JP3143576B2 - 釣り用具 - Google Patents

釣り用具

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JP3143576B2
JP3143576B2 JP07062474A JP6247495A JP3143576B2 JP 3143576 B2 JP3143576 B2 JP 3143576B2 JP 07062474 A JP07062474 A JP 07062474A JP 6247495 A JP6247495 A JP 6247495A JP 3143576 B2 JP3143576 B2 JP 3143576B2
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守 小池
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ダイワ精工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リール、釣り竿等の釣
り用具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりリール、釣り竿等の釣り用具に
光輝性を発揮する層を設けて美的外観を向上させてい
る。例えば、特開平3−219822号公報には、光反
射用粒子を混在させた透明樹脂層を設けてなる釣り竿が
開示されている。この釣り竿は、図5に示すように、所
望形状に成形された部材本体51上に光反射用粒子52
を含む透明樹脂層53が形成されており、さらに透明樹
脂層53上に透明保護層54が形成されてなるものであ
る。
【0003】このような構成を有する釣り竿において
は、光反射用粒子52が透明樹脂層53中にほぼ均一に
分散されているので、透明樹脂層53の深さに関係なく
内部からも光の反射が起こり、深みのある、すなわち立
体感のある外観を得ることができる。
【0004】また、釣り竿の部材本体の外側に金箔、銀
箔等の金属箔を貼着して光輝性を発揮させることも行わ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報において開示されている釣り竿の場合、透明樹脂層5
3中に光反射用粒子52がほぼ均一に分散されているの
で、乱反射が起こり光の反射方向が一定でなくなる。
【0006】また、透明樹脂層53中の深さ方向におい
てもほぼ均一に分散されているので、透明樹脂層53の
下方、すなわち部材本体51に近い領域に位置する光反
射用粒子まで到達した光は、そこで反射しても、より上
方に位置する粒子に遮られたりする。このため、透明樹
脂層53の下方の光反射用粒子まで光が達する領域で
は、入射量よりも出射量が少なくなる可能性がある。し
たがって、上記公報において開示されている釣り竿の場
合、場所により光の反射にバラツキが生じる。その結
果、釣り竿全体としてくすんだ感じの外観となり、消費
者の購買意欲を喚起するような所望の光輝性を得ること
ができない。
【0007】一方、釣り竿の部材本体の外側に金属箔を
貼着する場合、釣り竿に外部から応力が加わったり、曲
げ変形により歪みが生じると、金属箔に亀裂が発生して
金属箔が部材本体から剥離したり、金属箔が波打ったり
してしまう。その結果、金属箔に亀裂が発生した部分で
は光の反射が少なくなり、釣り竿全体として光の反射に
バラツキが生じる。この場合にも、消費者の購買意欲を
喚起するような所望の光輝性を得ることができない。
【0008】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、優れた光輝性による良好な外観を有し、しかも強
度および耐久性に優れた釣り用具を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定形状に成
形された部材本体と、前記部材本体上に形成され、光輝
性を有する粒子を含む樹脂からなる装飾層とを具備し、
前記装飾層は、全面にわたって特定の密度で均一に、か
つ光の乱反射を起こす凹凸を有しない状態で前記粒子が
分散されていることを特徴とする釣り用具を提供する。
【0010】本発明の釣り用具の対象となるものとして
は、リール、釣り竿、玉網、ルアー等を挙げることがで
きる。
【0011】本発明の釣り用具における装飾層は、全面
にわたって特定の密度で均一に、かつ光の乱反射を起こ
す凹凸を有しない状態で粒子が分散されるように形成す
る。ここで、特定の密度とは、光輝性を充分に発揮でき
る程度の密度のことを意味する。したがって、この特定
の密度は、下地の色や装飾層の色により異なり、適宜設
定する必要がある。また、粒子は、光の乱反射を起こす
凹凸を有しない状態で装飾層中に分散させて配置する。
このような配置にすることにより、粒子における光の乱
反射を防止し、光輝性を充分に発揮させることができ
る。
【0012】本発明において、装飾層中に分散される粒
子は、特定の密度で均一に、かつ光の乱反射を起こす凹
凸を有しない状態で分散されていれば、装飾層中のいず
れの領域に配置されていてもよい。すなわち、装飾層中
に分散される粒子は、装飾層における部材本体に近い領
域に配置されていてもよく、装飾層における中央領域に
配置されていてもよく、装飾層における上層部領域に配
置されていてもよい。装飾層を形成する上では、装飾層
中に分散される粒子を部材本体に近い領域に配置するこ
とが好ましい。
【0013】本発明において、部材本体と装飾層との密
着性を向上させるために、両者の間に下地層を設けるこ
とが好ましい。また、耐久性向上のために、装飾層上に
保護層を形成することが好ましい。なお、下地層および
保護層は、単層であってもよいし、複数層であってもよ
い。
【0014】
【作用】本発明の釣り用具は、光輝性を有する粒子が全
面にわたって特定の密度で均一に、かつ光の乱反射を起
こす凹凸を有しない状態で分散されている装飾層を具備
することを特徴としている。
【0015】装飾層中の粒子が特定の密度で均一に、か
つ光の乱反射を起こす凹凸を有しない状態で分散されて
いるので、装飾層に入射した光は規則性を有して特定方
向に反射する。これにより、金属を鏡面状に研磨したと
きに得られる光輝性を有した外観を形成することができ
る。また、装飾層全面にわたって均一な密度で粒子が分
散されているので、装飾層が全面にわたってムラなく光
輝性を発揮する。また、装飾層全面にわたって均一な密
度で粒子が分散されているので、全面にわたって光輝性
を効率よく発揮させることができる。
【0016】さらに、粒子は、装飾層を構成する合成樹
脂により一体的に固定されるので、釣り用具に外部から
応力が加わったり、曲げ変形により歪みが生じても、実
質的に粒子には応力や歪みは加わらない。このため、装
飾層の剥離や装飾層の亀裂の発生を防止することがで
き、強度や耐久性が向上する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。
【0018】(実施例1)図1は本発明の釣り用具であ
るリールの一実施例を示す断面図である。図中11は部
材本体を示す。部材本体11上には、下地層12が形成
されている。下地層12上には、下面近傍(部材本体
側)に比較的高密度に密集して全面にわたって均一に配
置された光輝性を有する粒子13を含む装飾層14が形
成されている。さらに、装飾層14上には、保護層15
が形成されている。なお、図1において、装飾層14中
の粒子13は、多少の凹凸を有して配置されているが、
光の乱反射を起こす凹凸を有しない状態で分散されてい
る。
【0019】部材本体11を構成する材料としては、合
成樹脂、繊維強化プラスチック、金属、またはセラミッ
ク等を用いることができる。部材本体11上に直接装飾
層14を形成する場合には、装飾層14を良好に形成す
ることができるように、部材本体11の表面をほぼ鏡面
状の平滑に仕上げることが好ましい。部材本体11の表
面を平滑に仕上げる方法としては、バレル研磨、バフ仕
上げ等を挙げることができる。
【0020】下地層12は、塗装、メッキ等の方法で形
成することができる。また、下地層12の材料は、部材
本体11および装飾層14を構成する合成樹脂との密着
性を考慮して選択する必要がある。例えば、下地層12
を塗装で形成する場合、エポキシ系やウレタン系の塗料
等を用いることができる。下地層12の厚さは、5〜3
0μmであることが好ましい。これは、下地層12の厚
さが5μm未満であると部材本体11の凹凸に下地層1
2が追従して下地層12の表面が平滑にならず、下地層
12の厚さが30μmを超えると釣り用具全体の重量が
増加するからである。なお、下地層12の表面は、装飾
層14を良好に形成することができるように、ほぼ鏡面
状の平滑に仕上げることが好ましい。
【0021】光輝性13を有する粒子としては、金、
銀、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、
銅、錫、クロム、コバルト、黄銅、鉄、ステンレス、ニ
ッケル、亜鉛等からなる薄い箔状のものを用いることが
好ましい。この薄い箔状の粒子は、テフロンやシリコー
ン樹脂等からなるフィルム状の支持基板上に上記金属を
蒸着またはスパッタリングして金属層を形成し、その後
金属層を支持基板から剥離して粉砕することにより作製
することができる。
【0022】この場合、粒子13の大きさは好ましくは
30μm以下、さらに好ましくは5〜20μmである。
これは、粒子13の大きさが30μmを超えると配置さ
れた粒子の境界が目立つようになったり、光の反射方向
が一定しなくなり、均質な光輝性が発揮できないからで
ある。また、粒子13の厚さは2μm以下であることが
好ましい。これは、粒子13の厚さが2μmを超えると
装飾層中に配置する際に凹凸ができ易く、光輝性が低下
するからである。さらに、粒子13の厚さは0.03〜
1.0μmであることが特に好ましい。これは、粒子1
3の厚さが0.03〜1.0μmの範囲内であれば粒子
13を光の乱反射を起こす凹凸を有しない状態で分散さ
せて配置することができ、良好に光を反射させることが
でき、実用的である。なお、粒子13の厚さは、支持基
板上に形成する金属層の厚さを調節することにより制御
が可能である。
【0023】装飾層14の材料としては、前記粒子13
を安定に保持することができるエポキシ系、ウレタン系
等であって光の隠蔽性が小さい合成樹脂を用いることが
できる。また、装飾層14の厚さは2μm以上であれば
よいが、20μm以下であることが好ましい。これは、
装飾層14の厚さが2μm未満であると厚さ2μmの粒
子を用いた場合に粒子が露出してしまうからである。
【0024】部材本体11または下地層12上に装飾層
14を形成する方法としては、粒子13を特定の密度で
均一に合成樹脂に混合して塗料を作製し、その塗料を部
材本体に塗布した後、乾燥・硬化させる方法、部材本体
11または下地層12に合成樹脂を塗布して半硬化の状
態としておき、前記粒子13をその上に光の乱反射を起
こす凹凸を有しない状態で配置し、その後合成樹脂を完
全硬化させる方法等が挙げられる。後者の方法において
は、粒子13を光の乱反射を起こす凹凸を有しない状態
で配置した後に再び合成樹脂を塗布した後に硬化させて
もよい。前記粒子13を配置する場合、あらかじめ前記
粒子13に接着被膜を形成することもできる。なお、半
硬化および完全硬化は、合成樹脂の硬化温度や硬化時間
等の硬化条件を調節することにより制御することができ
る。
【0025】上記のようにして装飾層14を形成する場
合、装飾層14の表面は平滑であることが好ましい。こ
のようにすることにより、装飾層14において鏡面状の
光反射を均一に実現することができる。
【0026】保護層15は、塗装等の方法で形成するこ
とができる。また、保護層15の材料は、装飾層14を
構成する合成樹脂との密着性を考慮して選択する必要が
あり、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等であって
光の隠蔽性の小さい合成樹脂等を用いることができる。
【0027】上記構成を有する装飾層14は、光輝性を
有する粒子13が下面近傍に特定の密度で均一に配置さ
れている。この状態を図2および図3に示す。図2は装
飾層14を上方から撮影した顕微鏡写真であり、図3は
本発明にかかる装飾層を有するリールの断面を撮影した
顕微鏡写真である。図2および図3から分かるように、
粒子13のレベルで多少の凹凸はあるものの、ほぼ同一
平面上に全面にわたって粒子13が一定の密度で均一に
配置されている。これにより、金属を鏡面状に研磨した
ときに得られるような光輝性を示す。
【0028】本実施例では、装飾層14の下面近傍にお
いてほぼ同一平面上に粒子13が特定の密度で均一に配
置されているが、装飾層14の厚さ方向における中央領
域や上面近傍(保護層側)にほぼ同一平面上に粒子13
を特定の密度で均一に配置してもよい。
【0029】(実施例2)図4は本発明の釣り用具であ
るリールの他の実施例を示す断面図である。図4におい
て図1と同じ部分については、図1と同一符号を付して
説明は省略する。図4は、装飾層14の下面近傍に比較
的低密度(疎)で全面にわたって均一に配置された粒子
13について示している。なお、図4において、装飾層
14中の粒子13は、多少の凹凸を有して配置されてい
るが、光の乱反射を起こす凹凸を有しない状態で分散さ
れている。
【0030】このように比較的低密度で配置された粒子
の場合には、装飾層14に入射した光は、粒子13と下
地層12の両方で反射され、それぞれの反射光が干渉
し、光輝性のある種々の色を出す。例えば、下地が黒の
場合には、Crメッキのような光輝色になり、下地が黄
色い場合には、Auメッキのような光輝色になり、下地
が白い場合には、AgメッキやNiメッキのような光輝
色となる。
【0031】本実施例では、粒子13と下地層12の両
方の反射光の干渉を利用して種々の光輝性のある色を出
しているが、下地層の色を特定し、装飾層14を構成す
る合成樹脂を着色しておき、粒子13と合成樹脂の両方
の反射光の干渉を利用して種々の光輝性のある色を出し
てもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の釣り用具は、
光輝性を有する粒子が全面にわたって特定の密度で均一
に、かつ光の乱反射を起こす凹凸を有しない状態で分散
されるように形成された樹脂製の装飾層を具備するの
で、優れた光輝性による良好な外観を有し、しかも優れ
た強度および耐久性を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣り用具の構成の一実施例を示す断面
図。
【図2】本発明の釣り用具の装飾層を示す顕微鏡写真。
【図3】本発明の釣り用具の装飾層を示す顕微鏡写真。
【図4】本発明の釣り用具の構成の他の実施例を示す断
面図。
【図5】従来の釣り用具の構成を示す断面図。
【符号の説明】
11…部材本体、12…下地層、13…光輝性を有する
粒子、14…装飾層、15…保護層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状に形成され、平滑面を有する
    材本体と、前記部材本体上に形成され、厚みが2μm以
    下の薄い金属箔状の、光輝性を有する粒子を含む樹脂か
    らなる装飾層とを具備し、前記装飾層は、全面にわたっ
    て特定の密度で均一に、かつ光の乱反射を起こす凹凸を
    有しない状態で前記粒子が分散されていることを特徴と
    する釣り用具。
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