JP3141373B2 - 光電装置 - Google Patents
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Description
トインタラプタ、面発光スイッチや画像表示装置等に用
いられる光電変換素子または発光素子を利用した光電装
置に関し、特に使用環境によらず長寿命、信頼性の高い
光電装置に関する。
や光通信技術等の発展により、大量の情報を高速に処理
及び伝送することが可能となった。これに伴い、多量な
画像情報処理が可能なフルカラー化及び大型化した表示
装置、高速で安定した制御可能なF.A(FACTORY AUT
OMATION)やO.A(OFFICE AUTOMATION)に利用され
る小型化及び高感度化した制御装置等に対する社会の要
求が、ますます高まりを見せている。特に、低温から高
温までの幅広い環境下においても特性の安定した各種制
御機器などに利用される小型化された面実装型などの光
電装置については、極めて要求が高く種種開発されてい
る。この様な光電装置として、特開平7ー111343
号、特開平7−235696号、特開平7−28344
1号等が挙げられる。
構成の具体的一例を図6に示す。パッケージ602を絶
縁ケースとし、必要に応じて絶縁ケースの底板部上に内
端部を置く複数のリード線603と、リード線と内部で
電気的に接続された発光素子601としてのLEDを絶
縁ケース上に固着する。その上に外部からの様々な要因
から光電素子を保護するためのモールド部材606とし
て透光性樹脂が設けられている。透光性樹脂はそれ単独
で密着性、強度、耐候性等を十分満たすものが未だ開発
されていないため現在では、モールド部材を樹脂の多層
構成とし機能分離して光電装置を構成している。具体的
には光電素子上に設けられた第1の樹脂604として透
光性を有し絶縁ケースに対して接着性がよく又、低温時
に収縮して光電素子に過大な収縮応力を与えないよう弾
性を有する可とう性エポキシ樹脂、或いはシリコン樹脂
等が用いられる。可とう性エポキシ樹脂は吸湿性を有す
るので高温高湿時において水分を含みやすく光電装置を
構成する光電素子に悪影響が生じる。高温高湿時におい
て光電装置の信頼性が低下を防止するため保護層として
耐候性に優れた硬質のエポキシ樹脂を第2の樹脂605
として第1の樹脂604上に形成する。また、シリコー
ン樹脂の場合は、表面に粘着性があるため塵などが付着
し光の透過率が低下する。外部よりの塵の付着防止のた
め上記と同様硬質のエポキシ樹脂を第2の樹脂605と
して第1の樹脂604上に形成させる。この様に絶縁ケ
ース内に第1と第2の樹脂を使用することによって低温
時及び高温高湿時のいずれに置いても一応信頼性の高い
光電装置とすることができるとされてきた。
化するにともなって光電装置に搭載される光電素子に要
求される特性が極めて高くなる。例えば、小型化及び高
性能化した光電素子には数百オングストローム程度以下
の単結晶半導体を複数積層した超格子構造を有するもの
がある。この様な極めて薄い単結晶半導体は機械的に脆
く、光電素子に働く様々な力がたとえわずかであっても
光電素子を損傷する場合があるなどと考えられる。また
各種機器の使用環境が広がるにつれそれらに利用されて
いる光電装置が受ける外部要因が多くなり更なる信頼
性、耐候性等の性能の向上が求められる。したがって、
小型化及び高性能化し使用用途が広がるにつれ様々な使
用環境下に置いても高い信頼性が求められる今日におい
ては上記構成だけの光電装置では十分ではなく更なる高
信頼性、耐熱性、耐候性等が求められている。本願発明
は、上記課題に鑑み温度変化が大きい環境等、使用環境
などによらず信頼性が高く長寿命化が達成できる光電装
置、及び特性の劣化がない高性能な光電装置を提供する
ことにある。
板部を有するパッケージと、前記底板部上に配置された
光電素子と、前記パッケージを貫通して入り込み光電素
子と電気的に接続するための電気的接続部材と、前記パ
ッケージの内壁面に固着され前記光電素子を覆うモール
ド部材と、を有する光電装置であって、前記モールド部
材の熱膨張変形の中心点が光電素子からみて前記モール
ド樹脂の幾何重心より上方に設けられ、且つ、前記モー
ルド部材が固着面より受ける熱膨張変形の中心点での反
力の垂直成分が熱膨張変形の中心点での下方垂直に作用
する熱膨張力以上の光電装置である。
材質を多層積層して形成させたものであって該モールド
部材の中心を通る長手方向断面において、断面形状の熱
膨張変形の中心点が光電素子と断面形状両端辺の中央を
結ぶ線分を介して設けられ、前記熱膨張変形の中心点と
前記両端辺の中央を結ぶ線分のそれぞれの長さと該線分
と水平方向なす角度の正接の積の合計が前記熱膨張変形
の中心点と前記モールド部材下辺を結ぶ垂直方向の線分
の長さ以上である光電装置である。さらに、前記モール
ド部材が光電素子上に設けられたドーム形状の弾性を有
する第1の樹脂と該第1の樹脂上に上面が実質的に平坦
面である第2の樹脂を有する光電装置である。前記光電
素子が発光素子である光電装置。
るパッケージと、前記底板部上に配置された光電素子
と、前記パッケージを貫通して入り込み光電素子と電気
的に接続するための電気的接続部材と、前記パッケージ
の内壁面に固着され前記光電素子を覆うモールド部材
と、を有する光電装置であって、前記モールド部材の熱
膨張変形の中心点が光電素子からみて前記モールド樹脂
の幾何重心より上方に設けられ、且つ前記モールド部材
が固着面より受ける熱膨張変形の中心点での反力の垂直
成分が熱膨張変形の中心点での下方垂直に作用する熱膨
張力の85%から115%の光電装置である。
ける熱膨張変形の中心点での反力の垂直成分が熱膨張変
形の中心点での下方垂直に作用する熱膨張力の95%か
ら105%の光電装置である。前記光電素子が発光素子
の光電装置である。
よりモールド部材の熱膨張により生じる光電素子などに
働く力を低減し、特性劣化がなく信頼性の高い光電装置
とすることが出来る。
り簡単な構成によってモールド部材の熱膨張より生じる
光電素子などに働く力を低減し光電装置の特性劣化を防
止させ信頼性を向上させることができる。
り、より簡単な構成によって光電装置内でのモールド部
材の密着性向上、低温時の熱収縮による光電素子などに
働く力の低減、高温時の熱膨張による光電素子に働く力
を低減させ光電装置の特性を向上させることができる。
また、光電素子からの光を集光することもできる。
って、光電装置の光電素子自体が発熱しその点灯及び消
灯によりモールド部材を繰返し加熱冷却される場合にお
いも光電装置の特性劣化がなく信頼性を向上させること
ができる。
り、モールド部材の熱膨張により生じる光電素子などに
働く力を低減し光電装置の特性劣化を防止させ信頼性を
向上させることができる。
り、モールド部材の熱膨張により生じる光電素子に働く
力をより低減させ光電装置の信頼性を向上させることが
できる。
って、光電装置の光電素子自体が発熱しその点灯及び消
灯によりモールド部材を繰返し加熱冷却される場合にお
いも光電装置の特性劣化がなく信頼性を向上させること
ができる。
果、光電装置の昇温による特性変化が光電素子上に設け
られたモールド部材によって生じること及びこの昇温に
よる特性の変化をモールド部材の熱膨張変形の中心点の
配置によって防止できることを見いだした。即ちモール
ド部材の熱膨張変形の中心点を制御するだけで光電装置
の寿命及び信頼性が大きく変化することを見いだしこれ
に基づいて本願発明をするに至った。
をLEDとし、きょう体である剛体のパッケージ602
内に設けた。きょう体は内部に形成させる樹脂の中の熱
応力変形の中心点が分かるように透光性としてある。L
ED上には低温時の熱収縮によりLEDが破壊されない
よう弾性部材である第1の樹脂604を形成させた。第
1の樹脂上には外部力、水分、塵芥等からの保護を目的
として硬質の第2の樹脂605をそれぞれ形成させモー
ルド部材606とした。なお、低温時に光電素子に過度
な熱収縮応力を与えない第1の樹脂として可とう性エポ
キシ樹脂を用いた。また、第2の樹脂として硬質のエポ
キシ樹脂を用いて実験を行った。この光電装置を高温状
態に置いて加熱による特性変化を干渉縞を利用した歪み
分布測定装置によって調べた。その結果、光電装置を高
温状態にすると第1の樹脂及び第2の樹脂は加熱されそ
れぞれ膨張する。第1の樹脂604は可とう性であるた
め弾性を有し相対的に第2の樹脂605が熱膨張するこ
ととなる。この時、第2の樹脂605の重心に熱膨張変
形の中心点があり第2の樹脂の側面はパッケージ602
の凹部の側面部に固着されている。したがって第2の樹
脂の周縁部は膨張変形できないため、その分中央部に膨
張による変形力が集中し、図6中、一点鎖線で示すよう
に凸レンズ状に変形する。凸レンズ形状の下側頂点は、
発光の均一性のためパッケージ低面の中央部に設けられ
ているLEDの直上に位置するため第2の樹脂の変形に
より第1の樹脂を介して極めて強い圧縮力を受けること
がわかった。この圧縮力はモールド部材内部に生じてい
る内部応力とは異なり昇温時において初めて生じる力で
ある。光電装置の昇温時に光電素子等を電気的に接続さ
せる電気的接続部材の接続不良や光電素子を形成する半
導体素子にクラック等が生じ光電装置の特性変化及び寿
命が低下すると考えられる。また、ひどい場合には光電
素子として機能しなくなると考えられる。
中心点Oを常温時の幾何重心Gからずらし光電素子から
遠ざけることによって高温時において保護樹脂の変形に
伴い生じる光電素子等に働く応力を低減あるいは無くす
ことができる。以下、図を用いて本願発明を詳細に説明
する。本願発明を説明するためのモールド部材概略断面
図である図3を用いて説明する。図示の光電装置がΔt
だけ温度上昇したときモールド部材301である樹脂に
熱膨張による変形が生じる。熱膨張は幾何重心Gを起点
として発生し樹脂の変形にともない熱膨張変形の中心点
Oに移動しここで釣合う。この様な熱膨張による力は下
記の力で表される。
との固着部端に向かう熱膨張力がパッケージとの固着部
により阻止されて熱膨張力とは逆方向に生じる反力。 (2)熱膨張変形の中心点より垂直方向下向きに生じる
熱膨張力。 (3)熱膨張変形の中心点より垂直方向上向きに生じる
熱膨張力。
り、各々の力による膨張変形は上下均等に生じる。この
力よる変形のうち光電素子方向即ち垂直下向きに生じた
ものが光電素子を加圧しダメージを与える。ところが、
(1)の垂直分力が(2)の力と等しければ、(2)の
力による膨張変形分がモールド部材の上向き変形により
相殺され光電素子への加圧ダメージが阻止されることと
なる。
材を形成させた断面における場合、下記の数式が成り立
つこととなる。モールド部材の線膨張係数をρ、材質に
よる力と変位間の比例定数をK、とすると (a)熱膨張変形の中心点より樹脂両端に向かう熱膨張
力がパッケージとの固着部により阻止されて熱膨張力と
は逆方向に生じる反力 =K×OA×ρ×Δt×sin
θ1+K×OB×ρ×Δt×sinθ2 (b)熱膨張変形の中心より垂直方向下向きの熱膨張力
=K×OC×ρ×Δtと表され、(a)の垂直分力が
(b)の膨張力と等しければ光電素子への加圧が防止で
きることから(a)の垂直分力=(b)の膨張力が成り
立つ。 よって、K×OA×ρ×Δt×sinθ1+K×OB×
ρ×Δt×sinθ2=K×OC×ρ×Δt ∴ OAsinθ1+OBsinθ2=OC 従って均一な熱膨張率の樹脂でモールド部材を形成させ
た場合において、OAsinθ1+OBsinθ2が線分
OCと等しいモールド部材形状にすることによって光電
素子への力を無くすことができる。
すると、遮光性の絶縁ケース等で形成されるパッケージ
102内部に光電素子101として発光素子を固着しそ
の上に透光性の第1の樹脂104及び耐候性に優れた透
光性を有する第2の樹脂105が設けられている。発光
素子を収容する絶縁ケースは凹部をその中央部に有す
る。また、パケージ内を横断して光電素子と不示図の外
部配線を電気的に導通接続するパケージ電極103が設
けられている。パケージ電極と光電素子はパケージの凹
部低面に固着され金等よりなるワイヤーにて導通接続さ
れている。
2の樹脂として硬質のエポキシ樹脂を用いてある。第1
の樹脂の周縁部は防湿効果を高めるため側面に密着して
いる。熱変形時の中心点を重心からずらすために第1の
樹脂は、LED上部を頂点とした略ドーム形状を有して
いる。具体的には第1の樹脂の厚みの最も厚い部分の厚
みの高さと第1の樹脂の周縁部の最も厚みの薄い点の高
さの高低差hは約200μm以上となっている。透光性
の第1の樹脂上にエポキシ樹脂などのによる透光性且つ
硬質の第2の樹脂層が外部よりの塵芥の付着防止のため
に積層している。第2の樹脂の上面は発光均一性向上の
ために略平面状である。第1の樹脂がドーム状でありそ
の上に積層された第2の樹脂は上面が略平面であるため
断面形状は片面凹のアーチ形状となる。また、第2の樹
脂の側面部は単なる積層に比べパッケージ凹部内側面と
の接着面を増やすことが可能なためより強固に固着して
いる。
第1の樹脂が弾性を有するため常温時の第2の樹脂の重
心から高温時の第2の樹脂の熱膨張変形の中心点に重心
が移動する。即ち、第2の樹脂が垂直水平方向に各々膨
張変形する。第2の樹脂は中央部の膜厚が薄いため第2
の樹脂の材料の線膨張係数と常温時の肉厚と常温から高
温の温度差の積で示される高温時の肉厚の垂直方向の膨
張の増加が小さくなる。更に、水平方向の膨張に対して
は第1の樹脂がアーチ形状を有するために更にアーチの
曲率半径を高める即ち保護層の中央部が外部に突出する
ような図1中に一点鎖線で示すような変形をする。この
時の熱膨張変形の中心は常温時の重心からずれており光
電素子からみて熱膨張変形の中心が重心よりも遠くなっ
ていた。この様に高温時第1の樹脂の垂直方向の膨張変
形量が小さいこと及び水平方向の膨張をパッケージ外部
に突出する方向へ逃がせることにより第2の樹脂の膨張
変形によってもたらされる光電素子への圧縮圧力を無視
することができる。従って、本願発明の構成によって形
成された光電装置では高温時の特性変化、寿命低下が防
止できる。即ち高温での耐久性に優れた発光装置とする
ことができる。更に、透光性の第1の樹脂層の周縁部厚
が小さくできる為、前記第2の樹脂層の周縁部、即ち、
パッケージとの接着部面積も大きくできパッケージと第
2の樹脂層の固着強度を増加することができる。当然の
ことながら低温時の熱収縮もなく防湿性も優れた光電装
置とできるものである。以下、各々の構成部材について
説明する。
は各種半導体によって形成させた受光素子400や発光
素子401があげられる。受光素子400としては液晶
成長法を利用して形成させたGe、Si、InAs、C
dS等の単結晶半導体や多結晶半導体を用いたもの、プ
ラズマ、熱、光などエネルギーを利用した各種CVD法
により形成させた微結晶、非晶質半導体のSi、Si
C、SiGe等の半導体を利用した光センサー、太陽電
池などが用いられる。半導体の構造としてはPN接合や
PIN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造のものが挙げ
られる。半導体の材料やその混晶度によって受光素子の
受光波長を種種選択できる。ガラス、耐熱性樹脂やステ
ンレス基板上に上記構成の半導体を所望の大きさに形成
し電気的接続をとることによって受光素子が形成でき
る。受光素子の電極としてはスパッタリングや真空蒸着
により形成させたAl、Ag、Au等の各種金属、n+
の半導体を利用することができる。
やMOCVD法等により基板上にGaAlN、ZnS、
ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlInG
aP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体
を発光層として形成させたLED、LD等が用いられ
る。半導体の構造としては、MIS接合やPN接合を有
したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成の
ものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によっ
て発光波長を紫外光から赤外光まで種種選択することが
できる。発光素子の場合、上記構成の半導体が形成され
た半導体ウエハー等をダイヤモンド製の刃先を有するブ
レードが回転するダイシングソーにより直接フルカット
するか、または刃先幅よりも広い幅の溝を切り込んだ後
(ハーフカット)、外力によって半導体ウエハーを割
る。あるいは、先端のダイヤモンド針が往復直線運動す
るスクライバーにより半導体ウエハーに極めて細いスク
ライブライン(経線)を例えば碁盤目状に引いた後、外
力によってウエハーを割り半導体ウエハーからチップ状
にカットする。
長をかえるため200オングストローム以下の薄膜単結
晶を利用する場合がある。特にこの様な単結晶材料を用
いた超格子構造は外からの圧力に弱いため本願発明は有
効となる。さらに、野外などの使用を考慮する場合、高
輝度な半導体材料として緑色及び青色を窒化ガリウム系
化合物半導体を用いることが好ましく、また、赤色では
ガリウム・アルミニウム・砒素系の半導体やアルミニウ
ム・インジュウム・ガリウム・燐系の半導体を用いるこ
とが好ましいが、用途によって種々利用できることは言
うまでもない。
ってパッケージ内に複数配置することができる。例えば
発光素子と受光素子とを同一のパッケージ内に配したり
発光波長の異なる発光素子例えば青色を2個、緑色及び
赤色をそれぞれ1個ずつなどとすることが出来る。ま
た、発光波長は必ずしも青色、緑色、赤色に限られる物
ではなく、所望に応じて黄色などが発光できるように半
導体のバンドギャプを調節すれば良い。具体的な例とし
ては、青緑色LEDチップに挟まれた黄色LEDチップ
を用いて白色光を発光させることが出来る。
用いられるパッケージ102とは、筒状部と低部とを有
し光電素子101を内部に固定すると共に光電素子を保
護するためのモールド部材106などを収容させるもの
である。したがって、モールド部材との接着性がよくモ
ールド部材よりも剛性の高いものが求められる。また、
モールド部材との接着性を向上させ熱膨張時にモールド
から働く力を外部に向かわせるために筒状部を外部に向
けて広がる摺鉢形状としても良い。さらに、可視光に分
光特性を有する光電素子を収容し利用させるためには遮
光性のとして機能させるために着色していることが好ま
しい。また、光電素子と外部との電気的に遮断させるた
めに絶縁性を有することが望まれる。この様なパッケー
ジ部材としてポリカーボネート、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS等
の樹脂を用いることができる。光電素子をパッケージ上
に直接配置させる場合には熱硬化性樹脂などによって行
うことが出来る。具体的には、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂やイミド樹脂などが挙げられる。
的接続部材103とは、パッケージ102に収容された
光電素子101からの電力を外部へ供給する或いは光電
素子へ外部から電力を供給するために設けられる。した
がって、光電素子とのオーミック性、機械的接続性、電
気伝導性及び熱伝導性がよいものが求められる。具体的
な電気抵抗としては、300μΩ−cm以下が好まし
く、より好ましくは3μΩ−cm以下である。熱伝導度
としては0.01cal/cm2/cm/℃以上が好ま
しく、より好ましくは0.5cal/cm2/cm/℃
以上である。これらの条件を満たす具体的材料として
は、金、銅、白金、アルミニウム、鉄や鉄入り銅、錫入
り銅などや上述の金属の合金が挙げられる。電気的接続
部材と光電素子との電気的接続はカーボン、銀などの導
電性フィラーが含有された樹脂、金属バンプなどによっ
て直接接続しても良いし、アルミニウム、金、白金線な
どを利用したボンディングワイヤーを介して電気的に接
続してもよい。
406)本願発明に用いられるモールド部材106と
は、パッケージ102内に設けられた光電素子を外部か
らの力、水分や塵芥などから保護させるために設けられ
るものであり一般には樹脂を用いて形成される。本願発
明においてモールド部材が昇温時に熱膨張することによ
ってパッケージ内部に設けられた光電素子が加圧されな
いよう構成する必要がある。このため熱膨張の変形点を
幾何重心からずらし、光電素子からみて重心より熱膨張
の変形点を遠ざけるよう構成する必要がある。この様な
構成とするためには図1の如く多層構造の樹脂層としそ
の形状を変形させることによって形成させるあるいは、
図2の如くモールド部材を熱膨張係数の異なる樹脂を混
合し傾斜をつけいて形成する。あるいはSiO2、Ti
O、AlO2などの無機微粒子を樹脂中に濃度傾斜を設
けて含有させることによって形成させる。具体的にはモ
ールド部材を複数層のモールド部材として機能分離する
図1のごとき場合は、モールド部材の一部の形状をアー
チ形状などに変形して形成することにより熱膨張の変形
点をずらすことができる。弾性を有する可とう性の樹脂
を第1の樹脂として光電素子を被覆する。これにより低
温時に生じる熱収縮による光電素子破壊を防止しするこ
とができる。また、防湿性を高めるなどの観点から第1
の樹脂上に硬質樹脂による第2の樹脂を設ける。第1及
び第2の樹脂を用いたモールドとすることによって耐候
性の優れたモールドを構成する。具体的には、弾性樹脂
として可とう性のエポキシ樹脂、シリコン樹脂、フッ素
樹脂などが挙げられる。硬質樹脂としては、硬質エポキ
シ樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
06ではあるが熱膨張率に傾斜を持たせた場合は可とう
性を有し且つ比重の大きいフッ素樹脂などと熱膨張率が
大きく比重の小さい硬質エポキシ樹脂などを混合し光電
素子上部からノズルを通して塗布することにより熱膨張
率の小さい樹脂部が図2の一点鎖線の如く略ドーム形状
となって形成することができる。同様に、樹脂中に無機
微粒子を含有させ光電素子上部からノズルを通して塗布
することにより無機微粒子が傾斜して含有される無機微
粒子部が略ドーム形状となり熱膨張の変形点をずらすこ
とができる。本願発明の要求する特性を満たすモールド
部材は、熱膨張の変形点を光電素子からみて常温時の重
心から遠ざけるために用いる材料間の屈折率が大きく異
なる場合、光電素子からの光の指向性を緩和させ視野角
を増やしたり、外来光を集光するレンズ効果を持たせる
ことができる。更に、モールド部材自体に着色させ所望
外の波長をカットするフィルターの役目をもたすことも
できる。
張変形の中心点Oとは、モールド部材が昇温するにつれ
膨張する力の起点であって、均一な材質の六面体であれ
ばその体積重心が熱膨張変形の中心点(昇温後の重心)
と一致し、モールド部材を形成する縦断面の四角形にお
いてはその面の幾何重心が熱膨張の変形点と一致する。
熱膨張変形の中心点は熱膨張時にモールド部材に働く力
の中心点でありモールド部材に生じる干渉縞を観測する
ことによって観測することができる。即ち、透明媒質中
で屈折率のわずかに変化する部分があるとき、光線の進
行方向の変化を利用してその様子を観測することができ
る。具体的にはシュリーレン法などを利用した歪み分布
測定装置によって樹脂にできた干渉縞を観測することに
よって熱膨張変形の中心点を規定できる。また、その時
の熱膨張に伴う力の大きさは、熱膨張率及び熱膨張変形
の中心点とその反力を生じる点を結んだ線分とその線分
と水平のなす角度の正接の積により表すことができる。
一方、本願発明における熱膨張に伴う垂直方向の力の大
きさは、熱膨張率とモールド部材の厚さからその大きさ
を規定ことができる。すなわち、この熱膨張変形の中心
点が光電素子からみて昇温前の重心よりも離れているこ
とによって本願発明を達成することができる。従って、
熱膨張変形の中心点はモールド部材中になくてもよい。
ド部材の材質、密着性、弾性やパッケージ内部に収容さ
れる光電素子などによって種種変更することができる。
より詳しくは、比較的圧縮力および耐候性に強い光電素
子を利用した場合、図5に示す如くモールド部材の密着
性、光電素子へのダメージを考慮して熱膨張変形の中心
によって生じる垂直成分の力が昇温時におけるモールド
部材の熱膨張による光電素子への力を基準としてその前
後15%以内の大きさであることが好ましい。より好ま
しくは、熱膨張変形の中心によって生じる垂直成分の力
が昇温時におけるモールド部材の熱膨張による発光素子
への力と比較して前後5%以内の大きさであることが好
ましい。
造などを有する半導体を用いた発光素子の場合は、熱膨
張変形の中心によって生じる垂直成分の力が設定昇温時
におけるモールド部材の熱膨張によって生じる光電素子
への力より大きいことが好ましい。モールド部材の熱膨
張変形の中心を厳密に制御することは難しいため熱膨張
変形の中心によって生じる垂直成分の力が昇温時におけ
るモールド部材の熱膨張による力より大きいとすること
もできる。以下、本願発明の実施例について説明する
が、本願発明は具体的実施例のみに限定されるものでは
ないことは言うまでもない。
m)を使用した青色LEDの発光素子とし構成させた。
具体的には、厚さ400μmのサファイヤ基板上にN型
及びP型窒化ガリウム化合物半導体をMOCVD成長法
でそれぞれ5μm、1μm堆積させヘテロ構造のPN接
合を形成する。なお、P型窒化ガリウム半導体は、In
の含有量をそれぞれ変えた約10オングストロームの薄
膜を多層構成とした超格子構造としP型ドーパントであ
るMgをドープした後アニールし形成させる。
半導体にスパッタリングし、P型電極としてAuを各半
導体にスパッタリングして電極を形成させた。その後、
上記半導体が形成された半導体ウエハーをLEDチップ
として使用するためにスクライバーによってスクライブ
ラインを引いた後、外力によって350μm角の大きさ
に切断した。このLEDチップを遮光性絶縁ケースとし
てポリフェニレンサルファイド(PPS)を素材とした
パッケージ内にエポキシ樹脂の接着剤で固定させた。L
EDチップは、ワイヤーホンデング機器を用いて直径
0.03mmのAu線をLEDチップの各電極とパッケ
ージ内に貫通して入込みパッケージ底部に配置したリー
ド線にワイヤーボンデイングし電気的接続をさせた。
めのモールド部材を充填させ形成させた。モールド部材
は、弾性を有する可とう性のシリコーン樹脂をパッケー
ジの内壁と十分な距離をおいて充填させることにより図
1に示した略ドーム形状を有する第1の樹脂と、この第
1の樹脂上に外部からの力や水分から素子を保護するた
めの硬質のエポキシ樹脂である第2の樹脂と、の積層構
成として充填してある。モールド部材が充填された光電
装置を120℃、10時間で硬化させた。第2の樹脂
は、第1の樹脂上に形成されているためにその断面下辺
がアーチ形状を有している。一方、その上辺は平面を形
成させるように平坦に形成させてある。この様にして本
願発明の光電装置を100個形成させた。この時の平均
輝度を測定した。また、昇温サイクル試験として温度8
0℃時間1分及び温度20℃時間1分を500サイクル
行い昇温試験後の平均輝度を50個平均として測定し
た。さらに、耐候性試験として温度50℃湿度90%時
間1分及び温度20℃時間1分を500サイクル行い昇
温試験後の平均輝度を50個平均として測定した。測定
結果はそれぞれ発光装置の平均値を実施例及び比較例で
比較し表1に示した。
坦な第1の樹脂とその上に設けられた平坦な第2の樹脂
形状とした以外は実施例1と同様にして光電装置を形成
させた。この光電装置を実施例1と同様にして測定し
た。
モルファスシリコンの受光素子400及びGaAlAs
(発光波長660nm)を使用した赤色LEDチップの
発光素子401として図4の如く構成させた。受光素子
は、ガラス基板上にSiH4をH2で希釈した原料ガスを
流し放電エネルギーを用いたプラズマCVD法によって
アモルファスシリコン膜を形成した。その上にPH3及
びSiH4をH2で希釈した原料ガスを流し放電エネルギ
ーを用いたプラズマCVD法によってオーミックコンタ
クト層を形成させた。その後、スパッタリングにより一
対の間隔をあけてAl電極を形成させた。発光素子とし
て赤色を発光するLEDチップ用の半導体ウエハーは、
温度差液晶成長法で連続的にP型ガリウム・砒素基板上
にP型GaAlAsを成長し、その上にN型GaAlA
sを成長し、発光領域であるP型GaAlAsを形成さ
せる。次に、N型電極としてTi−Al合金を各半導体
にスパッタリングしP型電極としてAuを各半導体にス
パッタリングして電極を形成させた。その後、上記半導
体が形成された半導体ウエハーをLEDチップとして使
用するためにスクライバーによってスクライブラインを
引いた後、外力によって350μm角の大きさに切断し
た。
遮光性絶縁ケースとしてポリフェニレンサルファイド
(PPS)を素材としたパッケージ402内にエポキシ
樹脂の接着剤で固定させた。発光素子及び受光素子は、
ワイヤーホンデング機器を用いて直径0.03mmのA
u線を発光素子及び受光素子の各電極とパッケージ内に
貫通して入込みパッケージ底部に配置したリード線にワ
イヤーボンデイングし電気的接続をさせた。
護するため可とう性を有し且つ、比重の大きいフッ素樹
脂と熱膨張率が大きく比重の小さい硬質エポキシ樹脂を
混合させた樹脂を光電素子の真上からノズルを通して充
填させた。これを120℃10時間で硬化させることに
よりモールド部材を形成させた。形成された光電素子は
傾斜構造を有し熱膨張率の小さい樹脂部が略ドーム形状
となって形成されている。この様にして本願発明の光電
装置を100個形成させた。この光電装置を実施例1と
同様にして測定した。また、光電素子の前面に紙をおき
駆動させると全てにおいて光検知ができることを確認し
た。
樹脂のみとし120℃10時間で硬化させた以外は実施
例2と同様にして光電装置を形成した。この光電装置を
実施例1と同様にして測定した。また、実施例2と同様
に光検知ができるか確認したが半分は検知できなかっ
た。表1の結果から本願発明の光電装置が比較のために
示した光電装置より明らかに昇温サイクル時において信
頼性が高く光度保持率が優れていることが分かった。
置は昇温時における信頼性を向上させ長寿命化させるこ
とができる。
る。
ある。
図である。
面図である。
て、熱膨張変形の中心点によって生じる力の垂直方向分
力と光電素子の特性変化とを示したグラフである。
断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】筒状部及び底板部を有するパッケージと、
前記底板部上に配置された光電素子と、前記パッケージ
を貫通して入り込み光電素子と電気的に接続するための
電気的接続部材と、前記パッケージの内壁面に固着され
前記光電素子を覆うモールド部材と、を有する光電装置
であって、 前記モールド部材の熱膨張変形の中心点が光電素子から
みて前記モールド樹脂の幾何重心より上方に設けられ、
且つ前記モールド部材が固着面より受ける熱膨張変形の
中心点での反力の垂直成分が熱膨張変形の中心点での下
方垂直に作用する熱膨張力以上であることを特徴とする
光電装置。 - 【請求項2】前記モールド部材が実質的に均一な材質を
多層積層して形成されたものであって該モールド部材の
中心を通る長手方向断面において、断面形状の熱膨張変
形の中心点が光電素子と断面形状両端辺の中央を結ぶ線
分を介して設けられ、前記熱膨張変形の中心点と前記両
端辺の中央を結ぶ線分のそれぞれの長さと該線分と水平
方向をなす角度の正接の積の合計が前記熱膨張変形の中
心点と前記モールド部材下辺を結ぶ垂直方向の線分の長
さ以上である請求項1記載の光電装置。 - 【請求項3】前記モールド部材が光電素子上に設けられ
たドーム形状の弾性を有する第1の樹脂と該第1の樹脂
上に上面が実質的に平坦面である第2の樹脂を有する請
求項2記載の光電装置。 - 【請求項4】前記光電素子が発光素子である請求項1記
載の光電装置。 - 【請求項5】筒状部及び底板部を有するパッケージと、
前記底板部上に配置された光電素子と、前記パッケージ
を貫通して入り込み光電素子と電気的に接続するための
電気的接続部材と、前記パッケージの内壁面に固着され
前記光電素子を覆うモールド部材と、を有する光電装置
であって、 前記モールド部材の熱膨張変形の中心点が光電素子から
みて前記モールド樹脂の幾何重心より上方に設けられ、
且つ前記モールド部材が固着面より受ける熱膨張変形の
中心点での反力の垂直成分が熱膨張変形の中心点での下
方垂直に作用する熱膨張力の85%から115%である
ことを特徴とする光電装置。 - 【請求項6】前記モールド部材が固着面より受ける熱膨
張変形の中心点での反力の垂直成分が熱膨張変形の中心
点での下方垂直に作用する熱膨張力の95%から105
%である請求項5記載の光電装置。 - 【請求項7】前記光電素子が発光素子である請求項5記
載の光電装置。
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1996
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