JP2003029264A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003029264A
JP2003029264A JP2001216982A JP2001216982A JP2003029264A JP 2003029264 A JP2003029264 A JP 2003029264A JP 2001216982 A JP2001216982 A JP 2001216982A JP 2001216982 A JP2001216982 A JP 2001216982A JP 2003029264 A JP2003029264 A JP 2003029264A
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Japan
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liquid crystal
wave plate
wavelength
plate
polarizing plate
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Application number
JP2001216982A
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English (en)
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Atsuyuki Manabe
敦行 真鍋
Kazuyuki Haruhara
一之 春原
Yasushi Kawada
靖 川田
Shoichi Kurauchi
昭一 倉内
Takashi Yamaguchi
剛史 山口
Natsuko Maya
奈津子 磨矢
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透過率変化が十分に大きく表示画像の色づきが
抑制された垂直配向モードの液晶表示装置を提供するこ
と。 【解決手段】本発明の液晶表示装置1は、垂直配向モー
ドの液晶セル2と、前記液晶セル2の一方の主面に対向
して配置された第1の偏光板3aと、前記液晶セル2と
前記第1偏光板3aとの間に介在する第1の1/4波長
板5aと、前記液晶セル2と前記第1の偏光板3aとの
間に介在し且つ前記第1の1/4波長板5aとともに第
1の積層構造を形成した第1の1/2波長板4aと、前
記液晶セル2の他方の主面に対向して配置された第2の
偏光板3bと、前記液晶セル2と前記第2の偏光板3b
との間に介在する第2の1/4波長板5bと、前記液晶
セル2と前記第2の偏光板3bとの間に介在し且つ前記
第2の1/4波長板5bとともに第2の積層構造を形成
した第2の1/2波長板4bとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
り、特には垂直配向モードの液晶セルを備えた液晶表示
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電
力である等の様々な特長を有しており、OA機器、情報
端末、時計、及びテレビ等の様々な用途に応用されてい
る。特に、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を
有する液晶表示装置は、その高い応答性から、携帯テレ
ビやコンピュータなどのように多量の情報を表示するモ
ニタとして用いられている。
【0003】近年、情報量の増加に伴い、画像の高精細
化や表示速度の高速化に対する要求が高まっている。こ
れら要求のうち画像の高精細化は、例えば、上述したT
FTが形成するアレイ構造を微細化することによって実
現されている。
【0004】一方、表示速度の高速化に関しては、従来
の表示モードの代わりに、ネマチック液晶を用いたOC
Bモード、VANモード、HANモード、及びπ配列モ
ードや、スメクチック液晶を用いた界面安定型強誘電性
液晶(Surface Stabilized Ferroelectric Liquid Crys
tal)モード及び反強誘電性液晶モードを採用すること
が検討されている。
【0005】これら表示モードのうち、VAN(Vertic
al Aligned Nematic)モードでは、従来のTN(Twiste
d Nematic)モードよりも速い応答速度を得ることがで
き、しかも、垂直配向のため静電気破壊などの不良を発
生させるラビング処理が不要である。なかでも、マルチ
ドメイン型VANモード(以下、MVAモードという)
は、視野角の補償設計が比較的容易なことから特に注目
を集めている。
【0006】VANモードは複屈折モードである。VA
Nモードの液晶セルをそれぞれの偏光面が直角に交差す
るように一対の偏光板で挟んでノーマリブラックの液晶
表示装置とする場合、通常、それら偏光面に対して液晶
分子が45°の角度を為すように倒れると透過率変化へ
の寄与が最大となる。すなわち、液晶セル内で全ての液
晶分子についてそれらが倒れる方向を偏光面に対して4
5°の角度に制御すれば、透過率変化を最大とすること
ができる。
【0007】しかしながら、実際には、各種配線や画素
電極間に発生する横電界や配向制御を行うための畝状突
起構造及びスリットの形状などの影響により、一部の液
晶分子は所望の方向に倒れない。これら液晶分子の透過
率変化への寄与は、偏光面に対して45°の角度を為し
て倒れる液晶分子に比べると遥かに低い。そのため、こ
の場合、液晶表示装置の透過率変化或いは透過率は、理
想的な配向状態によって実現され得る値よりも低くな
る。
【0008】上記の問題に対しては、液晶セルへの入射
光を直線偏光ではなく円偏光とすることが考えられてい
る。この方法によると、確かに、液晶表示装置の透過率
変化或いは透過率を向上させることができる。しかしな
がら、この方法を採用した場合に得られる効果は十分で
はなく、しかも、表示画像が色づくという問題を生じて
しまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、透過率変化が十分に大き
く表示画像の色づきが抑制された垂直配向モードの液晶
表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、垂直配向モードの液晶セルと、前記液晶
セルの一方の主面に対向して配置された第1の偏光板
と、前記液晶セルと前記第1偏光板との間に介在する第
1の1/4波長板と、前記液晶セルと前記第1の偏光板
との間に介在し且つ前記第1の1/4波長板とともに第
1の積層構造を形成した第1の1/2波長板と、前記液
晶セルの他方の主面に対向して配置された第2の偏光板
と、前記液晶セルと前記第2の偏光板との間に介在する
第2の1/4波長板と、液晶セルと第2の偏光板との間
に介在し且つ第2の1/4波長板とともに第2の積層構
造を形成した第2の1/2波長板とを具備することを特
徴とする液晶表示装置を提供する。
【0011】なお、ここで使用する用語「波長板」は用
語「位相差板」と同義である。また、用語「波長板」及
び「偏光板」は、板状体のように硬質なものに限られ
ず、位相差フィルムや偏光フィルムのように可撓性のも
のも包含する。
【0012】本発明の液晶表示装置において、第1及び
第2の1/4波長板並びに第1及び第2の1/2波長板
のそれぞれは、その光軸方向の屈折率と前記光軸方向に
垂直な方向の屈折率との差Δnwが短波長側に比べて長
波長側でより大きくてもよい。この場合、上記差Δnw
の波長に対する増加率は、第1の1/4波長板に比べて
第2の1/4波長板においてより高く、第1の1/2波
長板に比べて第2の1/2波長板においてより高くても
よい。
【0013】本発明の液晶表示装置において、第1の1
/2波長板が第1の偏光板と第1の1/4波長板との間
に介在していてもよく、或いは、第1の1/4波長板が
第1の偏光板と第1の1/2波長板との間に介在してい
てもよい。また、同様に、第2の1/2波長板が第2の
偏光板と第2の1/4波長板との間に介在していてもよ
く、或いは、第2の1/4波長板が第2の偏光板と第2
の1/2波長板との間に介在していてもよい。
【0014】本発明の液晶表示装置において、第1の1
/2波長板は第1の偏光板と第1の1/4波長板との間
に介在し、第2の1/2波長板は第2の偏光板と第2の
1/4波長板との間に介在し、第2の偏光板の吸収軸に
対して第2の1/4波長板の光軸が為す角度は+77°
乃至+83°の範囲内にあり、第2偏光板の吸収軸に対
して第2の1/2波長板の光軸が為す角度は+15°乃
至+21°の範囲内にあり、第2の偏光板の吸収軸に対
して第1の偏光板の吸収軸が為す角度は+72°乃至+
78°の範囲内にあり、第1の偏光板の吸収軸に対して
第1の1/4波長板の光軸が為す角度は−13°乃至−
7°の範囲内にあり、第1の偏光板の吸収軸に対して第
1の1/2波長板の光軸が為す角度は+105°乃至+
111°の範囲内にあってもよい。
【0015】本発明の液晶表示装置は、第1の偏光板に
対向して配置され且つ液晶セルに向けて光を照射する光
源をさらに具備することができる。また、本発明の液晶
表示装置において、液晶セルは垂直配向モードであれば
特に制限はなく、例えば、マルチドメイン型垂直配向モ
ードとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図に
おいて、同様または類似する構成要素には同一の参照符
号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表
示装置を概略的に示す斜視図である。図1に示す液晶表
示装置1は、液晶セル2と、液晶セル2を挟んで両側に
配置された偏光板3a,3bと、液晶セル2と偏光板3
a,3bとの間にそれぞれ配置された1/2波長板4
a,4bと、液晶セル2と1/2波長板4a,4bとの
間にそれぞれ配置された1/4波長板5a,5bと、偏
光板3aに対向して配置された光源6とで主に構成され
ている。
【0018】図2は、図1に示す液晶表示装置1の液晶
セル2をより詳細に描いた断面図である。図2に示す液
晶セル2は、アクティブマトリクス基板11と対向基板
12との間に液晶層13を挟持させた構造を有してい
る。これらアクティブマトリクス基板11と対向基板1
2との間隔は図示しないスペーサによって一定に維持さ
れている。
【0019】アクティブマトリクス基板11は、ガラス
基板のような透明基板17を有している。透明基板17
の一方の主面上には配線及びスイッチング素子18が形
成されている。透明基板17上には、配線及びスイッチ
ング素子18を覆うように絶縁膜19が形成されてお
り、絶縁膜19上には畝状突起部20、画素電極21、
及び配向膜22が順次形成されている。
【0020】透明基板17上に形成する配線は、アルミ
ニウム、モリブデン、及び銅などからなる走査線及び信
号線などである。また、スイッチング素子18は、例え
ば、アモルファスシリコンやポリシリコンを半導体層と
したTFTであり、走査線及び信号線などの配線並びに
画素電極21と接続されている。アクティブマトリクス
基板11では、このような構成により、所望の画素電極
21に対して選択的に電圧を印加することを可能として
いる。
【0021】透明基板17と画素電極21との間に介在
する絶縁膜19には、コンタクトホールが設けられてい
る。画素電極21は、このコンタクトホールを介してス
イッチング素子18と接続されている。
【0022】畝状突起部20は、例えば、感光性樹脂な
どを用い塗膜を形成し、この塗膜を露光・現像すること
などによって形成することができる。
【0023】画素電極21は、ITOのような透明導電
材料で構成され得る。画素電極21は、例えばスパッタ
リング法などにより薄膜を形成した後、フォトリソグラ
フィ技術及びエッチング技術を用いてその薄膜をパター
ニングすることにより形成することができる。
【0024】配向膜22は、ポリイミドなどの透明樹脂
からなる薄膜で構成されている。なお、この配向膜22
には、ラビング処理は施さない。
【0025】対向基板12は、ガラス基板のような透明
基板25上に、共通電極26及び配向膜27を順次形成
した構造を有している。これら共通電極26及び配向膜
27は、画素電極21及び配向膜22と同様の材料で形
成され得る。なお、図2に示す液晶セル2では、共通電
極26にはスリットが設けられている。
【0026】液晶層13は、誘電率異方性が負の液晶材
料を含んでいる。液晶層13は、そのような液晶材料に
加え、垂直配向モードの液晶セルで通常に使用されてい
る各種添加剤を含み得る。
【0027】以上説明した液晶セル2では、例えば、画
素電極21と共通電極26との間に印加する電圧を比較
的低い第1表示電圧と第1表示電圧よりも高い第2表示
電圧との間で変化させることにより表示を行う。画素電
極21と共通電極26との間に閾値電圧未満の第1表示
電圧を印加した場合(電圧を印加していない場合も含
む)には、液晶分子30は垂直配向している。画素電極
21と共通電極26との間に閾値電圧以上の第2表示電
圧を印加すると、液晶分子30は、隣り合う画素電極2
1間のギャップ、共通電極26に設けられたスリット、
畝状突起部20によって画素電極26に導入された畝状
突起構造により、図2に示すようにチルトする。その結
果、液晶層13の画素電極21と共通電極26との間に
位置する部分として規定される画素領域は、突起部20
を挟んで両側に位置し且つチルト方向が互いに異なる2
つのドメインへと分割される。液晶セル2を透過する光
は、このような配向状態の変化に応じて偏光状態に変化
を生ずる。
【0028】本実施形態に係る液晶表示装置1は、以上
説明した液晶セル2と、偏光板3a,3bと、1/2波
長板4a,4bと、1/4波長板5a,5bと、光源6
とで主に構成されている。本実施形態において、1/2
波長板4aと1/4波長板5aとの積層順及び1/2波
長板4aと1/4波長板5aとの積層順に特に制限はな
い。
【0029】偏光板3a,3bとしては、例えば、ポリ
ビニルアルコールの膜を延伸してヨウ素を吸収させたも
のや一軸延伸PVA膜に二色性色素を吸収させたものな
どのように液晶表示装置に一般に用いられているものを
使用することができる。1/2波長板4a,4b及び1
/4波長板5a,5bとしては、例えば、ポリスチレン
やポリカーボネートのような高分子材料からなる高分子
フィルムを延伸処理することによって得られるものなど
のように液晶表示装置に一般に用いられているものを使
用することができる。また、複屈折性の結晶からなる板
を使用することも可能である。光源6としては、液晶表
示装置で一般に用いられているバックライトを使用する
ことができる。
【0030】次に、本実施形態で利用する原理について
図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4
は、それぞれ、本実施形態で利用する原理を概略的に示
す図である。なお、図3及び図4においては、簡略化の
ため、1/2波長板4aの光軸は偏光板3aの吸収軸と
45°の角度を為し、1/2波長板4aの光軸と1/4
波長板5aの光軸とは互いに平行であり、1/2波長板
4bの光軸と1/4波長板5bの光軸とは互いに平行で
あり、1/4波長板5aの光軸と1/4波長板5bの光
軸とは90°の角度を為し、偏光板3bの吸収軸と偏光
板3aの吸収軸とは90°の角度を為しているものとし
ている。また、以下の説明では、液晶セル2に光を透過
させることによってその第1偏光成分と第2偏光成分と
の間に生じる位相差は、画素電極21と共通電極26と
の間に印加する電圧に応じて変化するものの、波長には
依存しないこととする。
【0031】図3に示すように、平面型バックライトの
ような光源6からの光50aは偏光板3aを透過するこ
とにより直線偏光50bとなる。直線偏光50bのうち
波長λ0の光成分は、その波長の光に関して設計された
1/2波長板4aに入射し、透過光として、第1直線偏
光成分とそれに垂直な方向に振動する第2直線偏光成分
とが1/2波長分の位相差をもって出射する。すなわ
ち、1/2波長板4aに波長λ0の直線偏光50bを入
射させると、透過光として、振動方向が90°回転した
直線偏光50cを得ることができる。
【0032】しかしながら、一般に、1/2波長板4a
は、可視光線の波長域全体にわたってそのような機能を
発揮する訳ではない。これは、上述した1/2波長板4
aの機能は1/2波長板4aの光軸方向及びそれに垂直
な方向の屈折率と1/2波長板4aの厚さと入射光の波
長とが所定の関係を満足している場合に発揮されるもの
であるため入射光の波長が波長λ0からずれると第1直
線偏光成分と第2直線偏光成分との間の位相差が1/2
波長分とはならないのに加え、1/2波長板4aの屈折
率が波長依存性を有していることがあるからである。こ
のような理由から、光源から偏光板3aを介して1/2
波長板4aに可視光線を入射させた場合、波長がほぼλ
0である光成分は直線偏光となり、他の光成分の多くは
楕円偏光となる。
【0033】1/2波長板4aを出射した直線偏光50
bは、例えば波長λ0の光に関して設計された1/4波
長板5aに入射し、第1直線偏光成分とそれに垂直な方
向に振動する第2直線偏光成分とにさらに1/4波長分
の位相差を与えられて出射する。すなわち、直線偏光5
0bは1/4波長板5aを透過することにより、右回り
或いは左回りの円偏光50dとなる。
【0034】一方、1/2波長板4aを出射した楕円偏
光は、1/4波長板5aを透過することにより、その第
1直線偏光成分と第2直線偏光成分との間に1/4波長
分よりも小さな位相差がさらに生じるか或いは1/4波
長分よりも大きな位相差がさらに生じる。したがって、
波長がλ0とは大きく異なる光であっても、1/2波長
板4aを透過することにより第1直線偏光成分と第2直
線偏光成分との間に生じる位相差と、1/4波長板5a
を透過することにより第1直線偏光成分と第2直線偏光
成分との間に生じる位相差との和が(n+1/2)×π
程度であれば、1/2波長板4a及び1/4波長板5a
を順次透過させることにより円偏光とすることができる
(なお、nは整数を示す)。
【0035】液晶分子30が倒れる方向にばらつきがあ
る場合、液晶セル2に直線偏光ではなく円偏光を入射さ
せることにより液晶表示装置1の透過率変化或いは透過
率を向上させることができるのは上述した通りである。
この効果は楕円偏光を入射させた場合においても得るこ
とができるが、円偏光を入射させた場合に得られる効果
に比べれば小さい。
【0036】本実施形態によると、波長がほぼλ0の直
線偏光だけでなく、波長がλ0とは大きく異なる直線偏
光の少なくとも一部も円偏光へと変換して液晶セル2へ
と入射させることができる。すなわち、本実施形態によ
ると、従来技術に比べて、より多くの光成分を円偏光と
して液晶セル2に入射させることができる。
【0037】液晶セル2に入射した円偏光50dは、液
晶分子30が垂直配向している場合には図3に示すよう
に楕円偏光となることなく円偏光50e1として液晶セ
ル2を出射し、液晶分子30が十分に倒れて配向してい
る場合には図4に示すように楕円偏光50e2となって
液晶セル2を出射する。すなわち、液晶セル2は、画素
電極21と共通電極26との間に電圧を印加していない
か或いは比較的低い第1表示電圧を印加している場合に
は円偏光50e1を出射し、画素電極21と共通電極2
6との間に比較的高い第2表示電圧を印加している場合
には短軸に対する長軸の長さの比が大きな楕円偏光50
2を出射する。
【0038】画素電極21と共通電極26との間に電圧
を印加していない場合に液晶セル2から出射する円偏光
のうち波長がほぼλ0の光成分50e1は、1/4波長板
5bを透過することにより直線偏光50bに対して振動
方向が90°回転した直線偏光50f1となり、1/2
波長板4bを透過することにより振動方向がさらに90
°回転して直線偏光50g1となる。
【0039】一方、液晶セル2を出射した円偏光のうち
波長がλ0とは大きく異なる光成分は、1/4波長板5
bを透過することにより第1直線偏光成分と第2直線偏
光成分との間に1/4波長分よりも小さな位相差を生じ
るか或いは1/4波長分よりも大きな位相差を生じ、1
/2波長板4bを透過することにより第1直線偏光成分
と第2直線偏光成分との間に1/2波長分よりも小さな
位相差をさらに生じるか或いは1/2波長分よりも大き
な位相差をさらに生ずる。それゆえ、波長がλ 0とは大
きく異なる円偏光であっても、1/4波長板5bを透過
することにより第1直線偏光成分と第2直線偏光成分と
の間に生じる位相差と、1/2波長板4bを透過するこ
とにより第1直線偏光成分と第2直線偏光成分との間に
生じる位相差との和が(n+1/2)×π程度であれ
ば、1/4波長板5b及び1/2波長板4bに順次透過
させることにより直線偏光とすることができる(なお、
nは整数を示す)。
【0040】したがって、この液晶表示装置1をノーマ
リブラックとする場合、波長がほぼλ0の円偏光50e1
及び波長がλ0とは大きく異なる円偏光のそれぞれにつ
いて1/4波長板5b及び1/2波長板4bに順次透過
させることによって得られる直線偏光の振動方向を一致
させることにより、黒色表示時における光吸収率を高め
ることができる。なお、この効果は、黒色表示を行う際
に画素電極21と共通電極26との間に第1表示電圧を
印加する場合についても同様に得ることができる。
【0041】また、画素電極21と共通電極26との間
に第2表示電圧を印加した場合に液晶セル2から出射す
る楕円偏光のうち波長がほぼλ0の光成分50e2は、1
/4波長板5bを透過することによりその回転方向が逆
転して楕円偏光50f2となり、1/2波長板4bを透
過することによりその回転方向が再度逆転するとともに
楕円の長軸が90°回転して楕円偏光50g2となる。
楕円偏光50g2の一部の光成分は偏光板3bを透過可
能であり、したがって、直線偏光50hとして偏光板3
bを出射する。この直線偏光50hは光散乱膜などを透
過した後、表示光として観察者に視認される。
【0042】液晶セル2を出射した楕円偏光のうち波長
がλ0とは大きく異なる光成分は、1/4波長板5b及
び1/2波長板4bを順次透過することにより、第1偏
光成分と第2偏光成分との間に位相差を生じる。1/2
波長板4bを設けない場合、偏光板3bへの入射面にお
いて、波長がλ0とは大きく異なる楕円偏光の多くは、
波長がほぼλ0の楕円偏光と楕円の長軸同士が交差する
ため、光透過率が低く、表示画像に色づきを生ずる。そ
れに対し、1/2波長板4bを設けた場合、第1偏光成
分と第2偏光成分との間に位相差を生じさせることがで
きるため、波長がλ0とは大きく異なる楕円偏光の少な
くとも一部について、その楕円の長軸方向を波長がほぼ
λ0の楕円偏光50g2の楕円の長軸方向にほぼ一致させ
ることができ、それゆえ、光透過率を高めること及び表
示画像の色づきを抑制することができる。
【0043】以上の説明では、簡略化のため、1/2波
長板4aの光軸が偏光板3aの吸収軸と45°の角度を
為し、1/2波長板4aの光軸と1/4波長板5aと1
/4波長板5bの光軸と1/2波長板4bの光軸とが互
いに平行であり、偏光板3bの吸収軸と偏光板3aの吸
収軸とが90°の角度を為していることとしたが、それ
ら角度を適宜変更することにより、液晶表示装置1のコ
ントラスト比や視野角などの特性をさらに向上させるこ
とができる。なお、それら角度は、例えば、角度を異な
らしめた液晶表示装置1を複数種作製して上記特性の測
定を行うことや、シミュレーションを行うことなどによ
って設定することができる。
【0044】また、上記の説明では、液晶セル2に光を
透過させることによってその第1偏光成分と第2偏光成
分との間に生じる位相差は波長には依存しないこととし
たが、実際には、多くの場合、液晶セル2に光を透過さ
せることによってその第1偏光成分と第2偏光成分との
間に生じる位相差は波長に依存する。このような場合で
あっても、そのような波長依存性を考慮して上記角度等
の設定を行うことにより、光透過率を高める表示画像の
色づきを抑制するという効果を得ることができる。これ
については、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0045】図5(a)〜(e)は、それぞれ、図1に
示す液晶表示装置1の視野角を示すグラフである。ま
た、図6は、図1に示す液晶表示装置1の1/2波長板
4bを回転させた場合に生ずる正面コントラスト比の変
化を示すグラフである。図5(a)〜(e)のそれぞれ
において、横軸は液晶表示装置1に正対した場合の横方
向の視野角を示し、縦軸は液晶表示装置1に正対した場
合の縦方向の視野角を示している。また、図6におい
て、横軸は1/2波長板4bの基準角度からの回転角を
示し、縦軸は正面コントラスト比を示している。
【0046】なお、図5(a)〜(e)及び図6に示す
データは、液晶分子30が倒れる方向に対して偏光板3
bの吸収軸が為す角度を+45°とし、偏光板3bの吸
収軸に対して1/2波長板4bの光軸が為す角度を+1
8°(基準角度)とし、偏光板3bの吸収軸に対して1
/4波長板5bの光軸が為す角度を+80°とし、偏光
板3bの吸収軸に対して偏光板3aの吸収軸が為す角度
を+75°とし、偏光板3aの吸収軸に対して1/2波
長板4aの光軸が為す角度を+108°とし、偏光板3
aの吸収軸に対して1/4波長板5aの光軸が為す角度
を−10°として、1/2波長板4bの光軸が偏光板3
bの吸収軸に対して為す角度を基準角度から変化させ
て、液晶表示装置1のコントラスト比と視野角との関係
をシミュレーションすることにより得られたものであ
る。また、図5(a)〜(e)に示す等コントラスト比
曲線は、1/2波長板4bの光軸が偏光板3bの吸収軸
に対して為す角度を基準角度から+4°、+2°、0
°、−2°、−4°変化させた場合に得られたデータに
それぞれ対応している。
【0047】図5(a)〜(e)に示すように、1/2
波長板4bを回転させることにより液晶表示装置1の視
野角及びコントラスト比は変化する。また、図6に示す
ように、正面コントラスト比も1/2波長板4bを回転
させることにより変化する。図6に示すように、このシ
ミュレーションからは、偏光板3bの吸収軸に対して1
/2波長板4bの光軸が為す角度を+18°±3°の範
囲内とすることが好ましく、+18°±2°の範囲内と
することがより好ましいことが分かる。
【0048】また、偏光板3a,3b、1/2波長板4
a、及び1/4波長板5a,5bを回転させて同様のシ
ミュレーションを行った。その結果、それらのいずれに
ついても、上記のシミュレーションにおける設定値に対
して±3°の範囲内とすることが好ましく、±2°の範
囲内とすることがより好ましいことが確認された。
【0049】本実施形態において、1/2波長板4a,
4bを透過することにより第1直線偏光成分と第2直線
偏光成分との間に1/2波長分の位相差を生じる光の波
長と、1/4波長板5a,5bを透過することにより第
1直線偏光成分と第2直線偏光成分との間に1/4波長
分の位相差を生じる光の波長とは必ずしも同一でなくと
もよい。換言すれば、波長λ0の光に関し、1/2波長
板4a,4bが第1直線偏光成分と第2直線偏光成分と
の間に与える位相差は必ずしも正確に1/2波長分でな
くともよく、同様に、1/4波長板5a,5bが第1直
線偏光成分と第2直線偏光成分との間に与える位相差は
必ずしも正確に1/4波長分でなくともよい。
【0050】本実施形態において、1/2波長板4a,
4b及び1/4波長板5a,5bの少なくとも1つは、
光軸方向の屈折率とそれに垂直な方向の屈折率との差Δ
wが波長依存性を有するものであってもよい。これに
ついては、図5を参照しながら説明する。
【0051】図7は、本発明の実施形態に係る液晶表示
装置で用いられる波長板の屈折率と波長との関係の例を
示すグラフである。なお、図中、横軸は入射光の波長を
示し、縦軸は波長板の光軸方向の屈折率とそれに垂直な
方向の屈折率との差Δnwを波長550nmの光に関す
る差Δnw550に対する相対値として示している。また、
図中、曲線55は延伸処理したポリカーボネートフィル
ムに関するデータを示し、曲線56は日東電工社のアー
トン(商標名)に関するデータを示し、曲線57はサン
リッツ社のWRF(商標名)に関するデータを示してい
る。
【0052】液晶セル2において波長に依存することな
く均一な位相差を生じさせるためには、液晶材料の屈折
率異方性Δnは、短波長側の光に対して小さく長波長側
の光に対して大きいという波長依存性を有していること
が望まれる。しかしながら、これとは逆に、多くの液晶
材料の屈折率異方性Δnは短波長側の光に対して大きく
長波長側の光に対して小さいという波長依存性を有して
いる。そのため、液晶セル2から出射する光の位相差が
波長に応じて大きく異なり、その結果、偏光板3bを出
射する直線偏光成分の割合が波長に応じて異なるという
問題を生ずることがある。
【0053】また、1/2波長板4a,4b及び1/4
波長板5a,5bにおいて波長に依存することなく均一
な位相差を生じさせるためには、光軸方向の屈折率とそ
れに垂直な方向の屈折率との差Δnwが短波長側に比べ
て長波長側でより大きいことが望まれる。
【0054】したがって、1/2波長板4a,4b及び
1/4波長板5a,5bの少なくとも1つとして、曲線
57で示すように光軸方向の屈折率とそれに垂直な方向
の屈折率との差Δnwが短波長側に比べて長波長側でよ
り大きな波長板を使用した場合、波長板4a,4b,5
a,5bにおいて位相差が波長に応じて異なるのを防止
できるのに加え、液晶セル2で生じる波長に応じた位相
差のばらつきを補償することができる。
【0055】差Δnwが短波長側に比べて長波長側でよ
り大きな波長板は、1/2波長板4a,4b及び1/4
波長板5a,5bの全てに使用してもよく、或いは、そ
れら波長板4a,4b,5a,5bの一部のみに使用し
てもよい。例えば、液晶材料の屈折率異方性Δnが波長
に応じて大きく変化する場合は、波長板4a,4b,5
a,5bの全てに差Δnwが短波長側に比べて長波長側
でより大きなものを使用することが好ましい。
【0056】また、上述したように、液晶セル2に対し
て光源側に位置する波長板4a,5aには、より多くの
波長域にわたって直線偏光を円偏光へと変換して液晶セ
ル2に入射させる機能が望まれるので、液晶セル2で生
じる位相差のばらつきを補償する役割は液晶セル2に対
して観察者側に位置する波長板4b,5bに負わせるこ
とが好ましい。すなわち、1/4波長板5aに比べて差
Δnwの波長に対する増加率がより高いものを1/4波
長板5bに使用し且つ1/2波長板4aに比べて差Δn
wの波長に対する増加率がより高いものを1/2波長板
4bに使用することが好ましい。特に、波長板4a,4
b,5a,5bの全てについて差Δnwの波長に対する
増加率が正であり、1/4波長板5aに比べ1/4波長
板5bにおいて差Δnwの波長に対する増加率がより高
く、1/2波長板4aに比べ1/2波長板4bにおいて
差Δnwの波長に対する増加率がより高いことがより好
ましい。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)本実施例では、以下に説明する方法により
図2に示す液晶セル2を作製し、この液晶セル2を用い
て図1に示す液晶表示装置を作製した。すなわち、ま
ず、ガラス基板17上にスパッタリング法により膜厚が
0.3μm程度のモリブデン膜を成膜し、このモリブデ
ン膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングす
ることによりゲート線を形成した。次いで、ガラス基板
17のゲート線を形成した面に、膜厚0.15μmの二
酸化珪素或いは窒化珪素からなるゲート絶縁膜を成膜
し、その上にTFT18の半導体層を形成したー。さら
に、その上に、膜厚0.3μmのITOからなる信号線
とソース電極とを形成した。以上のようにしてTFT1
8を得た。
【0058】次に、ガラス基板17のTFT18を形成
した面に、窒化珪素からなる絶縁膜19を成膜した。さ
らに、その上にスパッタリング法により膜厚0.1μm
程度のITO膜を成膜し、このITO膜をフォトリソグ
ラフィ技術を用いてパターニングすることにより画素電
極21を得た。次いで、ガラス基板17の画素電極21
を形成した面に感光性樹脂を塗布し、その塗膜を露光・
現像することによりパターニングして畝状突起部20を
得た。さらに、ガラス基板17の畝状突起部20を形成
した面に熱硬化性樹脂を塗布し、この塗膜を焼成するこ
とにより配向膜21を形成した。以上のようにして、ア
クティブマトリクス基板11を作製した。
【0059】次に、別途用意したガラス基板25の一方
の主面上に、フォトリソグラフィ技術を用いて、赤、
緑、青の色領域を有するカラーフィルタ層(図示せず)
を形成した。次いで、このカラーフィルタ層上に、スパ
ッタリング法を用いてITO膜を形成し、このこのIT
O膜にフォトリソグラフィ技術を用いてスリットを設け
ることにより共通電極26を得た。続いて、この共通電
極26の全面に、アクティブマトリクス基板11に関し
て説明したのと同様の方法により配向膜27を形成し
た。以上のようにして、対向基板12を作製した。
【0060】次に、アクティブマトリクス基板11と対
向基板12の対向面周縁部を、エポキシ系熱硬化樹脂か
らなる接着剤を用いて、それらの配向膜21,27が形
成された面が対向するように及び液晶材料を注入するた
めの注入口が残されるように貼り合わせることにより液
晶セル2を形成した。なお、この液晶セル2のセルギャ
ップは、アクティブマトリクス基板11と対向基板12
との間に樹脂スペーサを介在させることにより一定に維
持した。
【0061】次いで、この液晶セル2中に誘電率異方性
が負である液晶材料を通常の方法により注入して液晶層
13を形成した。さらに、液晶注入口を紫外線硬化樹脂
で封止することにより図2に示す構造を得た。続いて、
液晶セル2の両面に1/2波長板4a,4b、1/4波
長板5a,5b、偏光板3a,3bを貼り付けた。以上
のようにして図1に示す液晶表示装置1を得た。
【0062】なお、本実施例では、1/2波長板4a,
4b及び1/4波長板5a,5bとして日東電工社製の
アートンを使用した。
【0063】また、液晶分子30が倒れる方向に対して
偏光板3bの吸収軸が為す角度は+45°とし、偏光板
3bの吸収軸に対して1/2波長板4bの光軸が為す角
度は+18°とし、偏光板3bの吸収軸に対して1/4
波長板5bの光軸が為す角度は+80°とした。さら
に、偏光板3aの吸収軸に対して1/2波長板4aの光
軸が為す角度は+18°とし、偏光板3aの吸収軸に対
して1/4波長板5aの光軸が為す角度は−10°と
し、偏光板3bの吸収軸に対して偏光板3aの吸収軸が
為す角度は+75°とした。
【0064】(比較例1)1/2波長板4a,4b及び
1/4波長板5a,5bを設けなかったこと以外は実施
例1で説明したのと同様の方法により図1に示す液晶表
示装置1を作製した。なお、本比較例においては、液晶
分子30が倒れる方向に対して偏光板3bの吸収軸が為
す角度は+45°とし、偏光板3bの吸収軸に対して偏
光板3aの吸収軸が為す角度は+45°とした。
【0065】以上のようにして得られた実施例1及び比
較例1に係る液晶表示装置1を駆動して正面透過率を測
定した。その結果、実施例1に係る液晶表示装置1で
は、比較例1に係る液晶表示装置1に比べて正面透過率
が約20%向上しており、明るく且つ高コントラスト比
の表示を実現することができた。また、実施例1に係る
液晶表示装置1では、観察する方向に応じて変化する色
づきが抑制されていることが確認された。
【0066】(比較例2)1/2波長板4a,4bを設
けなかったこと以外は実施例1で説明したのと同様の方
法により図1に示す液晶表示装置1を作製した。なお、
本比較例においては、液晶分子30が倒れる方向に対し
て偏光板3bの吸収軸が為す角度は+45°とし、偏光
板3bの吸収軸に対して1/4波長板5bの光軸が為す
角度は+45°とした。また、偏光板3bの吸収軸に対
して偏光板3aの吸収軸が為す角度は+90°とし、偏
光板3aの吸収軸に対して1/4波長板5aの光軸が為
す角度は+45°とした。
【0067】以上のようにして得られた比較例2に係る
液晶表示装置1を駆動して正面透過率を測定した。その
結果、比較例2に係る液晶表示装置1では、比較例1に
係る液晶表示装置1に比べて正面透過率が約15%向上
したものの、観察する方向に応じて変化する色づきが大
きく、特に黒表示時では斜め方向に赤色若しくは青色の
光抜けが発生した。
【0068】次に、実施例1に係る液晶表示装置1及び
比較例2に係る液晶表示装置1のそれぞれについて、黒
表示時に偏光板3bに入射する偏光について調べた。
【0069】図8(a)は本発明の実施例1に係る液晶
表示装置1について観測された偏光を概略的に示す図で
あり、図8(b)は比較例2に係る液晶表示装置1につ
いて観測された偏光を概略的に示す図である。これら図
は、偏光をその進行方向に平行な方向から描いており、
参照番号61〜63は、波長650nmの楕円偏光、波
長550nmの楕円偏光、波長450nmの楕円偏光を
それぞれ示している。
【0070】図8(a)に示すように、実施例1に係る
液晶表示装置1では、波長に依存することなく楕円偏光
61〜63の楕円の長軸方向はほぼ一定である。それに
対し、図8(b)に示すように、比較例2に係る液晶表
示装置1では、楕円偏光63の楕円の長軸方向は楕円偏
光61,62の楕円の長軸方向に対してほぼ90°の角
度を為している。このように、実施例1に係る液晶表示
装置1によると、比較例2に係る液晶表示装置1に比べ
て色づきが抑制することができた。
【0071】(実施例2)1/2波長板4a,4bとし
て日東電工社製のアートンを使用し、1/4波長板5
a,5bとしてサンリッツ社製のWRFフィルムを使用
したこと以外は実施例1で説明したのと同様の方法によ
り図1に示す液晶表示装置1を作製した。
【0072】(実施例3)1/4波長板5bとして日東
電工社製のアートンを使用し、1/4波長板5aとして
サンリッツ社製のWRFを使用し、1/2波長板4aと
して日東電工社製のアートンを使用し、1/2波長板4
bとしてサンリッツ社製のWRFを使用したこと以外は
実施例1で説明したのと同様の方法により図1に示す液
晶表示装置1を作製した。
【0073】以上のようにして作製した実施例2及び3
に係る液晶表示装置1を駆動して正面透過率を測定し
た。その結果、実施例2に係る液晶表示装置1では比較
例1に係る液晶表示装置1に比べて正面透過率が約25
%向上し、実施例3に係る液晶表示装置1では比較例1
に係る液晶表示装置1に比べて正面透過率が約28%向
上しており、いずれにおいても明るく且つ高コントラス
ト比の表示を実現することができた。また、実施例2及
び3に係る液晶表示装置1のいずれにおいても、観察す
る方向に応じて変化する色づきが抑制されていることが
確認された。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置では、光源側に配置された偏光板と液晶セルとの間
に1/4波長板と1/2波長板と偏光板とを介在させて
いるため、従来技術に比べてより多くの光成分を円偏光
へと変換して液晶セルに入射させることができる。ま
た、本発明の液晶表示装置では、光源側に配置された偏
光板と液晶セルとの間に1/4波長板と1/2波長板と
偏光板とを介在させるのに加え、観察者側に配置された
偏光板と液晶セルとの間に1/4波長板と1/2波長板
と偏光板とを介在させているため、十分に大きな透過率
変化を実現すること及び表示画像の色づきを抑制するこ
とができる。すなわち、本発明によると、透過率変化が
十分に大きく表示画像の色づきが抑制された垂直配向モ
ードの液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置を概略的
に示す斜視図。
【図2】図1に示す液晶表示装置の液晶セルをより詳細
に描いた断面図。
【図3】本発明の実施形態において利用する原理を概略
的に示す図。
【図4】本発明の実施形態において利用する原理を概略
的に示す図。
【図5】(a)〜(e)は、それぞれ、図1に示す液晶
表示装置の視野角を示すグラフ。
【図6】、図1に示す液晶表示装置の1/2波長板を回
転させた場合に生ずる正面コントラスト比の変化を示す
グラフ。
【図7】本発明の実施形態に係る液晶表示装置で用いら
れる波長板の屈折率と波長との関係の例を示すグラフ。
【図8】(a)は本発明の実施例1に係る液晶表示装置
について観測された偏光を概略的に示す図、(b)は比
較例2に係る液晶表示装置について観測された偏光を概
略的に示す図。
【符号の説明】
1…液晶表示装置; 2…液晶セル; 3a,3b…偏光板; 4a,4b…1/4波長板; 5a,5b…1/2波長板; 6…光源; 11…アクティブマトリクス基板; 12…対向基板; 13…液晶層; 17…透明基板; 18…スイッチング素子; 19…絶縁膜; 20…畝状突起部; 21…画素電極; 22…配向膜; 25…透明基板; 26…共通電極; 27…配向膜; 30…液晶分子; 50a…光; 50b,50g1,50h…直線偏光; 50c,50d,50e1,50f1…円偏光; 50e2,50f2,50g2…楕円偏光; 55〜57…曲線; 61〜63…楕円偏光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 靖 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 倉内 昭一 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 山口 剛史 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 (72)発明者 磨矢 奈津子 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 2H088 HA15 HA17 HA18 JA05 MA02 MA06 2H090 HB08Y LA02 LA04 LA07 LA08 LA09 LA16 MA01 MA15 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FD10 GA06 GA13 LA16 LA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直配向モードの液晶セルと、前記液晶
    セルの一方の主面に対向して配置された第1の偏光板
    と、前記液晶セルと前記第1偏光板との間に介在する第
    1の1/4波長板と、前記液晶セルと前記第1の偏光板
    との間に介在し且つ前記第1の1/4波長板とともに第
    1の積層構造を形成した第1の1/2波長板と、前記液
    晶セルの他方の主面に対向して配置された第2の偏光板
    と、前記液晶セルと前記第2の偏光板との間に介在する
    第2の1/4波長板と、前記液晶セルと前記第2の偏光
    板との間に介在し且つ前記第2の1/4波長板とともに
    第2の積層構造を形成した第2の1/2波長板とを具備
    することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の1/4波長板並びに
    前記第1及び第2の1/2波長板のそれぞれは、その光
    軸方向の屈折率と前記光軸方向に垂直な方向の屈折率と
    の差Δnwが短波長側に比べて長波長側でより大きいこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 波長の長波長化に対する前記差Δnw
    増加率は、前記第1の1/4波長板に比べて前記第2の
    1/4波長板においてより高く、前記第1の1/2波長
    板に比べて前記第2の1/2波長板においてより高いこ
    とを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の偏光板に対向して配置され且
    つ前記液晶セルに向けて光を照射する光源をさらに具備
    することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の1/2波長板は前記第1の偏
    光板と前記第1の1/4波長板との間に介在し、前記第
    2の1/2波長板は前記第2の偏光板と前記第2の1/
    4波長板との間に介在し、前記第2の偏光板の吸収軸に
    対して前記第2の1/4波長板の光軸が為す角度は+7
    7°乃至+83°の範囲内にあり、前記第2偏光板の吸
    収軸に対して前記第2の1/2波長板の光軸が為す角度
    は+15°乃至+21°の範囲内にあり、前記第2の偏
    光板の吸収軸に対して前記第1の偏光板の吸収軸が為す
    角度は+72°乃至+78°の範囲内にあり、前記第1
    の偏光板の吸収軸に対して前記第1の1/4波長板の光
    軸が為す角度は−13°乃至−7°の範囲内にあり、前
    記第1の偏光板の吸収軸に対して前記第1の1/2波長
    板の光軸が為す角度は+105°乃至+111°の範囲
    内にあることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  6. 【請求項6】 前記液晶セルはマルチドメイン型垂直配
    向モードの液晶セルであることを特徴とする請求項1に
    記載の液晶表示装置。
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