JP3147273B2 - 液晶光変調素子 - Google Patents

液晶光変調素子

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JP3147273B2
JP3147273B2 JP09508594A JP9508594A JP3147273B2 JP 3147273 B2 JP3147273 B2 JP 3147273B2 JP 09508594 A JP09508594 A JP 09508594A JP 9508594 A JP9508594 A JP 9508594A JP 3147273 B2 JP3147273 B2 JP 3147273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は、液晶光変調素子に関し、
さらに詳しくは、光路の高速切り替えに用いられる光ス
イッチ素子、および光路の高速な開閉が行なえるような
光シャッター素子として好適な液晶光変調素子に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】光通信、立体画像表示などの技術
分野では、光路の切り替え、および光路の開閉が高速に
行なえるような光変調素子が望まれている。
【0003】まず、光通信分野で用いられる本発明に係
る光スイッチ素子の技術的背景について説明すると、下
記の通りである。光通信分野では光スイッチ素子は光フ
ァイバや薄膜導波路等の光伝送路を伝搬する光信号のオ
ン・オフや光伝送方向の切り替えに使用されている。
【0004】従来、光通信分野では、光ファイバを機械
的に移動させて光ファイバ間の結合部を切り替える方式
あるいはプリズム、ミラー、レンズなどの光学部品を移
動させて光路を切り替える方式などの機械式光スイッチ
が用いられている。
【0005】しかしながら、このような機械式光スイッ
チは、スイッチング時間が数msと遅く、さらに駆動部
に由来する耐摩耗性に課題があるため、装置の信頼性が
劣るという問題点がある。
【0006】このため最近では、これら機械式光スイッ
チに代えて電気光学効果(EO)、音響光学効果(A
O)、磁気光学効果(MO)などを利用して光路を切り
替える非機械式光スイッチを用いることが提案されてい
る。
【0007】たとえば、このような非機械式光スイッチ
としては、ネマティック液晶のEO効果を利用した光ス
イッチ(R.E.Wagner & J.Cheng:Applied Physics,Vol.1
9,2921(1980))などが挙げられる。
【0008】図16(a)、(b)には、それぞれ光
(2)の出力方向が異なる同一の前記R.E.Wagnerによっ
て提案された液晶光スイッチ素子(1’)が示されてい
る。この液晶光スイッチ素子(1’)では、液晶セル
(11’)の前後に偏光ビームスプリッター(31、3
1)と全反射ミラー(3、3)とが配置され、液晶セル
(11’)に電圧信号入力手段(図示せず)が接続され
ている。
【0009】液晶セル(11’)の中には、ネマティッ
ク液晶が封入されており、液晶セル(11’)に電圧が
印加されていない場合には、液晶セル(11’)を透過
する光(2)の偏光方向が90°変化するようになって
いる。
【0010】この図16(a)、(b)に示された光ス
イッチ素子(1’)では、レーザー等から出射した入射
光は、先ず光入射側の偏光ビームスプリッター(31)
により垂直偏光(↑)と水平偏光(●)とに分けられ
る。次いで、水平偏光光(●)は、光入射側の全反射ミ
ラー(3)で直角に反射されて、液晶セル(11’)を
透過する。一方、垂直偏光光(↑)は、液晶セルを透過
後、光出射側の全反射ミラー(3)で直角に反射され
る。
【0011】液晶セル(11’)に電圧が印加されてい
ない場合(図16(a))には、液晶セル(11’)を
透過した入射光は水平偏光成分(●)および垂直偏光成
分(↑)と共に液晶層の配向のねじれに沿って偏光面が
90度回転し、光出射側の偏光ビームスプリッター(3
1)を経て垂直偏光成分(↑)と水平偏光成分(●)と
がともに出力A(出力強度IA)となる。一方、液晶セ
ル(11’)に電圧が印加されている場合(図16
(b))には、ネマティック液晶分子は基板に垂直方向
に配列しており、液晶セル(11’)で入射光の偏光は
変化を受けずに透過する。このときの透過光は光出射側
の偏光ビームスプリッター(31)を介して出力B(出
力強度IB)となる。
【0012】以上のように光スイッチ素子(1’)で
は、液晶セル(11’)に電圧が印加されていない場合
と、液晶セル(11’)に電圧を印加して液晶セル(1
1’)に封入されているネマティック液晶分子の配向状
態を変化させた場合とでは液晶セル(11’)を透過す
る光の偏光面が互いに90°異なり、この液晶セルを透
過する光の偏光面の差異を利用して、光路の切り替え、
すなわち光スイッチが行なわれる。
【0013】この際、液晶セル(11’)に電圧を印加
して液晶セル(11’)に封入されているネマティック
液晶分子の配向状態を変化させた場合には、理想的には
前記出力方向Bに光ビーム(2)と同一強度の光が光出
射側の偏光ビームスプリッター(31)から出射される
が、実際には前記出力方向Aに光漏れが生じる。
【0014】同様に、液晶セル(11’)に電圧が印加
されていない場合にも光出射側の偏光ビームスプリッタ
ー(31)から前記出力方向Bに光漏れが生じ、光出射
側の偏光ビームスプリッター(31)から光強度IAを
有する光が出力方向Aに出射され、光強度IBを有する
光が出力方向Bに出射される。
【0015】光スイッチ性能を示すクロストーク値CR
は、この電圧を印加しない場合の出力光強度IA(off)
とIB(off) の比を用いて、 CR=10×log10〔IB(off) /IA(off) 〕 (1) で表わされる。
【0016】ところで従来用いられている機械式光路切
り替え式の光スイッチは、スイッチング時間が数m秒と
遅く、また機械式のため稼働部があることから、耐摩耗
性に課題があり、素子としての信頼性に劣るという問題
点がある。一方、上記のようなネマティック液晶の電気
光学効果を利用した光スイッチ素子は、ネマティック液
晶に電圧を印加するか否かによって作動し、機械的稼働
部がなく、長時間の使用に耐えることができるが、光ス
イッチ素子(1’)では液晶セル(11’)中の液晶層
がネマティック液晶で形成されているため、スイッチン
グ時間が数m秒と遅いという問題点がある。
【0017】以上、光通信分野で光路の切り替えに用い
られる光スイッチ素子について説明したが、光路の開閉
によって光伝送路を伝搬する光信号のオン・オフに用い
られる光スイッチ素子に適用した場合でも、上記のよう
なネマティック液晶光スイッチ素子ではスイッチング時
間が数m秒と遅いという問題点がある。
【0018】したがって、現在、光通信分野では、光路
の切り替え、および光路の開閉が高速に行なえるような
光スイッチ素子が望まれている。次いで立体画像表示分
野で用いられる光シャッター素子の技術的背景について
説明する。
【0019】従来より、時分割方式でCRT、液晶表示
パネルなどの表示画面に左右それぞれの眼で観察される
画像を形成し、走査フィールド毎に交互に切り替える光
シャッターを用い、この際、この光シャッターの開閉を
前記画像の切り替え周期と同期させて行ない、時分割的
に立体画像を観察させる立体画像の表示方法が知られて
いる。
【0020】この時分割的に立体画像を観察させる方式
としては、 α)観察者の両眼と表示画面との間に、たとえば、レン
ズの代わりに光シャッターを用いた眼鏡のようにそれぞ
れ光シャッターを配置する方式、 β)観察者が光シャッターを通して表示画面が観察でき
るように表示画面と観察者との間に透過光の偏光方向を
交互に切り替える光シャッターを配置し、この光シャッ
ターの操作により、たとえば水平偏光光と垂直偏光光と
で交互に表示画面が観察できるようにすると同時に、そ
れぞれ偏光方向の異なる光、たとえば水平偏光光と垂直
偏光光とが透過する偏光レンズを用いた眼鏡を装着する
方式が用いられている。
【0021】このような立体画像の表示方法で用いるこ
とができる光シャッターとしては、上記のような方式の
違いに応じて、適宜、上述したような機械式光シャッタ
ー、非機械式光シャッターを用いることができるが、上
記α)、β)のいずれの方式にも適用できる点、低電
圧、低消費電力で駆動できる点などからネマティック液
晶を用いた液晶セルを利用した光シャッターが注目され
ている。
【0022】しかしながら、立体画像を表示する際に
は、30m秒程度の周期で左右それぞれの眼で観察され
る画像を切り替える必要があり、この画像の切り替え周
期と同期して光シャッターの開閉を行なうためには、光
シャッターを開閉する際の応答時間を1m秒程度かそれ
以下にする必要がある。
【0023】さらに、高品位の立体画像を得るために
は、表示画像を良好に見ることができる角度範囲(以
下、視野角という)がCRT並に広いことが必要であ
る。このような点から上記のようなネマティック液晶層
を有する液晶セルを用いた光シャッターでは、光シャッ
ターを開閉する際、すなわち光路の開閉する際の応答時
間が数m秒から数十m秒と遅く、この応答時間の短縮は
困難であるのが現状である。さらに、ネマティック液晶
層を有する液晶セルを用いた光シャッターでは、視野角
が狭いという問題点がある。
【0024】以上のように光通信、立体画像表示などの
技術分野では、光路の切り替え、および光路の開閉が高
速に行なえるような光変調素子が望まれている。
【0025】
【発明の目的】本発明は、上記事情に鑑みてなされたも
のであって、カイラルスメクティック液晶、特に反強誘
電性液晶または強誘電性液晶を用いて、光路の切り替
え、および該光路を伝搬する光信号のオン・オフが高速
に行なえるような液晶光変調素子および視野角が広く、
高速に入射光の偏光面を略90°回転できるような液晶
光変調素子を提供することを目的としている。
【0026】
【発明の概要】本発明に係る液晶光変調素子は、1〜複
数個の液晶セルで構成された液晶素子と、前記液晶素子
に電気的に接続された電圧信号入力手段とを備え、前記
液晶素子を構成する液晶セルは、それぞれ一対の透明基
板を有し、前記それぞれの透明基板上に透明電極と透明
な配向制御膜とがこの順序で積層され、前記それぞれの
透明電極は、前記電圧信号入力手段と電気的に接続さ
れ、これにより前記液晶素子と前記電圧信号入力手段と
が電気的に接続されており、前記配向制御膜間は、一定
間隔で離間しており、かつ前記配向制御膜間にはカイラ
ルスメクティック液晶層が挟持され、前記液晶素子は、
前記電圧信号入力手段から所定の電圧信号を入力される
と直線偏光した単色光が前記液晶素子を透過する際に該
光の偏光方向が略90°変化する液晶素子であることを
特徴としている。
【0027】前記カイラルスメクティック液晶層が反強
誘電性液晶層である場合、この反強誘電性液晶層は、チ
ルト角21°〜24°または42°〜48°を示す液晶
分子で形成されていることが好ましい。
【0028】また、カイラルスメクティック液晶層が強
誘電性液晶層である場合、この強誘電性液晶層は、チル
ト角21°〜24°を示す液晶分子で形成されているこ
とが好ましい。
【0029】さらに、前記液晶素子に入射する光の波長
λが0.8μm以上の大きさである場合、カイラルスメ
クティック液晶層の膜厚d(但し、前記液晶素子が複数
層のカイラルスメクティック液晶層を含む場合、これら
の層の合計膜厚)は3〜9μmの範囲にあることが好ま
しい。また、前記波長λが0.4〜0.7μmである場
合、前記膜厚dは1.5〜4μmであることが好まし
い。
【0030】また、本発明に係る液晶光変調素子では、
前記液晶素子の光入出射側の少なくともいずれか一方に
偏光制御手段を設けることができる。
【0031】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る液晶光変調素
子について、図面を用いて具体的に説明する。
【0032】図1に、本発明に係る液晶光変調素子の第
1の態様を示す。この液晶光変調素子(1)は、液晶素
子(10)と、この液晶素子(10)と電気的に接続さ
れた電圧信号入力手段(20)とで構成されている。
【0033】図2に、本発明に係る液晶光変調素子の第
2の態様を示す。この液晶光変調素子(1)は、液晶素
子(10)と、この液晶素子(10)と電気的に接続さ
れた電圧信号入力手段(20)とを備え、光(2)が液
晶素子(10)に入射する側には液晶素子(10)と並
列して偏光制御手段(30)が設けられいる。
【0034】図3に、本発明に係る液晶光変調素子の第
3の態様を示す。この液晶光変調素子(1)は、液晶素
子(10)と、この液晶素子(10)と電気的に接続さ
れた電圧信号入力手段(20)とを備え、光(2)が液
晶素子(10)から出射する側に液晶素子(10)と並
列して偏光制御手段(30)が設けられている。
【0035】図4に、本発明に係る液晶光変調素子の第
4の態様を示す。この液晶光変調素子(1)は、液晶素
子(10)と、この液晶素子(10)と電気的に接続さ
れた電圧信号入力手段(20)とを備え、光(2)が液
晶素子(10)に入射する側と、光(2)が液晶素子
(10)から出射する側との両側に液晶素子(10)と
並列して偏光制御手段(30)が設けられている。
【0036】以上のように、本発明に係る液晶光変調素
子(1)は、液晶素子(10)と電圧信号入力手段(2
0)とを備え、必要に応じて液晶素子(10)の光入出
射側の少なくとも一方に偏光制御手段(30)が設けら
れている。
【0037】本発明に係る液晶光変調素子(1)では、
液晶素子(10)は、単一の液晶セルで構成されていて
もよく、図5に示すように複数の液晶セルで構成されて
いてもよい。
【0038】図5は、図1に示された液晶光変調素子
(1)において、液晶素子(10)が3個の液晶セル
(11)で構成され、これらの液晶セル(11、11、
11)に順次光が透過するように、それぞれの液晶セル
(11)が並列して配置されていることを示している。
これらの液晶セル(11、11、11)は、互いに離間
していてもよく、また透明な接着剤で相互に接合されて
いてもよい。各液晶セル(11)の基板(図示せず)表
面には反射防止膜が形成されてることが好ましく、ま
た、前記接着剤は液晶セル(11)の前記基板と屈折率
がほぼ等しいことが好ましい。このような反射防止膜が
前記基板の表面に形成されている場合、あるいは前記接
着剤の屈折率が前記基板の屈折率とほぼ等しい場合に
は、前記基板表面で生じる光反射が防止され、液晶素子
(10)への入射光がそれぞれの液晶セル(11)を透
過する際に生じる光量の損失が少なくなる。
【0039】これらの液晶セル(11、11、11)
は、通常、いずれも図6に示すようにそれぞれ一対のガ
ラスまたは樹脂などで形成された透明基板(11a、1
1a)を有し、それぞれの透明基板(11a)上に透明
電極(11b)と透明な配向制御膜(11c)とがこの
順序で液晶セルの内側に向かって積層されている。
【0040】この配向制御膜(11c)は、所定の方向
にラビングされたポリイミドなどの樹脂膜、例えばエッ
チング法で形成された数百〜数万オングストローム幅の
微細な平行溝が所定の方向に多数形成されている樹脂
膜、斜蒸着法でえられたSiO、SiO2 などの無機膜
から選ばれる一種で構成されている。
【0041】これらの配向制御膜(11c、11c)間
にはカイラルスメクティック液晶層(11d)が挟持さ
れ、また、両透明基板(11a、11a)の周縁部は、
配向制御膜(11c、11c)間は一定間隔で離間させ
るために例えばスペーサー粒子(11e)を介してエポ
キシ樹脂などの接着剤を用いて接着され、この接着剤硬
化物によって液晶セル(11)中に略一定膜厚のカイラ
ルスメクティック液晶層(11d)が密閉されている。
【0042】また、以上に示した複数の液晶セル(1
1、11、11)で構成された液晶素子(10)の代わ
りに図6に示すような単一の液晶セル(11)で構成さ
れた液晶素子(10)を用いてもよい。
【0043】図7に示す液晶セル(11)では、図6に
示す液晶セル(11)の前記配向制御膜(11c、11
c)間に2枚の透明基板(11a’、11a”)が一定
間隔で離間して配置されている。
【0044】また、透明基板(11a’)の両面には、
透明電極(11b’、11b’)と透明な配向制御膜
(11c’、11c’)とがこの順序で積層されてい
る。同様に、透明基板(11a”)の両面には、透明電
極(11b”、11b”)と透明な配向制御膜(11
c”、11c”)とがこの順序で積層されている。
【0045】さらに配向制御膜(11c、11c’)
間、配向制御膜(11c’、11c”)間および配向制
御膜(11c”、11c)間は、それぞれ図6に示す液
晶セル(11)と同様、たとえばスペーサー粒子(11
e)によって一定間隔で離間しており、これらの配向制
御膜(11c、11c’)間、配向制御膜(11c’、
11c”)間、配向制御膜(11c”、11c)間には
カイラルスメクティック液晶層(11d)が挟持されて
いる。
【0046】液晶セル(11)の透明基板(11a、1
1a)周縁部は、図6に示す液晶セル(11)と同様、
例えばスペーサー粒子(11e)を含むエポキシ樹脂な
どの接着剤を用いて接着され、この接着剤硬化物によっ
て液晶セル(11)中に略一定膜厚のカイラルスメクテ
ィック液晶層(11d)が密閉されている。
【0047】図8は、複数のカイラルスメクティック液
晶層(11d)の両側に配置されているそれぞれの透明
電極対(11b、11b)に同一の電圧信号が入力でき
るように液晶素子(10)と電圧信号入力手段(20)
とが電気的に接続されている様子を示している。
【0048】この図8に示されているように電圧信号入
力手段(20)と電気的に接続された液晶素子(1
0)、すなわち、図5に示す複数の液晶セル(11)お
よび図7に示す液晶セル(11)で構成された液晶素子
(10)は、次のような場合に有利である。
【0049】カイラルスメクティック液晶層(11d)
の膜厚が3μm以上になると、配向制御膜(11c)、
(11c’)または(11c”)の配向規制力がカイラ
ルスメクティック液晶層(11d)内部にまで及ばず、
カイラルスメクティック液晶層(11d)内部の液晶配
向性が不充分になることがある。
【0050】このように液晶素子(10)内部に含まれ
ている液晶層が配向性に劣ると、液晶素子(10)の光
出力側で漏れ光強度が大きくなり、液晶光変調素子
(1)で充分な光変調が行なえなくなる。
【0051】特に光通信分野で用いられている0.8μ
m以上の波長を有する半導体レーザー光の光スイッチン
グを行なう場合には、後述するようにカイラルスメクテ
ィック液晶層(11d)の膜厚を3〜9μmの範囲に設
定することが望ましい。
【0052】このような場合に、図5に示す複数の液晶
セル(11)および図7に示す液晶セル(11)で構成
された液晶素子(10)は、液晶素子(10)内部に複
数層のカイラルスメクティック液晶層(11d)が含ま
れているので、各層の膜厚を1〜3μmの範囲に設定
し、これらの層の合計膜厚を所望の3〜9μm範囲に設
定することができる。このようにすれば、液晶素子(1
0)中のカイラルスメクティック液晶層(11d)の配
向性を充分に高めることができるので、充分な光遮断が
行なえるような優れた液晶光変調素子(1)が得られ
る。
【0053】上記のようにカイラルスメクティック液晶
層(11d)は液晶層の厚みが3μm以上の場合には配
向制御が難しいという難点があるものの、液晶素子(1
0)内部にカイラルスメクティック液晶層(11d)を
複数層、たとえば2〜4層並列させることにより解決で
きる。
【0054】このようなカイラルスメクティック液晶層
(11d)の配向性に関する問題が解決されれば、カイ
ラルスメクティック液晶層(11d)、特に反強誘電性
液晶層または強誘電性液晶層の電気光学効果を利用した
本発明に係る液晶光変調素子(1)は、従来のネマティ
ック液晶光変調素子に比較して光スイッチング時間は約
1/1000程度に短縮できる点で有利である。
【0055】本発明に係る液晶光変調素子(1)の液晶
セル(11)に用いられるカイラルスメクティック液晶
層(11d)は、強誘電性液晶層、反強誘電性液晶層の
どちらであっても差し支えないが、均一な配向性が得易
く、液晶セル(11)の外部からの衝撃によっても配向
が乱れにくく、高いコントラストが得られるという点で
反強誘電性液晶層であることが好ましい。
【0056】反強誘電性液晶は、たとえばチャンダニら
による論文(Jpn.J.Appl.Phys.28,L1261,1989 年)に詳
しく説明されている。反強誘電性液晶は、図9(a)に
示すように、電圧を印加しない状態では、スメクティッ
ク液晶の分子層の一層おきに自発分極が反対方向を向い
ており反強誘電状態にある。そして電圧を印加すると、
印加電界(E)と自発分極との間に強い相互作用が働
き、電界方向に自発分極が高速に配向する。このような
反強誘電性液晶は、一般にネマティック液晶の場合と比
較して電界からのトルクは約1000倍の大きさがある
ため、応答時間も約1/1000と大幅な短縮が可能と
なる。図9(b)には、典型的な反強誘電性液晶の透過
光量と電圧(三角波)の関係を示してある。
【0057】本発明では、電圧信号入力手段(20)か
ら所定の電圧信号を入力すると、カイラルスメクティッ
ク液晶、特に反強誘電性液晶や強誘電性液晶を用いた液
晶素子(10)中を光(2)が透過する過程でこの光
(2)の偏光方向が略90°変化する液晶素子(10)
が用いられている。
【0058】このような液晶素子(10)は、例えば次
のようにして得られる。まず、液晶素子(10)が単一
の図6に示す液晶セル(11)で構成され、かつ液晶セ
ル(11)中のカイラルスメクティック液晶層(11
d)が反強誘電性液晶層である場合について述べる。
【0059】所定の電圧として図9(b)に示された+
0 (on)ボルト以上の正極性の電圧、例えば+Vボルト
を透明電極(11b、11b)間に印加すると、液晶セ
ル(11)中の反強誘電性液晶層(11d)を形成して
いる液晶分子がスメクティック液晶分子層面に対する法
線から角度θ(以下、チルト角θという)だけ傾き、透
明電極(11b、11b)間に印加されている電圧Vが
0〜+V0 (off) ボルト未満の場合に比較して反強誘電
性液晶層(11d)の偏光性が変化し、この結果、上述
したネマティック液晶の場合とは異なり、入射光は楕円
偏光、円偏光そして直線偏光と様々に偏光状態を変化し
ながら液晶セル(11)を透過する。
【0060】この反強誘電性液晶層(11d)を有する
液晶セルの透過光の偏光状態を理論的に解析した結果、
下記式(2)と(3)とを同時に満足する場合には液晶
セル(11)の透過光が直線偏光となり、しかも偏光方
向が入射偏光に対して直交し偏光面が90度回転するこ
とを見出した。
【0061】 (ne−no)・d/λ=1/2 (2) tan2(Ω)=ne(no+ng)2/(no(ne+ng)2) (3) 〔式中、neはカイラルスメクティック液晶層(反強誘
電性液晶層を含む)の異常光線に対する屈折率、noは
同層の常光線に対する屈折率、ngはガラス基板の屈折
率、dはカイラルスメクティック液晶層(反強誘電性液
晶層を含む)の厚み、Ωは電圧印加によって液晶分子が
傾く角度であり(上記反強誘電性液晶層(11d)を含
む液晶セル(11)に電圧を印加した場合にはチルト角
θに等しい)、λは液晶セルに入射する光の波長であ
る。〕 たとえば光通信分野では、最近、波長0.8μm以上、
特に波長1.31μmと波長1.55μmの光をそれぞ
れ発する半導体レーザーが光源として用いられている。
本発明に係る液晶光スイッチ素子(1)で波長0.8μ
m以上の入射光の偏光方向を略90°変化させる場合に
は、上記式(2)から反強誘電性液晶層(11d)の厚
みが3〜9μmであることが好ましく、上記式(3)か
ら前記チルト角θが下記式: 42°≦ θ ≦48° (4) を満足することが好ましい。
【0062】また、立体画像表示の分野では、可視光
(0.4〜0.7μm)の光を変調する必要がある。本
発明に係る液晶光変調素子(1)で波長0.4〜0.7
μmの光を変調する場合には、上記式(2)から反強誘
電性液晶層(11d)の厚みは1.5〜4μmであるこ
とが好ましく、前記チルト角θは上記式(4)を満足す
ることが好ましい。
【0063】上記図5に示された液晶素子(10)のよ
うに液晶素子(10)が複数個の液晶セル(11)で構
成されている場合、あるいは液晶素子(10)が単一の
液晶セル(11)で構成されてはいるものの、図7に示
された液晶セル(11)のように液晶セル(11)が複
数層の反強誘電性液晶層(11d)を有する場合、これ
ら液晶素子(10)に含まれる複数の反強誘電性液晶層
(11d)の合計膜厚が上記式(2)で示される値とな
るように、各反強誘電性液晶層(11d)の厚みを調整
することが望ましい。
【0064】次に、所定の電圧として図9(b)に示さ
れた閾値+V0 (on)ボルト以上の電圧、例えば+Vボル
トを透明電極(11b、11b)間に印加し、次いで−
0(on)ボルト以下の電圧、例えば−Vボルトを透明電
極(11b、11b)間に印加して液晶素子(10)中
を通過する光(2)の偏光方向を略90°変化させるた
めには、次のようにするとよい。
【0065】上記のように透明電極(11b、11b)
間に0〜+V0 (off) ボルト未満の電圧が印加されてい
る状態から+Vボルトの電圧を印加した場合には、液晶
セル(11)中の反強誘電性液晶層(11d)を形成し
ている液晶分子がチルト角θだけ傾く。したがって透明
電極(11b、11b)間の印加電圧を+Vボルトから
−Vボルトに変化させると、液晶分子長軸方向の傾きΩ
は2θ変化する。
【0066】したがって、このようにして液晶素子(1
0)中を通過する光(2)の偏光方向を略90°変化さ
せるに必要なチルト角θは上記式(4)の1/2となる
ことから下記式: 21°≦ θ ≦24° (5) を満足することが望ましく、反強誘電性液晶層(11
d)の厚みは、前記と同様、式(2)で定まる値を有す
ることが望ましい。
【0067】したがって、このようにして液晶素子(1
0)中を通過する光(2)の偏光方向を略90°変化さ
せる場合にも、前記と同様に、本発明に係る液晶光変調
素子(1)で波長0.8μm以上の光を変調する場合、
反強誘電性液晶層(11d)の厚みは3〜9μmの範囲
にあることが好ましく、また波長0.4〜0.7μmの
光を変調する場合、反強誘電性液晶層(11d)の厚み
は1.5〜4μmであることが好ましい。
【0068】上述したように液晶透過光の偏光面が90
度回転する条件である上記式(2)と上記式(3)を満
足するように反強誘電性液晶層(11d)の厚みを設定
し、かつチルト角が上記式(4)または(5)で与えら
れる反強誘電性液晶を使用することにより、反強誘電性
液晶の高速性を生かしたクロストークの小さい液晶光変
調素子が得られる。
【0069】また本発明では、強誘電性液晶を用いて、
前記反誘電性液晶光変調素子の場合と同様にして液晶光
変調素子を作製することもできる。強誘電性液晶は、た
とえば特公昭63−22287号公報で詳しく説明され
ている。強誘電性液晶13は図10aと図10bに示す
ように電圧を印加しない状態では、スメクティック液晶
分子層の各層の自発分極が同方向を向いており、強誘電
状態にある。
【0070】そして電圧を印加すると、印加電界(E)
と自発分極との間に強い相互作用が働き、電界方向に自
発分極が高速配向し、電界切断後もその状態を保持す
る。したがって強誘電性液晶は、印加電界の方向に応じ
て2つの安定な状態を有する。
【0071】強誘電性液晶の入射光偏光面の90度回転
機能は、反強誘電性液晶の場合と同様である。液晶に印
加する電圧がオフの場合に、予め液晶光軸(一つの安定
状態での分子長軸方向)と入射光の偏光方向とが同方向
となるように、配向膜を上述した方法で形成して、強誘
電性液晶を配向させる。このような配向された強誘電性
液晶に電圧を印加しない状態では、入射光の偏光状態は
変化を受けずに液晶セルを透過する。一方適当な極性の
電圧を印加した場合には、液晶分子は2θだけ傾く。し
たがって、入射光は楕円偏光、円偏光そして直線偏光と
様々に偏光状態を変化しながら液晶セルを透過する。
【0072】液晶セル中の透過光の偏光状態を、強誘電
性液晶について詳しく説明すると、液晶セルの透過光が
直線偏光となり、しかも偏光方向が入射偏光に対して直
交し、偏光面の90度回転が実現する条件は、上記
(2)式と上記式(5)とを同時に満足することで達成
される。
【0073】本発明に係る液晶光変調素子(1)では、
必要に応じて液晶素子(10)の光入出射側の少なくと
も一方に偏光制御手段(30)を設けてもよい。このう
ち、光入射側偏光制御手段(30)としては、液晶素子
(10)に入射する光を特定の直線偏光光に変換する偏
光制御手段が用いられ、具体的には偏光ビームスプリッ
ター、直線偏光板などが挙げられる。このうち、偏光ビ
ームスプリッターとは、所定の偏光方向を有する偏光入
射光を該入射光の光路に沿って出射し、前記偏光入射光
と偏光方向が直交する偏光入射光を該入射光の光路と直
交する方向に出射する偏光制御手段を意味する。
【0074】また、光出射側偏光制御手段(30)とし
ては、液晶光変調素子(1)の目的・用途に応じて次の
ような偏光制御手段が用いられる。 a)液晶素子(10)から出射されてきた偏光光の偏光
方向が略90°変化しているか否かに応じて、出力光の
光路を液晶素子(10)への入射光の光路と同方向の光
路、または該入射光の光路と直交する方向の光路に切り
替える偏光制御手段、たとえば偏光ビームスプリッタ
ー、 b)液晶素子(10)から出射されてきた偏光光の偏光
方向が略90°変化しているか否かに応じて、どちらか
一方の偏光光を遮断し、他方の偏光光を透過する偏光制
御手段、たとえば直線偏光板など、 c)液晶素子(10)から出射されてきた偏光光の偏光
方向が略90°変化しているか否かに応じて、どちらか
一方の偏光光を右旋性の円偏光に変換し、他方の偏光光
を左旋性の円偏光に変換する偏光制御手段、たとえば1
/4波長板など。
【0075】なお、1/4波長板を用いて右旋性または
左旋性の円偏光を液晶光変調素子(1)から選択的に出
力したい場合には、この1/4波長板は、通常、液晶素
子(10)への入射光の進行方向のまわりに+45°ま
たは−45°光軸を回転させて配置される(図13には
便宜的に入射光の偏光面に対して45°光軸を傾斜させ
て描いてある。)。
【0076】本発明では、これらの偏光制御手段を単独
で、あるいは組み合わせて用いることにより、光路の切
り替え、およびこの光路を伝搬する光信号のオン・オフ
が高速に行なえる。
【0077】たとえば図11(a)、(b)に示すよう
に、図16(a)、(b)に示す従来のネマティック液
晶を用いた液晶光スイッチ素子(1’)に代えて本発明
に係るカイラルスメクティック液晶光変調素子(1)、
特に反強誘電性液晶光変調素子または強誘電性液晶光変
調素子を用いた場合には、ネマティック液晶光スイッチ
素子(1’)に比較してクロストークが小さく、しかも
1m秒以下の高速で液晶光スイッチ素子(1’)と同様
の光路の切り替えが可能となる。
【0078】この図11(a)、(b)に示された液晶
光変調素子(1)は、前記図4に示された本発明に係る
液晶光変調素子の第4の態様の一例である。また、図1
2(a)、(b)に示すように、液晶素子(10)の入
出射側に2枚の直線偏光板(32、32)をそれぞれの
偏光方向が直交するように配置すると、液晶素子(1
0)に電圧信号が入力されている場合(図12(a))
には水平偏光光(●)が出力され、液晶素子(10)に
電圧信号が入力されていない場合(図12(b))には
光が出力されないようにすることができる。
【0079】図12(a)は、水平偏光光(●)と垂直
偏光光(↑)とを含む光(3)が液晶素子(10)の入
射側直線偏光板(32)で垂直偏光光(↑)のみに変わ
り、次いで、この垂直偏光光(↑)が液晶素子(10)
を透過する過程で水平偏光光(●)に変わり、この水平
偏光光(●)が出射側直線偏光板(32)を通して出力
されている様子を示している。
【0080】また、図12(b)は、図12(a)と同
様にして垂直偏光光(↑)が液晶素子(10)に入射す
るが、この垂直偏光光(↑)は液晶素子(10)によっ
て水平偏光光(●)に変換されることなく液晶素子(1
0)を透過し、この垂直偏光光(↑)が出射側直線偏光
板(32)で遮断されている様子を示している。
【0081】上記入射側直線偏光板(32)と、液晶素
子(10)と、電圧信号入力手段(20)とで図2に示
された液晶光変調素子(1)を構成し、液晶光変調素子
(1)を通して観察者が表示画面を観察できるように液
晶光変調素子(1)を表示画面の前面に配置し、時分割
的に表示画面に左右両眼に対応した画像を交互に表示す
るとともに液晶光変調素子(1)を表示画面に同期して
オン・オフし、かつ観察者がたとえば右眼に入射側直線
偏光板(32)の偏光と偏光方向が互いに直交するレン
ズを装着し、左眼に入射側直線偏光板(32)の偏光方
向が同方向のレンズを装着して観察者が表示画像を観察
すれば、ちらつきのない立体画像が観察できるので、こ
の構成の液晶光変調素子(1)は、前記図2に示された
本発明に係る液晶光スイッチ素子の第2の態様の一例で
ある。
【0082】また、図13(a)、(b)に示すように
液晶素子(10)の入射側に直線偏光板(32)を配置
し、液晶素子(10)の出射側に1/4波長板(33)
を上記のようにして液晶素子(10)への入射光の進行
方向のまわりに+45°あるいは−45°光軸を回転さ
せて配置すると、液晶素子(10)に電圧信号が入力さ
れていない場合には左旋円偏光が出力され、液晶素子
(10)に電圧信号が入力されていない場合には右旋円
偏光が出力されるようにすることができる。
【0083】図13(a)は、液晶素子(10)から出
射した水平偏光光(●)が、1/4波長板(33)を通
して左旋円偏光として出力されている様子を示してい
る。また、図13(b)は、液晶素子(10)から出射
した垂直偏光光(↑)が、1/4波長板(33)を通し
て右旋円偏光として出力されている様子を示している。
【0084】上記入射側直線偏光板(32)と、液晶素
子(10)と、電圧信号入力手段(20)と、1/4波
長板(33)とで液晶光変調素子(1)を構成し、液晶
光変調素子(1)を通して観察者が表示画面を観察でき
るように液晶光変調素子(1)を表示画面の前面に配置
し、時分割的に表示画面に左右両眼に対応した画像を交
互に表示するとともに液晶光変調素子(1)を表示画面
に同期してオン・オフし、かつ観察者がたとえば右眼に
左旋円偏光のみを透過する円偏光フィルターを装着し、
左眼に右旋円偏光のみを透過する円偏光フィルター装着
して観察者が表示画面を観察すれば、ちらつきのない立
体画像が観察できる。
【0085】この図13(a)、(b)に示された液晶
光変調素子(1)は、前記図4に示された本発明に係る
液晶光変調素子の第4の態様の別の一例である。また、
この図13(a)、(b)において、光入射側直線偏光
板(32)が光源の出力部位に装着され、液晶光スイッ
チ素子(1)が液晶素子(10)と、電圧信号入力手段
(20)と、1/4波長板(33)とで構成されてい
る場合、この液晶光変調素子(1)は、前記図3に示さ
れた本発明に係る液晶光変調素子の第3の態様の一例で
ある。
【0086】さらに、図13(a)、(b)において、
入射側直線偏光板(32)を光源の出力部位に装着する
とともに光出射側の1/4波長板(33)を取り外して
液晶素子(10)と電圧信号入力手段(20)とで図1
に示された液晶光変調素子(1)を構成し、液晶光変調
素子(1)を通して観察者が表示画面を観察できるよう
に液晶光変調素子(1)を表示画面の前面に配置し、時
分割的に表示画面に左右両眼に対応した画像を交互に表
示するとともに液晶光変調素子(1)を表示画面に同期
してオン・オフし、かつ観察者がたとえば右眼に入射側
直線偏光板(32)の偏光と偏光方向が互いに直交する
レンズを装着し、左眼に入射側直線偏光板(32)の偏
光方向が同方向のレンズを装着して観察者が表示画像を
観察すれば、ちらつきのない立体画像が観察できる。こ
の液晶光変調素子(1)は、前記図1に示された本発明
に係る液晶光スイッチ素子の第1の態様の一例である。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、光路の切り替え、およ
び該光路を伝搬する光信号のオン・オフが高速に行なえ
るような液晶光変調素子が提供される。
【0088】
【実施例1】ITO透明電極を片面に形成した2枚のガ
ラス基板のITO表面にポリイミド(日本合成ゴム製)
をスピンコートし、180℃、1時間加熱処理した。次
にポリイミド表面をナイロン製の布で強くラビング(押
込み量0.7mm)した後、2枚の基板をラビング方向が
平行となるように、後述するような最適セル厚に対応す
る平均粒径5.5μmの球状シリカ製スペーサ(触媒化
成工業製)を介して貼り合わせ、セルを作製した。次に
次式で表される液晶化合物
【0089】
【化1】
【0090】を液体状態に加熱してセルに注入し、1℃
/分の割合で60℃まで徐冷して液晶セルを作製した。
上記液晶化合物は図9(b)に示す透過光量−電圧曲線
を示すことから、反強誘電性液晶であることが確認され
た。クロスニコル下で消光位を観察したところ、電圧無
印加状態での消光位を基準として、電圧印加した場合の
消光位は、印加電圧の極性に応じてそれぞれ+45度と
−45度セルを回転した位置に観測されたことから、前
記反強誘電性液晶分子のチルト角θは約45°であるこ
とが分かった。
【0091】前記液晶セルの光入射側に直線偏光板を配
置し、この液晶セル中の反強誘電性液晶層の光軸が電圧
オフ時に直線偏光板を通して液晶セルに入射する光の偏
光面に含まれるように液晶セルの向きを調節した。な
お、この液晶セルの光出射側には直線偏光板などの偏光
制御手段は設置しなかった。
【0092】この液晶セルに電圧が印加されている状態
と印加されていない状態とでそれぞれ液晶セルから出射
される光につき、直線偏光板の光軸方向に偏光した光の
強度I1 および直線偏光板の光軸と直交方向に偏光した
光の強度I2 を測定した。なお、光源としてハロゲンラ
ンプを用い、光源からの光を分光器を通して1.0〜
1.5μmの単色光に分光し、この単色光を液晶セルに
入射させた。
【0093】測定結果を図14に示す。図14は、I1
とI2 とは波長依存性があり、波長が1.3μm付近で
1 が最小となり、逆にI2 が最大となることを示して
いる。
【0094】このことから明らかなように、液晶セルに
電圧が印加されている状態と印加されていない状態と
で、液晶セルの透過光の偏光面はほぼ90°回転してい
ることが分かる。
【0095】また上記反強誘電性液晶化合物の複屈折異
方性の測定値は0.12であった。前記式(2)を用い
て計算するとλ=1.31μm(λ=1.31μmの半
導体レーザーを光源として使用した場合)の最適セル厚
は5.46μmである。
【0096】作製した一個の液晶セルを図11(a)、
(b)に示した構成で一対の偏光ビームスプリッターの
間に配置して作製した光変調素子に半導体レーザー(波
長:1.31μm)を入射したところ、上記式(1)で
与えられるクロストークは−15dBであった。さらに
電圧オンの場合に出力Aが得られ、電圧オフの場合に出
力Bが得られた。
【0097】
【実施例2】セル厚が1.7μmの液晶セルを、平均粒
径1.7μmの球状シリカ製スペーサおよび実施例1と
同様の液晶材料を用いて実施例1と同様な方法で3個作
製した。ラビング条件は、実施例1の場合と比較してソ
フトな条件(押し込み量;0.5mm)で行った。作製し
たセルは、実施例1の場合と比較して欠陥の少ない均一
配向が得られた。
【0098】作製した3個の液晶セルを一対の偏光ビー
ム・スプリッターの間に直列に挿入し、図11に示すよ
うな液晶光変調素子を作製し、実施例1と同様に上記式
(1)で与えられるクロストークを測定したところ、上
記式(1)で与えられるクロストークは−20dBであ
った。さらに電圧オンの場合に出力Aが得られ、電圧オ
フの場合に出力Bが得られた。
【0099】
【実施例3】強誘電性液晶物質(メルク社製ZLI34
89)を用いた光変調素子について、実施例1と同様の
構成で検討を行ったところ、上記式(1)で与えられる
クロストークは−10dBであった。
【0100】
【実施例4】強誘電性液晶物質(メルク社製ZLI34
89)を用いた光変調素子について、実施例2と同様の
構成で検討を行ったところ、上記式(1)で与えられる
クロストークは−15dBであった。
【0101】
【実施例5】平均粒径2.4μmの球状シリカ製スペー
サ(触媒化成工業(株)製)を用いた以外は実施例1と
同様にして液晶セルを作成した。次に、以下に示す反強
誘電性液晶化合物
【0102】
【化2】
【0103】を加熱して液体状態にしてから液晶セル中
に注入し、1℃/分の割合で43℃まで徐冷した。クロ
スニコル下で消光位を観察したところ、電圧無印加時の
消光位を基準として、電圧を印加した場合の消光位は、
印加電圧の極性に応じて、それぞれ+22.5°と−2
2.5°液晶セルを回転した位置に観察されたことから
前記反強誘電性液晶化合物のチルト角は22.5°であ
ることが分かった。
【0104】前記液晶セルの光入射側に直線偏光板を配
置し、この液晶セルに正の極性の電界(+15V/μ
m)が印加されている状態で、液晶セル中の反強誘電性
液晶層の光軸が直線偏光板を通して液晶セルに入射する
光の偏光面に含まれるように液晶セルの向きを調節した
が、この液晶セルの光出射側には直線偏光板などの偏光
制御手段は設置しなかった。
【0105】この液晶セルに正の極性の電界(+15V
/μm)が印加されている状態と負の極性の電界(−1
5V/μm)が印加されている状態とで、それぞれ液晶
セルから出射される光につき、直線偏光板の光軸方向に
偏光した光の強度I1 および直線偏光板の光軸と直交方
向に偏光した光の強度I2 を測定した。なお、光源とし
てハロゲンランプを用い、光源からの光を分光器を通し
て0.4〜0.7μmの単色光に分光し、この単色光を
液晶セルに入射させた。
【0106】測定結果を図15に示す。図15は、I1
とI2 とは波長依存性があり、波長が0.63μm付近
でI1が最小となり、逆にI2 が最大となることを示し
ている。
【0107】このことから明らかなように、液晶セルに
正の極性の電界(+15V/μm)が印加されている状
態と負の極性の電界(−15V/μm)が印加されてい
る状態とで、液晶セルの透過光の偏光面はほぼ90°回
転していることが分かる。
【0108】上記液晶セルの前に1枚の直線偏光板を配
置し、反強誘電性液晶層に+極性の電界(+15V/μ
m)を形成した時の光軸が直線偏光板を通して液晶セル
に入射する光の偏光面に含まれるように液晶セルの向き
を調節した。次いで液晶セルの光出射側に直線偏光板を
前記光入射側直線偏光板に対してクロスニコルの方位に
配置し、光入射側直線偏光板、液晶セル、光出射側直線
偏光板を順次透過して出力された光の強度を測定した。
なお、光源にはハロゲンランプを用い、光源からの光を
モノクロメーターを通して630nmに分光した光を液
晶セルに入射した。
【0109】以上の測定の結果、反強誘電性液晶層に+
極性の電界(+15V/μm)を形成した時の出力光強
度I(+)と、−極性の電界(−15V/μm)を形成
した時の出力光強度I(−)との比〔I(−)/I
(+)〕は78であった。この比はコントラストに相当
する。また、電圧の極性を切り替えてから出力光強度が
変化し終わるまでに要した時間は200μ秒であった。
【0110】
【実施例6】光出射側直線偏光板の代わりに+極性の電
圧を液晶セルに印加した時の反強誘電性液晶層の光軸
と、−極性の電圧を印加した時の反強誘電性液晶層の光
軸とのちょうど中央に光軸を合わせて1/4波長板を配
置した他は、実施例5と同様にして出力光強度を測定し
た。
【0111】その結果、I(+)とI(−)とはほぼ等
しかった。次いで前記波長板の光出力側に円偏光フィル
ターを配置し、この円偏光フィルターから出力される光
の強度を測定したところ〔I(−)/I(+)〕は78
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る液晶光変調素子の第1の
態様を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明に係る液晶光変調素子の第2の
態様を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明に係る液晶光変調素子の第3の
態様を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明に係る液晶光変調素子の第4の
態様を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明に係る液晶光変調素子に用いら
れる液晶素子の一例を示す概略断面図である。
【図6】図6は、本発明に係る液晶光変調素子に用いら
れる液晶セルの一例を示す概略断面図である。
【図7】図7は、本発明に係る液晶光変調素子に用いら
れる液晶セルの他の一例を示す概略断面図である。
【図8】図8は、本発明に係る液晶光変調素子における
液晶素子と電圧信号入力手段との電気的接続の仕方を説
明するための図面である。
【図9】図9(a)は、反強誘電性液晶の分子配列状態
を示す模式図である。図9(b)は、反強誘電性液晶の
電気光学特性を説明するための図面である。
【図10】図10(a)は、強誘電性液晶の分子配列状
態の一例を示す模式図である。図10(b)は、強誘電
性液晶の分子配列状態の他の一例を示す模式図である。
【図11】図11(a)は、本発明に係る液晶光変調素
子の図4に示した第4の例につき液晶光変調素子中の液
晶素子に電圧信号が入力されていない場合の光スイッチ
ング性を模式的に示した図面である。図11(b)は、
本発明に係る液晶光変調素子の図4に示した第4の例に
つき液晶光変調素子中の液晶素子に電圧信号が入力され
いる場合の光スイッチング性を模式的に示した図面であ
る。
【図12】図12(a)は、本発明に係る液晶光変調素
子の図3に示した第3の例につき液晶光変調素子中の液
晶素子に電圧信号が入力されていない場合の光シャッタ
ー性を模式的に示した図面である。図12(b)は、本
発明に係る液晶光変調素子の図3に示した第3の例につ
き液晶光変調素子中の液晶素子に電圧信号が入力されい
る場合の光シャッター性を模式的に示した図面である。
【図13】図13(a)は、本発明に係る液晶光変調素
子の図4に示した第4の例につき液晶光変調素子中の液
晶素子に電圧信号が入力されていない場合の光変調性を
模式的に示した図面である。図13(b)は、本発明に
係る液晶光変調素子の図4に示した第4の例につき液晶
光変調素子中の液晶素子に電圧信号が入力されいる場合
の光変調性を模式的に示した図面である。
【図14】図14は、液晶光変調素子(実施例1)にお
ける液晶セルの透過光強度変化(波長依存性)を示す図
面である。
【図15】図15は、液晶光変調素子(実施例5)にお
ける液晶セルの透過光強度変化(波長依存性)を示す図
面である。
【図16】図16(a)は、従来の液晶光スイッチ素子
につき、液晶光スイッチ素子中の液晶素子に電圧信号が
入力されていない場合の光スイッチング性を模式的に示
した図面である。図16(b)は、従来の液晶光スイッ
チ素子につき、液晶光スイッチ素子中の液晶素子に電圧
信号が入力されいる場合の光スイッチング性を模式的に
示した図面である。
【符号の説明】
1 … 液晶光変調素子 1’ … 液晶光スイッチ素子 2 … 光 3 … 全反射ミラー 10、 … 液晶素子 11、11’ … 液晶セル 11a、11a’、11a”… 透明基板 11b、11b’、11b”… 透明電極 11c、11c’、11c”… 配向制御膜 11d … カイラルスメクティッ
ク液晶層 11e … スペーサー粒子 20 … 電圧信号入力手段 30 … 偏光制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−27255(JP,A) 特表 平3−505013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 G02F 1/31 G02F 1/1347

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の液晶セルで構成された液晶素子
    と、前記液晶素子に電気的に接続された電圧信号入力手
    段とを備え、 前記液晶素子を構成する液晶セルは、それぞれ一対の透
    明基板を有し、前記それぞれの透明基板上に透明電極と
    透明な配向制御膜とがこの順序で積層され、 前記それぞれの透明電極は、前記電圧信号入力手段と電
    気的に接続され、これにより前記液晶素子と前記電圧信
    号入力手段とが電気的に接続されており、 前記配向制御膜間は、一定間隔で離間しており、かつ前
    記配向制御膜間にはカイラルスメクティック液晶層が挟
    持され、 前記液晶素子は、前記電圧信号入力手段から所定の電圧
    信号を入力されると直線偏光した単色光が前記液晶素子
    を透過する際に該光の偏光方向が略90°変化する液晶
    素子であり、かつ前記カイラルスメクティック液晶層
    は、チルト角42°〜48°を示す液晶分子から形成さ
    れる反強誘電性液晶層であり、前記液晶素子を構成している液晶セルに含まれるカイラ
    ルスメクティック液晶層の合計膜厚が 、下記d: d=λ/2(ne−no) (式中、neは、前記液晶素子に所定の電圧信号が入力
    されている場合における前記カイラルスメクティック層
    の液晶分子長軸方向の屈折率であり、noは、前記場合
    における該層の液晶分子短軸方向の屈折率であり、λは
    前記液晶素子に入射される光の波長である。)であり、 λが0.8μm以上の大きさであり、dが3〜9μmの
    範囲であることを特徴とする液晶光変調素子。
  2. 【請求項2】 複数個の液晶セルで構成された液晶素子
    と、前記液晶素子に電気的に接続された電圧信号入力手
    段とを備え、 前記液晶素子を構成する液晶セルは、それぞれ一対の透
    明基板を有し、前記それぞれの透明基板上に透明電極と
    透明な配向制御膜とがこの順序で積層され、 前記それぞれの透明電極は、前記電圧信号入力手段と電
    気的に接続され、これにより前記液晶素子と前記電圧信
    号入力手段とが電気的に接続されており、 前記配向制御膜間は、一定間隔で離間しており、かつ前
    記配向制御膜間にはカイラルスメクティック液晶層が挟
    持され、 前記液晶素子は、前記電圧信号入力手段から所定の電圧
    信号を入力されると直線偏光した単色光が前記液晶素子
    を透過する際に該光の偏光方向が略90°変化する液晶
    素子であり、かつ前記カイラルスメクティック液晶層
    は、チルト角21°〜24°を示す液晶分子から形成さ
    れる反強誘電性液晶層であり、 前記液晶素子を構成している液晶セルに含まれるカイラ
    ルスメクティック液晶層の合計膜厚が、下記d: d=λ/2(ne−no) (式中、neは、前記液晶素子に所定の電圧信号が入力
    されている場合における前記カイラルスメクティック層
    の液晶分子長軸方向の屈折率であり、noは、前記場合
    における該層の液晶分子短軸方向の屈折率であり、λは
    前記液晶素子に入射される光の波長である。)λが0.
    8μm以上の大きさであり、dが3〜9μmの範囲であ
    ることを特徴とする液晶光変調素子。
  3. 【請求項3】 複数個の液晶セルで構成された液晶素子
    と、前記液晶素子に電気的に接続された電圧信号入力手
    段とを備え、 前記液晶素子を構成する液晶セルは、それぞれ一対の透
    明基板を有し、前記それぞれの透明基板上に透明電極と
    透明な配向制御膜とがこの順序で積層され、 前記それぞれの透明電極は、前記電圧信号入力手段と電
    気的に接続され、これにより前記液晶素子と前記電圧信
    号入力手段とが電気的に接続されており、 前記配向制御膜間は、一定間隔で離間しており、かつ前
    記配向制御膜間にはカイラルスメクティック液晶層が挟
    持され、 前記液晶素子は、前記電圧信号入力手段から所定の電圧
    信号を入力されると直線偏光した単色光が前記液晶素子
    を透過する際に該光の偏光方向が略90°変化する液晶
    素子であり、かつ前記カイラルスメクティック液晶層
    は、チルト角42°〜48°を示す液晶分子から形成さ
    れる反強誘電性液晶層であり、 前記液晶素子を構成している液晶セルに含まれるカイラ
    ルスメクティック液晶層の合計膜厚が、下記d: d=λ/2(ne−no) (式中、neは、前記液晶素子に所定の電圧信号が入力
    されている場合における前記カイラルスメクティック層
    の液晶分子長軸方向の屈折率であり、noは、前記場合
    における該層の液晶分子短軸方向の屈折率であり、λは
    前記液晶素子に入射される光の波長である。)であり、 λが0.8μm以上の大きさであり、dが3〜9μmの
    範囲であり、 前記液晶素子の光入出射側の両方に、偏光ビームスプリ
    ッターが配置されていることを特徴とする液晶光変調素
    子。
  4. 【請求項4】 複数個の液晶セルで構成された液晶素子
    と、前記液晶素子に電気的に接続された電圧信号入力手
    段とを備え、 前記液晶素子を構成する液晶セルは、それぞれ一対の透
    明基板を有し、前記それぞれの透明基板上に透明電極と
    透明な配向制御膜とがこの順序で積層され、 前記それぞれの透明電極は、前記電圧信号入力手段と電
    気的に接続され、これにより前記液晶素子と前記電圧信
    号入力手段とが電気的に接続されており、 前記配向制御膜間は、一定間隔で離間しており、かつ前
    記配向制御膜間にはカイラルスメクティック液晶層が挟
    持され、 前記液晶素子は、前記電圧信号入力手段から所定の電圧
    信号を入力されると直線偏光した単色光が前記液晶素子
    を透過する際に該光の偏光方向が略90°変化する液晶
    素子であり、かつ前記カイラルスメクティック液晶層
    は、チルト角21°〜24°を示す液晶分子から形成さ
    れる反強誘電性液晶層であり、 前記液晶素子を構成している液晶セルに含まれるカイラ
    ルスメクティック液晶層の合計膜厚が、下記d: d=λ/2(ne−no) (式中、neは、前記液晶素子に所定の電圧信号が入力
    されている場合における前記カイラルスメクティック層
    の液晶分子長軸方向の屈折率であり、noは、前記場合
    における該層の液晶分子短軸方向の屈折率であり、λは
    前記液晶素子に入射される光の波長である。)λが0.
    8μm以上の大きさであり、dが3〜9μmの範囲であ
    り、 前記液晶素子の光入出射側の両方に、偏光ビームスプリ
    ッターが配置されていることを特徴とする液晶光変調素
    子。
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