JP3142286U - 海藻養殖用浮子 - Google Patents

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Abstract

【課題】海藻養殖用施設に使用される曲面体浮子において、浮子としての作用と海藻養殖用栄養素の施肥手段としての作用とを併用させると共に、前記栄養素の主成分に鉄鋼スラグを使用する海藻養殖用浮子を提供する。
【解決手段】海藻養殖用浮子1は、主として一個の合成樹脂製空洞半曲面体3と一個の発泡体充填半曲面体2とより構成されるか、又は一対の空洞半曲面体のみより構成されるかした一個の曲面体より成り、その一方の空洞半曲面体上には、多数の細孔が穿孔されると共に、その内部には、鉄鋼スラグを主成分とする海藻養殖用栄養素が充填され、これ等半曲面体の一対を組合せて一個の曲面体浮子を形成し、此れを海藻養殖用施設に取り付けて海上に浮揚させ、一方では当該施設の浮子として、他方では養殖されるべき海藻えの施肥容器として使用する。
【選択図】図1

Description

本考案は、海藻養殖用浮子、特に昆布、わかめ、かじめ、ほんだわら等の海藻を養殖する設備用の浮子の作用と、此処で養殖される海藻に肥料栄養素を供給する手段としての作用とを備えた養殖用浮子に開する。
技術的背景
従来、海藻養殖特に昆布、わかめ、かじめ、ほんだわら等のロープ式、筏枠ロープ式、内湾、沖合い浮沈式等の養殖方式は、夫々の海藻胞子の種付けされた幹綱、養成綱等を浮子、アンカー、尾根綱、沈子等で海底に固定して人工栽培する方式であるが、陸上植物と同様に栽培する場所によっては、其の成長に必要な成長栄養素が不足する場合も有るので、それら肥料を補う必要があり、又不足していない場所でも、日々消費される此れ等栄養素を補給することは、其の品質並びに収穫量を向上さす為に重要な事柄である。
一般に、海藻も陸上植物とほぼ同様な栄養素を必要とするが、陸上植物の栄養吸収が根から行われるのと異なり、その殆どが葉体に依って海中での炭素同化作用で行われるものであるから、それに必要な栄養素、例えば窒素肥料成分、燐酸肥料成分、カルシウム、マグネシウム等の微量金属成分を海水中から常に接種する必要がある。
特に2価の鉄、マグネシウムイオンは、植物のクロロフィール合成上必須不可欠のものであるから、常に此れ等を補給する必要がある。
一方、鉄鋼製造時に排出されるスラグには、徐冷スラグ、水砕スラグを含む高炉スラグと、転炉、電気炉スラグより成る鉄鋼スラグとが有り、種々な製品例えばコンクリート用粗骨材、ロックウール原料、石灰肥料、セメントクリンカー、路盤材、土壌改善材、等再利用されているが、特に後者のスラグは、CaO、SiO2,MgO,FeOなどの成分を含有しているので、肥料並びに土壌改善材に有功に使用され、特に最近では、海藻用の肥料成分として注目されるに到っている。
従って、製鉄時に多量に排出する各種スラグの再利用は、製鉄産業成立の成否を左右する程であるので、上記の如く多方面に利用されるに至っている。
然しながら膨大な量のスラグを充分に利用し尽すまでには至っておらず、此れを海中に投棄して海水、海底の成分を改変し、海藻類の発生、繁茂を図らんとする等種々な試みが為されているが、未だ充分な成果を挙げるに至っていないのが実情である。
然しながら最近に至り、磯焼けした海岸或いは海藻不毛の磯等の砂地の中に、やし皮製の袋に充填したスラグを埋設施肥し、其の近辺一帯を昆布の養殖海中林に編成する事に成功した事例が一新聞に報ぜられるに至っている。
又一方、この様な海洋並びに海洋生物生産の制御に関し、1993年から2005年に亘って実施された東京大学の鉄散布実験から、次の如き3種の仮説が提唱されるまでに至っている。 即ち:
(1): 南極海等の外洋高栄養塩−低クロロフィール(HNLC)海域に於ける植物プランクトンの成長と栄養塩利用は、鉄の不足によって制限される。
(2): HNLC海域に於ける一次生産量とポンプによる海洋表層から深層えの炭素輸送量は、海洋表層えの鉄の供給量によって制限される。
(3): 大陸から大気経由でHNLC海域に供給される鉄の多寡は、海洋の生物ポンプによるCO2吸収能を制御し、大気中のCO2並びに地球の気候を変動させる要因となっている。
参考文献1
第2回東京大学の海研究「海から未来を考える」(2007年7月4刊行)
此の様な仮説並びに北太平洋亜寒帯域における同大学の鉄散布実験から、此の帯域のクロロフィール濃度の増大並びに海洋表層から深層えの有機炭素の移送率等の詳査に依り、スラグに含有される鉄イオンの海中植物又は植物プランクトンの成長えの関与は相当の影響力を持つ事が判明されるに至っている。
然しながら、実際の海藻養殖においては、前記した様に地上植物栽培と同様に窒素肥料、燐酸塩肥料、カルシウム、マグネシウム等の微量金属肥料も施肥する必要があるので、(1):番線を編んで作られた籠の中に、天然石、可溶性袋詰め魚粕等を充填し、敷設して藻場を造成したり、(2):此れ等成分の混合物を多孔性資材に組み込んで、其の効果が徐々に作用する遅効性養殖ブロックとして利用したり、(3):此れ等肥料の遅効性被覆物を海藻養殖綱に装着したり、或いは(4):この種肥料の収納された海藻養殖母材に、海藻胞子の種付けされた着床部材を装着して海中に沈め、前記母材から溶出する肥料成分で施肥養殖する様に構成した筏式養殖方式等が提案され、開示されるに至ってている。
特開2004−166513 特開平5−308871 特開平11−79876 特開平5−316689
此れ等従来の海藻養殖法並びに装置又は器具は、一応其の効果に於いて評価し得ると思われるが、製造、敷設、施肥の手間、其の難易度、価格、養殖海藻の生産率等について、全ての条件を満足させると思われる技術は見当たらず、特に広域並びに大量の海藻養殖又は広域の磯焼け改善方式、或いは此れ等方式用装置、施設としては不適当と思われる。
従って本考案は、此の様な従来技術の不備を改善すると共に、既存の器具、設備、又は材料を利用するか或いは若干改良するのみで、極めて効果的な海藻養殖手段特に海藻養殖用浮子を提供する事を課題とするものである。
課題を解決するための手段
上記課題を解決するために本考案に於いては、先ず第一に海藻養殖用の肥料成分の一つに、製鉄時に大量に副生する鉄鋼スラグを利用し、主として此の成分が水中で遊離するFe++イオンを海藻の炭素同化作用に利用し、第二に此のスラグのみでは不足する他の肥料成分例えば窒素、リン酸塩、並びに微量のカルシウム、マグネシウム金属等を遅効性肥料に変成して混合使用し、第三に、此れ等肥料を海中に徐々に滲出又は放散させる容器、器具又は手段として、既製の海藻養殖用施設に使用する浮子を、そのままで又は若干改良して利用する様に構成した事を特徴とするものである。
特に前記浮子は、其の半分を通常の養殖用浮子として使用する一方、他の半分を細孔つき部分として構成し、前記スラグ肥料成分を収納し且つ滲出又は放散させる容器として作用させると共に、此れ等両半分を容易に相互に分離するか開口する如く構成して、肥料装入及び排出を容易にした事を他の特徴とする。
斯くの如く構成された一対の半球体又は半曲面体浮子は、夫々の接合部分又は何れか一方の曲面体部分に一個の貫通孔を備え、此の開孔を通じて一本の幹綱を貫通し、此の幹綱上に養殖海藻胞子を種付けした別のロープを撚り込むか又は挿し込んで種付け綱として使用している。
従って、此れ等浮子間を連通する幹綱上の胞子には、前記浮子下部の肥料収納部分から滲出又は放散される各種肥料成分が波動、潮流と共に供給され、又当該胞子から発芽した海藻幼体には、海中に滲出又は放散して漂う肥料成分が徐々に作用して其の成長を助成する。
勿論、此等の浮子は、其の全体を通常の浮子として構成し、その下部半分、或いは其の全体に別途の容器、布体、網体、等に充填した肥料成分を懸垂し又は連結して、此れ等懸垂体から徐々に各肥料成分が滲出又は放散して、養殖海藻に施肥する様に構成する事も可能である。
更に又、本考案の浮子は、此れを連通する幹綱のみを利用する延縄式又は暖簾式海藻養殖方式ばかりでなく、此の幹綱に養成綱、尾根綱及びアンカー並びに沈子等を敷設した大型の海藻養殖係留施設にも大量に利用し、効率よく大量の海藻を養殖する一方、大量のスラグを有効にリサイクルすると共に、海藻収穫後には此れ等浮子内の使用済み肥料成分をその場で海底に放棄し、残存する肥料並びにスラグ成分により、其の海域又は海底の海藻又はクロロフィールを育成し、増殖させて、其の区域の磯焼け等を回復させる様に配慮する。
考案の効果
斯くの如き構成並びに作用に依って、本考案の海藻養殖用浮子は、構造簡単に比して以下の如き優れた諸効果を備えている。
(1):多量に副成する鉄鋼スラグを継続的に直接海藻養殖用肥料として再利用出来る。
(2):前記鉄鋼スラグの養殖海藻えの施肥器具又は手段として、通常海藻養殖器具又は施設に使用する浮子が利用出来るので経済的である。
(3):此の浮子は、従来型の曲面体の浮子の一部を改良すれば良いので、従来の製造金型を使用することが出来て経済的である。
(4):浮子中に仕込まれた肥料部分は、必要に応じて新しく取り替えるか又は放棄する事が出来るので、此の取替えられ、放棄された古い肥料は、残存する肥料成分で海底の磯焼け部分を肥沃に回復し、藻場、海中林を再生する。
(5)::浮子の肥料容器部から滲出又は放散する鉄成分及び肥料成分は、水中でイオン化して波浪及び潮流に依り広範囲に四散して、徐徐ながらも多くの海藻の養分として吸収される。
(6)::単なる幹綱養殖のみに限らず、養成綱を備えた大型係留施設にも利用して効率的に大量のスラグを使用し、大量の海藻を生産する事が出来る。
(7):海藻養殖施設の形成、養殖海藻の取り入れが従来方式に比し容易である。
斯くの如き考案の効果を達成するための最良の形態は、先ず第一に養殖海藻の必須肥料成分の鉄成分を、鉄鋼製造時副生するスラグから提供すると共に、此の主成分に遅効性化された他の肥料成分例えば窒素肥料、リン酸塩肥料成分、及び微量のカルシウム、マグネシウム金属等を混合して海中肥料とし、第二に此の遅効性混合肥料を前記養殖用幹綱、養成綱に種付けされた海藻胞子に自動的に施肥する様に構成する。
更に、斯くの如き施肥手段を、通常海藻養殖綱又は養殖施設に使用される浮子の一部又は浮子自体に設備し、此の手段から滲出又は放散される肥料成分の作用で海藻育成効果を向上さす様にした事を第三の特徴とする。
又、此の浮子自体は、上記した様に、通常の海藻、魚介養殖用に使用される種々な浮子を使用する事を原則とし、其の一部に多数の細孔を設けて内部に充填された肥料成分が徐々に滲出又は放散される様に構成するか、或いは浮子自体に肥料滲出又は放散自在の手段を係合又は懸垂して同等の効果を得る様にした事を第四の特徴とする。
他方、此の種浮子は、概して二分割可能の曲面体浮子として構成し、其の一部を海藻養殖用幹綱挿通開孔を設けると共に、其の分割一部分には、肥料収納用の細孔付空洞部を、他の部分には、浮子としての空洞部を設けるか発泡体を充填した空洞部を設けるかした上で、前記養殖幹綱に取り外し自在に装着する様に構成した事を第五の特徴とする。
更に又は、此れ等浮子は、場合に依っては、肥料を取り替えるか又は補充する必要も有るので、海藻養殖中に肥料収納部分が開閉自在に、又は肥料取り出し並びに補給自在に構成した事を第六の特徴とする。
斯くの如くして本考案の海藻養殖用浮子は、低クロロフィール海域(HNLC海城)でも有効に所望海藻を養殖する事ができると同時に、其の施肥効果は、養殖海藻のみに留まらず、其の海域の環境をも改善する。
例えば、其の養殖海域の海底が磯焼けの状態である場合には、滲出又は放散される肥料成分と海藻収穫後放棄される肥料残渣とは、此の区域の荒廃又はHNLC状態を改善して正常な藻場若しくは正常な海中環境に再生する事も可能である。
以下、本考案の種々な実施の態様を図面を参照して説明する。
図1に示す海藻養殖用球体浮子(1)は、概して合成樹脂例えばPVC樹脂、ABS樹脂、PE樹脂等より成る典型的な球体状のもので、発泡体例えばPVC発泡体(5)が充填されるか充填されざる半球体状の浮子部(2)と、此れに適当な手段で接合された細孔付半球体状肥料収納部(3)との組合体より成るものである。
この様な浮子(1)は又、其の中央部又は中央部上下近辺に、海藻養殖用幹綱(4)を挿通する開孔(4‘)を、前記肥料収納部(3)の適当箇所に、螺子付蓋(7)を備えた肥料(6)装入、排出用の開口(7’)を夫々備えると共に、適当な手段例えば雌雄螺子手段(s)(s‘)又は係止手段(11)(12)(図2参照)等で、其の浮子部及び肥料収納部(2)(3)を相互に接合して組み合わせ、海藻胞子の種付けされた前記養殖用幹綱(4)を前記開孔(4‘)に挿通して、最終的に図2に示す如く海中に敷設される。
核の如き球体浮子(1)に使用される海藻養殖用肥料は、上記した様に鉄鋼スラグを主成分とし、適当に処理して遅効性化された窒素肥料、リン酸塩肥料、微量のカルシウム、マグネシウム等を含む混合肥料より成り、此の養殖施設が敷設される前又は敷設された後、陸上又は海上何れかで前記肥料装入孔(7‘)(7“)から装入され、時を経るに従い細孔(6)(6)・・・から徐々にFe++,Ca++Mg++イオンとして、又窒素、燐酸塩として滲出又は放散して漂流し、幹綱(4)上に撚り込まれた胞子付け種糸(9)に施肥し、日時の経過と共に(10)に示す海藻幼体えと成長させる。
図3及び図4には、他の態様の浮子(1‘)及び(41)が示されている。
図3の浮子(1‘)は、上記した様に半球体状の浮子部(2’)と同形状の肥料収納部(3’)とより成る球体状の浮子であるが、図1の浮子とは、其の両半球体の接合手段が異なっている。
即ち、図3の浮子(1‘)は、半球体状の浮子部(2’)が同形状の肥料収納部(3’)と其の接合一端に於いてピン(p)によって相互に連結され、他端の一対の係合手段(11)(12)に依って矢印(f)方向に接合又は開離され、(6)で示される混合肥料を装入又は排出出来る様に構成されている。
更に又、図4及び図7の浮子(41)(71)は、前記球体状浮子(1)の材質とほぼ同様なものより成る一対のなまこ状半曲面体(42)(43)及び(72)(73)を、夫々の周縁部(44‘)(74’)に設けられた緊締手段(45)(75)で一体化し、海藻養殖幹綱(44)、(74)を挿通し、其の幹綱上に種糸胞子(44)(74)を撚り込んで、図1の浮子(1)と同様に養殖する様に構成されているが、球面体浮子(1)に比して強度の点でやや脆弱と考えられるので、補強リブ(46)(46)‥を敷設して補強される。
尚、内蔵する前記肥料は、夫々の細孔(48)・・・(78)・・・から徐々に海中に滲出又は放散して海藻を育成する事上記した通りである。
又、図6、図8及び図9の浮子(61)(81)(91)は、丸棒状浮子(61)及び球体状浮子(81)(91)の一部に袋、網、又は布状の収納部(739((93)(103)等の中に収納された肥料(76)(86)(96)を、例えば此れ等浮子表面に設けられた取り付け溝(66’)、懸垂環(86’)又は浮子上面(92)全体に夫々懸垂又は被覆垂下して、其の袋目(68)、網目(88)(98)から、図6及び図9に示す如く徐々に海中に滲出又は放散し、幹綱(64)(94)上の胞子(69)(89)(99)又は発芽幼体(7)(90)(100)に徐々に施肥して育成する。
此の時、波浪又は潮流に依る浮子の揺動又は振動は、肥料微粒子、又は成分の滲出又は放散に有功に作用する。
図10は、一本の幹綱(4)に所望数の本考案の浮子(1)(1)・・・を取り付け、尾根綱、(104)(104)…及びアンカー(A)(A)・・・・で所定海底に固定し、沈子(B)(B)で其の養殖探さを調節する様にした延縄式養殖施設(R)を示している。
此の施設は、沈子(B)(B)…の選定に依って調整綱(107)(107)を伸縮させて幹綱(4)の深度を決定する様にした浮沈式設備であり、此の調節により養殖海藻、施設等えの波浪の影響をある程度加減することが出来る。
勿論、浮子の寸法、数、換言すれば肥料の使用量は、施設の大きさ、海域のHNLC度、海藻の種類等に依っても異なるが、其の域内の海底が磯やけなどを起こしている場合には、大量に使用するのが好ましい。
又、上記の如き海藻養殖の基本型(延縄式又は暖簾式)を多数集合させた図11の施設即ち大型係留海藻養殖施設(RL)等では、多数の上記浮子(1)‥‥を使用しているので、此れ等浮子を海藻養殖肥料放散用に使用すれば、単に養殖海藻えの施肥だけに止まらず、最終的に海中放棄される此の肥料残渣に依り、此の海域の磯焼けを回復し、結果として新規な海中林の造成に極めて有功に作用する。
尚、図中符号(4)は幹網を、(6)は肥料成分を、(104)は尾根綱を、(A)はアンカーを夫々示している。
本考案の海藻養殖用球体浮子を示す一部切断正面図である。 図1の浮子を海藻養殖用幹綱に装着して、海藻を養殖する状態を示す切断正面図である。 本考案の他の態様の海藻養殖用球体浮子を示す正面作用図である。 本考案の他の態様のなまこ型浮子を示す平面図である。 図4の浮子の側面図である。 本考案の更に他の海藻養殖用丸棒状浮子及び其の海藻養殖状態を示す正面図である。 図4に示す海藻養殖用なまこ型浮子の他の実施態様を示す正面図である。 図1に示す海藻養殖用球体浮子の他の実施態様を示すと共に、其の海藻養殖状態を示す正面図である。 図1に示す海藻養殖用球体浮子の更に他の実施態様を示すと共に、その海藻養殖状態を示す正面図である。 本考案の浮子を使用した延縄式海藻養殖施設の施肥作用を示す説明図である。 本考案の浮子を、大型係留海藻養殖施設に使用した図10と同様な説明図である。
符号の説明
i 海藻養殖用球体浮子
2 半球体状浮子部
3 半球体状細孔付肥料収納部
4 幹綱
5 発泡体
6 肥料
7 肥料装入開口
8 細孔
9 胞子付けされた種糸
10 海藻幼体
本考案は、海藻養殖用浮子、特に昆布、わかめ、かじめ、ほんだわら等の海藻を養殖する設備用の浮子の作用と、此処で養殖される海藻に肥料栄養素を供給する手段としての作用とを備えた養殖用浮子に関する。
技術的背景
従来、海藻養殖特に昆布、わかめ、かじめ、ほんだわら等のロープ式、筏枠ロープ式、内湾、沖合い浮沈式等の養殖方式は、夫々の海藻胞子の種付けされた幹綱、養成綱等を浮子、アンカー、尾根綱、沈子等で海底に固定して人工栽培する方式であるが、陸上植物と同様に栽培する場所によっては、其の成長に必要な成長栄養素が不足する場合も有るので、それら肥料を補う必要があり、又不足していない場所でも、日々消費される此れ等栄養素を補給することは、其の品質並びに収穫量を向上さす為に重要な事柄である。
一般に、海藻も陸上植物とほぼ同様な栄養素を必要とするが、陸上植物の栄養吸収が根から行われるのと異なり、その殆どが葉体に依って海中での炭素同化作用で行われるものであるから、それに必要な栄養素、例えば窒素肥料成分、燐酸肥料成分、カルシウム、マグネシウム等の微量金属成分を海水中から常に接種する必要がある。
特に2価の鉄、マグネシウムイオンは、植物のクロロフィール合成上必須不可欠のものであるから、常に此れ等を補給する必要がある。
一方、鉄鋼製造時に排出されるスラグには、徐冷スラグ、水砕スラグを含む高炉スラグと、転炉、電気炉スラグより成る鉄鋼スラグとが有り、種々な製品例えばコンクリート用粗骨材、ロックウール原料、石灰肥料、セメントクリンカー、路盤材、土壌改善材、等再利用されているが、特に後者のスラグは、CaO、SiO2,MgO,FeOなどの成分を含有しているので、肥料並びに土壌改善材に有功に使用され、特に最近では、海藻用の肥料成分として注目されるに到っている。
従って、製鉄時に多量に排出する各種スラグの再利用は、製鉄産業成立の成否を左右する程であるので、上記の如く多方面に利用されるに至っている。
然しながら膨大な量のスラグを充分に利用し尽すまでには至っておらず、此れを海中に投棄して海水、海底の成分を改変し、海藻類の発生、繁茂を図らんとする等種々な試みが為されているが、未だ充分な成果を挙げるに至っていないのが実情である。
然しながら最近に至り、磯焼けした海岸或いは海藻不毛の磯等の砂地の中に、やし皮製の袋に充填したスラグを埋設施肥し、其の近辺一帯を昆布の養殖海中林に編成する事に成功した事例が一新聞に報ぜられるに至っている。
又一方、この様な海洋並びに海洋生物生産の制御に関し、1993年から2005年に亘って実施された東京大学の鉄散布実験から、次の如き3種の仮説が提唱されるまでに至っている。 即ち:
(1):南極海等の外洋高栄養塩−低クロロフィール(HNLC)海域に於ける植物プランクトンの成長と栄養塩利用は、鉄の不足によって制限される。
(2):HNLC海域に於ける一次生産量とポンプによる海洋表層から深層えの炭素輸送量は、海洋表層えの鉄の供給量によって制限される。
(3):大陸から大気経由でHNLC海域に供給される鉄の多寡は、海洋の生物ポンプによるCO2吸収能を制御し、大気中のCO2並びに地球の気候を変動させる要因となっている。
参考文献1
第2回東京大学の海研究「海から未来を考える」(2007年7月4刊行)
此の様な仮説並びに北太平洋亜寒帯域における同大学の鉄散布実験から、此の帯域のクロロフィール濃度の増大並びに海洋表層から深層えの有機炭素の移送率等の詳査に依り、スラグに含有される鉄イオンの海中植物又は植物プランクトンの成長えの関与は相当の影響力を持つ事が判明されるに至っている。
然しながら、実際の海藻養殖においては、前記した様に地上植物栽培と同様に窒素肥料、燐酸塩肥料、カルシウム、マグネシウム等の微量金属肥料も施肥する必要があるので、(1):番線を編んで作られた籠の中に、天然石、可溶性袋詰め魚粕等を充填し、敷設して藻場を造成したり、(2):此れ等成分の混合物を多孔性資材に組み込んで、其の効果が徐々に作用する遅効性養殖ブロックとして利用したり、(3):此れ等肥料の遅効性被覆物を海藻養殖綱に装着したり、或いは(4):この種肥料の収納された海藻養殖母材に、海藻胞子の種付けされた着床部材を装着して海中に沈め、前記母材から溶出する肥料成分で施肥養殖する様に構成した筏式養殖方式等が提案され、開示されるに至ってている。
特開2004−166513 特開平5−308871 特開平11−79876 特開平5−316689
此れ等従来の海藻養殖法並びに装置又は器具は、一応其の効果に於いて評価し得ると思われるが、製造、敷設、施肥の手間、其の難易度、価格、養殖海藻の生産率等について、全ての条件を満足させると思われる技術は見当たらず、特に広域並びに大量の海藻養殖又は広域の磯焼け改善方式、或いは此れ等方式用装置、施設としては不適当と思われる。
従って本考案は、此の様な従来技術の不備を改善すると共に、既存の器具、設備、又は材料を利用するか或いは若干改良するのみで、極めて効果的な海藻養殖手段特に海藻養殖用浮子を提供する事を課題とするものである。
課題を解決するための手段
上記課題を解決するために本考案に於いては、先ず第一に海藻養殖用の肥料成分の一つに、製鉄時に大量に副生する鉄鋼スラグを利用し、主として此の成分が水中で遊離するFe++イオンを海藻の炭素同化作用に利用し、第二に此のスラグのみでは不足する他の肥料成分例えば窒素、リン酸塩、並びに微量のカルシウム、マグネシウム金属等を遅効性肥料に変成して混合使用し、第三に、此れ等肥料を海中に徐々に滲出又は放散させる容器、器具又は手段として、既製の海藻養殖用施設に使用する浮子を、そのままで又は若干改良して利用する様に構成した事を特徴とするものである。
特に前記浮子は、其の半分を通常の養殖用浮子として使用する一方、他の半分を細孔つき部分として構成し、前記スラグ肥料成分を収納し且つ滲出又は放散させる容器として作用させると共に、此れ等両半分を容易に相互に分離するか開口する如く構成して、肥料装入及び排出を容易にした事を他の特徴とする。
斯くの如く構成された一対の半球体又は半曲面体浮子は、夫々の接合部分又は何れか一方の曲面体部分に一個の貫通孔を備え、此の開孔を通じて一本の幹綱を貫通し、此の幹綱上に養殖海藻胞子を種付けした別のロープを撚り込むか又は挿し込んで種付け綱として使用している。
従って、此れ等浮子間を連通する幹綱上の胞子には、前記浮子下部の肥料収納部分から滲出又は放散される各種肥料成分が波動、潮流と共に供給され、又当該胞子から発芽した海藻幼体には、海中に滲出又は放散して漂う肥料成分が徐々に作用して其の成長を助成する。
勿論、此等の浮子は、其の全体を通常の浮子として構成し、その下部半分、或いは其の全体に別途の容器、布体、網体、等に充填した肥料成分を懸垂し又は連結して、此れ等懸垂体から徐々に各肥料成分が滲出又は放散して、養殖海藻に施肥する様に構成する事も可能である。
更に又、本考案の浮子は、此れを連通する幹綱のみを利用する延縄式又は暖簾式海藻養殖方式ばかりでなく、此の幹綱に養成綱、尾根綱及びアンカー並びに沈子等を敷設した大型の海藻養殖係留施設にも大量に利用し、効率よく大量の海藻を養殖する一方、大量のスラグを有効にリサイクルすると共に、海藻収穫後には此れ等浮子内の使用済み肥料成分をその場で海底に放棄し、残存する肥料並びにスラグ成分により、其の海域又は海底の海藻又はクロロフィールを育成し、増殖させて、其の区域の磯焼け等を回復させる様に配慮する。
考案の効果
斯くの如き構成並びに作用に依って、本考案の海藻養殖用浮子は、構造簡単に比して以下の如き優れた諸効果を備えている。
(1):多量に副成する鉄鋼スラグを継続的に直接海藻養殖用肥料として再利用出来る。
(2):前記鉄鋼スラグの養殖海藻えの施肥器具又は手段として、通常海藻養殖器具又は施設に使用する浮子が利用出来るので経済的である。
(3):此の浮子は、従来型の曲面体の浮子の一部を改良すれば良いので、従来の製造金型を使用することが出来て経済的である。
(4):浮子中に仕込まれた肥料部分は、必要に応じて新しく取り替えるか又は放棄する事が出来るので、此の取替えられ、放棄された古い肥料は、残存する肥料成分で海底の磯焼け部分を肥沃に回復し、藻場、海中林を再生する。
(5)::浮子の肥料容器部から滲出又は放散する鉄成分及び肥料成分は、水中でイオン化して波浪及び潮流に依り広範囲に四散して、徐徐ながらも多くの海藻の養分として吸収される。
(6)::単なる幹綱養殖のみに限らず、養成綱を備えた大型係留施設にも利用して効率的に大量のスラグを使用し、大量の海藻を生産する事が出来る。
(7):海藻養殖施設の形成、養殖海藻の取り入れが従来方式に比し容易である。
斯くの如き考案の効果を達成するための最良の形態は、先ず第一に養殖海藻の必須肥料成分の鉄成分を、鉄鋼製造時副生するスラグから提供すると共に、此の主成分に遅効性化された他の肥料成分例えば窒素肥料、リン酸塩肥料成分、及び微量のカルシウム、マグネシウム金属等を混合して海中肥料とし、第二に此の遅効性混合肥料を前記養殖用幹綱、養成綱に種付けされた海藻胞子に自動的に施肥する様に構成する。
更に、斯くの如き施肥手段を、通常海藻養殖綱又は養殖施設に使用される浮子の一部又は浮子自体に設備し、此の手段から滲出又は放散される肥料成分の作用で海藻育成効果を向上さす様にした事を第三の特徴とする。
又、此の浮子自体は、上記した様に、通常の海藻、魚介養殖用に使用される種々な浮子を使用する事を原則とし、其の一部に多数の細孔を設けて内部に充填された肥料成分が徐々に滲出又は放散される様に構成するか、或いは浮子自体に肥料滲出又は放散自在の手段を係合又は懸垂して同等の効果を得る様にした事を第四の特徴とする。
他方、此の種浮子は、概して二分割可能の曲面体浮子として構成し、其の一部を海藻養殖用幹綱挿通開孔を設けると共に、其の分割一部分には、肥料収納用の細孔付空洞部を、他の部分には、浮子としての空洞部を設けるか発泡体を充填した空洞部を設けるかした上で、前記養殖幹綱に取り外し自在に装着する様に構成した事を第五の特徴とする。
更に又は、此れ等浮子は、場合に依っては、肥料を取り替えるか又は補充する必要も有るので、海藻養殖中に肥料収納部分が開閉自在に、又は肥料取り出し並びに補給自在に構成した事を第六の特徴とする。
斯くの如くして本考案の海藻養殖用浮子は、低クロロフィール海域(HNLC海域)でも有効に所望海藻を養殖する事ができると同時に、其の施肥効果は、養殖海藻のみに留まらず、其の海域の環境をも改善する。
例えば、其の養殖海域の海底が磯焼けの状態である場合には、滲出又は放散される肥料成分と海藻収穫後放棄される肥料残渣とは、此の区域の荒廃又はHNLC状態を改善して正常な藻場若しくは正常な海中環境に再生する事も可能である。
以下、本考案の種々な実施の態様を図面を参照して説明する。
図1に示す海藻養殖用球体浮子(1)は、概して合成樹脂例えばPVC樹脂、ABS樹脂、PE樹脂等より成る典型的な球体状のもので、発泡体例えばPVC発泡体(5)が充填されるか充填されざる半球体状浮子部(2)と、此れに適当な手段で接合された細孔付半球体状肥料収納部(3)との組合体より成るものである。
この様な浮子(1)は又、其の中央部又は中央部上下近辺に、海藻養殖用幹綱(4)を挿通する開孔(4‘)を、前記肥料収納部(3)の適当箇所に、螺子付蓋(7)を備えた肥料(6)装入、排出用の開口(7’)を夫々備えると共に、適当な手段例えば雌雄螺子手段(s)(s‘)又は係止手段(11)(12)(図2参照)等で、其の浮子部及び肥料収納部(2)(3)を相互に接合して組み合わせ、海藻胞子の種付けされた前記養殖用幹綱(4)を前記開孔(4‘)に挿通して、最終的に図2に示す如く海中に敷設される。
斯くの如き球体浮子(1)に使用される海藻養殖用肥料は、上記した様に鉄鋼スラグを主成分とし、適当に処理して遅効性化された窒素肥料、リン酸塩肥料、微量のカルシウム、マグネシウム等を含む混合肥料より成り、此の養殖施設が敷設される前又は敷設された後、陸上又は海上何れかで前記肥料装入孔(7‘)(7“)から装入され、時を経るに従い細孔(6)(6)・・・から徐々にFe++,Ca++Mg++イオンとして、又窒素、燐酸塩として滲出又は放散して漂流し、幹綱(4)上に撚り込まれた胞子付け種糸(9)に施肥し、日時の経過と共に(10)に示す海藻幼体えと成長させる。
図3及び図4には、他の態様の浮子(1‘)及び(41)が示されている。
図3の浮子(1‘)は、上記した様に半球体状の浮子部(2’)と同形状の肥料収納部(3’)とより成る球体状の浮子であるが、図1の浮子とは、其の両半球体の接合手段が異なっている。
即ち、図3の浮子(1‘)は、半球体状の浮子部(2’)が同形状の肥料収納部(3’)と其の接合一端に於いてピン(p)によって相互に連結され、他端の一対の係合手段(11)(12)に依って矢印(f)方向に接合又は開離され、(6)で示される混合肥料を装入又は排出出来る様に構成されている。
更に又、図4及び図6の浮子(41)(71)は、前記球体状浮子(1)の材質とほぼ同様なものより成る一対のなまこ状半曲面体(42)(43)及び(72)(73)を、夫々の周縁部(44‘)(74’)に設けられた緊締手段(45)(75)で一体化し、海藻養殖幹綱(44)、(74)を挿通し、其の幹綱上に種糸胞子(49)(79)を撚り込んで、図1の浮子(1)と同様に養殖する様に構成されているが、球面体浮子(1)に比して強度の点でやや脆弱と考えられるので、補強リブ(46)(46)‥を敷設して補強される。
尚、内蔵する前記肥料は、夫々の細孔(48)・・・(78)・・・から徐々に海中に滲出又は放散して海藻を育成する事上記した通りである。
又、図7及び図8の浮子(81)(91)は、夫々の一部に袋、網、又は布状の 収納部(93)(103)等の中に収納された肥料(86)(96)を、例えば此れ等浮子表面に設けられた懸垂環(85)又は浮子上面(92)全体に夫々懸垂又は被覆垂下して、其の網目(88)(98)から、図9に示す様に徐々に海中に滲出又は放散し、幹綱(84)(94)上の胞子(89)(99)又は発芽幼体(90)(100)に徐々に施肥して育成する。
此の時、波浪又は潮流に依る浮子の揺動又は振動は、肥料微粒子、又は成分の滲出又は放散に有功に作用する。
図9は、一本の幹綱(4)に所望数の本考案の浮子(1)(1)・・・を取り付け、尾根綱、(104)(104)・・・及びアンカー(A)(A)・・・・で所定海底(P)に固定し、沈子(B)(B)で其の養殖深さを調節する様にした延縄式養殖施設(R)を示している。
此の施設は、沈子(B)(B)・・・の選定に依って調整綱(107)(107)を伸縮させて幹綱(4)の深度を決定する様にした浮沈式設備であり、此の調節により養殖海藻、施設等への波浪の影響をある程度加減することが出来る。
勿論、浮子の寸法、数、換言すれば肥料の使用量は、施設の大きさ、海域(S)のHNLC度、海藻の種類等に依っても異なるが、其の域内の海底が磯やけなどを起こしている場合には、大量に使用するのが好ましい。
又、上記の如き海藻養殖の基本型(延縄式又は暖簾式)を多数集合させた図10の施設即ち大型係留海藻養殖施設(RL)等では、多数の上記浮子(1)‥‥を使用しているので、此れ等浮子を海藻養殖肥料放散用に使用すれば、単に養殖海藻えの施肥だけに止まらず、最終的に海中放棄される此の肥料残渣に依り、此の海域(S)の磯焼けを回復し、結果として新規な海中林の造成に極めて有功に作用する。
尚、図中符号(4)は幹網を、(6)は肥料成分を、(104)は尾根綱を、(A)はアンカーを夫々示している。
本考案の海藻養殖用球体浮子を示す一部切断正面図である。 図1の浮子を海藻養殖用幹綱に装着して、海藻を養殖する状態を示す切断正面図である。 本考案の他の態様の海藻養殖用球体浮子を示す正面作用図である。 本考案の他の態様のなまこ型浮子を示す平面図である。 図4の浮子の側面図である。 図4に示す海藻養殖用なまこ型浮子の他の実施態様を示す正面図である。 図1に示す海藻養殖用球体浮子の他の実施態様を示すと共に、其の海藻養殖状態を示す正面図である。 図1に示す海藻養殖用球体浮子の更に他の実施態様を示すと共に、その海藻養殖状態を示す正面図である。 本考案の浮子を使用した延縄式海藻養殖施設の施肥作用を示す説明図である。 本考案の浮子を、大型係留海藻養殖施設に使用した図9と同様な説明図である。
符号の説明
1 海藻養殖用球体浮子
2 半球体浮子部
3 半球体状細孔付肥料収納部
4 幹綱
5 発泡体
6 肥料
7 肥料装入開口
8 細孔
9 胞子付けされた種糸
10 海藻幼体

Claims (13)

  1. 一方が浮子の作用を、他方が海藻栄養素供給源の作用を行う一対の合成樹脂製半曲面体より成り、此れ等半曲面体の組合せ境界面上又は其の近辺には、養殖されるべき海藻胞子を種付けした幹綱を挿通する開孔が、又前記海藻栄養素供給源半曲面体表面には、当該栄養素放散用の細孔が夫々開通されている事を特徴とする海藻養殖用浮子。
  2. 前記浮子部は空洞とされているか、或いは発泡体が充填されているかすると共に、前記海藻栄養素供給源部は、当該栄養素を装入し且つ排出する蓋付開口を備えている事を特徴とする請求項1記載の海藻養殖用浮子。
  3. 前記一対の半曲面体が、共に空洞である半球体か又は一方が発泡体充填半球体であることを特徴とする請求項1又は2何れか一項に記載の海藻養殖用浮子。
  4. 前記浮子部並びに海藻栄養素供給源部の接合面縁部に、両者接合用の雌雄何れかの螺子が切削されている事を特徴とする請求項1乃至3何れか一項に記載の海藻養殖用浮子。
  5. 前記浮子部と海藻栄養素供給源部とが、夫々の一側に於いて枢着されると共に、其の対向側は適当手段で相互に解離自在に係止されている事を特徴とする請求項1乃至3何れか一項に記載の海藻養殖用浮子。
  6. 前記浮子及び海藻栄養供給源部が、共に一対のなまこ状半曲面体の形状を呈し、夫々の四隅部に両者螺合用の開口を、又夫々の背部には所望数の耐水圧用ひれ部を備えている事を特徴とする請求項1記載の海藻養殖用浮子。
  7. 前記浮子部及び海藻栄養素供給源部が、共に一対のなまこ状半曲面体状を呈し、夫々の接合面全周縁に所定幅の鍔部と両者螺合密着用の所望数の開孔とを備えている事を特徴とする請求項1記載の海藻養殖用浮子。
  8. 前記浮子部が、その中央部に前記海藻胞子を種付けした幹綱を掻通する開孔を、其の表面に数条の溝部を備えた丸棒状浮子より成り、前記溝部に袋体、網体又は布体内に装入された海藻栄養素を、紐又はロープ等で懸垂して海中に放散する如く構成した事を特徴とする海藻養殖用浮子。
  9. 内部が空洞状に形成されるか、若しくは気泡体で充填されるかすると共に、海藻胞子種付け幹綱挿通用開孔を備えている一対の半曲面体より成る一個の曲面体浮子部と、海藻栄養素を内包した袋体、網体又は布体とを、一体的に前記曲面体浮子部に係合懸垂して、前記栄養素を海中に進出又は放散する如く構成した事を特徴とする海藻養殖用浮子。
  10. 一対の空洞曲面体若しくは一対の気泡体充填曲面体又は此れ等両者を組合せた曲面体よりなると共に、海藻胞子種付け幹綱挿通用開孔をも備えた海草養殖用浮子と、海藻栄養素を内包する袋体、網体又は布体とを、前者の曲面を後者が覆う様に懸垂装着して一体化し、前記栄養素を海中に滲出又は放散する如く構成した事を特徴とする海藻養殖用浮子。
  11. 一方が浮子の作用を、他方が海藻栄養素供給源の作用を行う一対の合成樹脂製半曲面体より成る多数の海藻養殖用浮子を、調整綱を介して養殖海藻胞子を種付した幹綱に装着し、所定数のアンカーで海底に固定敷設した事を特徴とする延縄式又は暖簾式海藻養殖施設。
  12. 一方が浮子の作用を、他方が海藻栄養素供給源の作用を行う一対の合成樹脂製半曲面体より成る多数の海藻養殖用浮子を、調整綱を介して養殖海藻胞子を種付けした多数の養成綱を含む幹綱に装着し、所望数の尾根綱、アンカー及び沈子を介して海底に固定敷設した事を特徴とする大型係留海藻養殖施設。
  13. 前記海藻栄養素が、主として鉄鋼スラグ、窒素肥料成分、燐酸肥料成分、及び微量のカルシウム、マグネシウム等の金属を包含する事を特徴とする請求項1乃至12何れか一項に記載の海藻養殖用浮子。
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