JP3144674B2 - 下孔穿孔機 - Google Patents

下孔穿孔機

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JP3144674B2
JP3144674B2 JP28287597A JP28287597A JP3144674B2 JP 3144674 B2 JP3144674 B2 JP 3144674B2 JP 28287597 A JP28287597 A JP 28287597A JP 28287597 A JP28287597 A JP 28287597A JP 3144674 B2 JP3144674 B2 JP 3144674B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレームの構成部
材の強度をそれ程高めないで、フレーム全体としての必
要剛性を確保することにより、重切削を可能にした下孔
穿孔機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プーリ、ギア、モータのキャッ
プ等のように、中心部に取付孔を有する機械部品は、中
心に孔部を有する状態で鋳物成形したものを素材とし、
該素材に旋盤加工、中ぐり加工等の機械加工を施して製
品としている。しかし、上記した中心部に取付孔を有す
る機械部品が、特殊用途に使用される少量生産品である
場合、製造コストの面から鋳物成形できず、中実丸棒材
を所定厚に切断したものを素材として、これに機械加工
を施して製品とせざるを得ない。このため、下孔加工が
不可欠となる。
【0003】上記した素材に下孔を穿孔する場合、一般
にボール盤が使用される。このボール盤は、図9に示さ
れるように、ベッド51にコラム52が立設されてい
て、該コラム52に水平に支持したアーム53にドリル
ユニット54が取付けられたものである。このため、穿
孔時においてドリルユニット54に装着されたドリル5
5に加わるスラスト力は、アーム53に対する曲げ力と
して作用され、該アーム53が同図において二点鎖線で
示されるように変形される。そのため、上記した一般の
ボール盤で重切削(単位時間当りの切削量が多いことを
いう)を行うことは、極めて困難である。例えば、上記
した一般のボール盤で、厚さが約100mmの鋼材に下
孔を穿孔する場合、内径40mm程度の下孔が限界であ
り、しかも15分程度の工数を必要とする。そのため、
下孔穿孔の効率が悪い。アーム53の変形を防止するた
めには、例えば、図10に示されるように、フレームを
門型構造にして、フレームを構成するベッド51、コラ
ム52及びアーム53の剛性を高めることが必要であ
る。このような加工機を使用すれば、重切削が可能とな
るが、加工機が徒に大型化するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した不
具合に鑑み、フレームの構成部材の強度をそれ程高めな
いで、フレーム全体としての必要剛性を確保することに
より、重切削が可能で、しかも小型・軽量の下孔穿孔機
を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の本発明に係る下孔穿孔機は、ワークを支持するセンタ
ーベースを挟んでそれぞれ第1及び第2の各サイドベー
スが上下に配置されて、これらがタイロッドを介して一
体に連結された状態で垂直に配置されたタイロッド連結
構造のフレームと、前記タイロッドに案内支持されて、
前記センターベースに対して接近・離隔するように、セ
ンターベースと、その下方の第2サイドベースとの間に
移動可能に配設されたドリルユニットと、前記センター
ベースに支持されたワークを該センターベースに対して
上方から押圧させるために、前記第1サイドベースに装
着された第1油圧シリンダと、前記ドリルユニットを移
動させて、ワークに対するドリルの垂直上方を向いた
工推力を生じさせるために、前記ドリルユニットを挟ん
で前記第2サイドベースに装着された複数本の第2油圧
シリンダとを備えていて、前記ドリルユニットを構成す
るドリルの軸心は、タイロッド連結構造の前記フレーム
の中心に配置され、前記第1油圧シリンダの押圧力の作
用方向と、複数本の前記第2油圧シリンダの合成押圧力
の作用方向とが、互いに逆方向であって、しかもいずれ
もドリルのほぼ軸心上に位置するように、前記フレーム
に対して該第1及び第2の各油圧シリンダがそれぞれ配
置されて、下孔穿孔時に前記フレームに曲げ力が作用し
ないようにして、前記センターベースの上面に支持され
たワークの下方から穿孔を行う構成にしたことを特徴と
している。
【0006】第1油圧シリンダにより、ベースプレート
の所定位置にセットされたワークを上方から押圧して固
定すると共に、該第1油圧シリンダの反対側から、ドリ
ルユニットを挟んで配置された複数本の第2油圧シリン
ダにより、該ワークに対してその下方からドリルを押し
付ける。ここで、前記ドリルユニットを構成するドリル
の軸心は、タイロッド連結構造の前記フレームの中心に
配置され、しかも第1油圧シリンダの作用方向と、複数
本の第2油圧シリンダの合成押圧力の作用方向は、いず
れもドリルのほぼ軸心上に位置しているので、下孔穿孔
時においてフレームに作用する外力は、前記ドリルの軸
心方向に沿った単純荷重のみとなって、フレームに対し
て大きな曲げ力が作用することはない。そのため、フレ
ーム全体として最も必要とされる剛性は、ドリルの軸心
方向に沿った単純荷重に対する剛性であり、これ以外の
方向における剛性は最小限で済む。そして、ドリルの軸
心方向に沿ったフレームの前記単純荷重に対する剛性
は、穿孔時においてのみ発生する前記第1及び第2の各
油圧シリンダの油圧力に対抗できれば足りるので、従来
の各種加工機のように、フレームを構成する個々の部材
の強度を高めて確保する構造とは、大きく異なる。この
結果、フレームを構成する個々の部材の強度をそれ程高
めなくても、ワークに対する下孔の穿孔が可能となっ
て、装置が軽量・小型化される。しかも、前記ドリルの
加工推力は、油圧シリンダによって確保されているた
め、重切削が可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。図1は、本発明に係る下孔穿孔機の
概略側面図、図2は図1の要部の拡大側面図、図3は図
2の斜視図、図4は一部を破断した図2のX−X線断面
図、図5はドリルユニットUの側面断面図、図6はドリ
ルDの上端部の拡大斜視図である。本実施例の下孔穿孔
機は、図1に示されるように、ほぼ箱型形状のケース1
にフレームFが垂直に配設された構成である。フレーム
Fの上部には、上側油圧シリンダC1 によって昇降され
る押圧具2が取付けられており、同じく下部には、下側
油圧シリンダC2 によって昇降されるドリルDが取付け
られている。上側油圧シリンダC1 の軸心と、ドリルD
の軸心とは、ほぼ同一な軸線CL上に配置されており、
しかも、図4に示されているように、前記軸線CLは、
センターベースBcよりも上方の4本のタイロッド7
(後述)、及び前記センターベースBcよりも上方の4
本のタイロッド8(後述)の各中心(4本のタイロッド
7の位置が方形の各コーナー部とした場合において、前
記方形の2本の対角線の交点)に位置している。この下
孔穿孔機は、上側油圧シリンダC1 の油圧力によってワ
ークWをセンターベースBcに一体化させ、その下方か
ら下側油圧シリンダC2 の油圧力によってドリルDを押
し付けることにより、該ワークWのほぼ中央部に下孔H
(図7参照)を穿孔する構成である。フレームFの下方
には、コンベア装置3が配設されている。このコンベア
装置3は、ワークWに下孔Hを穿孔する際に生じる切粉
Kを、機外に排出するためのものである。該コンベア装
置3の一端部は、ケース1の外側に突出して、しかも斜
め上方に立ち上がっている。そして、その先端部の直下
には、切粉収容箱4が設置されていて、該コンベア装置
3によって搬送された切粉Kが該切粉収容箱4に収容さ
れる。そして、下孔穿孔機の側方部には、上側及び下側
の各油圧シリンダC1,C2 に作動油を供給するための油
圧ユニット5と、ドリルDを介して穿孔部分に切削油を
供給するための切削油供給ユニット6とが設置されてい
る。
【0008】フレームFの構成について説明する。図2
ないし図4に示されるように、このフレームFは、方形
板状のセンターベースBcと、該センターベースBcを
挟んで、その上下に配設された方形板状の上側及び下側
の各サイドベースB1,B2 とが、上側及び下側の各タイ
ロッド7,8により連結された構成である。本実施例の
タイロッド7,8は、それぞれ4本であり、センターベ
ースBcの四隅に立設されている。最初に、フレームF
の上方部分の構成について説明する。センターベースB
cと上側サイドベースB1 との間には、方形板状の上側
ラム9が配設されている。この上側ラム9の四隅の部分
が、前記4本の上側タイロッド7に嵌合されていて、該
ラム9は、前記上側タイロッド7に案内支持されて昇降
可能である。即ち、各上側タイロッド7は、センターベ
ースBcと上側サイドベースB1とを連結するだけでな
く、両ベースBc,B1 の間に配設された上側ラム9の昇
降を案内支持するというガイドロッドとしての機能も有
している。上側サイドベースB1 の上面のほぼ中央部に
は、上側油圧シリンダC1 が、そのシリンダロッド11
を下方に向けて立設されていて、該シリンダロッド11
の先端部が上側ラム9に取付けられている。上側油圧シ
リンダC1 のシリンダロッド11を突出させたり引っ込
めたりすることにより、上側ラム9が昇降される。上側
ラム9の下面のほぼ中央部には、円筒形状の押圧具2が
上下方向に沿って装着されている。
【0009】次に、フレームFの下方部分の構成につい
て説明する。センターベースBcと下側サイドベースB
2 との間には、方形板状の一対の下側ラム12a,12b
が、各スペーサ13により上下方向に所定の間隔をおい
て配設されている。そして、一対の下側ラム12a,12
b の間にはドリルユニットUが配設されていて、前記一
対の下側ラム12a,12b と前記ドリルユニットUとが
一体に連結されている。一対の下側ラム12a,12b の
うち、上方の下側ラム12aと下側サイドベースB2
が、2基の下側油圧シリンダC2 によって連結されてい
る。これら2基の下側油圧シリンダC2 は、垂直に配設
されている。各下側油圧シリンダC2 のシリンダロッド
14を突出させたり、引っ込めたりすることにより、一
体となった一対の下側ラム12a,12b とドリルユニッ
トUとが、各下側タイロッド8に案内支持されて昇降す
る。即ち、ドリルDが昇降する。
【0010】上記したドリルユニットUについて説明す
る。図5に示されるように、このドリルユニットUに
は、複数の軸受15,16によって回転可能に支承され
た回転軸17が、上下方向に沿って配設されている。下
方の軸受16は、スラスト軸受である。この回転軸17
の軸心は、前述した軸線CL(上側油圧シリンダC1
軸心)とほぼ合致している。そして、該ドリルユニット
Uの側方部分には、前記回転軸17と軸直角にしてモー
タMが取付けられている。モータMの回転力は、該モー
タMのモータ軸18と、それに対応する回転軸17の所
定位置に装着された一対のかさ歯車19a,19b によっ
て、回転軸17に伝達される。なお、符号21は、モー
タ軸18とモータ軸18側のかさ歯車19aとを連結す
るためのキーである。
【0011】上記した回転軸17の上端部には、これと
同心となって下孔穿孔のためのドリルDが装着されてい
る。このドリルDには、図6に示されるように、その長
手方向に沿って逃し溝部22が2箇所に設けられてい
る。そして、その上端部には、切削用チップ23が2個
取付けられていると共に、切削油の吐出孔24が2個設
けられている。ワークWに下孔Hが穿孔される際に生じ
た切粉Kは、各逃し溝部22から自重により落下され
る。そして、図5に示されるように、ドリルDの下端部
には、円板形状の切粉排出板25が取付けられている。
下孔穿孔中に生じた切粉Kは、ドリルDと共に回転する
切粉排出板25により穿孔部分からはぎ取られて排出さ
れる。そのため、ドリルDに切粉Kがからまりにくくな
ると共に、切粉Kの排出が容易になる。
【0012】次に、ワークWをセンターベースBcの所
定位置(ほぼ中央部)にセットする場合の作用につい
て、図2及び図4を参照しながら説明する。センターベ
ースBcのほぼ中央部には、ドリルDを通過させるため
の通し孔26が設けられている。当然のことながら、こ
の通し孔26の内径は、ドリルDの外径よりも少し大き
い。予めセンターベースBcの上面には、模範プレート
27と位置決めプレート28が配置されている。この模
範プレート27の外周端面27aは、三分割されてい
て、該プレート27の中心から各外周端面27aまでの
寸法Rは、僅かずつ異なっていて、下孔Hを穿孔する複
数のワークWの半径とほぼ同一である。即ち、本実施例
の模範プレート27は、3種類のワークWに対応でき
る。模範プレート27の下面には、センターベースBc
に設けられた通し孔26の内径よりも僅かに小さい外径
を有するボス29が設けられている。位置決めプレート
28は方形板状で、その一辺がV字形状に切り欠かれて
いて、位置決め部28aとなっていると共に、該位置決
め部28aが形成された辺と直交する二辺の近傍に、該
二辺の長さ方向に沿って、長孔31が設けられている。
そのため、この位置決めプレート28を長孔31に沿っ
て移動させることにより、該位置決めプレート28がセ
ンターベースBcの通し孔26に接近・離隔される。模
範プレート27のボス29を通し孔26に嵌合させた状
態で、位置決めプレート28を接近させ、所定のワーク
Wの外径寸法に対応する模範プレート27の外周端面2
7aと、位置決めプレート28の位置決め部28aとを
当接させる。この状態で該位置決めプレート28を固定
し、模範プレート27を取り外す。以降、ワークWの任
意の外周部分を位置決めプレート28の位置決め部28
aに当接させてセンターベースBcの上面にセットさせ
ることにより、該ワークWのほぼ中心部が、ドリルDの
軸心上に配置される。
【0013】上記した位置決めプレート28によってセ
ンターベースBcの上面のほぼ中央部にセットされたワ
ークWは、その上方から降下された押圧具2によって押
圧される。この押圧具2は、図7に示されるように、円
筒形状を成していて、下孔Hの穿孔終了後のドリルDが
その中空部分Vに入り込む。押圧具2の外径は、ワーク
Wの外径よりも少し小さい。押圧具2の下端面には、環
状の溝部2aが設けられていて、この部分にゴムリング
32が取付けられている。このゴムリング32は、押圧
具2の下端面よりも少し突出するようにして取付けられ
ているため、ワークWの上面(押圧具2によって押圧さ
れる面)が平滑な面を呈していなくても、該ワークWは
確実に押圧される。更に、押圧具2の下端面とワークW
の上面との油密が図られるため、穿孔が終了した直後に
ドリルDから吐出される切削油が、この部分から飛散す
ることはない。
【0014】本発明に係る下孔穿孔機の作用について説
明する。図8に示されるように、位置決めプレート28
により、ワークWがセンターベースBcの上面のほぼ中
央部にセットされる。上側油圧シリンダC1 を作動させ
て押圧具2を降下させ、該ワークWをセンターベースB
cに押圧固定する。ワークWの軸心は、軸線CL(上側
油圧シリンダC1 の軸心)とほぼ同心にしてセットされ
ているため、該ワークWは上側油圧シリンダC1 による
油圧力(押圧力T1 )によって強固に押圧され、恰もセ
ンターベースBcと一体化された状態となる。そして、
前記押圧力T1の反力T1'は、上側サイドベースB1
作用する。この反力T1'は、大きさが上側油圧シリンダ
1 による押圧力T1 と同一で、その作用方向が反対の
力である。
【0015】この状態で、ワークWの下方からドリルD
が押し付けられる。該ドリルDの加工推力T2 は、2基
の下側油圧シリンダC2 の油圧力の合力によるものであ
り、該加工推力T2 の反力T2'が下側サイドベースB2
に作用する。2基の下側油圧シリンダC2 の油圧力の合
力の作用線は、前述した軸線CLにほぼ沿っている。前
記反力T2'は、上記した反力T1'と同様に、大きさがド
リルDの加工推力T2と同一で、その作用方向が反対の
力である。そして、前述した押圧力T1 は、この加工推
力T2 よりも大きいので、ワークWは、センターベース
Bcに押圧された状態を維持して、前記加工推力T2
より切削される。ここで、前記軸線CLは、4本のタイ
ロッド7の中心を通る垂直線であって、前記押圧力T1
及び前記加工推力T2 は、前記軸線CL上においてのみ
作用するため、従来の加工機のように、前記押圧力T1
及び加工推力T2 が、フレームF全体に曲げ力として作
用することはない。
【0016】このように、下孔Hの穿孔時においてフレ
ームFに作用する外力は、軸線CL(ドリルDの軸心)
方向に沿った単純荷重のみであるため、フレームF全体
としての剛性も、この単純荷重の方向(軸線CL方向)
に沿った剛性が確保されれば充分であり、これ以外の方
向に沿った剛性、即ち、曲げ力に対する剛性は必要最小
限で済む。そして、この単純荷重の作用する方向に沿っ
たフレームFの剛性は、センターベースBcに対してワ
ークWを押圧するための上側油圧シリンダC1の油圧力
(押圧力T1 )と、ワークWに対してドリルDを押し付
けている下側油圧シリンダC2 の油圧力(加工推力
2 )とによって確保しており、従来の各種加工機のよ
うにフレームFを構成する個々の部材の強度を高めるこ
とによって、フレームF全体の剛性を高めているのでは
ない。
【0017】換言すれば、センターベースBcに対して
ワークWを押圧させるための上側油圧シリンダC1 の押
圧力T1 と、ワークWに対してドリルDを押し付けるた
めの下側油圧シリンダC2 の加工推力T2 とによって、
ワークWに下孔Hを穿孔する際においてのみ、しかも、
穿孔方向(ドリルDの軸心方向)に沿った剛性のみを集
中的に高めているのである。
【0018】しかも、本発明に係る下孔穿孔機におい
て、ワークWに対してドリルDを押し付ける力(加工推
力T2 )は、下側油圧シリンダC2 の油圧力によって確
保している。そのため、ドリルDの加工推力T2 を極め
て大きなものにすることができると共に、常に安定した
加工推力T2 が確保される。従来の加工機の場合、ドリ
ルの送りは、その負荷とは無関係に、送りねじの回転数
により強制的に定められているので、穿孔中においてド
リルの負荷に変動が生じ、その結果、穿孔状態が安定し
ないことがある。しかし、本発明の場合、ドリルの送り
は油圧力により定められていて、その負荷に応じて自ら
変動するため、穿孔状態が終始安定している。この結
果、重切削が可能となり、従来の加工機と比較して、よ
り大きな径の下孔Hを短時間で穿孔することが可能であ
る。また、下側油圧シリンダC2 に供給される作動油の
流量を制御することにより、ドリルDの昇降速度の制御
等が簡単に行われる。そのため、下孔穿孔が終了してド
リルDが該下孔Hから抜け出る際に該ドリルDが急進
し、その結果、各切削用チップ23が損傷することが防
止される。
【0019】下孔穿孔中、ドリルDの各吐出孔24より
高圧の切削油が吐出される。また、下孔Hが穿孔されて
いる際に生じる切粉Kは、自重により落下する。しか
も、ドリルDと共に回転する切粉排出板25によっては
ぎ取られ、コンベア装置3により排出される。
【0020】上記したように、本発明に係る下孔穿孔機
は、フレームFの軸線CL方向のみの剛性を高めた構成
であるため、フレームFを構成する個々の部材の強度を
それ程高くしなくても、ワークWに対する下孔Hの穿孔
が可能になる。そのため、装置全体の小型・軽量化が可
能である。該フレームFを支持するケース1の剛性もそ
れ程高くする必要がないため、更に小型・軽量化が可能
である。
【0021】本実施例の下孔穿孔機における2基の下側
油圧シリンダC2 の合力によるドリルDの加工推力T2
は、約1.2トンであり、上側油圧シリンダC1 の押圧
力T1 はその約3倍である。この下孔穿孔機によって、
外径170mm、厚さ35mmの鋼材に内径50mmの
下孔を穿孔する場合、約30秒で穿孔することができ
た。本実施例の下孔穿孔機において、ワークWが載置さ
れるセンターベースBcまでの高さは約1.2mであ
る。また、重量は約1.8トンであり、この加工能力に
耐えられるフレームの剛性を、フレームの構成部材の強
度を高めることのみにより実現しようとすると、門型の
フレームが不可欠となり、その重量も約10倍程度にな
ると思われる。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る下孔穿孔機は、ベースプレ
ートにセットされたワークを上方から押圧する第1油圧
シリンダと、ドリルユニットを移動させて、ワークに対
して、その下方からドリルの加工推力を生じさせるため
に、前記ドリルユニットの両側に配置された複数本の第
2油圧シリンダとを備え、前記ドリルの軸心は、タイロ
ット連結構造のフレームの中心に配置され、しかも前記
第1油圧シリンダの押圧力の作用方向と、複数本の前記
第2油圧シリンダの合成押圧力の作用方向とは、いずれ
もドリルのほぼ軸線上に位置するように、タイロッド連
結構造のフレームに対して前記第1及び第2の各油圧シ
リンダがそれぞれ配置されているので、前記ワークを下
方から穿孔して行う下孔穿孔時において、フレームに作
用する外力の大部分は、前記ドリルの軸心方向に沿った
単純応力であって、フレームに対して大きな曲げ力が作
用することはないために、以下のような諸効果が奏され
る。(1)タイロッド連結構造のフレームを構成する個
々の部材の強度をそれ程高くしなくて済む。そのため、
装置全体を小型・軽量化することができる。(2)油圧
シリンダの油圧力により、ワークにドリルが押し付けら
れる。この加工推力を極めて大きくすることができるた
め重切削が可能となり、従来の加工機と比較して、より
大きな径の下孔を、より短い時間で穿孔することができ
る。その結果、下孔穿孔の効率が高まる。(3)フレー
ムが垂直に配設されている場合、下孔穿孔中に生じる切
粉は、自重によって落下されるため、切粉の排出処理が
簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る下孔穿孔機の概略側面図である。
【図2】図1の要部の拡大側面図である。
【図3】図2の斜視図である。
【図4】一部を破断した図2のX−X線断面図である。
【図5】ドリルユニットUの側面断面図である。
【図6】ドリルDの上端部の拡大斜視図である。
【図7】ワークWに下孔Hを穿孔している状態の作用説
明図である。
【図8】フレームFに加わる力の作用方向を示す作用説
明図である。
【図9】従来のボール盤の側面図である。
【図10】門型構造のボール盤の正面図である。
【符号の説明】
1 :上側サイドベース(第1サイドベース) B2 :下側サイドベース(第2サイドベース) Bc:センターベース C1 :上側油圧シリンダ(第1油圧シリンダ) C2 :下側油圧シリンダ(第2油圧シリンダ) CL:軸線 D:ドリル F:フレーム H:下孔 T1 :押圧力 T2 :加工推力 U:ドリルユニット W:ワーク 7,8:タイロッド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを支持するセンターベースを挟ん
    でそれぞれ第1及び第2の各サイドベースが上下に配置
    されて、これらがタイロッドを介して一体に連結された
    状態で垂直に配置されたタイロッド連結構造のフレーム
    と、 前記タイロッドに案内支持されて、前記センターベース
    に対して接近・離隔するように、センターベースと、
    の下方の第2サイドベースとの間に移動可能に配設され
    たドリルユニットと、 前記センターベースに支持されたワークを該センターベ
    ースに対して上方から押圧させるために、前記第1サイ
    ドベースに装着された第1油圧シリンダと、 前記ドリルユニットを移動させて、ワークに対するドリ
    ルの垂直上方を向いた加工推力を生じさせるために、前
    記ドリルユニットを挟んで前記第2サイドベースに装着
    された複数本の第2油圧シリンダと、 を備えていて、前記ドリルユニットを構成するドリルの軸心は、タイロ
    ッド連結構造の前記フレームの中心に配置され、 前記第1油圧シリンダの押圧力の作用方向と、複数本の
    前記第2油圧シリンダの合成押圧力の作用方向とが、互
    いに逆方向であって、しかもいずれもドリルのほぼ軸心
    上に位置するように、前記フレームに対して該第1及び
    第2の各油圧シリンダがそれぞれ配置されて、下孔穿孔時に前記フレームに曲げ力が作用しないように
    して、前記センターベースの上面に支持されたワークの
    下方から穿孔を行う構成にしたこと を特徴とする下孔穿
    孔機。
JP28287597A 1997-09-29 1997-09-29 下孔穿孔機 Expired - Fee Related JP3144674B2 (ja)

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