JPH08313899A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鮮やかなカラー表示と明るい白表示の両立が
可能な反射型液晶表示装置を得る。 【構成】 光拡散層１、２色性色素を含む液晶層２と、
１／４波長板３と、電界により光学性質が変化するコレ
ステリック液晶層４と、反射板５と、を入射光方向側か
ら順に設け。２色性色素を含む液晶層２は、水平配向状
態又は垂直配向状態により光を吸収又は透過させるもの
であり、コレステリック液晶層４は、電界の変化により
液晶層を透過する光の選択反射波長が設定されることに
より、各画素ごとに白色を含む各表示色を制御すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、外光の反射を用いて表
示を行う反射型液晶表示装置に関し、特に、カラー表示
に適した液晶表示装置の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】反射型カラー液晶表示装置としては、図
６に示すように、相転移型ゲストホスト方式と赤
（Ｒ），緑（Ｇ），青（Ｂ）のカラーフィルタを組み合
わせた構造（Proceedings of the SID Vol.29 p157,198
8）が提案されている。すなわち、絶縁基板５０上に反
射電極５１及び配向膜５２を形成し、透光性絶縁基板６
０上に透明電極６１，カラーフィルタ６２及び配向膜６
３を形成し、配向膜５２，６３間にＧＨ液晶層２を配置
して構成され、入射光は透光性絶縁基板６０上側から入
射し、電極５１，６１間に印加される電圧を制御するこ
とによりＧＨ液晶層２を透明若しくは吸収状態に変化さ
せるものである。

【０００３】この構造によれば、１画素内をＲ，Ｇ，Ｂ
のカラーフィルタにて面内分割するように構成される。
したがって、カラー表示は、例えば、赤色を表示しよう
とするならば、Ｒのカラーフィルタに対応するＧＨ液晶
層２を透明にし、Ｇ及びＢのカラーフィルタに対応する
ＧＨ液晶層２を光吸収状態として行う。つまり、赤色を
表示する場合にも、実際には１画素内は赤、黒、黒の３
色を表示しており、画素の色はこの３色の合成色となる
が、これは実効的に反射率が１／３に低下した場合と等
しくなるので、明度の低い赤表示となる。緑色、青色を
表示する場合も同様であり、鮮やかなカラー表示を得る
ことができない。また、Ｒ，Ｇ，Ｂのカラーフィルタに
対応する液晶層を同時に透明にすることにより白色表示
を行うが、Ｒ、Ｇ、Ｂのカラーフィルタを用いた場合に
は、その反射光量は１／３以下に低下するために白色と
いうよりは灰色となってしまう。

【０００４】このような問題に対して、カラーフィルタ
により画素分割を行わずに、単位画素あたりの表示色を
変化させてカラー表示を行う表示方式が提案されてい
る。この方式としては、電界制御複屈折（ＥＣＢ）効果
や、コレステリック液晶（以下、Ｃｈ液晶）の選択反射
波長を電界により制御する方法が存在する。

【０００５】ＥＣＢ効果による反射型カラー液晶表示装
置は、図７に示すように、一方の透光性絶縁基板７０上
に透明電極７１及び配向膜７２を形成し、他方の透光性
絶縁基板８０上に透明電極８１及び配向膜８２を形成
し、配向膜７２，８２間に液晶層６を配置し、液晶層６
の光入射側に位相差板７及び偏光板８を、液晶層６の反
光入射側に位相差板７、偏光板８、反射板５を配置し、
入射光は偏光板８を介して液晶層６に入射するように構
成される（特開平６−１７５１２５号公報参照）。この
構造によれば、透明電極７１，８１間に電圧を印加する
ことにより液晶層６の屈折率を変化させ、取り出す光の
色を変化させるものである。

【０００６】また、Ｃｈ液晶の選択反射波長の電界によ
る変化を利用した反射型カラー液晶表示装置は、図８に
示すように、絶縁基板９０上に電極９１，光吸収層９２
及び配向膜９３を形成し、透光性絶縁基板１００上に透
明電極１０１及び配向膜１０２を形成し、配向膜９３，
１０２間にＣｈ液晶層４を配置して構成され、入射光は
透光性絶縁基板１００上側から入射するように構成され
る（特公昭４３−３９０号公報参照）。

【０００７】Ｃｈ液晶層４は、その平均屈折率をｎ、ヘ
リカルピッチをｐとした場合に、選択反射波長λ0＝ｎ
・ｐで規定される波長の光を、Ｃｈ液晶のヘリカル軸が
右回りの場合には、右円偏光に対して１００％反射し、
左円偏光に対して１００％透過する。すなわち、自然光
に対しては、選択反射波長の光の５０％を反射し、選択
反射波長以外の光はすべて透過する。透過した光は光吸
収層９２で吸収されるため、選択反射波長の色が表示さ
れる。Ｃｈ液晶層４をプレーナ配列とした場合には、電
圧の印加に対してヘリカルピッチ（ｐ）は短くなるた
め、選択反射波長λ0は長波長から短波長へとシフト
し、例えば、電圧無印加時の選択反射波長を赤に設定す
れば、電圧の印加に対して、その表示色は赤→緑→青→
黒と変化する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記したＥＣＢ効果に
よる反射型カラー液晶表示装置（図７）によれば、１画
素で白、黒、赤、青、緑の色を表示できるが、５０％程
度の光しか利用できない偏光板８を用いるため表示が暗
くなり白表示が灰色となってしまう。また、Ｃｈ液晶を
利用した反射型カラー液晶表示装置（図８）によれば、
偏光板を用いていないので、偏光板により表示が暗くな
ることがなく鮮やかなカラー表示を得るころができる
が、１画素で白表示を行うことができず、白表示は３画
素をそれぞれ赤、緑、青として行うため、反射光量は１
／３以下に低下するため、白表示が灰色となってしま
う。したがって、従来技術の反射型カラー液晶表示装置
においては、鮮やかなカラー表示と明るい白表示を両立
することができないという問題点があった。

【０００９】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、鮮やかなカラー表示と明るい白表示の両立が可能な
反射型カラー液晶表示装置を提供することを目的として
いる。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１の反射型液晶表示装置は、２色性色素を含む液
晶層と、１／４波長板と、電界により光学性質が変化す
るコレステリック液晶層と、反射板と、を入射光方向側
から順に設けたことを特徴としている。２色性色素を含
む液晶層は、水平配向状態又は垂直配向状態により光を
吸収又は透過させるものである。コレステリック液晶層
は、電界の変化により液晶層を透過する光の選択反射波
長が設定されるようになっている。

【００１１】また、請求項２の反射型液晶表示装置は、
請求項１に対して各層の配置順を変えたもので、電界に
より光学性質が変化するコレステリック液晶層と、２色
性色素を含む液晶層と、１／４波長板と、反射板と、を
入射光方向側から順に設けたことを特徴としている。

【００１２】請求項３の反射型液晶表示装置は、請求項
１において、２色性色素を含む液晶層の入射光方向側に
光拡散層を設けたことを特徴としている。

【００１３】請求項４の反射型液晶表示装置は、請求項
２において、電界により光学性質が変化するコレステリ
ック液晶層の入射光方向側に光拡散層を設けたことを特
徴としている。

【００１４】

【作用】請求項１及び請求項２によれば、ＧＨ液晶層が
水平配向している状態でＣｈ液晶層の選択反射波長が赤
外域もしくは紫外域にある場合、黒表示となる。すなわ
ち、外部より入射した光は、ＧＨ液晶層において配向方
向と平行な振動面をもつ偏光が吸収され、ＧＨ液晶層を
通過後にはＧＨ液晶層の配向方向と直交方向に振動面を
もつ直線偏光となる。また、Ｃｈ液晶層の選択反射波長
が赤外域もしくは紫外域にある場合、可視光はすべて透
過し反射板に入射する。反射板により入射時とは逆回り
の円偏光となった反射光は、１／４波長板を通過後、入
射時と直交した直線偏光となるため、ＧＨ液晶層により
吸収され黒表示となる。

【００１５】また、ＧＨ液晶層が水平配向している状態
でＣｈ液晶層の選択反射波長が可視光域にある場合、Ｃ
ｈ液晶層の選択反射波長の光が表示される。すなわち、
選択反射波長以外の光については、上述の場合と同様に
して反射板で反射後にＧＨ液晶層で吸収される。選択反
射波長の光は、円偏光の旋光方向とＣｈ液晶層のヘリカ
ル軸の回転方向が同じ場合には、すべてＣｈ液晶層で反
射される。円偏光がＣｈ液晶層で反射される場合、旋光
方向は変化せず入射円偏光と同じ旋光方向をもつ円偏光
となるため、反射光が１／４波長板を通過後、入射時と
平行な直線偏光となり、ＧＨ液晶層による吸収は受け
ず、選択反射波長の光が表示される。

【００１６】ＧＨ液晶層が垂直配向している状態におい
ては、入射光は、ＧＨ液晶層、１／４波長板、Ｃｈ液晶
層により何ら影響を受けず反射板に到達し、反射され白
表示となる。

【００１７】請求項３及び請求項４によれば、２色性色
素を含む液晶層又はコレステリック液晶層の入射光方向
側に光拡散層を設けることにより、液晶層側からの光を
拡散させることができる。

【００１８】

【実施例】本発明の一実施例について、図面を参照しな
がら説明する。図１は、本発明による反射型カラー液晶
表示装置の基本構成図であり、入射光方向側から、光拡
散層１、ＧＨ液晶層２、１／４波長板３、Ｃｈ液晶層
４、反射板５が配設されている。ＧＨ液晶層２は、両端
に印加される電圧の有無により、液晶が水平配向状態又
は垂直配向状態となる。Ｃｈ液晶層４は、両端に印加さ
れる電圧を調整することにより、Ｃｈ液晶層４を透過す
る光の選択反射波長が設定されるようになっている。光
拡散層１は、液晶層側からの光を拡散させるためのもの
である。

【００１９】ＧＨ液晶層２が水平配向している状態にお
いては、配向方向と平行な振動面をもつ偏光を吸収する
ため、外部より入射した光は、ＧＨ液晶層２を通過後に
は５０％の光が吸収され、ＧＨ液晶層２の配向方向と直
交方向に振動面をもつ直線偏光となる。この直線偏光は
１／４波長板３を通過後、円偏光となる。Ｃｈ液晶層４
の選択反射波長が赤外域もしくは紫外域にある場合、可
視光はすべて透過し反射板５に入射する。入射円偏光が
反射板５により反射されると、入射時とは旋光方向が逆
の円偏光となる。反射板５により入射時とは逆回りの円
偏光となった反射光は、１／４波長板４を通過後、入射
時と直交した直線偏光となるため、入射時にＧＨ液晶層
２を通過した残りの５０％の光もＧＨ液晶層２により吸
収され黒表示となる。

【００２０】Ｃｈ液晶層４の選択反射波長が可視光域に
ある場合、選択反射波長以外の光については、上述の場
合と同様にして反射板５で反射後にＧＨ液晶層２で吸収
される。選択反射波長の光は、ＧＨ液晶層２、１／４波
長板３を通過後の円偏光の旋光方向とＣｈ液晶層４のヘ
リカル軸の回転方向が同じ場合には、すべてＣｈ液晶層
４で反射される。円偏光がＣｈ液晶層４で反射される場
合、旋光方向は変化せず入射円偏光と同じ旋光方向をも
つ円偏光となるため、反射光が１／４波長板３を通過
後、入射時と平行な直線偏光となり、ＧＨ液晶層２によ
る吸収は受けず、選択反射波長の光が表示される。

【００２１】ＧＨ液晶層２が垂直配向している状態にお
いては、入射光は、ＧＨ液晶層２、１／４波長板３、Ｃ
ｈ液晶層４により何ら影響を受けず反射板５に到達し、
反射され白表示となる。上記構成の反射型カラー液晶表
示装置によれば、各画素ごとに表示色を制御することが
可能であり、鮮やかなカラー表示を得ることができる。
また、１画素で白を表示することが可能であり、偏光板
は用いていないため明るい白表示が得られる。

【００２２】図２は、反射型カラー液晶表示装置の他の
実施例を示す基本構成図であり、入射光方向側から、光
拡散層１、Ｃｈ液晶層４、ＧＨ液晶層２、１／４波長板
３、反射板５が配設されている。図１の反射型カラー液
晶表示装置に対して、各層の配置順が異なるだけで、他
の構成は同様であり、その作用についても同様である。
また、光拡散層１については、Ｃｈ液晶層４とＧＨ液晶
層２との間に配置してもよい。

【００２３】次に、反射型カラー液晶表示装置の具体的
な実施例について、図３を参照しながら製造方法を中心
に説明する。ガラス基板１０及びガラス基板２０上に、
ＩＴＯからなる透明電極１１及び透明電極２１をそれぞ
れ形成した後、透明電極上に配向膜１２及び配向膜２２
をそれぞれ形成する。このようにして作製された２枚の
ガラス基板１０，２０を、その電極面が対向するような
向きにはり合わせて、セルギャップ２μｍの液晶セルを
作製した。

【００２４】次いで、液晶セル中に電圧の印加により選
択反射波長が変化するＣｈ液晶を充填してＣｈ液晶層４
を形成し、第１の液晶セルを作製した。Ｃｈ液晶として
は、塩化コレステリン、臭化コレステリン、炭酸オレイ
ルコレステリンといったコレステロール誘導体や、ネマ
チック相をとる液晶性物質にカイラル物質を添加した液
晶組成物が適用できる。Ｃｈ液晶の配向状態は、プレー
ナ配列及びフォーカルコニック配列、いずれでも構わな
いが、プレーナ配列の場合、選択反射波長は電圧印加に
より長波長から短波長へと変化するので、電圧無印加時
の選択反射波長を赤外もしくは赤色に設定される。フォ
ーカルコニック配列の場合、選択反射波長は電圧印加に
より短波長から長波長へと変化するので、電圧無印加時
の選択反射波長を紫外もしくは青色に設定される。本実
施例では、配向膜１２，２２にポリイミドを用いてプレ
ーナ配列とし、Ｃｈ液晶層４には塩化コレステリン（３
０ｗｔ％）、炭酸オレイルコレステリン（７０ｗｔ％）
の混合液晶を用いた。

【００２５】一方、別のガラス基板３０及びガラス基板
４０上にＩＴＯからなる透明電極３１及び透明電極４１
をそれぞれ形成した後、透明電極上に配向膜３２及び配
向膜４２をそれぞれ形成する。このようにして作製した
２枚のガラス基板３０，４０を、その電極面が対向する
ような向きにはり合わせて、セルギャップ５μｍの液晶
セルを作製した。

【００２６】次いで、液晶セル中に２色性色素を含んだ
ネマチック液晶を充填し、ＧＨ液晶層２を形成する。Ｇ
Ｈ液晶層２の電圧無印加時の配向状態としては、ホモジ
ニアス配向、ホメオトロピック配向が可能であり、ホモ
ジニアス配向の場合には、ＧＨ液晶に正の誘電異方性を
もつネマチック液晶を用い、ホメオトロピック配向の場
合には、ＧＨ液晶に負の誘電異方性をもつネマチック液
晶を用いる。本実施例では、配向膜３２及び配向膜４２
について、ＳｉＯを回転斜方蒸着することにより形成し
てホメオトロピック配向とし、２色性色素として黒色２
色性色素（三井東圧化学社製、商品名：Ｓ−３４４）を
１．４ｗｔ％、ホストである負の誘電異方性をもつネマ
チック液晶（メルク社製、商品名：ＺＬＩ−２８０６）
に添加したＧＨ液晶を真空注入して、ＧＨ液晶層２を形
成し、第２の液晶セルを作製した。

【００２７】次に、前記第１の液晶セルと前記第２の液
晶セルの間に１／４波長板３を、１／４波長板３の遅相
軸とＧＨ液晶層２が水平配向した場合の液晶分子の配向
方向とのなす角度が４５゜となるように接着剤（図示せ
ず）ではり合わせる。１／４波長板３には、雲母、水
晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸ストロンチウムなど
の無機結晶や、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタ
クリレート、ポリカーボネートなど高分子材料の延伸フ
ィルム、液晶性高分子などの複屈折性材料が用いられ
る。

【００２８】また、１／４波長板３は、Ｃｈ液晶層４と
ＧＨ液晶層２の間に存在すればよく、前記第１の液晶セ
ルもしくは前記第２の液晶セル内に設けてもよく、また
ガラス基板２０もしくはガラス基板３０のいずれか一方
を１／４波長板と兼用することもできる。

【００２９】最後にガラス基板１０の外側に反射板５を
設ける。反射板５には偏光解消を生じない特性を有する
ものが適用可能である。このような特性を有する例とし
ては、Ａｇ，Ａｌ，Ｃｒなどの高反射率金属膜を形成し
た鏡面性反射板、表面が凸凹状の基板上に鏡面性反射膜
を設けた白色反射板が挙げられる。反射板５は、入射光
方向に対してＣｈ液晶層４の反対側にあればよいので、
透明電極１１をＡｇ，Ａｌ，Ｃｒなどで形成して反射電
極とすれば、反射板５を省略することも可能である。

【００３０】上記構造の反射型カラー液晶表示装置にお
いて、ＧＨ液晶層２が水平配向状態の場合、入射光は１
／４波長板３を通過後に円偏光となるが、この円偏光の
旋光方向とＣｈ液晶層４のヘリカル軸の回転方向が一致
している場合、Ｃｈ液晶層４で選択反射波長の光は１０
０％反射される。この時、円偏光の旋光方向は変化しな
いため、ＧＨ液晶層２での吸収は受けず選択反射波長の
光が表示される。

【００３１】Ｃｈ液晶層４のヘリカル軸の回転方向が入
射円偏光の旋光方向と逆の場合には、選択反射波長の光
もＣｈ液晶層４を通過し、反射板５に入射する。反射板
５で反射された光は入射時とは逆回りの円偏光となるた
め、選択反射波長の光はＣｈ液晶層４で反射され、再び
反射板５に入射する。再度、反射板５で反射された円偏
光の旋光方向は入射円偏光と同じとなるため、Ｃｈ液晶
層４を通過し、選択反射波長の光が表示されることにな
るが、実際には、反射板５の反射率が１００％ではない
ため、Ｃｈ液晶層４のヘリカル軸の回転方向が一致して
いる場合に比べて若干カラー表示の場合の明度が低下す
る。従って、入射円偏光の旋光方向とＣｈ液晶層４のヘ
リカル軸の回転方向を一致させることが望ましい。

【００３２】以上のようにして作製した反射型カラー液
晶表示装置に対して、ＧＨ液晶層２への印加電圧５Ｖと
し、Ｃｈ液晶層４への印加電圧を変化させると、電圧無
印加時には赤色が表示され、１２Ｖでは緑色、２４Ｖで
は青色、４０Ｖを超えると黒色が表示された。ＧＨ液晶
層２への印加電圧を０Ｖ、Ｃｈ液晶層４への印加電圧を
４０Ｖとすると白色表示となった。

【００３３】反射型カラー液晶表示装置の他の実施例に
ついて、図４を参照しながら説明する。本実施例は、図
３の反射型カラー液晶表示装置に光拡散層１を組み合わ
せたものである。すなわち、ガラス基板４０上に光拡散
層１を設け、透明電極４１、配向膜４２を順次積層する
ことにより、入射光方向に対してＧＨ液晶層２の上側に
光拡散層１を設けている。本実施例によれば、光拡散層
１を設けたことにより、液晶層側からの光を拡散させ、
反射板５に鏡面性反射板を用いた場合に生じる白表示時
の映りこみや視野角が狭いという問題を回避することが
できる。光拡散層１は、ＴｉＯ₂、ＺｎＯなどの白色顔
料をアクリルなどの有機樹脂に分散させたり、液晶性高
分子をランダム配向させるといった方法により得られ
る。また、光拡散層１は、入射光に対してはあまり拡散
すぎないような特性に設定されている。

【００３４】反射型カラー液晶表示装置の他の実施例に
ついて、図５を参照しながら説明する。図３及び図４の
実施例においては、２対の透明電極１１、２１及び透明
電極３１、４１によりＣｈ液晶層４及びＧＨ液晶層２
を、それぞれ独立に制御する構造を示したが、Ｃｈ液晶
層４の選択反射波長が変化する電圧及びＧＨ液晶層２の
配向状態が変化する電圧の関係を制御することにより、
透明電極２１、３１、ガラス基板２０、３０を省略し、
一対の電極（透明電極１１、４１）でＣｈ液晶層４及び
ＧＨ液晶層２を駆動することも可能である。他の構成は
図４と同一である。

【００３５】この実施例では、ＧＨ液晶層２の電圧無印
加状態での配向状態を垂直配向とし、Ｃｈ液晶層４をプ
レーナ配列とし、電圧無印加状態での選択反射波長を赤
外域に設定する。そして、Ｃｈ液晶層４の選択反射波長
が赤色となる電圧をＧＨ液晶層２が水平配向となる印加
電圧より大きく設定すると、印加電圧の増加に対して、
その表示色は白，黒，赤，緑，青と変化させることがで
きる。

【００３６】別の方法として、ＧＨ液晶層２の電圧無印
加状態での配向状態を水平配向とし、Ｃｈ液晶層４をプ
レーナ配列とし、電圧無印加状態での選択反射波長を赤
色に設定する。そして、Ｃｈ液晶層４の選択反射波長が
紫外域となる電圧をＧＨ液晶層２が垂直配向となる印加
電圧より小さく設定すると、印加電圧の増加に対して、
その表示色は赤，緑，青，黒，白と変化させることがで
きる。

【００３７】

【発明の効果】本発明によれば、各画素ごとに白色を含
む各表示色を制御することが可能であり、鮮やかなカラ
ー表示を得ることができ、また、偏光板を用いないため
明るい白表示の反射型カラー液晶表示装置を得ることが
できる。

【００３８】また、光拡散層を設けることにより、白表
示時の映りこみを防ぐとともに、視野角を広くすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の反射型カラー液晶表示装置
の基本構成図である。

【図２】本発明の他の実施例の反射型カラー液晶表示装
置の基本構成図である。

【図３】反射型カラー液晶表示装置の一実施例を示す断
面説明図である。

【図４】反射型カラー液晶表示装置の一実施例を示す断
面説明図である。

【図５】反射型カラー液晶表示装置の一実施例を示す断
面説明図である。

【図６】従来の反射型カラー液晶表示装置の断面説明図
である。

【図７】従来の反射型カラー液晶表示装置の断面説明図
である。

【図８】従来の反射型カラー液晶表示装置の断面説明図
である。

【符号の説明】

１…光拡散層、 ２…ＧＨ液晶層、 ３…１／４波長
板、 ４…Ｃｈ液晶層、５…反射板、 １０、２０、３
０、４０…ガラス基板、 １１、２１、３１、４１、…
透明電極、 １２、２２、３２、４２…配向膜

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２色性色素を含む液晶層と、１／４波長板
   と、電界により光学性質が変化するコレステリック液晶
   層と、反射板と、を入射光方向側から順に設けたことを
   特徴とする反射型液晶表示装置。
2. 【請求項２】電界により光学性質が変化するコレステリ
   ック液晶層と、２色性色素を含む液晶層と、１／４波長
   板と、反射板と、を入射光方向側から順に設けたことを
   特徴とする反射型液晶表示装置。
3. 【請求項３】２色性色素を含む液晶層の入射光方向側に
   光拡散層を設けた請求項１の反射型液晶表示装置。
4. 【請求項４】電界により光学性質が変化するコレステリ
   ック液晶層の入射光方向側に光拡散層を設けた請求項２
   の反射型液晶表示装置。