JP3141865U - 生体試料保存用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】完全密封することが可能であり、内容物の漏れや外部からの侵入の可能性を完全に除去することができるため、試料に細菌やウイルス等の混入や汚染は保存中に起きない。またその取り扱いに際し、漏れに起因する危険性もない。
【解決手段】生体試料を保存するための容器1は、底部4、該底部に接する下部円筒部3及び外部に開放する上部円筒部2からなり、これらは同じプラスチック材料から成る一体成形物である。サンプルを内容するためのチューブ部分と封止部分とを同じ材料で作製し、これらの間の形状や肉厚などの差をできるだけ少なくすることにより、保管時の温度変化などに対して、これらの結合部分における内容物の漏れや外部からの侵入の可能性を完全に除去することを可能にした。
【選択図】図1

Description

本考案は、生体試料を保存するための容器に関する。
細胞や組織を保存するための容器として透明プラスチック製のチューブに蓋を付けたセラムチューブ、クライオチューブ、フローズバッグなどが市販されており、また、これらを改善するために容器本体にフィルム状の封止部分を結合させた保存容器が開発されている(特許文献1)。
特開2007−161307
従来一般に細胞の冷凍保存に使われているセラムチューブ等は、スクリューキャップ(ネジ蓋)構造であるため、液体および気体の流出又は流入の危険性があった。特に、サンプルが液体窒素保管中に他のサンプルや液体窒素からウイルスやマイコプラズマ等のバクテリアに汚染される危険性があった。更に、液体窒素保存後にチューブを開封する時に、温度差や圧力差あるいは液体窒素の混入によって溶液サンプルが吹き出したり漏れたりすることがあり使用者に危険性があった。
また、これらを改善するため、蓋の代わりに融着しやすい材料で作成した封止部分をチューブに接着するような構造(特許文献1)においても、接着面からの漏れの可能性を完全に防ぐことは困難であり。また保管中に接着面が破損するなどの不具合の可能性もあった。
サンプルを入れるためのチューブ部分と封止部分とを同じ材料で作製し、これらの間の形状や肉厚などの差をできるだけ少なくすることにより、保管時の温度変化などに対して、これらの結合部分における内容物の漏れや外部からの侵入の可能性を完全に除去することを可能にした。
即ち、本考案は、底部、該底部に連結する下部円筒部及び開口部を有する上部円筒部からなる容器であって、これらは同じプラスチック材料から成る一体成形物であり、該底部は該上部及び下部円筒部が上になるように直立できるような形状を有し、下部円筒部及び上部円筒部の内径の差が10%以内であり、底部、下部円筒部及び上部円筒部の外径の差が10%以内であり、下部円筒部は形状保持に十分な肉厚を有し、上部円筒部は下部円筒部より小さな肉厚を有しかつ熱融着できるに十分な柔軟性を有することを特徴とする生体試料保存用容器である。
本考案の生体試料保存用容器は、完全密封することが可能であり、内容物の漏れや外部からの侵入の可能性を完全に除去することができるため、試料に細菌やウイルス等の混入や汚染は保存中に起きない。またその取り扱いに際し、漏れに起因する危険性もない。
この容器は、その形状や肉厚の変化を極力抑えてあるので、保管時の温度変化などに対して、これらの結合部分における内容物の漏れや外部からの侵入の可能性を完全に除去することができる。また、このような単純な形状であるので、極めて簡単な一体成形で大量生産することができるので、製造コストの大幅削減が可能である。
またこの容器は、円筒形で立脚できる構造であるので、サンプルの出し入れが容易にでき、シールも容易にでき、箱形の保存容器に大量に省スペースに保管できる。また、従来のセラムチューブラック等に入れてサンプルが保管もできる。
また容器のサイズを適宜変えることにより、少量の浮遊細胞から、比較的大きな組織片の保存にも使用することができる。
本考案の生体試料保存用容器は、生体試料を保存するための容器である。
この生体試料とは、一般的なヒトを含む動物細胞株(付着細胞、浮遊細胞)、一次培養細胞、ヒトを含む動物細胞組織や臓器の一部、バクテリアを含む下等生物などあらゆる細胞を指すが、特に、体性(組織)幹細胞、幹細胞を含む組織や細胞分画、血液・骨髄・臍帯血細胞(又は、有核細胞や分画した細胞)、角膜又はその上皮細胞、歯(智歯、小臼歯、大臼歯、乳歯、歯胚など)、精子、卵子、羊膜又はその細胞、ES細胞、iPS細胞、胚由来細胞など、再生医療に利用される細胞や組織を主にいうが、これらに限定されるわけでなく、動物の細胞株や一次培養細胞、菌類、バクテリア、ウイルス、植物細胞などあらゆる生物試料を含む。
この容器の容量は、使用目的により、通常0.5〜6mlである。
本考案の生体試料保存用容器は、底部4、該底部に連結する下部円筒部3及び外部に対し開口部5を有する上部円筒部2からなる。その構造の一例を図1に示し、いくつかの断面例を図2に示す。その各構成部分の形状や大きさは内容物や使用条件に大きく依存するため、一概には規定できないが、以下一般的形状について説明するが、本考案に容器をこれらに限定する意図ではない。
底部4は、この容器の底を成すものであり、上部及び下部円筒部が上になるように直立できるような形状を有する。このような形状は、このような目的に沿えばいかなる形状でもよく、そのいくつかの例は図1と2に示される。また、底部は、その上部に連結する下部円筒部と外観や外径をほぼ同じとすることが好ましい。その肉厚は、図2Aに示すように、下部円筒部の肉厚よりも厚くてもよいが、図2BやCに示すように、肉厚を厚くせずに上記目的を達することも可能である。底部の長さは通常3〜10mmである。
下部円筒部3は、容器が直立した際には、底部4の上部に位置する。下部円筒部は、容器としての機能を持つために形状保持に十分な肉厚を有する。そのような肉厚は好ましくは0.8〜1.4mm、より好ましくは1.0〜1.3mmである。下部円筒部の外径と長さは、容器の容量に依存するが、通常それぞれ9〜28mmと15〜35mm、好ましくは25〜30mmである。
上部円筒部2は外部に解放された開口部5を有する。上部円筒部を熱融着して、容器1を密封する。そのため、上部円筒部は下部円筒部より小さな肉厚を有し、かつ熱融着できるに十分な柔軟性を有する必要がある。その肉厚は好ましくは0.2〜0.8mm、より好ましくは0.3〜0.6mmである。
また、上部円筒部の外径は、下部円筒部の外径に対して同じ又はより小さく、長さは、熱融着作業をするに十分な長さがあればよく、例えば、10〜20mmである。
熱融着は、通常150℃〜250℃で数秒の加熱により行なわれる。その方法に特に制限はなく、例えば、熱、超音波、高周波等を用いたシーラーなどが挙げられる。
本発明の容器は、底部4、上部円筒部2及び下部円筒部3がほぼ一定の内径又は外径を持つことが好ましい。
底部、下部円筒部及び上部円筒部の外径の差は(それぞれ互いに)10%以内であり、その外径は9〜27mmの範囲内である。
また、下部円筒部及び上部円筒部の内径の差は(それぞれ互いに)10%以内である。
下部円筒部3と上部円筒部2はその肉厚が異なるが、その肉厚が急激に変化することは、使用条件、例えば急激な温度変化があるような状況を考えると、好ましくない。そのため、下部円筒部3から上部円筒部2にかけて肉厚を徐々に小さくすることが好ましい。
上部円筒部と下部円筒部の結合部の内径と外径は、下部円筒部及び上部円筒部のそれぞれの内径及び外径の中間にあるようにする。
容器1を構成する、底部4、下部円筒部3、及び上部円筒部2は、同じプラスチック材料から成る一体成形物である。
このプラスチック材料は上記目的にあるものであればいかなるものを用いてもよいが、超高分子ポリエチレン(HMWPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)が好ましい。
また成形方法としては、射出成形法やブロー成形法が適している。
本考案の生体試料保存用容器は、直立に立てるか又は支持体に設置した状態で、開口部から生体試料を入れる。通常、試料は下部円筒部に収まるように入れる。その後、上部円筒部を熱溶着する。その際、容器内部に空気が入らないようにしてもよいし、窒素などの不活性気体を封入してもよい。徐々に冷却する方法、ガラス化法を含む急速冷却法など如何なる方法で冷却しても良く、−70〜−160℃の冷凍庫、あるいは液体窒素中に保存する。保存期間はその使用目的にもよるが通常1日〜30年程度であるが、永久的に保存することも可能である。保存後、保存試料を取り出す際には、急速に容器全体を37℃等の温水などを用いて試料を溶解又は試料に溶解液を加えて溶解し、容器上部を滅菌状態でハサミ等を用いて開封し試料を取り出す。
本考案の生体試料保存用容器の構造の一例を示す図である。 本考案の生体試料保存用容器の断面例を示す図である。
符号の説明
1 生体試料保存用容器
2 上部円筒部
3 下部円筒部
4 底部
5 開口部

Claims (2)

  1. 底部、該底部に連結する下部円筒部及び開口部を有する上部円筒部からなる容器であって、これらは同じプラスチック材料から成る一体成形物であり、該底部は該上部及び下部円筒部が上になるように直立できるような形状を有し、下部円筒部及び上部円筒部の内径の差が10%以内であり、底部、下部円筒部及び上部円筒部の外径の差が10%以内であり、下部円筒部は形状保持に十分な肉厚を有し、上部円筒部は下部円筒部より小さな肉厚を有しかつ熱融着できるに十分な柔軟性を有することを特徴とする生体試料保存用容器。
  2. 前記プラスチック材料が超高分子ポリエチレン又は高密度ポリエチレンであり、前記底部、下部円筒部及び上部円筒部の外径が9〜27mmであり、前記下部円筒部の肉厚が0.8〜1.4mmであり、前記上部円筒部の肉厚が0.2〜0.8mmであり、前記容器の内容量が0.5〜6mlである請求項1に記載の容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011215078A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Maxell Seiki Kk マイクロチューブ、およびマイクロチューブにおけるicチップの封止方法

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