JP3136359B2 - 流水力水車 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

１。技術分野 本発明は、河川や潮水等の流水力によりエネルギーを
得る流水力水車において、水車の左右側板の間に円筒、
円筒の主面に多数の羽根を形成するが、羽根の背面は流
線型の曲線、前面は半弧状にくぼみ入るよう形成され、
水車の羽根が水中に流入する時と水上に噴きあがる時の
抵抗を最大限小さくし、水力の利用率をより高めるよう
にしようという流水力水車に関するものである。 ２。背景技術 一般に河川水や潮水等の流水力を利用する水車は、落
差をおき落下する水力を利用した水車とは異なり、水車
の下方面が水中に浸かっていて、流水力により水の流れ
る方向へ回転するようになっている。 しかし、従来の流水力水車は地軸と円周との距離を大
きくし、地軸の回転力を大きくしたり水車の左右の幅を
大きくしたりして羽根の垂直断面積を広め、多くの水力
が受けられるようになっている。また、多数の平らな羽
根板が放射状に形成されている為、羽根と流れる水が直
角方向で対置している水車の垂直下方側では、ある程度
水力を大きく受けられるが、水面に接する左右両側では
水力が全く受けられない反面、水車の片方の羽根が水中
に流入する際、羽根と水面が平面で対置し多くの抵抗を
受け、他方の羽根は水中で平面に噴き上がる為、ここで
もまた多くの抵抗を受けることになる。従って水車の両
側の羽根が受ける抵抗は、水車の下方面で得る水力の一
部エネルギーを相殺させ、水車による水力の利用率が、
それだけ高まらないという問題点がある。 ３。発明の開示 本発明は従来のこのような問題点を解決する為、河川
水や潮水の流水力からエネルギーを得る流水力水車にお
いて、所定の大きさからなる円形水車の左右側板の間に
補助板を介在させ、側板より小さい円筒を内部と密閉す
るよう形成し、円筒の内接円と側板の外接円間の円筒主
面に、多数の羽根を所定の均等間隔で形成するが、羽根
の背面はその間隔範囲内で流線型曲線の湾曲からなり、
羽根の前面は側板の外接円と円筒の内接円間で半弧状に
くぼみ入るよう形成され、水車の下方面では、水力を大
きく受けると同時に水車の左右両側から羽根が水中に流
入したり、水上に噴き上がる際の水の抵抗と水車によっ
て得られる水力の損失を最大限小さくし、水力の利用率
をより高められるよう案出したものである。 ４。図面の簡単な説明

【図１】 本発明の斜視図

【図２】 本発明の断面図

【図３】 本発明の使用状態を示す例示図 ５。発明を実施するための最良の形態 この発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明すると
次の通りである。 河川水や潮水等の流水力からエネルギーを得る流水力
水車において、水車（１）の左右両側の円形側板
（１′）の間に補助板（１″）を介在し、円筒（1a）を
内部と密閉するよう形成する。この円筒（1a）の半径c,
p,を側板（１′）の半径c,Aに対し4:5−4:6の大きさに
する。この円筒（1a）を基板にし、円筒主面に多数の羽
根（２）を所定の均等間隔で形成するが、羽根（２）の
前面（３）は円筒（1a）の内接円と側板（１′）の外接
円p,Aを半径にし、半弧状にくぼみ入るよう形成、羽根
（２）の背面（３′）は前面（３）の外端部の外接円Ａ
から羽根の間隔p,p′範囲内の内接円Ｂに及ぶ流線型の
曲線からなるものである。 図面中で未説明の符号４は回転地軸、５は軸数、６は
支柱、７は分銅、７′はワイヤー、８は案内棒、９は浮
標、10はアンカー、11はアンカーロープである。 本発明は、図３に示されたように浮標（９）に設置さ
れた支柱（６）に水車（１）の地軸（４）を軸数（５）
に設置し河川の水位、分銅（７）により水車（１）が軸
数（５）と共に昇降し、浮標（９）を河川底に固定され
たアンカー（10）にロープ（11）で結びつけ、流水力に
より水車（１）が回転され、水力を得るものである。水
車（１）に形成された円筒（1a）に多数の羽根（２）の
前面（３）は半弧状にくぼみ入るよう形成し、羽根
（２）の背面（３′）は流線型曲線に湾曲されるよう形
成された為、水力により水車（１）が回転する際水車
（１）の片方の羽根（２）が水中に流入される側（RW）
では羽根（２）が背面（３′）の低い部分から高い部分
に流入される為、羽根（２）の背面（３′）と水の衝突
がほとんどなく、水が自然に巻き込まれながら羽根
（２）が円滑に流入し、水中に流入する時、羽根と水の
衝突抵抗が非常に小さい。一方、水車（１）の他方の羽
根（２）が水中に噴き上がる側（LW）では、羽根（２）
の前面（３）が下方面に向かうと同時に背面（３′）は
低い部分から水をかき分け噴き上がる為、羽根が水上に
噴き上がる時の羽根（２）と水の衝突抵抗も非常に小さ
い。また、円筒（1a）が密閉され円筒内部に水が流入さ
れない為、円筒内部の水の出入りによる抵抗がない。ま
た、水車（１）の垂直下側では羽根（２）の湾曲された
前面（３）が流れる水と直行し、対置すると同時に前面
がくぼみ入っている為、水力が羽根（２）のくぼみ入っ
た前面（３）に集中され大きく受けることになる。従っ
て水車（１）の水力をほとんど受けられない場合、左右
両側での羽根と水との衝突抵抗が非常に小さい反面、水
車（１）の下方面では水力を大きく受ける為、水車によ
り得られた水力の損失が少なく、従来の水車から水力を
受けられない部分での羽根が、水中に流入する時と羽根
が水上に噴き上がる時の抵抗により水車によって得られ
るエネルギーの一部が相殺されていたのに比べ、水力の
利用率がより向上され各種エネルギー源に有効に使用で
きる効果があり、水車の羽根が従来技術の羽根に比べ、
より堅固な長所を備える。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F03B 7/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸（４）を備えた密閉された円筒（1
   a）と、 該円筒（1a）の少なくとも両側面に設けられ、円筒（1
   a）の断面の半径より大きな半径を有する側板（１′）
   と、 該円筒（1a）の外周面に前記回転軸（３）と平行な方向
   に長手方向が伸び、かつ互いに並行になるように均等な
   間隔で多数配置され、円筒（1a）の内接円と側板
   （１′）の外接円の範囲内で、流水を受けて一時的に流
   水を溜める断面凹部形状の前面（３）と流水中に抵抗な
   く入り込む断面が側板（１）の外接円から円筒部（1a）
   の外周面上の前記均等な間隔の範囲内の円筒（1a）の内
   接円に及ぶ断面湾曲形状の背面（３′）を形成し、前記
   前面と前記背面による断面形状が鋸歯形状である羽根
   （２）と を備えた流水力水車。
2. 【請求項２】円筒（1a）の半径と側板（１′）の半径と
   の比が4:5〜4:6であることを特徴とする請求の範囲１記
   載の流水力水車。