JP3141379U - 感染症防護服 - Google Patents

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Abstract

【課題】防護服の廃棄時に、表面に付着したウィルスなどが飛散しないようにして、二次感染を確実に防ぐと共に、装着時における熱中病対策や防寒対策も配慮し、防護服の装着又は脱衣を容易に行い得るようにし、しかも、広告や宣伝媒体としても活用でき得るようにする。
【解決手段】防水性、非透過性などの特性を有する素材で形成したつなぎ形態の防護服本体1の前面2に上方より股下部3の近傍位置まで開閉可能なファスナー4を取付けると共に、防護服本体1の内側5の背後位置に廃棄時の防護服本体1を収納するための収納袋部6を取付け、この収納袋部6の内面と外面の双方に結束バンドを取付けた感染症防護服である。
【選択図】図1

Description

本考案は、新型インフルエンザ、鳥インフルエンザなどの感染症対策用防護服であって、特に、ウィルス、バクテリアなどの感染から人体を保護するためのディスポーザブルタイプの感染症防護服に関する。
一般に防護服には、化学薬品、粉塵や有害薬品などの環境下で装着するものと、インフルエンザなどの感染症対策用の防護服とがある。後者の感染症防護服は、ウィルスなどの感染から人体を守るための防護服であるため、ウィルス、バクテリアなどの微細病原菌からの二次感染を完全に防止し、汚染拡大防止のための防護服であることが必要である。
従来より、提案されている一般の防護服には、特許文献1に示された防護服がある。同文献1は、農薬や粉塵などの条件下において使用されるもので、透視面を有する頭部収容部からなる防護服に電動ファンからのダクトを接続し、頭部収容部内に洗浄化空気を圧入し、袖口部分から排出させるものである。
また、特許文献2は、フードを有する防護服であって、フード内周面に、冷却剤を収容するポケットを形成したものである。
更に、引用文献3は、頭部を有するつなぎ服タイプの感染防護服であって、この防護服と接続した空気ポンプと送気装置と電源を設けたものである。
実開昭63−189266号公報 実用新案登録第3124210号公報 特開2005−2545号公報
しかしながら、特許文献1は、頭部をはじめ人体を密封状態に被覆して、防護服内に浄化空気を供給するものであるため、感染症防護服には不適なものであり、ディスポーザブルなものでもなく、また、廃棄時に、生地表面にウィルスが付着した使い捨ての防護服に対して、感染の拡大防止を配慮したものでもない。
また、特許文献2は、フード内に冷却剤を収容するようにした防護服ではあるが、使い捨ての際に、二次感染などを防止する配慮は全くなく、単に、防護服内にこもった熱気によって熱中症に侵されるのを防止する対策を施した防護服に過ぎない。
更に、特許文献3は、伝染病が広まるのを防止するのに用いる隔離防護用品に関するものであって、密封した防護服内に空気を送気するものであるため、使用済みの防護服を焼却廃棄する際に対応した構造にはなっていない。その上、防護服の人体への装着と脱衣についての配慮もなされていないので、感染症防護服に必要な条件を満たしているものではなく、感染症防護服としては使用価値の低いものである。
本考案は、上記の実情に鑑みて、鋭意検討の結果、開発に至ったものであり、その目的とするところは、防護服の廃棄時に、表面に付着したウィルスなどが飛散しないようにして、二次感染を確実に防ぐと共に、装着時における熱中病対策や防寒対策も配慮し、防護服の装着又は脱衣を容易に行い得るようにし、しかも、広告や宣伝媒体としても活用でき得ることにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る考案は、防水性、非透過性などの特性を有する素材で形成したつなぎ形態の防護服本体の前面に上方より股下近傍位置まで開閉可能なファスナーを取付けると共に、前記防護服本体の内側背後位置に廃棄時の防護服本体を収納するための収納袋部を取付け、この収納袋部の内面と外面の双方に結束バンドを取付けた感染症防護服である。
請求項2に係る考案は、前記防護服本体のフード部の内側位置にポケット部を取付け、このポケット部内に保冷剤等の冷却剤又は保温剤を収納した感染症防護服である。
請求項3に係る考案は、前記防護服本体の首元位置にカバー部材片の基端を取付け、このカバー部材片の先端よりやや内側位置に両面接着テープを取付けた感染症防護服である。
請求項4に係る考案は、前記ファスナーをカバーする長尺状のカバー突出片の裏面に両面接着テープを設けた感染症防護服である。
請求項5に係る考案は、結束バンドを環状のゴム紐としたものである。
請求項6に係る考案は、前記防護服本体の表面の適宜位置に、企業広告などを入れる広告・宣伝媒体を表示した表示部を施した感染症防護服である。
請求項1に係る考案によると、股下部位まで開閉可能なファスナーにより防護服の装着と脱衣が極めて容易に行い得られ、しかも、使用済の防護服を表面に付着しているおそれのあるウィルスなどが飛散することなく、廃棄することができ、汚染の拡大を確実に防ぐことができる。
請求項2に係る考案によると、防護服のフード部内に冷却剤を収納できるので、特に、夏期の期間において熱中病対策に寄与できる。また、保温剤を収納すると、冬期の防寒対策となる。
請求項3に係る考案によると、防護服の首元部位にカバー部材片を両面接着テープを介して装着できるので、首元からのウィルスの侵入を確実に防ぐことが可能となり、着用者の身体にフィットした位置で装着でき、しかも首元が安定するため、着用時の装着感を高めることができる。
請求項4に係る考案によると、防護服前面のファスナーを接着テープを介して被覆できるので、ファスナーより通気することなく、ウィルスの侵入を防ぐことができる。
請求項5に係る考案によると、防護服の裏側を表にしながら脱衣して、そのまま収納袋部に収納してゴムバンドで結束でき、廃棄時に極めて便利である。
請求項6に係る発明によると、防護服に企業広告などを入れることで広告宣伝機能を発揮させることもできる。
本考案における感染症防護服の好ましい実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、感染症防護服を着用者が装着した状態を示す概略正面図であり、図2は、同上のカバー突出片とカバー部材片を外した状態を示す概略正面図、図3は同上の背面図である。
図1において、1は防護服本体であり、この防護服本体1は、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の適宜の合成樹脂で不織布状に成形され、ラミネート加工などを施して、防水性、非透過性並びに撥水性などの特性を有する素材で形成されている。
また、この防護服本体1は、上方よりフード部9、腕部19bを有する上着部19aとズボン部19cとから構成されたつなぎ形態を有し、腕部19bの袖口は、ゴム付き袖口18aで、ズボン部19cにはゴム付き足首部とフード部9の開口部位にゴム付き開口18bが設けられている。
また、防護服本体1の前面2には、フード部9の開口18bより股下部3の近傍位置まで開閉可能なファスナー4を取付けている。
このファスナー4は、図2に示すように、長尺状のカバー突出片15を両面接着テープ16を介して着脱可能に設けており、このカバー突出片15の長さ方向の基端部を固着して開閉できるようにしている。
また、図3、図4並びに図5に示すように、防護服本体1の内側背後位置に、上方を開口し、かつ上方縁部を本体1の内側に固着6bした収納袋部6を設けている。この収納袋部6は、表面側上方を突出して突出片6aを形成している。
更に、この収納袋部6の内外方下部の双方にゴム紐である結束バンド7,8を取付けて、廃棄時の防護服本体1を収納するように設け、収納後は、この結束バンド7又は8で収納袋部6の外周を結束するようにしている。また、このポケット部10内に保温剤を収納すると、冬期の防寒対策となる。
また、図7において、防護服本体1のフード部9の内側位置に突出片10aを有するポケット部10を取付け、このポケット部10内に保冷剤などの冷却剤11を収納して、防護服が防水性の素材で、特に、夏の暑い時期に熱中病のおそれがあるが、この保冷剤11により、頭の後頭部から首筋にかけた部分を冷やせるようにしている。
また、図1、図2及び図6において、防護服本体1の首元位置12に、カバー部材片13の基端13aを固着している。
本例では、カバー部材片13の基端13aをカバー突出片15より突出形状に設けるか、又はカバー突出片15の上端部に取付けている。図6に示すように、カバー部材片13の先端よりやや内側位置(本例ではaを1cmとしている。)に両面接着テープ14を設け、脱衣時のカバー部材片13を取外す際に、手指でこの部位を摘んで、容易に取外すことができる。
また、図1に示すように、防護服本体1の表面のポケット取付位置に、企業広告などを入れることにより、広告宣伝媒体として表示部17を設けている。なお、図20は、シューズカバー、21は手袋であり、マスクやゴーグルは図示していない。
次に、上記の感染症防護服の着脱方法の一例について説明する。
まず、適宜にインナーを着用し、一層目のシューズカバーと手袋並びにマスクを装着し、次いで、ファスナー4を防護服本体1の股下部3まで開放し、かつフード部9の内側位置のポケット部10に冷却剤11又は保温剤を収納しておく。
着用者は、必要であれば、イスに腰掛けて、防護服本体1のズボン部19cからはき、腕部19bを通すと共に、ファスナー4を股下部3から上方へ引き上げて止める。この状態で、カバー突出片15を両面接着テープ16を介してファスナー4の上部を被覆する。
次いで、防護服本体1の首元位置12のカバー部材片13を両面接着テープ14を介して、着用者の首元部位に接着させて、首元からのウィルスの侵入を防ぐようにする。この状態で、ゴーグル(図示しない)を締めて密着させ、二層目の手袋と、必要であれば、更にシューズカバー20を装着する。
一方、防護服本体1を脱衣するには、二層目の手袋21とシューズカバー20を外し、感染症廃棄物バッグに廃棄する。
次いで、カバー部材片13を外すと共に、ファスナー4を股下部3まで下ろして、本体1の前面2を開放する。
次いで、フード部9の裏面を表面にしながら、巻き込むようにすると共に、防護服本体1の外面に手が触れないようにしながら両肩を外し、片袖の上腕部19bの内側を手でつかみながら、防護服本体1を裏返しながら腕を抜き、防護服本体1の内側を表面にして、外側を包み込むようにして脱ぐと共に、収納袋部6の内側又は外側を利用して、袋部内に内側を表面にしてつつみ込んだ防護服本体1を収納袋部6内に収納して、結束バンド7又は8によって袋部6の外方より結束して図8に示すように包装し、この包装物を感染症廃棄物バッグに入れて廃棄する。
この場合、ゴムバンド7又は8を付けることによって、密閉性を向上させることが可能となり、更に、図5に示すように、収納袋部6の表面と内面の双方に、ゴムバンド7,8を取付けることにより、収納時に、表面と裏面を全く気にすることなく、リバーシブルに利用でき、廃棄時の収納に極めて便利である。その他、一層内の手袋やシューズカバー或はインナーなどは、感染症廃棄物バッグに入れて廃棄する。
本考案における感染症防護服の装着状態の一例を示した概略正面図である。 同上において、カバー突出片などを外した状態を示す概略正面図である。 図1の背面図である。 収納袋部の拡大正面図である。 図4の断面図である。 カバー部材片の部分拡大図である。 フード部の拡大図である。 収納袋部に収納した廃棄状態の正面図である。
符号の説明
1 防護服本体
2 前面
3 股下部
4 ファスナー
6 収納袋部
7,8 結束バンド
9 フード部
10 ポケット部
11 冷却剤(又は保温剤)
12 首元位置
13 カバー部材片
14 両面接着テープ
15 カバー突出片
16 両面接着テープ
17 表示部

Claims (6)

  1. 防水性、非透過性などの特性を有する素材で形成したつなぎ形態の防護服本体の前面に上方より股下近傍位置まで開閉可能なファスナーを取付けると共に、前記防護服本体の内側背後位置に廃棄時の防護服本体を収納するための収納袋部を取付け、この収納袋部の内面と外面の双方に結束バンドを取付けたことを特徴とする感染症防護服。
  2. 前記防護服本体のフード部の内側位置にポケット部を取付け、このポケット部内に保冷剤等の冷却剤又は保温剤を収納した請求項1に記載の感染症防護服。
  3. 前記防護服本体の首元位置にカバー部材片の基端を取付け、このカバー部材片の先端よりやや内側位置に両面接着テープを取付けた請求項1又は2に記載の感染症防護服。
  4. 前記ファスナーをカバーする長尺状のカバー突出片の裏面に両面接着テープを設けた請求項1乃至3の何れか1項に記載の感染症防護服。
  5. 請求項1における結束バンドは、環状のゴム紐である感染症防護服。
  6. 前記防護服本体の表面の適宜位置に、企業広告などを入れる広告・宣伝媒体を表示した表示部を施した請求項1乃至5の何れか1項に記載の感染症防護服。
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