JP3137234B2 - 軽量耐火物のガラス膜コーティング方法及び高精度ガラス膜被覆軽量耐火物 - Google Patents

軽量耐火物のガラス膜コーティング方法及び高精度ガラス膜被覆軽量耐火物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽量耐火物上に高精
度なガラス膜(特に黒色ガラス膜)を施工するためのコ
ーティング方法全般に関するものである。本発明はま
た、高寸法精度の黒色ガラス膜被覆軽量耐火物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】米国航空宇宙局のスペースシャトルに使
用されている様な無機質繊維系の軽量耐火物は以下の
〜の理由から軽量耐火物上にガラス膜を施工してい
る。 輻射率、太陽光吸収率といった光学特性の確保。 耐環境性の向上。 ハンドリング性の向上。
【0003】米国航空宇宙局が提出している米国特許
4,093,771では、軽量耐火物に施工されるガラ
ス膜に高シリカのガラスフリットと酸化ホウ素からなる
反応硬化(ないし熟成)ガラス(リアクション・キュア
ード・ガラス:RCG)と四ホウ化ケイ素(Si
4)、六ホウ化珪素といったホウ化珪素化合物、及び
二ケイ化モリブデン等の金属化合物とのガラス組成物を
採用し、上記のガラス膜に求められる3つの特性のみな
らず耐高温特性、及び耐熱衝撃特性の確保を意図してい
る。特にの理由から、スペースシャトルに使用されて
いる様な無機質繊維系の軽量耐火物に施工されるコーテ
ィングガラスにはホウ化珪素化合物が必要不可欠な原料
とされている。
【0004】ホウ化珪素化合物、及び二ケイ化モリブデ
ンは非酸化物であり、上記米国特許4,093,771
の様に急熱、急冷により施工したガラスフリット層
(生)を焼き付け(グレーズ処理)しないと、四ホウ化
ケイ素が急激に酸化し太陽光吸収率や輻射率に関して所
定の特性が得られないことが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本件発
明に至る開発過程で明らかになったことは、無機質繊維
系の軽量耐火物は脆く、強度も低いために、ガラス面を
焼き付ける際に急熱、及び急冷で熱を掛けると、コーテ
ィングしたガラス面と軽量耐火物との熱膨張差のために
ガラス被覆軽量耐火物全体が歪みを発生し、所定形状を
保持できず歩留まりを大きく低減してしまうという欠点
があることである。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、軽量耐火物上に精度良くコーティングガラス膜を
施工するガラスコーティング方法及び高い寸法精度のガ
ラス膜被覆軽量耐火物を提供することを主な目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点によ
れば、不活性ガス雰囲気中、且つ徐加熱、徐冷のヒート
カーブで、軽量耐火物にガラス膜を焼き付けることを特
徴とするガラス膜のコーティング方法が提供される。
【0008】第2の視点において、前記ガラス膜の出発
材料は、高シリカのガラスフリットと酸化ホウ素粉末か
ら主としてなる反応硬化ガラスに黒色顔料として珪素ホ
ウ化物を含有することを特徴とする。
【0009】第3の視点において、前記珪素ホウ化物と
して四ホウ化珪素又はこれと他の珪素ホウ化物の1種以
上の混合物を用いることを特徴とする。
【0010】第4の視点として、前記反応硬化ガラス中
の酸化ホウ素の割合が8〜13wt%であり、ガラス膜
の焼き付け温度が1200〜1260℃であることを特
徴とする。
【0011】第5の視点として、前記軽量耐火物は無機
質繊維を主体とする高気孔率軽量耐火物であることを特
徴とする。さらに、第6の視点として、これらの方法に
よりコーティング時歪み量8%以下の高精度ガラス膜被
覆軽量耐火物が得られる。なお、本願において数値範囲
は無の限界値のみでなく任意の中間値を含み開示したも
のとする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態におい
て、反応硬化ガラス(フリット)とホウ化珪素との混合
スラリーを軽量耐火物に施した後、窒素ガス、アルゴン
ガス等の不活性ガス雰囲気中での徐加熱、徐冷によりコ
ーティングガラス膜を焼き付けることでコーティングさ
れる。不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガス、そ
の他のイナートガスを用いることができ、特に窒素ガ
ス、アルゴンガス等がよい。スラリーによる膜形成は、
均一かつ迅速な膜形成のできる方法であればよく、スプ
レーが好ましい。
【0013】コーティングガラス膜に耐高温特性及び耐
熱衝撃特性を付与するためには、主原料となるガラスフ
リットは高シリカのガラスフリットとする必要がある。
シリカ分は、一般的には96%以上とすることが好まし
い。ガラスフリットに含まれる不純物は、Na,Kとい
ったアルカリ金属やMg、Caといったアルカリ土類の
金属のガラスの耐熱特性を低下させる不純物を極力含ま
ないことが望ましく、不純物の多くは酸化ホウ素、もし
くはアルミナであることが望ましい。ガラスフリットの
先に述べた理由からシリカ分は高シリカであればあるほ
ど望ましく、石英ガラスで知られるように98%シリカ
という高シリカのガラスフリットもあるが、本発明では
入手し易さ、コストの点から規格値で96%シリカの多
孔質ガラスフリットを用いることができる。但し、ガラ
スフリットに含まれる主な不純物としてアルミナ及び酸
化ホウ素は許容されるが、それ以外の不純物、特に ガ
ラスの耐熱特性を低下させる不純物は総量で1%よりも
少ない量に抑えることが好ましい。このような耐熱性を
低下させる不純物としては、Na、Kといったアルカリ
金属、及びMg、Caといったアルカリ土類金属、F
e、及びTiといったものがある。
【0014】高シリカのガラスフリットとしては米国コ
ーニング社のVycolガラス等が知られているが、こ
れら高シリカのガラスについては一般に製造工程に不純
物除去のための酸洗浄の工程があり、酸洗浄した際に発
生する気孔を有した多孔質ガラスと、酸洗浄した後に熱
処理を行い気孔を除去した緻密質のガラスとがある。コ
ーティングガラス膜の焼き付け工程の焼き付け温度を余
り高くすると、軽量耐火物全体が歪みを発生し易くなり
不都合を生じ、出来るだけ低い温度で行うためには反応
硬化ガラスに使用するガラスフリットは高シリカである
と同時に活性に富んだ多孔質であることが望ましい。
【0015】本発明で用いる軽量耐火物としては高温雰
囲気中での繰り返し使用する場合も特に意図している。
その気孔率は高い程好ましいが、強度との兼ね合いを考
慮して一般に80〜90%以上、好ましくは90〜96
%、特には90%以上のものを用いることか適当であ
る。また、そのためには、高温雰囲気中での繰り返しの
使用時にもガラスが結晶化しないようにガラスの結晶抑
制剤を加えることが好ましい。ガラスの結晶抑制剤とし
てはホウ素が知られており、本発明では酸化ホウ素を有
効に用いることが出来る。高シリカで多孔質のガラスフ
リットに添加する酸化ホウ素は、ガラスフリットと同様
に耐高温特性及び耐熱衝撃特性を碓保するために、不純
物除去の点から高純度であればあるほど望ましい。本発
明の実施例では入手し易さ、コストの点から5ナイン
(99.999%以上)の高純度酸化ホウ素粉末を用い
ることが好ましい。
【0016】ガラスフリットに対する酸化ホウ素の割合
は、米国特許4,093,771では2〜4wt%B2
3を推奨している。しかし、歪み量を減少させるとい
う点から、本発明の一視点において、ガラスフリットに
対する酸化ホウ素の割合は6wt%以上、特に8〜13
wt%B23を選択することが好ましい。なお、ガラス
フリットに対する酸化ホウ素の割合が8wt%以上でガ
ラス焼き付け時の温度が適度となり歪み量減少に有効で
あるが、13wt%よりも高いと耐高温特性が低下する
傾向があり不適切となりうるので注意が必要である。
【0017】ガラスフリットと高純度ホウ酸粉末とを均
質に混合するために、酸化ホウ素粉末をイオン交換水中
に溶僻、分散させたホウ酸水溶液中にガラスフリットを
均質に分散させた後、ホットプレート、もしくはマント
ルヒーター等で加熱しながら撹拌し水分を除去させる。
更に、乾燥オーブン中で余剰の水分を除去した後、粉
砕、#16メッシュで分級する。分級したガラスフリッ
トと酸化ホウ素の混合物を1000〜1100℃の温度
で2時間焼成し、ガラスフリットと酸化ホウ素とを反応
させる。焼成は1000℃より低い温度ではガラスフリ
ットと酸化ホウ素の反応が不十分であり、1100℃よ
り高い温度ではガラスフリットと酸化ホウ素が反応、溶
解してしまうため不適切である。焼成後、ボールミルで
粉砕、#330〜300メッシュで分級し反応硬化ガラ
スとする。分級において#300メッシュよりも粗いメ
ッシュを使用すると平均粒径の大きな反応硬化ガラスと
なり、高精度なガラスコーティング膜は出来ない。又、
#330メッシュよりも細かいメッシュで分級しても分
級操作が煩雑になるだけで、効果は確認できない。
【0018】反応硬化ガラスはホウ化珪素を加え、更に
分散媒としてエタノール、結合剤として2wt%メチル
セルロース水溶液をボールミルで3〜6時間混合しスラ
リーとする。十分な黒色ガラス膜とするためには、反応
硬化ガラスに加えるホウ化珪素としては、四ホウ化珪素
が好ましく、六ホウ化珪素、十二ホウ化珪素−これらの
混合物ないし複合体(固溶体を含む)等の他のホウ化珪
素化合物、又は二ケイ化モリブデンでは黒色の発色が良
好ではないため不適切となろう。四ホウ化珪素は特殊な
ホウ化珪素化合物であるが、米国 CERAC社のB−
1088というグレードで得られる。本発明の一視点に
よれば、ホウ化珪素(特に四ホウ化珪素を主体とするも
の)は反応硬化ガラスとホウ化珪素化合物との総量に対
し、2.5wt%以上となるように調合する。2.5w
t%よりも低いホウ化珪素化合物添加では黒色の発色や
所定の光学特性が得られない等の問題が生ずるので、そ
の対応策が必要となろう。又、四ケイ化ホウ素等の珪素
ホウ化物は特殊なケイ化ホウ素化合物であり、高価な原
料であるので余り多量に用いることは経済的に得策でな
く、最も望ましいのは2.5〜5.0wt%である。
【0019】スラリーとするための分散媒としては有機
溶媒が相応しい。ガラス膜を施工する軽量耐火物は高気
孔率であり、特に80〜90%以上の気孔率のものをも
意図しており、多量の分散媒を吸収するが、水等の蒸発
温度の高い分散媒では、軽量耐火物中に浸入した分散媒
が蒸発し難く乾燥、もしくはガラス焼き付け時にガラス
膜を破損してしまう。また、水等の分散媒を使用した場
合には、四ホウ化珪素と反応、分解してしまう可能性が
あり不適切である。以上の点、及びガラスフリットの親
和性、入手の容易さから本発明の実施例では分散媒とし
てエタノールを選択したが、その他メタノール、イソプ
ロピルアルコール等の揮発性有機溶媒を用いることもで
きる。コーティング時のガラスペースト膜の(焼成まで
の)保形のため有機バインダを用いるが、一例としてメ
チルセルロース水溶液が添加される。メチルセルロース
水溶液の濃度は特に制限はないが、濃度が高い調合しに
くいため不利である。本発明の実施例では標準的な2w
t%のメチルセルロース水溶液を採用した。なお、一般
的にメチルセルロース水溶液は基本的にはエタノールに
溶解(混溶)しないため、米国 3M社製のメトセル
E,F,J、Kや信越化学製SHタイプのような有機溶
剤への溶解性を改善したヒドロキシプロビル基を有した
メチルセルロースが望ましい。フリットスラリーの保形
用の有機バインダとしてはその他エチルセルロース、ポ
リビニルアルコール等の公知のものを用いることができ
る。
【0020】混合したスラリーはスプレーガンに充填
し、コンプレッサー圧力を4kgf/cm2以下、スプ
レーガンのトリガーを引いた際の圧力を3kgf/cm
2以下となるように設定する。これ以上の圧力でスプレ
ーコーティングを行うと、用いた汎用スプレーガンの場
合においては、スプレーガンから圧縮空気によりコーテ
ィング面が波打ち、高精度なコーティング膜を施工する
ことができないおそれがあるので注意を要する。コーテ
ィングを行う軽量耐火物は予めスラリーに用いるエタノ
ールと同−のエタノールで十分に湿らせておくことが好
ましい。軽量耐火物は多孔質のため乾燥したままスプレ
ーコーティングすると溶媒であるエタノールのみが軽量
耐火物中に吸収され、コーティング面を荒らしてしまう
ことになろう。
【0021】スプレーコーティング後、室温で所定時間
(例えば16時間以上)乾操しエタノールを除去した後
に、所定温度(例えば70℃)のオーブン中でさらに
(例えば3時間以上)乾燥し、残余の溶媒(エタノー
ル)を十分に除去する。
【0022】なお、米国特許 4,093,771では
コーティング面の焼き付けを焼き付け温度(特に112
0〜1210℃)に保持した焼成炉中に試料を急装入
(投入)かつ所定時間経過後急取出して急熱、急冷する
ことで行っている(第4欄〜第6欄)。ところで、一般
に添加剤として加えている四ホウ化珪素は図1に示すよ
うに700℃付近で著しく酸化し、酸化珪素と酸化ホウ
素へ分解してしまい、分解が進むと所定の黒色の発色、
及び光学特性が得られなくなる。しかし、焼き付け温度
の高温炉中に急装入されたコーティング組成物中のガラ
ス(フリット)は四ホウ化珪素が酸化する前に反応硬化
ガラス粒子が溶解し、四ホウ化珪素の周りに拡がり大略
コートするため、コートされたガラス中を進む酸素分子
の速度が四ホウ化珪素の酸化分解反応の大略律則とな
り、四ホウ化珪素の酸化分解反応を大きく進行させるこ
となしに残留した状態でコーティング面を一応焼き付け
ることができる。
【0023】しかしながら、本発明では使用する軽量耐
火物としては0.05W/m・Kと著しく低熱伝導で、
且つ曲げ強度が10〜20kgf/cm2と低強度のも
のにも被覆できるようにすることを主として目的として
いる。そのために、急熱急冷のガラス焼き付け時、特に
急冷する場合に、コーティング面と軽量耐火物の熱膨張
係数差による熱膨張(ないし収縮)差が発生し、熱膨張
係数差により発生する応力に軽量耐火物の剛性が耐えき
れず歪んでしまうことが本発明に至る研究の過程におい
て、判明した。本発明で目的とする軽量耐火物はスペー
スシャトルの外壁材へも利用可能な軽量耐火物を主たる
対象として含み、ガラス焼き付け時に発生する歪みは寸
法精度を狂わせるために、歩留まりを低下してしまう。
そのため、従来の技術によれば歪みを予測し、軽量耐火
物を加工する際に歪み分を補正してやることで、対応す
ることが必要であった。
【0024】これに対し、本発明のガラスコーティング
方法では、ガラス焼き付け時の雰囲気をアルゴンや窒素
といった不活性な雰囲気としてやることで、ガラス焼き
付け時のヒートカーブを徐加熱、徐冷を可能にし、これ
によってガラス焼き付け時の歪み量を抑制し、高精度な
ガラスコーティング膜を施工することを可能にしたこと
を最も特徴とする。雰囲気ガスはアルゴン、窒素等の不
活性ガスであれば可能であるが、コスト的に最も望まし
いのは窒素ガスである。また、雰囲気炉としては真空装
置を備えた雰囲気炉を用い、真空引き、ガス置換を行う
ことが最も望ましいが、真空装置を有していない雰囲気
炉でもガスを所定流量(例えば5L/min以上)でフ
ローして置換すれば、四ホウ化珪素の酸化分解反応は抑
制できる。徐加熱、徐冷の速度については特に指定はな
いが、効率上は徐加熱は徐加熱の枠内で出来るだけ早い
方が望ましく、好ましくは600℃/hr.以上である
ことが最も望ましい。徐冷速度は、特に精度に影響する
が、凡そ500℃/hr.以上とするのが好ましく、よ
り好ましくは600℃/hr.〜750℃/hr.の冷
却速度とする。焼き付け温度は、本発明では8〜13w
t%B23を採用しているために、大略、1200〜1
260℃、好ましくは1200〜1230℃の温度で焼
き付けることが可能である。この様に所定温度で徐熱徐
冷により焼き付けることが出来るので熱歪みを急熱急冷
した場合と比較して最大で10倍抑制でき、高精度のコ
ーティングガラス膜を施工することを可能とする。焼き
付けの終了した軽量耐火物は雰囲気炉中の温度が十分に
下がったことを確認した上で、雰囲気炉中から取り出せ
ば良い。或いは連続炉の場合、徐熱工程ないし徐熱室及
び徐冷工程ないし徐冷室を備えればよい。ガラス焼き付
けを徐加熱、徐冷とすることは、コーティング面と軽量
耐火物との熱膨張差による応力を抑制するだけでなく、
炉への急装入、急取出による急熱、急冷といった危険性
を伴う操作をなくすことにより、作業性を向上させる。
【0025】[軽量耐火物]本発明のコーティング方法
を応用可能な軽量耐火物は、一般的特性として、コーテ
ィング膜焼付温度に耐えるものであれば、用いることが
出来、一般的にはセラミック質のものが考えられる。そ
のうち、特にガラス膜により歪みの発生し易いもの(特
に熱膨張係数の差が大きいもの)に有利に適用するとよ
い。その好例としては、無機質繊維をガラス質結合相で
結合した高気孔率の多孔質軽量耐火物がある。さらに、
米国特許第4,097,771に記載の多孔質シリカ構
造体の再使用可能な表面断熱材(RSI)、発泡シリカ
焼結体等で、約1500℃までの耐火性と−100℃ま
での耐低温性を有するものがある。
【0026】
【実施例】以下、実施例を詳細に説明をする。
【0027】酸化ホウ素粉末(フルウチ化学(株)製 5
N)37gを85℃に加熱したイオン交換水中 272
cc中に完全に溶解する。この酸化ホウ素水溶液中にエ
タノール(関東科学製特級試薬)137gと高シリカ質
ガラスフリット(コーニングインターナショナル(株)製
バイコール#7930、SiO2:96wt%)400
gを加える。ホットプレートで85℃に保温しながら撹
拌し、エタノールと水分を除去する。スラリーの粘性が
上がり撹拌できなくなったら、70℃のオーブン中で残
余のエタノールと水分を除去する。出来上がった乾燥物
を粉砕し、#16メッシュ(JIS以下同様)で分級
し、シリカ製容器に充填し、1100℃で2時間焼成し
てガラスフリット化する。焼成後、再度粉砕し、#33
0メッシュで分級し反応硬化ガラス試料とする。
【0028】反応硬化ガラス試料234g、四ホウ化珪
素(米国 CERAC社製B−1088)6.0g、エ
タノール386g、2%メチルセルロース水溶液(メチ
ルセルロース:信越化学工業(株)製メトローズ65SH
−4500)39.2gをアルミナ玉石とともにアルミ
ナポット中にいれ、5時間ポット架台でボールミル混合
する。混合し、得られたスラリーをノズルに径10mm
の一般用ノズルスプレーガンに充填し、コンプレッサー
圧力:3.0kgf/cm2、スプレー圧力:2.5k
gf/cm2で、図2に示すような形状の軽量耐火物の
上端面、及び4側面の合計5面にコーティングを行い、
スラリーのコーティング膜(生)を形成した。コーティ
ング厚さ0.3mmであった。
【0029】この軽量耐火物は無機質繊維を主体とし、
ボロシリケート、アルミノボロシリケート又はアルミノ
シリケート等を結合相としたもので気孔率90%以上
(好ましくは90〜96%)、比重0.20以下(好ま
しくは0.12以下、より好ましくは0.11〜0.0
9)のものである。特に熱伝導率が低く、0.06w/
m・K以下(より好ましくは0.05w/m・K以下)
のものが好ましい。強度としては、もちろん強い方がよ
いが、所定の気孔率、熱伝導率との兼ね合いで定められ
る。一般的には7〜20kgf/cm2好ましくは10
〜20kgf/cm2のものが利用可能である。
【0030】コーティング後、室温で16時間乾操し、
70℃のオーブン中で3時間乾燥した。乾操後の軽量耐
火物は雰囲気炉中に設置し、加熱開始前30分前から窒
素ガスを10L/minでフローし、雰囲気炉中の雰囲
気を窒素に置換した。ガス流入30分後、加熱を開始
し、610℃/hr.の昇温速度で昇温し、1215℃
で1時間30分保持後、600℃/hr.の冷却速度で
炉冷した。
【0031】図2の〜で示す位置の内面側の歪みを
測定するためにゲージを作製し測定した。歪み量の測定
は、図2に示す如く、わずかに湾曲した平行曲面をなす
板状体の形状を有する軽量耐火物試料の内側(R=97
5mm)に沿って2mmの隙間が出来るようにしたゲー
ジを用意し、コーティング前後の歪み量を、軽量耐火物
試料とゲージとの隙間量の測定(隙間ゲージを用いる)
によって求め、評価した。なお、長さ方向(L=250
mm)の測定位置は、からを示した端面から15m
m内方へずらした位置で行った。その結果を表1に示
す。また、図3に焼き付け後のコーティング膜の粉末X
線回折を示すが、徐加熱、徐冷であっても非晶質であ
り、結晶相が生成していないことが確認できた。コーテ
ィング膜の厚さは均一であり0.2〜0.4mmであっ
た。色は黒色であった。軽量耐火物との密着性は良好で
あった。
【0032】
【表1】
【0033】
【参考例】以下の点を除いて実施例と同様に黒色ガラス
をコーティングした。但し、コーティング膜の焼き付け
は実施例と同じ温度(1215℃)に設定した大気炉中
に急装入し、1時間30分間保持した後、大気炉から急
取り出しして実施した。焼き付け後は実施例と同様に上
述のゲージを用い歪み量を評価した。その結果を表2に
示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】表1を表2と対比すると歪み量に大きな
減少(最大で10倍)が認められると共に、徐加熱、徐
冷であってもコーティング膜の結晶化は生じていない。
急熱急冷によらずとも、徐加熱、徐冷によって十分効果
的に所定の(特に黒色)ガラスコーティング膜を軽量耐
火物に形成でき、しかも歪みを極限できるというこのよ
うな効果は、驚くべきことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】四ホウ化珪素のTG−DTAカーブ。
【図2】コーティングを施す軽量耐火物試料(供試体)
の形状及び測定位置の概要を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施例におけるコーティング膜のX
線回折パターン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 賢司 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 磯谷 孝充 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 日吉 正和 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 加藤 真示 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 福井 隆光 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 岩田 美佐男 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 松永 博和 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (56)参考文献 特開 平6−107475(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 17/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性ガス雰囲気中、且つ徐加熱、徐冷の
    ヒートカーブで、軽量耐火物にガラス膜を焼き付けるこ
    とを特徴とするガラス膜のコーティング方法。
  2. 【請求項2】前記ガラス膜の出発材料は、高シリカのガ
    ラスフリットと酸化ホウ素粉末から主としてなる反応硬
    化ガラスに黒色顔料として珪素ホウ化物を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載のガラス膜のコーティング
    方法。
  3. 【請求項3】前記珪素ホウ化物として四ホウ化珪素又は
    これと他の珪素ホウ化物の1種以上の混合物を用いるこ
    とを特徴とする請求項2記載のガラス膜のコーティング
    方法。
  4. 【請求項4】前記反応硬化ガラス中の酸化ホウ素の割合
    が8〜13wt%であり、ガラス膜の焼き付け温度が1
    200〜1260℃であることを特徴とする請求項2又
    は3に記載のガラス膜のコーティング方法。
  5. 【請求項5】前記軽量耐火物は無機質繊維を主体とする
    高気孔率軽量耐火物であることを特徴とする請求項1〜
    4の一に記載のガラス膜のコーティング方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の一に記載の方法により製造
    したコーティング時歪み量8%以下の高精度ガラス膜被
    覆軽量耐火物。
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