JP3143342U - 遮熱筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱(暖熱・冷熱)を良好に遮断し、各種分野の機器や装置の熱遮断壁として利用できる遮熱筒を提供する。
【解決手段】内筒壁11と、この内筒壁の外周面との間に筒状の空隙部13を形成して設けた外筒壁12とで二重壁に構成され、両端を開口10a,10bした遮熱筒本体1を備える。筒本体1は空隙部を真空室14とした真空二重壁に構成する。筒本体の内筒壁11及び外筒壁12はステンレスその他の金属板で構成することができる。
【選択図】図1

Description

本考案は熱(暖熱・冷熱)を遮断する遮熱筒に関す。さらに詳しくは、真空層を熱の遮断壁として利用する遮熱筒に関する。本考案の遮熱筒は、それ自体で各種分野の熱(冷暖)の保温器ないし保温装置として、或いは各種分野の加熱器(加熱装置)や冷却器(冷却装置)の構成部材(遮熱壁)として使用される。
真空層を熱(冷暖熱)の遮断壁として利用する技術は、例えば断熱容器の分野で広く知られている。この種の断熱容器は、一般に例えば特開2000−005083号公報に開示されているように、容器本体の胴部及び底部を真空二重壁に構成されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の断熱容器(以下、「先行技術」という)によれば、優れた保温機能を発揮する。しかし、先行技術は断熱ないし保温容器専用に構成したもので、他の目的に利用することはできない。したがって、使用目的が限定される。
特開2000−005083号公報
本考案は上記のような実情に鑑みてなされたもので、熱を良好に遮断し、各種の機器や装置の熱遮断壁として利用できる遮断筒を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本考案は、内筒壁と、この内筒壁の外周面との間に筒状の空隙部を形成して設けた外筒壁とで二重壁に構成され、両端を開口した遮熱筒本体を備え、前記筒本体は、前記空隙部を真空とした真空二重壁に構成されていることを特徴とする。なお、本考案において、「遮熱」の用語は「断熱」と同義語とし用いられている。
本考案において、前記筒本体は円筒状に形成することができる。また、本考案において、前記内筒壁及び外筒壁はステンレスその他の金属板で構成することができる。
本考案によれば、次のような作用効果を奏する。(1)遮熱筒本体は内筒壁と外筒壁とで真空二重壁に構成されているので優れた熱(暖熱・冷熱)の遮断効果を発揮する。したがって、筒本体内の保温性を良好に維持させることができる。(2)本考案の遮熱筒は、それ自体で冷暖熱用の保温器ないし保温装置として使用することができる。(3)筒本体は両端を開口してあるので、各種分野の加熱器ないし加熱装置や冷却器ないし冷却装置の構成部材(遮断壁)として使用可能になる。したがって、多目的用途に利用することができる。
以下、図面を参照して本考案の遮熱筒の最良の実施形態の一例について説明する。
図1は本考案の一実施形態の遮熱筒の構成を概要的に示す縦断面図、図2は図1のA−A線断面図である。
上記図1,図2において、本実施形態の遮断筒は、両端(図1において上下端)を開口10a,10bした遮熱筒本体1を備えている。
前記筒本体1は所望の大きさの円筒状や角筒状等の筒状に形成される。本実施形態の筒本体1は円筒状に形成したものが開示されている。筒本体の大きさは使用目的ないし用途等に応じて任意に設定する。例えば後述する理化学実験用加熱器や実験用ガラス器具の保温器用に構成する場合においては、例えば、直径(外径)約150〜約300mm、高さ約120〜約250mm程度の大きさを挙げることができる(但し、上記範囲内に限定するものではない)。
筒本体1は内筒壁11と、この内筒壁11の外周面との間に筒状(本実施形態では円筒状)の空隙部13を形成して設けた外筒壁12とで二重壁に構成されている。前記空隙部13は真空(真空室14)に形成されている。これにより、筒本体1は空隙部13を真空とした真空二重壁に構成されている。
本実施形態では、筒本体1の上端部から下端部近くにわたり空隙部13(真空室14)を形成した例が開示されている。これにより、筒本体1の上端部から下端部近くまでの間は真空室14(真空層)により囲まれる。真空室14の厚み(両壁11,12間の間隙の寸法)は適当に設定される。
前記内筒壁11及び外筒壁12の構成素材は特に限定するものではないが、例えばステンレス鋼板や鉄板その他の金属板を採用できる。本実施形態ではステンレス鋼板を採用している。
前記遮断筒は例えば次のような方法により製造する。外筒壁12を内筒壁11に嵌合し、両壁11,12の上端部又は下端部のうちの一端部(例えば下端部)を気密性を保持して溶接15等により固着する。また、前記他端部には半田等の溶接材を付着しておく。この状態で上記加工品を真空室(図示せず)内に入れて空隙部13内を減圧真空状態にし、この状態で高温加熱することにより前記他端部を気密性を保持して溶接16等により固着する。これにより、両壁11,12間に筒状の真空室14を形成した遮熱筒が製造される。この場合において、上記とは逆に両壁11,12の上端部を気密性を保持して溶接16等により固着した後、上記と同様に真空室内で下端部を溶接15等により固着してもよい。
上記製造方法は一例として開示したもので、上記以外の製造方法を採用できること勿論である。なお、所望に応じて空隙部13(真空室14)内に適当量のジルコニウム,チタン,マグネシウム,活性炭その他の任意の成分よりなるゲッター剤(getter)を収容しておく。真空室14内にゲッター剤(図示せず)を入れておくことにより、室14内の真空度の低下を抑制し、長期間安定して維持できる。
本実施形態の遮熱筒は上記のように構成したもので、筒本体の内部と外部は真空層を遮熱壁として、熱(冷暖)を遮断する。したがって、筒本体内の保温性を良好に維持させることができる。前記遮熱筒は、それ自体でそのまま各種分野の冷暖熱用の保温器ないし保温装置として、或いは各種分野の加熱器(加熱装置)や冷却器(冷却装置)の構成部材(遮熱壁)として使用される。以下、その使用例の一例について説明する。
図3ないし図5は、上記実施形態の遮熱筒を遮熱壁として利用した一使用例(第一使用例)を示す。図3は前記遮熱筒を使用した理化学実験用加熱器の全体構成の一例を概略的に示す縦断面図、図4は前記加熱器の筒状胴部の構成を概略的に示す縦断面図、図5は前記胴部内に配設した構成部材を概略的に示す説明図である。
図3〜図5において、この第一使用例の理化学実験用加熱器は、筒状胴部100と、上方へ開放して胴部100内に設けた加熱部2と、加熱部2を加熱する発熱体3と、蓋部4と、支持用の台部材5とを備えている。
第一使用例の理化学実験用加熱器は、前記胴部100を上記実施形態の遮熱筒で構成してある。この加熱器の筒状胴部100において、前記実施形態で既に説明した構成と共通する構成部等には同一符号を付して説明を省略する。前記胴部100の内筒壁11の上端部近くにおける適当部の内側面には、環状の係合用凸条17が形成されている。前記凸条17は、後述する係合板体の周縁部と係合(当接)させて胴部100内に配設される加熱部2の上方側への動きを規制するものである。
前記加熱部2は、上方へ開放して胴部1内に設け、フラスコやビーカーその他の実験用ガラス器具6の容器60の略下半部側を受容(収容)して加熱するものである。第一使用例の加熱部2はフラスコ用として構成したものが開示されている。
前記加熱部2は、実験用ガラス器具6(図示ではフラスコ)の容器60の略下半部に適合する大きさの半円球状の内壁面を有するカップ状に形成した加熱部本体20を備える。前記本体20の開口縁には、周縁に沿わせて外側方向へ水平に延設した環状のフランジ21が形成されている。フランジ21の外径は内筒壁11の内周壁面の径(内径)と略同径ないし若干小径に形成されている。前記本体20及びフランジ21の肉厚は適当に設定する。前記本体20の外壁面には、本体20を周回する螺旋状の突条部22が形成されている。前記突条部22は発熱体3を本体20に周回させて整然と巻装し易くするために設けたものである。
前記加熱部2は耐熱性かつ絶縁性を有する素材で構成される。加熱部2の構成素材は特に限定するものではないが、例えば土材を主材料とし、これにセメントその他の添加材を適当量添加して混合し、これを所定形状に成形して乾燥し、焼成したものを採用できる。但し、上記以外の材料を採用することができる。
加熱部2は係合板体23を介してフランジ21を前記凸条17に係合させて胴部100内に収容して配置される。これにより、加熱部2は胴部100内において上方側への動きを規制される。
加熱部2を上記のように構成すると、前記本体20の大きさを代えることにより、同じサイズの胴部100を使用して、各種大きさの実験用ガラス器具用に適用可能な理化学実験用加熱器を製造することができる。なお、実験用ガラス器具の容器として、例えばビーカー等の容器用に構成する際には、前記本体20を円筒形状等に形成することもできる。
前記係合板体23はステンレスや鉄板その他の金属板で構成される。第一使用例の係合板体23は内筒壁11の内周壁面の径(内径)と略同径ないし若干小径の円板の中央部に、前記本体20の開口端の直径と同径の孔24を開設したリング状板体25で構成されている。
前記発熱体3はニクロム線等で構成され、本体20の外周面を周回させて巻装して設けてある。これにより、本体20は発熱体3により全体的に加熱されるように構成されている。
前記蓋部4は、加熱部2の底部側の周囲、即ち、前記本体20(前記突条22も含む)の外側面及び発熱体3を全体的に覆わせるものである。第一使用例の蓋部4は前記本体20より大径で、かつ、胴部100内に適合して嵌入し得る大きさの半円球状のカップ状に形成されている。蓋部4の肉厚は適当に設定する。蓋部4の底部中央部(図3及び図5(c)において下端中央部)には、発熱体3のリード線30を導出するための引き出し用の孔40が形成されている。
蓋部4は耐熱性かつ絶縁性を有する素材で構成される。蓋部4の構成素材は特に限定するものではないが、例えば加熱部と同様の素材で構成したものを採用することができる。また、蓋部4は、耐熱性、絶縁性に加え、断熱性を有する素材で構成してもよい。蓋部4は、その開口周縁をフランジ21の下面に当接して前記本体20に嵌合し、その状態で胴部100内に収容して配置される。
蓋部4は後述するように、前記台部材5によって支持されるものであるが、加熱部2は蓋部4により支持(支承)される。したがって、蓋部4は加熱部2の支持体の役目もなしている。
前記台部材5は胴部100内において蓋部4を支持させるものである。台部材5は断熱性を有する素材で構成されている。台部材5は後述する底蓋部材7上に固定して載置、或いは固定しないで載置して設けられる。台部材5の上面は蓋部4の球面と対応する形状の凹面状に形成されると共に台部材5の中心部を貫通する貫通孔50が設けてある。この孔50は後述するコードを導出するために設けたものである。蓋部4は台部材5で支持されている。これにより、蓋部4及び加熱部2は上下方向の動きを規制されて胴部100内に安定かつ整然と固定してセットされる。
第一使用例の前記胴部100の下端部は底蓋部材7で閉塞されている。図示の底蓋部材7は胴部100内に嵌合する円筒体70の上端を天板71で閉塞して構成され、この底蓋部材7を胴部100の下端部に嵌合し、円筒体70を胴部100の下端部にネジ等72で固定して取り外し可能に設けてある。前記天板71により底板が構成され、この底板(天板71)上に台部材5が設けてある。また、天板71の中心部には前記貫通孔50と共通する孔73が設けてある。
前記発熱体3のリード線30と接続したコード31(被覆電線)は、貫通孔50及び孔73を通じて胴部100外に導出されている。第一使用例では、コード31に管状部材32を嵌合し、この管状部材32を孔73,50に適合させて嵌入し、コード31を胴部100外に引き出すように構成してある。図3において、33はコード31の先端に取り付けた差込プラグを示す。
第一使用例の理化学実験用加熱器は上記のように構成し、これを単独、或いは図示しない架台やラック上等にセットして使用される。前記加熱器は、従来と同様にサンプル等を入れた実験用ガラス器具の容器の略下半部を加熱部本体内に収容し、電源スイッチ(図示せず)をONにして発熱体で容器を加熱し、従来と全く同様に蒸留,分留,反応,抽出その他の各種の理化学実験を行うものである。
図6は上記実施形態の遮熱筒の他の使用例(第二使用例)を示す。第二使用例は、前記遮熱筒を実験用ガラス器具用の保温器200として使用したものである。この保温器200は上記実施形態の遮熱筒と同一構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第二使用例は、保温器200(前記遮熱筒)をテーブル80等上に載置し、筒本体1内に実験用ガラス器具6A(図示では平底フラスコ)の容器60Aを収容して保温する例が開示されている。図示の第二使用例ではテーブル80上に載置台部材81を置き、その上に前記ガラス器具6Aを載せて使用する例が開示されている。また、筒本体1の開口10a端は断熱性のカバー部材82で閉蓋して開口部側に断熱性を付与させてある。
前記実験用ガラス器具6A内には所望のサンプル等が収容されている。これにより、前記器具6A内のサンプル等は所期の温度(低温ないし高温)を維持して保温される。この場合、低温状態での保温を希望する際には、筒本体1内にドライアイス等を適当量入れておくこともできる。また、高温状態での保温を希望する際には、載置台部材81に代え、加熱器(図示せず)をテーブル80上に置き、加熱器上に前記ガラス器具6Aを載置して加熱するようにしてもよい。加熱器を設けて加熱する場合には、筒本体1の下端の適当部にコード引き出し用の切欠部(図示せず)を設けるとよい。
なお、上記した各使用例は一例として開示したもので、本考案の遮熱筒は上記使用例に限定するものではなく、上記以外の各種分野の冷暖熱用の保温器ないし保温装置として、或いは各種分野の加熱器(加熱装置)や冷却器(冷却装置)の構成部材(筒状遮熱壁)として広範囲に使用できること勿論である。
また、上記した実施形態の遮断筒は一例として開示したもので、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載の技術思想を越脱しない範囲において任意に変更可能なものである。
本考案の一実施形態の遮熱筒の構成を概略的に示す縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 本考案の遮熱筒を使用した理化学実験用加熱器の構成の一例を概略的に示す縦断面図である。 図3の前記加熱器の筒状胴部の部分の構成を概略的に示す縦断面図である。 前記加熱器の前記胴部内に配設した構成部材を示す説明図であって、同図(a)は係合板体の構成を概略的に示す縦断面図、同図(b)は加熱部の構成を概略的に示す縦断面図、同図(c)は蓋部の構成を概略的に示す縦断面図、同図(d)は台部材の構成を概略的に示す縦断面図である。 本考案の遮熱筒を保温器として使用した一例を示す説明図である。
符号の説明
1 遮熱筒本体
10a,10b 開口
11 内筒壁
12 外筒壁
13 空隙部
14 真空室

Claims (3)

  1. 内筒壁と、この内筒壁の外周面との間に筒状の空隙部を形成して設けた外筒壁とで二重壁に構成され、両端を開口した遮熱筒本体を備え、
    前記筒本体は、前記空隙部を真空とした真空二重壁に構成されている
    ことを特徴とする、遮熱筒。
  2. 前記筒本体は円筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の遮熱筒。
  3. 前記筒本体の前記内筒壁及び前記外筒壁はステンレスその他の金属板で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の遮熱筒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116568652A (zh) * 2020-09-25 2023-08-08 乔治·吉拉德利 废旧沥青砾岩回收装置和旋转圆筒的气密支撑装置

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