JP3145659B2 - 小型モータ及びその取付け板の固定方法 - Google Patents

小型モータ及びその取付け板の固定方法

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JP3145659B2 JP17758297A JP17758297A JP3145659B2 JP 3145659 B2 JP3145659 B2 JP 3145659B2 JP 17758297 A JP17758297 A JP 17758297A JP 17758297 A JP17758297 A JP 17758297A JP 3145659 B2 JP3145659 B2 JP 3145659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型モータに係り、
特に、CD(コンパクトディスク)プレーヤなど音響・
映像機器等に使用される小型モータ及びこのモータに取
付け板を固定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CDプレーヤなどディスク再生装置は、
CD,MD(ミニディスク),LD(レーザーディス
ク),CD−ROM(コンパクトディスク−ROM)の
ような高密度に情報が記録された光学式ディスク(以
下、ディスクと記載)を小型モータで回転させることに
より、前記情報を読取ってこれを再生する。また、録音
と再生ができるディスク録音再生装置の場合もある。
【0003】前記ディスク再生装置のうち持ち運び自由
なポータブル型のものは、ディスク再生装置全体の小型
化,薄型化が特に要求されている。例えば、直径が約1
20mmのCDと比べてサイズが約半分のMD(直径が約
64mm)の情報を再生するミニディスクシステムにおい
ては、ポケットに入るほど小さいサイズのものが提案さ
れている。
【0004】このようなポータブル型のCDプレーヤや
ミニディスクシステム等では、ディスクを直接回転駆動
するダイレクトドライブ方式の小型モータ(所謂、スピ
ンドル型小型モータ)が一般的に使用されている。そし
て、ディスク再生装置全体を小型,薄型化するために、
これに搭載される小型モータは、そのモータ全長を従来
よりも更に短くして小型,薄型化することが要求され
る。
【0005】図8は、従来の小型モータを、ディスク再
生装置側の被取付け部であるフレームに取付けた状態を
示す概略正面図である。図示する小型モータの取付け状
態は、特開平6−339246号公報にも開示されてお
り、ディスク再生装置のフレーム1にスピンドル型の小
型モータ2を取付け、モータ2の回転軸にターンテーブ
ル3を取付けて回転させている。このモータ2では、出
力側ケーシング面(ケーシング上面)4がモータ側の取
付け部(モータ取付け部)になっている。モータ2をデ
ィスク再生装置に取付ける際には、出力側ケーシング面
4をフレーム1に密着させ、ビス5によりケーシング6
をフレーム1に締め付け固定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この取付け
方法では、出力側ケーシング面4とターンテーブル3と
の間に、少なくとも、フレーム1の厚みとビス5の頭部
の高さの合計寸法bを確保しなければならない。その結
果、ターンテーブル3が取付けられたモータ2のモータ
全長L1 が長くなってしまう。また、ビス5をねじ込む
ための雌ねじ孔をケーシング6に形成していた。
【0007】ところで、ディスク再生装置においては、
ディスクと情報読取り用の光学式ピックアップ装置(以
下、ピックアップ装置と記載)との間の位置関係が再生
特性に大きな影響を与える。このため、ディスク再生装
置側のフレーム(被取付け部)にモータ側のモータ取付
け部を締結固定してディスクを直接回転させる前記スピ
ンドル型の小型モータにおいては、ディスク上の情報を
正確に読取るために、モータ回転軸に対するモータ取付
け部の直角度を高精度にすることが要求される。これ
は、この直角度精度が悪いと、ディスクとピックアップ
装置との間の位置関係が不正確になって、回転中のディ
スクがピックアップ装置に接触したり、ピックアップの
焦点距離がディスクの位置に合わないことにより、ディ
スクに記録されている情報信号を正しく読取ることがで
きない可能性があるからである。
【0008】前記直角度精度を良好にするためには、ケ
ーシングや軸受部等の同軸度に誤差がなく、且つ回転軸
の中心軸線に対してモータ取付け部が直角になるよう
に、各構成部品を高精度に加工する必要がある。しかし
ながら、各構成部品の加工精度には自ずから限界がある
ので、各部品の仕上げ寸法の誤差により前記直角度精度
が影響を受ける。
【0009】そのため、従来、組立ての完了したモータ
完成品について、モータ回転軸に対するモータ取付け部
の直角度を測定し、その測定結果が所望の直角度精度を
外れる場合には、前記直角度を修正する場合があった
(特開昭62−138032号公報,特開昭62−16
3537号公報及び特開昭62−260539号公報参
照)。これらの従来技術では、モータの構成部品の同軸
度などの加工精度が良くない場合や、高い直角度精度が
要求される場合などは、修正の必要なモータの個数が多
数になるので、修正作業に多大の時間と労力がかかり、
生産性が低下する恐れがあった。
【0010】図9は、他の従来の小型モータをディスク
再生装置のフレームに取付けた状態を示す概略正面図で
あり、一部を断面で示している。この小型モータ11
は、モータ取付け部である取付け用円板10を有してい
る。この取付け用円板10は、回転軸12に対して直角
度精度を出すように、接着剤13によりケーシング14
の出力側の面(ケーシング上面)15に固着されてい
る。
【0011】しかしながら、このモータ11の場合に
は、回転軸12に取付けられたターンテーブル16とケ
ーシング出力側の面15との間に、ディスク再生装置側
のフレーム17と取付け用円板10とが配置される。し
たがって、フレーム17の厚みと取付け用円板10との
厚みとを合計した寸法c1 ,又はこの合計寸法c1 に更
に接着剤13の厚みを加えた合計寸法c2 を確保しなけ
ればならないので、ターンテーブル16を含むモータ1
1のモータ全長L2 が長くなってしまう。
【0012】この場合には、取付け用円板10を固着さ
せるために接着剤13を使用しているが、接着剤13の
材質によっては有機ガスを発生するものもある。この有
機ガスが、モータ11の内部に侵入して、ブラシと整流
子とが摺動する摺動部に付着する恐れがある。接着剤1
3を用いて取付け用円板10をケーシング14に固着す
る作業を行う際には、接着剤13の塗布前と塗布中の保
管,適切な塗布及び塗布後の乾燥等における諸条件の管
理を間違うと、十分な固着強度が得られない。また、接
着前には、被接着面である取付け用円板10の表面とケ
ーシング出力側の面15とを、十分に清浄な状態にして
おく必要がある。
【0013】このように、接着剤13による取付け用円
板10の接着作業は煩雑で作業能率が悪く、前記諸条件
を正しく管理するための管理工数がかかるので、生産コ
ストの上昇を招いていた。しかも、接着剤13による接
着では、固着強度が弱く固定状態が不安定になりがちな
ため、モータ11の振動の大きさや使用環境等によって
は、回転軸12に対する取付け用円板10の直角度精度
の低下などの恐れがあった。
【0014】これとは別に、ダイカストなど鋳造法によ
り、ケーシングとフランジ状のモータ取付け部とを一体
的に成型した小型モータも知られている。しかしなが
ら、鋳造による成型では、金型の精度によりモータケー
シング等の加工精度が左右されるので、前記直角度をミ
クロンレベルで高精度にするのはかなり困難であり、製
造コストも極めて高くなってしまう。
【0015】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、モータ全長を短くして小型,薄型化する
ことができ、且つ、モータ回転軸に対するモータ取付け
部の直角度を高精度にすることができる小型モータを提
供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、
小型モータがディスク再生装置に使用される場合に、ピ
ックアップ装置がディスクの回転中心側に移動する際の
移動動作の邪魔にならないような取付け板を有する小型
モータを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、中空筒状部を有するケーシングの内周面
に固定子を取付け、前記ケーシングの内部に回転子を配
設し、前記ケーシングに設けられた軸受部により前記回
転子の回転軸を回転自在に支持する小型モータにおい
て、この小型モータを支持するための取付け板には、溶
接を行う箇所の近傍に貫通孔を形成するとともに、前記
取付け板を前記ケーシングの前記中空筒状部の外周面に
前記溶接により固定している。
【0017】本発明は、小型直流モータに適用するのが
好ましい。この場合には、中空筒状部を有するケーシン
グの内周面に永久磁石を取付け、前記ケーシングの内部
に回転子を配設し、この回転子の整流子と前記ケーシン
グに取付けられたブラシとが摺動係合し、前記ケーシン
グの両端部にそれぞれ取付けられた軸受部により前記回
転子の回転軸を回転自在に支持する小型モータにおい
て、この小型モータを支持するための取付け板には、レ
ーザビーム溶接を行う箇所の近傍に貫通孔を形成し、前
記取付け板を前記ケーシングの前記中空筒状部の外周面
前記レーザビーム溶接により固定し、前記取付け板の
取付け面を前記回転軸に対してほぼ直交させている。
【0018】例えば、前記取付け板は、内周縁が前記ケ
ーシングの前記外周面の形状に対応した形状をなした板
材であり、前記貫通孔は前記取付け板の前記内周縁に沿
った細長形状をなしているのが好ましい。
【0019】また、本発明の小型モータは、中空筒状部
を有するケーシングの内周面に固定子を取付け、前記ケ
ーシングの内部に回転子を配設し、前記ケーシングに設
けられた軸受部により前記回転子の回転軸を回転自在に
支持し、ディスク再生装置に使用される小型モータにお
いて、この小型モータを支持するための取付け板は、前
記ディスク再生装置のピックアップ装置の移動経路を避
けた形状で、内周縁が前記ケーシングの前記中空筒状部
の外周面の形状に対応した形状をなした板材であり、前
記取付け板を前記ケーシングの前記外周面に溶接により
固定している。
【0020】なお、前記取付け板の取付け面を前記回転
軸に対してほぼ直交させるのが好ましい。
【0021】本発明に係る方法は、中空筒状部を有する
ケーシングの内周面に固定子を取付け、前記ケーシング
の内部に回転子を配設し、前記ケーシングに設けられた
軸受部により前記回転子の回転軸を回転自在に支持する
小型モータに、この小型モータを支持するための取付け
板を固定する方法であって、溶接を行う箇所の近傍に貫
通孔が形成された前記取付け板を準備し、前記小型モー
タを組立てた後、前記回転軸を位置決め保持するととも
に、前記取付け板の取付け面を前記回転軸に対してほぼ
直交させて位置決めした状態で、前記取付け板を前記ケ
ーシングの前記中空筒状部の外周面に前記溶接により固
定している。
【0022】前記方法において、前記取付け板は、内周
縁が前記ケーシングの前記外周面の形状に対応した形状
をなした板材であり、前記貫通孔は前記取付け板の前記
内周縁に沿った細長形状をなしているのが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
の一例を図1乃至図5を参照して説明する。図1は小型
モータの外観図、図2及び図3は、それぞれ図1に示す
モータの正面断面図及び平面図である。
【0024】図1乃至図3に示すように、小型モータと
しての小型直流モータ20は、中空筒状部21を有し内
周面22に固定子23が取付けられたケーシング24
と、ケーシング24の内部に配設された回転子25とを
備えている。回転子25の回転軸26は、ケーシング2
4に設けられた軸受部27,27aにより回転自在に支
持されている。ケーシング24は、中空筒状部21を有
するハウジング28と、ハウジング28の開口部28a
に嵌合した蓋部材29とを備えている。ケーシング24
には、平行面を形成する一対のフラット部30が形成さ
れている。
【0025】ハウジング28は、例えば軟鋼を素材とし
た冷間圧延鋼板のような金属材料によって形成され且つ
表面が亜鉛めっきされている。ハウジング28は、プレ
ス成型等により有底中空筒状に一体的に形成されてお
り、中空筒状部21の端部に連続する出力側の面である
ケーシング上面31は平坦状になっている。蓋部材29
は、ハウジング28と同じ金属材料によって形成された
板状部材である。なお、蓋部材29の材質は、樹脂材料
やその他の絶縁材料等であってもよい。蓋部材29の中
央部には、モータ外方に突出する有底中空円筒状の突出
部32が、プレス成型又は絞り加工等により一体的に形
成されている。
【0026】軸受部27,27aはケーシング24の両
端部にそれぞれ設けられており、一方の軸受部27はハ
ウジング28に、他方の軸受部27aは蓋部材29に、
それぞれ取付けられている。固定子としての一対の永久
磁石23は、ハウジング28の中空筒状部21の内周面
22の円筒状部に固着されて対向配置されており、例え
ば、ハードフェライトのような磁性材料によってアーク
セグメント状に形成されている。
【0027】回転子25は、回転中心となる中心軸線C
の方向に延びる回転軸26と、回転軸26に取付けられ
たコア33に電機子巻線34がコイル状に巻回された電
機子35と、回転軸26に取付けられるとともに電機子
巻線34に電気的に接続された整流子36とを備えてい
る。コア33は、永久磁石23の内周面に対して所定の
ギャップを介してその内方に配置されている。
【0028】金属又はカーボン等の導体の材料により形
成された複数組(例えば、二組)のブラシ37が、整流
子36と摺動係合している。各ブラシ37を保持する合
成樹脂など絶縁材からなるブラシホルダ38が、蓋部材
29に取付けられている。各ブラシ37にそれぞれ電気
的に接続された複数(例えば、二個)の接続端子39
が、ブラシホルダ38に保持されて蓋部材29から外方
に突出している。接続端子39は、モータ20が搭載さ
れるディスク再生装置40側の配線等に接続されるよう
になっている。なお、ディスク再生装置40には、再生
のみを行うディスク再生装置の他に、録音と再生の両方
を行うディスク録音再生装置等が含まれる。
【0029】ハウジング28のケーシング上面31の中
央部には、プレス成型又は絞り加工等により、円筒状の
突出部41が一体的に形成されており、突出部41の内
周面に軸受部27が圧入固定されている。軸受部27
は、出力部42側の回転軸26を回転自在に軸支してい
る。回転軸26の反出力部側を回転自在に軸支する軸受
部27aは、回転軸26の端部43をスラスト方向に関
して支持する板状のスラスト受け部材44と、回転軸端
部43を回転自在に軸支する軸受45とを備えている。
軸受45は、突出部32内に圧入固定されている。軸受
部27及び軸受45は、プラスチック又は金属材料によ
り形成しており、一般的には、潤滑油を含浸した鉄・銅
系の粉末焼結金属又は粉末焼結合金により形成されてい
る。スラスト受け部材44は、潤滑性の良好な合成樹脂
等により形成されている。
【0030】ケーシング24の中空筒状部21の外周面
50には、取付け板52が、レーザビーム溶接等の溶接
により固定されている。モータ20の構成部品の一つで
ある取付け板52は、ディスク再生装置40側の被取付
け部としてのフレーム51にモータ20を取付けて支持
するためのモータ取付け部の機能を有している。取付け
板52は、ハウジング28と同じ金属材料であるのが好
ましく、例えば、軟鋼を素材とした冷間圧延鋼板のよう
な金属材料によって形成され、且つ表面が亜鉛めっきさ
れている。
【0031】取付け板52は、外周縁53がほぼ半円形
で、内周縁54がケーシング24の外周面50の形状に
対応した形状をなした板材である。取付け板52は、回
転軸26に対してほぼ直交するように配設され、ケーシ
ング外周面50から半径方向外方に突出している。厳密
に言えば、取付け板52の取付け面56が、回転軸26
に対してほぼ直交した状態で位置決めされている。
【0032】モータ20の中心軸線C方向に関する取付
け板52の取付け場所(即ち、高さ位置)としては、ケ
ーシング上面(即ち、出力側の面)31より反出力側方
向に所定寸法h下がった位置が、取付け板52の取付け
面56になるようにしている。この所定寸法hを、フレ
ーム51の厚み寸法dとほぼ同じにすれば、取付け板5
2をフレーム51の裏面90側にビス57等で締結固定
した状態で、ケーシング上面31とフレーム51の上面
51aとをほぼ面一にすることができるので好ましい。
【0033】図3に示すように、取付け板52には、複
数(例えば、三本)のビス57を係合させるための複数
(例えば、三つ)の係合孔62が穿設されている。取付
け板52の取付け面56はフレーム51に取付けられる
が、取付け板52の表面全体に僅かに凹凸やひずみがあ
るのは、プレス成型等の加工技術の点で避け難い。そこ
で、ビス57を係合させる各係合孔62の周囲における
円環状の範囲(即ち、図3の平行斜線の範囲)のみを高
精度に仕上げて、この範囲をモータ側基準面63として
いる。
【0034】フレーム51へのモータ取付け時には、こ
のモータ側基準面63が、フレーム51の裏面90を部
分的に高精度に仕上げ加工したフレーム側基準面に密着
するようになっている。したがって、より厳密に言え
ば、取付け面56のモータ側基準面63を、回転軸26
の中心軸線Cに対してほぼ直交させるように、取付け板
52をケーシング24に溶接固定することになる。
【0035】その結果、モータ取付け状態では、回転軸
26は、フレーム側基準面に対して高精度な直角度θで
位置決めされることになる。溶接を行う場合には、取付
け板52の裏面60における内周縁54と、ハウジング
28との隅部を、一箇所又は複数箇所(例えば、四箇
所)の所定位置の溶着部61で溶着させれば(図3参
照)、取付け板52はハウジング外周面50に強固に固
着することになり、大きな溶着強度を確保できる。
【0036】取付け板52は、ハウジング28と同じ金
属材料により形成されているので、アーク溶接その他の
何れの溶接方法でハウジング28に固定してもよいが、
レーザビーム溶接により溶着させれば、溶接によるひず
み(物体の変形)が小さいので、取付け板52を高精度
で溶着させることができるので好ましい。レーザビーム
溶接は、レーザビームを溶着部61に照射してその光エ
ネルギで行う溶接方法であり、YAGレーザビーム溶
接,その他の何れの溶接方法であってもよい。
【0037】図2及び図3に示すように、本実施形態の
モータ20は、CDプレーヤ,ミニディスクシステムな
どディスク再生装置40に使用される小型モータであ
る。取付け板52はディスク再生装置40のフレーム5
1に締結固定され、回転軸26の出力部42にターンテ
ーブル65が固定され、ターンテーブル65上に載置さ
れたCD,MD,LD,CD−ROMなどディスク(光
学式ディスク)66上に記録された情報を、ピックアッ
プ装置(光学式ピックアップ装置)67が読取る。
【0038】ピックアップ装置67は、矢印Eに示すよ
うに、ディスク66の半径方向に往復移動して、このデ
ィスク66の情報を読取る。ディスク66の内径側の情
報を読取る際には、ピックアップ装置67は回転中心側
に移動することになる。そのため、モータ20のケーシ
ング24にフラット部30を形成して、ピックアップ装
置67が回転中心方向に十分に近付くことができるよう
にしている。しかも、ピックアップ装置67はフラット
部30の外面近傍まで移動するので、このピックアップ
装置67の移動動作の邪魔にならないように、取付け板
52は、ピックアップ装置67の移動経路を避けた半円
形になっている。
【0039】次に、モータ20に取付け板52を固定す
る方法について説明する。まず、モータ20を組立てた
後、取付け板52の取付け面56を回転軸26に対して
ほぼ直交させて位置決めする。この状態で、取付け板5
2を、ケーシング24の中空筒状部21の外周面50に
レーザビーム溶接などの溶接により固定する。取付け板
52の取付け行程では、例えば、図4に示す組立装置8
0を用いる。図4は、組立装置80により、モータ20
のケーシング24に取付け板52を固定する方法を示す
正面図である。
【0040】図4に示すように、組立装置80は、モー
タ20を支持するモータ支持用基台81と、モータ支持
用基台81に係合し、取付け板52を一時的に固定支持
する取付け板支持用基台82と、モータ支持用基台81
に対向し、この基台81との間で回転軸26を一時的に
固定把持する回転軸把持用部材83と、回転軸把持用部
材83を矢印F方向に進退移動させるシリンダ装置84
と、レーザビームRを出射して溶接する部分に照射する
レーザ発振器85とを備えている。
【0041】レーザ発振器85は、複数(例えば、四箇
所)の溶着部61の位置に対応させてこれと同数(例え
ば、四台)設けることが好ましい。なお、レーザ発振器
85を一台にして、基台81,82,部材83及びシリ
ンダ装置84を、中心軸線Cまわりに所要角度ずつ回
転,停止動作を繰り返すように制御しながら、溶接して
もよい。
【0042】モータ支持用基台81と回転軸把持用部材
83には、それぞれ中心軸線C方向に溝部86,87が
形成されている。回転軸26が溝部86,87内に挿入
された状態で、回転軸把持用部材83がモータ支持用基
台81方向に押し付けられることにより、溝部86,8
7内で回転軸26を、中心軸線C方向に向けて高精度で
位置決め支持できる。この時、モータ20のケーシング
上面31が、モータ支持用基台81から上方に突出した
複数(例えば、三個)のモータ支持部81aの上面81
bに当接することにより、モータ20が、中心軸線C方
向に関する所定位置(即ち、所定の高さ位置)に位置決
めされる。
【0043】ケーシング上面31を支持する基台81の
上面88より上方の所定の高さに、取付け板支持用基台
82の基台側基準面89の位置が設定されている。基台
側基準面89は、基台81のモータ支持部81aの上面
81bより所定寸法eだけ上方に位置しており、高精度
に仕上げ加工されている。
【0044】また、回転軸26が溝部86,87内に挿
入されて把持された状態での、溝部86,87の中心軸
線Cに対する基台側基準面89の直角度θは、極めて高
精度に設定されている。取付け板52を中心軸線Cに対
して正確に位置決めするために、取付け板支持用基台8
2の基台側基準面89は、その周囲の部分より若干高く
なっており、この基台側基準面89のみが、取付け板5
2のモータ側基準面63に密着するようになっている。
【0045】取付け板52をケーシング24に固定する
手順としては、先ず最初に、シリンダ装置84を駆動し
て回転軸把持用部材83を若干後退させて、溝部86,
87の間隔を拡げておく。取付け板52を取付け板支持
用基台82の上に載せて、モータ側基準面63を基台側
基準面89に密着させる。
【0046】次いで、ケーシング24の内部の組立ての
完了したモータ20の回転軸26を溝部86,87内に
挿入するとともに、ケーシング上面31を、モータ支持
用基台81のモータ支持部81aの上面81bに載せ
る。そして、シリンダ装置84を駆動し、回転軸把持用
部材83をモータ支持用基台81方向に押し付け、溝部
86,87内に回転軸26を中心軸線C方向に一致させ
て、モータ20を高精度で位置決め保持する。また、図
3に示すように、取付け板52の内周縁54をケーシン
グ24の外周面50に当接させる。
【0047】この状態で、レーザ発振器85からレーザ
ビームRを溶着部61に照射すれば、取付け板52は、
回転軸26に対する高精度の直角度θで、ケーシング2
4の外周面50に位置決め溶着される。その後、シリン
ダ装置84を駆動して回転軸把持用部材83を後退させ
れば、取付け板52の固定されたモータ20を取外すこ
とができる。そして、モータ20の回転軸26の出力部
42にターンテーブル65を圧入固定する。
【0048】かかる構成のモータ20を、CDプレーヤ
などディスク再生装置40に取付けるには、図2に示す
ように、フレーム51の裏面90に設けられたフレーム
側基準面に、取付け板52の取付け面56側のモータ側
基準面63を密着させる。そして、ビス57を取付け板
52の係合孔62からフレーム51の雌ねじ部91にね
じ込んで、モータ20をフレーム51に締結固定すれ
ば、モータ20の取付けは完了する。
【0049】このモータ20において、接続端子39か
らブラシ37及び整流子36を介して電機子巻線34に
電流を流せば、一対の永久磁石23によって形成されて
いる磁界中に存在する回転子25に回転力が付与され
て、回転子25は回転運動をする。すると、回転軸26
及びターンテーブル65が回転し、ターンテーブル65
上に載置されたディスク66が回転し、ディスク66に
記録された情報をピックアップ装置67が読取って再生
する。
【0050】図5は、取付け板52がケーシング24の
中空筒状部21の外周面に固定された本発明のモータ2
0を、ディスク再生装置のフレーム51に取付けた状態
を示す概略正面図で、図8相当図である。図8に示す従
来の小型モータ2と比較すれば分かるように、本発明で
は、モータ20のケーシング24を、フレーム51の高
さ位置に対して、相対的にターンテーブル65側に近づ
けるように上方に配置することができる。また、モータ
取付け用のビス57を、取付け板52の下側から上方に
向けてねじ込むことができる。
【0051】その結果、ターンテーブル65を含めたモ
ータ20のモータ全長L3 が短くなる。例えば、図8の
モータ2のモータ全長L1 と比較すると、フレーム(被
取付け部)の厚みとビスの頭部の高さの合計寸法に相当
する長さ(寸法b)だけ、本発明のモータ20のモータ
全長L3 は短くなっている。また、ビス用の雌ねじ孔を
ケーシングに形成する必要がないので、モータに悪影響
を及ぼすゴミや有機ガス等がモータ内に侵入しない。
【0052】本発明のモータ20のモータ全長L3 と、
図9に示す従来の小型モータ11のモータ全長L2 とを
比較すると、図9に示すフレーム17と取付け用円板1
0との合計寸法c1 ,又はこれに接着剤13の厚みを加
えた合計寸法c2 に相当する長さだけ、本発明のモータ
のモータ全長L3 は短くなっている。なお、もし仮に、
図9のモータ11において、取付け用円板10をフレー
ム17の上面に取付け、ビスを下方側からねじ込んだと
しても、取付け用円板10の厚みに相当する寸法,又は
これに接着剤13の厚みを加えた合計寸法に相当する長
さだけ、本発明のモータ全長は短くなっている。
【0053】ところで、軸受部と回転軸との間のクリア
ランス等のために、回転軸が横方向に振れる現象(所
謂、軸振れ又は軸ガタ)が発生することがある。この軸
振れを抑制するためには、ケーシングの一端部に設けら
れた軸受部と、ケーシングの他端部に設けられた軸受部
との間の距離が長い方が望ましい。ところが、これでは
モータの小型,薄型化の要求に反することになる。
【0054】図2に示す小型直流モータ20はブラシ3
7と整流子36とを有しているので、そのモータ全長は
構造上長くなってしまうが、両軸受部27,27a間の
距離が長いので、前記軸振れの抑制の点からは好ましい
構造である。モータを小型,薄型化するためには、回転
軸の支持構造を片持ち軸受け構造にしたり、ブラシレス
直流モータを採用することが考えられる。ところが、こ
れらの場合には、一つの軸受部で回転軸をラジアル方向
に関して軸支していることが多いので、前記軸振れが生
じやすい。
【0055】そこで、本発明では、ブラシ37と整流子
36を有する小型直流モータ20に取付け板52を取付
けることにより、軸受部27,27aの間の距離を一定
値以上に確保して前記軸振れを抑制しながら、モータ2
0をディスク再生装置40に取付けた状態でのモータ全
長L3 を短くしている。これにより、モータの小型,薄
型化と軸振れの防止の両者を可能にしている。しかも、
モータのハウジング28,蓋部材29,軸受部27,2
7aなど構成部品の同軸度や加工精度をそれほど厳密に
管理しなくても、回転軸26に対するモータ取付け部
(即ち、取付け板52の取付け面56)の直角度を所望
の高精度(例えば、90度±10分以内)にすることが
できる。
【0056】したがって、図2に示すような、ディスク
66とピックアップ装置67との間の距離Gを常に一定
に維持する必要があるディスク録音再生装置40におい
て、前記距離Gを高い精度で一定値に確保することがで
きる。その結果、ピックアップ装置67は、ディスク6
6から正確に情報を読取ることができる。
【0057】近年の小型モータは、モータの小型,薄型
化の要求に応えてモータ全長を短くするために軸受間距
離が短くなっているので、前記直角度精度を満足させる
ためには、ケーシングや軸受部などの同軸度の誤差を小
さくするとともに各構成部品を高精度に加工する必要が
あった。そのため、金型構造や管理のためのコストが掛
かっていた。しかも、ケーシングや軸受部の同軸度の加
工精度には限界があるので、より厳しい直角度精度を満
足することはかなり困難であった。
【0058】これに対して、本発明によれば、モータの
小型,薄型化,直角度精度向上及び軸振れ防止のために
モータ自体を特殊な構造にしなくとも、一般的に使用さ
れているモータに取付け板52を溶接固定すればよい。
また、モータ内部の組立てが完了した後、モータの組立
ての最終行程で取付け板をケーシングに取付けて、回転
軸に対して取付け板の取付け面を直角にしているので、
各構成部品の加工誤差や同軸度の誤差の大小に拘らず、
常に高精度な直角度が最終的に得られることになり、従
来のような直角度の修正作業は不要である。このよう
に、本発明では、各製造行程の作業及び管理が容易にな
り、管理コストや製造コストを低減させながら、モータ
全長を短くしてモータを小型,薄型化できるとともに、
高精度な直角度を得ることができ、モータの性能の低下
や軸振れ等の不具合は生じない。
【0059】モータのケーシングをダイカストにて成型
する従来技術では製造コストが高く、また、鋳造法では
金型の精度で前記直角度精度が決まってしまうので、構
成部品を高精度に加工することは困難であった。これに
対して、本発明では、ケーシング24や取付け板52を
プレス加工等により成形できるので、製造コストを大幅
に低減することができ、しかも、前記直角度を高精度に
することができる。
【0060】ところで、レーザビーム溶接により取付け
板52をケーシング24に溶着させれば、取付け板52
やケーシング24には、他の溶接方法と比較すれば小さ
いとはいえ僅かなひずみが発生する。例えば、図4に示
すように、溶接を行う箇所(溶着部61)の材料が溶接
時に溶け合うことにより、ケーシング24の一部は矢印
H方向に引っ張られ、取付け板52の一部は矢印I方向
に引っ張られるので、取付け板52は全体的に矢印J方
向に引っ張られる傾向がある。そこで本発明者は、取付
け板には、溶接を行う箇所の近傍に貫通孔を形成して、
溶接時の引っ張り合う力を取付け板の貫通孔部分の変形
で吸収すれば、この貫通孔部分以外の周囲のひずみが抑
制できることに着目し、取付け板の全体的な変形を防止
して溶接後の直角度精度を改善した。
【0061】図6は、本発明の他の実施形態に係る小型
モータの平面図で図3相当図、図7は図6のVII 線部分
拡大断面図である。なお、前記実施形態と同一又は相当
部分には同一符号を付してその説明を省略する。図6に
示す小型モータ20aは、モータ20aをフレーム51
(図2,図5)に取付けて支持するための取付け板52
aを有している。このモータ20aにおいて、取付け板
52a以外の部分は前記モータ20と同一の構成であ
る。
【0062】取付け板52aは、少なくとも前記取付け
板52と同様の機能を発揮するものであり、モータ20
aのケーシング24の中空筒状部の外周面50に、レー
ザビーム溶接等の溶接により固定されている。取付け板
52aは、前記取付け板52と同様の材質でほぼ同一の
形状を有してケーシング外周面50から半径方向外方に
突出し、取付け板52aの取付け面56が、回転軸26
に対してほぼ直交した状態で位置決めされている。
【0063】更に、取付け板52aには、溶接を行う一
つ又は複数(例えば、四箇所)の箇所(溶着部61)の
近傍にそれぞれ貫通孔95が形成されており、取付け板
52aの内周縁54と貫通孔95との間が、幅寸法d1
の小さい連結部分96になっている。貫通孔95は、円
形,多角形,楕円形等であってもよいが、取付け板内周
縁54に沿った長円形,長方形など細長形状をなしてい
れば、連結部分96の幅寸法d1 が所定の範囲でほぼ一
定になる。例えば、貫通孔95を本実施形態のような長
円形にすれば、貫通孔95の打ち抜き加工が容易にな
り、また、打ち抜き加工時に“ばり”等が発生しにくい
ので好ましい。
【0064】前記構成の取付け板52aは、組立装置8
0(図4)で前記手順と同様にしてモータケーシング2
4に固定される。この場合、レーザビームRを溶着部6
1に照射すれば、この溶着部61で材料が溶け合うこと
により、図7に示すように、ケーシング24の一部は矢
印H方向に引っ張られる。一方、取付け板52aは矢印
I方向に引っ張られるが、溶着部61の近傍には貫通孔
95が形成されているので、この引っ張り力の殆どは、
幅が狭くて変形しやすい連結部分96に集中的に作用し
てこの連結部分96を変形させる。その結果、取付け板
52aでは、連結部分96は変形するが、貫通孔96よ
り外側(即ち、外周縁53側)では、取付け板52aを
矢印J方向に引っ張る力が大幅に軽減されてひずみは抑
制される。したがって、取付け板52aは、前記実施形
態より更に高精度の直角度θで位置決め溶着される。
【0065】なお、ハウジングと蓋部材とを前記レーザ
ビーム溶接などの溶接により相互に固定する構成の小型
モータの場合には、溶接を行う箇所の近傍に位置する貫
通孔を、ハウジング及び蓋部材のいずれか一方又は両方
(好ましくは、蓋部材)に形成してもよい。このように
すれば、貫通孔と溶接箇所との間の幅の狭い連結部分の
みが変形して、その周囲は変形しないので、溶接による
周囲のひずみを抑制することができる。
【0066】表1及び表2は、本発明者が行った実験の
結果を示しており、この実験の条件は下記の通りであ
る。 (実験条件) ・試験サンプル:複数のモータにそれぞれ取付け板を溶
着 ・取付け板: 材質;JIS−SECD16/16(しぼり鋼) 形状;図3又は図6に示すものとほぼ同一 板厚;約0.8mm 貫通孔の有無と寸法; 貫通孔がないもの 幅寸法が1mm,長さ寸法d2 が2.5mmの長円形の貫
通孔を形成したもの 幅寸法が1mm,長さ寸法d2 が1.5mmの長円形の貫
通孔を形成したもの ・溶接の種類:レーザビーム溶接 ・強度試験:図5の矢印に示すように、ロードセルを用
いP=50N,100Nの力でモータ端部を加圧し、こ
の加圧前後の直角度,及び取付け板から押圧部(モータ
端部)までの寸法の変位を測定
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表1及び表2から分かるように、取付け板
に貫通孔がない場合と比較すれば、貫通孔を設けた方
が、回転軸に対する取付け板の直角度が改善されること
を確認できた。表1,表2中の直角度の平均値は、90
度からのずれの角度を示す。特に、長円形の貫通孔の長
さ寸法d2 が2.5mm(表1)より1.5mm(表2)の
方が、取付け板の強度を維持しつつ直角度精度をより良
好に改善できた。なお、最適な貫通孔寸法は、モータの
サイズ,取付け板の材質,板厚等により変化することに
なるので前記数値には限定されない。
【0070】図3,図6に示す取付け板52,52a
は、移動するピックアップ装置67の邪魔にならないよ
うに、ピックアップ装置67の移動経路を避けたほぼ半
円形の外周縁53を有し、ケーシング24の外周面50
の形状に対応した形状の内周縁54を有した板材であ
る。この場合、取付け板はケーシングの周囲全体には配
置されておらず、ケーシングの片側のみに溶着されるの
で、溶接時のひずみにより矢印Jに示す方向に傾斜しや
すい傾向がある(図4)。そこで、貫通孔95を有する
取付け板20aを使用すれば、取付け板20aの変形を
抑制して溶接後の直角度を高精度にできることになり、
特に有効である。
【0071】このように本実施形態によれば、前記実施
形態と同様の作用効果を奏するとともに、前記貫通孔を
取付け板に形成することにより、取付け板自体が必要な
強度即ち剛性を維持しつつ、貫通孔の溶接箇所側連結部
分を幅の狭い構成にすることにより柔軟性をもたせて溶
接時に積極的に変形させている。これにより、取付け板
全体の変形を防止できることになり、溶接後の直角度精
度を更に高精度にすることができる。
【0072】また、貫通孔95を、取付け板内周縁54
に沿った長円形など細長形状にすれば、連結部分96
は、所定の範囲にわたって幅寸法d1 がほぼ一定になる
のでその機械的強度もほぼ一定になる。その結果、溶着
部61をこの範囲内に位置させればよく、溶接位置の許
容範囲が広がるので、レーザ発振器85から出射される
レーザビームRの管理幅が広がって溶接作業が容易にな
る。
【0073】しかも、常に機械的強度が均一な溶接がで
きるので、溶接による取付け板52aに対する作用効果
も常時ほぼ一定になりばらつきが生じにくい。即ち、レ
ーザビームRの位置が仮に少しずれたとしても、幅寸法
1 がほぼ一定の範囲内にあれば、溶接ひずみに対して
の貫通孔95の効果は変わらずほぼ一定になる。したが
って、溶接後のモータ毎の直角度のばらつきがなくな
り、安定したモータ生産が可能になる。
【0074】前記各実施形態では、溶接による取付け板
の固定方法として、レーザ発振器85を用いてレーザビ
ーム溶接を行っている。このレーザビーム溶接では、溶
接棒を使わずに、溶着部61より離れた位置からレーザ
ビームRを溶着部61に照射することができるので、溶
接作業が簡単になる。また、溶融部分の面積が小さいの
で溶接を高精度で行うことができ、且つ溶接による肉盛
り部もほとんどできない。
【0075】なお、本発明は、モータ全長を短くして且
つ直角度の精度が求められている他の小型モータにも適
用でき、さらに、両持ち軸受け構造のモータのほか、片
持ち軸受け構造の小型モータにも適用できる。本発明
は、縦型で使用する小型モータに適用するのが好ましい
が、モータの使用時の姿勢は横向きでも傾斜していても
よい。
【0076】モータにより回転駆動されるディスクとし
ては、前記光学式ディスクのほかFD(フレキシブルデ
ィスク)やハードディスクなど磁気ディスク,又はその
他のディスクであってもよい。また、本発明の小型モー
タはディスク再生装置以外に使用する場合であってもよ
い。なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0077】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、小
型モータのモータ全長を短くして小型,薄型化すること
ができ、且つ、回転軸に対するモータ取付け部の直角度
を高精度にすることができる。また、小型モータがディ
スク再生装置に使用される場合に、小型モータの取付け
板は、ピックアップ装置の移動経路を避けた形状で、内
周縁がケーシング外周面の形状に対応した形状をなし、
ケーシング外周面に溶接により固定されている。したが
って、取付け板は、ピックアップ装置がディスクの回転
中心側に移動する際に、この移動動作の邪魔になること
はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図5は本発明の一実施形態を示す図
で、図1は小型モータの外観図である。
【図2】図1に示すモータの正面断面図である。
【図3】図1に示すモータの平面図である。
【図4】組立装置によりモータのケーシングに取付け板
を固定する方法を示す正面図である。
【図5】本発明のモータをディスク再生装置のフレーム
に取付けた状態を示す概略正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る小型モータの平面
図で図3相当図である。
【図7】図6のVII 線部分拡大断面図である。
【図8】従来の小型モータをディスク再生装置のフレー
ムに取付けた状態を示す概略正面図で、図5相当図であ
る。
【図9】他の従来の小型モータをディスク再生装置のフ
レームに取付けた状態を示す概略正面図である。
【符号の説明】
20,20a 小型直流モータ(小型モータ) 21 中空筒状部 22 内周面 23 永久磁石(固定子) 24 ケーシング 25 回転子 26 回転軸 27,27a 軸受部 36 整流子 37 ブラシ40 ディスク再生装置 50 ケーシングの外周 2,52a 取付け 4 内周縁 56 取付け面 61 溶着部(溶接を行う箇所)67 ピックアップ装置 95 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−85544(JP,A) 特開 平4−58754(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 5/00 H02K 15/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空筒状部(21)を有するケーシング
    (24)の内周面(22)に固定子(23)を取付け、
    前記ケーシングの内部に回転子(25)を配設し、前記
    ケーシングに設けられた軸受部により前記回転子の回転
    軸(26)を回転自在に支持する小型モータ(20a)
    において、 この小型モータを支持するための取付け板(52a)
    は、溶接を行う箇所の近傍に貫通孔(95)を形成する
    とともに、前記取付け板(52a)を前記ケーシングの
    前記中空筒状部の外周面(50)に前記溶接により固定
    したことを特徴とする小型モータ。
  2. 【請求項2】 中空筒状部を有するケーシングの内周面
    に永久磁石(23)を取付け、前記ケーシングの内部に
    回転子(25)を配設し、この回転子の整流子(36)
    と前記ケーシングに取付けられたブラシ(37)とが摺
    動係合し、前記ケーシングの両端部にそれぞれ取付けら
    れた軸受部(27,27a)により前記回転子の回転軸
    (26)を回転自在に支持する小型モータ(20a)に
    おいて、 この小型モータを支持するための取付け板(52a)
    は、レーザビーム溶接を行う箇所の近傍に貫通孔(9
    5)を形成し、 前記取付け板(52a) を、前記ケーシングの前記中空
    筒状部の外周面(50)に前記レーザビーム溶接により
    固定し、 前記取付け板(52a)の取付け面(56)を前記回転
    (26)に対してほぼ直交させたことを特徴とする小
    型モータ。
  3. 【請求項3】 前記取付け板(52a)は、内周縁(5
    4)が前記ケーシングの前記外周面(50)の形状に対
    応した形状をなした板材であり、 前記貫通孔(95)は前記取付け板(52a)の前記内
    周縁(54)に沿った細長形状をなしている ことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の小型モータ。
  4. 【請求項4】 中空筒状部(21)を有するケーシング
    (24)の内周面(22)に固定子(23)を取付け、
    前記ケーシングの内部に回転子(25)を配設し、前記
    ケーシングに設けられた軸受部により前記回転子の回転
    軸(26)を回転自在に支持し、ディスク再生装置(4
    0)に使用される小型モータ(20, 20a)におい
    て、 この小型モータ(20,20a)を支持するための取付
    け板(52,52a)は、前記ディスク再生装置(4
    0)のピックアップ装置(67)の移動経路を避けた形
    状で、内周縁(54)が前記ケーシングの前記中空筒状
    部の外周面(50)の形状に対応した形状をなした板材
    であり、 前記取付け板(52,52a)を前記ケーシングの前記
    外周面(50)に溶接により固定したことを特徴とする
    小型モータ。
  5. 【請求項5】 前記取付け板(52,52a)の取付け
    面(56)を前記回転軸(26)に対してほぼ直交させ
    たことを特徴とする請求項1又は4に記載の小型モー
    タ。
  6. 【請求項6】 中空筒状部を有するケーシングの内周面
    に固定子を取付け、前記ケーシングの内部に回転子を配
    設し、前記ケーシングに設けられた軸受部により前記回
    転子の回転軸を回転自在に支持する小型モータ(2
    a)に、この小型モータを支持するための取付け板(5
    2a)を固定する方法であって、溶接を行う箇所の近傍に貫通孔(95)が形成された前
    記取付け板(52a)を準備し、 前記小型モータを組立てた後、前記回転軸を位置決め保
    持するとともに、前記取付け板(52a)の取付け面
    (56)を前記回転軸に対してほぼ直交させて位置決め
    した状態で、前記取付け板(52a)を前記ケーシング
    の前記中空筒状部の外周面(50)前記溶接により固
    定することを特徴とする小型モータの取付け板の固定方
    法。
  7. 【請求項7】 前記取付け板(52a)は、内周縁(5
    4)が前記ケーシングの前記外周面(50)の形状に対
    応した形状をなした板材であり、 前記貫通孔(95)は前記取付け板(52a)の前記内
    周縁(54)に沿った細長形状をなしていることを特徴
    とする請求項6に記載の小型モータの取付け板の固定方
    法。
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