JP3143816B2 - 筒状樹脂製品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

筒状樹脂製品の成形方法及び成形装置

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JP3143816B2
JP3143816B2 JP05024557A JP2455793A JP3143816B2 JP 3143816 B2 JP3143816 B2 JP 3143816B2 JP 05024557 A JP05024557 A JP 05024557A JP 2455793 A JP2455793 A JP 2455793A JP 3143816 B2 JP3143816 B2 JP 3143816B2
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sheet
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三郎 松原
和夫 諸橋
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日石三菱株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筒状樹脂製品の成形方
法及び成形装置に関し、特に熱硬化性樹脂を繊維に含浸
させて形成した繊維強化複合材製のパイプ、リング、シ
ャフト等の筒状成形品を成形するために効果的な筒状樹
脂製品の成形方法及びその成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術としては、例えば、
フィラメントワインディング法、シートローリング法、
3本ロール法等が知られている。このうちフィラメント
ワインディング法は、ガラス繊維、ビニロン繊維、炭素
繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の
強化用繊維の束からなるヤーンを複数本束ねて、これに
液状樹脂を含浸させながらマンドレルに巻付け積層する
方法である。
【0003】また、シートローリング法は、予め熱硬化
性樹脂をガラス繊維等に含浸させて形成した繊維強化複
合材シート(以下、「プリプレグシート」と言う。)を
敷いた一枚の板と、これと対向したもう一枚の板の間
に、細いマンドレルを挟む様に構成される。そして、各
板を相対的に移動させることによりマンドレルを回転さ
せながらプリプレグシートをマンドレルに圧着し積層す
る。
【0004】残りの3本ロール法は、3本のロールのう
ちの1本を芯金として用い、この芯金の外周面に、ヤー
ンの状態ではなくプリプレグシートを巻付けて積層する
方法である。更に従来の方法として近年では、2本ロー
ル法なるものも提案されている(実開昭50-35838号参
照) 。これは、金属薄板を一定曲率で連続的に丸めるも
のであって、正対する2本のロールのうち一方は金属製
であり、他方は外周部が変形可能な弾性材からなってい
て、前記金属製のロールを円筒状の硬質マンドレルの内
周面に当接させ、金属薄板をマンドレルの外周面と弾性
材ロールの外周面との間に挟持して前記金属薄板を送り
込むものである。これにより、金属製ロール外周面に対
して弾性材ロールの弾性変形により金属薄板を押圧湾曲
変形させ、もってマンドレル外周面に略沿って湾曲した
金属薄板を得ている。従って本法は、硬質マンドレルを
型として用い、該型に金属薄板を弾性材ロールで型押し
するものであると言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィラ
メントワインディング法は、ヤーンの幅が狭いので、ヤ
ーンを軸方向に長いマンドレルの外周面に巻付け圧着積
層するのに長い時間がかかってしまうという問題があっ
た。また、シートローリング法は、小口径の物を成形す
る場合は適しているが、口径が大きくなると、1操作で
のマンドレルの回転が少なく、このため効率良い成形が
できないという問題があった。
【0006】さらに、3本ロール法は、マンドレル全体
にその外方からロールにより圧力をかけるため、芯材が
変形しやすく所定形状の成形品が得られ難い。特に、大
口径の製品を成形する場合にはロールをマンドレルの外
方に配設する必要があって、装置が大型化する。大口径
の製品を成形する場合にはロールをマンドレルの外方に
配設する必要がある。従ってロール装備のための装置が
大型化するという問題があった。
【0007】一方、2本ロール法は、正対する一対のロ
ールによるマンドレルの支持のみではマンドレルの姿勢
が不安定になる虞があり、従って、そのガイド装置を別
個に必要として装置が大型化する場合もあった。特に、
弾性材ロールを用いた上記2本ロール法をプリプレグシ
ートに適用した場合、以下のような重要な欠点があっ
た。
【0008】即ち、弾性材ロールはその表面が弾性体で
あるウレタンでできているために、プリプレグシートと
接触したときにロールの軸線方向に弾性変形して伸び、
これにつられて未硬化で柔らかいプリプレグシートもロ
ールの軸線方向に伸び、その結果、シート中の繊維の目
が乱れ易い。特に、シートが一方向に揃ったものの場合
にその減少は激しい。これは、いわゆる一方向引揃品と
いい、単に複数本の繊維を引き揃えた平面状基材に、未
硬化の樹脂を含浸させ、該未硬化樹脂の粘着力で形状を
保持させたもの(炭素繊維のプリプレグシートの中で
は、最も量の多いもの)であって、単に未硬化樹脂の粘
着力で形状が保持されているために、簡単に繊維の配列
が乱れるからである。
【0009】この乱れは不均一に生じ、また部分的に残
留するので、シート表面には「しわ」という現象で残
る。つまり、一見すると弾性変形した方が、金属シート
に限らず樹脂などの一般の材料からなるシートであって
も接触面積が大になって、マンドレルに沿って曲げるの
には都合が良さそうであるが、プリプレグシートの場合
は不都合となるのである。
【0010】プリプレグシート中の繊維の配列の状態は
製品強度に大きな影響を及ぼすので、ランダムに繊維が
配列した不織布を遣うことは稀であり、通常は一方向
(通常シートのMD方向、機械方向)に揃ったもの、あ
るいは通常の織物のように縦横斜めに、あるいはこれら
の組合せできれいに配列させたものに熱硬化性樹脂を含
浸させたものを用いる。時にはプリプレグシートは繊維
一層の織物ではなく、3次元にかなりの厚みのある織物
(絨毯のようにかなり厚みのある織物)を使うこともあ
り、それ故、この繊維の配列を乱さないよう、柔らかい
プリプレグにしわなど出ないように成形することも重要
なことである。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、熱硬化性シート材を用いることに
より、筒状樹脂製品を短時間で製造することができるよ
うにする一方、筒状マンドレルの小さな領域に一組の送
り装置を集中して配設し、もってマンドレルが大口径化
しても装置全体を小型化することを可能にし、またマン
ドレルの送り出しを安定的に行えるようにして、マンド
レル用に別個のガイド装置を不要にした。
【0012】更に本発明では、マンドレルが三角形、四
角形、六角形等の異形体であっても、容易に筒状樹脂製
品を形成することのできる成形方法及び成形装置を提供
することを目的とする。また本発明では、熱硬化性樹脂
シートとしてプリプレグシートを用いた場合、プリプレ
グシートの繊維の配列を乱すことなく、従って、プリプ
レグシートにしわ等発生しない高品質なプリプレグシー
ト筒状樹脂製品の成形方法及び成形装置を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る筒状樹脂製品の成形方法及び成形装置で
は、回転可能な筒状のマンドレルの外周面に熱硬化樹脂
シートの供給手段から熱硬化樹脂シートを供給し、該周
面に接着された状態で送り手段により、前記マンドレル
を所定量回転させ、マンドレルの周面に筒状の樹脂層
を積層して、これを加熱硬化処理する。そして前記送り
手段は、少なくとも2本の回転可能な第1のロールがマ
ンドレルの周面に沿って配置される一方、該第1のロ
ール間の前記マンドレルの周面に対して第2のロール
が接触配置される。第1及び第2のロール、マンドレル
は、それぞれ平行に配設される。
【0014】前記各ロールとマンドレルとは、位置・圧
力制御手段により、相対位置を可変としかつ適当な押圧
圧力に制御できるのが好ましく、また熱硬化性樹脂シー
トの一部はマンドレル周面に接着させるようにしてもよ
い。熱硬化性樹脂シートは、特に熱硬化性樹脂を繊維に
含浸させて形成したプリプレグシートであるのが、その
使用目的に応じて好ましい場合がある。該プリプレグシ
ートは、特に限定されず、従来より複合材料に使用され
ているものを使用することができる。
【0015】プリプレグシートに使用される強化繊維と
しては、例えばガラス繊維、アラミド繊維、ポリアクリ
ロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の無機また
は有機繊維が挙げられる。特に、炭素繊維を用いると、
軽量かつ高強度、高弾性率の成形体が得られるので好ま
しい。マンドレル及び第1のロールは、特に熱硬化性樹
脂シートがプリプレグシートである場合、剛性を有する
のが効果的である。
【0016】従来より用いられてきた種々の方法と比較
して、本発明による方法は、成形時にプリプレグシート
に必要方向以上の応力がかからないため、高弾性率を有
する炭素繊維を用いた場合であっても無理なく成形で
き、さらに軽量かつ高強度・高弾性率を有する成形体を
得ることができる。また、強化繊維の形態としては、例
えば一方向材、平織、綾織、三軸織物、組紐状繊維等の
織物、不織布、あるいはこれらの積層物を挙げることが
できる。特に一方向材を用いると、強化繊維の特徴を発
揮しやすく、積層方向による設計も行いやすいため、特
に望ましい。
【0017】熱硬化性樹脂としては、通常の複合材料に
使用されるものであれば、すべて使用することができ、
例えば不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリシアネート樹脂等が挙げられる。中でも、
エポキシ樹脂組成物が、汎用性が高いために好ましい。
【0018】本件発明は、繊維で強化されてなる熱可塑
性樹脂または熱硬化性樹脂からなる繊維強化複合材シー
トの中でも、熱硬化性樹脂を繊維に含浸してなるプリプ
レグシート、特に繊維の配列方向として少なくともMD
方向を有する繊維配列に熱硬化性樹脂を含浸させてなる
プリプレグシートに最も適したものである。
【0019】
【作用】熱硬化性樹脂シートを、供給手段により、マン
ドレルと第1のロールの一方のロールとの間に供給す
る。すると熱硬化性樹脂シートは、マンドレルと当該一
方のロールとの間に挟持され、マンドレルの周面に接着
した状態で、第1のロールの他方のロールとマンドレル
との間を経由して所定量送り出され、マンドレルを1周
して筒状に形成される。熱硬化性樹脂シートの送り出さ
れる量により、マンドレル上の熱硬化性樹脂シートの積
層数が増減される。得られたマンドレル上の熱硬化性樹
脂シートを送り手段から取外し、その後、熱硬化性樹脂
シートを加熱硬化させれば、筒状の樹脂製品が出来上が
る。マンドレルを樹脂製品から分離するか、そのまま樹
脂製品と一体に保持するかは、使用目的に応じて選択す
れば良いことである。
【0020】マンドレルと第1のロールとの圧接力は、
該第1のロールに対する第2のロールの押し付け力に対
応するが、第1のロールに対する第2のロールの相対位
置及び押し付け力を制御可能にすると、マンドレルが断
面三角形、四角形或いは六角形等の異形の場合であって
も、その稜線部が第1または第2のロールの外径より大
きな曲率半径を有する限り、マンドレル内周面側に位置
するロールがマンドレルの稜線部の内側に沿うことが可
能となり、従って上記異形のマンドレル上に熱硬化性樹
脂シートの積層を施すことが可能となる。
【0021】熱硬化性樹脂シートを筒状に成形するに際
し、熱硬化性樹脂シートをマンドレルの外周面に供給す
る構成としたので、該シートはマンドレルの外周面に接
着して搬送されて筒状に形成される。逆にマンドレルの
内周面に供給する構成とすれば、前記シートはマンドレ
ルの内周面に接着して搬送され、マンドレルの内周面に
筒状に積層されるが、一般にはマンドレルの外表面に熱
硬化性樹脂シートを積層するのが容易であると言える。
【0022】熱硬化性樹脂シートは、一般に室温或いは
低温で粘着性を有するから、ロール手段によるマンドレ
ルと熱硬化性樹脂シートとの送り出し後は、マンドレル
表面に熱硬化性樹脂シートが接着して搬送されるが、こ
の粘着性が弱い場合は、粘着テープを別途用意し、或い
は熱融着する等の接着手段により、例えば熱硬化性樹脂
シートの先端部をマンドレル表面に仮止めするようにし
ても良い。
【0023】熱硬化性樹脂シートとして、熱硬化性樹脂
を繊維に含浸させて形成した繊維強化複合材シートを用
いることにより、筒状樹脂製品として強度が増加するか
ら、本発明の成形方法及び装置によれば、例えばゴルフ
クラブのシャフトのような長尺物の筒状樹脂製品に適す
る。この場合、マンドレル及び第1のロールが剛性を有
すれば、プリプレグシートの繊維の配列を乱す応力を与
えることがない。従って、プリプレグシートにしわ等発
生しない高品質なプリプレグシート筒状樹脂製品を成形
出来る。
【0024】なお、ここで述べる「筒状」とは、上記よ
り明らかなように、円筒、楕円筒、角筒、その他自由な
閉ループ形状の軸直角断面形状を含むものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1(a) 、(b) において、繰出ロール1等のプリ
プレグ供給源と供給ロール2等の適当な供給手段により
或いは作業者の手によって、プリプレグ供給源から熱硬
化性樹脂シート、ここでは熱硬化性樹脂を繊維に含浸さ
せて形成した繊維強化複合材シート、所謂プリプレグシ
ートPの先端が、一対の平行な支持ロール3、4とマン
ドレル5との間に供給される。
【0026】マンドレル5とプリプレグPの支持ロール
3、4への押圧力は、前記支持ロール3、4の中間でマ
ンドレル5の内周壁に接触配置された押しロール6の押
圧力により制御される。押しロール6は支持ロール3、
4とは正対しない。ここで押しロール6は、鋼などのよ
うな強度部材を支軸6aとし、その支軸6aの中間外周
面に筒状のゴム等のような摩擦部材6bが外嵌固着して
構成される。一方、支持ロール3、4は、その外周面が
鋼等のような剛性材料で形成される。
【0027】前記押しロール6よりも大径の軸直角断面
円形の剛性筒状部材からなるマンドレル5は、押しロー
ル6がマンドレル5の一部側壁の内周面に押圧接触する
ように、支持ロール3、4と平行にかつ遊動回転自由に
配設されるが、自らの回転支軸は有していない。前記供
給されたプリプレグシートPは、マンドレル5の外周面
と支持ロール3、4の外周面との間に導かれて押圧挟持
され、図示しないモータ等の回転駆動装置による押しロ
ール6の回転に従って、マンドレル5の前記側壁と共
に、該側壁に接着した状態で所定量送り出される。従っ
てここで、支持ロール3、4及び押しロール6はマンド
レルの送り装置を構成する。
【0028】プリプレグシートPがマンドレル5の外周
面を一周した段階で、マンドレル5の円筒外周形状に倣
ったプリプレグシートPの筒状体が完成するから、必要
に応じて適数の積層数を得るべく、押しロール6による
送り出し量を予め適当に定めておく。プリプレグシート
Pの筒状体の成形が終了した後は、マンドレル5と共に
プリプレグシートPを取り出し、プリプレグシートPを
図示しない公知の加熱装置により加熱し、プリプレグシ
ートの各層を加熱融着し、更に加熱温度を上げて、加熱
硬化させる。
【0029】マンドレル5と一体にして使用に供する場
合は、そのまま製品とするが、そうでない場合は、適当
な保持装置によりプリプレグシートPの筒状体を固定保
持した状態で、プリプレグPのみを把持して抜き取るよ
うに構成した図示しない分離装置を用いてマンドレル5
から筒状のプリプレグシートPを分離し、プリプレグシ
ートPのみの筒状樹脂製品を得る。
【0030】以上本発明の一実施例を概略的に説明した
が、次に詳細について説明する。上記の熱硬化性樹脂は
30〜40゜Cで粘性が大となり、80〜180゜Cで
硬化する特性を有する。従って支持ロール3、4間によ
りプリプレグシートPがマンドレル5の表面に強く押圧
されると、プリプレグシートPは、自らの粘性により、
又はプリプレグシートP先端をアイロン7等で30〜4
0°の加熱融着を施すことにより、あるいはプリプレグ
シートPの先端縁に接着剤を塗布するか、または接着テ
ープを用いることにより、プリプレグシートPをマンド
レル6の表面に接着することも可能である。
【0031】プリプレグシートPが支持ロール3、4か
ら容易に剥離するようにするには、支持ロール3、4の
材質選択、表面処理等を公知のように行えば良い。また
プリプレグの剥離手段を別途用意しても良い。図1(b)
に示すように、プリプレグシートPが離型シートP1と
二重構造で供給源から供給されるように準備すれば、支
持ロール3、4と接触する側に上記離型シートP1を配
設することにより、プリプレグシートPは極めて容易に
マンドレル5のみに粘着する。この場合、離型シートP
1を、別個に設けた巻取り装置8によって巻取る。
【0032】筒状のマンドレル5は、使用目的に合わせ
て金属、木、紙、コンクリート、樹脂等の種々の材料で
製作可能であるが、形状保持の為に適当な剛性が必要で
ある。マンドレル5は、回転自由であるが、その回転用
軸受けは有していないので結果的に軽量となる。マンド
レル5の一部側壁に集中的に配設された3つのロール
3、4、6にその一部の側壁が支持されつつ送り出され
て回転する。従ってマンドレルの送り装置としては、マ
ンドレル外周にロールを散在させた従来のものに比べ、
小型化する。
【0033】成形される樹脂成形品は、マンドレル5の
表面形状に倣う。本実施例の場合はマンドレル5が円筒
形状であるから、得られる樹脂製品も、その外表面に倣
った円筒形状となる。押しロールの支軸6aの両端部
は、機枠11,12に着脱自由に支持され、かつ着装した状
態では回転自由に、かつ、支持ロール3、4に対して進
退して位置変更可能に支持される。前記支軸6aの一端
部は、ギア等の動力伝達部材13を介して図示しないモー
タ等の回転駆動源に連結され、押しロール6が回転駆動
されて、摩擦力により、支持ロール3、4及びマンドレ
ル5全体を回転作動させる。ただし、回転駆動力を受け
るのは、押しロールに限る必要はない。少なくとも1つ
のロールが受ければ足りるものである。
【0034】一方の機枠12の一部の軸受部12aは、その
残部に対しヒンジ結合されて、支軸6aを含む垂直面内
で回動自由となっている。そして作動時は、図1に示す
ように固定されて支軸6aを軸受けするが、マンドレル
5を押しロール6から外す場合は、軸受部12aをヒンジ
の回りに回動して支軸6a端部から外し、支軸6aの一
端を片持ちの自由端部として開放する。従って、マンド
レル5はこの自由端部から容易に抜き取ることが可能と
なる。なお他方の機枠11の軸受も、押しロール6を支持
ロール3、4に対して相互接離が可能なように、機枠本
体に支持されている。
【0035】前記軸受部12aは、機枠12に対して別体に
構成され、これを機枠12に着脱自由に装着してもよい。
他方の機枠11に関しても同様である。機枠11及び軸受部
12には、支軸6aの両端部を支持ロール3、4へ向かっ
て押圧するエアシリンダ14及び15が備えられ、その圧力
を適性値に制御する圧力制御装置(図示せず)が設けら
れて、特にマンドレル5回りのプリプレグシートPの積
層数に対応して変化する押しロール6と支持ロール3、
4間の押圧力を制御できるようになっている。
【0036】本発明では、押しロール6が支持ロール
3、4に対して相対位置を可変として機枠11、12に支持
される構成、エアシリンダ14、15及びその圧力制御を行
う装置を称して位置・圧力制御装置とした。なお熱硬化
性樹脂シートを筒状に成形するに際し、熱硬化性樹脂シ
ートをマンドレルの外周面に供給する構成としたので
該シートはマンドレルの外周面に接着して搬送されて筒
状に形成される。
【0037】以上のような構成において、筒状樹脂製品
は、本実施例では、以下のようにして所定の形状に成形
される。まず、軸受部12aを、ヒンジを中心に回動させ
て機枠12の基部から離し、押しロール6を他方の機枠11
の軸受部で片持ち支持する。次に、押しロール6を支持
ロール3、4から所定の間隔だけ引き離し、マンドレル
5を押しロール6に挿入した後、繰出ロール1から供給
されたプリプレグシートPを、作業者の手でマンドレル
5の外周面に半周ぐらい巻き付け、プリプレグシートP
の先端部をアイロン7等で30〜40゜Cに加熱して、
マンドレル6の外周面に融着し仮留めする。
【0038】次に、押しロール6を機枠11及び12に対し
て確実に軸受け設定し、図示しない位置・圧力制御装置
を作動し、プリプレグシートPをマンドレル5の周壁に
たいし、押しロール4と支持ロール3、4の間で適当な
押圧力で挟持する。その後、回転駆動源を作動させ、動
力伝達部材13を介して押しロール6を駆動すると、押し
ロール6は、摩擦部材6bの摩擦抵抗によりマンドレル
5の内周面を滑ることなく回転する。このため、プリプ
レグシートPは、マンドレル5と支持ロール3、4間に
押圧されつつマンドレル5の外周面に圧着捲回され、所
定の厚さに積層される。
【0039】プリプレグシートPの積層された厚さが増
大するに伴って、押しロール6は、位置・圧力制御手段
によりエアシリンダ14、15が制御され、支持ロール6か
ら後退されて送りロール3、4に対するマンドレル5の
押圧力が、所定の圧力に保持される。積層後、必要に応
じて熱収縮テープ繰出機(図示せず)より熱収縮テープ
を繰出し積層物表面にテーピングを施す。
【0040】このようにしてプリプレグシートPの筒状
積層体が得られたら、次に、装置の作動を停止し、エア
シリンダ14、15による付勢力を解除して、マンドレル5
を送りロール3、4と押しロール6との間に取付ける要
領と逆の要領で、プリプレグシートPが積層されたマン
ドレル5を押しロール6から取外す。次に、図示しない
加熱装置により、プリプレグシートPが積層されたマン
ドレル5を30〜40°を経由して80〜180゜Cで
加熱すると、プリプレグシートPの各層間で加熱融着さ
れて一体的に結合し、次に高温度において熱硬化するか
ら、硬化された筒状のプリプレグシートPを図示しない
分離装置によりマンドレル5から分離し、筒状の繊維強
化複合材を得ることができる。
【0041】成形品の用途によっては、積層されたプリ
プレグシートPにマンドレル5を取り付けたままで、成
形完了としてもよいことは既述した。このように、本実
施例では、ヤーンよりも幅の広いプリプレグシートPを
マンドレル5に切れ目なく連続して短時間に圧着し積層
できる。また押しロール4を機枠11から取外すことがな
いから、マンドレル5の着脱作業が容易となり、繊維強
化複合材を成形する際の作業性を著しく向上することが
できる。
【0042】なお、上記の実施例では、押しロール6の
外周面とマンドレル5の内周面の摩擦抵抗力によりマン
ドレル5を回転駆動する構成としたが、押しロール6の
外周面とマンドレル5の内周面とをギア結合としてもよ
い。また、筒状のマンドレル5が異形(三角形、四角
形、六角形等の多角形、楕円形、雲形形状を含み、軸直
角断面が本実施例の様に円形ではないもの)であって
も、本発明では、その異形のマンドレルの外周面に沿わ
せて、異形の筒状樹脂製品を成形することが出来る。つ
まり、マンドレル形状のうち最小曲率の稜線部が、マン
ドレル5の内周側に設けた押しロール6の外径以上の大
きさである曲率である限り、押しロール6によって該稜
線部に無理な応力が作用することが無いから、マンドレ
ル6の破壊が無く、従ってマンドレルの形状として、上
記条件の範囲内での多角形或いは雲形等の任意の形状を
採用することが出来る。
【0043】本出願人は、本発明に係る筒状樹脂製品の
成形装置を用いて実験を行い、以下のような好ましい結
果を得た。 実験1 使用したマンドレルは、内径206mm、外径212mm、
長さ1000mmの鋼製の剛性あるマンドレルであり、使
用したプリプレグシートは、エポキシ樹脂を含浸させた
石油ピッチ系炭素繊維からなる炭素繊維一方向プリプレ
グシート(商品名 グラノックプリプレグ E402
5;日本石油株式会社製)および石油ピッチ系炭素繊維
織物にエポキシ樹脂を含浸させてなる炭素繊維織物プリ
プレグシート(日本石油株式会社製)である。
【0044】まず、炭素繊維一方向プリプレグシート
を、その繊維方向をマンドレルの軸方向と直角にしてマ
ンドレルに2層巻き付け、次に、その上に炭素繊維一方
向プリプレグシートを、その繊維方向をマンドレルの軸
方向と平行にしてマンドレルに4層巻き付け、さらに、
その上に炭素繊維織物プリプレグシートを2層巻き付け
た後、ポリプロテープとポリエステルテープで最外層周
面をテーピングし、熱硬化炉で130゜Cで1時間、加
熱硬化させた。
【0045】その結果、内径212mm、厚さ1.2mm、
長さ700mmの炭素繊維複合材製のパイプが得られ、こ
のパイプを切断し、断面を観察したところ、ボイドなど
の欠陥が認められず、炭素繊維複合材製のパイプの品質
の向上を図ることができた。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ヤ
ーンよりも幅の広いプリプレグシートをマンドレルに切
れ目なく連続して短時間に圧着し積層できる。また従来
より用いられてきた種々の方法と比較して、本発明によ
る方法は、剛性あるマンドレル及び第1のロールを用い
ていて、成形時にプリプレグシートに必要方向以上の応
力がかからないため、繊維配列の乱れを与えることな
く、高弾性率を有する炭素繊維を用いた場合であっても
無理なく成形でき、さらに軽量かつ高強度・高弾性率を
有する成形体を得ることができる。
【0047】更に、マンドレルの一側壁に集中して送り
手段を配設可能であるから、該送り手段の構成が小型化
出来ると共に、少なくとも3本のロールでマンドレルの
一側壁を挟持するから、マンドレルの回転が安定し、別
個のマンドレルガイド装置を備える必要がない。また、
マンドレルは送り手段に対し自由に着脱出来るから、マ
ンドレルの着脱作業が容易となり、筒状の樹脂製品特に
繊維強化複合材の成形品を成形する際の作業性を著しく
向上することができる。
【0048】マンドレルは、異形の断面形状に構成出来
るから、これに倣って、同じく異形で筒状の樹脂製品を
形成出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒状樹脂製品の成形装置の一実施
例を示し、(a)は正面図、(b)は同図のA−A線断
面図。
【符号の説明】
1 繰出ロール 2 供給ロール 3、4 支持ロール 5 マンドレル 6 押しロール P 繊維強化複合材シート(プリプレグシート) 7 加熱装置 11、12 機枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 70/16 B29C 53/56

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能な筒状のマンドレルの外周面に熱
    硬化性樹脂シートを供給し、 それぞれが前記マンドレルに平行に配置されると共に、
    前記外周面に沿って配置された少なくとも2本の回転可
    能な第1のロールと、該第1のロール間の前記マンドレ
    ルの内周面に接触配置された第2のロールと、を有する
    送り手段により、前記供給された熱硬化性樹脂シートを
    前記マンドレルに接着した状態で所定量送り出して、マ
    ンドレルの外周面に筒状の樹脂層を積層し、 前記マンドレルを前記送り装置から取り外して前記樹脂
    層を加熱硬化処理する、 ことを特徴とする筒状樹脂製品の成形方法。
  2. 【請求項2】前記各ロールとマンドレルとの接触圧力を
    制御する請求項1に記載の筒状樹脂製品の成形方法。
  3. 【請求項3】前記熱硬化性樹脂シートの一部をマンドレ
    ルの前記外周面に接着する請求項1又は請求項2に記載
    の筒状樹脂製品の成形方法。
  4. 【請求項4】前記熱硬化性樹脂シートが熱硬化性樹脂を
    繊維に含浸させて形成したプリプレグシートである請求
    項1〜請求項3のいずれか1つに記載の筒状樹脂製品の
    成形方法。
  5. 【請求項5】前記マンドレルと第1のロールが、剛性を
    有する請求項4に記載の筒状樹脂製品の成形方法。
  6. 【請求項6】回転可能な筒状のマンドレルと、 該マンドレルの外周面に接触配置された少なくとも2本
    の回転可能な第1のロールと、該第1のロール間の前記
    マンドレルの内周面に接触配置された第2のロールと、
    前記ロールの少なくとも1つを回転駆動する回転駆動手
    段と、を含んで構成された送り手段と、 前記第1のロールと前記マンドレルとの間に熱硬化性樹
    脂シートを供給する供給手段と、 を含んで構成され、 前記各マンドレル及びロールは相互に平行に配設され、
    前記ロールは前記マンドレルを着脱自由に構成され、 前記熱硬化性樹脂シートを、前記マンドレルと第1のロ
    ールの間に挟み送り、前記マンドレルの前記外周面に圧
    着積層して筒状に成形することを特徴とする筒状樹脂製
    品の成形装置。
  7. 【請求項7】前記各ロールと前記マンドレルとの相対位
    置及び接触圧力を制御する位置・圧力制御手段を含んで
    構成された請求項6に記載の筒状樹脂製品の成形装置。
  8. 【請求項8】前記熱硬化性樹脂シートの一部を前記マン
    ドレルの前記外周面に接着する手段を備えた請求項6ま
    たは請求項7に記載の筒状樹脂製品の成形装置。
  9. 【請求項9】前記熱硬化性樹脂シートが熱硬化性樹脂を
    繊維に含浸させて形成したプリプレグシートである請求
    項6〜請求項8のいずれか1つに記載の筒状樹脂製品の
    成形装置。
  10. 【請求項10】前記マンドレルと前記第1のロールと
    が、剛性を有する請求項6〜請求項9 のいずれか1つに
    記載の筒状樹脂製品の成形装置。
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