JP3137136B2 - 燃料電池発電設備のタービン運転方法 - Google Patents

燃料電池発電設備のタービン運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池発電設備
のタービン運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料電池発電設備は、たとえば、
図2に示すような構成からなっている。図2において、
51は原燃料供給ライン、52は蒸気供給ライン、53
は改質器、54は燃料電池、55はカソード排ガスライ
ン、56は補助燃焼器、57は起動用空気弁、58は大
気放出弁、59と60は弁、61はカソード排ガスを駆
動源とするタービン、62は該タービン61によって駆
動される空気圧縮機、63は該タービン61によって駆
動される発電機、64はアノード排ガスライン、65は
気水分離器、66と67は空気供給弁である。
【0003】すなわち、従来の燃料電池発電設備におけ
るタービン61の起動方法は、起動用空気弁57を通じ
て補助燃焼器56に起動用空気を供給し、補助燃焼器5
6で高温ガスを作り、タービン61に送り、タービン6
1を起動させ、空気圧縮機62および発電機63を駆動
する。この場合、当初は大気放出弁58を全開とし、弁
59を全閉としておくが、その後、大気放出弁58を全
閉、弁59を全開、起動用空気弁57を全閉として、自
立運転させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の技術では、タービン61を起動するために、補助
燃焼器56で燃料を消費するので、熱効率が低く、起動
エネルギーの消費が大きく、また別の空気圧縮機または
圧縮空気槽などの起動用空気源、大気放出弁58などの
システムが必要であって複雑であり、しかも、起動操作
も複雑にして運転しにくいという問題点があった。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決しよ
うとするものである。すなわち、本発明は、タービンの
起動に要する動力費が少なくてすみ、かつ、起動システ
ムおよび操作が簡単である燃料電池発電設備のタービン
運転方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の燃料電池発電設備のタービン運転方法は、
空気圧縮機(17)から燃料電池(7)のカソード極
(C)に空気を供給するラインに空気供給弁(21)が
設けられ、空気圧縮機(17)から改質器(5)に燃焼
用の空気を供給するラインに空気供給弁(22)が設け
られ、またカソード極(C)からの排ガスをタービン
(33)に供給するラインに弁(34)が設けられ、空
気供給弁(21)、空気供給弁(22)の上流側と、弁
(34)の下流側に連結する空気ライン(19)に吐出
供給弁(32)が設けれている燃料電池発電設備のター
ビン運転方法において、タービン(33)の起動時に、
事前に吐出空気供給弁(32)を全開とし、空気供給弁
(21,22)及び弁(34)を全閉とし、発電機
(35)に電力を供給して電動機として作動させて空気
圧縮機(17)を起動し、かつ該空気圧縮機(17)で
発生した空気エネルギーを、吐出空気供給弁(32)を
通してタービン(33)に供給し、その空気エネルギー
をタービン(33)で回収しながら起動し、通常運転中
は、吐出空気供給弁(32)を閉じ、弁(34)を開
き、空気供給弁(21,22)を開にして、燃料電池発
電設備に空気を送り、高温のカソード排ガスによってタ
ービン(33)を駆動し、この出力により空気圧縮機
(17)を駆動するようにした。
【0007】
【作用】本発明によれば、タービン(33)の起動に、
補助燃焼器によらないで、発電機(35)を電動機とし
て使用して空気圧縮機(17)を起動し、この空気圧縮
(17)をで発生した空気エネルギーを、吐出空気供
給弁(32)、空気供給弁(21,22)及び弁(3
4)を調節することにより、前記タービン(33)に供
給して、その空気エネルギーを該タービン(33)で回
収するので、起動のための所要動力費が少なくてすみ、
かつ起動システム及び操作が簡単である。従って、ター
ビン(33)の出力が空気圧縮機(17)で消費する動
力より大きい場合は、発電機(35)で発電させ、逆に
小さい場合は、発電機(35)に電力を供給して電動機
として作動させ、不足動力を補うことができる。
【0008】
【実施例】図1は本発明方法を実施する溶融炭酸塩型燃
料電池発電設備の一例を示している。図1において、1
は原燃料(天然ガスやナフサなど)供給ライン、2は原
燃料を改質するための蒸気供給ライン、3は原燃料予熱
器、4は改質原料供給ライン、5は水素を主成分とする
燃料に改質する改質器、6はアノードガス供給ライン、
7は内部にアノード極Aやカソード極Cおよび電解質等
を有する燃料電池、8はアノード排ガスライン、9は熱
交換器、10は気水分離器、11は凝縮水排出ライン、
12はアノードブロワ、13は熱交換器、14は該改質
器5に燃料としてのアノード排ガスを供給するライン、
15は空気吸入ライン、16は吸込絞り弁、17は空気
圧縮機、18は空気吐出ライン、19と20は空気ライ
ン、21はカソードへの空気供給弁、22は改質器燃焼
用空気供給弁、23と24は空気ライン、25は空気予
熱器、26は改質器燃焼用空気供給ライン、27は改質
器燃焼排ガス出口ライン、28はカソードガス供給ライ
ン、29はカソード排ガスライン、30はカソード排ガ
ス再循環ライン、31はカソードガス循環ブロワ、32
は後述するタービンへの圧縮機吐出空気供給弁、33は
カソード排ガスを駆動源とするタービン、34は弁、3
5は電動機としても使用できる発電機、36はタービン
排ガスラインである。なお前記空気圧縮機17とタービ
ン33は同一軸で連結され、またタービン33と発電機
35は減速歯車37を介して連結されている。
【0009】図1に示すように構成された溶融炭酸塩型
燃料電池発電設備においては、タービン33を起動する
場合、事前に吐出空気供給弁32を全開とし、空気供給
弁21,22および弁34を全閉としておく。吸込絞り
弁16はない場合もあるが、ある場合には、全開または
サージング域に入るなどの不具合の起こらない範囲で絞
っておく。そして、発電機35に電力を供給して電動機
として作動させ、タービン33と空気圧縮機17を回転
させる。つまり、空気圧縮機17を起動し、該空気圧縮
機17で発生した圧縮空気、すなわち、空気エネルギー
を空気ライン19から吐出空気供給弁32を通じてター
ビン33に送り、その空気エネルギーの動力回収する。
【0010】通常運転中は吐出空気供給弁32を閉じ、
弁34を開き、空気供給弁21,22を開にして、設備
に空気を送り、高温のカソード排ガスによってタービン
33を駆動し、この出力によって空気圧縮機17を駆動
する。ここで、タービン33の出力が空気圧縮機17で
消費する動力より大きい場合は、発電機35で発電さ
せ、逆に小さい場合は、発電機35に電力を供給して電
動機として作動させ、不足動力を補なう。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
タービン起動に、補助燃焼器によらないで、発電機を電
動機として使用して空気圧縮機を起動し、この空気圧縮
機で発生した空気エネルギーを前記タービンに供給し
て、そのエネルギーを回収するので、起動のための所要
動力費が少なくてすみ、また従来のような補助燃焼器、
起動用空気源、圧縮機吐出ラインの大気放出弁などが不
要となり、システムが単純化するとともに、設備費も安
くなり起動操作も単純化され、運転しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する溶融炭酸塩型燃料電池発
電設備の一例を示した説明図である。
【図2】従来の技術の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
7:燃料電池 17:空気圧縮機 33:タービン 35:発電機

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気圧縮機(17)から燃料電池(7)
    のカソード極(C)に空気を供給するラインに空気供給
    弁(21)が設けられ、空気圧縮機(17)から改質器
    (5)に燃焼用の空気を供給するラインに空気供給弁
    (22)が設けられ、またカソード極(C)からの排ガ
    スをタービン(33)に供給するラインに弁(34)が
    設けられ、空気供給弁(21)、空気供給弁(22)の
    上流側と弁(34)の下流側に連結する空気ライン(1
    9)に吐出供給弁(32)が設けれている燃料電池発電
    設備のタービン運転方法において、 タービン(33)の起動時に、事前に吐出空気供給弁
    (32)を全開とし、空気供給弁(21,22)及び
    弁(34)を全閉とし、発電機(35)に電力を供給し
    て電動機として作動させて空気圧縮機(17)を起動
    し、かつ該空気圧縮機(17)で発生した空気エネルギ
    ーを、吐出空気供給弁(32)を通してタービン(3
    3)に供給し、その空気エネルギーをタービン(33)
    で回収しながら起動し、 通常運転中は、吐出空気供給
    弁(32)を閉じ、弁(34)を開き、空気供給弁(2
    1,22)を開にして、燃料電池発電設備に空気を送
    り、高温のカソード排ガスによってタービン(33)を
    駆動し、この出力により空気圧縮機(17)を駆動
    る、 ことを特徴とする、燃料電池発電設備のタービン運転
    法。
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