JP2000117849A - 繊維強化樹脂製円筒体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製円筒体の製造方法

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JP2000117849A
JP2000117849A JP10291174A JP29117498A JP2000117849A JP 2000117849 A JP2000117849 A JP 2000117849A JP 10291174 A JP10291174 A JP 10291174A JP 29117498 A JP29117498 A JP 29117498A JP 2000117849 A JP2000117849 A JP 2000117849A
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reinforced resin
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mandrel
roll
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Akemasa Yanase
明正 柳瀬
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円柱状部材の表面に繊維強化樹脂層を形成す
る際に巻き込まれるエアーなどを容易に除去してフク
レ、ハクリのない製品を得ること。また、前記円柱状部
材からの製品の離型性を良好に保った上で、しかも、製
品の内面の平滑性を維持すること。 【解決手段】 繊維強化樹脂製円筒体11を製造するに
あたって、マンドレル2の外周面を予め紙シート8によ
り被覆し、紙シート8上に繊維強化樹脂層を形成する。
紙シート8は少なくとも一方の面に離型処理を施したク
ラフト紙であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転ロールなど
の様々な用途に用いられる繊維強化樹脂材料製円筒体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維強化樹脂材料はその優れ
た機械的特性から、航空機、船舶、スポーツ用具などの
様々な用途に用いられているが、樹脂、ゴムなどの成形
加工に使用される回転ロールまたは下水道用配管などの
円筒体の構成材料としても使用されている。
【0003】繊維強化樹脂材料製の円筒体の成形方法と
しては、シートラッピング法(SW法)、フィラメント
ワインディング法(FW法)、積層成形法、積層オート
クレーブ成形法、RTM法、遠心成形法、引き抜き成形
法(PLT法)、ハンドレイアップ法(HLU法)、イ
ンジェクション成形法などの様々な成形方法が活用され
ているが、例えばプリプレグを用いたシートラッピング
法では、マンドレルにプリプレグを巻回して円筒体を成
形し、次いで加熱処理を行ってプリプレグを硬化させ、
最後に前記円筒体からマンドレルを脱芯することによっ
て繊維強化樹脂製円筒体の製造が行われる。
【0004】シートラッピング法は、プリプレグなどの
汎用の予備成形体を用いて寸法精度の高い繊維強化樹脂
製円筒体を得ることができるが、加熱処理の際に該円筒
体がマンドレルに固着して、その後のマンドレルの脱芯
が困難となることがある。また、マンドレルにプリプレ
グを巻回する際にプリプレグ層間に巻き込まれるエア
ー、及び、加熱処理の際にプリプレグ層から発生する水
分または揮発成分により、製品としての繊維強化樹脂製
円筒体にフクレ、ハクリが引き起こされたりするなどの
問題がある。
【0005】そこで、マンドレルの表面に予め樹脂製の
フィルムを被覆しておき、このフィルムを介してプリプ
レグをマンドレル上に巻回することにより円筒体を成形
する方法が提案されている。しかし、この方法では、マ
ンドレルからの円筒体の離型性が向上し脱芯が容易とな
るものの、依然として製品中のフクレ、ハクリを改善す
ることができない。しかも、加熱硬化処理時にフィルム
が熱収縮することにより、円筒体の内面に皺が発生して
内面平滑性が低下するので、該円筒体の中空部に回転治
具を取り付けて回転ロールとして使用する場合には回転
軸線に沿った回転治具の正確な取り付けが困難となるな
どの新たな問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の技術における問題点を解決することをその課題とす
る。すなわち、本発明の目的は、繊維強化樹脂製円筒体
を製造するにあたって、マンドレルなどの円柱状部材に
プリプレグなどを巻回して繊維強化樹脂層を形成する際
に巻き込まれるエアー、及び、その後の加熱処理工程に
おいて発生する水または揮発成分を容易に除去してフク
レ、ハクリのない製品を得ることのできる新規な繊維強
化樹脂製円筒体の製造方法を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、マンドレルな
どの円柱状部材からの繊維強化樹脂製円筒体の離型性を
良好に保った上で、しかも、該円筒体の内面の平滑性を
維持することのできる繊維強化樹脂製円筒体の製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の繊維強化樹脂製円筒体の製造方法は、円
柱状部材の外周面を予め紙シートにより被覆し、該紙シ
ート上に繊維強化樹脂層を形成する工程を含むことを特
徴とする。前記紙シートは少なくとも一方の面に離型処
理を施したクラフト紙であることが好ましい。
【0009】また、前記繊維強化樹脂層の形成は加圧条
件下で行うことが好ましく、さらに、本発明は、前記円
柱状部材の外周面に前記シート状物を介して形成された
前記繊維強化樹脂層をそのままの状態で加熱処理する工
程を更に含むことが好ましい。なお、前記繊維強化樹脂
層のマトリックス樹脂としてはフェノール樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】プリプレグなどのシート状の繊維
強化樹脂材料をマンドレルなどの円柱状部材の表面に巻
回するシートラッピング法を採用して繊維強化樹脂製円
筒体を製造する場合に、該シート状の繊維強化樹脂材料
の層間にエアーが巻き込まれること自体を物理的に防止
するのは技術的に困難であり、また、加熱処理時に繊維
強化樹脂材料からある程度の水分及び揮発成分などのガ
スが発生することはやむを得ない。そこで、本発明で
は、シート状繊維強化樹脂材料の巻回時のエアーの巻き
込み及び加熱処理時のガスの発生を許容した上で、これ
らエアー及びガスを前記円柱状部材の表面に存在する紙
シートに沿って外部に排出することにより、円筒体を構
成する繊維強化樹脂材料におけるフクレ、ハクリの発生
を防止することを技術的な特徴の一つとしている。
【0011】また、前記紙シートは、エアー及びガスの
放出経路としての機能の他に、繊維強化樹脂製円筒体の
前記円柱状部材に対する離型性を向上する機能を有す
る。さらに、紙シートは樹脂シートに比べて温度変化に
対する寸法安定性が高いので、前記円柱状部材の表面と
繊維強化樹脂製円筒体の内面との間に紙シートが存在す
る状態で加熱処理を行っても、紙シートが変形して繊維
強化樹脂製円筒体の内面に皺を形成することがない。し
たがって、繊維強化樹脂製円筒体の内面は高い平滑性を
維持することができる。
【0012】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
つつ説明する。図1に本発明の繊維強化樹脂製円筒体の
製造方法の実施に好適に使用されるロール成形機1の一
例を示す。図示されるように、このロール成形機1は、
繊維強化樹脂層がその外周面上に形成されるマンドレル
2、内部に図示しない加熱機構を備えたフロントロール
3、フロントロール3と略同一の水平高さに位置するバ
ックロール4、図示しない加圧機構によりマンドレル2
上の繊維強化樹脂層を押圧することのできるプレッシャ
ーロール5を備えている。なお、マンドレル2はその外
周面を加熱するための加熱機構を内部に備えていてもよ
い。
【0013】図1に示すロール成形機1においては、マ
ンドレル2はフロントロール3及びバックロール4によ
って支承される。一方、図示しない駆動機構によりフロ
ントロール3及びバックロール4が同一方向に回転さ
れ、これにより、マンドレル2はフロントロール3及び
バックロール4の回転に従属してとも回りする。なお、
フロントロール3、バックロール4またはプレッシャー
ロール5はそれぞれ独立した駆動機構によって回転駆動
されてもよい。
【0014】また、ロール成形機1は繰出し装置6及び
ガイドロール7からなる供給機構を備えており、繰出し
装置6にセットされたシート状の材料をガイドロール7
を介してフロントロール3の表面へ導入可能としてい
る。
【0015】図1に示すロール成形機1を用いて本発明
を実施する場合には、まず、予めマンドレル2の外周面
上に紙シート8が巻回され、該外周面の被覆が行われ
る。一般に、紙シートはその内部に無数の微細な空隙を
有しており、気体透過性が高い。したがって、このよう
に紙シート8を予めマンドレル2上に配置することによ
って、後述するシート状繊維強化樹脂材料の巻回の際に
巻き込まれるエアーを紙シート8に沿って効果的に外部
に排出することができる。
【0016】紙シート8の材質及び種類は、特に限定さ
れるものではないが、強度、気体透過性などの点でクラ
フト紙が好ましく、さらに、製品の離型性を向上させる
ために、その少なくとも一方の面に離型処理を施すこと
が好ましい。前記離型処理としては、珪素樹脂、フッ素
化合物、ステアリン酸塩などの塗布を挙げることができ
る。
【0017】一方、マンドレル2表面に対する紙シート
8の被覆作業と並行して、または、該被覆作業の終了後
に、未硬化のシート状繊維強化樹脂材料9が所定長巻回
されている円筒状の材料ロール10が繰出し装置6にセ
ットされる。
【0018】本発明において使用される未硬化のシート
状繊維強化樹脂材料9としては、プリプレグ、SMC
(シート・モールディング・コンパウンド)シートなど
の、補強繊維及びマトリックス樹脂からなるシート状の
繊維強化樹脂材料が使用されるが、特に、連続補強繊維
からなるシート状の基材にマトリックス樹脂を含浸させ
たプリプレグが好適に使用される。
【0019】前記補強繊維の材質は特に限定されるもの
ではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリ
アミド繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維、パルプなど
の天然繊維などが使用可能である。また、補強繊維の形
態についても特に限定されるものではなく、強化繊維ト
ウを一方向に引き揃え、裏打ちクロスや少量のバインダ
ーによってシート形状を維持した平面状のトウシート、
または、強化繊維を製織することによってシート形状と
された強化繊維織物などを使用することが可能であり、
補強繊維の形態は製品に要求される強度特性に応じて適
宜選定される。なお、繊維強化樹脂材料としてSMCシ
ートを用いる場合には、補強繊維は0.1〜100mm
程度に切断されて使用される。
【0020】前記マトリックス樹脂についてもその種類
は特に限定されるものではなく、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレ
イミド樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ある
いは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリイミド、PES、PE
EKなどの公知の熱可塑性樹脂が使用可能である。これ
らのマトリックス樹脂の中では、耐熱性、力学的性質、
製造コスト及び取り扱いの容易性の点からみてフェノー
ル樹脂が好ましい。
【0021】紙シート8によるマンドレル2の外周面の
被覆が終了すると、次に、図示しない駆動機構が作動し
てフロントロール3及びバックロール4が回転駆動さ
れ、これに伴い、マンドレル2も回転を開始する。一
方、繰出し装置6にセットされた材料ロール10からは
シート状繊維強化樹脂材料9が引き出され、ガイドロー
ル7に沿って進行方向を規制されつつ、フロントロール
3の表面に導入される。フロントロール3の表面に導入
されたシート状繊維強化樹脂材料9は、図1に示すよう
にフロントロール3の表面に接触した状態のままで、フ
ロントロール3の回転に伴って進行方向を変更され、最
終的に紙シート8を介してマンドレル2の外周面に圧着
される。
【0022】紙シート8を介してマンドレル2の外周面
に巻回されたシート状繊維強化樹脂材料9は、マンドレ
ル2の回転に伴い、バックロール4を経てプレッシャー
ロール5との接触位置へ到達し、プレッシャーロール5
によってマンドレル2の中心方向へ押圧される。そし
て、プレッシャーロール5を通過したシート状繊維強化
樹脂材料9は再びマンドレル2とフロントロール3との
接触位置へと回帰される。
【0023】このようにして、マンドレル2上にシート
状繊維強化樹脂材料9を巻回することによってマンドレ
ル2の外周面上に繊維強化樹脂層が形成され、繊維強化
樹脂製円筒体11とされる。単層の繊維強化樹脂層によ
って繊維強化樹脂製円筒体11を製造する場合は、シー
ト状繊維強化樹脂材料9がマンドレル2を一周回した時
点でマンドレル2の回転を停止させればよいが、複数の
繊維強化樹脂層からなる繊維強化樹脂製円筒体11を製
造する場合は、上述したシート状繊維強化樹脂材料9の
マンドレル2上への巻回作業を複数回繰り返して、所定
の層厚の繊維強化樹脂積層体をマンドレル2上に形成す
る。
【0024】本実施の形態に示したように、シート状繊
維強化樹脂材料9をフロントロール2の表面に保持し
て、その進行方向を変更しながらマンドレル2の外周面
上に巻回した場合には、マンドレル2から作用する張力
によってシート状繊維強化樹脂材料9はフロントロール
3の表面に向かって押圧されるので、シート状繊維強化
樹脂材料9内に存在する微量の気体成分を除去すること
ができる。なお、シート状繊維強化樹脂材料9の剛性を
低下させて、その進行方向の変化を容易とするために、
フロントロール3は所定温度に加熱されていることが好
ましい。
【0025】そして、シート状繊維強化樹脂材料9はフ
ロントロール3により加圧されながらマンドレル2上に
巻回されるので、たとえ、シート状繊維強化樹脂材料9
の巻回の際にエアーが巻き込まれたとしても、該エアー
はマンドレル2の外周面に存在する紙シート8に沿って
直ちに外部へと排出される。したがって、シート状繊維
強化樹脂材料9によってマンドレル2上に形成される繊
維強化樹脂層の層間にエアーが残存する恐れが少ない。
【0026】また、たとえマンドレル2上の繊維強化樹
脂層内にエアーが残存したとしても、該エアーはプレッ
シャーロール5の押圧により、紙シート8に沿って外部
に完全に排出される。このように、マンドレル2上の繊
維強化樹脂層の形成を加圧条件下に行うことにより、繊
維強化樹脂層のエアーの残留をほぼ完全に抑制すること
ができる。
【0027】ところで、シート状繊維強化材料9がマト
リックス樹脂としてフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂
を使用している場合には、マンドレル2の外周面へのシ
ート状繊維強化樹脂材料9の巻回が終了した段階で繊維
強化樹脂製円筒体11に対して加熱硬化処理が行われ
る。
【0028】前記加熱硬化処理は必要に応じて実施する
ことができるが、図1に示すロール成形機1を用いて繊
維強化樹脂製円筒体11を製造した場合は、紙シート8
を介して繊維強化樹脂製円筒体11を外周面に保持する
マンドレル2を、そのままの状態で取り外し、図示しな
い加熱炉に投入して、繊維強化樹脂製円筒体11を構成
する繊維強化樹脂層が完全硬化する温度で加熱すること
により加熱硬化処理を行うことができる。前記加熱硬化
処理の際には、マトリックス樹脂から水分や揮発性のガ
スが発生することがあるが、これらのガスは紙シート8
に沿って外部に排出されるので、繊維強化樹脂製円筒体
11にフクレ、ハクリが発生することがない。
【0029】また、紙シート8は温度変化に対して寸法
安定性が高いので、マンドレル2と繊維強化樹脂製円筒
体11の間に紙シート8が存在する状態で加熱を行って
も、紙シート8は熱収縮することがない。したがって、
加熱処理の際に紙シート8が変形して繊維強化樹脂製円
筒体11の内面の平滑性を損なうことがない。
【0030】そして、加熱処理を行うにあたって繊維強
化樹脂製円筒体11をマンドレル2から予め取り外す必
要がないので製造に要する時間及びコストを低減するこ
とができる。
【0031】このようにして得られた繊維強化樹脂製円
筒体は、最終的にマンドレル2が脱芯されて製品とされ
る。本発明においては、繊維強化樹脂層は紙シート8を
介してマンドレル2上に形成されているので、離型性に
優れており、上記加熱処理後に紙シート8と共に繊維強
化樹脂層をマンドレル2から容易に取り外すことができ
る。特に、紙シート8として、少なくとも一方の面に離
型処理を施した紙シートを用いた場合には、取り外しが
更に容易となる。
【0032】
【実施例】実施例1:三菱レイヨン製CFクロス(パイ
ロフィルTR6120M)に昭和高分子製含浸用フェノ
ール樹脂BLS−3135を含浸し、プリプレグを製作
した。一方、図1に示すロール成形機1を用意し、直径
300mmのマンドレル2をセットしてその表面温度を
80℃に設定するとともに、フロントロール3の表面温
度を100℃に設定した。そして、片面にシリコン離型
処理した厚み20μmのクラフト紙を前記マンドレル2
の外周面に3層巻回し、次いで、上記プリプレグをクラ
フト紙の上からマンドレル2に12層巻き付けて繊維強
化樹脂製円筒体を成形した。なお、マンドレル2の回転
速度は1.0m/分とした。次に、前記繊維強化樹脂製
円筒体を室温で硬化炉に投入後、24時間かけて180
℃まで加熱し、180℃において12時間保持して加熱
処理を行った。加熱処理後に繊維強化樹脂製円筒体をマ
ンドレル2から取り出して製品とした。
【0033】比較例1:マンドレル2の外周面にクラフ
ト紙を巻回せず、プリプレグを直接マンドレル2上に巻
き付ける以外は、実施例1と同様にして繊維強化樹脂製
円筒体を成形して加熱処理を行った。
【0034】比較例2:マンドレル2の外周面に、クラ
フト紙ではなく厚み15μmのポリエチレンフィルムを
巻回する以外は、実施例1と同様にして繊維強化樹脂製
円筒体を成形して加熱処理を行った。
【0035】実施例1、比較例1及び2の製品の状態を
肉眼で観察した。結果を表1に示す。
【表1】
【0036】表1に示すように、実施例1の円筒体は、
比較例のものに比べてフクレ・ハクリがなく、かつ、内
面に皺のない平滑なものであった。なお、クラフト紙を
マンドレル2上に1層又は10層巻回したケースにおい
ても同様の結果が得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、マンドレルなどの円柱
状部材にプリプレグなどの繊維強化樹脂材料を巻回して
繊維強化樹脂層を形成する場合に巻き込まれるエアー、
及び、必要に応じてその後行われる加熱処理において発
生する水または揮発成分のガスを容易に外部に排出して
フクレ、ハクリのない繊維強化樹脂製円筒体を得ること
ができる。特に、繊維強化樹脂層の形成を加圧条件下に
おいて行った場合には、前記エアー及びガスの除去効率
が向上する。
【0038】また、本発明によれば、繊維強化樹脂製円
筒体の離型性が良好となるために、製造工程終了後に円
柱状部材から繊維強化樹脂製円筒体を容易に取り外すこ
とができ、作業性が向上する。紙シートとして少なくと
も一方の面に離型処理を施したクラフト紙を用いた場合
は特に離型性が向上する。
【0039】そして、本発明では、紙シートの寸法安定
性が高くほとんど熱変形しないために、加熱処理を行っ
た場合に繊維強化樹脂製円筒体の内周面に皺が形成され
ることがない。したがって、製品としての精度が向上
し、例えば、回転治具を取り付けて回転ロールとして使
用する場合に回転治具を正確に取り付けることが可能と
なる。なお、円柱状部材と繊維強化樹脂製円筒体との間
に紙シートが介在した状態のままで加熱処理を行うこと
ができるので、製造時間及びコストの削減をも図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の繊維強化樹脂製円筒体の製造方法の
実施に好適に使用されるロール成形機の一例を示す断面
概略図。
【符号の説明】
1 ロール成形機 2 マンドレル 3 フロントロール 4 バックロール 5 プレッシャーロール 6 繰出し装置 7 ガイドロール 8 紙シート 9 シート状繊維強化樹脂材料 10 材料ロール 11 繊維強化樹脂製円筒体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状部材の外周面を予め紙シートによ
    り被覆し、該紙シート上に繊維強化樹脂層を形成する工
    程を含む繊維強化樹脂製円筒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記紙シートが少なくとも一方の面に離
    型処理を施したクラフト紙であることを特徴とする請求
    項1記載の繊維強化樹脂製円筒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記繊維強化樹脂層の形成を加圧条件下
    に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強
    化樹脂製円筒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記円柱状部材の外周面に前記シート状
    物を介して形成された前記繊維強化樹脂層をそのままの
    状態で加熱処理する工程を更に含む請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の繊維強化樹脂製円筒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂
    がフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の繊維強化樹脂製円筒体の製造方
    法。
JP10291174A 1998-10-13 1998-10-13 繊維強化樹脂製円筒体の製造方法 Withdrawn JP2000117849A (ja)

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