JP3141034U - キャスター用の車輪 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャスターの車輪の直進性を有効に確保することができるようにする。
【解決手段】キャスターに採用される車輪10であって、熱可塑性合成樹脂製の車輪本体20と、この車輪本体20の外周面に同心でインサート射出成型法により装着されたタイヤ30とが備えられ、タイヤ30は、少なくとも2本が車輪本体20の外周面に周方向へ向けて平行に装着されている。車輪本体20は、透明な合成樹脂材料によって形成されている。タイヤ30は、エラストマー製の中実品によって形成されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、家具や各種の機械装置等の器物、さらにはこれら器物の運搬の用に供される台車等の底部に取り付けられて当該器物や台車を容易に移動するために使用されるキャスター用の車輪に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているようなキャスター用の車輪が知られている。このキャスター用の車輪は、支軸が貫通されるハブ部と、このハブ部から径方向に向けて周方向に当ピッチで突設された複数のスポークと、これらのスポークにハブ部と同心で支持されたリム部(特許文献1では車輪本体)と、このリム部の外周面に外嵌されたタイヤとを備えて構成されている。このような車輪は、予め金型のキャビティ内にタイヤを装着し、当該キャビティ内に加熱溶融された熱可塑性合成樹脂を射出する、いわゆるインサート射出成形法により製造される。このようにして製造された車輪においては、当初からタイヤがリム部に一体的に取り付けられた状態になっている。
特開平10−217708号公報
ところで、特許文献1に記載のキャスター用の車輪にあっては、車体本体に1本のタイヤが装着されているだけであるため、例えば進行途中に車輪と干渉する異物が存在したような場合、1本のタイヤがこの異物と干渉して進行方向が変化してしまうような不都合、すなわち直進性が劣るという不都合が生じる。
本考案は、従来のかかる問題点を解消するためになされたものであり、車輪の直進性を有効に確保することができるキャスター用の車輪を提供することを目的としている。
請求項1記載の考案は、器物移動の用に供されるキャスター用の車輪であって、熱可塑性合成樹脂製の車輪本体と、前記車輪本体の外周面にインサート射出成型法により同心で一体的に装着されるタイヤとが備えられ、前記タイヤは、少なくとも2本が前記車輪本体の外周面に周方向へ向けて平行に装着されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、インサート射出成型法が採用されることにより、タイヤは、車輪本体の射出成形による製造過程で同時に当該車輪本体に装着されるため、車輪本体を製造してから当該車輪本体にタイヤを嵌め込むという面倒な作業を行う必要がなくなり、キャスター用の車輪の製造効率が向上する。
そして、少なくとも2本のタイヤが車輪本体の外周面に周方向へ向けて平行に装着されているため、当該車輪の進行途中で一方のタイヤがフロア上の異物との干渉で方向を変えようとしても、他方のタイヤが直進を継続しようとすることで進行方向に関し両タイヤでせめぎ合いなり、これによりタイヤが1本の場合に比較して車輪の直進性が向上する。
請求項2記載の考案は、請求項1記載の考案において、前記車輪本体は、透明な合成樹脂材料によって形成されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、キャスターに支持された器物を移動させつつあるオペレータは、透明な車輪本体を通して車輪近傍のフロア上の異物を視認することができるため、当該異物を避けた器物の移動を容易に行うことができる。
請求項3記載の考案は、請求項1または2記載の考案において、前記タイヤは、エラストマー製の中実品によって形成されていることを特徴とするものである。
請求項3の考案において、エラストマーとは、常温付近でゴム状の弾性を有する材料のことであり、具体的には天然ゴムや合成ゴム、さらにはポリイソブチレン、ポリエチレン、ある種のポリエステル等の合成樹脂等を挙げることができる。
かかる構成によれば、弾力性を備えたエラストマーは、強靱で摩擦係数が大きな材料であり、その中実品は、柔軟性、形状保持性の双方が要件とされ、かつ、床面に対する良好な食い付き性が要求されるキャスター用の車輪として優れたものになる。
本考案に係るキャスター用の車輪によれば、車輪は、インサート射出成型法により車輪本体にタイヤが一体的に装着された状態で製造されるため、先に車輪本体を製造してから当該車輪本体にタイヤを嵌め込むという従来行われていた面倒な作業を行う必要がなくなり、その分キャスター製造効率を大幅に向上させることができる。
そして、少なくとも2本のタイヤが車輪本体の外周面に周方向へ向けて平行に装着されているため、タイヤが1本のキャスター用の車輪に比べて車輪のより良好な直進性を確保することができる。
図1は、本考案に係るキャスター用の車輪の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、図2は、そのII−II線断面図である。これらの図に示すように、車輪10は、円形に形成された車輪本体20と、この車輪本体20の外周面に同心で一体的に装着された2本のタイヤ30とを備えて構成されている。
前記車輪本体20は、透明な硬質の合成樹脂によって形成されている。かかる車輪本体20は、中心位置に形成された円筒状のハブ部21と、このハブ部21の外周面から全周に亘って径方向に向けて同心で延設された円盤状のスポーク部22と、このスポーク部22の外周面から全周に亘って径方向に向けて同心で延設された環状のリム部23とを備えている。
前記ハブ部21の中心位置には、図略の軸を挿通するための軸孔211が設けられている。かかるハブ部21は、本実施形態においては、軸心方向の長さ寸法が略20mmに設定されているとともに、内径寸法(すなわち軸孔211の孔径寸法:直径)および外径寸法がそれぞれ5mmおよび20mmに設定されている。
前記スポーク部22は、ハブ部21の軸心方向の中央部から全周に亘り径方向に向けて延設されている。かかるスポーク部22は、本実施形態では、厚み寸法が略7mmに設定されているとともに、外径寸法が略55mmに設定されている。
前記リム部23は、内周面側における軸心方向の中央部が前記スポーク部22の外周面に一体的に結合されている。かかるリム部23は、本実施形態においては、軸心方向の長さ寸法がハブ部21と同一(略20mm)に設定されているとともに、径方向の厚み寸法が略7.5mmに設定されている。
従って、車輪本体20は、外径寸法が略70mm(スポーク部22の外形寸法の略55mmにリム部23の厚み寸法の2倍(略15mm)を加えた値)ということになる。
前記タイヤ30は、天然ゴムや合成ゴム、さらには軟質の合成樹脂等のいわゆるエラストマーによって形成されている。かかるタイヤ30は、本実施形態では2本が採用され、リム部23の外周面に互いに平行に外嵌されている。具体的には、リム部23の外周面に凹設された2条の環状溝231に各タイヤ30の内周面側が埋設された状態で各タイヤ30が車輪本体20のリム部23の外周面に一体的に装着されている。
そして、本実施形態においては、タイヤ30の延びる方向と直交する面に沿った断面の径寸法(すなわちタイヤ30の太さ)が略7mmに設定されている。
このように構成されたキャスター用の車輪10によれば、リム部23の外周面に2本のタイヤ30が互いに平行に外嵌されているため、車輪10が図略の軸回りに回転してフロア上を移動するとき、一方のタイヤ30が異物との干渉で旋回しようとするのを他方のタイヤ30牽制しながら(すなわち旋回しようとするのを規制するように作用して)直進するため、当該車輪10は、従来のようにタイヤが1本のものに比べて優れた直進性を確保することができる。
また、車輪本体20は、透明な材料で形成されているため、当該キャスター用の車輪10が採用された器物や装置を移動させるに際し、当該透明な車輪本体20を通して通路上に存在する異物を視認することができ、これによって当該異物を避けながら器物等を移動させることができるため、キャスター用の車輪10を用いた器物等の移動を、より円滑に行うことができる。
このような車輪10は、タイヤ30を所定の金型のキャビティ内に予め装着しておき、当該キャビティ内へ加熱溶融された熱可塑性合成樹脂を射出する、いわゆるインサート射出成型法によって製造される。以下、図3〜図5を基にキャスター用の車輪10の製造に供される金型ついて説明する。図3は、車輪10の製造に供される金型の一実施形態を示す一部切り欠き分解斜視図であり、図4は、その一部切り欠き組み立て斜視図である。また、図5は、図4のV−V線断面図である。
前記金型40は、車輪10の一方の側面(図1に示す車輪10の左方の側面)に対応した正方形状を呈する第1金型41と、車輪10の他方の側面(図1に示す車輪10の右方の側面)に対応した、側面視で前記第1金型41と同一の正方形状を呈する第2金型42と、これら第1および第2金型41,42間に挟持される、車輪10の軸心方向の中央部に対応した、側面視で第1および第2金型41,42と同一の正方形状を呈する中間金型43とを備えている。
前記第1金型41は、内部に第1キャビティ410を形成させるものであり、中間金型43との対向面(図2における右面)に、第1キャビティ410としての左ハブ用凹部411と、軸孔用円柱412と、スポーク部用左環状凸部413と、リム部用左環状凹部414と、タイヤ用環状凹部415とが設けられている。
前記左ハブ用凹部411は、車輪本体20のハブ部21の左側の部分に対応するものであり、円形を呈している。
前記軸孔用円柱412は、車輪本体20の軸孔211に対応するものであり、前記左ハブ用凹部411の中心位置から図2における右方に向けて突設されている。
前記スポーク部用左環状凸部413は、前記車輪本体20のスポーク部22に対応するものであって環状を呈し、前記左ハブ用凹部411の全周縁から径方向の外側に向かって同心で形成されている。
前記リム部用左環状凹部414は、前記リム部23の図1における左側の部分に対応するものであって、前記スポーク部用左環状凸部413の径方向の外側に同心で形成されている。
前記タイヤ用環状凹部415は、図1における左側のタイヤ30の一部に対応するものであって、前記リム部用左環状凹部414の外側の周縁部に凹設されている。かかるタイヤ用環状凹部415は、断面視で中心角が90°の扇状を呈している。
前記第2金型42は、内部に第2キャビティ420を形成させるものであり、中間金型43との対向面(図2における右面)に、第2キャビティ420としての右ハブ用凹部421と、円柱用貫通孔422と、スポーク部用右環状凸部423と、リム部用右環状凹部424と、タイヤ用環状凹部425とが設けられている。
前記右ハブ用凹部421は、車輪本体20のハブ部21の右側の部分に対応するものであり、円形を呈している。
前記円柱用貫通孔422は、前記第1金型41の軸孔用円柱412に対応するものであって、金型40が組み付けられた状態で、第2金型42に軸孔用円柱412を摺接状態で貫通させるためのものである。この貫通によって第1および第2金型41,42の中心位置の相対的な位置決めが行われる。
前記スポーク部用右環状凸部423は、前記車輪本体20のスポーク部22に対応するものであって環状を呈し、前記右ハブ用凹部421の周縁から径方向の外側に向かって同心で形成されている。
前記リム部用右環状凹部424は、前記リム部23の図1における右側の部分に対応するものであって、前記スポーク部用右環状凸部423の径方向の外側に同心で形成されている。
前記タイヤ用環状凹部425は、図1における右側のタイヤ30の一部に対応するものであって、前記リム部用右環状凹部424の外側の周縁部に凹設されている。かかるタイヤ用環状凹部425は、断面視で中心角が90°の扇状を呈している。
前記中間金型43は、第1および第2金型41,42に挟持された状態で第3キャビティ430を形成させるためのものであり、本実施形態においては、上下に二分された上部中間金型43aと下部中間金型43bとが合体されることにより形成される。かかる中間金型43は、厚み寸法が一対のタイヤ30の各断面の中心位置間の寸法に設定されている。上下の中間金型43a,43bの対向縁面には、当該縁面の中央部が凹設されることによって形成された半円状の凹部がそれぞれ設けられている。これら上下の凹部の各曲率径寸法は、車輪本体20のスポーク部22の外径寸法と等しく設定され、上下の中間金型43a,43bが合体されることにより、上下の半円状の凹部が合わさった第3キャビティ430が形成される。
そして、第1金型41、中間金型43および第2金型42が積層されることにより、第1キャビティ410、第3キャビティ430および第2キャビティ420が互いに合わせられ、これによって金型40内にキャビティ400が形成されるようになっている。
第3キャビティ430には、その左側の周縁部に左側のタイヤ30の一部を嵌め込むための、断面視で中心角が90°に設定された扇形状のタイヤ用環状凹部431が設けられているとともに、その右側の周縁部にも右側のタイヤ30の一部を嵌め込むための断面視で中心角が90°に設定された扇形状のタイヤ用環状凹部432が設けられている。
そして、金型40が組み付けられた状態(図4、図5)で、中間金型43の左側のタイヤ用環状凹部431は、第1金型41の前記タイヤ用環状凹部415と対向するとともに、同右側のタイヤ用環状凹部432は、第2金型42のタイヤ用環状凹部425と対向するようにそれぞれ寸法設定されている。
また、第1金型41の各角部には、位置決め孔416がそれぞれ貫設されているとともに、第2金型42の各角部にも第1金型41の位置決め孔416に対応する位置決め孔426が貫設されている。さらに、中間金型43にも第1および第2金型41,42の各位置決め孔416,426に対応した位置に位置決め孔433が穿設されている。これらの各位置決め孔416,426,433に位置決めロッドBが差し通されることにより、第1および第2金型41,42並びに中間金型43の周方向の位置決めが行われる。
なお、図4および図5に示す例では、位置決めロッドBが金型40の1つの角部に穿設された各1つのボルト孔416,426,433に挿通された状態を示しているが、各1つのボルト孔416,426,433に挿通されることに限定されるものではなく、複数の各ボルト孔416,426,433に挿通してもよい。
そして、各キャビティ410,420,430を、タイヤ30を介して互いに対向させた状態で第1金型41、中間金型43および第2金型42が互いに積層され、引き続き各位置決め孔416,426,433に位置決めロッドBが差し通された状態で、図略のクランプ機構によって締結されることにより、図4に示すように、金型40が組み付けられる。
前記第2金型42には、その適所に加熱溶融された熱可塑性合成樹脂を注入するための注入口427が設けられている。射出成形機50から射出された加熱溶融状態の熱可塑性合成樹脂は、この注入口427を通して金型40のキャビティ400内に注入されることになる。
そして、本考案においては、金型40が組み付けられるに先立ち、まず最初に第1金型41のタイヤ用環状凹部415にタイヤ30が嵌め込まれる。引き続き中間金型43が第1金型41に積層される。これにより図3における左側のタイヤ30は、第1金型41のタイヤ用環状凹部415と、中間金型43のタイヤ用環状凹部431とに挟持された状態になる。
ついで、第2金型42のタイヤ用環状凹部425にタイヤ30が嵌め込まれ、このタイヤ30を有する第2金型42が中間金型43の図3における右面側に積層される。こうすることによって右側のタイヤ30は、第2金型42のタイヤ用環状凹部425と、中間金型43のタイヤ用環状凹部432とに挟持された状態になる。すなわち、金型40が組み付けられた状態では、図4および図5に示すように、当該金型40のキャビティ400内には2本のタイヤ30が予め装着されている。
引き続き第1および第2金型41,42並びに中間金型43の各ボルト孔416,426,433に位置決めロッドBが挿通されることによって第1および第2金型41,42並びに中間金型43の位相方向の位置決めが行われる。その後、図略のクランプ機構による締結処理によって第1および第2金型41,42並びに中間金型43が一体化される。
この状態の金型40のキャビティ400内に向けて射出成形機50からの加熱溶融された熱可塑性合成樹脂が注入口427を通して注入される。これによって金型40のキャビティ400内に本考案に係る車輪10が形成される。
ついで、金型40が分解される。具体的には、所定の冷却処理後に中間金型43から第1および第2金型41,42がそれぞれ取り外される。その後、中間金型43は、上下の中間金型43a,43bに分離され、これによって車輪10がキャビティ400内から取り出された状態になる。そして、金型40から取り出された車輪10は、図1に示すように、当初から車輪本体20にタイヤ30が取り付けられた状態になっている。
以上詳述したように、本考案に係るキャスター用の車輪10によれば、当該車輪10は、インサート射出成型法により車輪本体20にタイヤ30が予め装着された状態で製造されるため、先に車輪本体20を製造してから当該車輪本体20にタイヤ30を嵌め込むという従来行われていた面倒な作業を行う必要がなくなり、その分キャスター製造効率を大幅に向上させることができる。
そして、少なくとも2本のタイヤ30が車輪本体20の外周面に周方向へ向けて平行に装着されているため、当該車輪10の進行途中で一方のタイヤ30が異物との干渉により方向を変えようとしても、他方のタイヤ30が直進を継続しようとすることとのせめぎ合いにより、車輪本体20にタイヤ30が1本しか装着されていない従来のキャスター用の車輪に比較して車輪10の直進性を向上させることができる。
また、車輪本体20は、透明な合成樹脂材料によって形成されているため、キャスターに支持された器物を移動させつつあるオペレータは、透明な車輪本体20を通して車輪10近傍の異物を視認することができる、これにより当該異物を避けつつ器物を容易に移動させることができる。
また、タイヤ30は、エラストマー製の中実品によって形成されているため、弾力性を備えたエラストマーは、強靱で摩擦係数が大きな材料であり、その中実品は、柔軟性、形状保持性の双方が要件とされ、かつ、床面に対する良好な食い付き性が要求されるキャスター用の車輪として優れたものになる。
本考案は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、車輪本体20に装着されるタイヤ30は、2本とされているが、本考案は、タイヤ30が2本であることに限定去されるものではなく、3本以上であってもよい。
(2)上記の実施形態においては、車輪本体20のスポーク部22は円盤状に形成されているが、本考案は、スポーク部22が円盤状であることに限定されるものではなく、ハブ部21から径方向に突設された周方向で等ピッチの複数本の棒状のスポークを備えたものであってもよい。
(3)上記の実施形態においては、金型40として車輪10の軸心方向の左側部分に対応した第1金型41と、同中央部に対応した中間金型43と、同右側部分に対応した第2金型42とで構成されたものが使用されているが、かかる金型40に代えて、上下に分割し得るように構成された金型を採用してもよい。
(4)上記の実施形態における車輪10の各所の寸法は、あくまで1つの例であって、本考案は、車輪10が実施形態で示した寸法であることに限定されるものではなく、状況に応じて目的に合った最適の寸法を採用することができる。
(5)上記の実施形態においては、車輪10を製造するために金型40のキャビティ400内に予めタイヤ30を装着しておき、かかるキャビティ400内に車輪本体20用の熱可塑性合成樹脂を射出して注入する方式が採用されているが、かかる製造方式に代えて、2段階の射出成形処理で車輪10を製造してもよい。
そして、2段階の射出成形方式においては、車輪本体20用の第1の金型に加熱溶融した熱可塑性合成樹脂を射出してまず車輪本体20のみを製造し、得られた車輪本体20を、タイヤ30用のキャビティが設けられた第2の金型に装填し、この第2の金型に形成されたタイヤ30用のキャビティに溶融状態のエラストマーを射出することによって車輪本体20にタイヤ30が設けられる。
本考案に係るキャスター用の車輪の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。 図1に示す車輪のII−II線断面図である。 車輪の製造に供される金型の一実施形態を示す一部切り欠き分解斜視図である。 図3に示す金型の一部切り欠き組み立て斜視図である。 図4に示す金型のV−V線断面図である。
符号の説明
10 車輪 20 車輪本体
21 ハブ部 211 軸孔
22 スポーク部 23 リム部
231 環状溝 30 タイヤ
40 金型 400 キャビティ
410 第1キャビティ 420 第2キャビティ
430 第3キャビティ 41 第1金型
411 左ハブ用凹部 412 軸孔用円柱
413 スポーク部用左環状凸部
414 リム部用左環状凹部 415 タイヤ用環状凹部
416 位置決め孔 42 第2金型
421 右ハブ用凹部 422 円柱用貫通孔
423 スポーク部用右環状凸部
424 リム部用右環状凹部 425 タイヤ用環状凹部
426 位置決め孔 427 注入口
43 中間金型 431 タイヤ用環状凹部
432 タイヤ用環状凹部 433 位置決め孔
50 射出成形機 B 位置決めロッド

Claims (3)

  1. 器物移動の用に供されるキャスター用の車輪であって、
    熱可塑性合成樹脂製の車輪本体と、
    前記車輪本体の外周面にインサート射出成型法により同心で一体的に装着されるタイヤとが備えられ、
    前記タイヤは、少なくとも2本が前記車輪本体の外周面に周方向へ向けて平行に装着されていることを特徴とするキャスター用の車輪。
  2. 前記車輪本体は、透明な合成樹脂材料によって形成されていることを特徴とする請求項1記載のキャスター用の車輪。
  3. 前記タイヤは、エラストマー製の中実品によって形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のキャスター用の車輪。
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