JP3145879B2 - 超解像光ヘッド装置 - Google Patents

超解像光ヘッド装置

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JP3145879B2 JP27780494A JP27780494A JP3145879B2 JP 3145879 B2 JP3145879 B2 JP 3145879B2 JP 27780494 A JP27780494 A JP 27780494A JP 27780494 A JP27780494 A JP 27780494A JP 3145879 B2 JP3145879 B2 JP 3145879B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を利用して情報の記
録再生を行う情報入出力装置に用いる光ヘッド装置に係
り、とくに超解像技術を用いて記録密度を向上させるの
に好適な超解像光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光を利用して情報の記録再生を行
う情報入出力装置には、光ディスクと呼ばれる円盤状の
記録媒体上に磁気ディスクと同様に同心円状あるいはス
パイラル状にトラックを設け、このトラック上にレーザ
光を微小スポットとして集光することによりピットを形
成する。このピットの有無が情報としての意味を持って
いる。
【0003】また、このトラックにレーザ光の微小スポ
ットを照射し、トラック上で反射した光からビットの有
無を検出することによりトラック上に記録されている情
報を読み出す。
【0004】近年、情報量の増大や、情報処理装置の小
型化に伴い、情報入出力装置においても記録容量の増大
や小型化の要求が高まっている。すなわち、記録密度を
高めることが重要な課題となってきている。
【0005】一般に光ディスクの記録密度を向上させる
ためには、記録媒体上における光スポット径を縮小させ
ることが有効である。しかし記録媒体上に照射される微
小スポットの大きさは、光源の波長λ及び、集光レンズ
の開口数NAに依存し、λ/NAに比例する値(回折限
界値)よりも小さくすることができない。
【0006】このため、光ディスク用の半導体レーザの
発振波長λをより短くするという方向で開発が進められ
ており、集光レンズの開口数NAはできる限り大きいも
のが使われている。
【0007】しかし、半導体レーザの短波長化や集光レ
ンズの高NA化には限界がきているため、近年において
はスポットの縮小化技術として超解像技術の研究が進ん
でいる。
【0008】従来から光ビームの中心部分の光強度を弱
め、集光レンズで集光すると、ビームスポットの大きさ
を回折限界値よりも小さくできるということが知られて
おり(例えば、文献 H.Osterberg and J.E. Wilkins. J
r., J.Opt.Soc. Am,39,553(1949)を参照)、超解像技術
では、このことを利用している。
【0009】そして、この超解像技術を情報入出力装置
の光ヘッド装置に応用し、限界値以上の高密度記録・再
生を可能とする光ヘッド装置の例が提案されている(例
えば、特開平2−12623号公報、特開平2−126
24号公報など)。
【0010】また、特開平2−195536号公報で
は、レーザ光源の光強度の変調方法として十字形の遮光
領域を用い、xy両方向にスポットを縮小化した超解像
効果を得る光ヘッド装置が提案されている。
【0011】ここでは、図6に示されるように、光源で
ある半導体レーザ30より出射された光ビームは、コリ
メートレンズ31でコリメートされる。次いで、ビーム
整形プリズム32によりビーム形状を整形され、図7
(a)に示されるようにビーム断面内で光の強度を減少
させる光強度変調器33を通過した後に、ビームスプリ
ッタ34を透過し、集光レンズ35によって記録媒体3
6に微小スポットとして照射される。
【0012】信号再生時には、記録媒体36からの反射
光をビームスプリッタ34によって再生信号検出系37
に導く。
【0013】光強度変調器33では、図7(a)に示さ
れるようにビーム断面39の中心付近にて交差する二枚
の遮光帯38を配置したのと同様に、十字状に光を減少
させることにより、図7(b)に示されるように、記録
媒体36上ではx,y両方向に縮小化された集光スポッ
ト40を得ることができる。
【0014】これによって、記録密度のみならずディス
クの半径方向のトラック密度も高めることが可能とな
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、記録媒体36上のx方向とy方向(す
なわちトラックの線方向と半径方向)に遮光帯を配置し
ているために、図7(b)に示されるように、サイドロ
ーブ光41がメインビーム光40で照射している前後の
ピットや隣接トラックを照射することによりノイズが発
生し、良好な再生信号を得ることができないという不都
合があった。
【0016】
【発明の目的】本発明の目的は、かかる従来例の有する
不都合を改善し、光源の波長と集光レンズの開口数で決
まる限界値よりも小さい微小スポットを用いても、良好
な記録・再生ができ、しかも、サイドローブ光によるノ
イズ成分の影響を受けづらく、さらに、サイドローブ光
を除去するフィルターの設置が容易な超解像光ヘッド装
置を提供することにある。
【0017】そこで、本発明では、レーザ光源と、この
レーザ光源からの光ビームを記録媒体上に微小スポット
として集光する集光レンズと、微小スポットからの反射
ビームを光検出部に集光する反射ビーム集光部とを有す
る超解像光ヘッド装置において、レーザ光源からの光ビ
ーム断面内の中心付近で光の強度あるいは位相を変調す
るとともにサイドローブ光の発生位置を調節する光変調
部をレーザ光源と集光レンズとの間に具備し、サイドロ
ーブ成分を除去するフィルターを反射ビーム集光部と光
検出部との間に装備するとともに、前記光変調部が、前
記記媒体のトラック方向、半径方向の両方向に対して
傾いた方向に伸びたX字形の光非透過部分を有する、と
いう構成を採っている。これによって前述した目的を達
成しようとするものである。
【0018】
【作用】光変調部は、レーザ光源からの円形または楕円
形の光ビーム断面内で、中心付近の光を遮光するかある
いは位相をπ変調させるため、サイドローブ成分を伴っ
た微小スポットが記録媒体上に照射され、光変調部が、
記憶媒体の線密度とトラックピッチによって変更される
交差角度で十字を傾けたX字形の光非透過部分を 有する
ため、サイドローブ光はメインビーム光で照射している
前後のピットや隣接トラックを同時に照射されず、この
ため、サイドローブ光によるノイズの影響が低減され
【0019】フィルターは、反射ビーム集光部にて集光
した反射ビームからサイドローブ成分を除去する。その
ため、記録情報を有するメインビーム光のみが光検出部
に送られる。
【0020】
【発明の実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし
図5に基づいて説明する。
【0021】図1の実施例は、光源である半導体レーザ
3と、半導体レーザ3からの光ビームをコリメートする
コリメートレンズ6と、コリメートレンズ6からの光ビ
ームをビーム断面内で光の強度あるいは位相を変調させ
るとともにサイドローブの位置を調節する光変調部1
と、光変調部1にて変調された光ビームを透過するとと
もに反対方向からの反射ビームは光路を変更させる光ア
イソレータ4と、光アイソレータ4を透過した光ビーム
を集光し記録媒体10上に微小スポットを形成するとと
もに記録媒体10からの反射ビームを光アイソレータ4
に導入する集光レンズ5と、光アイソレータ4からの反
射ビームを集光する反射ビーム集光部7と、反射ビーム
集光部7にて集光された反射ビームからメインビームの
みを透過させるフィルター2と、フィルター2を透過し
た反射ビームを検出する光信号検出部8とから構成され
ている。
【0022】ここで光変調部1としては、図2および図
5(a)に示されるようにコリメートレンズ2からの光
ビーム11を光ビーム断面内において中心付近の光の強
度を減少させるためにX字形の遮光板1aを固定治具1
bで固定したものが用いられる。
【0023】これにより集光レンズ5で記録媒体10上
に照射されるビームには図3(a)に示されるようにメ
インビーム12とサイドローブ13が発生するが、遮光
板1aを用いない場合のビーム14に比べてメインビー
ム12のビーム径を小さくすることができる。
【0024】また、図3(b),(c)に示されるよう
に集光レンズ5で記録媒体10上に照射されるビームの
記録媒体10上におけるX軸、Y軸から45度傾いた2
方向のそれぞれの断面の強度分布15xおよび15y
は、遮光板1aを用いない場合の強度分布16xおよび
16yに比べて、半値幅が小さくなる。
【0025】すなわち、光源の波長と集光レンズの開口
数で決まる限界値よりもビーム径を絞ることができる。
【0026】また、図2に示されるように、遮光板1a
におけるX字形の交差角度θは使用する記録媒体の線密
度とトラックピッチによって変更され、図3(a)に示
されるようにサイドローブ光13がメインビーム光12
で照射している前後のピットや隣接トラックを照射しな
いように調整される。
【0027】光変調部1は、X字形の遮光板1aと同様
な機能を有するものであればよいので、図5(b)に示
されるように光アインソレータ4においてコリメートレ
ンズ6からの光ビームが入射する面にX字形の遮光板1
aを設けても良い。
【0028】また、図5(c)に示されるように、光束
を分割して光の無い領域を中心付近に生じさせる光束分
割プリズム17を、図5(d)に示されるように、2枚
用いることにより光変調部1を実現することもできる。
すなわち、図5(d)に示されるように、光の無い領域
がビーム断面内でX字形になるように各光束分割プリズ
ム17を配置する。
【0029】また、光変調部1は、光の位相をπ変調す
るものも用いることができる。
【0030】反射ビーム集光部7は、光アイソレータ4
からの反射ビームを集光する凸レンズ7aと、凸レンズ
7aからの反射ビームを透過するとともにフォーカスエ
ラー検出系9に導くビームスプリッタ7bと、ビームス
プリッタ7bを透過した反射ビームをフィルター2に導
く凹レンズ7cとを具備している。
【0031】フィルター2としては、サイドローブ光1
3が光信号検出器8に入射されるのを防止し、メインビ
ーム光12のみを光信号検出器8に透過させるものであ
ればよいために、図4に示されるように種々のものが用
いられる。
【0032】図4(a)に示されるように、フィルター
2としてメインビーム光12の幅を有するスリットを用
いることができる。ここでスリットの方向は光信号検出
器8へサイドローブ光13が入射しない向きであればど
の方向でもよい。
【0033】また図4(b)に示されるように、フィル
ター2としてメインビーム光12の径を有するピンホー
ルを用いることもできる。
【0034】さらに、図4(c)に示されるように、フ
ィルター2としてメインビーム光12を目とする猫目形
の透過領域を有するものも用いることができる。ここ
で、猫目の向きは、光信号検出器8へサイドローブ光1
3が入射しない向きであればどの方向でもよい。
【0035】次に本実施例の動作について説明する。
【0036】(1).半導体レーザ3から出射された光
ビームは、コリメートレンズ6によりコリメートされ
る。
【0037】(2).コリメートレンズ6からの光ビー
ムは、光変調部1により、そのビーム断面内において光
の強度あるいは位相が変調される。
【0038】(3).光変調部1で変調された光ビーム
は光アイソレータ4を透過する。
【0039】(4).光アイソレータ4を透過した光ビ
ームは、集光レンズ5により集光され、記録媒体10上
に微小スポットが形成される。
【0040】(5).記録媒体10からの反射光は、光
アイソレータ4によって曲げられ、凸レンズ7aにより
集光される。
【0041】(6).凸レンズ7aからの光ビームは、
ビームスプリッタ7bを透過し、凹レンズ7cによって
再集光されるとともに、ビームスプリッタ7bで曲げら
れ、フォーカスエラー検出部9に導かれる。
【0042】(7).凹レンズ7cを透過した光ビーム
は、フィルター2によって、メインビーム12のみが透
過され、光信号検出部8にて検出される。
【0043】以上のように、本発明の超解像光ヘッド装
置では、X字形の光変調部を用いているために、記録媒
体上で集光したときに発生するサイドローブ光がメイン
ビーム光で照射しているピットの前後のピットや隣接ト
ラックを照射しないようにサイドローブ光の生成位置を
調節することができる。
【0044】さらに記録媒体上からの反射光を再集光し
た位置にフィルターを具備しているために、従来二次元
的に位置調整を必要としていたサイドローブの除去のフ
ィルターの設置が容易になり、光ヘッド装置の組立性が
向上するとともに、サイドローブ成分による光信号検出
部へのノイズを減少させるという効果を有する。
【0045】これにより、光源の波長と集光レンズの開
口数で決まる値よりも小さいスポットを生成し、かつ高
密度の記録・再生が可能となる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、記録媒体上で集光したときに発生
するサイドローブ光で、メインビーム光で照射している
ピットの前後のピットや隣接トラックを照射しないよう
にサイドローブ光を生成することができるとともにサイ
ドローブ成分による光信号検出部へのノイズを減少させ
ることができ、これがため、光源の波長と集光レンズの
開口数で決まる限界値よりも小さい微小スポットを利用
でき、記録媒体の記録密度を向上させることが可能とな
る。
【0047】しかも、光変調部が、十字を所定角度(例
えば、45゜)で回転したx字型であり、ディスクから
反射したレーザ光を再集光したレーザ光の焦点深度内に
帯状状のスリット又はピンホールを配置する組み合わせ
によって、従来二次元に位置調整を必要としたフィルタ
の設置が容易となり、従って、組立性が向上すると共に
サイドローブ成分による光信号検出器へのノイズを有効
に減少させるという従来にない優れた超解像光ヘッド装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】図1の実施例における光変調部を説明するため
の説明図である。
【図3】図1の実施例における記録媒体上に照射された
ビームパターンを説明するための説明図であり、図3
(a)はメインビームとサイドローブ光の発生位置を示
す説明図であり、図3(b)および図3(c)はX軸、
Y軸から45度傾いた2方向のそれぞれの断面の光強度
分布を示す図である。
【図4】図1の実施例におけるフィルターを説明するた
めの説明図であり、図4(a)はメインビーム光の径と
同幅のスリット状の透過領域を有するフィルターを示す
図であり、図4(b)はメインビーム光と同径のピンホ
ール状の透過領域を有するフィルターを示す図であり、
図4(c)はメインビーム光を中心部にて透過する猫目
状の透過領域を有するフィルタを示す図である。
【図5】図1の実施例における光変調部を説明するため
の説明図であり、図5(a)はX字形の遮光板を備えた
光変調部を示す図であり、図5(b)は光アイソレータ
にX字形の遮光板を設けた場合を示す図であり、図5
(c)は光束を分割して無光領域を形成する光束分割プ
リズムを示す図であり、図5(d)は光束分割プリズム
を2枚使用して光変調部を形成する状態を示す図であ
る。
【図6】従来例を示す構成図である。
【図7】図6の従来例における光変調部を説明するため
の説明図であり、図7(a)はビーム断面に十字状の遮
光領域を設けた光変調部を示す図であり、図7(b)は
図7(a)の光変調部により得られる光スポット及びサ
イドローブ光を示す図である。
【符号の説明】
1 光変調部 1a 遮光板 2 フィルタ 3 半導体レーザ 4 光アイソレータ 5 集光レンズ 6 コリメートレンズ 7 反射ビーム集光部 7a 凸レンズ 7b ビームスプリッタ 7c 凹レンズ 8 光信号検出部 9 フォーカスエラー検出部 10 記録媒体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源と、このレーザ光源からの光
    ビームを記録媒体上に微小スポットとして集光する集光
    レンズと、前記微小スポットからの反射ビームを光検出
    部に集光する反射ビーム集光部とを有する超解像光ヘッ
    ド装置において、 前記レーザ光源からの光ビーム断面内の中心付近で光の
    強度あるいは位相を変調するとともにサイドローブ光の
    発生位置を調節する光変調部を前記レーザ光源と前記集
    光レンズとの間に具備し、 前記サイドローブ光の成分を除去するフィルターを前記
    反射ビーム集光部と前記光検出部との間に装備するとと
    もに、 前記光変調部が、前記記媒体のトラック方向、半径方
    向の両方向に対して傾いた方向に伸びたX字形の光非透
    過部分を有することを特徴とする超解像光ヘッド装置。
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