JP3146469B2 - 自動注射器 - Google Patents
自動注射器Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は自動注射器に関する。よ
り詳しくは、本発明は、バネ手段により自動的に薬液を
注入するようにした自動注射器に関する。
り詳しくは、本発明は、バネ手段により自動的に薬液を
注入するようにした自動注射器に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、抗生物質や抗癌剤などの薬液
を血管、膀胱などに微量に注入する手段として、弾性材
料からなるバルーンに薬液を注入し、該バルーンの収縮
力を利用して比較的長時間にわたって薬液を血管内に持
続的に注入する薬液注入具が用いられている（特開昭５
０−１０８７９０号公報、特開昭５６−１０２２５２号
公報、特開平１−１３５３６０号公報、特開平３−１７
０１６３号公報等）。これらの薬液注入具は、いずれも
バルーンと、このバルーンを収容するハウジングと、バ
ルーンに接続される流量制御手段をその構成要素として
含むものであり、バルーンが薬液を貯蔵する容器である
とともに、薬液を注入するための動力源も兼ねている。
を血管、膀胱などに微量に注入する手段として、弾性材
料からなるバルーンに薬液を注入し、該バルーンの収縮
力を利用して比較的長時間にわたって薬液を血管内に持
続的に注入する薬液注入具が用いられている（特開昭５
０−１０８７９０号公報、特開昭５６−１０２２５２号
公報、特開平１−１３５３６０号公報、特開平３−１７
０１６３号公報等）。これらの薬液注入具は、いずれも
バルーンと、このバルーンを収容するハウジングと、バ
ルーンに接続される流量制御手段をその構成要素として
含むものであり、バルーンが薬液を貯蔵する容器である
とともに、薬液を注入するための動力源も兼ねている。
【０００３】従って、これら従来の薬液注入具はいずれ
もバルーンの形成材料による影響を免れ得ないものであ
る。すなわちバルーンがゴム状弾性体から形成されてい
るため、輸液中に薬液を注入する圧力が経時的に変化
し、正確な速度と量で薬液注入ができないという欠点を
有しており、また薬液を収容する関係で溶出のないゴム
を選択する必要があるなどの欠点をも有している。
もバルーンの形成材料による影響を免れ得ないものであ
る。すなわちバルーンがゴム状弾性体から形成されてい
るため、輸液中に薬液を注入する圧力が経時的に変化
し、正確な速度と量で薬液注入ができないという欠点を
有しており、また薬液を収容する関係で溶出のないゴム
を選択する必要があるなどの欠点をも有している。
【０００４】一方、一回の薬液投与に要する時間が比較
的短い場合、あるいはプランジャを押すのに大きな力を
要する場合には、従来、モーターの回転を利用した所謂
シリンジポンプが使用されているが、シリンジポンプは
注入精度は良いが高価であり、また、電気（電池を含
む）が無ければ使用できないという欠点を有しており、
さらにまた、薬液を数十秒から数分程度の時間で投与し
ようとする場合には、このような持続的薬液注入具を使
用する必要のない場合が多く、また、使用できるように
造られてもいなかった。
的短い場合、あるいはプランジャを押すのに大きな力を
要する場合には、従来、モーターの回転を利用した所謂
シリンジポンプが使用されているが、シリンジポンプは
注入精度は良いが高価であり、また、電気（電池を含
む）が無ければ使用できないという欠点を有しており、
さらにまた、薬液を数十秒から数分程度の時間で投与し
ようとする場合には、このような持続的薬液注入具を使
用する必要のない場合が多く、また、使用できるように
造られてもいなかった。
【０００５】
【発明の解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に鑑みてなされたもので、薬液を収容する容器から
の溶出の心配がなく、部品点数が少なく、安価な薬液注
入具を提供することを目的とする。また、そのまま注射
針を接続して使用すれば、プランジャを押すのに大きな
力を要する薬液の注射に際しても、プランジャを押すと
いう行為を伴わずに、ただ自動注射器を保持しているだ
けで、数秒から数分で薬液を投与でき、流量制御手段を
接続して使用すれば、正確な流量と速度で持続的に薬液
を注入することができる自動注射器を提供することを目
的とする。
事情に鑑みてなされたもので、薬液を収容する容器から
の溶出の心配がなく、部品点数が少なく、安価な薬液注
入具を提供することを目的とする。また、そのまま注射
針を接続して使用すれば、プランジャを押すのに大きな
力を要する薬液の注射に際しても、プランジャを押すと
いう行為を伴わずに、ただ自動注射器を保持しているだ
けで、数秒から数分で薬液を投与でき、流量制御手段を
接続して使用すれば、正確な流量と速度で持続的に薬液
を注入することができる自動注射器を提供することを目
的とする。
【０００６】本発明は、上記の課題を解決するために、
先端と基端を有する両端の開口した筒状部材の先端開口
に注射針接続部が設けられるとともに、基端側の内腔が
基端開口から摺動可能に挿着されたガスケットで密封さ
れてなるシリンジ外筒と、該シリンジ外筒の基端側に被
着され固定された、天面に透孔を有するキャップ状部材
と、その一端に該キャップ状部材の透孔より大径の操作
部を有し、該操作部を除く部分がキャップ状部材の透孔
を通して前記シリンジ外筒とキャップ状部材で構成され
るコイルバネ収容空間に挿着された回動可能な筒状のバ
ネ圧縮部材と、該バネ圧縮部材の内腔に挿通され前記ガ
スケットに着脱自在に結合されるプランジャと、前記コ
イルバネ収容空間に挿着されたバネ圧縮部材部分に入れ
子状に外挿され、ロック手段によりバネ圧縮部材の端部
と係合された、円筒状の鞘部と該鞘部の底部に設けられ
たバネ収容部からなるバネ受けと、該バネ受けの鞘部を
囲むようにバネ受けのバネ収容部とキャップ状部材の天
面の間に収縮状態で収容された、長手軸方向に伸張可能
なコイルバネとを含んでなり、前記バネ圧縮部材を長手
軸上で回転させた時に該バネ圧縮部材とバネ受けの係合
が解除され、前記コイルバネが伸張して前記ガスケット
をシリンジ外筒の先端方向に移動させるようにした自動
注射器を採用している。ロック手段としては、バネ圧縮
部材の端部に軸と直角方向に設けた係合突起が好まし
く、この場合、バネ受けの内腔に長手方向のスリットを
設けて、バネ圧縮部材を長手軸上で回転させて該スリッ
ト部分に係合突起が来た時にロック手段が解除されるよ
うにした構成が採用される。
先端と基端を有する両端の開口した筒状部材の先端開口
に注射針接続部が設けられるとともに、基端側の内腔が
基端開口から摺動可能に挿着されたガスケットで密封さ
れてなるシリンジ外筒と、該シリンジ外筒の基端側に被
着され固定された、天面に透孔を有するキャップ状部材
と、その一端に該キャップ状部材の透孔より大径の操作
部を有し、該操作部を除く部分がキャップ状部材の透孔
を通して前記シリンジ外筒とキャップ状部材で構成され
るコイルバネ収容空間に挿着された回動可能な筒状のバ
ネ圧縮部材と、該バネ圧縮部材の内腔に挿通され前記ガ
スケットに着脱自在に結合されるプランジャと、前記コ
イルバネ収容空間に挿着されたバネ圧縮部材部分に入れ
子状に外挿され、ロック手段によりバネ圧縮部材の端部
と係合された、円筒状の鞘部と該鞘部の底部に設けられ
たバネ収容部からなるバネ受けと、該バネ受けの鞘部を
囲むようにバネ受けのバネ収容部とキャップ状部材の天
面の間に収縮状態で収容された、長手軸方向に伸張可能
なコイルバネとを含んでなり、前記バネ圧縮部材を長手
軸上で回転させた時に該バネ圧縮部材とバネ受けの係合
が解除され、前記コイルバネが伸張して前記ガスケット
をシリンジ外筒の先端方向に移動させるようにした自動
注射器を採用している。ロック手段としては、バネ圧縮
部材の端部に軸と直角方向に設けた係合突起が好まし
く、この場合、バネ受けの内腔に長手方向のスリットを
設けて、バネ圧縮部材を長手軸上で回転させて該スリッ
ト部分に係合突起が来た時にロック手段が解除されるよ
うにした構成が採用される。
【０００７】
【作用】上記の構成によれば、図１の状態の自動注射器
において、プランジャ６を前に押してガスケット１２を
自動注射器の先端開口に移動させ、次いで注射針接続部
１１を注射液の中に入れ、プランジャ６を後ろに引く
と、シリンジ外筒１内に注射液が吸入される。次に注射
針接続部１１に注射針を取り付け、プランジャ６を少し
押して自動注射器内の空気を排出した後、プランジャ６
をガスケット１２から取り外して、患者の静脈などに注
射針を刺入し、バネ圧縮部材３を例えば時計方向に回転
させると、図５に示すようなバネ圧縮部材３の係合突起
３２が図４に示すようなバネ受け４のスライド溝４４に
沿ってスリット４３に移動して、バネ圧縮部材３とバネ
受け４の係合が解除される。すると、バネ受け４はコイ
ルバネ５の付勢力により押されるので、ガスケット１２
とともにシリンジ外筒１の先端方向に移動し、シリンジ
外筒１内の注射液が静脈に注入される。
において、プランジャ６を前に押してガスケット１２を
自動注射器の先端開口に移動させ、次いで注射針接続部
１１を注射液の中に入れ、プランジャ６を後ろに引く
と、シリンジ外筒１内に注射液が吸入される。次に注射
針接続部１１に注射針を取り付け、プランジャ６を少し
押して自動注射器内の空気を排出した後、プランジャ６
をガスケット１２から取り外して、患者の静脈などに注
射針を刺入し、バネ圧縮部材３を例えば時計方向に回転
させると、図５に示すようなバネ圧縮部材３の係合突起
３２が図４に示すようなバネ受け４のスライド溝４４に
沿ってスリット４３に移動して、バネ圧縮部材３とバネ
受け４の係合が解除される。すると、バネ受け４はコイ
ルバネ５の付勢力により押されるので、ガスケット１２
とともにシリンジ外筒１の先端方向に移動し、シリンジ
外筒１内の注射液が静脈に注入される。
【０００８】
【実施例】次に本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。図１は本発明の一実施例に係る自動注射器の
縦断面図であり、図２は図１に示すバネ受けの側面図、
図３は図２の平面図、図４は図２の底面図、図５は図１
に示すバネ圧縮部材の底面図である。図１に示すよう
に、本発明の自動注射器は、先端開口に注射針接続部１
１が設けられ基端の開口がガスケット１２で密封された
シリンジ外筒１と、このシリンジ外筒１の基端側の外壁
に固定されたキャップ状部材２と、このキャップ状部材
２の透孔２２からコイルバネ収容空間２６に操作部３１
を除く部分が挿着されたバネ圧縮部材３と、バネ圧縮部
材３の操作部３１を除く部分に入れ子状に外挿された、
円筒状の鞘部４１とバネ収容部４２からなるバネ受け４
と、このバネ受け４のバネ収容部４２とキャップ状部材
２の天面２１の間に収縮状態で収容されたコイルバネ
５、および、プランジャ６からなり、バネ圧縮部材３と
バネ受け４はロック手段により係合されている。そし
て、ロック手段によるバネ圧縮部材３とバネ受け４の係
合を解除したときに、コイルバネ５が伸長してガスケッ
ト１２をシリンジ外筒１の先端方向に移動し、シリンジ
外筒１内の注射液が注出されるようになっている。
説明する。図１は本発明の一実施例に係る自動注射器の
縦断面図であり、図２は図１に示すバネ受けの側面図、
図３は図２の平面図、図４は図２の底面図、図５は図１
に示すバネ圧縮部材の底面図である。図１に示すよう
に、本発明の自動注射器は、先端開口に注射針接続部１
１が設けられ基端の開口がガスケット１２で密封された
シリンジ外筒１と、このシリンジ外筒１の基端側の外壁
に固定されたキャップ状部材２と、このキャップ状部材
２の透孔２２からコイルバネ収容空間２６に操作部３１
を除く部分が挿着されたバネ圧縮部材３と、バネ圧縮部
材３の操作部３１を除く部分に入れ子状に外挿された、
円筒状の鞘部４１とバネ収容部４２からなるバネ受け４
と、このバネ受け４のバネ収容部４２とキャップ状部材
２の天面２１の間に収縮状態で収容されたコイルバネ
５、および、プランジャ６からなり、バネ圧縮部材３と
バネ受け４はロック手段により係合されている。そし
て、ロック手段によるバネ圧縮部材３とバネ受け４の係
合を解除したときに、コイルバネ５が伸長してガスケッ
ト１２をシリンジ外筒１の先端方向に移動し、シリンジ
外筒１内の注射液が注出されるようになっている。
【０００９】シリンジ外筒１は、ガラスや合成樹脂の例
えばポリエチレンやポリプロピレンなどで形成された、
先端と基端を有する両端の開口した筒状部材であり、そ
の基端側内腔は基端開口から挿着されたガスケット１２
で摺動可能に密封されており、その先端開口には注射針
接続部１１が設けられている。ガスケット１２は通常、
全体が天然ゴムや合成ゴム（例えばブチルゴムやイソプ
レンゴム、プタジエンゴムなど）、熱可塑性エラストマ
ー等のゴム状弾性体で形成されるが、本体部分をポリエ
チレンやポリプロピレンなどで形成し、シリンジ外筒１
の内壁との摺動面を例えば２本のＯ−リングで構成する
ようにしてもよい。注射針接続部１１は注射針（図示し
ていない）を接続する部分であり、通常シリンジ外筒１
の先端の縮径部分１１１（チップという）だけのものが
採用されるが、図１に示すように、チップ１１１の外側
にこれと同心状にスカート１１２を設け、スカート１１
２の内壁に雌ネジ１１３などの雌型結合手段を設けて、
注射針を螺合またはルアー結合できるようにしてもよ
い。
えばポリエチレンやポリプロピレンなどで形成された、
先端と基端を有する両端の開口した筒状部材であり、そ
の基端側内腔は基端開口から挿着されたガスケット１２
で摺動可能に密封されており、その先端開口には注射針
接続部１１が設けられている。ガスケット１２は通常、
全体が天然ゴムや合成ゴム（例えばブチルゴムやイソプ
レンゴム、プタジエンゴムなど）、熱可塑性エラストマ
ー等のゴム状弾性体で形成されるが、本体部分をポリエ
チレンやポリプロピレンなどで形成し、シリンジ外筒１
の内壁との摺動面を例えば２本のＯ−リングで構成する
ようにしてもよい。注射針接続部１１は注射針（図示し
ていない）を接続する部分であり、通常シリンジ外筒１
の先端の縮径部分１１１（チップという）だけのものが
採用されるが、図１に示すように、チップ１１１の外側
にこれと同心状にスカート１１２を設け、スカート１１
２の内壁に雌ネジ１１３などの雌型結合手段を設けて、
注射針を螺合またはルアー結合できるようにしてもよ
い。
【００１０】シリンジ外筒１の基端部外壁には２本の環
状リブ１３、１４が形成されており、キャップ状部材２
が被着され結合されている。キャップ状部材２のスカー
ト２５の内壁にはシリンジ外筒１の環状リブ１３、１４
と係合する環状溝２３、２４が形成されており、シリン
ジ外筒１と確り固定されるようになっている。この環状
リブ１３、１４および環状溝２３、２４の数は特に限定
されないが、キャップ状部材２がシリンジ外筒１に脱落
しない程度に確り固定される必要があるので、通常２〜
３本が適当である。尚、シリンジ外筒１とキャップ状部
材２の結合は接着あるいは螺合などの方法で行ってもよ
く、要は、自動注射器を使用している間に、シリンジ外
筒１からキャップ状部材２が脱落しなければどのような
固定方法も採用可能である。尚、キャップ状部材２の形
成材料としては、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、ＡＢＳ樹脂などの合成
樹脂が採用可能である。
状リブ１３、１４が形成されており、キャップ状部材２
が被着され結合されている。キャップ状部材２のスカー
ト２５の内壁にはシリンジ外筒１の環状リブ１３、１４
と係合する環状溝２３、２４が形成されており、シリン
ジ外筒１と確り固定されるようになっている。この環状
リブ１３、１４および環状溝２３、２４の数は特に限定
されないが、キャップ状部材２がシリンジ外筒１に脱落
しない程度に確り固定される必要があるので、通常２〜
３本が適当である。尚、シリンジ外筒１とキャップ状部
材２の結合は接着あるいは螺合などの方法で行ってもよ
く、要は、自動注射器を使用している間に、シリンジ外
筒１からキャップ状部材２が脱落しなければどのような
固定方法も採用可能である。尚、キャップ状部材２の形
成材料としては、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、ＡＢＳ樹脂などの合成
樹脂が採用可能である。
【００１１】キャップ状部材２の天面２１には、少なく
とも後述のバネ圧縮部材３の操作部３１を除く部分を挿
着できる大きさの透孔２２が形成されており（図１では
後述のバネ受け４の鞘部４１の外形より僅かに大きくな
っている）、シリンジ外筒１とキャップ状部材２で構成
される空間であるコイルバネ収容空間２６には、この透
孔２２を通してバネ圧縮部材３が挿着されている。バネ
圧縮部材３は、基端にキャップ状部材２の透孔２２より
大径の操作部３１を有する筒状部材であって、一般にキ
ャップ状部材２と同様の合成樹脂で形成されており、図
５に示すように、その先端には、軸対称に一対の係合突
起３２が形成されている。この係合突起３２は、図４に
示すようなバネ受け４のスライド溝４４と係合するロッ
ク手段であり、スライド溝４４に沿って回動可能になっ
ている。そして、係合突起３２がスライド溝４４に沿っ
て回動してスリット４３と重なる位置に移動したときに
スリット４３に沿って軸方向に移動可能になっており、
従って、この時にスライド溝４４との係合が解除される
ようになっている。係合突起３２の数は１〜３個が適当
である。操作部３１は、バネ圧縮部材３を回転させるた
めの部分であり、キャップ状部材２の透孔２２より大径
に形成されているため、透孔２２を通過することができ
ず、キャップ状部材２の外側に露出されている。操作部
３１の形状は、図５に示すように円板状に形成してもよ
いが、操作性を良くするために、Ｉ字状あるいは十字状
に形成してもよく、また、円板の外周にロレットなどの
ギザギザを設けてもよい。
とも後述のバネ圧縮部材３の操作部３１を除く部分を挿
着できる大きさの透孔２２が形成されており（図１では
後述のバネ受け４の鞘部４１の外形より僅かに大きくな
っている）、シリンジ外筒１とキャップ状部材２で構成
される空間であるコイルバネ収容空間２６には、この透
孔２２を通してバネ圧縮部材３が挿着されている。バネ
圧縮部材３は、基端にキャップ状部材２の透孔２２より
大径の操作部３１を有する筒状部材であって、一般にキ
ャップ状部材２と同様の合成樹脂で形成されており、図
５に示すように、その先端には、軸対称に一対の係合突
起３２が形成されている。この係合突起３２は、図４に
示すようなバネ受け４のスライド溝４４と係合するロッ
ク手段であり、スライド溝４４に沿って回動可能になっ
ている。そして、係合突起３２がスライド溝４４に沿っ
て回動してスリット４３と重なる位置に移動したときに
スリット４３に沿って軸方向に移動可能になっており、
従って、この時にスライド溝４４との係合が解除される
ようになっている。係合突起３２の数は１〜３個が適当
である。操作部３１は、バネ圧縮部材３を回転させるた
めの部分であり、キャップ状部材２の透孔２２より大径
に形成されているため、透孔２２を通過することができ
ず、キャップ状部材２の外側に露出されている。操作部
３１の形状は、図５に示すように円板状に形成してもよ
いが、操作性を良くするために、Ｉ字状あるいは十字状
に形成してもよく、また、円板の外周にロレットなどの
ギザギザを設けてもよい。
【００１２】バネ圧縮部材３のコイルバネ収容空間２６
に挿着された部分の外周には、入れ子状にバネ受け４が
挿着されている。バネ受け４は、図２〜図４に示すよう
に、バネ圧縮部材３の外周をスライド自在な円筒状の鞘
部４１と、この鞘部４１の底部に設けられたバネ収容部
４２からなる部材であって、一般にキャップ状部材２と
同様の合成樹脂で形成されている。バネ収容部４２の表
面にはコイルバネ５を収容する樋状のバネ収容室４５が
設けられており、このバネ収容室４５にはコイルバネ５
の一端が固定されている。そして、バネ収容部４２の裏
面にはバネ受け４の内腔４６に隣接してスライド溝４４
が形成されており、スライド溝４４の一端に隣接してス
リット４３が設けられている。バネ受け４はこのスライ
ド溝４４部分でバネ圧縮部材３のロック手段（係合突
起）３２によってバネ圧縮部材３と係合されており、係
合突起３２がスライド溝４４に沿って移動してスリット
４３に達した時に、係合状態が解除されるようになって
いる。スリット４３およびスライド溝４４の数は通常係
合突起３２の数と同数形成されるが、スライド溝４４は
内腔４６に隣接して環状に１個形成してもよい。
に挿着された部分の外周には、入れ子状にバネ受け４が
挿着されている。バネ受け４は、図２〜図４に示すよう
に、バネ圧縮部材３の外周をスライド自在な円筒状の鞘
部４１と、この鞘部４１の底部に設けられたバネ収容部
４２からなる部材であって、一般にキャップ状部材２と
同様の合成樹脂で形成されている。バネ収容部４２の表
面にはコイルバネ５を収容する樋状のバネ収容室４５が
設けられており、このバネ収容室４５にはコイルバネ５
の一端が固定されている。そして、バネ収容部４２の裏
面にはバネ受け４の内腔４６に隣接してスライド溝４４
が形成されており、スライド溝４４の一端に隣接してス
リット４３が設けられている。バネ受け４はこのスライ
ド溝４４部分でバネ圧縮部材３のロック手段（係合突
起）３２によってバネ圧縮部材３と係合されており、係
合突起３２がスライド溝４４に沿って移動してスリット
４３に達した時に、係合状態が解除されるようになって
いる。スリット４３およびスライド溝４４の数は通常係
合突起３２の数と同数形成されるが、スライド溝４４は
内腔４６に隣接して環状に１個形成してもよい。
【００１３】コイルバネ収容空間２６には、キャップ状
部材２の天面２１とバネ受け４のバネ収容部４２の間
に、コイルバネ５がバネ受け４の鞘部４１を取り巻くよ
うに収縮状態で収容されており、コイルバネ５の一端は
バネ収容部４２のバネ収容室４５に固定されている。コ
イルバネ５の他端は必要ならばキャップ状部材２の天面
に固定してもよい。コイルバネ５の形成材料としては、
通常、ステンレスなどの金属が採用される。
部材２の天面２１とバネ受け４のバネ収容部４２の間
に、コイルバネ５がバネ受け４の鞘部４１を取り巻くよ
うに収縮状態で収容されており、コイルバネ５の一端は
バネ収容部４２のバネ収容室４５に固定されている。コ
イルバネ５の他端は必要ならばキャップ状部材２の天面
に固定してもよい。コイルバネ５の形成材料としては、
通常、ステンレスなどの金属が採用される。
【００１４】バネ圧縮部材３の内腔３３には、先端にヘ
ッド６１を有し後端にフランジ６３を有するプランジャ
６が挿通されており、ヘッド６１はガスケット１２に結
合されている。プランジャ６は、通常、キャップ状部材
２等と同様の合成樹脂で形成されており、プランジャ６
の先端のヘッド６１の外周にはガスケット１２の軸上に
設けられたプランジャ６結合用凹部の雌ネジ１５と螺合
する雄ネジ６２が設けられている。このプランジャ６
は、図１に示すように予めバネ圧縮部材３の内腔３３に
挿通してガスケット１２と結合しておいてもよいが、保
管や輸送の効率を考え、これを別体として用意してお
き、使用時にガスケット１２と結合するようにしてもよ
い。
ッド６１を有し後端にフランジ６３を有するプランジャ
６が挿通されており、ヘッド６１はガスケット１２に結
合されている。プランジャ６は、通常、キャップ状部材
２等と同様の合成樹脂で形成されており、プランジャ６
の先端のヘッド６１の外周にはガスケット１２の軸上に
設けられたプランジャ６結合用凹部の雌ネジ１５と螺合
する雄ネジ６２が設けられている。このプランジャ６
は、図１に示すように予めバネ圧縮部材３の内腔３３に
挿通してガスケット１２と結合しておいてもよいが、保
管や輸送の効率を考え、これを別体として用意してお
き、使用時にガスケット１２と結合するようにしてもよ
い。
【００１５】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明の自動注射器を採用すれば、注射針接続部に
流量制御手段を接続することにより、正確な流量と速度
で持続的に薬液の注入を行うことができる。また、注射
針接続部に注射針を接続することにより、短時間での注
射治療を行うことができる。さらにまた、注射治療に際
して、プランジャを押す必要がないので、看護婦など注
射治療を行う者の負担を著しく軽減することができる。
また、薬液を収容する容器からの溶出の心配がなく、部
品点数が少なく、安価な薬液注入具を提供することがで
きる。
に、本発明の自動注射器を採用すれば、注射針接続部に
流量制御手段を接続することにより、正確な流量と速度
で持続的に薬液の注入を行うことができる。また、注射
針接続部に注射針を接続することにより、短時間での注
射治療を行うことができる。さらにまた、注射治療に際
して、プランジャを押す必要がないので、看護婦など注
射治療を行う者の負担を著しく軽減することができる。
また、薬液を収容する容器からの溶出の心配がなく、部
品点数が少なく、安価な薬液注入具を提供することがで
きる。
【図１】本発明の一実施例に係る自動注射器の縦断面図
である。
である。
【図２】図１に示すバネ受けの側面図である。
【図３】図２の平面図である。
【図４】図２の底面図である。
【図５】図１に示すバネ圧縮部材の底面図である。
１ シリンジ外筒 １１ 注射針接続部 １２ ガスケット ２ キャップ状部材 ３ バネ圧縮部材 ３２ 係合突起 ４ バネ受け ４１ 鞘部 ４２ バネ収容部 ４３ スリット ５ コイルバネ ６ プランジャ
Claims (2)
- 【請求項１】 先端と基端を有する両端の開口した筒状
部材の先端開口に注射針接続部が設けられるとともに、
基端側の内腔が基端開口から摺動可能に挿着されたガス
ケットで密封されてなるシリンジ外筒と、該シリンジ外
筒の基端側に被着され固定された、天面に透孔を有する
キャップ状部材と、その一端に該キャップ状部材の透孔
より大径の操作部を有し、該操作部を除く部分がキャッ
プ状部材の透孔を通して前記シリンジ外筒とキャップ状
部材で構成されるコイルバネ収容空間に挿着された回動
可能な筒状のバネ圧縮部材と、該バネ圧縮部材の内腔に
挿通され前記ガスケットに着脱自在に結合されるプラン
ジャと、前記コイルバネ収容空間に挿着されたバネ圧縮
部材部分に入れ子状に外挿され、ロック手段によりバネ
圧縮部材の端部と係合された、円筒状の鞘部と該鞘部の
底部に設けられたバネ収容部からなるバネ受けと、該バ
ネ受けの鞘部を囲むようにバネ受けのバネ収容部とキャ
ップ状部材の天面の間に収縮状態で収容された、長手軸
方向に伸張可能なコイルバネとを含んでなり、前記バネ
圧縮部材を長手軸上で回転させた時に該バネ圧縮部材と
バネ受けの係合が解除され、前記コイルバネが伸張して
前記ガスケットをシリンジ外筒の先端方向に移動させる
ようにした自動注射器。 - 【請求項２】 ロック手段がバネ圧縮部材の端部に軸と
直角方向に設けた係合突起であり、バネ受けの内腔に長
手方向のスリットを設けて、バネ圧縮部材を長手軸上で
回転させて該スリット部分に係合突起が来た時にロック
手段が解除されるようにしてなる請求項１に記載の自動
注射器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24366793A JP3146469B2 (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 自動注射器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24366793A JP3146469B2 (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 自動注射器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0767959A JPH0767959A (ja) | 1995-03-14 |
| JP3146469B2 true JP3146469B2 (ja) | 2001-03-19 |
Family
ID=17107210
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24366793A Expired - Fee Related JP3146469B2 (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 自動注射器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3146469B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102218176A (zh) * | 2011-06-08 | 2011-10-19 | 北京达必通科技开发有限公司 | 助力三环注射器 |
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|---|---|---|---|---|
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| JP5650242B2 (ja) * | 2009-12-16 | 2015-01-07 | ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーＢｅｃｔｏｎ， Ｄｉｃｋｉｎｓｏｎ Ａｎｄ Ｃｏｍｐａｎｙ | 自己注射器具 |
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| CN103736178B (zh) * | 2014-01-26 | 2015-08-19 | 陈庆强 | 一种易装配的防污染注射器 |
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-
1993
- 1993-09-03 JP JP24366793A patent/JP3146469B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102218176A (zh) * | 2011-06-08 | 2011-10-19 | 北京达必通科技开发有限公司 | 助力三环注射器 |
| CN102218176B (zh) * | 2011-06-08 | 2014-05-07 | 北京达必通科技开发有限公司 | 助力三环注射器 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0767959A (ja) | 1995-03-14 |
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