JP3145918B2 - 洗浄液供給装置および洗浄剤収容用容器およびキャップ - Google Patents

洗浄液供給装置および洗浄剤収容用容器およびキャップ

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JP3145918B2
JP3145918B2 JP09420396A JP9420396A JP3145918B2 JP 3145918 B2 JP3145918 B2 JP 3145918B2 JP 09420396 A JP09420396 A JP 09420396A JP 9420396 A JP9420396 A JP 9420396A JP 3145918 B2 JP3145918 B2 JP 3145918B2
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康彦 山地
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水等の溶媒を用い
て洗浄剤を溶解し食器洗浄機等に供給するための洗浄液
供給装置および洗浄剤収容用容器およびキャップに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、食器洗浄機用洗浄剤等の各種洗
浄剤としては、スラリー状のものを含む液体のものと、
粉粒体状,塊状,タブレット(錠剤)状のものを含む固
形物状のものとがある。上記液体の洗浄剤の場合には、
これを洗浄機に注入する際に、チューブポンプ,ダイヤ
フラムポンプ,ベローズポンプ,ギヤポンプ,ピストン
ポンプ,ロータリーポンプ等液体の輸送に適したポンプ
を用いることにより、比較的容易に注入することができ
る。また、必要とされる洗浄剤量のコントロールは、濃
度制御可能なコントローラ部を備えた供給装置を用い、
ポンプの動作を制御することにより行うことができる。
【0003】一方、固形物状の洗浄剤の場合には、下端
開口(洗浄液排出口であって、水流入口でもある)にメ
ッシュ状構造を設けた洗浄剤収容用容器または専用のホ
ッパーおよび上記メッシュ状構造の下側に噴射ノズルを
位置決めした水噴射装置を用意し、上記容器またはホッ
パー内に固形物状の洗浄剤を投入した状態で、上記水噴
射装置を作動して噴射ノズルから水を上方に噴射し、メ
ッシュ状構造を通して容器またはホッパー内に供給する
ことが行われる。これにより、容器またはホッパー内の
下端開口近傍の洗浄剤が水で溶解されて所望量の洗浄液
(水と洗浄剤粒子が混合した混合液も洗浄液という)と
なり、この洗浄液が上記メッシュ状構造を通って流下
し、食器洗浄機等に供給される。
【0004】また、上記固形物状の洗浄剤の場合には、
図7に示すような洗浄液供給装置を用いることも行われ
ている。上記洗浄液供給装置は、合成樹脂製キャップ3
1が冠着された洗浄剤収容用容器30と、洗浄剤溶解装
置32とからなり、上記キャップ31の蓋部にメッシュ
状構造31aを設けている。上記洗浄剤溶解装置32
は、図8に示すように、上記容器30を逆さにした状態
で上記容器30の首部を載置,保持しうる下端開口部付
き椀形状の容器保持部33と、この容器保持部33の下
端開口部から下方に延びる漏斗状の洗浄液排出部34
と、水道水管(図示せず)に、水の噴射をON−OFF
制御する電磁弁42を介して連結する噴射水供給管35
とを備えており、上記容器保持部33に容器30を逆さ
にして載置,保持したときに、容器30の下端開口部に
キャップ31が下向きに内嵌されるようにしている。ま
た、上記洗浄液排出部34の側壁から内部空間に向かっ
て噴射水供給管35が延びており、この先端の垂直管部
分(噴射ノズル)35aが上記容器保持部33の下側に
位置決めされている。図において、37は安全止水弁で
あり、容器30を容器保持部33に載置する際に容器3
0に押圧されて倒されると、上記垂直管部分35aから
の噴水が可能となり、容器保持部33から取り外すと、
元の姿勢に戻って上記垂直管部分35aからの噴水を止
める作用をする。また、38は上記垂直管部分35aに
取付けられた格子状枠体である。
【0005】上記のような洗浄液供給装置を用い、洗浄
液を食器洗浄機等に供給する場合には、図9に示すよう
に、容器30に固形物状の洗浄剤39を収容し、その状
態でキャップ31を下向きにして容器保持部33に載
置,保持する。この載置動作で、安全止水弁37が容器
30により倒されて噴水可能となる。つぎに、電磁弁4
2をON作動させることが行われる。これにより、垂直
管部分35aの先端部開口(噴水口36)から水道水が
上方に向けて噴射される。この噴射された水道水は上記
キャップ31のメッシュ状構造31aを通り、容器30
内に導入されたのち、キャップ31の蓋部近傍の洗浄剤
39を溶解して所望量の洗浄液とする。そして、この洗
浄液は降下し、上記メッシュ状構造31aを通って洗浄
液排出部34を流下し食器洗浄機等に供給される。この
ようにして、洗浄剤39は、その下側部分から徐々に溶
解され、これに伴って上側部分の洗浄剤39が自重で下
方に流動し、やがて全量が溶解される。図において、3
9は容器30内に収容された洗浄剤であり、40は垂直
管部分35a内に形成された水道水通路である。これら
両場合においても、液体の洗浄剤の場合と同様に、必要
とされる洗浄液量のコントロールは、濃度制御可能なコ
ントローラ部を備えた供給装置を用い、単位時間当たり
の水の噴射量をコントロールすることにより行うことが
できる。また、水と洗浄剤39粒子が混合したままの状
態で供給されても、洗浄機の洗浄液タンクに投入される
と速やかに溶解するため、所定の濃度にコントロールす
る上で何ら問題はない。
【0006】上記専用ホッパーの水流入口および上記キ
ャップ31に設けられるメッシュ状構造31aは、従来
では、図10に示すように、合成樹脂製キャップ31の
蓋部に格子状多孔を形成したもの、もしくは細径のワイ
ヤーを交差状に組んで網目状(格子状多孔より目が細か
い)に形成したもので構成されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記メ
ッシュ状構造31aが格子状多孔を形成したものからな
る場合には、図9に示すように、垂直管部分35aの噴
水口36から水を上方に向けて噴射させると、噴射水
(矢印A参照)がキャップ31を通る際にメッシュ状構
造31aの厚み部分31bに当たってこの厚み部分31
bが堰の作用をし、噴射水が外周部に向かって拡がろう
とするのが阻止され、噴射水の方向が真上に変更され
る。その結果、容器30内に入る噴射水と出る洗浄液
(矢印B参照)が干渉しあい、速やかな溶解がなされに
くくなるという問題がある。また、上記メッシュ状構造
31aが網目状に形成したものからなる場合には、ワイ
ヤーに当たっても噴射水の方向は変わりにくいが、ワイ
ヤーの抵抗によって噴射水の勢いが損なわれ、溶解がな
されにくくなるという問題がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、入る噴射水と出る洗浄液が干渉しあうことがな
く、しかも、水の勢いが損なわれることもなく、洗浄剤
を速やかに溶解することのできる洗浄液供給装置および
洗浄剤収容用容器およびキャップの提供をその目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、キャップ付き洗浄剤収容用容器と、上記
キャップを下向きにした状態で上記容器を支受する洗浄
剤溶解装置を備え、上記洗浄剤溶解装置に、上記キャッ
プを下向きにした容器を保持しうる容器保持部と、溶媒
を上向きに噴射する噴射ノズルと、この噴射ノズルの周
囲に形成される洗浄液排出口を設け、上記容器保持部に
容器を支受させた状態で上記噴射ノズルに対応するキャ
ップの部分を中心に放射状に複数のスリットを上記キャ
ップに形成し、上記噴射ノズルから溶媒を噴出させ上記
スリット群を通して容器内に導入し容器内の固形物状の
洗浄剤を溶解して洗浄液としたのち、この洗浄液を上記
スリット群を通して上記洗浄液排出口に流下させるよう
にした洗浄液供給装置を第1の要旨とし、下向きに保持
した容器に対し、下方から噴射ノズルにより溶媒を上向
きに噴出させスリット群を通して容器内に導入し容器内
の固形物状の洗浄剤を溶解して洗浄液としたのちこの洗
浄液をスリット群から流下させる洗浄剤供給装置に使用
する上記容器であって、有底筒状の容器本体と、この容
器本体の上端開口に設けたキャップからなり、このキャ
ップの蓋部に上記スリット群が形成され、このスリット
群が、上記噴射ノズルに対応する上記蓋部の部分を中心
に放射状に延びる複数のスリットからなる洗浄剤収容用
容器を第の要旨とし、この洗浄剤収容用容器に用いら
れるキャップであって、蓋部にスリット群が形成され
このスリット群が、噴射ノズルに対応する上記蓋部の部
分を中心に放射状に延びる複数のスリットからなるキャ
ップを第の要旨とし、下部に溶媒流入口が設けられた
洗浄剤収容用容器と、上記溶媒流入口の下方に配設され
溶媒を上向きに噴射する噴射ノズルを備え、上記噴射ノ
ズルから噴射する溶媒を溶媒流入口から容器内に導入し
てこの容器内に収容された固形物状の洗浄剤を溶解し洗
浄液としたのちこの洗浄液を上記溶媒流入口から流下さ
せる装置であって、上記溶媒流入口が、上記噴射ノズル
に対応する上記容器下部の部分を中心に放射状に形成さ
れた複数のスリットからなる洗浄液供給装置を第の要
とする。
【0010】すなわち、本発明の洗浄液供給装置は、洗
浄剤溶解装置に、キャップを下向きにした洗浄剤収容用
容器を保持しうる容器保持部と、溶媒を上向きに噴射す
る噴射ノズルと、この噴射ノズルの周囲に形成される洗
浄液排出口を設けており、上記キャップに放射状に延び
る複数のスリットを形成している。そして、上記噴射ノ
ズルから噴出する溶媒を上記スリット群を通して容器内
に導入し容器内の固形物状の洗浄剤を溶解して洗浄液と
したのち、この洗浄液を上記スリット群を通して上記洗
浄液排出口に流下させるようにしている。このように、
噴射ノズルから噴射される噴射水が外周部に向かって拡
がろうとする方向と、キャップに形成されたスリット群
の延びる方向とが同じであると、キャップのスリット群
が堰の作用をしないため、噴射水は、キャップを通る際
にその方向が変更されず、キャップを通り過ぎて容器内
に入ったのちも外周部に向かって拡がってゆき、洗浄剤
と接触してこれを溶解したのち、上記スリット群を通っ
て容器外に流出する(図6参照)。したがって、容器内
に入る噴射水の方向(外周部に向かって拡がろうとする
方向)と出る洗浄液の方向(下に降下する方向)がずれ
て、互いに干渉することが殆どない。しかも、水の噴射
エネルギーを損なうことがなく、噴射水のエネルギーを
何らロスすることなく、このエネルギーを全て固形物状
の洗浄剤の溶解に使用できる。このため、洗浄剤を速や
かに溶解することができる。また、他の洗浄液供給装置
によっても、上記と同様に作用し、同様の効果を奏す
る。また、本発明の洗浄剤収容用容器を上記洗浄液供給
装置に用いることで、容易に上記優れた洗浄液供給装置
を実現することができる。また、本発明のキャップを洗
浄剤収容用容器に用いることで、容易に上記優れた洗浄
剤収容用容器を実現することができる。
【0011】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0012】本発明のスリット群を構成するスリットの
形状は、直線状に延びる長孔であればよく、その横幅は
内容物(固形物状の洗浄剤)の粒子径より大きくてもよ
い。すなわち、洗浄剤の粒子同士のブリッジ形成力とバ
ランスがとれていれば、内容物は落下しにくく、かつ、
水を噴射したときに適宜必要量を取り出すことができる
からである。また、各スリットの下端部の形状は鋭角に
形成されていてもよいが、鋭角でなく、所定の幅を持た
せたほうが好ましい。すなわち、噴射水がスリットで切
り分けられることなく、スリットの上まで上がるからで
ある。このようなスリットの横幅によって落下する内容
物の粒径が決まるが、大きな粒子(塊)が落下した場合
には、流出口に詰まってしまうことが考えられるため、
スリットの横幅は0.3〜15.0mmに設定され、好
適には0.8〜2.0mmに設定される。
【0013】本発明に用いるキャップの材質としては、
耐薬品性に優れた樹脂製等が用いられる。このようなキ
ャップは、使用時の簡便性を考えて水溶性フィルムを装
着した上で、さらに輸送や保管時に品質を保持できる方
法で密封されていることが好ましい。また、使用につれ
て溶解が進んでいくと、場合によっては塊のまま落下し
て、洗浄液の通路を塞ぐこともあるため、落下を防止す
るため網キャップを容器に付けたり、溶解装置に詰まり
防止用の網やメッシュを装着したりすることが考えられ
る。
【0014】本発明に用いる噴射ノズルとしては、水を
噴射させる際に用いるスプレーノズル等各種の市販され
ている噴射ノズルが用いられる。また、通常の水道水圧
では一般的に広角ホロコーンノズル(噴射された水が広
い角度に拡がるもの)が用いられ、水圧が低い場合に
は、フルコーンノズル(噴射された水が狭い角度に集中
するもの)が用いられる。また、本発明に用いる溶媒と
しては、一般に、水(水道水)や温水が用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面にもとづいて説明する。
【0016】図1は本発明の洗浄液供給装置に用いる洗
浄剤収容用容器の一実施の形態を示している。この実施
の形態では、洗浄剤収容用容器1は、容器本体2とキャ
ップ3からなる。上記容器本体2は有底筒状に形成され
ており、その底部に形成された凹部4の下端部には、上
記凹部4の上面との間に手指挿入用空間を設けた状態
で、棒状の把持部5が架設されている。図において、6
aは容器本体2の首部6の外周面に形成されたねじ部で
あり、8はこのねじ部6aの下側に形成された複数の突
条である。一方、上記キャップ3には、図2および図3
に示すように、その円盤状蓋部(天井壁)3aにスリッ
ト群7が形成されている。図において、9はキャップ3
の内周面に形成されたねじ部であり、容器本体2のねじ
部6aにら合する。
【0017】上記スリット群7は、中央に形成された内
側格子状多孔群10と、その外周部に形成された外側異
形スリット群11とからなり、上記内側格子状多孔群1
0は37個の正方形孔10aが格子状に穿設されて構成
されている。一方、上記外側異形スリット群11は、蓋
部3aの中心(すなわち、内側格子状多孔群10の中心
部)を仮想中心として放射状に延びる多数のスリットか
らなり、各スリットの外側端部は全て上記蓋部3aの中
心を仮想中心とする仮想円上に位置している。このよう
な外側異形スリット群11は、上記内側格子状多孔群1
0の近傍から上記仮想円まで延びる長スリット12(図
3参照)と、この長スリット12の略半分の長さに形成
された半長スリット13(図4参照)と、上記内側格子
状多孔群10の近傍の1つの短スリット14と上記長ス
リット12の略2/3の長さに形成された2/3長スリ
ット15からなる一対の2分割スリット16と、上記内
側格子状多孔群10の近傍の2つの短スリット17(2
分割スリット16の短スリット14の略半分の長さに形
成されている)と上記長スリット12の略2/3の長さ
に形成された2/3長スリット18からなる一対の3分
割スリット19とからなる80本のスリット12,1
3,16,19で構成されており、これらが円周方向に
等間隔で配列されている。そして、40本の長い方のス
リット(20本の長スリット12と12本の2分割スリ
ット16と8本の3分割スリット19を含む)と40本
の半長スリット13を交互に配列している。また、長い
方のスリットのうち、2本の長スリット12と2本の3
分割スリット19を交互に配列してなる第1スリット群
を略90°ごとに配設し、これら4つの第1スリット群
の間に、3本の長スリット12と3本の2分割スリット
16を交互に配列してなる第2スリット群を配設してい
る。
【0018】上記洗浄剤収容用容器1は、従来例と同様
構造の洗浄剤溶解装置32にセットされる。なお、この
洗浄剤溶解装置32を構成する噴射水供給管35の噴射
ノズル35a(中央に噴水口36が開口している)に
は、図5に示すような格子状の枠体38が取付けられて
いる。
【0019】上記洗浄剤収容用容器1と洗浄剤溶解装置
32とからなる洗浄液供給装置を用い、つぎのようにし
て洗浄液を食器洗浄機に供給することができる。すなわ
ち、まず固形物状の洗浄剤39を容器1に収容し、この
容器1を逆さにした状態で、容器1に形成された突条8
を洗浄剤溶解装置32の容器保持部33の上面に当接さ
せるようにして、容器1を容器保持部33に載置,保持
する。この載置状態では、容器1に冠着したキャップ3
が容器保持部33の下端開口部に内嵌されている。ま
た、上記載置動作の途中で安全止水弁37が容器1に押
圧されて倒されるため、噴射ノズル35aの噴水口36
から噴射水(矢印A参照)の噴射が可能となる。つぎ
に、電磁弁42をON作動し、上記噴射ノズル35aの
噴水口36から噴射水を噴射させることが行われる。こ
れにより、噴射された水がキャップ3のスリット群7を
通り容器1内に浸入する。この浸入に際して、上記噴射
水のうち、略真上に向かう噴射水はスリット群7の内側
格子状多孔群10を通ってスムーズに容器1内に浸入す
る。また、外周部に向かって放射状に拡がる噴射水は、
スリット群7の外側異形スリット群11の各スリット1
2,13,16,19を通ってスムーズに容器1内に浸
入する。上記外側異形スリット群11は、その内側部分
よりも外側部分の方が隙間が多いため、外側異形スリッ
ト群11の外側部分から容器1内に浸入する噴射水が多
く、この噴射水はそのまま外周部に向かって拡がってゆ
く。また、各分割スリット16,19の短スリット1
4,17等を通って容器1内に浸入することもでき、外
側異形スリット群11の内側部分に向かって噴射された
噴射水もエネルギーロスが殆どない状態で容器1内に浸
入する。このようにして、容器1内に浸入した噴射水は
容器1内を通過しながら、同時に洗浄剤39を溶解す
る。このとき、容器1内に浸入する噴射水と容器1内を
通過しながら洗浄剤39を溶解して再びキャップ3を通
り越して出ていく洗浄液は干渉が非常に少ない。そし
て、洗浄液はキャップ3を通り越したのち、洗浄液排出
部34を流下して食器洗浄機に送られる。
【0020】このように、上記実施の形態では、キャッ
プ3にスリット群7を形成しているため、容器内に入る
噴射水と出る洗浄液の干渉が殆どない。しかも、キャッ
プ3通過時に水の噴射エネルギーを損なうことがない。
したがって、固形物状の洗浄剤39の溶解が速やかに行
われる。また、噴射水が上記スリット群7を通過する際
に噴射水がスリット群7の外側異形スリット群11の各
スリット12,13,16,19を通ってスムーズに容
器1内に浸入するうえ、外側異形スリット群11の内側
部分よりも外側部分の方が隙間が多いため、一層外周部
に向かって拡がりやすく、上記干渉が殆どない。
【0021】上記実施の形態では、キャップ3の蓋部3
aに形成されたスリット群7が、内側格子状多孔群10
と外側異形スリット群11とで構成されているが、これ
に限定するものではなく、蓋部3aの中心部から放射状
に延びる多数のスリットだけで構成してもよい。また、
上記実施の形態では、キャップ3が円形に形成されてい
るが、容器本体2に取付けることができるキャップであ
れば、四角形等各種の形状のものが用いられる。また、
上記外側異形スリット群11に代えて、同形の多数のス
リットからなる外側同形スリット群を形成することもで
きる。また、上記実施の形態では、キャップ3を容器本
体2に着脱自在に取付けているが、キャップ3を容器本
体2に打ち込む等、着脱できない構造にしてもよい。
【0022】また、上記実施の形態は、容器1を蓋する
キャップ3自体にスリット群7を設けているが、上記ス
リット群7を有するシートを作製し、これを上記キャッ
プ3の蓋部3aにあけた孔に取付けるようにしてもよ
い。
【0023】また、専用のホッパー(図示せず)の下部
に、水流入口として、上記した各種のスリット群7を形
成することもできる。この場合にも、上記実施の形態と
同様に作用し、同様の効果を奏する。また、上記スリッ
ト群7を有するシートを作製し、これを上記ホッパーの
下部に形成した孔に取付けるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の洗浄液供給装置
によれば、噴射ノズルから噴射される噴射水が外周部に
向かって拡がろうとする方向と、キャップに形成された
スリット群の延びる方向とが同じであるため、キャップ
のスリット群が堰の作用をしない。したがって、噴射水
は、キャップを通る際にその方向が変更されず、キャッ
プを通り過ぎて容器内に入ったのちも外周部に向かって
拡がってゆく。したがって、容器内に入る噴射水の方向
と出る洗浄液の方向がずれて、互いに干渉することが殆
どない。しかも、水の噴射エネルギーを損なうことがな
く、噴射水のエネルギーを何らロスすることなく、この
エネルギーを全て固形物状の洗浄剤の溶解に使用でき
る。このため、洗浄剤を速やかに溶解することができ
る。また、他の洗浄液供給装置によっても、上記と同様
に作用し、同様の効果を奏する。また、本発明の洗浄剤
収容用容器を上記洗浄液供給装置に用いることで、容易
に上記優れた洗浄液供給装置を実現することができる。
また、本発明のキャップを洗浄剤収容用容器に用いるこ
とで、容易に上記優れた洗浄剤収容用容器を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄液供給装置に用いる容器の一実施
の形態を示す説明図である。
【図2】上記容器に用いるキャップの平面図である。
【図3】上記キャップの要部の断面図である。
【図4】上記キャップの他の要部の断面図である。
【図5】洗浄剤溶解装置の要部の平面図である。
【図6】本発明の作用を示す断面図である。
【図7】洗浄液供給装置を示す斜視図である。
【図8】上記洗浄液供給装置に容器を保持した状態を示
す説明図である。
【図9】従来例の作用を示す断面図である。
【図10】従来例のキャップを示す平面図である。
【符号の説明】
1 容器 3 キャップ 7 スリット群 32 洗浄剤溶解装置 33 容器保持部 34 洗浄液排出部 35a 噴射ノズル 39 洗浄剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西岡 裕次 埼玉県川口市上青木4−12−4 ティー ポール株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−177829(JP,A) 実開 昭59−31392(JP,U) 特表 平9−503433(JP,A) 米国特許4020865(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 15/44 D06F 39/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャップ付き洗浄剤収容用容器と、上記
    キャップを下向きにした状態で上記容器を支受する洗浄
    剤溶解装置を備え、上記洗浄剤溶解装置に、上記キャッ
    プを下向きにした容器を保持しうる容器保持部と、溶媒
    を上向きに噴射する噴射ノズルと、この噴射ノズルの周
    囲に形成される洗浄液排出口を設け、上記容器保持部に
    容器を支受させた状態で上記噴射ノズルに対応するキャ
    ップの部分を中心に放射状に複数のスリットを上記キャ
    ップに形成し、上記噴射ノズルから溶媒を噴出させ上記
    スリット群を通して容器内に導入し容器内の固形物状の
    洗浄剤を溶解して洗浄液としたのち、この洗浄液を上記
    スリット群を通して上記洗浄液排出口に流下させるよう
    にしたことを特徴とする洗浄液供給装置。
  2. 【請求項2】 下向きに保持した容器に対し、下方から
    噴射ノズルにより溶媒を上向きに噴出させスリット群を
    通して容器内に導入し容器内の固形物状の洗浄剤を溶解
    して洗浄液としたのちこの洗浄液をスリット群から流下
    させる洗浄剤供給装置に使用する上記容器であって、
    底筒状の容器本体と、この容器本体の上端開口に設けた
    キャップからなり、このキャップの蓋部に上記スリット
    群が形成され、このスリット群が、上記噴射ノズルに対
    応する上記蓋部の部分を中心に放射状に延びる複数のス
    リットからなることを特徴とする洗浄剤収容用容器。
  3. 【請求項3】 請求項記載の洗浄剤収容用容器に用い
    られるキャップであって、蓋部にスリット群が形成さ
    、このスリット群が、噴射ノズルに対応する上記蓋部
    の部分を中心に放射状に延びる複数のスリットからな
    ことを特徴とするキャップ。
  4. 【請求項4】 上記スリット群が、上記蓋部の中心部に
    形成された内側格子状多孔群と、この格子状多孔群の外
    周部に形成され上記蓋部の中心部を中心として放射状に
    延びる外側スリット群とからなる請求項記載のキャッ
    プ。
  5. 【請求項5】 下部に溶媒流入口が設けられた洗浄剤収
    容用容器と、上記溶媒流入口の下方に配設され溶媒を上
    向きに噴射する噴射ノズルを備え、上記噴射ノズルから
    噴射する溶媒を溶媒流入口から容器内に導入してこの容
    器内に収容された固形物状の洗浄剤を溶解し洗浄液とし
    たのちこの洗浄液を上記溶媒流入口から流下させる装置
    であって、上記溶媒流入口が、上記噴射ノズルに対応す
    る上記容器下部の部分を中心に放射状に形成された複数
    のスリットからなることを特徴とする洗浄液供給装置。
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