JP3137614B2 - 微粒バルーン軽量高強度コンクリートの製造方法 - Google Patents
微粒バルーン軽量高強度コンクリートの製造方法Info
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Description
強度コンクリートの製造方法に関する。
バルーンは、アルミノ珪酸塩ガラスからなり非常に微細
で比表面積が大きく適度な粒度分布をもつので、養生に
よって微粒バルーンの外殻はセメントと反応して強固に
結合する。そして、微粒バルーンの痕跡として残された
独立気孔は平均径20μm以下と非常に微細であるため
に破壊の起点になりにくいので、高強度が発現してい
る。この独立気孔が多量に存在するために、軽量性が保
たれ、優れた断熱性を有し、結露防止性、防音性、耐火
性など優れた機能性を併せ持つ。
788号による微粒中空ガラス球状体(以下微粒バルー
ンと称す)の優れた特性、すなわち、微細性、軽量性、
高強度、断熱性、耐熱性、防音性とセメントとの優れた
反応性に着目してこれよりもさらに平均粒径の微少なバ
ルーンを用いる点にある。特許第2562788号の特
徴は平均20μm以下の火山ガラス質堆積物の微粒子
と、この微粒子の親水性を減少させる親水性減少剤との
混合物を生成し、流動層式加熱炉を用いることによっ
て、前記混合物を900℃〜1200℃で熱処理する方
法を用いている点にある。
ス質堆積物として、鹿児島県吉田町に産し、粒径が比較
的微少に揃っている二次堆積シラス(以下では単にシラ
スと称する)を用いている。また親水性減少剤には、シ
ラスの微粒子の表面水酸基とカップリング反応を生じる
ことにより、シラスの微粒子表面に撥水性を与えるカッ
プリング剤であり、メチルトリメトキシシランを主成分
とするシランカップリング剤などを用いて実施してい
る。
樹脂製のビーズやバルーンを用いた場合には、このよう
なセメントとの反応性がないので、これら粒子とセメン
ト粒子との強固な結合が起こらず、高強度にならない。
本発明で用いる微粒バルーンとしては、粒径が小さいほ
ど高強度であり、セメントとの反応性も高くなるので、
特に平均粒径10μm未満とした場合には、後述する実
施例1、2に見られるように、標準砂を用いたコンクリ
ートよりも20%以上軽量化しているにもかかわらず、
曲げ強度が著しく向上しており、圧縮強度も同等以上を
示した。そして、強度値をコンクリートのカサ比重で割
った「比強度」においては、比曲げ強度、比圧縮強度
は、共に著しい強度向上を示した。
均粒径が10μm未満で比表面積が大きいので、混練時
に多くの水を必要とする傾向にあるが、減水剤を適量
(対セメント比で約4%以下)加えることによって、必
要以上の水分を抑えることが可能となった。このこと
が、微粒バルーンを使いこなす上での重要な点であり、
軽量性と高強度を両立させるポイントとなっている。
有する軽量性と高強度さらには断熱性やその他の諸性質
を活用できる用途としてコンクリート組成に含有するこ
とに着目して鋭意研究を重ね、微粒バルーン軽量高強度
コンクリートを提供するに至ったものである。そして本
発明は、従来技術では困難であった軽量性と高強度を両
立したコンクリートの開発を目的としている。
ルーンを組成中に包含した微粒バルーン軽量高強度コン
クリートの製造方法を提供しようとするものであって、
その構成としては、請求項1に記載したように、セメン
ト粒子間の空隙に、火山ガラスの微粉砕粒子を急速加熱
して形成した平均粒径10μm未満の微粒バルーンを流
入充填させるものであって、セメントの重量1に対して
重量比0.5〜1.5の割合で上記平均粒径10μm未
満の火山ガラスからなる微粒バルーンを加え、これに水
と減水剤を加えて混練し、養生させてコンクリートを製
造することを特徴としている。上記した微粒バルーンを
含有した軽量高強度コンクリートを製造する本発明方法
によると、セメント粒子間に微粒バルーンを充填させる
のに好適な製造方法であり、セメント比0.5未満で
は、高強度になるが、軽量化を達成できない。また、セ
メント比1.5を越えては、軽量化するが、高強度にな
らない。本発明に用いる微粒バルーンは、低比重なので
セメント比は上記した0.5〜1.5でも充分軽量化で
きることになる。
ン軽量高強度コンクリートによると、平均粒径10μm
未満の微粒バルーンは、特に軽量性と断熱性に優れてお
り、セメントの粒子間の空隙に流入されて空隙を充実さ
せたコンクリートとなり、軽量なコンクリートを形成で
きるものとなり、軽量で断熱性に優れた屋根瓦、断熱性
を必要とするビルの壁や屋根、軽量で浮力を必要とする
コンクリートポンツーン等の製品に広く使用できる。
て、セメントと、微粒バルーンと、水および減水剤につ
いての配合例を以下の表1に示す。これらの配合例に基
づき何れの場合にも、混練後、養生させるもので、養生
後の微粒バルーン軽量高強度コンクリートの強度につい
ては以下の表2に示す通りである。
参考にしている。何れも養生は、長期的強度を見るため
に、促進試験の手法を用いた。具体的には、成形後1日
湿気箱中、脱形後に70℃の温水中で9.5日間養生し
た。
湿気箱中、脱形後に70℃の温水中で9.5時間養生し
た。 * 上記の曲げ強度、圧縮強度は平均値(3検体)であ
る。 軽量化率=(1−(微粒バルーンコンクリートのカサ比
重/標準砂コンクリートのカサ比重)×100 比曲げ強度=各実施例の曲げ強度/各実施例のカサ比重 比圧縮強度=各実施例の圧縮強度/各実施例のカサ比重 微粒バルーン軽量高強度コンクリートの特徴: 軽量、
高強度について 曲げ強度、圧縮強度は、標準砂を用いたJIS規格試験
体より約25%以上軽量化(コンクリートのカサ比重で
比較して)しているにもかかわらず、高強度を示した。
それらの比強度は、抜群に優れている。
反応性がよく強固に結合することと、微粉砕火山ガラス
と異なり焼成作用を受けており、中空状が多いが、破片
状など複雑形状の粒子が多いと考えられ、その複雑な粒
子とセメント粒子が複雑にからみつき、反応して強固に
結合し、軽量化しているにもかかわらず、著しい曲げ強
度の向上を示したと考えられる。
軽量高強度コンクリートの製造方法によると、平均粒径
10μm未満の微粒バルーンはセメントの粒子間の空隙
内に流入して空隙を充填させ易くなり、コンクリート重
量を軽減して軽量性と高強度さらには断熱性を具有する
コンクリートを提供でき、種々の用途、例えば軽量性と
高強度さらには断熱性とが要求される屋根瓦、ビルの壁
や屋根、軽量性で浮力を要求するコンクリートポンツー
ン等の製品として好適なコンクリートを提供できる方法
となる。
する軽量高強度コンクリートの製造方法によれば、至極
簡単でコストメリットをもたらす製造方法となる。
Claims (1)
- 【請求項1】セメント粒子間の空隙に、火山ガラスの微
粉砕粒子を急速加熱して形成した平均粒径10μm未満
の微粒バルーンを流入充填させるものであって、セメン
トの重量1に対して重量比0.5〜1.5の割合で上記
平均粒径10μm未満の火山ガラスからなる微粒バルー
ンを加え、これに水と減水剤を加えて混練し、養生させ
てコンクリートを製造することを特徴とする微粒バルー
ン軽量高強度コンクリートの製造方法。
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JP7611799A JP3137614B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 微粒バルーン軽量高強度コンクリートの製造方法 |
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