシング112外への排気が行われる。
このようにケーシング112内に空気を送り込むことにより、ケーシング112の内部に配設された各種のセンサが作業現場における空気中のガス濃度を検出することができる。なお、本実施の形態が備えるファン121を設けることなく、自然の吸気によってガス濃度の検出を行うことも可能である。ファン121を設けるか否かを決定する基準の一つとして、ガス通流孔116の大きさを挙げることができる。ガス通流孔116が大きければファン121は不要であり、小さければ必要になる。作業現場に溜まっている水がケーシング112内に浸入することを防止するという観点からは、ガス通流孔116をできる限り小さくした上でファン121を設けるという構成が選択され得る。
センサ収容部120の内部における上半部には、空気中の一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素センサ122と同じく酸素の濃度を検出する酸素センサ123とが左右に並設されている。また、同じく下半部には、空気中の可燃性ガス(メタン、プロパン及びブタン等)の濃度を検出する可燃性ガスセンサ124と同じく硫化水素の濃度を検出する硫化水素センサ125とが左右に並設されている。
これらの各種のセンサは公知の構造のものであって、一酸化炭素センサ122及び硫化水素センサ125は低電位電解式のセンサであり、可燃性ガスセンサ124は接触燃焼式のセンサである。また、酸素センサ123は、金からなる正極と、鉛からなる負極と、これらの正極及び負極に接触する電解液と、酸素を透過するための酸素透過膜とにより構成される隔膜ガルバニ電池式のセンサである。
なお、これらの一酸化炭素センサ122、酸素センサ123、可燃性ガスセンサ124、及び硫化水素センサ125は、図示しないプリント基板に電気的に接続されており、このプリント基板に設けられた制御回路(図示せず)に対してガスの検出結果を出力するように構成されている。
また、上記のパイロットランプ115,115もこのプリント基板に電気的に接続されており、上記の各種のセンサの検出結果に応じて上記制御回路により点灯/消灯の動作が制御されるように構成されている。具体的には、制御回路の駆動制御によって、通常は一方のパイロットランプ115が例えば青色光で点灯する一方で、一酸化炭素センサ122、可燃性ガスセンサ124及び硫化水素センサ125のいずれかのセンサが所定の閾値を超えた異常なガス濃度を検出したり、酸素センサ123が所定の閾値を下回る酸素濃度を検出したりした場合には、他方のパイロットランプ115が例えば赤色光で点灯する。このようなパイロットランプ115,115の点灯動作により、作業現場において作業している作業者に対して警告を発することが可能になる。
なお、パイロットランプ115の数は2個に限らず、これより少なくても多くてもよい。例えば、一酸化炭素センサ122、酸素センサ123、可燃性ガスセンサ124、及び硫化水素センサ125のそれぞれと対応する4個のパイロットランプを設けて、各センサの検出結果に応じて各パイロットランプを点灯するようにしてもよい。
ケーシング112の上面に形成された貫通孔を介して、センサ収容部120とケーブル114の一端とが電気的に接続されている。また、ケーブル114は、ケーシング112の上面に設けられた補助リング117により固定されている。なお、ケーブル114の他端は、ガス検出装置1と接続されている。
このケーブル114は、センサ収容部120のプリント基板に対して電力を供給するため、及びそのプリント基板に接続された各種のセンサによる検出結果を後述するガス検出装置1に出力するため等に用いられる。
ケーシング112の下面には、水の存在を検出するための水センサ126が設けられている。この水センサ126は2つの電極を備えており、これらの電極は、ケーシング112の下面に設けられた貫通孔を通して、ケーシング112の外部に露出している。
水センサ126は、これらの電極が水中に位置したときに当該電極間の導通状態を検知することによって水の存在を検出する。なお、水センサ126は、センサ収容部120内に設けられた上記プリント基板と電気的に接続されており、水の存在を検出したときに当該プリント基板に設けられた上記制御回路に対して検出結果を出力するように構成されている。
台座113は、ポリプロピレン樹脂製であり、水に対する浮力を有している。ガス検出器110が水中に位置する場合、この台座113によってケーシング112を水面付近に浮かすことができる。
なお、台座113の下部には、水センサ126をガス検出器110の外部に露出させるための円筒状の空洞部131が設けられている。ガス検出器110が水中に位置する場合、空洞部131を通してガス検出器110の外部に露出されている水センサ126の電極が水に曝されることになるため、水センサ126が水の存在を検出することができる。
[使用状態におけるガス検出システム]
図4は、使用状態における本考案の実施の形態1に係るガス検出装置を備えるガス検出システムの構成を示す模式図である。図4に示すとおり、ガス検出装置1とガス検出器110とは、ケーブル114を介して接続されている。なお、ガス検出装置1は、図示しない電力源を備えており、ケーブル114を介して、ガス検出器110のプリント基板に対して電力を供給する。
図4に示すとおり、使用状態において、作業現場外40の例えば道路上等にガス検出装置1は配置される。そして、そのガス検出装置1とケーブル114を介して接続されているガス検出器110は、マンホール42を介して、作業現場外40の下方に位置する作業現場内41に導入され、作業現場における空気中の一酸化炭素、酸素、可燃性ガス及び硫化水素の濃度の検出を行う。
ケーブル114は所定長の長さを有しており、ガス検出器110が作業現場外40から作業現場内41に導入される際に、作業現場外40と作業現場内41とにわたって延びるように配置される。
マンホール42内には、ケーブル114及びガス検出器110の他に、作業現場内41における空気を吸引するために用いられる排気用ホース101と、作業現場外40における空気を作業現場内41に送出するために用いられる送気用ホース102とが導入される。この排気用ホース101は、ガス検出装置1が具備する排気用ブロワ21の吸気用管部5と接続されており、また送気用ホース102は、同じく送気用ブロワ31の送気用管部6と接続されている。
ガス検出を実施する場合、作業現場外40にいる作業者は、ガス検出装置1が具備する計器パネル3中のブロワONボタン20Aを押下する。これにより、排気用ブロワ21及び送気用ブロワ31において送風ファンが回転し始める。その結果、排気用ホース101及び吸気用管部5を介して作業現場内41における空気が排気用ブロワ21内に吸引され、その後排気用管部22及びフィルタ8を介してガス検出装置1の外部へ排出される。また、フィルタ9及び吸気用管部32を介して作業現場外40における空気が送気用ブロワ31内に吸引され、その後送気用管部6及び送気用ホース102を介して作業現場内41へ送出される。
これにより、作業現場内41から汚染された空気が排出されるとともに、作業現場外40の新鮮な空気が作業現場内41に送り込まれることになる。
ガス検出器110が作業現場内41に導入された場合であって、作業現場に水が溜まっているとき、ガス検出器110は、台座113の水に対する浮力により、その上下位置を保持しながら水中に浮いた状態となる。そのため、センサ収容部120に収容されている酸素センサ123が傾斜姿勢をとるのを防止することができる。これにより、酸素センサ123が備える電極と電解液との接触状態を保つことができるため、高精度な酸素濃度の検出を安定して行うことが可能になる。
また、このようにガス検出器110が水中に浮いた状態になれば、ガス検出器110が備える各種のセンサが浸水するのを防止することができるため、これらセンサの保護を図ることができる。その結果、ガス濃度の検出を安定して精確に行うことができるようになる。
ガス検出器110において一酸化炭素、酸素、可燃性ガス及び硫化水素の濃度の検出を行った結果、酸素濃度が所定の閾値を下回った場合またはその他のガスの濃度が所定の閾値を超えた場合、ガス検出装置1においてパイロットランプ4を点灯することにより、作業現場外40にいる作業者に対して警告を発する。この場合、上述したように、ガス検出器110が備えるパイロットランプ115も特定の色で点灯することになるため、作業現場内41にいる作業者に対しても警告を発することができる。
また、ガス検出器110において、水センサ126が水を検出した場合、その検出結果がガス検出器110からガス検出装置1に対して送信される。これを受けたガス検出装置1は、水位ブザー16からブザー音を出力するとともに水位検知ランプ19を点灯することによって、作業現場外40にいる作業者に対して警告を発する。これにより、作業現場に水が溜まっていることをガス検出装置1側で知ることができ、作業者が作業現場内41に向かう前に作業現場の状況を確認することができる。
なお、このように作業現場に水が溜まっていることを作業現場外40にて知ることができた場合に作業者がケーブル114を作業現場内41へ垂らすのを止めることによって、ガス検出器110が水面でバランスを崩すのを防止することができるため、ケーシング112内への水の浸入を回避することができる。
以上のとおり、本実施の形態では、検出装置1が排気用ブロワ21及び送気用ブロワ31を具備することによって、コンパクトな構成且つ容易な操作で、作業現場内41における汚染空気の排出及び作業現場内41への新鮮な空気の送出を実現することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2のガス検出装置では1台のブロワで排気及び送気を行う。なお、本実施の形態のガス検出装置と接続されるガス検出器の構成は、実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省略する。
[ガス検出装置の構成]
図5は、本考案の実施の形態2に係るガス検出装置の構成を示す正面図である。なお、本実施の形態のガス検出装置の構成のうち、実施の形態1の場合と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、ガス検出装置50は筐体60を具備している。この筐体60の正面下部の左側には、筐体2の内部と外部とを連通する断面円形状の孔が形成されており、後述するブロワが具備する送気用管部51が当該孔から突出している。また、この送気用管部51におけるガス検出装置50の外に突出している部位には、後述する連結紐の一端を係止可能なフック56が設けられている。
図6は、図5のガス検出装置50の正面カバーを外した場合の構成を示す正面図である。図6に示すように、筐体60の内部には仕切壁によって4つの収容スペース60A、60B、60C及び60Dが形成されている。
筐体60の下段に形成されている収容スペース60A及び60Bには、排気及び送気の何れにも用いられるブロワ71が配設されている。このブロワ71は、実施の形態1における排気用ブロワ21と同様に、ガス検出装置50の外部とブロワ71の内部とを連通する吸気用管部5、及び収容スペース60B内とブロワ71の内部とを連通する排気用管部72を備えている。
この排気用管部72は、実施の形態1における排気用管部22の場合と同様に、収容スペース60Aと60Bとの間の仕切壁に形成された貫通孔を介し収容スペース60Aから収容スペース60Bに向けて突設されている。
図7は、ガス検出装置50の構成を示す左側面図である。図6及び図7に示すように、排気用管部72の中途には、送気用管部51が上方に延びるように突設されている。この送気用管部51は、その中途が正面側に向かって湾曲して延びており、上述したように筐体60の正面下部の左側に形成された孔からその先端が外方へ突出している。
送気用管部51のガス検出装置50外に突出している箇所には、上述したように、連結紐54の一端を係止可能なフック56が設けられている。また、送気用管部51の中途であって、収容スペース60C内に位置する部位には、フック56と同様に連結紐54の一端を係止可能なフック55が設けられている。
連結紐54の他端には、送気用管部51または排気用管部72の孔を塞ぐためのキャップ53が接続されている。ガス検出装置50が送気を行う場合、連結紐54の一端がフック55に係止され、その他端に接続されているキャップ53を排気用管部72の先端部に嵌合することによって排気用管部72の孔が塞がれる。他方、ガス検出装置50が排気を行う場合は、連結紐54の一端がフック56に係止され、その他端に接続されているキャップ53を送気用管部51の先端部に嵌合することによって送気用管部51の孔が塞がれる。
ブロワ71は、その内部に送風ファン(図示せず)と当該送風ファンを駆動する駆動部(図示せず)とを備えている。そして、キャップ53によって送気用管部51の孔が塞がれている場合は、この駆動部が送風ファンを回転させることにより、吸気用管部5を介してガス検出装置50の外部の空気を吸引し、その吸引した空気を排気用管部72を介して収容スペース60B内へ排出することができる。収容スペース60B内に排出された空気は、フィルタ8により粉塵等が除去された後に、ガス検出装置50の外部へ排出される。このため、収容スペース60Bは、ダストボックスとして機能する。
これに対し、キャップ53によって排気用管部72の孔が塞がれている場合は、駆動部が送風ファンを回転させることにより、吸気用管部5を介してガス検出装置50の外部の空気を吸引し、その吸引した空気を送気用管部51を介してガス検出装置50の外部へ送出することができる。
なお、送気用管部51及び排気用管部72の両方の孔が同時に塞がれた状態でブロワ71を作動させると、排気不能な状態となり、ブロワ71の故障を招くおそれがある。本実施の形態のように、1つのキャップ53のみを用いる構成とすることによって、上記の排気不能な状態が生じることがないため、そのような故障を回避することができる。
[使用状態におけるガス検出システム]
図8Aは、排気を行う場合における本考案の実施の形態2に係るガス検出装置を備えるガス検出システムの構成を示す模式図である。また、図8Bは、送気を行う場合における同じくガス検出システムの構成を示す模式図である。
図8A及び図8Bに示すとおり、ガス検出装置50とガス検出器110とは、実施の形態1の場合と同様にケーブル114を介して接続されており、このケーブル114を介してガス検出装置50からガス検出器110へ電力が供給される。
図8Aに示すとおり、排気を行う場合は、ブロワ71の吸気用管部5と接続されたホース103がマンホール42内に導入される。このとき、ブロワ71の送気用管部51の孔はキャップ53によって塞がれている。このように送気用管部51の孔が塞がれた状態において、作業現場外40にいる作業者によるブロワONボタン20Aの押下によってブロワ71内の送風ファンが回転し始めると、ホース103及び吸気用管部5を介して作業現場内41における空気がブロワ71内に吸引され、その後排気用管部72及びフィルタ8を介してガス検出装置50の外部へ排出される。これにより、汚染された空気が作業現場内41から排出されることになる。
また、図8Bに示すとおり、送気を行う場合は、ブロワ71の送気用管部51と接続されたホース103がマンホール42内に導入される。このとき、図示はしないが、ブロワ71の排気用管部72の孔がキャップ53によって塞がれる。このように排気用管部72の孔が塞がれた状態において、作業現場外40にいる作業者によるブロワONボタン20Aの押下によってブロワ71内の送風ファンが回転し始めると、吸気用管部5を介して作業現場外40における空気がブロワ71内に吸引され、その後送気用管部51及びホース103を介して作業現場内41へ送出される。これにより、作業現場外40の新鮮な空気が作業現場内41に送り込まれることになる。
以上のとおり、本実施の形態では、ブロワ71が送気及び排気の両方を実現することにより、実施の形態1の場合と比べてよりコンパクトな構成で、作業現場内41における汚染空気の排出及び作業現場内41への新鮮な空気の送出を実現することができる。
(その他の実施の形態)
上記の各実施の形態においては、一酸化炭素、可燃性ガス及び硫化水素の何れかのガスの濃度が閾値を超えたり、酸素濃度が閾値を下回ったりした場合に、作業者に警告を発する手段として、パイロットランプを用いているが、これに限定されるわけではない。例えば、ブザー音を出力する音声出力装置をガス検出器及び/又はガス検出装置が備え、この音声出力装置により出力されるブザー音によって、作業者に警告を発するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態においては、ガス検出器とガス検出装置とがケーブルを介して通信しているが、無線信号を用いることにより通信するように構成されていてもよい。さらに、このように無線信号を用いることによって、ガス検出器から作業者が携帯する携帯型端末装置にガスの検出結果を送信するような構成であってもよい。これ以外にも、例えばケーブルを介してガス検出器からガスの検出結果の入力を受けたガス検出装置から当該携帯型端末装置に当該検出結果を送信するような構成であってもよい。
このように、作業者が携帯する携帯型端末装置に対してガス検出器の検出結果が送信される構成の場合、作業者が作業現場外及び作業現場内の何れにいる場合であっても、即座に検出結果を確認することができる。これにより、ガス濃度が異常な値を示すような危険な状況が生じている場合、作業者は迅速に対応することができるようになる。
また、上記の各実施の形態においては、ガス検出器が備える台座がポリプロピレン樹脂で構成されているが、水に対して浮力を有する材質であれば、他のもので構成されていてもよいことは言うまでもない。さらに、台座の形状も上記の構成に限定されるわけではなく、ガス検出器が水中に浮かんだ状態を保持できれば他の構成であってもよい。
このように、ガス検出器を水中に浮かんだ状態に保持するような構成であればよいので、ガス検出器の下方に位置する台座ではなく、その他の部位に設けられる浮き部材を備える構成であってもよい。
なお、上記の各実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。
本考案の実施の形態1に係るガス検出装置の構成を示す正面図。 図1のガス検出装置の正面カバーを外した場合の構成を示す正面図。 本考案の実施の形態1に係るガス検出装置と接続されるガス検出器の構成を示す正面図。 使用状態における本考案の実施の形態1に係るガス検出装置を備えるガス検出システムの構成を示す模式図。 本考案の実施の形態2に係るガス検出装置の構成を示す正面図。 図5のガス検出装置の正面カバーを外した場合の構成を示す正面図。 本考案の実施の形態2に係るガス検出装置の構成を示す左側面図 排気を行う場合における本考案の実施の形態2に係るガス検出装置を備えるガス検出システムの構成を示す模式図。 送気を行う場合における本考案の実施の形態2に係るガス検出装置を備えるガス検出システムの構成を示す模式図。
符号の説明
1 ガス検出装置
2 筐体
2A〜2D 収容スペース
3 計器パネル
4 パイロットランプ
5 吸気用管部
6 送気用管部
7 車輪
8,9 フィルタ
11 酸素濃度表示部
12 一酸化炭素濃度表示部
13 硫化水素濃度表示部
14 可燃性ガス濃度表示部
15 校正・点検ボタン
16 水位ブザー部
17 停止ボタン
18 スタンバイランプ
19 水位検知ランプ
20A ブロワONボタン
20B ブロワOFFボタン
21 排気用ブロワ
22 排気用管部
31 送気用ブロワ
32 吸気用管部
40 作業現場外
41 作業現場内
42 マンホール
50 ガス検出装置
51 送気用管部
53 キャップ
54 連結紐
55,56 フック
60 筐体
60A〜60D 収容スペース
71 ブロワ
72 排気用管部
101 排気用ホース
102 送気用ホース
103 ホース
110 ガス検出器
112 ケーシング
113 台座
114 ケーブル
115 パイロットランプ
116 ガス通流孔
117 補助リング
120 センサ収容部
121 ファン
122 一酸化炭素センサ
123 酸素センサ
124 可燃性ガスセンサ
125 硫化水素センサ
126 水センサ
131 空洞部

Claims (5)

  1. 作業現場外から作業現場内に導入され当該作業現場における酸素を含むガスを検出するガス検出器とケーブルを介して接続され、前記作業現場外に配置されるガス検出装置であって、
    前記作業現場外の空気を吸引して前記作業現場内へ送出する送気と、前記作業現場内の空気を吸引して前記作業現場外へ排出する排気とを行うブロワと、
    前記ガス検出器によるガスの検出結果に応じて、前記作業現場外において警告を発する警告出力部と
    を具備する、ガス検出装置。
  2. 前記ブロワは、外部から空気を取り込むために形成された吸気孔部と、前記吸気孔部を介して取り込んだ前記ガス検出装置周辺の空気を前記作業現場内へ送るために形成された送気孔部と、前記吸気孔部を介して取り込んだ前記作業現場内の空気を前記作業現場外へ排出するために形成された排気孔部とを有している、
    請求項1に記載のガス検出装置。
  3. 前記ブロワは、前記送気を行う場合には前記排気孔部を塞ぐ一方で、前記排気を行う場合には前記送気孔部を塞ぐように構成されている蓋部をさらに有している、
    請求項2に記載のガス検出装置。
  4. 前記ガス検出装置は、前記排気孔部から排出される空気中の塵を捕集する集塵フィルタをさらに具備している、
    請求項2または請求項3に記載のガス検出装置。
  5. 作業現場外から作業現場内に導入され当該作業現場における酸素を含むガスを検出するガス検出器とケーブルを介して接続され、前記作業現場外に配置されるガス検出装置であって、
    前記作業現場外の空気を吸引して前記作業現場内へ送る送気用ブロワと、
    前記作業現場内の空気を吸引して前記作業現場外へ排出する排気用ブロワと、
    前記ガス検出器によるガスの検出結果に応じて、前記作業現場外において警告を発する警告出力部と
    を具備する、ガス検出装置。
JP2008006762U 2008-09-25 ガス検出装置 Expired - Lifetime JP3147637U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7503166B1 (ja) 2023-03-16 2024-06-19 新コスモス電機株式会社 通信装置、ガス検知システム、ガス検知器、通信方法及び制御方法

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