JP3147426B2 - 鋳鉄部品の表面改質方法 - Google Patents

鋳鉄部品の表面改質方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダヘッド等の切
削加工を行って使用する鋳鉄部品の表面を改質する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来にあっては鋳鉄製の部品を部分的に
強化(表面改質)する技術が求められている。その背景
として、例えば自動車部品の分野においては、エンジン
の高出力化に伴い、鋳鉄製シリンダヘッドに、温度上昇
による熱負荷と同時に、機械的負荷の増大が生じる問題
がある。
【0003】すなわちこのような負荷増大により、シリ
ンダヘッドの下面、特に他の部位より比較的肉薄な部分
である吸気ポートと排気ポートとの間(弁間部)、及び
これらと燃料噴射ノズル孔(或いは予燃焼室孔)との間
の部分に、熱キレツが生じてしまう。
【0004】この対策としては従来、耐熱成分(Cr,
Mo,Cu,Ni等)を適量添加して合金化する、熱キ
レツ発生部位に鉄鋼材料,耐熱金属材料を鋳包む、加工
後にガス又は液体中で窒化処理を行って表面に窒化層を
形成する、等が行われてきたが、鋳造性の悪化(合金
化)、大幅な工数増大(鋳包み)、高温による変形(窒
化処理)などの問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで本出願人は、
改質対象の部位を高密度エネルギの照射によって溶融さ
せた後、耐熱元素を肉盛り溶接により付加することを基
本技術とする「金属系部品の表面を改質する方法及びそ
の装置」を創案し、出願した(特願平2−139677
号)。この技術によって、上記問題点はことごとく解決
され、耐熱元素の添加量を多くでき、しかもガス欠陥な
どの溶接欠陥のない表面改質が達成されることとなっ
た。
【0006】そしてこの出願には、耐熱元素を核粒子と
し、Cu粒子等を被覆粒子としたカプセル粒子を製造し
て、この粉末を鞘材に充填させた溶接ワイヤーにより肉
盛り溶接を行う技術が含まれている。ここに、そのカプ
セル粒子の粉末入り溶接ワイヤーを用いて、改質対象の
部位に凹部を形成してから、これに肉盛り溶接を行うこ
とで、溶融工程を省いたより簡易な改質方法とすること
が考えられる。
【0007】しかしながらこのようにすると、図8に示
すように、肉盛りされた溶着金属中にCu微粒子が分散
すると共に、溶着金属層1の上部にCuに富む層2が形
成されて(「鋳鉄の溶接法」,特開昭54−14814
9号公報、等参照)、溶着金属1と母材3との間に融合
線部4が生じてしまう。この融合線部4は、白銑或いは
マルテンサイトの生成によるもので、キレツは生じない
ものの、切削加工面5がこれを横断する形になるため、
切削が困難であると同時に、表面に露出してしまう。こ
の融合線部4は熱膨張係数が小さく、かつ脆弱な性質が
ある為、例えばシリンダヘッドに適用した場合は、内燃
機関運転中にキレツが生じるおそれがある。すなわち白
銑及びマルテンサイト組織は、熱衝撃及び熱疲労強度が
非常に低い。
【0008】そこで本発明は、上記事情に鑑み、融合線
部による悪影響のない肉盛り溶接による簡易な表面改質
方法を提供すべく創案されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダヘッ
ド等の切削加工を行って使用する鋳鉄部品の表面を改質
するに際して、耐熱金属の核粒子にCu粒子を被覆させ
たカプセル粒子をCu製の鞘材に充填させて溶接ワイヤ
を形成しておき、鋳鉄部品の改質対象の部位に凹部を形
成すると共にこの凹部の周囲に切削加工面よりも深く凹
部よりも浅い窪み部を形成した後、凹部に溶接ワイヤを
使用して肉盛り溶接し、Cuに富む成分を窪み部に溶出
させて溶着金属層を形成するものである。
【0010】
【作用】上記方法によって、溶着金属層と母材との間に
生成する融合線部は、切削加工面よりも下に位置され
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係わる鋳鉄部品の表面改質方
法の一実施例を、添付図面に従って説明する。
【0012】まず図1に示すようなカプセル粒子11を
製造する。このカプセル粒子11を製造するに際して
は、耐熱金属の粒子、例えばCrの微粒子と、それより
も粒径が小さいCu粒子とを用意する。これら粒子の重
量比は、Cr:Cu=4:6 〜3:7 とするのが好ましい。
そしてCr粒子にCu粒子を静電付着させてから、回転
翼を備えた容器(遠心転動装置)に入れ、数分間遠心転
動させて衝撃力を与える。この衝撃作用により、Cu粒
子はCr粒子の表面に強固に密着して、Cr粒子を核粒
子12とし、Cu粒子を被覆粒子13としたカプセル粒
子11が得られる。
【0013】次にこのカプセル粒子11の粉末を、図2
に示すようにCu製の鞘材14の中に充填し、適宜線引
きして細い溶接ワイヤ15を製造する。
【0014】一方、切削加工を行って使用する鋳鉄部
品、例えばシリンダヘッド16の改質対象となる部位
(弁間部など)17に、所定の深さの凹部18を形成す
ると共に、その周囲に、切削加工面19よりも深く、か
つ凹部18よりも浅い窪み部20を形成する。これらは
鋳造時に適宜な型によって同時に成形してもよく、鋳造
後に加工してもよい。
【0015】次に図4に示すように、MIG溶接機21
に前工程で製造した溶接ワイヤ15をセットし、この溶
接ワイヤ15を消耗電極として肉盛り溶接を行う。この
ときの溶接対象は、図中破線で示した凹部18の範囲と
する。
【0016】このように肉盛り溶接を行うと、図5に示
すように低融点成分であるCu成分22が凹部18の上
方に融出し、さらに図中矢印にて示したように、窪み部
20へと溶出する。
【0017】これで図6に示すように、上部にCuに富
む層22を有した溶着金属層23が形成され、Cuに富
む層22は、窪み部20の底面ないし周側縁に立脚する
ように分布する。そして白銑(チル)及びマルテンサイ
ト層で成る融合線部24は、溶着金属層23と母材(鋳
鉄)25との間に生成される。
【0018】従って図7に示すように、肉盛り溶接終了
後に切削加工を行うと、Cuに富む層22の大部分は取
り除かれ、加工表面にはCuに富む層22の一部と、C
u成分が点在したCrで成る溶着金属層23のみが露出
する。
【0019】このように、Cr核粒子12にCu被覆粒
子13で被覆させたカプセル粒子11をCu製の鞘材1
4に充填させて溶接ワイヤ15を形成しておき、シリン
ダヘッド16の改質対象の部位17に凹部18及び窪み
部20を形成し、カプセル粒子11入りの溶接ワイヤ1
5を使用して肉盛り溶接して溶着金属層23を形成する
ようにしたので、窪み部20の周縁における切削加工面
19のレベルには、鋳鉄となじみ性がよいCuに富む層
22が分布するようになり、融合線部24は切削加工面
19よりも下方に位置される。すなわち、切削が困難に
なることがないと共に、融合線部24が加工後の表面に
露出することがなくなり、耐熱強度を低下させることな
く、Cr成分が添加された任意の深さの溶着金属層23
が得られ、所望する改質が簡易に実現する。
【0020】またカプセル粒子11を溶接ワイヤ15に
使用したことで、Cr粒子を単独で盛り金した場合の溶
着金属における割れなどの溶接欠陥の発生を未然に防ぐ
ことができる。
【0021】なお耐熱金属としてはCrの他、Mo,N
i,Coなどが使用できる。
【0022】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0023】耐熱金属の核粒子にCu粒子を被覆させた
カプセル粒子をCu製の鞘材に充填させて溶接ワイヤを
形成しておき、鋳鉄部品の改質対象の部位に凹部を形成
すると共に所定深さの窪み部を形成した後、凹部にその
溶接ワイヤを使用して肉盛り溶接し、Cuに富む成分を
記窪み部に溶出させて溶着金属層を形成するようにした
ので、溶着金属層と母材との間に生成する融合線部は、
切削加工面よりも下に位置され、切削加工性の低下及び
耐熱強度の低下が防止されて、所望の改質が簡易に実現
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる鋳鉄部品の表面改質方法の一実
施例を説明するためのカプセル粒子の断面図である。
【図2】図1の次の工程を示した斜視図である。
【図3】図2の次の工程を示した断面図である。
【図4】図3の次の工程を示した断面図である。
【図5】図4の次の工程を示した断面図である。
【図6】図5の次の工程を示した断面図である。
【図7】図6の次の工程を示した断面図である。
【図8】従来の鋳鉄部品の表面改質方法における課題を
説明するための断面図である。
【符号の説明】
11 カプセル粒子 12 核粒子 13 被覆粒子 14 鞘材 15 溶接ワイヤ 16 シリンダヘッド 17 改質対象の部位 18 凹部 19 切削加工面 20 窪み部 22 Cuに富む層 23 溶着金属層
フロントページの続き (72)発明者 松並 裕司 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−135091(JP,A) 特開 平3−146283(JP,A) 特開 昭56−65340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/04 F02F 1/24 F02F 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド等の切削加工を行って使
    用する鋳鉄部品の表面を改質するに際して、耐熱金属の
    核粒子にCu粒子を被覆させたカプセル粒子をCu製の
    鞘材に充填させて溶接ワイヤを形成しておき、上記鋳鉄
    部品の改質対象の部位に凹部を形成すると共に該凹部の
    周囲に上記切削加工面よりも深く上記凹部よりも浅い窪
    み部を形成した後、上記凹部に上記溶接ワイヤを使用し
    て肉盛り溶接し、Cuに富む成分を上記窪み部に溶出さ
    せて溶着金属層を形成することを特徴とする鋳鉄部品の
    表面改質方法。
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