JP3137988U - 通気路形成用スペーサおよびそのスペーサの取付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料取りの歩留まりのよい通気路形成用スペーサを提供すること。
【解決手段】矩形状の板体15の左右側部に、その側端から内方に向けて切込みを形成し、該切込みによって画成される側部を垂直方向一方に折り曲げて、その自由端が前記屋根内面または壁内面に当接させて通気路の高さを設定させる高さ設定片14を形成するとともに、切込みによって画成される他の側部を垂直方向他方に折り曲げて、縦枠材に添設される取付け片13を形成したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本考案は、通気路形成用スペーサおよびそのスペーサの取付け構造に関するもので、詳しくは、屋根内面または壁内面の縦枠材間に配備され、前記屋根内面または壁内面との間に通気路を形成する板状体からなる通気路形成用スペーサおよびそのスペーサの取付け構造に関するものである。
家屋の屋根または壁に断熱材を施工する場合には、結露防止や遮熱等の目的で、断熱材の室外側に通気路を形成することが行なわれている(例えば、特許文献1)
特許文献1に開示されている断熱構造では、通気路形成用スペーサを使用して通気路を形成している。そして、この通気路形成用スペーサは、矩形状の板体の両側部を山状に折り曲げてなるもので、頂部を野地板内面に当接させて通気路の高さを設定し、自由端を垂木に弾性接触させることによって設置される。
特開2001−227080号公報(図1乃至図3参照)
ところで、上記特許文献1に開示されている通気路形成用スペーサは、矩形状の板体の両側部を山状に折り曲げて、通気路の高さを設定する部位および垂木への係止部を形成しているため、大きな面積の板体を必要とし、材料取りの歩留まりが悪くなると言う課題があった。
本考案は、上記した背景技術が有する課題に鑑みて成されたものであって、スペーサの通気路の高さ設定および取付けに要する板体の折り曲げ部の形成に要する板材の面積を極力少なくした、即ち、材料取りの歩留まりのよい通気路形成用スペーサおよびをそのスペーサの取付け構造を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、請求項1の通気路成形用スペーサは、屋根内面または壁内面の縦枠材間に配備され、前記屋根内面または壁内面との間に通気路を形成する板状体からなる通気路形成用スペーサであって、矩形状の板体の左右側部に、その側端から内方に向けて切込みを形成し、該切込みによって画成される側部を垂直方向一方に折り曲げて、その自由端を前記屋根内面または壁内面に当接させる通気路の高さを設定させる高さ設定片を形成するとともに、前記切込みによって画成される他の側部を垂直方向他方に折り曲げて、前記縦枠材に添設される取付け片を形成したことを特徴とする。
また、請求項2の通気路成形用スペーサは、屋根内面または壁内面の縦枠材間に配備され、前記屋根内面または壁内面との間に通気路を形成する板状体からなる通気路形成用スペーサであって、矩形状の板体の左右側部の一部に、両端が側部外方に向く切込みを形成し、該切込みによって画成された部分を含む左右側部を垂直方向に折り曲げて、その自由端が前記屋根内面または壁内面に当接させて通気路の高さを設定させる高さ設定片を形成するとともに、前記切込みで画成される部位によって、前記縦枠材に添設される取付け片を形成したことを特徴とする。
ここで、上記両考案において、縦枠材は、垂木,柱,間柱等を言う。
また、請求項3の通気路成形用スペーサは、上記請求項2の考案において、前記両端が側部外方に向く切込みの形状が、コ字状、円弧状、および底辺を折り曲げ部とする台形状のいずれかであることを特徴とする。
また、請求項4の通気路成形用スペーサは、上記請求項1、2または3の考案において、上記側部の折り曲げる部位に薄肉部を形成したことを特徴とする。
この考案において、薄肉部は、型成形,熱溶融,熱プレス等によって形成できるが、熱プレスによって形成することが強度上好ましい。
また、請求項5の通気路成形用スペーサは、上記請求項1〜4のいずれかの考案において、上記板体を熱可塑性樹脂発泡板体によって形成したことを特徴とする。
この考案において、熱可塑性樹脂発泡体を形成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、或いは、これら2種以上の混合物を基材樹脂とするポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸塩基共重合体等のポリオレフィン系樹脂、硬軟質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸又はメタアクリル酸又はそれらのエステル樹脂等が挙げられるが、中でもポリスチレン系樹脂が断熱性能の点、強度の点および安価である点で好ましい。
また、請求項6の通気路成形用スペーサは、上記請求項1〜5のいずれかの考案において、上記板体の少なくとも片面にアルミ層を形成したことを特徴とする。
この考案において、アルミ層は、アルミ箔を板体に接着剤,融着等によって接着して形成してもよく、アルミ蒸着フィルムを板体に接着させてもよい。
また、請求項7の通気路成形用スペーサは、上記請求項1〜6のいずれかの考案において、上記板体の少なくとも片面に多数の非貫通孔を形成したことを特徴する。
この考案において、該非貫通孔は針ロールを通過させるなどの針穴加工により形成できる。
また、請求項8の通気路成形用スペーサは、上記請求項1〜7のいずれかの考案において、上記矩形板の前後方向端部に、他のスペーサの矩形板の端部と重ね合わせる連結片を設けたことを特徴とする。
また、上記した課題を解決するため、請求項9の通気路成形用スペーサの取付け構造は、上記請求項1〜8のいずれかの通気路形成用スペーサを使用し、上記高さ設定片の自由端を上記屋根内面または壁内面に突き当て、上記取付け片を縦枠材にステープルによって固定したことを特徴とする。
上記した請求項1の通気路形成用スペーサによれば、側部の一部をスペーサの通気路の高さ設定をする高さ設定片とし、他部を取付けに要する取付け片としているので、材料取りの歩留まりを高めることができる。
また、上記した請求項2の通気路形成用スペーサによれば、側部をスペーサの通気路の高さ設定をするための高さ設定片とし、板体内に切込みによって形成した部位を取付けに要する取付け片としているので、やはり材料取りの歩留まりを高めることができる。更に、上記した請求項3の通気路形成用スペーサは、前記切込みの形状をコ字状、円弧状、或いは底辺を折り曲げ部とする台形状としているので、通気路成形用スペーサの生産性、縦枠材への取付け作業性において優れるものとなる。
また、上記した請求項4の通気路形成用スペーサによれば、薄肉部で折り曲げて高さ設定片,取付け片を形成することができるので、容易に設定片,取付け片を板体に対して垂直に立設することができる。
また、上記した請求項5の通気路形成用スペーサによれば、板体を熱可塑性樹脂発泡体によって形成しているので、断熱効果を高めることができる。また、施工性に関わる軽量性や、施工後の耐久性に関わる耐水性にも優れている。なお、熱可塑性樹脂発泡体は密度が0.2〜0.04g/cm3、厚みが2〜8mmのものが特に好ましい。
また、上記した請求項6の通気路形成用スペーサによれば、板体に遮熱性能を有するアルミ層を形成しているので、断熱効果をより高めることができる。
また、上記した請求項7の通気路形成用スペーサによれば、非貫通孔により透湿性を向上させることができ、通気路形成用スペーサ内側の小屋裏などの家屋内部空間の湿度調整が容易となる。また、非貫通孔であるため水が通過することはない。なお、該非貫通孔の深さは通気路形成用スペーサの厚みの1/4〜4/5であることが好ましく、該非貫通孔の開口部の最大径は2.5mm以下、特に2.0mm以下が好ましい。
また、上記した請求項8の通気路形成用スペーサによれば、連結片を他の通気路形成用スペーサの端部に重ね合わせ、連設されるスペーサ同士を隙間なく接続することができるので、スペーサ連結部からの空気漏れ、該連結部から通気路形成用スペーサ内側の家屋内部空間への埃の浸入を防ぐことができる。
一方、上記した請求項9の通気路形成用スペーサの取付け構造によれば、スペーサをステープルによって垂木等の縦枠材に固定するので、スペーサの取付けが容易であり、また高さ設定片によって通気路の形状が一定に保たれるので、安定した断熱性能を有する通気路が得られる。
以下に、本考案に係る通気路成形用スペーサおよびそのスペーサの取付け構造を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1乃至図4は、本考案に係る通気路形成用スペーサの一実施の形態を示したもので、図1は、通気路形成用スペーサの斜視図、図2は、その通気形成用スペーサの展開斜視図、図3は、図2におけるIII−III線断面図、図4は、その通気路形成用スペーサを設置した状態を示した断面図である。
この実施の形態に係る通気路形成用スペーサ10は、図1に示すように、主板11と、該主板11の前後方向の端部の一方を延長して形成した連結片12と、主板11の両側端の中央部に、主板11に対して垂直方向下方に向けて立設された取付け片13と、取付け片13を除く主板11の両側端に、主板11に対して垂直方向上方に向けて立設された高さ設定片14とを備えている。
この通気路形成用スペーサ10は、図2に示すような略矩形状の熱可塑性合成樹脂発泡体からなる板体15の上面に、アルミ箔16を貼着してなる板体素材17によって形成されている。また、この板体素材17には、全面にわたって均一な分布で多数の非貫通孔18が形成され、板体素材17の左右側部上下面には、図3に示すような、薄肉部19が、側端と平行に形成されている。さらに、この板体素材17には、左右側部中間に、側端から内方に向けて、薄肉部19に達する2本の切込み20,20がそれぞれ形成されている。
そして、この板体素材17の切込み20,20と薄肉部19とによって画成される部位を垂直方向下方に折り曲げることによって取付け片13を形成し、その他の側部を薄肉部19において上方へ折り曲げることによって高さ設定片14を形成する。
このように形成された通気路形成用スペーサ10は、図4に示すように、例えば野地板1の内面に設置された垂木2,2間に挿嵌し、高さ設定片14の自由端を野地板1の内面に突き当て、取付け片13をステープル3によって垂木2に固定することによって取付けられる。また、通気路形成用スペーサ10は、その連結片12を他の通気路形成用スペーサ10の主板11の端部に重ね合わせ、連設されるスペーサ同士が隙間なく接続される。なお、連結片12と主板11の端部とは必要に応じて接着剤等によって重ね合わせ接合することもできる。
そして、通気路形成用スペーサ10の主板11と垂木2とによって画成される空間には、断熱材4が充填され、垂木2の内面に添設させた内装板5との間に収容される。なお、図4においては、上記の通り、通気路形成用スペーサ10の主板11と垂木2とによって画成される空間に断熱材4が充填され、垂木2の内面に添設させた内装板5との間に収容される態様について示しているが、本考案はこの態様に限定されるものではなく、断熱材4及び/または内装板5を設けなくてもよい。
このように野地板1の内面の垂木2間に配備された通気路形成用スペーサ10により、野地板1との間に通気路Aが確保され、さらに、通気路形成用スペーサ10に設けられたアルミ層16によって断熱性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、主板11の左右の側端に取付け片13を1つ形成しているが、取付け片13を2つ以上形成してもよい。また、該連結片12は、主板11の前後方向の一方の端部に限らず、両端に設けられていてもよい。
図5乃至図8は、本考案に係る通気路形成用スペーサの他の実施の形態を示したもので、図5は、通気路形成用スペーサの斜視図、図6は、その通気形成用スペーサの展開斜視図、図7は、図6におけるVII−VII線断面図、図8は、その通気路形成用スペーサを設置した状態を示した断面図である。
この実施の形態の通気路形成用スペーサ30は、図5に示すように、主板31と、該主板31の前後方向端部の一方を延長して形成した連結片32と、主板31の両側端にその全長にわたって垂直上方へ向けて立設された高さ設定片33と、主板31の両側端の両端部近傍の2箇所に、主板31に対して垂直方向下方に向けて立設された取付け片34とを備えている。
この通気路形成用スペーサ30は、図6に示すような略矩形状の熱可塑性合成樹脂発泡体からなる板体35の上面に、アルミ箔36を貼着してなる板体素材37によって形成されている。また、この板体素材37には、全面にわたって均一な分布で多数の非貫通孔38が形成され、板体素材37の左右側部上下面には、図7に示すような、薄肉部39が、側端と平行に形成されている。さらに、この板体素材37の両側部には、コ字状の切込み40が形成されている。この切込み40は、コ字状端が薄肉部39に位置し、該薄肉部39から内方に向かって形成されている。なお、両端が側部外方に向く切込みの形状は、前記コ字状に限らず、取付け片を形成できる形状であればよく、一辺を折り曲げ部とする多角形状、円弧状などの切込み形状が採用できるが、通気路成形用スペーサの生産性、縦枠材への取付け作業性等の観点から、コ字状、円弧状、および底辺を折り曲げ部とする台形状のいずれかであることが好ましい。
そして、この板体素材37の両側部を薄肉部39で上方へ折り曲げることによって高さ設定片34が形成される。すると、それに伴ってコ字状の切込み40によって画成された部位は、下方に向けて延設され、それによって取付け部34が形成される。
このように形成された通気路形成用スペーサ30は、図8に示すように、例えば野地板1の内面に設置された垂木2,2間に挿嵌し、高さ設定片33の自由端を野地板1の内面に突き当て、取付け片34をステープル3によって垂木2に固定することによって取付けられる。また、通気路形成用スペーサ30は、その連結片32を他の通気用形成スペーサ30の主板31の端部に重ね合わせ、連設されるスペーサ同士が隙間なく接続される。
そして、必要に応じて、通気路形成用スペーサ30の主板31と垂木2とによって画成される空間には、断熱材4が充填され、垂木2の内面に添設させた内装板5との間に収容される。
このように野地板1の内面の垂木2間に配備された通気路形成用スペーサ30により、野地板1との間に通気路Aが確保される。
なお、上記実施の形態では、主板31の側端に取付け片34を2つ形成しているが、取付け片34を1つまたは3つ以上形成してもよい。また、該連結片32は、主板31の前後方向の一方の端部に限らず、両端に設けられていてもよい。
以上、本考案の2つの態様について説明したが、両態様は、主要な構成を共通とし、同様の作用・効果を奏するものである。
本考案に係る通気路形成用スペーサの一実施の形態を示した斜視図である。 図1に示した通気路形成用スペーサの展開斜視図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 図1に示した通気路形成用スペーサの設置状態を示した断面図である。 本考案に係る通気路形成用スペーサの他の実施の形態を示した斜視図である。 図5に示した通気形成用スペーサの展開斜視図である。 図6におけるVII−VII線断面図である。 図5に示した通気路形成用スペーサの設置状態を示した断面図である。
符号の説明
1 野路板
2 垂木
3 ステープル
4 断熱材
5 内装板
10 通気路形成用スペーサ
11 主板
12 連結片
13 取付け片
14 高さ設定片
15 板体
16 アルミ箔
17 板体素材
18 非貫通孔
19 薄肉部
20 切込み
30 通気路形成用スペーサ
31 主板
32 連結片
33 高さ設定片
34 取付け片
35 板体
36 アルミ箔
37 板体素材
38 非貫通孔
39 薄肉部
40 切込み
A 通気路

Claims (9)

  1. 屋根内面または壁内面の縦枠材間に配備され、前記屋根内面または壁内面との間に通気路を形成する板状体からなる通気路形成用スペーサであって、
    矩形状の板体の左右側部に、その側端から内方に向けて切込みを形成し、該切込みによって画成される側部を垂直方向一方に折り曲げて、その自由端を前記屋根内面または壁内面に当接させて通気路の高さを設定させる高さ設定片を形成するとともに、
    前記切込みによって画成される他の側部を垂直方向他方に折り曲げて、前記縦枠材に添設される取付け片を形成したことを特徴とする、
    通気路形成用スペーサ。
  2. 屋根内面または壁内面の縦枠材間に配備され、前記屋根内面または壁内面との間に通気路を形成する板状体からなる通気路形成用スペーサであって、
    矩形状の板体の左右側部の一部に、両端が側部外方に向く切込みを形成し、
    該切込みによって画成された部位を含む左右側部を垂直方向に折り曲げて、その自由端が前記屋根内面または壁内面に当接させて通気路の高さを設定させる高さ設定片を形成するとともに、
    前記切込みで画成される部位によって、前記縦枠材に添設される取付け片を形成したことを特徴とする、
    通気路形成用スペーサ。
  3. 前記両端が側部外方に向く切込みの形状が、コ字状、円弧状、および底辺を折り曲げ部とする台形状のいずれかであることを特徴とする、
    請求項2に記載の通気路形成用スペーサ。
  4. 前記側部の折り曲げる部位に薄肉部を形成したことを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の通気路形成用スペーサ。
  5. 前記板体を熱可塑性樹脂発泡板体によって形成したことを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の通気路形成用スペーサ。
  6. 前記板体の少なくとも片面にアルミ層を形成したことを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれかに記載の通気路形成用スペーサ。
  7. 前記板体の少なくとも片面に多数の非貫通孔を形成したことを特徴する、
    請求項1〜6のいずれかに記載の通気路形成用スペーサ。
  8. 前記矩形板の前後方向端部に、他のスペーサの矩形板の端部と重ね合わせる連結片を設けたことを特徴とする、
    請求項1〜7のいずれかに記載の通気路形成用スペーサ。
  9. 請求項1〜8のいずれかの通気路形成用スペーサを使用し、前記高さ設定片の自由端を前記屋根内面または壁内面に突き当て、前記取付け片を縦枠材にステープルによって固定したことを特徴とする、
    通気路用スペーサの取付け構造。
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