JP3141453B2 - 機械式増幅器 - Google Patents
機械式増幅器Info
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- JP3141453B2 JP3141453B2 JP03279369A JP27936991A JP3141453B2 JP 3141453 B2 JP3141453 B2 JP 3141453B2 JP 03279369 A JP03279369 A JP 03279369A JP 27936991 A JP27936991 A JP 27936991A JP 3141453 B2 JP3141453 B2 JP 3141453B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機械式の増幅器に関する
ものである。
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から微小な電圧を増幅するために種
々の増幅器が利用されている。その中で動作原理が非常
に簡単で、低雑音の増幅器として知られているのがパラ
メトリック増幅器である。パラメトリック増幅器はポン
ピング信号として入力信号のほかに、高周波の信号を利
用して増幅を行うことに特徴がある。図6に従来の半導
体式のパラメトリック増幅器の構造を示す。図6に示さ
れた通り、構造は非常に簡単でP型半導体51とN型半
導体53を接合しPN接合52を設けたものである。一
般に半導体のPN接合領域は、空乏層と言われる絶縁領
域があり、この距離は電圧を接合に加えていないときは
半導体に含まれている不純物の濃度によって決定され
る。不純物の濃度に依存すると言うことは、半導体中の
キャリア量に依存することと等価であるので、PN接合
にバイアス電圧を加えてキャリア濃度を変調すれば、空
乏層の幅を変化させることが可能となる。PN二つの半
導体は単純に2つの電極と見ることが出来、絶縁的な性
質をもつ空乏層を挟んでコンデンサを形成している。よ
って、PN接合は可変容量のコンデンサである。そこ
で、最初に空乏層の幅が最小になるようにPN接合にバ
イアス電圧を加えておき、そこに、信号電荷を重乗させ
る。次に信号線をPN接合から切り放し、今度は空乏層
の幅が最大になるようにPN接合をバイアスする。コン
デンサの容量とその両端の電圧は蓄積電荷が変化しない
場合には、反比例の関係にあるため、電極を広げるため
に加えられたエネルギーに相当する分、信号電圧が増幅
される。最後にこの信号電圧を外部に取り出すために信
号出力線に接続を行い、出力電圧を得る。通常のパラメ
トリック動作ではポンピングに利用した周波数が出力電
圧に重乗するためフィルターを利用してこれを取り除
く。又、入出力電圧を自動的に分離するために入力出力
ダイオードを付加することもある。
々の増幅器が利用されている。その中で動作原理が非常
に簡単で、低雑音の増幅器として知られているのがパラ
メトリック増幅器である。パラメトリック増幅器はポン
ピング信号として入力信号のほかに、高周波の信号を利
用して増幅を行うことに特徴がある。図6に従来の半導
体式のパラメトリック増幅器の構造を示す。図6に示さ
れた通り、構造は非常に簡単でP型半導体51とN型半
導体53を接合しPN接合52を設けたものである。一
般に半導体のPN接合領域は、空乏層と言われる絶縁領
域があり、この距離は電圧を接合に加えていないときは
半導体に含まれている不純物の濃度によって決定され
る。不純物の濃度に依存すると言うことは、半導体中の
キャリア量に依存することと等価であるので、PN接合
にバイアス電圧を加えてキャリア濃度を変調すれば、空
乏層の幅を変化させることが可能となる。PN二つの半
導体は単純に2つの電極と見ることが出来、絶縁的な性
質をもつ空乏層を挟んでコンデンサを形成している。よ
って、PN接合は可変容量のコンデンサである。そこ
で、最初に空乏層の幅が最小になるようにPN接合にバ
イアス電圧を加えておき、そこに、信号電荷を重乗させ
る。次に信号線をPN接合から切り放し、今度は空乏層
の幅が最大になるようにPN接合をバイアスする。コン
デンサの容量とその両端の電圧は蓄積電荷が変化しない
場合には、反比例の関係にあるため、電極を広げるため
に加えられたエネルギーに相当する分、信号電圧が増幅
される。最後にこの信号電圧を外部に取り出すために信
号出力線に接続を行い、出力電圧を得る。通常のパラメ
トリック動作ではポンピングに利用した周波数が出力電
圧に重乗するためフィルターを利用してこれを取り除
く。又、入出力電圧を自動的に分離するために入力出力
ダイオードを付加することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体式のパラ
メトリック増幅器においては、1つのPN接合を増幅に
利用しコンデンサ容量を変調するために利用されるバイ
アス電荷と信号電荷が同一の電極上に混在するため、入
力信号を与える場合および出力信号を得る場合に両者の
差を求めるための工夫をする必要があった。また、以前
よりマイクロメカニクスとよばれる微小機械要素を製造
する研究が行われているが、従来の機械をマイクロメー
タオーダーに小さくした機械要素は作られているが、機
械要素が電気的な増幅作用を持つような素子は全く考え
られていなかった。このため、従来の素子と同様に、電
気信号の増幅を行う場合には半導体の素子を同居させる
必要があった。
メトリック増幅器においては、1つのPN接合を増幅に
利用しコンデンサ容量を変調するために利用されるバイ
アス電荷と信号電荷が同一の電極上に混在するため、入
力信号を与える場合および出力信号を得る場合に両者の
差を求めるための工夫をする必要があった。また、以前
よりマイクロメカニクスとよばれる微小機械要素を製造
する研究が行われているが、従来の機械をマイクロメー
タオーダーに小さくした機械要素は作られているが、機
械要素が電気的な増幅作用を持つような素子は全く考え
られていなかった。このため、従来の素子と同様に、電
気信号の増幅を行う場合には半導体の素子を同居させる
必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁層の上に
信号電極と駆動電極を離して設け、両電極と相対する可
動電極を設け、信号電極に信号を入力し信号電極と可動
電極で構成されるコンデンサに信号電荷を蓄えた後信号
電極を入力から絶縁し、可動電極と信号電極の間隔を大
きくするよう駆動電極をバイアスして入力信号を増幅す
ることを特徴とした機械式増幅器である。信号電極と反
対側にストッパを設けることで可動電極の可動範囲を制
限してもよい。
信号電極と駆動電極を離して設け、両電極と相対する可
動電極を設け、信号電極に信号を入力し信号電極と可動
電極で構成されるコンデンサに信号電荷を蓄えた後信号
電極を入力から絶縁し、可動電極と信号電極の間隔を大
きくするよう駆動電極をバイアスして入力信号を増幅す
ることを特徴とした機械式増幅器である。信号電極と反
対側にストッパを設けることで可動電極の可動範囲を制
限してもよい。
【0005】また駆動電極を可動電極の両側に配置すれ
ば同極性のバイアス電圧ですむ。可動電極の信号電極に
相対する部分と駆動電極に相対する部分とが互いに絶縁
されていてもよい。また信号電極とは別に入力電極を設
け、この入力電極と相対する可動電極上に導体層を設
け、入力電極とこの導体層とで入力スイッチを構成す
る、あるいは可動電極を介して入力電極と反対側に出力
電極を設け、この出力電極と相対する可動電極上に導体
層を設け、出力電極とこの導体層とで出力スイッチを構
成するようにしてもよい。また駆動電極の周囲を取り囲
んで信号電極を設けてもよい。
ば同極性のバイアス電圧ですむ。可動電極の信号電極に
相対する部分と駆動電極に相対する部分とが互いに絶縁
されていてもよい。また信号電極とは別に入力電極を設
け、この入力電極と相対する可動電極上に導体層を設
け、入力電極とこの導体層とで入力スイッチを構成す
る、あるいは可動電極を介して入力電極と反対側に出力
電極を設け、この出力電極と相対する可動電極上に導体
層を設け、出力電極とこの導体層とで出力スイッチを構
成するようにしてもよい。また駆動電極の周囲を取り囲
んで信号電極を設けてもよい。
【0006】
【作用】ここでは駆動力に静電気力を利用した場合を例
として本発明の原理を説明する。最初に信号電極と可動
電極の間隔が可動範囲内で最小になるように駆動電極に
バイアス電圧を加えておき、信号電極に、信号電荷を入
力する。次に信号電極を入力から切り放し、今度は間隔
が可動範囲内で最大になるように駆動電極をバイアスす
る。コンデンサの容量と電圧は蓄積電荷が一定の場合に
は、反比例の関係(Q=CV)にあるため、電極を引き
離すために利用されたエネルギーが電荷に蓄えられ電圧
が増幅される。最後にこの増幅された信号電圧を外部に
取り出すために信号出力線に接続を行い、出力電圧を得
る。これら一連の動作は、一種のサンプリング過程と考
えられ同期信号にあわせて行われるため、その同期信号
に対応する周波数特性を有するパラメトリック増幅器が
構成される。本発明の機械式のパラメトリック増幅器で
は、前述の半導体式に比べた著しい相違は、信号の増幅
に使用される信号電極とコンデンサの容量を変化させる
ために利用される駆動電極が全く異なっていることであ
る。つまり、信号電極と可動電極で構成されたコンデン
サに自由に信号電荷のみが行き来し、駆動電極と可動電
極で構成された別のコンデンサを利用して静電力を発生
し、この2組のコンデンサの電極の間隔を変化させる仕
組みになっている。また増幅器への信号入力は増幅に用
いる可動電極の動きにあわせて行うことができる。例え
ば、可動電極の一部分にスイッチを設けることによっ
て、可動電極の動きにあわせて信号の出入力の切り替え
が可能である。
として本発明の原理を説明する。最初に信号電極と可動
電極の間隔が可動範囲内で最小になるように駆動電極に
バイアス電圧を加えておき、信号電極に、信号電荷を入
力する。次に信号電極を入力から切り放し、今度は間隔
が可動範囲内で最大になるように駆動電極をバイアスす
る。コンデンサの容量と電圧は蓄積電荷が一定の場合に
は、反比例の関係(Q=CV)にあるため、電極を引き
離すために利用されたエネルギーが電荷に蓄えられ電圧
が増幅される。最後にこの増幅された信号電圧を外部に
取り出すために信号出力線に接続を行い、出力電圧を得
る。これら一連の動作は、一種のサンプリング過程と考
えられ同期信号にあわせて行われるため、その同期信号
に対応する周波数特性を有するパラメトリック増幅器が
構成される。本発明の機械式のパラメトリック増幅器で
は、前述の半導体式に比べた著しい相違は、信号の増幅
に使用される信号電極とコンデンサの容量を変化させる
ために利用される駆動電極が全く異なっていることであ
る。つまり、信号電極と可動電極で構成されたコンデン
サに自由に信号電荷のみが行き来し、駆動電極と可動電
極で構成された別のコンデンサを利用して静電力を発生
し、この2組のコンデンサの電極の間隔を変化させる仕
組みになっている。また増幅器への信号入力は増幅に用
いる可動電極の動きにあわせて行うことができる。例え
ば、可動電極の一部分にスイッチを設けることによっ
て、可動電極の動きにあわせて信号の出入力の切り替え
が可能である。
【0007】
【実施例】図1に本発明の第1の実施例であるモノリシ
ック機械増幅器の製造工程図を示した。先ず、(a)に
示したように絶縁基板25の上に金属層2を堆積して電
極を設けるためにレジストマスク1を形成してパターニ
ングを行う。このための金属材料にはチタンなどを用い
る(b図)。その上から金属層2とは異なった化学的性
質を有する層を設け犠牲層4とする。犠牲層4としては
たとえば、金や熱収縮の小さい高分子材料などが利用で
きる(c図)。次に可動電極を形成するために金属層7
を堆積する。この金属層7は犠牲層4をエッチング除去
する際にエッチングされない材料である必要がある。例
えば、チタンなどが利用できる。最後に犠牲層4をエッ
チングによって取り除き金属層2、7の間に間隙を有す
る構造を得る(d図)。その結果得られた機械式増幅器
を上面から見ると(e)図のようになる。増幅されるべ
き信号は信号端子を通じて信号電極22に送られる。金
属層7からなる可動電極に給電するために駆動バイアス
端子10にバイアス電圧を加える。本実施例では、信号
電極22に相対する可動電極と駆動電極に相対する可動
電極とが一体の金属層から構成されているが、信号と駆
動バイアスの干渉を避けるため共通接地してある。
ック機械増幅器の製造工程図を示した。先ず、(a)に
示したように絶縁基板25の上に金属層2を堆積して電
極を設けるためにレジストマスク1を形成してパターニ
ングを行う。このための金属材料にはチタンなどを用い
る(b図)。その上から金属層2とは異なった化学的性
質を有する層を設け犠牲層4とする。犠牲層4としては
たとえば、金や熱収縮の小さい高分子材料などが利用で
きる(c図)。次に可動電極を形成するために金属層7
を堆積する。この金属層7は犠牲層4をエッチング除去
する際にエッチングされない材料である必要がある。例
えば、チタンなどが利用できる。最後に犠牲層4をエッ
チングによって取り除き金属層2、7の間に間隙を有す
る構造を得る(d図)。その結果得られた機械式増幅器
を上面から見ると(e)図のようになる。増幅されるべ
き信号は信号端子を通じて信号電極22に送られる。金
属層7からなる可動電極に給電するために駆動バイアス
端子10にバイアス電圧を加える。本実施例では、信号
電極22に相対する可動電極と駆動電極に相対する可動
電極とが一体の金属層から構成されているが、信号と駆
動バイアスの干渉を避けるため共通接地してある。
【0008】図2に第1の実施例の斜視概略図を示し
た。絶縁基板25の上に可動電極21の直下に配置した
駆動電極23と離して信号電極22が配置されており、
前述のように可動電極21側は信号電極、駆動電極とも
に共通となっている。この様にすると信号電極の容量を
大きくすることが出来るとともに、駆動電極23によっ
て制御できる距離も大きくできる。更に、可動電極21
上で電気的に駆動電極23と信号電極21が共通なため
可動電極21に特殊な配線を施す必要がなく構造が簡単
にできる。図3には第2の実施例を示した。この例で
は、可動電極21が動く範囲を制限するために上部スト
ッパ34を設け、このストッパの内側の支持基板25上
の駆動電極23と相対する位置に上部駆動電極33を設
け上下から挟んでいる。可動電極21の移動距離を制限
することによって増幅器の増幅率を一定にすることがで
きる。
た。絶縁基板25の上に可動電極21の直下に配置した
駆動電極23と離して信号電極22が配置されており、
前述のように可動電極21側は信号電極、駆動電極とも
に共通となっている。この様にすると信号電極の容量を
大きくすることが出来るとともに、駆動電極23によっ
て制御できる距離も大きくできる。更に、可動電極21
上で電気的に駆動電極23と信号電極21が共通なため
可動電極21に特殊な配線を施す必要がなく構造が簡単
にできる。図3には第2の実施例を示した。この例で
は、可動電極21が動く範囲を制限するために上部スト
ッパ34を設け、このストッパの内側の支持基板25上
の駆動電極23と相対する位置に上部駆動電極33を設
け上下から挟んでいる。可動電極21の移動距離を制限
することによって増幅器の増幅率を一定にすることがで
きる。
【0009】又、機械式の増幅器を動作させるために
は、信号の出入力コントロールを可動電極位置の関数と
して切り替えを行う必要があるが、可動電極の一部分に
スイッチ機能を持たせ同じ素子上で可能にすることがで
きる。この例を図4に第3の実施例として示した。先
ず、下部駆動電極23にバイアスを加えて、信号電極2
2と可動電極21の間隔が可動範囲内で最小の状態にす
る。この実施例では、信号電極22とは別に基板上に可
動電極21と相対するように入力電極43を設け、可動
電極21上に入力電極43と相対するように導体層45
aを設け、このバイアスのとき接触して入力スイッチ4
1となるようにする。信号はスイッチを経由して可動電
極21に導かれる((a)図)。可動電極21は絶縁領
域44によって信号を扱う部分と電極を移動させるため
にバイアスを加える部分に分かれているため、信号とバ
イアスの干渉を避けることができる。なお、信号電極2
2、上部、下部駆動電極23’、33表面には、たとえ
可動電極と接触してもショートしないよう絶縁膜46を
設けてある。次に下部駆動電極23’のバイアスを取り
除き上部駆動電極33に電圧を加えて信号電極22と可
動電極21の間隔を引き離す。すると入力スイッチ41
が自動的にオフとなり信号電極22は入力から切り放さ
れ増幅が行なわれる((b)図)。更に電極間隔が増大
し、入力スイッチ41と同じ構成の出力スイッチ47の
導体層45bに当ったところでその増大が止まり(最大
可動範囲)出力スイッチ47がONし出力電圧として取
り出される((c)図)。この機械式増幅器の帯域は可
動電極21の共振特性によって定まるが現在フォトリソ
グラフィーの精度は非常に高いので微細な構造体を製造
でき、水晶振動子と同様に数メガヘルツの信号を扱え
る。本発明では従来不可能であった微小機械要素のみを
利用して電圧の増幅が行えるようになる。このため、シ
リコンなどの半導体からなるPN接合を利用せず、導電
体を用いて増幅器を構成することが可能となる。導電体
のみで構成すると半導体の場合に比較して圧倒的にキャ
リアの数が大きく、従来の半導体を利用した増幅器に比
較して、非常にノイズの小さい増幅器を構成することが
可能である。また通常のトランジスタは素子によって増
幅率のばらつきがあり、動作条件によっても増幅率が異
なるが、本発明の増幅器では可動電極の移動距離を一定
にすれば、一定の増幅率を持たせることが可能である。
また、高効率の昇圧トランスとして動作し、入力電圧お
よび動作電圧に対して大きな出力電圧を容易に得ること
が可能である。このため、超小型の高電圧発生装置にな
り種々の小型装置と共に利用できる。また、この素子は
電圧制御が可能な可変容量素子でもあるため種々の信号
の変調、チューニング等を行うことが出来る。高価なシ
リコン材料を使用しなくてもよいため、シリコンを利用
した場合に比較して非常にコストを下げることが可能と
なる。使用する材料には導電性を付与できればよく、前
述のチタンに限らず他の金属でもよいし、導電性ポリイ
ミド等の導電性の高分子材料等も同様に利用できる。も
ちろんシリコン等の半導体を高濃度ドープして用いても
かまわないことはいうまでもない。
は、信号の出入力コントロールを可動電極位置の関数と
して切り替えを行う必要があるが、可動電極の一部分に
スイッチ機能を持たせ同じ素子上で可能にすることがで
きる。この例を図4に第3の実施例として示した。先
ず、下部駆動電極23にバイアスを加えて、信号電極2
2と可動電極21の間隔が可動範囲内で最小の状態にす
る。この実施例では、信号電極22とは別に基板上に可
動電極21と相対するように入力電極43を設け、可動
電極21上に入力電極43と相対するように導体層45
aを設け、このバイアスのとき接触して入力スイッチ4
1となるようにする。信号はスイッチを経由して可動電
極21に導かれる((a)図)。可動電極21は絶縁領
域44によって信号を扱う部分と電極を移動させるため
にバイアスを加える部分に分かれているため、信号とバ
イアスの干渉を避けることができる。なお、信号電極2
2、上部、下部駆動電極23’、33表面には、たとえ
可動電極と接触してもショートしないよう絶縁膜46を
設けてある。次に下部駆動電極23’のバイアスを取り
除き上部駆動電極33に電圧を加えて信号電極22と可
動電極21の間隔を引き離す。すると入力スイッチ41
が自動的にオフとなり信号電極22は入力から切り放さ
れ増幅が行なわれる((b)図)。更に電極間隔が増大
し、入力スイッチ41と同じ構成の出力スイッチ47の
導体層45bに当ったところでその増大が止まり(最大
可動範囲)出力スイッチ47がONし出力電圧として取
り出される((c)図)。この機械式増幅器の帯域は可
動電極21の共振特性によって定まるが現在フォトリソ
グラフィーの精度は非常に高いので微細な構造体を製造
でき、水晶振動子と同様に数メガヘルツの信号を扱え
る。本発明では従来不可能であった微小機械要素のみを
利用して電圧の増幅が行えるようになる。このため、シ
リコンなどの半導体からなるPN接合を利用せず、導電
体を用いて増幅器を構成することが可能となる。導電体
のみで構成すると半導体の場合に比較して圧倒的にキャ
リアの数が大きく、従来の半導体を利用した増幅器に比
較して、非常にノイズの小さい増幅器を構成することが
可能である。また通常のトランジスタは素子によって増
幅率のばらつきがあり、動作条件によっても増幅率が異
なるが、本発明の増幅器では可動電極の移動距離を一定
にすれば、一定の増幅率を持たせることが可能である。
また、高効率の昇圧トランスとして動作し、入力電圧お
よび動作電圧に対して大きな出力電圧を容易に得ること
が可能である。このため、超小型の高電圧発生装置にな
り種々の小型装置と共に利用できる。また、この素子は
電圧制御が可能な可変容量素子でもあるため種々の信号
の変調、チューニング等を行うことが出来る。高価なシ
リコン材料を使用しなくてもよいため、シリコンを利用
した場合に比較して非常にコストを下げることが可能と
なる。使用する材料には導電性を付与できればよく、前
述のチタンに限らず他の金属でもよいし、導電性ポリイ
ミド等の導電性の高分子材料等も同様に利用できる。も
ちろんシリコン等の半導体を高濃度ドープして用いても
かまわないことはいうまでもない。
【0010】また図5に平面図を示すように信号電極2
2を駆動電極23を取り囲むように形成すると信号電極
の面積を大きくすることができ、信号電圧が同じでも信
号電荷量を大きくでき、S/Nを改善できる。なお図1
〜4の例では信号電極22が可動電極21の片側にのみ
配置しているが、プッシュプル動作をさせれば両側に配
置することができる。
2を駆動電極23を取り囲むように形成すると信号電極
の面積を大きくすることができ、信号電圧が同じでも信
号電荷量を大きくでき、S/Nを改善できる。なお図1
〜4の例では信号電極22が可動電極21の片側にのみ
配置しているが、プッシュプル動作をさせれば両側に配
置することができる。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、バイアス電荷と信号電
荷が同一の電極上に混在しないため、入力出力の際両者
の電荷の差を求める必要がなく、しかも機械要素に電気
的な増幅作用を持たせることができた。
荷が同一の電極上に混在しないため、入力出力の際両者
の電荷の差を求める必要がなく、しかも機械要素に電気
的な増幅作用を持たせることができた。
【図1】本発明の第1の実施例を示した製造工程図であ
る。
る。
【図2】本発明の第1の実施例を示した斜視概略図であ
る。
る。
【図3】本発明の第2の実施例を示した図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示した図である。
【図5】本発明の別の実施例を示す平面図である。
【図6】従来例を示した図である。
1 レジストマスク 2 金属層 3 基板 4 犠牲層 7 金属層 8 間隙 10 駆動バイアス端子 11 共通接地 21 可動電極 22 信号電極 23 駆動電極 24 支持領域 25 絶縁基板 33 上部駆動電極 34 上部ストッパ 41 入力スイッチ 43 入力電極 44 絶縁領域 45a、b 導体層 23’ 下部駆動電極 33 上部駆動電極 47 出力スイッチ 48 出力電極 51 P型半導体 52 PN接合 53 N型半導体
Claims (7)
- 【請求項1】 絶縁層の上に離間して設けられた信号電
極と駆動電極と、前記信号電極と前記駆動電極と 相対して設けられた可動
電極と、前記信号電極と接続され信号を受ける信号端子と、 前記駆動電極と接続しバイアス電圧が供給される駆動端
子を有し、 前記信号端子 に信号を入力し前記信号電極と前記可動電
極で構成されるコンデンサに信号電荷を蓄えた後前記信
号電極を入力から絶縁し、前記可動電極と前記信号電極
の間隔を大きくするよう前記駆動端子をバイアスして入
力信号を増幅することを特徴とした機械式増幅器。 - 【請求項2】 信号電極と反対側にストッパを設け可動
電極の可動範囲を制限してある請求項1記載の機械式増
幅器。 - 【請求項3】 駆動電極を可動電極の両側に配置した請
求項1または2記載の機械式増幅器。 - 【請求項4】 可動電極の信号電極に相対する部分と駆
動電極に相対する部分とが互いに絶縁されている請求項
1、2または3記載の機械式増幅器。 - 【請求項5】 信号電極とは別に入力電極を設け、この
入力電極と相対する可動電極上に導体層を設け、入力電
極とこの導体層とで入力スイッチを構成する請求項1、
2、3または4記載の機械式増幅器。 - 【請求項6】 可動電極を介して入力電極と反対側に出
力電極を設け、この出力電極と相対する可動電極上に導
体層を設け、出力電極とこの導体層とで出力スイッチを
構成する請求項1、2、3、4または5記載の機械式増
幅器。 - 【請求項7】 駆動電極の周囲を取り囲んで信号電極が
設けられている請求項1、2、3、4、5または6記載
の機械式増幅器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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パラメトリック増幅器便覧(昭和42年、オーム社)、第4頁 |
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