JP3139216U - 水生生物用吊り下げ式産卵巣 - Google Patents

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Abstract

【課題】水生生物の産卵巣についての従来の技術は、親又は他の水生生物等と、卵又は孵化した幼生・稚魚等とを効率的に分離できない、又は分離を前提としていない、との問題点を有していた。
【解決手段】本考案における水生生物用吊り下げ式産卵巣は、水槽の側壁若しくは岸辺等に横たえられ、水面上の中空等を左右に伸びる等する渡しに産卵巣を吊下げた、吊り下げ式産卵巣とすることで、卵等の孵化用水槽等への移動を容易にし、また、複数の本水生生物用吊り下げ式産卵巣を、孵化用水槽等と飼育用水槽等との間で交互に用いることにより、延いては、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とを効率的に分離することを可能にする。
【選択図】図1

Description

本考案は、渡しに産卵巣を吊下げた、水生生物用の吊り下げ式産卵巣に関するものである。
従来、水生生物用の産卵巣(産卵用器具等)としては、▲1▼産卵、飼育ケースを水中に置くものや、▲2▼疑似水草を水面に浮かべて産卵巣とするもの、▲3▼産卵巣を水面若しくは水中に浮遊させる浮遊産卵床や、▲4▼産卵巣を水底に敷設する人工産卵マット等が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
実開平7−39413号 特開2004−337140号 特開2000−188991号 第3061120号
水生生物には、親又は他の水生生物等と、卵又は孵化した幼生・稚魚等とを分離しないと、親又は他の水生生物等が、卵又は幼生・稚魚等を餌として食べてしまうものが存在する。
従来の技術で述べたもののうち特許文献1に記載の発明等は、飼育ケースにより、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とを分離することで、この問題を解決しようとするが、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とでは、水温や餌等の環境条件が異なるため、必ずしも、同じ水中では飼育できない、若しくは飼育が困難である、との問題点を有していた。
特許文献2に記載の発明等は、疑似水草を孵化用水槽等に移すことにより、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とを分離することを前提としているが、形状や機能等が観賞用の側面も有しているため、分離が必ずしも効率的には行われない、という問題点を有していた。
一方、特許文献3に記載の発明や、特許文献4に記載の発明等は、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とを分離することを、そもそも前提とはしていない。
本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、渡しに産卵巣を吊下げた吊り下げ式産卵巣とすることで、卵等の孵化用水槽等への移動を容易にし、また、複数の本水生生物用吊り下げ式産卵巣を、孵化用水槽等と飼育用水槽等との間で交互に用いることにより、延いては、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とを効率的に分離することである。
上記目的を達成するため、本考案における水生生物用吊り下げ式産卵巣は、渡し(1)に産卵巣(2)を吊下げた構成よりなる。また、渡しに産卵巣を吊下げた時、産卵巣が、それ自身の浮力等により対象とする水生生物の産卵する水深まで沈まない場合や、水流等により不安定に変動等する場合等には、それを防止するため、産卵巣の下部に吊下げられる重り(3)も構成要素となる。少なくとも、水槽の側壁若しくは岸辺等に横たえられ、水面上の中空等を左右に伸びる等する渡し(1)に、産卵巣(2)が吊り下げられることを特徴とする。
本考案は、上述のとおり構成されているので、次の効果がある。
渡しに産卵巣を吊下げた吊り下げ式産卵巣とすることで、渡しを持ち上げることにより、そこに吊り下がった産卵巣及びそれに付着した卵等をそのまま水から引き上げることができ、卵等の孵化用水槽等への移動が容易と成る。
また、複数の本水生生物用吊り下げ式産卵巣を、孵化用水槽等と飼育用水槽等との間で交互に用いることにより、延いては、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とを効率的に分離することができる。
本考案における水生生物用吊り下げ式産卵巣は、渡し(1)に産卵巣(2)を吊下げた構成よりなる。また、渡しに産卵巣を吊下げた時、産卵巣が、それ自身の浮力等により対象とする水生生物の産卵する水深まで沈まない場合や、水流等により不安定に変動等する場合等には、それを防止するため、産卵巣の下部に吊下げられる重り(3)も構成要素となる。少なくとも、水槽の側壁若しくは岸辺等に横たえられ、水面上の中空等を左右に伸びる等する渡し(1)に、産卵巣(2)が吊り下げられることを特徴とする。
次に、本考案について図面を参照して詳細に説明する。図1は本考案の第1実施例である、産卵巣に、例えばビニール等を材料とした、一枚綴りの枠無しのネットを用いた水生生物用吊り下げ式産卵巣の斜視図、図2はその正面図である。
図1では、水生生物用吊り下げ式産卵巣の渡し(1)は、水槽の側壁若しくは岸辺等に横たえられ、水面上の中空を左右に伸びている。渡しの形状、材質等は、水槽の側壁若しくは岸辺等に横たえる、または、吊下げた産卵巣を引き上げる、等のための強度、利便性等のあるものならば、例えば、断面が楕円形でプラスティック製のもの、断面が長方形で木製のもの、断面が円形で金属性のもの、等が考えられるが、特にそれのみに限定されるものではなく、また、その細部の形状等も限定されるものではない。産卵巣として用いた一枚綴りの枠無しのネットは、図1及び図2に示す様に、水面上の中空を左右に伸びる渡し(1)から水中へ吊下げられている。しかし、渡しは、例えば、一方の岸辺に横たえ、そこから産卵巣を水中へ吊下げることもあり、また、特に水面が広大な場合等には、渡しそのものを鉛直にして水底に突挿す、若しくは、水底に突刺す等した渡しの支持部材の上に横たえる、等して、そこから産卵巣を吊下げることもある。
上述のとおり、図1及び図2には、産卵巣として、例えばビニール等を材料とした、一枚綴りの枠無しのネットを用いたものを、水中に吊下げた様子を示しているが、実際には、産卵巣の材質、形状、位置等は、特に、水生生物の産卵特性等に応じて、適宜、変更することが必要である。産卵巣としては、水草や、枝切れ等の、通常、対象とする水生生物が生息・産卵する環境に存在している天然素材を用いることもあれば、材質としては、ビニール、棕櫚縄、合成繊維、プラスティック、金属等で、形状が、単複各々のネット式、枠付きネット式、モール式、縄式、帯式、筒式等の人工の産卵巣を用いることもある。また、位置としては、水面浮遊式、水中浮遊式、水底沈降式、または、それらの複合式等がそれぞれ考えられる。
図3には、第2実施例として、例えばビニール等を材料とした、枠無しのネットを産卵巣に用い、それを複数枚、水中に浮遊させた、水生生物用吊り下げ式産卵巣の斜視図を、図4には、第3実施例として、例えばビニール等を材料とした、モールを産卵巣に用い、それを複数個、水中に浮遊させた、水生生物用吊り下げ式産卵巣の斜視図を、図5には、第4実施例として、例えば棕櫚縄等を材料とした、紐、複数本を、一箇所で綴ったものを産卵巣に用い、それを複数個、水中に浮遊させた、水生生物用吊り下げ式産卵巣の斜視図を、図6には、第5実施例として、例えば合成繊維等を材料とした、短冊状の帯、複数枚を、一箇所で綴ったものを産卵巣に用い、それを複数個、水中に浮遊させた、水生生物用吊り下げ式産卵巣の斜視図を、図7には、第6実施例として、例えばプラスティック等を材料とした、筒を産卵巣に用い、それを複数個、水底に沈降させた、水生生物用吊り下げ式産卵巣の斜視図を、それぞれ示す。
それぞれの産卵巣の位置については、上述のとおり、水面浮遊式、水中浮遊式、水底沈降式、または、それらの複合式等が考えられるが、それ自身の浮力等により対象とする水生生物の産卵する水深まで沈まない場合や、水流等により不安定に変動等する場合等には、それを防止するため、重りの吊り下げにより、産卵巣の位置を調整することとなる。
なお、渡し(1)から産卵巣先端(2a)までの吊り下げ部の長さを、例えば、渡し(1)に巻き付ける等して、可変とすることでも、産卵巣の位置を、様々な水位、水深等に合わせることが可能となる。
また、複数の本水生生物用吊り下げ式産卵巣を、孵化用水槽等と飼育用水槽等との間で交互に用いることにより、延いては、親又は他の水生生物等と卵又は孵化した幼生・稚魚等とを効率的に分離することができる。
本考案の水生生物用吊り下げ式産卵巣の第一の実施例を示す斜視図である。 本考案の水生生物用吊り下げ式産卵巣の第一の実施例を示す正面図である。 同水生生物用吊り下げ式産卵巣の第二の実施例を示す斜視図である。 同水生生物用吊り下げ式産卵巣の第三の実施例を示す斜視図である。 同水生生物用吊り下げ式産卵巣の第四の実施例を示す斜視図である。 同水生生物用吊り下げ式産卵巣の第五の実施例を示す斜視図である。 同水生生物用吊り下げ式産卵巣の第六の実施例を示す斜視図である。
符号の説明
1 渡し
2 産卵巣
2a 産卵巣先端
3 重り
A 水面
B 水槽の側壁若しくは岸辺等

Claims (3)

  1. 渡し(1)に産卵巣(2)を吊下げた、水生生物用吊り下げ式産卵巣。
  2. 渡し(1)から産卵巣先端(2a)までの吊り下げ部の長さを可変にした、請求項1の水生生物用吊り下げ式産卵巣。
  3. 産卵巣(2)に単数若しくは複数の、枠付き若しくは枠無しのネットを用いた、請求項1及び請求項2の水生生物用吊り下げ式産卵巣。
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