JP4051170B2 - 管状体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿やゴルフクラブシャフト等の管状体に関し、詳細には、外観に装飾性を有する管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記したような管状体の外観の向上を図る手段として、例えば、特開平5−170959号に開示されている技術が知られている。この公報に開示されている技術は、管状体の素材外面に、光反射特性の粒子を含んだ透光性の第1塗膜と、この光反射特性と異なる光反射特性の粒子を含んだ透光性の第2塗膜を積層するように形成し、これによって深み立体感のある外観を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常、外観の装飾性の向上を図る手段として、光輝性を上げることが考えられる。上記公知技術では、塗膜中の粒子によって光反射特性を得る構成であることから、光輝性を上げるためには粒子を多く混入しなければならない。
【0004】
しかし、粒子を多く混入すると、その分外観が太く見えてしまい、重く感じ、シャープさに欠けてしまう。また、粒子を多く混入することには限界があり、光輝性を高くすることは困難である。特に、粒子の混入比率を変えても外観は一様なものでしかなく、見る方向や光の反射方向によって異なる色調を現出することができない。
【0005】
さらに、近年では、イオンプレーティングなどのPVD処理によって管状体表面に金属の薄膜層を設けたものも登場しているが、光の反射が強い(乱反射しない)ため、使用中に光が目に入り邪魔してしまうという問題がある。
【0006】
この発明は、上記問題に基いてなされたものであり、見る方向や光の反射方向によって色調等が異なる複合的な外観を得ると共に、鮮やかな外観を有する管状体を提供することを目的とする。また、光輝性に優れる割には、細身に見えて、目に眩しくなるような強い反射光を防止して優れた外観の管状体にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の管状体は、金属、又は強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成した管状体の外側に、金属を蒸着した光反射層を形成し、この外側に粒子を混入した光透過性を有する粒子混入層とカラークリア層とを形成すると共に、その外側に透明状の保護層を形成したことを特徴とする。
【0008】
上記構成において、管状体に入射する光は、最内層に形成された光反射層によって反射されるが、それよりも上側に形成されている粒子混入層やカラークリア層による散乱、吸収等によって、見る方向や光の反射方向によって色調等が異なる複合的な外観が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る管状体を示しており、このような管状体1は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成したり、あるいは金属等によって形成され、釣竿を構成する竿管、あるいはゴルフクラブシャフト等に適用される。
【0010】
管状体1は、図2に示すように、上記した材料によって形成される部材本体11上に、外観として認識できるような装飾層20が下地層30を介して積層された構成となっている。この場合、下地層30は、電食を防止するために非導電性の材料で、部材本体11と装飾層20との密着性の向上が図れるような材料(例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)で形成することが好ましく、さらには装飾層20を良好に形成できるように、バレル研磨やバフ仕上げ等によって平滑状に仕上げておくことが好ましい。もちろん、このような下地層30を設けることなく、装飾層20を直接、部材本体11上に形成しても良い。
【0011】
装飾層20は、下地層側から順に、光反射層(金属蒸着層)21、および光を透過させる粒子混入層22とカラークリア層23によって構成されている。
【0012】
上記光反射層21を構成する材料は、SUS,Ni,Ti,Cr,Al,Ag,Cu等、反射率が高い金属が用いられ、このような材料は、下地層30上に、例えば、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリング等の物理蒸着(PVD)によって形成される。
【0013】
上記粒子混入層22は、ウレタン、エポキシ、アクリル等、光を透過する透明状の合成樹脂に、多数の粒子を混入することで構成される。この場合、混入される粒子は、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス等の各種金属を薄い箔状にしたものや、あるいは、深みのある金属光沢が得られるようにガラスや透明な合成樹脂をフレーク状とし、これにAg,Bs,Ag合金、Ti,ハステロイ等の各種金属を被覆したもの等で構成される。
【0014】
このように、粒子を混入した層を光反射層21上に設けることによって、光反射層21からの反射光は混入された粒子によって散乱され、強い反射光を抑えることが可能となる。この場合、粒子混入層22に混入される粒子は、その径が5μm〜300μm程度のものが用いられるが、10μm〜200μmの大きさのものが、全体粒子の80%以上を占めるようにするのが好ましい。これは、比較的大きい径の粒子の混入量を多くすることで、光反射層21への入射光が乱反射する傾向となって、強い反射を抑えた状態で、反射光を際立たせることができるからである。また、上記したような透明なフレーク状粒子に、各種金属を被覆した粒子を用いることで、光が粒子を透過するようになり、光反射層21からの光反射や、カラークリア層23の色調を強く出せると共に、ソフトな感じの外観にすることができる。
【0015】
なお、上記したような粒子混入層22は、上記のように構成される各粒子を、上記合成樹脂に混合して塗料を作製し、これを塗布したり、あるいは、予め光反射層21に上記合成樹脂を塗布して半硬化させておき、その上から粒子を混入させる方法等が挙げられる。
【0016】
上記カラークリア層23は、ウレタン、エポキシ、アクリル等の樹脂(塗料)に、各種の色彩を有する染料を分散もしくは溶解し、これを塗布することによって形成される。このようなカラークリア層23は、上記した光反射層21からの反射光を、目に眩しくなるような強い反射にしない程度に抑制(吸収)すると共に、それ自体の反射光により、それ自身の色彩に基く鮮やかな感じの外観(彩度の高い外観)にすることができる。
【0017】
また、装飾層20の最外層となるカラークリア層23上には、透明な保護層40を形成しておくことが望ましい。このように保護層を形成しておくことで、装飾層20の色調を安定化させ、ソフトな感じの外観にすることができる。
【0018】
以上のように、光反射層21上に、粒子混入層22およびカラークリア層23を形成したことによって、光反射層21からの反射光は、粒子混入層22による散乱、カラークリア層23による吸収等によって、目に眩しくなるような強い反射が適度に抑制されて、光反射層のみによる単一な外観に比較して、見る方向や光の反射方向によって色調等が異なる複合的な外観にすることができる。また、光反射層21および粒子混入層22は、カラークリア層23の内側に形成されているため、光反射層からの反射光、および粒子混入層に混入された多数の粒子からの反射光は、比較的内側からのものとなり、光輝性に優れる割には、細身の外観に見える等、優れた外観の管状体にすることができる。
【0019】
また、上記した構成において、粒子混入層22の厚さをt1,カラークリア層23の厚さをt2,保護層40の厚さをt3とした場合、それぞれの層の厚さ関係を、t1<t2+t3、もしくはt1<t2にすることによって、深みのある外観模様とすることが可能となる。
【0020】
図3は、本発明の別の実施形態を示す縦断面図である。
この実施の形態における装飾層20´は、図2に示した構成とは逆に、光反射層21上に、カラークリア層23を形成し、その上に粒子混入層22を形成したものである。
【0021】
このような構成によれば、粒子混入層22に混入されている粒子をはっきりと現出させて強調することが可能となり、また、カラークリア層23による明度を抑制して、深みのある外観とすることが可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、見る方向や光の反射方向によって色調等が異なる複合的な外観が得られるようになり、鮮やかな外観を有する管状体とすることが可能となる。また、光輝性に優れる割には、細身に見えて、目に眩しくなるような強い反射光を防止して優れた外観の管状体にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る管状体の全体形状を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 管状体
11 部材本体
20,20´ 装飾層
21 光反射層
22 粒子混入層
23 カラークリア層
30 下地層
40 保護層
Claims (2)
- 金属、又は強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回形成した管状体の外側に、金属を蒸着した光反射層を形成し、この外側に粒子を混入した光透過性を有する粒子混入層とカラークリア層とを形成すると共に、その外側に透明状の保護層を形成したことを特徴とする管状体。
- 前記粒子混入層は、前記カラークリア層の内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管状体。
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