JP3143551U - ヘアカラー選定用カラードレープセット - Google Patents
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Abstract
【課題】 個々人に似合うヘアカラーを簡便かつ的確に選定するための助けとなるカラードレープセットを提供する。
【解決手段】 ヘアカラー選定用ヘアカラードレープセット1は、被染毛者の身体色がイエローベースであるか、ブルーベースであるかを判定するためのテストドレープ3と、より具体的に被染毛者に調和するヘアカラーの系統を判定するためのヘアカラードレープ5から構成される。テストドレープ3は、イエローベースの白、ピンク、赤、及び茶のドレープからなる第一カテゴリとブルーベースの白、ピンク、赤、及び灰のドレープからなる第二カテゴリのドレープから構成される。ヘアカラードレープ5は、テストドレープ3の各カテゴリに対応付けられた茶系統色のドレープから構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 ヘアカラー選定用ヘアカラードレープセット1は、被染毛者の身体色がイエローベースであるか、ブルーベースであるかを判定するためのテストドレープ3と、より具体的に被染毛者に調和するヘアカラーの系統を判定するためのヘアカラードレープ5から構成される。テストドレープ3は、イエローベースの白、ピンク、赤、及び茶のドレープからなる第一カテゴリとブルーベースの白、ピンク、赤、及び灰のドレープからなる第二カテゴリのドレープから構成される。ヘアカラードレープ5は、テストドレープ3の各カテゴリに対応付けられた茶系統色のドレープから構成される。
【選択図】 図1
Description
本考案は美容室等において染毛時に染毛色を選定するために用いられるヘア用のカラードレープのセットに関する。
従来、個々の人に似合う色、いわゆるパーソナルカラーを診断、判定する手段として使用されているものにカラードレープがある。
カラードレープは、さまざまな色に染色された複数の布のセットであって、パーソナルカラー診断の際に、人の顔の下、肩から胸の辺りに当ててテストし、その人の顔色に馴染み、欠点を目立たなくし、より健康的に見せるような色を発見、選定するために用いられるものである。
パーソナルカラー診断は、従来から、人間の肌色が人種に関係なく、黄色を基調とした「イエローベース」と呼ばれる肌色と、青色を基調とした「ブルーベース」と呼ばれる肌色の2種類に大別されることと、個々人に似合う色は、同じ基調を持った色であるということに着目し、「イエローベース」の色グループと「ブルーベース」の色グループに分類されたさまざまな色に染色されたカラードレープ群を上述のテストに用いて、似合う色を発見するというものである。
なお、出願人の知る限りにおいては、記載すべき先行技術文献情報は無い。
従来、カラードレープは、洋服や化粧品、さらには部屋のインテリアの色を決定するために用いられてきたが、美容室等において染毛剤の色を選定する際に利用できるヘアカラーに特化したドレープは存在しなかった。
また、本来、カラードレープセットは、上述した「イエローベース」及び「ブルーベース」に属する各数十色のドレープからなる、全部で100枚以上のドレープからなるものである。パーソナルカラー診断は、色彩に関する知識と技能を持った専門家であるカラーアナリストが、これらのドレープを一枚ずつ被診断者に当ててテストすることにより行うものであるため、かなりの時間を要することとなり、美容室において、色彩の専門家でないヘアスタイリストが顧客に似合うヘアカラーを決定するために使用するには複雑すぎるものであった。
そこで、本考案は、個々人に似合うヘアカラーを簡便かつ的確に選定するための助けとなるカラードレープセットを提供することを目的とする。
本考案に係るカラードレープセットは、被染毛者に似合うヘアカラーを決定するためのヘアカラー選定用カラードレープセットであって、第一段階として被染毛者の身体色がイエローベースであるかブルーベースであるかを判定するためのテストドレープと、第二段階として、より具体的に被染毛者に調和するヘアカラーの系統を判定するためのヘアカラードレープを備えることを特徴とする。
テストドレープは、一般的にイエローベースの色として分類される色のドレープからなる第一カテゴリと、ブルーベースの色として分類される色のドレープからなる第二カテゴリから構成され、それぞれが白系統色、薄い赤系統色(ピンク)、赤系統色及び、髪色のイメージに近く、それぞれのカテゴリの特徴を端的に表す色である茶系統色(第一カテゴリ)または灰系統色(第二カテゴリ)を含むことを特徴とする。考案者は、白系統色が肌色の性質を反映しやすい色であること、またピンクや赤は通常メイクアップの色としてよく使われている色であってイメージしやすいこと、そして茶系統色または灰系統色は、上述したように髪色のイメージに近いという理由から、これらの色を、身体色診断を簡便かつ的確に行うためのテストドレープとして採用した。
なお、本明細書では、色彩の定義をマンセル(Munsell)表色系の表現を借りて行う。マンセル表色系は、色を色彩の3属性(色相、明度、彩度)に基づいて系統的、数値的に表すための体系である。ここで、色相とは色の種類を表すものであって、マンセル表色系では、基本の5色:R(赤)、Y(黄)、G(緑)、B(青)及びP(紫)と、中間の5色:YR(黄赤)、GY(黄緑)、BG(青緑)、PB(青紫)及びRP(赤紫)の合計10色で表される。これらの文字記号は、この色相におけるさらに詳しい位置を指定する数字記号と組み合わせて使用される。例えば、5Y,8.4YRなどというようにである。明度は色の明るさを示すものであり、最も明るい色である白を明度10、最も黒い色である黒を明度0として表す。彩度は色の鮮やかさを示すもので、色の無い無彩色を0として鮮やかさの度合いが大きくなるにつれて大きい数字で表される。3属性を合わせて表記する場合は、「色相 明度/彩度」の形式で表す。例えば、色相5PB、明度5、彩度10の色は、5PB 5/10と表記する。
このマンセル表色系の表記によれば、具体的には、イエローベースであるテストドレープの第一カテゴリにおいては、白系統色は、Y 9.0〜9.9/2.0〜2.9であり、薄い赤系統色は、R 7.0〜7.9/5.0〜5.9であり、赤系統色は、5.0〜9.9R 4.0〜4.9/11.0〜11.9であり、茶系統色は、YR 5.0〜5.9/4.0〜4.9であって、ブルーベースである第二カテゴリにおいては、白系統色は、GY 9.0〜9.9/2.0〜2.9であり、薄い赤系統色は、YR 7.0〜7.9/9.0〜9.9であり、赤系統色は、0.1〜4.9R 4.0〜4.9/11.0〜11.9であり、灰系統色は、P 5.0〜5.9/1.0〜1.9であることが望ましい。
ヘアカラードレープは、テストドレープの第一カテゴリと第二カテゴリに調和するように対応付けられて染毛色に近い茶系統色に染色された複数のドレープであって、具体的には、テストドレープの第一カテゴリの色に調和するように対応付けられた、マンセル表色系における色相をYまたはYRとし、明度が高めの茶系統色のドレープからなる第一グループと、テストドレープの第二カテゴリの色に調和するように対応付けられた、マンセル表色系における色相をYRまたはRとし、前記第一グループと比較して平均的に明度の低い茶系統色のドレープからなる第二グループと、から構成されることが望ましい。
このような構成では、まず身体色の2つのカテゴリを代表する少なくとも4色の色のテストドレープのみを使用して身体色がイエローベースかブルーベースかを判定することができ、次にその判定結果に対応するグループのヘアカラードレープのみを使用して、より具体的に被染毛者に調和するヘアカラーの系統を判定することができるので、美容室等において、時間をかけず簡便に、かつ的確に染毛色を決定することができる。
以下に本考案の望ましい実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本考案の1実施例であるヘアカラー選定用カラードレープセット1を示す。このカラードレープセットは、綿やレーヨン製等の、長方形状の布片であるドレープのセットである。その大きさは本実施例では30cm×50cmであるが、大きさはこれに限られるものではない。本実施例のカラードレープセットは、被染毛者の肌色等の身体色の系統を判別するための8枚のテストドレープ3と、より具体的に被染毛者に調和するヘアカラーの系統を判定するための12枚のヘアカラードレープ5から構成される。
テストドレープ3は、被染毛者の身体色が、黄色を基調とする所謂イエローベース或いは青色を基調とするブルーベースの肌色のうちのどちらであるかを判定するためのドレープであって、図2に示す、本考案に係るカラードレープセット1を構成する合計20枚のドレープを色見本として表したチャートにしたがって染色されたものである。このチャートに示すように、テストドレープ3は、第一カテゴリと第二カテゴリに分類されている。第一カテゴリは、イエローベースの色として分類される白、ピンク、赤、及び茶色に染色された4枚のドレープから構成され、第二カテゴリは、ブルーベースの色として分類される白、ピンク、赤、及び灰色に染色された4枚のドレープから構成される。
具体的には、本実施例で使用する、イエローベースである第一カテゴリの白は、マンセル表色系における表記において、5.0Y 9.0/2.2である白でありブルーベースである第二カテゴリのそれは、5.7GY 9.5/2.0である白である。ピンクは、第一カテゴリでは8.9R 7.8/5.4、第二カテゴリでは、5.7YR 7.4/9.4である。赤は、第一カテゴリでは6.4R 4.7/11.9であり、第二カテゴリでは、4.2R 4.3/11.9である。第一カテゴリにおける茶色は、8.4YR 5.8/4.1であり、第二カテゴリにおける灰色は2.8P 5.6/1.9である。
このテストドレープ3を使用して、被染毛者の身体色を診断するには、図3に示すように、鏡の前に座った被染毛者の顔の下、肩から胸にかけて、テストカラードレープ3を順に当てていく(これを、「ドレーピングする」という)。例えば、第一カテゴリの白、第二カテゴリの白を代わる代わるドレーピングして、その際に、各ドレープの色が顔色にどのように反映されるかを見る。テストカラードレープ3が被染毛者に似合う色であれば、顔色によく馴染み、顔の輪郭がすっきりと見えて、シミ、皺等の顔の欠点が目立たない。逆に似合わない色を当てた場合は、顔色との違和感を生じ、血色が悪く、老けて見えたり、顔の欠点が目立ったりする。このように、同系色の白、ピンク、赤でも、どちらのカテゴリの色が被染毛者により調和するか、また、髪色のイメージに近く各カテゴリを代表する茶色/灰色ではどちらがより調和するか、を対比し判断することにより、被染毛者の身体色が、イエローベースであるか、ブルーベースであるかを判定する。第一カテゴリのテストドレープがより調和するのであれば、被染毛者の身体色はイエローベースであると判定される。
このように、テストドレープは各カテゴリの対応するドレープを対比させて使用するものであるので、相互に対比可能であれば、上述した各色のドレープの具体的な数値に限られず、イエローベースである第一カテゴリの白は、マンセル表色系における表記において、色相をY(黄)とし、明度/彩度を本実施例の近似値である9.0〜9.9/2.0〜2.9の範囲とする一方、第二カテゴリで色相をGY(黄緑)とし、明度/彩度を本実施例の近似値である9.0〜9.9/2.0〜2.9とする範囲内で適宜対比可能な値に設定することも可能である。ピンクは、第一カテゴリで、色相をR(赤)とし、明度/彩度を本実施例の近似値である7.0〜7.9/5.0〜5.9とする一方、第二カテゴリで色相をYR(黄赤)とし、明度/彩度を本実施例の近似値である7.0〜7.9/9.0〜9.9とした範囲内で相互に対比可能な値に設定してもよい。赤も同様に、第一カテゴリで、色相をより黄みを帯びた5.0〜9.9R(赤)とし、明度/彩度を本実施例の近似値である4.0〜4.9/11.0〜11.9とする一方、第二カテゴリで色相をより青みを帯びた0.1〜4.9R(赤)とし、明度/彩度を本実施例の近似値である4.0〜4.9/11.0〜11.9の範囲内において相互に対比可能な値の組合せとしてもよい。第一カテゴリにおける茶色は、色相をYR(黄赤)、明度/彩度を本実施例の近似値である5.0〜5.9/4.0〜4.9の範囲内、第二カテゴリの灰色は、色相をP(紫)、明度/彩度を本実施例の近似値である5.0〜5.9/1.0〜1.9の範囲内において、相互に対比可能な値に設定することが可能である。
ヘアカラードレープ5は、テストカラードレープ3により被染毛者の身体色を判定した後に、より具体的に被染毛者に調和するヘアカラーの系統を判定するために使用されるドレープである。本実施例では、図2のチャートに示すように、テストドレープ3の第一カテゴリに調和するさまざまな茶系統色に染色された6枚のドレープ(第一グループ)と、テストドレープ3の第二カテゴリに調和するさまざまな茶系統色に染色された6枚のドレープ(第二グループ)からなる合計12枚のへアカラードレープを使用している。すなわち、ヘアカラードレープ5は、イエローベースとされる複数の茶系統色のドレープとブルーベースとされる複数の茶系統色のドレープから構成されている。これをマンセル表色系における表記で具体的に説明すると、第一グループのヘアカラードレープ5は、色相をYR(黄赤)又はY(黄)とし、明度を2.6〜4.5の範囲近辺に設定された茶系統色のものであって、第二グループのヘアカラードレープ5は、色相をYR(黄赤)又はR(赤)とし、明度を2.2〜2.5の範囲近辺で、第一グループと比較して平均的に低くした茶系統色からなる。
ヘアカラードレープ5は、テストドレープ3と同様、被染毛者の肩から胸にかけてドレーピングを行って使用し、顔色にどのように反映されるかを見る。その際、テストドレープ3による判定の結果にしたがって、身体色がイエローベースと判定された場合は、対応する第一グループのヘアカラードレープ5のみ、ブルーベースと判定された場合は、第二グループのドレープ5のみを使用してドレーピングを行えばよい。同じ基調を持った色が、被染毛者により調和する色だからである。このヘアカラードレープ5を使用したドレーピングにより、同じ第一グループに属する茶系統色の中でも、どの系統の色が、最も被染毛者に似合う色であるかの判定を行う。例えば、ナチュラル系、オレンジ系、オリーブ系等のうちのどれか、というようにである。
この判定結果を基に、実際の染毛色を決定していく。染毛剤は、美容室によるが多くて数百色を揃えているところがある。これらの染毛剤における、判定結果により得られた被染毛者に最も似合う系統の色に該当する色の中から、その時期のトレンドや、被染毛者の嗜好を勘案して、最終的に染毛する色を決定する。
本考案に係るヘアカラー選定用カラードレープセットによれば、個々人に似合うヘアカラーを簡便かつ的確に選定することができる。
なお、本実施例では、テストドレープ3は、第一カテゴリと第二カテゴリのそれぞれが白系統色、薄い赤系統色(ピンク)、赤系統色および茶又は灰系統色の4色ずつから構成されているが、テストドレープの数はこれに限られるものではなく、別の色相においてイエローベース、ブルーベースとして対比可能な色のものを採用し、各カテゴリにつき5色、すなわち5枚以上のテストドレープとしてもよい。しかしながら、本実施例の構成では、各カテゴリにつき4枚ずつの少ないテストドレープで、的確な身体色の判定を行うことができる。
また、本実施例では、ヘアカラードレープを各グループにつき6枚(6色)ずつとしたが、ヘアカラードレープの数はこれに限られるものではなく、5枚(5色)以下、または7枚(7色)以上としてもよい。また、各グループのヘアカラードレープの数は同じでなくともよい。
1 ・・・ ヘアカラー選定用カラードレープセット
3 ・・・ テストドレープ
5 ・・・ ヘアカラードレープ
3 ・・・ テストドレープ
5 ・・・ ヘアカラードレープ
Claims (3)
- 被染毛者に似合うヘアカラーを決定するために用いられるヘアカラー選定用カラードレープセットであって、
被染毛者の身体色がイエローベースであるかブルーベースであるかを判定するための複数のテストドレープと、より具体的に被染毛者に調和するヘアカラーの系統を判定するための複数のヘアカラードレープと、を備え、
前記テストドレープが、イエローベースの白系統色、薄い赤系統色、赤系統色及び茶系統色のドレープを含む第一カテゴリと、ブルーベースの白系統色、薄い赤系統色、赤系統色及び灰系統色のドレープを含む第二カテゴリと、から構成され、
前記ヘアカラードレープが、前記テストドレープの第一カテゴリに調和するように対応付けられた茶系統色のドレープからなる第一グループと、前記テストドレープの第二カテゴリに調和するように対応付けられた茶系統色のドレープからなる第二グループと、から構成される
ことを特徴とするヘアカラー選定用カラードレープセット。 - マンセル表色系における表記において、
前記テストドレープの第一カテゴリの白系統色が、Y 9.0〜9.9/2.0〜2.9であり、薄い赤系統色がR 7.0〜7.9/5.0〜5.9であり、赤系統色が5.0〜9.9R 4.0〜4.9/11.0〜11.9であり、茶系統色がYR 5.0〜5.9/4.0〜4.9であって、
前記テストドレープの第二カテゴリの白系統色が、GY 9.0〜9.9/2.0〜2.9であり、薄い赤系統色がYR 7.0〜7.9/9.0〜9.9であり、赤系統色が0.1〜4.9R 4.0〜4.9/11.0〜11.9であり、灰系統色がP 5.0〜5.9/1.0〜1.9である
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアカラー選定用カラードレープセット。 - 前記ヘアカラードレープの第一グループが、マンセル表色系における色相をYまたはYRとする茶系統色のドレープから構成され、
前記ヘアカラードレープの第二グループが、マンセル表色系における色相をYRまたはRとする茶系統色のドレープから構成され、
前記第二グループのドレープの色の明度は前記第一グループのドレープの色の明度の平均より低い
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘアカラー選定用カラードレープセット。
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JP7317978B2 (ja) | 2019-09-27 | 2023-07-31 | 株式会社 資生堂 | パーソナルカラーのグループを決定するための方法およびドレープセット |
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