JP3147101B2 - 溶融金属の温度測定方法及び装置 - Google Patents

溶融金属の温度測定方法及び装置

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JP3147101B2 JP27095098A JP27095098A JP3147101B2 JP 3147101 B2 JP3147101 B2 JP 3147101B2 JP 27095098 A JP27095098 A JP 27095098A JP 27095098 A JP27095098 A JP 27095098A JP 3147101 B2 JP3147101 B2 JP 3147101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば溶鋼等の高温
の液体金属の温度を計測する温度測定方法及び装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば連続鋳造プロセスにおいては、品
質の向上や生産の歩留まり向上のために、鋳造時の溶鋼
の温度や溶鋼のレベルを正確に知る必要がある。従来は
タンディッシュやモ−ルド内の溶鋼の温度計測する方法
として、カ−ボンスリ−ブの内部に溶鋼が流入する凝固
室を設け、この凝固室に熱電対を取り付けた消耗型の浸
漬熱電対や、セラミックの保護管で覆った熱電対を使用
した接触式温度計が利用されている。また、溶鋼のレベ
ルを測定する方法として渦電流形の距離検出器が使用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記消耗型の浸漬熱電
対は熱電対が直接溶鋼に触れるため1回の測定で劣化し
てしまう。このため先端の測温プロ−ブが着脱自在にな
っており、この測温プロ−ブを1回の測定毎に交換して
いる。このように高価な測温プロ−ブを1回の測定毎に
使い捨てにしているため、測定回数を増やすことは困難
であった。
【0004】また、熱電対をセラミックの保護管で覆っ
た場合には、熱電対が直接溶鋼に触れないため、測定を
連続的に行なうことができる。しかしながら、この場合
にもヒ−トショックやスラグによる溶損等によりセラミ
ックの保護管の耐久性に限度があり、高価な保護管が4
0時間から50時間程度しか持たず、長時間繰り返して
使用することはできなかった。
【0005】また、溶鋼のレベル測定に使用する渦電流
形の距離検出器は、定常状態のときには正確にレベル測
定を行なうことができレベル制御に役立っているが、測
定範囲が200mm以下と狭いため、鋳造開始時のオ−
トスタ−トのためのレベル測定はできなかった。このた
めオ−トスタ−トの自動化が困難であった。
【0006】この発明はかかる短所を解決するためにな
されたものであり、高温の溶融金属の温度を安価で精度
良く計測することができる溶融金属の温度測定方法及び
装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る溶融金属
の温度測定方法は、金属管で被覆された光ファイバの先
端部を溶融金属に向けて金属管とともに搬送して溶融金
属内に挿入し、光ファイバの他端部に接続された放射温
度計により溶融金属の温度を測定する工程と、溶融金属
の温度を測定しないときは光ファイバの先端部を溶融金
属とは逆の方向に搬送する工程と、溶融金属とは逆の方
向に搬送された光ファイバの先端部を切断して新しい先
端部を形成し、新しい先端部を溶融金属の温度の測定に
供する工程とを有することを特徴とする。
【0008】第2の発明に係る溶融金属の温度測定装置
は、金属管で被覆された光ファイバと、光ファイバの先
端部を溶融金属に向けて金属管とともに送り出す光ファ
イバ搬送手段と、光ファイバの他端部に接続され、溶融
金属の温度を測定する放射温度計とを備え、光ファイバ
搬送手段は溶融金属の温度を測定した光ファイバの先端
部を溶融金属とは逆の方向に搬送した後、光ファイバの
先端部を切断して新たに形成された先端部を金属管とと
もに溶融金属に向けて送り出すことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明においては、光ファイバ
の先端部を、光ファイバを被覆した金属管とともに測温
エレメントとして溶融金属内に挿入する。この溶融金属
内に光ファイバの先端部を挿入する場合、通常の光ファ
イバでは先端部を溶融金属に近づけただけで被覆が燃え
出し、溶融金属に挿入するときに光ファイバ自体が折れ
易く、溶融金属中に挿入することはできないが、光ファ
イバを金属管とともに溶融金属中に挿入することによ
り、光ファイバに損傷を与えずに挿入することができ
る。
【0010】また、光ファイバを被覆している金属管を
ステンレス管で構成と、金属管は1400〜1430℃
程度の融点を有し、先端部を溶融金属に挿入しても数秒
間は金属管が溶けずに光ファイバを保護する。また、芯
線である光ファイバを1600℃以上の軟化点を有する
石英系ガラスで形成することにより、耐熱性を確保する
ことができる。
【0011】この金属管と光ファイバの先端部を溶融金
属内に挿入すると、金属管と光ファイバの先端部は溶融
金属と同じ温度になり、光ファイバの先端部は黒体の条
件を満たしている。このため光ファイバの先端形状の影
響を受けることなく、温度のみに依存した放射光を発す
る。この放射光を光ファイバを通して放射温度計に導
き、放射温度計で溶融金属の温度を検出する。
【0012】また、金属管と光ファイバを送り出して溶
融金属に挿入し、温度計測後に金属管と光ファイバを巻
き上げて溶融金属から引き上げて、光ファイバの先端部
を切断して新しい先端部を形成し、新しい先端部を溶融
金属の温度の測定に使用し、1本の光ファイバにより繰
り返して溶融金属の温度を測定する。
【0013】
【実施例】図1はこの発明に一実施例を示す構成図であ
る。図に示すように、例えば溶鋼の温度を計測する温度
測定装置は、供給ドラム2に巻回された金属管被覆光フ
ァイバ1と放射温度計3と記録計4とを有する。金属管
被覆光ファイバ1は、図2に示すように、石英系ガラス
からなる光ファイバ11がステンレス管からなる金属管
12で被覆されている。なお、光ファイバ11の被覆層
13と金属管12との間には必要に応じてジェリ14が
充填されている。この金属管被覆光ファイバ1は光の伝
送路であるとともに測温エレメントとして使用するもの
であり、先端部が溶鋼中に挿入される。放射温度計3は
金属管被覆光ファイバ1を通して導かれる金属管被覆光
ファイバ1先端部の放射光から溶鋼の温度を検出して指
示するものであり、放射光の輝度出力から直接温度を求
める赤外放射温度計や、二波長の輝度に比較から温度を
求める二色温度計からなり、光ファイバコネクタ5を介
して金属管被覆光ファイバ1に接続されている。
【0014】この温度測定装置で溶鋼の温度を計測する
ときは、金属管被覆光ファイバ1の先端部を溶鋼中に挿
入する。被覆層だけがある通常の光ファイバを溶鋼中に
挿入使用とすると、先端部を溶鋼に近づけただけで被覆
層が燃え出し、光ファイバ自体が溶鋼に挿入するときに
折れてしまうが、金属管被覆光ファイバ1は光ファイバ
11を金属管12で被覆してあり、光ファイバ11を金
属管12とともに溶鋼中に挿入するから、挿入時に溶鋼
が光ファイバ11に与える応力を金属管12で遮断して
光ファイバ11を保護しているから、光ファイバ11や
被覆層13に損傷を与えずに溶鋼中に挿入することがで
きる。また、光ファイバ11を被覆しているステンレス
管からなる金属管12は融点が1400〜1430℃程
度であるから、高温の溶鋼中に挿入しても直ちに溶け
ず、数秒間は光ファイバ11を保護している。また、芯
線である光ファイバ11の石英系ガラスも1600℃以
上の軟化点を有するから、一定時間溶融せずにその形状
を保持することができる。
【0015】この金属管被覆光ファイバ1の先端部を溶
鋼に挿入すると、金属管14と光ファイバ11の先端部
は溶鋼と同じ温度になり、光ファイバ11の先端部は黒
体の条件を満たす。そして光ファイバ11の先端部は溶
鋼の温度のみに依存した放射光を発する。この放射光は
金属管被覆光ファイバ1を通って放射温度計3に送られ
る。放射温度計3は送られた放射光の波長から温度を算
出して溶鋼の温度を検出し表示するとともに温度出力を
記録計4に送り記録する。このように熱容量の少ない金
属管被覆光ファイバ1の先端部を溶鋼に挿入するから、
先端部の温度を直ちに溶鋼の温度に追従させることがで
き、溶鋼の温度を迅速かつ正確に計測することができ
る。なお、放射温度計3に送られた直流的な放射光をホ
トチョッパで断続して交流信号に変換して増幅し、増幅
した交流信号をホトチョッパと同期させて検波すること
により、安定して増幅することができる。
【0016】金属管被覆光ファイバ1の先端部を溶鋼の
温度を検出したのち長時間溶鋼に挿入しておくと、光フ
ァイバ11の被覆層13が高温によりガス化し先端部か
ら吹き出し酸素があれば燃える。そこで溶鋼の温度を計
測した後、直ちに金属管被覆光ファイバ1の先端部を溶
鋼中から引き上げる。次ぎに溶鋼の温度を計測するとき
は測温エレメントとして使用した先端部を切断し、新し
い先端部を溶鋼中に挿入して温度を計測する。このよう
にして1本の金属管被覆光ファイバ1を繰返し使用して
溶鋼の温度を計測することができる。
【0017】次ぎに上記のように構成された温度計測で
実際に溶鋼の温度を計測する場合の動作を具体例により
説明する。
【0018】〔連続鋳造機のモ−ルドでの溶鋼温度計測
例〕図3は上記温度計測装置を連続鋳造機のモ−ルド内
の溶鋼の温度計測に使用した場合の構成図である。図に
示すように、連続鋳造機においてはタンディッシュ31
から浸漬ノズル32を通して溶鋼33がモ−ルド34に
注がれている。モ−ルド34内の溶鋼33の上には通常
パウダ35が散布されている。このモ−ルド34内の溶
鋼温度を測定するために、供給ドラム2に巻回された金
属管被覆光ファイバ1をファイバ搬送手段36で一定速
度で連続的又は間欠的に送り出しながら、金属管被覆光
ファイバ1の先端部をパウダ35の上部から溶鋼33中
に挿入する。このように金属管被覆光ファイバ1の先端
部を送り出しながら放射温度計3で温度を計測し、その
温度を記録計4に記録すると図4の送り出しの時間と温
度変化の特性図に示すように、金属管被覆光ファイバ1
の先端部が溶鋼33中に挿入した時t1に直ちに温度が
上昇し、溶鋼33の温度Tで飽和する。この飽和温度を
検出することにより溶鋼33の温度Tを計測することが
できる。
【0019】また、金属管被覆光ファイバ1の先端部を
送り出しているときに、ファイバ搬送手段36の送り速
度を制御すると、図5の温度変化特性図に示すように、
溶融パウダ35の温度T1を溶鋼33の温度Tと明確に
区別して計測することができる。また、溶融パウダ35
の温度T1と溶鋼33の深さ方向の温度分布も計測する
こともできる。但し、長時間挿入していると金属管12
が溶融し金属管被覆光ファイバ1の先端部が溶損するの
で、測定が一旦終了したら、ファイバ搬送手段36を反
転させて金属管被覆光ファイバ1を高速で引上げ、供給
ドラム2に巻戻して次の測定まで待機する。この操作を
繰り返すことによりモ−ルド34内の溶鋼33の温度を
精度良く測定することができる。
【0020】この溶鋼33の温度を計測するときに、金
属管被覆光ファイバ1の溶鋼33中への浸漬長さを短く
し、浸漬時間を短くすれば、金属管被覆光ファイバ1の
消耗量を低減することができる。この浸漬時間は温度計
測時間により定まる。温度計測に必要な時間は、放射光
の伝送は無視でき、放射温度計3の応答時間で決まる
が、放射温度計3の受光素子として半導体素子を使用す
ると、ミリ秒のオ−ダで応答することができ、金属管被
覆光ファイバ1の消耗量を1回の計測で1cm程度に抑
えることができる。そして溶鋼33の温度を計測した後
に、金属管被覆光ファイバ1を溶鋼33から引き上げて
先端部を切断して新しい先端部とすることにより、1本
の金属管被覆光ファイバ1を使用して溶鋼33の温度を
繰返し計測することができる。
【0021】この繰返し計測した温度が設定温度より低
くなったときには、プラズマト−チ37による加熱を強
化し、タンディッシュ31の温度を上昇させて一定温度
になるように温度制御することにより、プロセスの安定
化を図ることができる。
【0022】また、モ−ルド34内の測定位置を変えな
がら溶鋼33の温度を測定したり、図6に示すように、
複数の金属管被覆光ファイバ1を光スイッチ38を介し
て放射温度計3に接続した多点式の温度計測装置を使用
することにより、モ−ルド34内の温度分布を測定する
こともできる。そしてモ−ルド34内の温度分布からノ
ズル32からの溶鋼流の流量分布も測定することがで
き、連続鋳造機の操業の安定化に寄与することができ
る。
【0023】なお、上記例ではモ−ルド34内の溶鋼3
3の温度を計測した場合について説明したが、モ−ルド
34内の溶鋼33の温度とともに溶鋼33のレベルを計
測することもできる。
【0024】〔連続鋳造機のモ−ルドでの溶鋼温度とレ
ベル計測例〕図7は連続鋳造機のモ−ルド34内の溶鋼
33の温度計測とレベル計測をする場合の構成図であ
る。図に示すように、モ−ルド34内の溶鋼33の定常
時におけるレベルは渦電流形の距離検出器からなるレベ
ル検出器41で計測するようにしている。このモ−ルド
34内の初期レベル検知位置L1に金属管被覆光ファイ
バ1の先端部をセットしておく。また、放射温度計3の
温度出力端子はレベル判別手段42に接続されている。
レベル判別手段42はモ−ルド34内の溶鋼33が初期
レベル検知位置L1に達したことを判別するものであ
り、初期レベル検知位置L1に応じたしきい値THがあ
らかじめ設定されている。
【0025】この状態でノズルストッパ43を閉から開
にすると、タンディッシュ31内の溶鋼33がノズル3
2を通りダミ−バ44上に注がれ、モ−ルド34内の溶
鋼33のレベルが次第に上昇する。この溶鋼33が初期
レベル検知位置L1の金属管被覆光ファイバ1の先端部
に近づくと、金属管被覆光ファイバ1に入射する溶鋼3
3の放射光が増加し、放射温度計3の温度出力は図8に
示すように徐々に上昇する。この温度出力がレベル判別
手段42に送られる。レベル判別手段42は送られた溶
鋼33の温度としきい値THとを比較している。そして
溶鋼33が金属管被覆光ファイバ1の先端に触れると、
放射温度計3の温度出力は溶鋼33の温度を示すので急
激に上昇する。レベル判別手段44は放射温度計3から
送られる温度がしきい値THを越えたときに、溶鋼33
のレベルが初期レベル検知位置L1に達したと判断し初
期レベル検知信号をノズルストッパ位置制御手段45に
送る。ノズルストッパ位置制御手段45は初期レベル検
知信号を受けると、ノズルストッパ43の位置を調節し
て溶鋼流量を第2段階の値に制御する。また、初期レベ
ル検知信号によりダミ−バ44の引き抜きと、金属管被
覆光ファイバ1の引上げを自動的に行なう。そしてモ−
ルド34内の溶鋼33のレベルが渦電流形のレベル検出
器41の測定範囲内に達すると、溶鋼レベル制御をレベ
ル検出器41の出力で行なう。また、金属管被覆光ファ
イバ1の送り出しと引上げを繰り返すことにより、モ−
ルド34内の溶鋼33の温度を計測する。
【0026】このモ−ルド34内の溶鋼33の初期レベ
ル検知位置L1を検出するときに、金属管被覆光ファイ
バ1の先端部のセット位置は任意に可変することができ
るから、初期レベル検知位置L1を広範囲に設定するこ
とができる。したがって従来自動化が困難であったオ−
トスタ−トを実現することができる。
【0027】また、金属管被覆光ファイバ1の径は1m
mから2mm程度と小さいため、ビレットなどの小断面
の連続鋳造にも容易に使用することができ、工業的効果
が著しく大きい。
【0028】上記実施例は1本の金属管被覆光ファイバ
1を使用した場合について説明したが、図6に示すよう
に複数の金属管被覆光ファイバ1の先端部をそれぞれ異
なるレベルにセットしておくと初期時の溶鋼33のレベ
ル変化も検出できる。
【0029】また、上記実施例では連続鋳造機のモ−ル
ド34内の溶鋼33の温度とレベルを計測する場合につ
いて説明したが、タンディッシュ31内の溶鋼33の温
度とレベルを計測することもできる。
【0030】〔タンディッシュの溶鋼温度とレベル計測
例〕図9はタンディッシュ31内の溶鋼33の温度とレ
ベルを計測する場合の構成図である。図に示すように、
タンディッシュ31の上蓋にあけられた計測用孔51か
ら金属管被覆光ファイバ1をファイバ搬送手段36によ
り一定速度で連続的又は間欠的に挿入する。この金属管
被覆光ファイバ1の先端部が溶鋼33の表面に達する
と、図4に示すように放射温度計3の温度出力は急激に
変化し、溶鋼33の温度で飽和する。この急激な温度変
化をレベル判別手段42で検出したら、レベル判別手段
42は送り制御手段52から送られる金属管被覆光ファ
イバ1の送り量からタンディッシュ31内の溶鋼33の
レベルを算出する。レベル判別手段42は算出したレベ
ル検出信号をレベル制御手段53に送るとともに、送り
制御手段52に送ってファイバ搬送手段36の送り動作
を停止させ、金属管被覆光ファイバ1の挿入を停止す
る。この溶鋼33の温度とレベルを検出した後は、一旦
金属管被覆光ファイバ1をファイバ搬送手段36で巻戻
し、金属管被覆光ファイバ1の先端部を切断して次の測
定まで待機する。
【0031】このようにタンディッシュ31内の溶鋼3
3の温度とレベルを同時に検出するから、タンディッシ
ュ操業の自動化と安定化に大いに寄与することができ
る。
【0032】なお、上記各実施例は金属管被覆光ファイ
バ1の先端部を直線状のままで測温エレメントとして使
用した場合について説明したが、図10に示すように、
金属管被覆光ファイバ1の先端部をほぼU字形状に曲げ
たり、90度以上に曲げて測温エレメント1aとする
と、金属管被覆光ファイバ1を溶鋼33の方に送ってい
るとき、先端部に溶鋼33の放射光が直接入射すること
を防ぐことができる。したがって先端部を溶鋼33に挿
入したときに放射温度計3の温度出力をより急激に立ち
上げることができ、より高精度に溶鋼33の温度やレベ
ルを検出することができる。
【0033】また、上記実施例は連続鋳造における溶鋼
33の温度やレベルを計測した場合について説明した
が、その他の装置における溶融金属の温度とレベルも同
様にして計測することができ、広い範囲に適用すること
ができる。
【0034】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、光ファ
イバの先端部を測温エレメントとして金属管とともに溶
融金属内に挿入するようにしたから、光ファイバ自体に
損傷を与えずに溶融金属内に確実に挿入することができ
る。
【0035】この光ファイバの先端部を金属管とともに
溶融金属内に挿入すると、金属管と光ファイバの先端部
は溶融金属と同じ温度になり、溶融金属の温度のみに依
存した放射光を発するから、速やかにかつ精度良く溶融
金属の温度を計測することができる。
【0036】また、光ファイバの先端部を溶融金属内に
長時間挿入しておくと、光ファイバの被覆層が高温によ
りガス化し先端部から吹き出し酸素があれば燃える。そ
こで溶融金属の温度を計測した後、直ちに光ファイバの
先端部を溶融金属内から引き上げて、先端部を切断して
新しい先端部とすることにより、1本の光ファイバを使
用して溶融金属の温度を繰返し計測することができる。
【0037】さらに、光ファイバにより放射光を伝送す
るから、ノイズの影響を受けずに安定した温度計測を行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】金属管被覆光ファイバを示す断面図である。
【図3】連続鋳造機のモ−ルド内の溶鋼の温度計測に使
用した場合の構成図である。
【図4】送り出しの時間と温度変化の特性図である。
【図5】送り出しの時間と温度変化の特性図である。
【図6】他の実施例を示す構成図である。
【図7】連続鋳造機のモ−ルド内の溶鋼の温度計測とレ
ベル計測をする場合の構成図である。
【図8】溶鋼のレベルに対する温度変化の特性図であ
る。
【図9】タンディッシュ内の溶鋼の温度とレベルを計測
する場合の構成図である。
【図10】他の実施例の金属管被覆光ファイバを示す正
面図である。
【符号の説明】
1 金属管被覆光ファイバ 3 放射温度計 11 光ファイバ 12 金属管 36 ファイバ搬送手段
フロントページの続き (72)発明者 山本 修一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 近藤 裕計 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−19727(JP,A) 特開 昭61−243331(JP,A) 特開 昭63−214627(JP,A) 特開 昭47−30387(JP,A) 特開 昭58−167925(JP,A) 実開 昭63−81223(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 5/08 B22D 11/16 104 G01J 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管で被覆された光ファイバの先端部
    を、溶融金属に向けて金属管とともに搬送して溶融金属
    内に挿入し、光ファイバの他端部に接続された放射温度
    計により溶融金属の温度を測定する工程と、溶融金属の
    温度を測定しないときは光ファイバの先端部を溶融金属
    とは逆の方向に搬送する工程と、溶融金属とは逆の方向
    に搬送された光ファイバの先端部を切断して新しい先端
    部を形成し、新しい先端部を溶融金属の温度の測定に供
    する工程とを有することを特徴とする溶融金属の温度測
    定方法。
  2. 【請求項2】 金属管で被覆された光ファイバと、光フ
    ァイバの先端部を溶融金属に向けて金属管とともに送り
    出す光ファイバ搬送手段と、光ファイバの他端部に接続
    され、溶融金属の温度を測定する放射温度計とを備え、
    前記光ファイバ搬送手段は、溶融金属の温度を測定した
    光ファイバの先端部を溶融金属とは逆の方向に搬送した
    後、光ファイバの先端部を切断して新たに形成された先
    端部を金属管とともに溶融金属に向けて送り出すことを
    特徴とする溶融金属の温度測定装置。
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