JP3135858B2 - レーザ加工装置およびその方法 - Google Patents

レーザ加工装置およびその方法

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JP3135858B2 JP09068194A JP6819497A JP3135858B2 JP 3135858 B2 JP3135858 B2 JP 3135858B2 JP 09068194 A JP09068194 A JP 09068194A JP 6819497 A JP6819497 A JP 6819497A JP 3135858 B2 JP3135858 B2 JP 3135858B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ加工装置およ
びその方法に係り、とりわけ表面が高分子材に覆われた
板状金属体の端部同士をレーザ溶接により接合させるレ
ーザ加工装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電線等の被覆材として、母材
(板状金属体)表面にポリエチレン系樹脂等の高分子材
がコーティングされた板状テープが用いられている。こ
のような板状テープは、十分に長い板状ロールから必要
に応じて所定長の板状テープとして切り出されるが、こ
のような切り出しを行うことにより規定の長さに達しな
い多数の半端な板状テープが発生することとなる。この
ため、これら規定の長さに達しない多数の板状テープを
集め、これら板状テープの端部同士を互いに溶接接合し
て規定の長さ以上の板状テープとして再利用することが
一般になされている。
【0003】このようにして多数の板状テープを1つの
長い板状テープとするため、従来においては、板状テー
プの端部表面の高分子材を機械的に除去した後、高分子
材が除去された母材のみを対象として板状テープの端部
同士をレーザ溶接したり、板状テープの端部表面に高分
子材がコーティングされたままの状態でレーザ溶接を行
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の方法では、機械的に板状テープの端部表面の高分子材
を除去した後、母材のみを対象としてレーザ溶接を行う
か、板状テープの端部の母材に高分子材がコーティング
されたままの状態でレーザ溶接を行っている。
【0005】しかしながら、母材表面の高分子材を機械
的に除去する従来の方法では、レーザ光を照射するため
の機構に加えて、高分子材を機械的に除去するための機
構が必要となり、価格の上昇や、機構およびシステムの
複雑化、除去された高分子材の処理が必要になる等の問
題が生じる。
【0006】また、母材に高分子材がコーティングされ
たままの状態でレーザ溶接を行う従来の方法では、上述
したような問題は生じないが、溶接の際に高分子材が溶
接部内に入り込み、溶接強度の低下や、母材組成の変
化、ブローホールの発生、溶接ビードの不安定等の問題
が生じてしまう。
【0007】なお、これらの方法以外にも、母材表面の
高分子材を除去するために高分子材の吸収波長のレーザ
光を用いる方法もあるが、高分子材の吸収波長のレーザ
光によっては溶接のための十分な出力の確保ができず、
溶接のためのレーザ光とは別に、高分子材の除去専用の
レーザ光を用意しなければならないことから、価格の上
昇につながるという問題がある。
【0008】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、単一のレーザ光のみにより、高分子材の除
去および母材(板状金属体)の溶接接合、さらには板状
金属体の切断をも行えるようにすることにより、装置を
簡略化して価格の低減を達成するとともに、加工品位を
向上させることができるレーザ加工装置およびその方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ光を発
生させるレーザ発振器と、前記レーザ発振器で発生した
レーザ光を集光させる集光レンズユニットおよびレーザ
光の集光位置に不活性ガスを吹き付けるノズルを有する
溶接装置とを備え、前記溶接装置は、熱収縮性を有する
高分子材により表面が覆われた一対の板状金属体の各々
の一側端部に高分子材の透過波長を有するレーザ光を照
射して各板状金属体表面の高分子材を熱収縮により除去
するとともに、各板状金属体の端部に溶融し丸くなった
部分を形成し、その後、高分子材が除去された各板状金
属体の端部の前記溶融し丸くなった部分同士を突き合わ
せ、その突き合わせ部にレーザ光を照射して各板状金属
体の端部同士を溶接接合することを特徴とするレーザ加
工装置を提供する。
【0010】また本発明は、レーザ光を発生させるレー
ザ発振器と、前記レーザ発振器で発生したレーザ光を分
岐させる分岐光学系と、分岐した一方のレーザ光を集光
させる第1集光レンズユニットおよびレーザ光の集光位
置に活性ガスを吹き付ける第1ノズルを有する切断装置
と、分岐した他方のレーザ光を集光させる第2集光レン
ズユニットおよびレーザ光の集光位置に不活性ガスを吹
き付ける第2ノズルを有する溶接装置とを備え、前記溶
接装置は、前記切断装置により端部が切断されるととも
に熱収縮性を有する高分子材により表面が覆われた一対
の板状金属体の各々の一側端部に高分子材の透過波長を
有するレーザ光を照射して各板状金属体表面の高分子材
を熱収縮により除去するとともに、各板状金属体の端部
に溶融し丸くなった部分を形成し、その後、高分子材が
除去された各板状金属体の端部の前記溶融し丸くなった
部分同士を突き合わせ、その突き合わせ部にレーザ光を
照射して各板状金属体の端部同士を溶接接合することを
特徴とするレーザ加工装置を提供する。
【0011】さらに本発明は、レーザ光を発生させるレ
ーザ発振器と、前記レーザ発振器で発生したレーザ光を
集光させる集光レンズユニットと、前記集光レンズユニ
ットによるレーザ光の集光位置に活性ガスまたは不活性
ガスを吹き付けるノズルとを備え、熱収縮性を有する高
分子材により表面が覆われた一対の板状金属体の各々の
一側端部にレーザ光を照射して各板状金属体の端部を切
断する際には、前記ノズルから活性ガスを吹き付け、一
方、表面が高分子材により覆われた一対の板状金属体の
各々の一側端部に高分子材の透過波長を有するレーザ光
を照射して各板状金属体表面の高分子材を熱収縮により
除去するとともに、各板状金属体の端部に溶融し丸くな
った部分を形成し、その後、高分子材が除去された各板
状金属体の端部の前記溶融し丸くなった部分同士を突き
合わせ、その突き合わせ部にレーザ光を照射して各板状
金属体の端部同士を溶接接合する際には、前記ノズルか
ら不活性ガスを吹き付けることを特徴とするレーザ加工
装置を提供する。
【0012】さらにまた本発明は、熱収縮性を有する高
分子材により表面が覆われた一対の板状金属体の各々に
活性ガスを吹き付けつつレーザ光を照射して各板状金属
体の一側端部を切断する工程と、切断された各板状金属
体の一側端部に不活性ガスを吹き付けつつ高分子材の透
過波長を有するレーザ光を照射して各板状金属体表面の
高分子材を熱収縮により除去するとともに、各板状金属
体の端部に溶融し丸くなった部分を形成する工程と、高
分子材が除去された各板状金属体の端部の前記溶融し丸
くなった部分同士を突き合わせ、この突き合わせ部に不
活性ガスを吹き付けつつレーザ光を照射して各板状金属
体の端部同士を溶接接合する工程とを備えたことを特徴
とするレーザ加工方法を提供する。
【0013】本発明によれば、単一のレーザ光のみによ
り、各板状金属体の切断面近傍の高分子材の除去、およ
び各板状金属体の端部同士の溶接接合を行うことができ
るので、装置を簡略化して価格の低減を達成するととも
に、加工品位を向上させることができる。また、本発明
によれば、各板状金属体の端部同士を溶接接合する際
に、各板状金属体の端部に溶融し丸くなった部分を形成
した後、この溶融し丸くなった部分同士を突き合わせ、
その突き合わせ部にレーザ光を照射するようにしている
ので、各板状金属体の端部を容易に溶融させることがで
き、また突き合わせの隙間がレーザ光のスポット径近く
まであっても有効な溶接接合を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明
する。図1乃至図5は本発明によるレーザ加工装置の第
1の実施の形態を示す図である。
【0015】まず、図1により、レーザ加工装置の全体
について説明する。図1に示すように、レーザ加工装置
は、波長が1.06μmのYAGレーザ光を発生させる
レーザ発振器11と、内部に設けられたミラー(図示せ
ず)を回動させてレーザ光を時間2分岐、すなわち所定
時間間隔でレーザ光を光ファイバ13または14に導い
て分岐させる分岐光学系12とを有するレーザ発振ユニ
ット10と、光ファイバ13を介して分岐光学系12に
接続された切断装置15と、光ファイバ14を介して分
岐光学系12に接続された溶接装置16とを備えてい
る。
【0016】ここでレーザ加工装置は、図2に示すよう
に圧延鋼やステンレス鋼、銅、アルミニウム等の母材
(板状金属体)2にポリエチレン系樹脂等の高分子材3
をコーティングして(覆って)構成された板状テープ
1,1′に対してレーザ加工を施すものである。
【0017】また切断装置15は、光ファイバ13から
出射されたレーザ光を集光させる第1集光レンズユニッ
ト17と、第1集光レンズユニット17によるレーザ光
の集光位置に切断を補助する酸素(O2)等の活性ガス
を吹き付ける第1ノズル19とを有している。また溶接
装置16は、光ファイバ14から出射されたレーザ光を
集光させる第2集光レンズユニット18と、第2集光レ
ンズユニット18によるレーザ光の集光位置に高分子材
の除去および板状テープ1,1′の溶接接合を補助する
アルゴン(Ar)や窒素(N2)等の不活性ガスを吹き
付ける第2ノズル20とを有している。
【0018】ここで、切断装置15および溶接装置16
は、板状テープ1,1′を切断および溶接の対象とする
が、これら板状テープ1,1′はそれぞれ、駆動部(図
示せず)により回動可能な第1ローラ21および第2ロ
ーラ22に巻き付けられるとともに、その一側端部が第
1クリップ(挟持装置)23および第2クリップ(挟持
装置)24に取り付けられるようになっている。なお、
第1クリップ23および第2クリップ24はそれぞれ、
板状テープ1,1′を開閉爪により挟持するとともに、
作業面25上において板状テープ1,1′の長さ方向に
移動可能となっている。また、第1クリップ23および
第2クリップ24は、切断装置15による板状テープ
1,1′の切断、溶接装置16による板状テープ1,
1′からの高分子材の除去および板状テープ1,1′の
端部同士の溶接接合の各作業を順次進めていくにあたっ
て板状テープ1,1′の一側端部を挟持し続ける。
【0019】次に、図2により、図1に示すレーザ加工
装置により溶接接合される板状テープ1,1′について
詳述する。上述のとおり、板状テープ1,1′は、所定
の長さ(図2の左右方向)を有する母材2と、母材2の
表裏両面にコーティングされた高分子材3,3とからな
っている。なお、母材2としては圧延鋼やステンレス
鋼、銅、アルミニウム等を用いることができ、また高分
子材3,3としてはポリエチレン系樹脂等を用いること
ができる。さらに、母材2としては例えば厚さbが0.
1〜0.3mm、幅(図2の奥行き方向)が20〜30
0mmの寸法のものを用いることができ、また高分子材
3,3としては例えば厚さaが0.05〜0.1mmの
寸法を用いることができる。
【0020】次に、このような構成からなる第1の実施
の形態の作用について説明する。
【0021】まず、第1ローラ21および第2ローラ2
2のそれぞれに、互いに溶接接合される板状テープ1,
1′を巻き付けるとともに、その一側端部をそれぞれ第
1クリップ23および第2クリップ24に先端部分を所
定の長さだけ余して取り付ける。
【0022】続いて、板状テープ1が取り付けられた第
1クリップ23を板状テープ1の長さ方向に移動させ、
板状テープ1の端部を切断装置15の下方に配置させ
る。この状態で切断装置15は、図3に示すように、第
1集光レンズユニット17から板状テープ1の長さ方向
に直交する方向に沿ってレーザ光を照射するとともに、
レーザ光の集光位置に第1ノズル19から活性ガスを吹
き付け、母材2と高分子材3,3とからなる板状テープ
1の先端部分を所定長さ分だけ切断し、ストレートな切
断面を形成する(図3のC線参照)。
【0023】また同様に、母材2と高分子材3,3とか
らなる板状テープ1′が取り付けられた第2クリップ2
4を板状テープ1′の長さ方向に移動させ、板状テープ
1′の端部を切断装置15の下方に配置させる。この切
断位置において切断装置15は、板状テープ1′の長さ
方向に直交する方向に沿って第1集光レンズユニット1
7からレーザ光を照射するとともに、レーザ光の集光位
置に第1ノズル19から活性ガスを吹き付けることによ
り、母材2と高分子材3,3とからなる板状テープ1′
の先端部分を所定長さ分だけ切断する。
【0024】その後、第1クリップ23および第2クリ
ップ24は、それぞれに取り付けられた板状テープ1,
1′の端部を溶接装置16の下方まで順次移動させる。
このようにして板状テープ1,1′がそれぞれ溶接装置
16の下方に配置された状態において、溶接装置16
は、図4(a)(b)に示すように、先端部分が切断さ
れた板状テープ1,1′の端部に第2集光レンズユニッ
ト18からレーザ光を照射するとともに、レーザ光の集
光位置に第2ノズル20から不活性ガスを吹き付けるこ
とにより、板状テープ1,1′の切断面近傍に位置する
板状テープ1,1′表面の高分子材3,3を除去する。
この除去工程において、照射されるレーザ光は高分子材
3を透過する1.06μmの波長を有し、高分子材3を
透過して母材2に直接吸収されるので、レーザ光を吸収
した母材2は照射されたレーザ光を熱源として発熱し、
母材2の表裏両面にコーティングされた高分子材3,3
は熱収縮して板状テープ1,1′の切断面から内方へ移
動する。また、母材2の切断面は不活性ガス雰囲気中で
レーザ光に晒されるため、その端部は溶融し丸くなった
状態で凝固する。
【0025】このようにして板状テープ1,1′の切断
面近傍に位置する板状テープ1,1′表面の高分子材
3,3を除去した後、図5に示すように、板状テープ
1,1′の端部同士を突き合わせ、溶接装置16は、板
状テープ1,1′の突き合わせ部に第2集光レンズユニ
ット18によりレーザ光を照射するとともに、レーザ光
の集光位置に第2ノズル20から不活性ガスを吹き付け
ることにより、板状テープ1,1′の端部同士を溶接接
合する。
【0026】ここで、溶接接合の際には、板状テープ
1,1′の端部から高分子材3,3が除去されているの
で、高分子材3,3の影響がない母材2同士の溶接接合
を行うことができ、このため溶接強度としては母材2自
体の引っ張り強度と同等の強度を得ることができる。
【0027】また、板状テープ1,1′の溶接接合に先
立ち、溶接装置16を用いて仮付けのスポット溶接を板
状テープ1,1′の突き合わせ部に沿って行うようにし
てもよい。
【0028】なお、上述した実施の形態において、レー
ザ発振器11としては例えばレーザの繰返し周波数が3
0〜40pps(pulse per sedcond)、レーザ出力が
25〜40Wのものを用いるとよく、また切断装置15
および溶接装置16による加工速度は例えば4〜5mm
/sとするとよい。
【0029】このように本発明の第1の実施の形態によ
れば、単一のレーザ光のみにより、板状テープ1,1′
の切断面近傍に位置する板状テープ1,1′表面の高分
子材3,3の除去、および板状テープ1,1′の端部同
士の溶接接合を行うことができるので、装置を簡略化し
て価格の低減を達成するとともに、加工品位を向上させ
ることができる。
【0030】また、母材2の切断面が不活性ガス雰囲気
中でレーザ光に晒されることにより、母材2の切断面が
溶融して丸くなった状態で凝固するので、溶接接合工程
において、わずかなレーザ光が照射されるだけでも母材
2が容易に溶融され、突き合わせの隙間がレーザ光のス
ポット径近くまであっても有効な溶接接合を行うことが
できる。
【0031】さらに、板状テープ1,1′の溶接接合に
用いられるレーザ光により、さらに板状テープ1,1′
の端部の切断を行うことができるので、刃物等を用いて
切断面を揃える場合と比べて、刃物等の摩耗による母材
2の切断品位の低下や、接触式であるための母材2の平
面上または切断面上の変形を効果的に防止するととも
に、価格の上昇や、機構およびシステムの複雑化等を抑
えることができる。
【0032】さらにまた、第1クリップ23および第2
クリップ24は、切断装置15による板状テープ1,
1′の切断、溶接装置16による板状テープ1,1′か
らの高分子材の除去および板状テープ1,1′の端部同
士の溶接接合の各作業を順次進めていくにあたって板状
テープ1,1′の一側端部を挟持し続けるので、各作業
ごとに板状テープ1,1′を専用のクリップにつかみ替
えるものと比較して位置決めを容易に行うことができ、
またつかみ替えに伴う板状テープ1,1′とクリップと
の間の位置ずれ(とりわけ溶接接合時の位置ずれ)を防
止することができる。
【0033】第2の実施の形態 次に、本発明の第2の実施の形態について図6により説
明する。本発明の第2の実施の形態は活性ガスと不活性
ガスとを切り替えつつ単一の集光レンズユニットにより
切断および溶接を行うようにした点を除いて、他は図1
乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。本発
明の第2の実施の形態において、図1乃至図5に示す第
1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な
説明は省略する。
【0034】図6に示すように、レーザ加工装置は、波
長が1.06μmのYAGレーザ光を発生させるレーザ
発振器11を有するレーザ発振ユニット10と、光ファ
イバ13を介してレーザ発振器11に接続された切断お
よび溶接装置26を備えている。
【0035】また、切断および溶接装置26は、光ファ
イバ13から出射されたレーザ光を集光させる集光レン
ズユニット17と、集光レンズユニット17によるレー
ザ光の集光位置に切断を補助する酸素(O2)等の活性
ガスを吹き付ける第1ノズル19と、高分子材の除去お
よび板状テープ1,1′の溶接接合を補助するアルゴン
(Ar)や窒素(N2)等の不活性ガスを吹き付ける第
2ノズル20とを有している。
【0036】本発明の第2の実施の形態によれば、図1
乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一の方法によ
り、板状テープ1,1′の端部の切断、板状テープ1,
1′の切断面近傍に位置する板状テープ1,1′表面の
高分子材3,3の除去、および板状テープ1,1′の端
部同士の溶接接合の各工程で、クリップ23,24によ
り板状テープ1,1′の端部を切断および溶接装置26
の下方に配置させ、集光レンズユニット17によりレー
ザ光を照射する。
【0037】そして、レーザ光の照射に合わせて、切断
工程においては、第1ノズル19から板状テープ1,
1′に活性ガスを吹き付け、除去および溶接接合工程に
おいては、第2ノズル20から板状テープ1,1′に不
活性ガスを吹き付けるというように、各工程毎に吹き付
けるガスを切り替えている。
【0038】このように本発明の第2の実施の形態によ
れば、上述した第1の実施の形態に比べて、さらに装置
を簡略化して価格の低減を達成することができる。
【0039】なお、上述した第1および第2の実施の形
態において、レーザ発振器11は1.06μmの波長を
有するYAGレーザ光を発生させているが、発生させる
レーザ光はYAGレーザ光に限定されるものではなく、
これ以外のものでも高分子材3を透過するレーザ光であ
れば同様に用いることができる。
【0040】また、上述した第1および第2の実施の形
態において、溶接装置16により溶接接合される板状テ
ープ1,1′の端部は、板状テープ1,1′の長さ方向
に直交する切断線(図3のC線参照)を有しているが、
板状テープ1,1′の端部は板状テープ1,1′の長さ
方向に直交する方向から所定角度α(例えば10°)だ
け傾いた方向に切断されていてもよい(図3のC′線参
照)。なお、このように切断線を傾けた場合には、溶接
時の接合線が長くとれるので、その分だけ溶接強度を向
上させることができる。
【0041】さらに、上述した第1および第2の実施の
形態において、レーザ発振器11と集光レンズユニット
17,18との間は光ファイバ13,14を介して接続
されているが、レーザ発振器11から出射されたレーザ
光を直接、集光レンズユニット17,18により集光さ
せるようにしてもよい。
【0042】さらにまた、上述した第2の実施の形態に
おいては、活性ガスを吹き付けるためのノズルと不活性
ガスを吹き付けるためのノズルとを別個に用意している
が、単一のノズルから活性ガスまたは不活性ガスが切り
替えられて噴出されるようにしてもよい。
【0043】なお、上述した第1および第2の実施の形
態においては、板状テープ1,1′の端部の切断と、板
状テープ1,1′の高分子材の除去および溶接接合とを
一つのレーザ発振器11により行っているが、板状テー
プ1,1′の端部の切断については別のレーザ発振器を
用いるようにしてもよい。また、板状テープ1,1′の
端部の切断と、板状テープ1,1′の高分子材の除去お
よび溶接接合とを一つのレーザ発振器11により行う場
合でも、切断装置15および溶接装置16で用いられる
レーザ光の繰返し周波数やレーザ出力等は必要に応じて
互いに異なったものとすることができる。このことは、
例えば分岐光学系12による切替えに同期させてレーザ
発振器11の励起光源への入力条件を切り替えることに
より実現することができる。なお、このような場合にお
ける切断装置15による好ましい切断の条件は例えば、
加工速度が4mm/s、レーザの繰返し周波数が40p
ps、レーザ出力が30〜40Wであり、また溶接装置
16による好ましい高分子除去および溶接の条件は例え
ば、加工速度が5mm/s、レーザの繰返し周波数が3
0pps、レーザ出力が25〜35Wである。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、単
一のレーザ光のみにより、各板状金属体の切断面近傍の
高分子材の除去、および各板状金属体の端部同士の溶接
接合を行うことができるので、装置を簡略化して価格の
低減を達成することができるとともに、加工品位を向上
させることができる。また、本発明によれば、各板状金
属体の端部同士を溶接接合する際に、各板状金属体の端
部に溶融し丸くなった部分を形成した後、この溶融し丸
くなった部分同士を突き合わせ、その突き合わせ部にレ
ーザ光を照射するようにしているので、各板状金属体の
端部を容易に溶融させることができ、また突き合わせの
隙間がレーザ光のスポット径近くまであっても有効な溶
接接合を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ加工装置の第1の実施の形
態を示す図。
【図2】本発明によるレーザ加工装置で用いられる板状
テープを示す断面図。
【図3】板状テープの切断工程を説明するための図。
【図4】板状テープの切断面近傍の高分子材の除去工程
を説明するための図。
【図5】板状テープの端部同士の溶接接合工程を説明す
るための図。
【図6】本発明によるレーザ加工装置の第2の実施の形
態を示す図。
【符号の説明】
1,1′ 板状テープ 2 母材(板状金属体) 3 高分子材 10 レーザ発振ユニット 11 レーザ発振器 12 分岐光学系 13,14 光ファイバ 15 切断装置 16 溶接装置 17,18 集光レンズユニット 19,20 ノズル 21,22 ローラ 23,24 クリップ 25 作業面 26 切断および溶接装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02G 1/14 H02G 1/14 A // B23K 101:38 (72)発明者 東海林 登 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (72)発明者 森 高 章 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社 大阪製作所内 (56)参考文献 特開 平7−7825(JP,A) 特開 平7−75231(JP,A) 特開 昭59−47083(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/14 H01R 43/00 - 43/02 H02G 1/12 - 1/14

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を発生させるレーザ発振器と、 前記レーザ発振器で発生したレーザ光を集光させる集光
    レンズユニットおよびレーザ光の集光位置に不活性ガス
    を吹き付けるノズルを有する溶接装置とを備え、 前記溶接装置は、熱収縮性を有する高分子材により表面
    が覆われた一対の板状金属体の各々の一側端部に高分子
    材の透過波長を有するレーザ光を照射して各板状金属体
    表面の高分子材を熱収縮により除去するとともに、各板
    状金属体の端部に溶融し丸くなった部分を形成し、その
    後、高分子材が除去された各板状金属体の端部の前記溶
    融し丸くなった部分同士を突き合わせ、その突き合わせ
    部にレーザ光を照射して各板状金属体の端部同士を溶接
    接合することを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】レーザ光を発生させるレーザ発振器と、 前記レーザ発振器で発生したレーザ光を分岐させる分岐
    光学系と、 分岐した一方のレーザ光を集光させる第1集光レンズユ
    ニットおよびレーザ光の集光位置に活性ガスを吹き付け
    る第1ノズルを有する切断装置と、 分岐した他方のレーザ光を集光させる第2集光レンズユ
    ニットおよびレーザ光の集光位置に不活性ガスを吹き付
    ける第2ノズルを有する溶接装置とを備え、 前記溶接装置は、前記切断装置により端部が切断される
    とともに熱収縮性を有する高分子材により表面が覆われ
    た一対の板状金属体の各々の一側端部に高分子材の透過
    波長を有するレーザ光を照射して各板状金属体表面の高
    分子材を熱収縮により除去するとともに、各板状金属体
    の端部に溶融し丸くなった部分を形成し、その後、高分
    子材が除去された各板状金属体の端部の前記溶融し丸く
    なった部分同士を突き合わせ、その突き合わせ部にレー
    ザ光を照射して各板状金属体の端部同士を溶接接合する
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】レーザ光を発生させるレーザ発振器と、 前記レーザ発振器で発生したレーザ光を集光させる集光
    レンズユニットと、 前記集光レンズユニットによるレーザ光の集光位置に活
    性ガスまたは不活性ガスを吹き付けるノズルとを備え、 熱収縮性を有する高分子材により表面が覆われた一対の
    板状金属体の各々の一側端部にレーザ光を照射して各板
    状金属体の端部を切断する際には、前記ノズルから活性
    ガスを吹き付け、一方、表面が高分子材により覆われた
    一対の板状金属体の各々の一側端部に高分子材の透過波
    長を有するレーザ光を照射して各板状金属体表面の高分
    子材を熱収縮により除去するとともに、各板状金属体の
    端部に溶融し丸くなった部分を形成し、その後、高分子
    材が除去された各板状金属体の端部の前記溶融し丸くな
    った部分同士を突き合わせ、その突き合わせ部にレーザ
    光を照射して各板状金属体の端部同士を溶接接合する際
    には、前記ノズルから不活性ガスを吹き付けることを特
    徴とするレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】表面が高分子材により覆われた各板状金属
    体の一側端部をそれぞれ挟持するとともに各板状金属体
    の長さ方向に移動可能な一対の挟持装置をさらに備え、 これら一対の挟持装置の各々は、表面が高分子材により
    覆われた各板状金属体の一側端部を挟持した状態で前記
    溶接装置による高分子材除去時および溶接接合時に各板
    状金属体の一側端部を前記溶接装置まで移動させること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のレーザ加
    工装置。
  5. 【請求項5】表面が高分子材により覆われた各板状金属
    体の一側端部をそれぞれ挟持するとともに各板状金属体
    の長さ方向に移動可能な一対の挟持装置をさらに備え、 これら一対の挟持装置の各々は、表面が高分子材により
    覆われた各板状金属体の一側端部を挟持した状態で前記
    切断装置による切断時、前記溶接装置による高分子材除
    去時および溶接接合時に各板状金属体の一側端部を前記
    切断装置および前記溶接装置まで移動させることを特徴
    とする請求項2または3記載のレーザ加工装置。
  6. 【請求項6】前記レーザ発振器は、YAGレーザである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のレー
    ザ加工装置。
  7. 【請求項7】前記レーザ発振器は、レーザ出力が25〜
    40Wであることを特徴とする請求項6記載のレーザ加
    工装置。
  8. 【請求項8】前記溶接装置により溶接接合される各板状
    金属体の端部は、各板状金属体の長さ方向に直交する方
    向から所定角度だけ傾いた方向に切断されていることを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のレーザ加工
    装置。
  9. 【請求項9】熱収縮性を有する高分子材により表面が覆
    われた一対の板状金属体の各々に活性ガスを吹き付けつ
    つレーザ光を照射して各板状金属体の一側端部を切断す
    る工程と、 切断された各板状金属体の一側端部に不活性ガスを吹き
    付けつつ高分子材の透過波長を有するレーザ光を照射し
    て各板状金属体表面の高分子材を熱収縮により除去する
    とともに、各板状金属体の端部に溶融し丸くなった部分
    を形成する工程と、 高分子材が除去された各板状金属体の端部の前記溶融し
    丸くなった部分同士を突き合わせ、この突き合わせ部に
    不活性ガスを吹き付けつつレーザ光を照射して各板状金
    属体の端部同士を溶接接合する工程とを備えたことを特
    徴とするレーザ加工方法。
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