JP3139556B2 - ワークの加熱装置 - Google Patents

ワークの加熱装置

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JP3139556B2 JP12726891A JP12726891A JP3139556B2 JP 3139556 B2 JP3139556 B2 JP 3139556B2 JP 12726891 A JP12726891 A JP 12726891A JP 12726891 A JP12726891 A JP 12726891A JP 3139556 B2 JP3139556 B2 JP 3139556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークの加熱装置に関
し、特に、所定時間の通電により加熱される電極を備
え、この電極によりワークを加熱するためのワークの加
熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のワークの加熱装置としては、電
導線の端末を端子等に半田付けするための半田ごてがあ
る。この半田ごてにより半田付けする場合、従来、加熱
された半田ごてをワークに押しあて、ワークが加熱する
頃を見計らってワークに半田を供給し、半田が接合部位
の周りに充分に拡散した時点で半田ごてをワークから離
し、半田の冷却固化を待って半田付け作業が終了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の半
田ごてを使用した半田付け作業は、高度の熟練技術を要
し、半田接合強度、仕上がり外観形状、半田盛り量、半
田付け位置等において常に一定の品質で半田付けするこ
とは困難である。例えば、ワークに常に一定量の半田が
送給されるとは限らない。これは、半田ごての表面状
態、供給される半田量、ワークの加熱の程度等に影響さ
れることが多い。また、ワークである電導線の端末と端
子の加熱状態により、半田の回りが悪かったり、所謂
「浮き半田」や「いも半田」が生じ、半田接合強度等に
作業者間の技術的熟練度に応じたばらつきが生じる。
【0004】さらに、従来の半田ごてによる半田付け作
業では、半田ごてをワークから離した後、半田が固まる
までワークを保持していなければならず、その間にワー
クを動かすとワークは正規位置からずれて半田付けされ
たり、上述した「浮き半田」等が生じてしまい、ワーク
を正規位置に半田付けすることはなかなか難しい。さら
にまた、従来の半田ごてによる半田付け作業では、作業
時間が長くなり、タクトの短縮を図ることも難しかっ
た。
【0005】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、特に半田付け作業に好適し、熟練技
術を必要とせず、一定した品質で接合でき、しかも高い
接合強度が得られ、作業時間の短縮も図ることも可能と
したワークの加熱装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のワーク加熱装置は、ワークを受けるための
ワーク受けと、このワーク受けとの間でワークを挟持す
るための発熱電極と、この発熱電極を強制的に冷却する
冷却手段と、ワーク受けおよび発熱電極をワークを挟持
する方向に相対的に移動させ、所定の加圧力でこれらワ
ーク受けと発熱電極との間にワークを挟持させる加圧手
段と、前記発熱電極に通電し、前記冷却手段による冷却
に抗して前記発熱電極を発熱させる電源装置と、前記加
圧手段の作動に連動して電源装置の作動を制御し、前記
発熱電極に第1の所定時間に亘って通電して、前記発熱
電極の発熱を介して前記発熱電極と前記ワーク受けとの
間に加圧挟持されたワークを加熱し、この後、発熱電極
の通電を停止して前記冷却手段によりワークを冷却さ
せる制御手段とを備えている。そして、前記発熱電極
は、先端面が前記ワーク受けに対向し、前記ワーク受け
との間にてワークを挟持する第1の電極と、第1の電極
の先端に密着され、通電時、前記第1の電極との間の
接触抵抗により前記発熱電極を発熱させる第2の電極と
からなり、また、前記制御手段は、前記発熱電極への通
終了後、第2の所定時間に亘り前記ワークの加圧挟持
状態を継続させて、前記冷却手段によりワークを冷却さ
せるものとなっている。
【0007】上述したワークの加熱装置を半田付け作業
に適用するには、前記ワーク受けと発熱電極との間に挟
持された前記ワークに向けて、半田を送給する半田送給
装置更に加熱装置に付加すればよい。この場合、前記制
御手段は、前記加圧手段の作動に応動して、半田送給装
置の作動を制御する機能を有し、これにより、加熱され
たワークに所定量の半田を自動的に供給することができ
る。更に、前記ワーク受けもまた、通電時、冷却手段に
よる冷却に抗して発熱する電極であってもよい。
【0008】
【作用】本発明のワークの加熱装置によれば、ワーク
は、ワーク受けと発熱電極との間に所定の加圧力で挟持
される。この状態で、第1の所定時間に亘る通電を受
け、その冷却手段による冷却に抗して発熱状態にある
熱電極はワークの加熱実施する
【0009】ここで、発熱電極は、第1および第2の電
を備え、これら第1および第2の電極は第1の電極の
先端部に第2の電極が密着した状態で構成されているか
ら、通電時にはこの第1および第2の電極の接触部位が
接触抵抗により急速に発熱し、これにより、効率よくワ
ークが加熱されることになる。そして、ワークの加熱
後、発熱電極への通電を停止すれば、発熱電極はその冷
却手段により強制的に冷却されるので、ワークは発熱電
極の強制冷却を介して短時間に冷却される。
【0010】本発明のワークの加熱装置前記半田送給
装置を備えていれば、ワークが加熱されたとき、このワ
ークに対して半田所定量だけ送給することができ、そ
して、送給された半田は、溶融してワークの接合部分に
拡散する。ワークの加熱終了後、つまり、その通電が停
止された後に於いても、第2の所定時間に亘り前記ワー
クの加圧挟持状態を継続した状態で、ワークの冷却が実
施されるから、この間に半田が固化されて、半田付け作
業が短時間に完了する。更に、ワーク受けもまた、通電
時、冷却に抗して発熱する電極から構成されていると、
ワークは発熱電極側のみならず、ワーク受け側からも加
熱されることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明のワークの加熱装置を適用した
半田付け装置の正面図、図2はその側面図である。半田
付け装置1の基台2上には、本体フレーム3が載置固定
され、本体フレーム3の正面上部には、発熱電極として
の上側電極を支持するため支持アーム4が水平方向前方
に延出して、上下に移動可能に取り付けられている。こ
の支持アーム4は、後述する加圧装置5により上下方向
に駆動される。支持アーム4には、電極ホルダ10、1
2を介して後述する第1および第2の電極7、9が取り
付けられる。
【0012】電極ホルダ10は、第1の電極7の先端を
下方に向けて、すなわち下側電極8に向けるように、支
持アーム4に支持されている。電極ホルダ10は水冷ジ
ャケットにより構成されており、冷却水により第1の電
極7を冷却するようになっている。第2の電極9は、図
2および図3に示すように第1の電極7の後方、且つ斜
め上方からその先端部が第1の電極7の先端に当接密着
するように、支持アーム4に電極ホルダ12を介して支
持されている。より詳細には、第1の電極7は、ワーク
に当接する先端面7aを有する小径部7bと、基端が電
極ホルダ10に係止される一方、小径部7bと一体に形
成されており、これより大径の大径部7cとから構成さ
れている。そして、大径部7cの外周面には、やや下方
斜めに向かう有底の孔7dが穿設され、その孔7dに
は、第2の電極9の先端9aが嵌合されている。従っ
て、第1の電極7と第2の電極9とは、互いに密着して
接触し、これにより、電極7と9とは、相互に電気的に
接続されている。
【0013】上述の電極ホルダ12も水冷ジャケットに
より構成され、冷却水により電極9を冷却するようにな
っている。基台2の上面には、前記支持アーム4の下方
で且つ支持アーム4と対向する位置に、下側電極のため
の支持アーム6が固設されており、この支持アーム6に
はワーク受けとしての下側電極8を支持する電極ホルダ
11が支持されている。この下側電極8は先端面を上方
に向け、且つ、その先端面が第1の電極7の端面7aに
対向するようにして固定されている。この下側電極8の
電極ホルダ11も水冷ジャケットにより構成され、冷却
水により下側電極8を冷却するようになっている。
【0014】尚、各電極ホルダ10,11,12の夫々
には、冷却水の供給ポート10a,11a,12aと、
冷却水の排出ポート10b,11b,12bが設けられ
ており、これらの供給ポート10a〜12aおよび排出
ポート10b〜12bは冷却系(図示せず)に接続され
て冷却水が供給及び排出される。第1及び第2の電極
7、9および下側電極9の材料としては、例えばモリブ
デン、タングステン、タングステン合金等の半田に濡れ
難い材質が好適に使用される。例えば、イットリウム、
トリウム、セリウム、ジルコニウム等を含有するタング
ステン等が例示される。
【0015】加圧装置5は、その詳細を第4図に示すよ
うに、ロッド51が支持アーム4の基端部を挿通して上
下方向に移動自在に設けられている。より詳しくは、支
持アーム4の基端部の下面には、支持アーム4に対して
垂直に円筒パイプ4aが固設されている。この円筒パイ
プ4aの内壁をガイドとして上述のロッド51は、円筒
パイプ4aに嵌挿され、その先端は、支持アーム4を貫
通して上方に突出している。そして、ロッド51の下端
51bはレバー52の中間位置に回動自在に軸支され、
上端部51aにはねじが刻設されている。
【0016】レバー52は、その基端52aが本体フレ
ーム3側に回動自在に軸支され、先端52bはワイヤ6
0を介して、この実施例の場合、足踏みペダル61に連
結されている。レバー52には、このレバー52を図示
上方に引き上げる方向に常時付勢するリターンスプリン
グ59が取り付けられている。ロッド51に於いて、支
持アーム4より上方に突出した上端部51aには、ワー
クWを所定の加圧力で挟持するためのばね56が嵌装さ
れている。ロッド51の上端51部aには、ばね56を
被冠するようにして、ばね受けカバー54が嵌挿され、
さらに、ばね力調整用ナット55が螺着されている。
【0017】ロッド51に於いて、上述した円筒パイプ
4aの下方の部位には、ばね座53が固着されており、
このばね座53とパイプ4aの下端面との間には、リタ
ーンスプリング57が縮設さている。このリターンスプ
リング57は、支持アーム4を常時上方に付勢してい
る。ばね座53の下方には、このばね座53に当接可能
なストッパ58が配置されている。このストッパ58
は、調節ねじ58aにより構成されて、ロッド51の移
動下限位置を調整可能に規制している。なお、リターン
スプリング57のばね力は、ばね56のばね力より大に
設定されている。
【0018】第1の電極7の基端側は、図5に示すよう
に電導線21を介して電源であるトランス20の2次コ
イル20aの一端に接続されており、第2の電極9の基
端側は電導線22を介して、下側電極8の基端側と共に
2次コイル20aの他端に接続されている。また、トラ
ンス20の1次コイル20bは、電源制御回路であるコ
ントローラ40に接続されている。
【0019】コントローラ40は、トランス20の1次
コイル20bに例えば、50Hzの商用交流電力を供給
し、2次コイル20aに50Hzの加熱用交流電流を所
定の期間T1だけ通電して、ワークの加熱、半田の溶
融とを連続的に行わせるものである。コントローラ40
の入力側には、前述した支持アーム4の移動を検出する
リミットスイッチ(図4参照)41が電気的に接続され
ており、その出力側にはランプ43および後述する半田
送給装置44がそれぞれ電気的に接続されている。
【0020】図1に示されるように半田送給装置44
は、リール45に巻回された糸状の半田48を駆動ロー
ラ44aと押圧ローラ44bとにより繰り出しおよび縮
退させるものである。リール45は、半田送給装置44
の前面に回転自在、且つ、脱着可能に取り付けられてい
る。半田48は、ガイドチューブ44cに案内されなが
ら、ワークWに向けて送給される。駆動ローラ44a
は、図示しないモータにより回転駆動可能となってい
る。モータは、前述したコントローラ40に電気的に接
続され、コントローラ40からの駆動信号を受けて、駆
動ローラ44aを正転または逆転させることができる。
【0021】次に、上述のように構成された半田付け装
置1の作動手順とその作用とを、図7および図8のフロ
ーチャート、並びに図9に示すタイミングチャートを参
照して説明する。ここでは、例えば電導線30と、この
電導線30に半田付けされるべき導電性の端子部材31
(図6参照)ワークとして処理される
【0022】先ず、各電極ホルダ10,11,12、即
ち、水冷ジャケットに冷却水を供給しておき、図1、図
2および図6に示すように、端子部材31上に於ける所
要位置に、端末の被覆を剥離した電導線30を重ね合わ
せてなるワークWを下側電極8上に載置する。このと
き、半田送給装置44のガイドチューブ44cの先端
は、ワークWの接合部位に対向する所定位置に調整して
位置付けられているとともに、その先端から半田48を
僅かに突出させておく。
【0023】このような準備が完了したら、作業者は、
足踏みペダル61を踏み込んで加圧装置5を作動させ
る。すなわち、足踏みペダル61が踏まれると、レバー
52がリターンスプリング59のばね力に抗して支軸端
52a回りに下方に回動して、ロッド51が下方に引き
下げられる。すると、支持アーム4が上側電極、即ち、
第1及び第2の電極7,9と共に下方に移動する。この
とき、コントローラ40は、リミットスイッチ41から
オン信号が出力されるまで待機した状態にある(ステッ
プS10)。
【0024】上側電極(電極7,9)が下降して、上側
電極と下側電極との間の電極ギャップが所定距離以下に
なると、リミットスイッチ41が作動して、このリミッ
トスイッチ41からオン信号が出力される(図8のt0
時点)。コントローラ40はリミットスイッチ41から
のオン信号を受け取った時点から、その作動を開始し、
トランス20に所定時間T1(例えば、1sec)に亘って
通電し、この間、2次コイル20a側には、高電圧高電
流が発生する(ステップS12)。この高電流は、通電
初期には第1および第2の電極7,9間にのみ流れる。
第1の電極7と第2の電極9とは単にそれらの先端部が
互いに当接して接続されるだけであるから、通電に伴っ
て抵抗値の高い当接部近傍(図3参照)が急激に発熱し
て高温になる。本発明の装置、即ち、ワークWの加熱装
置は、第1の電極7および第2の電極9が接触抵抗加熱
により発熱する点に特徴を有している。この加熱方式
は、第1の電極7および第2の電極9を一体に形成し、
単に電極材料の有する内部抵抗値に基づき、上側電極を
通電抵抗加熱により発熱させる場合に比較して、短時間
に、ワークWを加熱できる点で有利である。このため、
そのタクトタイムを大幅に減少させることができる。
【0025】なお、上側電極(7,9)の発熱は、実施
例では上側電極がワークWに当接しない内に開始させる
ようにしてあるが、ワークWに当接してから発熱させる
ようにしてもよい。上側電極(7,9)が下降して、そ
の第1の電極7がワークWに当接すると(図8のt1時
点)、ワークWの加熱が開始される。第1の電極7がワ
ークWに当接したことにより、いままで、第1の電極7
と第2の電極9との間にだけ流れていた電流の一部は、
上側電極、即ち、第1の電極7からワークWを介して下
側電極8にも流れるようになる。従って、これらの電極
7,8,9によりワークWは、上下から加熱されること
になり、電導線30と端子31とは共に充分加熱され
る。この結果、加熱されたワークWに半田が供給される
と、半田は、ワークWの電導線30および端子31に均
一に回り、「浮き半田」や「いも半田」が防止される。
なお、ロッド51はストッパ58により下方への移動が
規制されるので、第1および第2の電極7,8によるワ
ークWの挟持力(加圧力)は、ばね56のセット力によ
り決定される。この加圧力は、ワークWの種類や大きさ
等に応じ、調整ナット55およびストッパ58即ち調整
ねじ58aの調整により、例えば2乃至10kgfの範囲
内の最適値(例えば、6kgf)に設定される。
【0026】そして、コントローラ40は、リミットス
イッチ41がオン信号を出力した時点から所定時間TS
1(例えば、0.5sec)が経過したか否かを判別し、
所定時間TS1が経過するまで待機する(ステップS1
4)。この所定時間TS1が経過すると、コントローラ
40は半田送給装置44に半田送給指令信号を出力する
(ステップS16)。
【0027】半田送給装置44は、コントローラ40か
らの指令信号により一定の動作を自動的に実行する。先
ず、駆動ローラ44aを所定時間TS2(例えば0.5
sec)に亘って正転させる。これにより、駆動ローラ44
aと押圧ローラ44bとに挟まれた半田48は、ガイド
チューブ44cに案内されながらワークWに向かって送
り出される。送り出された半田48は、加熱されたワー
クWに溶かされながらワークWに乗り移る。次に、所定
時間TS3(例えば、0.1sec)の休止時間を挟んで所
定時間TS4(例えば、0.2sec)だけ、駆動ローラ4
4aを逆転させる。これにより、所定量の半田がワーク
Wに送給されることになる。なお、駆動ローラ44aの
逆転は、場合によっては省略することができる。また、
必ずしも一致させることはないが、半田の送給終了時期
と各電極への通電終了時期とは一致させるのがよい。
【0028】コントローラ40は、前述した所定時間T
1が経過したか否かを判別し、この所定時間T1が経過
するまで待機する(ステップS18)。すなわち、その
間、第1および第2の電極7,9への通電を継続させ、
所定時間T1が経過すると、これら第1および第2の電
極7,9への通電を終了する(ステップS20)。次
に、コントローラ40は、第1および第2の電極7,9
への通電終了時点から所定時間T2(例えば、1sec)が
経過したか否かを判別し、所定時間T2が経過するまで
待機する(ステップS22)。この所定時間T2は、第
1および第2の電極7,9並びに下側電極9を冷却し
て、ワークWに乗り移った半田が充分に固化するための
期間である。各電極7,8,9は冷却水で強制的に冷却
されているから、通電停止とともに急速に冷却され、ワ
ークWに乗り移った半田も急速に冷却されて固化され、
これにより、半田付け作業のタクト時間が著しく短縮さ
れることになる。そして、この半田が固化する間、ワー
クWは、上下の第1の電極7と第2の電極9間に加圧挟
持された状態に保持されているので、電導線30は端子
部材31の正規の位置に正確に接合されることになり、
また、加圧されているので、所謂「浮き半田」や「いも
半田」といった半田不良が生じない。さらに、電極材料
として半田に対する濡れ性の悪い材料を使用し、しかも
半田をワークWに直接送給するので、電極には半田が付
着せず、一定量の半田がワークWに送給されることにな
り、半田されたワークWの外観形状も一定となる。ま
た、ワークWが加熱と同時に加圧されることから、半田
が母材深く拡散して、高い接合強度が得られる。
【0029】所定時間T2が経過するとコントローラ4
0は、ランプ43を点灯させて作業者に半田の冷却が終
了したことを知らせる(ステップS24)。作業者がこ
のランプ43の点灯を確認してペダル61から足を離す
と、リターンスプリング57,59により上側電極
(7,9)とともに支持アーム4が上方に移動し、リミ
ットスイッチ41をオフさせて元の待機位置に戻る。コ
ントローラ40は、このリミットスイッチ41のオフ作
動を待って(ステップS26)、ランプ43を消灯させ
る(ステップS28)。
【0030】このように、半田付け装置1が一連の半田
付け作動を行う間、作業者は、ワークWを下側電極8の
正規位置に運び、上側電極(7,9)が下降してこれを
加圧挟持するまで保持しておくだけでよく、作業者には
特別な熟練技術を必要としない。通常、半田付け作業に
は、フラックスの使用が不可欠であるが、このフラック
スは、乾燥状態で非導電性となる。このため、上側電極
が第1の電極7のみからなる場合で且つワークWに予め
フラックスが塗布されている状況に於いて、半田付け作
業が繰り返されると、第1の電極7の先端に付着したフ
ラックスが乾燥することにより、その先端に非導電層が
形成されることになる。このようにして形成された非導
電層は、第1の電極7と下側電極8との間にワークWが
挟持されても、これら第1の電極7と下側電極8との間
の通電を阻止する。それ故、第1の電極7および下側電
極8の発熱が良好に実施されなくなる。また、非導電層
の存在により、第1の電極7と下側電極8との間の通電
領域が極端に小さくなってしまうと、第1の電極7とワ
ークWとの間で、スパークが発生して、半田付け自体が
不能になってしまう。
【0031】しかしながら、一実施例の半田付け装置の
場合、上側電極は、互いに接触された第1および第2の
電極7,9から構成されているので、第1の電極7は、
ワークWに接触する前でも、前述した接触抵抗により発
熱することができる。従って、半田付けの前に、第1の
電極7が発熱していることにより、例え第1の電極7の
先端にフラックスが付着しても、このフラックスは加熱
によって除去されることから、付着したフラックスがワ
ークWの加熱および半田付けに悪影響を及ぼすことはな
い。
【0032】一実施例の半田付け装置がワークWの半田
付け作業を繰り返して実施するとき、各電極7,8,9
の温度変化は、図10中、実線により概略的に示されて
いる。図10中、参照符号Xは、半田付け作業の1サイ
クルを示している。この実施例の半田付け装置では、半
田付け作業の1サイクル中に、各電極7,8,9の発熱
と強制冷却とが実施されるから、各サイクル中に於い
て、各電極7,8,9の発熱温度は、夫々の値を有する
一定値Yに安定して再現されることになる。この発熱温
度Yは、通電時間、即ち、所定時間T1を変化させるこ
とで調整することができる。しかしながら、半田付け作
業を半田ごてを使用して実施する場合、そのタクトタイ
ムが短いと、半田ごてが所定の温度に達する前に、次の
半田付けを実施することになり、図13中、破線で示さ
れているように、半田ごての加熱温度が徐々に低下し
て、半田不良を招き易い。従って、半田ごての使用で
は、熟練作業者でも、タクトタイムを十分に短くするこ
とはできない。
【0033】一実施例では、ワークWへの半田の送給が
半田送給装置44により行われるが、ワークWに予め半
ディップコート等により付着させておくこともでき
る。この場合、半田付け装置1は半田送給装置44を廃
止することができる。上述の実施例で示した各所定時間
T1,T2,TS1,TS2の値、また、その電流値等
は、ワークWの種類や大きさ等により適宜値に設定で
き、前述した例示値に限定されるものではない。
【0034】また、上述の実施例では電源として一個の
トランス20で各電極7,8,9を発熱させるようにし
たが、図11に示す如く、上側電極9の基端と下側電極
8の基端との間に第2のトランス電源100を追加する
ようにしてもよい。この場合、上側の第1および第2の
電極7,9間に流れる電流と、第2の電極9と下側電極
8との間に流れる電流とを個別に制御でき、熱容量のこ
となる部材を半田接合する場合に、それらの接合物の熱
容量に応じて個別に加熱するのに好都合となる。例え
ば、先ず、第1の電源、即ち、トランス20により、第
1および第2の電極7,9に通電して、一方のワークで
ある電導線30を早めに加熱し、その後に第2のトラン
ス電源100により、第1の電極7と下側電極8との間
に通電して他方のワークである端子31を余分に加熱す
ることもできる。
【0035】更に、下側の端子31の熱容量が大である
場合には、図12に示されているように、下側電極8も
また、上側電極と同様に、2本の電極101,102を
接触させて構成し、この下側電極(101,102)に
第2のトランス電源100により通電して、これら電極
101,102を接触抵抗加熱により発熱させるように
してもよい。
【0036】図13に示されているように、一方のワー
クが合成樹脂基板のような不導体の表面に形成された端
子31である場合には、上側電極が上述した構成からな
っていると好都合である。即ち、ワークWを挟持した第
1の電極7と下側電極8との間には電流が流れないが、
ワークWは、第1および第2の電極7,9のみによって
加熱されることになる。この場合、下側電極8はワーク
Wを加圧挟持するための受けとしてのみ使用されること
から、図13に示されているように、下側電極8の代わ
りに、ワーク受け104を使用してもよい。
【0037】また、上述の実施例では、ロッド51は、
作業者による足踏みペダル61の足踏み操作力により下
方に移動可能に構成されているが、空気圧で作動するア
クチュエータ64(図4中仮想線で示す)によりロッド
51を上下動させてもよい。この場合、足踏みペタル6
1に代えて足踏みスイッチを設け、この足踏みスイッチ
の足踏み操作によりアクチュエータ64を作動させるこ
とになる。このような態様では、作業者は足踏みスイッ
チをオン操作させるだけでよく、その後、足踏みスイッ
チから足を離してもよく、加圧装置5の作動や電源20
の作動は総てコントローラ40により実行されるので、
ランプ43も不要になる。
【0038】更に、上述の実施例では下側電極8を固定
にし、上側電極(7,9)を移動させるようにしたが、
上側電極を固定にし、下側電極8を移動させるようにし
てもよい。この場合、移動する下側電極は、上述の実施
例の上側電極のように、互いに接触する第1および第2
の電極で構成することもできる。前述した第1および第
2の電極7、9は、第1の電極7の孔7dに第2の電極
9の先端を嵌合させて、相互に電気的に接続されている
が、これらの電気的な接続にあたっては、孔7dは、必
ずしも必要となるものではない。即ち、図14および図
15に示されているように、第2の電極9の先端面が第
1の電極の大径部7cの外周面に合致する凹面9bとし
て形成されていれば、第2の電極9の凹面9bを第1の
電極7の大径部7cに当てはめるだけでも、これら第1
および第2の電極7,9の電気的な接続を確立すること
ができる。
【0039】また、一実施例の半田付け装置とワーク自
動搬送装置とを組み合わせれば、ワークの自動半田付け
システムを得ることができる。この場合、半田付け装置
は、ワーク自動搬送装置により、ワークWが下側電極8
上に供給されて位置決めされたとき、この状態を検出す
るセンサを備えており、従って、半田付け装置は、セン
サからの信号を受けて、その作動を開始する。
【0040】更に、一実施例の半田付け装置の上側電極
(7,9)がロボットハンドに取り付けられていると、
ロボットハンドの動きをプログラム制御することによ
り、複数箇所にあるワークを連続して半田付けすること
もできるし、いわゆる多点半田付けも可能となる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のワークの加
熱装置によれば、ワークを挟持する発熱電極およびワー
ク受けと、発熱電極を強制的に冷却する冷却手段と、こ
れら発熱電極およびワーク受けを相対的に移動させて、
これらの間にワークを所定の加圧力で挟持させる加圧手
段と、発熱電極に通電してこれを発熱させる電源装置
と、加圧手段の作動に応動して電源装置の作動を制御す
る制御手段とを備えており、そして、前記発熱電極は、
その先端面がワーク受け対向する第1の電極と、第1
の電極の先端部に密着され、通電時、第1の電極との接
触抵抗により発熱電極を発熱させる第2の電極とからな
っているので、発熱電極はその第1および第2の電極間
の接触抵抗により、その冷却手段による冷却に抗して急
速に発熱し、発熱電極とワーク受けとの間にて加圧挟持
したワークを短時間に加熱することができる。ワークの
加熱終了後、発熱電極とワーク受けとの間にワークを加
圧挟持した状態を維持しつつ、発熱電極への通電を停止
すれば、冷却手段による発熱電極の冷却を介して、ワー
クを短時間に冷却することができる。
【0042】上述したワークの加熱装置に、ワークが加
熱されているときに、このワークに向かって半田を所定
量送給する半田送給装置を組み合わせれば、半田を溶融
させてワークの半田付けを実施した後、発熱電極の冷却
により、溶融半田の冷却固化を短時間に実施でき、この
場合には、熟練技術を要することなく、接合強度の高い
一定品質の半田付け短時間にして且つ容易に実施でき
る半田付け装置が得られる。更に、ワーク受けもまた、
その通電時、冷却に抗して発熱する電極から構成されて
いると、ワークを発熱電極およびワーク受けの両側から
加熱することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をワークの加熱装置を組み込んだ半田付
け装置の正面図である。
【図2】図1の半田付け装置の側面図である。
【図3】図2の第1および第2の電極に於ける先端の当
接部分を示した拡大断面図である。
【図4】図1の加圧装置5の一部を断面して示す構成図
である。
【図5】半田付け装置の制御回路を示す図である。
【図6】図1の第1の電極と下側電極との間にワークが
挟持された状態を示す図である。
【図7】図5のコントローラにより実行される半田付け
手順の一部を示したフローチャートである。
【図8】前記半田付け手順の残りの部分を示したフロー
チャートである。
【図9】加圧装置の作動、電源のオンオフ状態、半田送
給装置の半田送り出し動作、およびランプのオンオフ状
態の関係を示したタイミングチャートである。
【図10】半田付け装置の各作業サイクル毎の各電極の
温度変化を概略的に示したグラフである。
【図11】図5の制御回路の変形例を示した図である。
【図12】図5の制御回路の更に別の変形例を示した図
である。
【図13】図6に示したワークとは異なるワークを示し
た図である。
【図14】図3の当接部分の変形例を示した断面図であ
る。
【図15】図14の当接部分の横断面図である。
【符号の説明】
1 半田付け装置 2 基台 3…基体フレーム 4,6 支持アーム 5 加圧装置 7 第1の電極(発熱電極) 8 下側電極(ワーク受け) 9 第2の電極 20 トランス(電源) 30 電導線(ワーク) 31 端子部材(ワーク) 40 コントローラ 41 リミットスイッチ 44 半田送給装置 61 足踏みペダル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを受けるためのワーク受けと、こ
    のワーク受けとの間でワークを挟持するための発熱電極
    と、この発熱電極を強制的に冷却する冷却手段と、ワー
    ク受けおよび発熱電極をワークを挟持する方向に相対的
    移動させ、所定の加圧力でこれらワーク受けと発熱電
    極との間にワークを挟持させる加圧手段と、前記発熱電
    極に通電し、前記冷却手段による冷却に抗して前記発熱
    電極を発熱させる電源装置と、前記加圧手段の作動に連
    動して電源装置の作動を制御し、前記発熱電極に第1の
    所定時間に亘って通電して、前記発熱電極の発熱を介し
    て前記発熱電極と前記ワーク受けとの間に加圧挟持され
    たワークを加熱し、この後、発熱電極への通電を停止し
    てワークを冷却させる制御手段とを備えてなり、 前記発熱電極は、先端面が前記ワーク受けに対向し、前
    記ワーク受けとの間にてワークを挟持する第1の電極
    、第1の電極の先端に密着され、通電時、前記第1
    の電極との間の接触抵抗により前記発熱電極を発熱させ
    第2の電極とからなり、 前記制御手段は、前記発熱電極への通電終了後、第2の
    所定時間に亘り前記加圧手段による前記ワークの加圧挟
    持状態を継続させ、前記冷却手段によりワークを冷却さ
    せることを特徴とするワークの加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記ワーク受けと発熱電極との間に挟持
    されたワークに向けて、半田を送給する半田送給装置を
    更に備えてなり、前記制御手段は、前記加圧手段の作動
    に応動して半田送給装置を作動させ、所定量の半田を加
    状態のワークに送給させることを特徴とする請求項1
    に記載のワークの加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記ワーク受けは、通電時、冷却に抗し
    て発熱する電極であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のワークの加熱装置。
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