JP3142748B2 - 振動モータ - Google Patents

振動モータ

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JP3142748B2
JP3142748B2 JP07168741A JP16874195A JP3142748B2 JP 3142748 B2 JP3142748 B2 JP 3142748B2 JP 07168741 A JP07168741 A JP 07168741A JP 16874195 A JP16874195 A JP 16874195A JP 3142748 B2 JP3142748 B2 JP 3142748B2
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伸一 丹羽
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の空芯コイルをロ
ータの片側に偏位して配置してなる振動モータに関する
もので、例えば、ポケットベル等において個別呼び出し
信号を受信したことを振動を発することで報知する、と
いうような用途に用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】ポケットベル等において、個別呼び出し
信号を受信したことを報知するための手段の一つとし
て、回転により振動を発生させる振動モータが用いられ
ることがある。モータの回転により振動を発生させるた
めには、モータの出力軸に、重心が偏った偏心板を設け
ればよいが、薄型化を図ると共に消費電流を小さくする
ために、複数の駆動コイルをロータの片側に偏位させて
配置したものが提案されている。実開平2−33573
号公報記載のものはその例で、図8及び図9にこれを示
す。
【0003】図8及び図9において、符号30は振動モ
ータを示す。この振動モータ30は、カップ状のケース
36と、このケース36の開放端に被せられた端板31
と、上記ケース36と端板31の中心孔に圧入固定され
た含油軸受32、35と、この含油軸受32、35によ
って回転自在に支持された回転軸33と、含油軸受3
2、35間において回転軸33に一体に設けられたボス
34と、このボス34の外周側に樹脂により一体成形さ
れたロータホルダー21と、このロータホルダー21に
埋め込まれた3個の駆動コイル23と、上記ロータホル
ダー21の下面側に回転中心寄りに設けられたブラシ3
7と、上記端板31の内面側に固定され上記ブラシ37
が摺接する平面型整流子38と、上記端板31の内面側
に上記駆動コイル23に対向させて固定された扁平なリ
ング状のマグネット39とを有してなる。上記3個の駆
動コイル23はロータホルダー21に回転軸33から偏
って配置され、ロータ30が回転駆動されると、その重
量のアンバランスにより振動が発生するようになってい
る。
【0004】整流子38とブラシ37を介して各駆動コ
イル23に通電し、また、ロータ30の回転位置に応じ
て各駆動コイル23への通電を切り替えることによりロ
ータ30を連続的に回転駆動することができる。ロータ
30が回転駆動されると、上記のように振動が発生す
る。
【0005】以上説明した従来の振動モータによれば、
複数の駆動コイル23をロータホルダー21に偏らせて
配置することにより、ロータ自体をアンバランスにして
振動を発生させるようにしたため、ロータの重量配分を
アンバランスにするための部品を新たに付加する必要が
なく、薄型で、消費電流の少ない効率の高い振動モータ
を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の振
動モータによれば、少なくとも一面側に絶縁層を形成し
た銅箔を適宜回数巻き回してこれを適宜の厚さにスライ
スしてなるいわゆるスライスコイルで駆動コイルを構成
した場合、上記スライスコイルには引出線がないため、
特にコイルの内周側の電極の引き出しが困難であるとい
う難点があった。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消するためになされたもので、駆動コイルとして空芯
コイルを用いるに当たり、駆動コイルと外部回路との接
続が容易であると共に、大きなトルクを得ることができ
る振動モータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数の空芯コイルがロータの片側に偏位して配置された
振動モータにおいて、空芯コイルが第1の空芯コイル部
とこれに重ね合わせられた第2の空芯コイル部からな
り、第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部は、その
内周部において電気的に接続され、第1の空芯コイル部
の外周部と第2の空芯コイル部の外周部に外部接続用電
極が形成されていることを特徴とする。請求項2記載の
発明のように、第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル
部を、互いに周方向にずらして配置してもよい。
【0009】
【作用】本発明によれば、複数の空芯コイルがロータの
片側に偏位して配置されているため、ロータが回転駆動
されると、ロータの重量配分のアンバランスによって振
動を発生する。空芯コイルは、第1の空芯コイル部とこ
れに重ね合わせられた第2の空芯コイル部からなり、こ
れら第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部は内周部
において電気的に接続されているため、駆動コイルの実
質的な巻き回数が増大する。また、重ね合わせられた第
1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部の内周部が互い
に接続され、第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部
の各外周部から通電される。第1の空芯コイル部と第2
の空芯コイル部の内周側の電極を外部回路に接続する必
要はない。
【0010】請求項2記載の発明によれば、重ね合わせ
られた第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部は、内
周部の一部が重なり合うように周方向にずらされている
ため、一つの駆動コイルにスキューがかけられて配置さ
れたいるのと実質的に同一となり、ロータ自体は滑らか
に回転する。
【0011】
【実施例】以下、図1ないし図7を参照しながら本発明
にかかる振動モータの実施例について説明する。図1な
いし図4において、符号10はモータのロータを示す。
このロータ10は、樹脂により一体成形されたホルダー
1を主体としてなる。ホルダー1には複数箇所に凹部2
が形成され、各凹部2には駆動コイルが埋め込まれてい
る。各駆動コイルは、巻線を平面形状台形状に扁平に巻
き回した空芯コイルで、第1の空芯コイル部3aと、こ
の上に重ね合わせられた第2の空芯コイル部3bで構成
されている。第1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイ
ル部3bは、それぞれの内周部の一部が重なり合った形
で互いに周方向にずらされて重ね合わせられている。第
1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイル部3bの周方
向へのずらし量は、これら第1の空芯コイル部3aと第
2の空芯コイル部3bが一つの駆動コイルとしての機能
を損なわない範囲内に制限される。
【0012】このロータ10は、例えばポケットベル等
において個別呼び出し信号を受信したことを報知するた
めなどに用いられる振動モータ用のロータであって、上
記ホルダー1は、図示されない回転軸が挿入される軸孔
7に対して非対称形に形成され、第1の空芯コイル部3
aと第2の空芯コイル部3bからなる3組の駆動コイル
3がホルダー1に偏って配置されている。上記軸孔7の
周囲のボス部には整流子が形成されるが、図示されてい
ない。
【0013】第1の空芯コイル部3aに対して第2の空
芯コイル部3bは表裏反転されて重ね合わせられてい
る。第1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイル部3b
はそれぞれ巻始である内周側と巻終である外周側に電極
を有しており、重ね合わせられた第1の空芯コイル部3
aと第2の空芯コイル部3bの内周側の電極相互間が半
田4によって接続されている。また、第1の空芯コイル
部3aと第2の空芯コイル部3bの外周部の電極がそれ
ぞれ外部接続用電極となっている。このように、第1の
空芯コイル部3aに対して第2の空芯コイル部3bは表
裏反転されて重ね合わせられると共に、それぞれの空芯
コイル部の内周側の電極が電気的に接続され、かつ、そ
れぞれの空芯コイル部の外周側の電極が外部接続用電極
となっていることにより、一方の空芯コイル部の外部接
続用電極から内周側の電極へ、続いて他方の空芯コイル
部の内周側の電極から外部接続用電極へと、第1の空芯
コイル部3aと第2の空芯コイル部3b内を同一方向に
駆動電流を流すことができる。
【0014】ホルダー1には図示されないリードフレー
ムがインサート成形等によって一体に設けられており、
上記第1の空芯コイル部3aの外部接続用電極は半田5
によって上記リードフレームの半田付ランドに電気的に
接続され、第2の空芯コイル部3bの外部接続用電極は
半田6によって上記リードフレームの半田付ランドに電
気的に接続されている。上記リードフレームは図示され
ないフレキシブル回路基板等を介して外部回路に接続さ
れる。上記第1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイル
部3bの内周側の電極相互の電気的接続、第1の空芯コ
イル部3aの外部接続用電極と半田付ランドとの電気的
接続、第2の空芯コイル部3bの外部接続用電極と半田
付ランドとの電気的接続は、例えば、半田で被覆された
導線で相互間をブリッジした状態で半田付けすることに
より、容易に接続することができる。
【0015】上記ロータ10はその第1の空芯コイル部
3aと第2の空芯コイル部3bとを有してなる各駆動コ
イルが、図8、図9に示す従来例と同様に、図示されな
いステータ側のマグネットと対向させて配置され、比較
的扁平なモータが構成されている。周知の通り、整流子
やブラシを介して各駆動コイルに通電し、また、ロータ
10の回転位置に応じて各駆動コイルへの通電を切り替
えることによりロータ10を連続的に回転駆動すること
ができる。前述のように、3個の駆動コイルがホルダー
1に偏って配置されているため、ロータ10が回転駆動
されると、その重量のアンバランスにより振動が発生す
る。
【0016】以上説明した実施例によれば、一つの駆動
コイルが、互いに重ね合わせられた第1の空芯コイル3
aと第2の空芯コイル3bから構成されるため、駆動コ
イルの実質的な巻き回数が増え、トルクが増大するとい
う利点がある。また、一つの駆動コイルは、重ね合わせ
られた第1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイル部3
bの内周側において電気的に接続され、第1の空芯コイ
ル部3aと第2の空芯コイル部3bの外周部に外部接続
用電極が形成されているため、第1の空芯コイル部と第
2の空芯コイル部の内周側の電極を外部回路に接続する
必要がなくなり、上記第1の空芯コイル部と第2の空芯
コイル部を前述のいわゆるスライスコイルで構成した場
合であっても、駆動コイルと外部回路との接続が容易に
なる利点がある。
【0017】また、第1の空芯コイル部と第2の空芯コ
イル部は、内周部の一部が重なり合うように周方向にず
らされているため、一つの駆動コイルにスキューがかけ
られて配置されているのと実質的に同一となり、トルク
むらが少なくなってロータ10自体の回転が滑らかにな
るという利点がある。
【0018】以上説明した実施例は、駆動コイルとして
3個の駆動コイルを用いていたが、駆動コイルの数は任
意であり、要は、駆動コイルを構成する複数の駆動コイ
ルがロータの片側に偏位して配置されていればよい。ま
た、駆動コイルを構成する第1の空芯コイル部と第2の
空芯コイル部は、必ずしも互いに周方向にずらされて配
置されている必要はなく、図5、図6、図7に示す例の
ように構成してもよい。以下、図5、図6、図7に示す
本発明の変形実施例について説明する。
【0019】図5、図6に示す実施例は、駆動コイルと
して2個の駆動コイルを用い、各駆動コイルは互いに重
ね合わされた第1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイ
ル部3bで構成されたものであり、しかも、この第1の
空芯コイル部3aと第2の空芯コイル部3bは互いに周
方向にずらされることなく、ぴったり同じ位置で重ね合
わせられたものである。もちろん、この二つの駆動コイ
ルはロータの片側に偏位して配置され、回転駆動された
とき振動を発生するようになっている。駆動コイルを構
成する第1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイル部3
bは、その内周部の電極が半田4によって電気的に接続
され、第1の空芯コイル部3aと第2の空芯コイル部3
bの外周部に形成された外部接続用電極が外部回路に接
続される。このため、外部接続用電極はどちらも外周側
に位置することになり、ホルダー1内の配線処理等が容
易となる。
【0020】図7に示す実施例は、上記のように駆動コ
イルとして2個の駆動コイルを用い、各駆動コイルを、
互いに重ね合わされた第1の空芯コイル部3aと第2の
空芯コイル部3bで構成したものにおいて、第1の空芯
コイル部3aと第2の空芯コイル部3bを、互いに周方
向にずらして配置し、前述のように、一つの駆動コイル
にスキューをかけて配置したのと実質的に同一にし、ト
ルクむらを少なくしてロータ自体の回転を滑らかにした
ものである。
【0021】なお、空芯コイルの製造方法は特に限定さ
れるものではない。前述のように、少なくとも一面側に
絶縁層を形成した銅箔を適宜の巻回数巻き回し、これを
適宜の厚さにスライスしてなるいわゆるスライスコイル
を用いてもよいし、断面円形又は平角状その他適宜の断
面形状のマグネットワイヤを巻き回したものであっても
よい。
【0022】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、一つの駆
動コイルが、互いに重ね合わせられた第1の空芯コイル
部と第2の空芯コイル部から構成されるため、駆動コイ
ルの実質的な巻き回数が増え、トルクが増大するという
利点がある。また、一つの駆動コイルは、重ね合わせら
れた第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部の内周側
において電気的に接続され、第1の空芯コイル部と第2
の空芯コイル部の外周部に外部接続用電極が形成されて
いるため、第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部の
内周側の電極を外部回路に接続する必要がなくなり、上
記第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部をいわゆる
スライスコイルで構成した場合でも、駆動コイルと外部
回路との接続が容易になる利点がある。
【0023】請求項2記載の発明によれば、重ね合わせ
られた第1の空芯コイルと第2の空芯コイルは、内周部
の一部が重なり合うように周方向にずらされているた
め、一つの駆動コイルにスキューがかけられて配置され
ているのと実質的に同一となり、トルクむらが少なくな
ってロータ自体の回転は滑らかになるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる振動モータの実施例のロータ部
分を示す平面図。
【図2】図2中の線A−Aに沿う断面図。
【図3】図2中の線B−Bに沿う断面図。
【図4】図2の縦方向中心線に沿う断面図。
【図5】本発明に適用可能なロータ部分の変形例を示す
平面図。
【図6】同上ロータ部分の正面図。
【図7】本発明に適用可能なロータ部分のさらに別の変
形例を示す平面図。
【図8】従来の振動モータのロータの例を示す平面図。
【図9】同上ロータを用いた従来の振動モータの例を示
す断面図。
【符号の説明】
3a 空芯コイル 3b 空芯コイル 4 電気的接続部である半田 10 ロータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−168950(JP,A) 特開 平6−292344(JP,A) 特開 昭55−157945(JP,A) 実開 平7−27268(JP,U) 実開 平2−33573(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 7/065 H02K 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の空芯コイルがロータの片側に偏位
    して配置されてなる振動モータにおいて、 上記空芯コイルが第1の空芯コイル部とこれに重ね合わ
    せられた第2の空芯コイル部からなり、 上記第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル部は、その
    内周部において電気的に接続され、 第1の空芯コイル部の外周部と第2の空芯コイル部の外
    周部に外部接続用電極が形成されていることを特徴とす
    る振動モータ。
  2. 【請求項2】 第1の空芯コイル部と第2の空芯コイル
    部は、互いに周方向にずらされて配置された請求項1記
    載の振動モータ。
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