JP3135698B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
自動変速機の変速制御装置Info
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- JP3135698B2 JP3135698B2 JP04254274A JP25427492A JP3135698B2 JP 3135698 B2 JP3135698 B2 JP 3135698B2 JP 04254274 A JP04254274 A JP 04254274A JP 25427492 A JP25427492 A JP 25427492A JP 3135698 B2 JP3135698 B2 JP 3135698B2
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- shift
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置の改良に関し、特に変速ショックの軽減対策に関す
る。
置の改良に関し、特に変速ショックの軽減対策に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動変速機では、変速時に、変
速前の変速段を形成する摩擦要素を開放すると共に、変
速後の変速段を形成する摩擦要素を締結して、変速後の
動力伝達経路を構成する場合がある。このような変速時
には、変速前の変速段の摩擦要素の開放動作に合せて変
速後の変速段の摩擦要素の締結動作を適切に行う必要が
あり、この両摩擦要素の動作が協調せず摩擦要素の開放
動作が早過ぎる場合には、動力伝達経路は変速途中でニ
ュートラル状態となって回転数の吹上りが生じ、一方、
摩擦要素の開放動作が未だ進行しない状態で変速後の変
速段の摩擦要素の締結動作が進んだ場合には、両摩擦要
素の締結状態に伴い動力伝達経路がロック状態となって
回転数が変速途中で一時的に低下し、回転数の引込みが
生じ、変速ショックが生じる。
速前の変速段を形成する摩擦要素を開放すると共に、変
速後の変速段を形成する摩擦要素を締結して、変速後の
動力伝達経路を構成する場合がある。このような変速時
には、変速前の変速段の摩擦要素の開放動作に合せて変
速後の変速段の摩擦要素の締結動作を適切に行う必要が
あり、この両摩擦要素の動作が協調せず摩擦要素の開放
動作が早過ぎる場合には、動力伝達経路は変速途中でニ
ュートラル状態となって回転数の吹上りが生じ、一方、
摩擦要素の開放動作が未だ進行しない状態で変速後の変
速段の摩擦要素の締結動作が進んだ場合には、両摩擦要
素の締結状態に伴い動力伝達経路がロック状態となって
回転数が変速途中で一時的に低下し、回転数の引込みが
生じ、変速ショックが生じる。
【0003】そのため、本出願人は、先に特開昭63−
214550号公報において、変速時に締結すべき摩擦
要素の締結速度を調整し、当初は設定時間の間だけ締結
速度を速め、その後は締結速度を遅くして、その締結す
る摩擦要素の締結動作を前期で速く、後期で緩やかに行
わせると共に、変速歯車機構の入力部の回転数を検出
し、該回転数の変化に応じて摩擦要素の締結速度を速め
る設定時間を逐次補正すること,即ち入力部の回転数の
吹上りが生じる際には設定時間を長くして締結速度を速
める一方、入力部の回転数の引き込みが生じる際には逆
に設定時間を短くして締結速度を遅くすることを繰返す
ことにより、入力部の回転数の吹上りや引き込みを解消
して、変速ショックを有効に軽減することを提案してい
る。
214550号公報において、変速時に締結すべき摩擦
要素の締結速度を調整し、当初は設定時間の間だけ締結
速度を速め、その後は締結速度を遅くして、その締結す
る摩擦要素の締結動作を前期で速く、後期で緩やかに行
わせると共に、変速歯車機構の入力部の回転数を検出
し、該回転数の変化に応じて摩擦要素の締結速度を速め
る設定時間を逐次補正すること,即ち入力部の回転数の
吹上りが生じる際には設定時間を長くして締結速度を速
める一方、入力部の回転数の引き込みが生じる際には逆
に設定時間を短くして締結速度を遅くすることを繰返す
ことにより、入力部の回転数の吹上りや引き込みを解消
して、変速ショックを有効に軽減することを提案してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、回転数の吹
上りは、摩擦要素の摩擦板の滑りが大な状況で、その信
頼性を低下させ、また、回転数の引き込み時に比して運
転者の運転フィーリングを阻害するものである。この観
点から、上記提案のものにおいては、摩擦要素の締結速
度を速める設定時間の逐次補正の補正幅を回転数の吹上
り時には大値に設定して、その吹上りを早期に低減ない
し解消することが望ましい。
上りは、摩擦要素の摩擦板の滑りが大な状況で、その信
頼性を低下させ、また、回転数の引き込み時に比して運
転者の運転フィーリングを阻害するものである。この観
点から、上記提案のものにおいては、摩擦要素の締結速
度を速める設定時間の逐次補正の補正幅を回転数の吹上
り時には大値に設定して、その吹上りを早期に低減ない
し解消することが望ましい。
【0005】その場合に、回転数の吹上り時に合せて回
転数の引き込み時にも設定時間の逐次補正の補正幅を大
値に設定すると、設定時間の逐次補正にハンチングが生
じ、長期間の逐次補正によっても回転数の吹上りや引き
込みを確実に解消し得なくなる。
転数の引き込み時にも設定時間の逐次補正の補正幅を大
値に設定すると、設定時間の逐次補正にハンチングが生
じ、長期間の逐次補正によっても回転数の吹上りや引き
込みを確実に解消し得なくなる。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、変速時に締結すべき摩擦要素の締結
速度を速める設定時間を変速歯車機構の入力部の回転数
の変化に応じて逐次補正する場合に、その設定時間の逐
次補正の補正幅を適切に設定して、その補正のハンチン
グを有効に制限しつつ、回転数の吹上りを短期間で解消
して、摩擦要素の信頼性及び運転フィーリングを高める
ことにある。
あり、その目的は、変速時に締結すべき摩擦要素の締結
速度を速める設定時間を変速歯車機構の入力部の回転数
の変化に応じて逐次補正する場合に、その設定時間の逐
次補正の補正幅を適切に設定して、その補正のハンチン
グを有効に制限しつつ、回転数の吹上りを短期間で解消
して、摩擦要素の信頼性及び運転フィーリングを高める
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、回転数の吹上り時と引き込み時とで設
定時間の逐次補正の補正幅を変更し、回転数の吹上り時
には引き込み時よりも大値に設定する構成とする。
め、本発明では、回転数の吹上り時と引き込み時とで設
定時間の逐次補正の補正幅を変更し、回転数の吹上り時
には引き込み時よりも大値に設定する構成とする。
【0008】すなわち、本発明の具体的な解決手段は、
複数個の摩擦要素を有し、該摩擦要素の締結,開放動作
により動力伝達経路を複数段に切換える変速歯車機構を
備えた自動変速機の変速制御装置を前提として、図1に
示すように、上記変速歯車機構の特定の摩擦要素19の
締結速度を調整する締結速度調整手段150と、上記変
速歯車機構による動力伝達経路の切換時に、締結される
上記特定の摩擦要素19の締結速度を設定時間のあいだ
速めるよう上記締結速度調整手段150を制御する締結
速度制御手段220とを備えるとともに、上記変速歯車
機構の入力部の回転数を検出する回転数検出手段201
と、該回転数検出手段201の出力を受け、今回の変速
時における変速歯車機構の入力部の回転数の目標値に対
する偏差に応じて以後の変速時に備え事前に上記締結速
度制御手段220による締結速度を速める設定時間を設
定補正幅で逐次補正する補正手段221とを設けたもの
を対象とする。そして、上記回転数検出手段201の出
力を受け、今回の変速時における変速歯車機構の入力部
の回転数の目標値に対する偏差が正値のとき、上記補正
手段221による設定時間の逐次補正の設定補正幅を、
回転数の目標値に対する偏差が負値のときに比較して大
値に設定する補正幅設定手段222を設ける構成として
いる。
複数個の摩擦要素を有し、該摩擦要素の締結,開放動作
により動力伝達経路を複数段に切換える変速歯車機構を
備えた自動変速機の変速制御装置を前提として、図1に
示すように、上記変速歯車機構の特定の摩擦要素19の
締結速度を調整する締結速度調整手段150と、上記変
速歯車機構による動力伝達経路の切換時に、締結される
上記特定の摩擦要素19の締結速度を設定時間のあいだ
速めるよう上記締結速度調整手段150を制御する締結
速度制御手段220とを備えるとともに、上記変速歯車
機構の入力部の回転数を検出する回転数検出手段201
と、該回転数検出手段201の出力を受け、今回の変速
時における変速歯車機構の入力部の回転数の目標値に対
する偏差に応じて以後の変速時に備え事前に上記締結速
度制御手段220による締結速度を速める設定時間を設
定補正幅で逐次補正する補正手段221とを設けたもの
を対象とする。そして、上記回転数検出手段201の出
力を受け、今回の変速時における変速歯車機構の入力部
の回転数の目標値に対する偏差が正値のとき、上記補正
手段221による設定時間の逐次補正の設定補正幅を、
回転数の目標値に対する偏差が負値のときに比較して大
値に設定する補正幅設定手段222を設ける構成として
いる。
【0009】
【作用】上記の構成により、本発明では、変速歯車機構
の入力部の回転数の吹上り時,即ち締結すべき摩擦要素
19の締結速度が遅い際には、締結速度を速める設定時
間が逐次大値に補正される。一方、変速歯車機構の入力
部の回転数が引き込んだ摩擦要素の締結速度の速い際に
は、その締結速度を速める設定時間が変速毎に逐次小値
に補正される。そして、上記各補正が繰返されることに
より、設定時間が次第に適切値に収束して、変速歯車機
構の入力部の回転数の吹上りや引き込みが次第に解消さ
れることになる。
の入力部の回転数の吹上り時,即ち締結すべき摩擦要素
19の締結速度が遅い際には、締結速度を速める設定時
間が逐次大値に補正される。一方、変速歯車機構の入力
部の回転数が引き込んだ摩擦要素の締結速度の速い際に
は、その締結速度を速める設定時間が変速毎に逐次小値
に補正される。そして、上記各補正が繰返されることに
より、設定時間が次第に適切値に収束して、変速歯車機
構の入力部の回転数の吹上りや引き込みが次第に解消さ
れることになる。
【0010】その場合、今回の変速時における変速歯車
機構の入力部の回転数の目標値に対する偏差が正値のと
き、即ち、入力部の回転数の吹上り時には、設定時間の
補正幅が補正手段221によって、回転数の引き込み時
に比較して大値に設定されるので、その回転数の吹上り
は変速回数の少ない段階で短期間に解消される。従っ
て、締結すべき摩擦要素19の摩擦板の滑りを抑えてそ
の信頼性が高まると共に、運転フィーリングが向上す
る。
機構の入力部の回転数の目標値に対する偏差が正値のと
き、即ち、入力部の回転数の吹上り時には、設定時間の
補正幅が補正手段221によって、回転数の引き込み時
に比較して大値に設定されるので、その回転数の吹上り
は変速回数の少ない段階で短期間に解消される。従っ
て、締結すべき摩擦要素19の摩擦板の滑りを抑えてそ
の信頼性が高まると共に、運転フィーリングが向上す
る。
【0011】しかも、上記入力部の回転数の吹上りが解
消した後は、変速歯車機構の入力部の回転数の目標値に
対する偏差が負値となる場合、即ち、入力部の回転数の
引き込みが生じる場合があるが、この場合には、設定時
間の補正幅が補正手段221によって回転数の吹上り時
に比較して小値に設定されて適切値に収束し、ハンチン
グは生じ難い。従って、回転数の引き込みが徐々に解消
されて、再び回転数の引き込みは生じない。尚、この引
き込み時には、締結すべき摩擦要素19は摩擦板の滑り
が小さく且つ短期間であるので、その信頼性は良好に確
保されると共に、運転者は吹上り時に比してさほど運転
フィーリングの低下を感じず、支障はない。
消した後は、変速歯車機構の入力部の回転数の目標値に
対する偏差が負値となる場合、即ち、入力部の回転数の
引き込みが生じる場合があるが、この場合には、設定時
間の補正幅が補正手段221によって回転数の吹上り時
に比較して小値に設定されて適切値に収束し、ハンチン
グは生じ難い。従って、回転数の引き込みが徐々に解消
されて、再び回転数の引き込みは生じない。尚、この引
き込み時には、締結すべき摩擦要素19は摩擦板の滑り
が小さく且つ短期間であるので、その信頼性は良好に確
保されると共に、運転者は吹上り時に比してさほど運転
フィーリングの低下を感じず、支障はない。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動変速
機の変速制御装置によれば、変速時に締結すべき摩擦要
素の締結速度を速める設定時間の逐次補正幅を変速歯車
機構の入力部の回転数の吹上り時には引き込み時に比し
て大値に設定したので、逐次補正のハンチングを防止し
て安定性を確保しつつ、変速歯車機構の入力部の回転数
の吹上りを短期間で解消して、摩擦要素の信頼性及び運
転フィーリングの向上を図ることができる。
機の変速制御装置によれば、変速時に締結すべき摩擦要
素の締結速度を速める設定時間の逐次補正幅を変速歯車
機構の入力部の回転数の吹上り時には引き込み時に比し
て大値に設定したので、逐次補正のハンチングを防止し
て安定性を確保しつつ、変速歯車機構の入力部の回転数
の吹上りを短期間で解消して、摩擦要素の信頼性及び運
転フィーリングの向上を図ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
いて説明する。
いて説明する。
【0014】[歯車変速機構]図2において、自動変速
機は、トルクコンバータ1と、動力伝達経路を複数段に
切換える変速歯車機構2と、該トルクコンバータ1と変
速歯車機構2との間に配置されたオーバードライブ用遊
星変速歯車機構3とを有している。
機は、トルクコンバータ1と、動力伝達経路を複数段に
切換える変速歯車機構2と、該トルクコンバータ1と変
速歯車機構2との間に配置されたオーバードライブ用遊
星変速歯車機構3とを有している。
【0015】トルクコンバータ1は、エンジン出力軸4
に結合されたポンプ・インペラ(以下「ポンプ」と略称
する)5と、このポンプ5に対向して配置されたタービ
ン・ランナ(以下「タービン」と略称する)6と、ポン
プ5とタービン6との間に配置されたステータ7とを有
し、タービン6にはコンバータ出力軸8が結合されてい
る。また、このコンバータ出力軸8とポンプ5との間に
は、ロックアップクラッチ9が設けられている。このロ
ックアップクラッチ9は、トルクコンバータ1内を循環
する作動油圧力により常時締結方向に付勢されており、
外部から開放用油圧が供給されることにより開放状態に
保持される。
に結合されたポンプ・インペラ(以下「ポンプ」と略称
する)5と、このポンプ5に対向して配置されたタービ
ン・ランナ(以下「タービン」と略称する)6と、ポン
プ5とタービン6との間に配置されたステータ7とを有
し、タービン6にはコンバータ出力軸8が結合されてい
る。また、このコンバータ出力軸8とポンプ5との間に
は、ロックアップクラッチ9が設けられている。このロ
ックアップクラッチ9は、トルクコンバータ1内を循環
する作動油圧力により常時締結方向に付勢されており、
外部から開放用油圧が供給されることにより開放状態に
保持される。
【0016】上記変速歯車機構2は、前段遊星歯車機構
10と後段遊星歯車機構11とを有し、前段遊星歯車機
構10のサンギヤ12と後段遊星歯車機構11のサンギ
ヤとは連結軸14により連結されている。変速歯車機構
2の入力軸15は、フロントクラッチ16を介して連結
軸14に、またリヤクラッチ17を介して前段遊星歯車
機構10のインターナルギヤ18に各々連結される。連
結軸14、即ちサンギヤ12、13と変速機ケースCと
の間には2速選択用のセカンドブレーキ19が設けられ
ている。前段遊星歯車機構10のプラネタリキャリア2
0と、後段遊星歯車機構11のインターナルギヤ21と
は出力軸22に連結されている。また、後段遊星歯車機
構11のプラネタリキャリア23と変速機ケースCとの
間にはロー&リバースブレーキ24とワンウェイクラッ
チ25とが設けられている。
10と後段遊星歯車機構11とを有し、前段遊星歯車機
構10のサンギヤ12と後段遊星歯車機構11のサンギ
ヤとは連結軸14により連結されている。変速歯車機構
2の入力軸15は、フロントクラッチ16を介して連結
軸14に、またリヤクラッチ17を介して前段遊星歯車
機構10のインターナルギヤ18に各々連結される。連
結軸14、即ちサンギヤ12、13と変速機ケースCと
の間には2速選択用のセカンドブレーキ19が設けられ
ている。前段遊星歯車機構10のプラネタリキャリア2
0と、後段遊星歯車機構11のインターナルギヤ21と
は出力軸22に連結されている。また、後段遊星歯車機
構11のプラネタリキャリア23と変速機ケースCとの
間にはロー&リバースブレーキ24とワンウェイクラッ
チ25とが設けられている。
【0017】この変速歯車機構2は従来公知の変速機構
をもち、前進3段、後進1段の変速段を有し、フロント
クラッチ16とリヤクラッチ17とセカンドブレーキ1
9とロー&リバースブレーキ24とを後述するように油
圧アクチュエータによって適宜に作動させることにより
所要の変速段を得るものである。
をもち、前進3段、後進1段の変速段を有し、フロント
クラッチ16とリヤクラッチ17とセカンドブレーキ1
9とロー&リバースブレーキ24とを後述するように油
圧アクチュエータによって適宜に作動させることにより
所要の変速段を得るものである。
【0018】オーバードライブ用遊星変速歯車機構3
は、プラネタリキャリア26を回転自在に支持するプラ
ネタリキャリア27と、ダイレクトクラッチ29を介し
てインターナルギヤ30に結合されるサンギヤ29とを
有している。このサンギヤ29と変速機ケースCとの間
には、オーバードライブブレーキ31が設けられ、また
インターナルギヤ36は変速歯車機構2の入力軸15に
連結されている。
は、プラネタリキャリア26を回転自在に支持するプラ
ネタリキャリア27と、ダイレクトクラッチ29を介し
てインターナルギヤ30に結合されるサンギヤ29とを
有している。このサンギヤ29と変速機ケースCとの間
には、オーバードライブブレーキ31が設けられ、また
インターナルギヤ36は変速歯車機構2の入力軸15に
連結されている。
【0019】上記オーバードライブ用遊星変速歯車機構
3は、ダイレクトクラッチ29が締結してオーバードラ
イブブレーキ31が開放されたとき、コンバータ出力軸
8と入力軸15とを直結状態で結合し、その後、このオ
ーバードライブブレーキ31が締結し、ダイレクトクラ
ッチ29が開放されたときこれらコンバータ出力軸8と
入力軸15とをオーバードライブ結合するように作用す
る。
3は、ダイレクトクラッチ29が締結してオーバードラ
イブブレーキ31が開放されたとき、コンバータ出力軸
8と入力軸15とを直結状態で結合し、その後、このオ
ーバードライブブレーキ31が締結し、ダイレクトクラ
ッチ29が開放されたときこれらコンバータ出力軸8と
入力軸15とをオーバードライブ結合するように作用す
る。
【0020】上記の変速機は、後述する油圧制御回路の
マニュアルバルブを手動によりセレクト操作して、上記
変速歯車機構2とオーバードライブ用遊星変速歯車機構
3の各摩擦要素(クラッチ及びブレーキ)を適宜に作動
させることにより所要の変速段を得るものであり、その
各摩擦要素の制御パターンは従来の構造のものと同様の
各レンジ毎に下表のように設定される。
マニュアルバルブを手動によりセレクト操作して、上記
変速歯車機構2とオーバードライブ用遊星変速歯車機構
3の各摩擦要素(クラッチ及びブレーキ)を適宜に作動
させることにより所要の変速段を得るものであり、その
各摩擦要素の制御パターンは従来の構造のものと同様の
各レンジ毎に下表のように設定される。
【0021】
【表1】 [油圧回路]油圧回路は、運転者のセレクト操作に応じ
て上掲の表に示すような作動パターンで各摩擦要素を作
動させて、所定の変速段を得る回路構成を有する。、図
2においては、特に本発明に関連する部分のみを示す。
て上掲の表に示すような作動パターンで各摩擦要素を作
動させて、所定の変速段を得る回路構成を有する。、図
2においては、特に本発明に関連する部分のみを示す。
【0022】同図において、101はフロントクラッチ
16締結用の第1アクチュエータであって、該アクチュ
エータ101は油圧ポンプ50からの油路111が接続
され、該油路111の油圧の供給によりフロントクラッ
チ16を締結する。また、102はセカンドブレーキ1
9締結用の第2アクチュエータであって、該アクチュエ
ータ102は油路111から分岐した油路112が接続
され、該油路112の油圧が締結圧に対抗する開放圧と
して供給されて、セカンドブレーキ19を締結状態から
開放する。
16締結用の第1アクチュエータであって、該アクチュ
エータ101は油圧ポンプ50からの油路111が接続
され、該油路111の油圧の供給によりフロントクラッ
チ16を締結する。また、102はセカンドブレーキ1
9締結用の第2アクチュエータであって、該アクチュエ
ータ102は油路111から分岐した油路112が接続
され、該油路112の油圧が締結圧に対抗する開放圧と
して供給されて、セカンドブレーキ19を締結状態から
開放する。
【0023】103は2−3シフトバルブで、この2−
3シフトバルブは第1位置において油路111を開き、
第2位置においてアクチュエータ101側の油路111
と油圧排出路113とを連通するように構成されてい
る。上記分岐路112には3−2タイミングバルブ10
4が介装され、該タイミングバルブ104は第1位置に
おいて分岐路112を開き、第2位置においてアクチュ
エータ102側の分岐路112と油圧排出路114とを
連通するように構成されている。また、分岐路112に
は、タイミングバルブ104とシフトバルブ103との
間において互いに並列に逆止弁107と絞り108とが
接続されている。この逆止弁107は、シフトバルブ1
03側から第2アクチュエータ102側へ向けての油圧
の供給のみを可能にする。
3シフトバルブは第1位置において油路111を開き、
第2位置においてアクチュエータ101側の油路111
と油圧排出路113とを連通するように構成されてい
る。上記分岐路112には3−2タイミングバルブ10
4が介装され、該タイミングバルブ104は第1位置に
おいて分岐路112を開き、第2位置においてアクチュ
エータ102側の分岐路112と油圧排出路114とを
連通するように構成されている。また、分岐路112に
は、タイミングバルブ104とシフトバルブ103との
間において互いに並列に逆止弁107と絞り108とが
接続されている。この逆止弁107は、シフトバルブ1
03側から第2アクチュエータ102側へ向けての油圧
の供給のみを可能にする。
【0024】従って、タイミングバルブ104が閉じて
いる(第1位置にある)ときは、シフトバルブ103の
切換えにより、両アクチュエータ101、102に対し
て油圧供給が行なわれる一方、該シフトバルブ103を
通して両アクチュエータ101、102からの油圧開放
がなされる。該シフトバルブ103を通しての第2アク
チュエータ102からの油圧開放は、絞り108がある
ため、時間を要けて緩やか行なわれる。一方、タイミン
グバルブ104が開いたとき(第2位置にあるとき)
は、第2アクチュエータ102からの油圧開放は、タイ
ミングバルブ104を通して排出路114から速やかに
行なわれることになる。よって、タイミングバルブ10
4及び絞り108により、セカンドブレーキ19の開放
圧の排圧速度を調整して、該セカンドブレーキ(特定の
摩擦要素)19の締結速度を調整するようにした締結速
度調整手段150を構成している。
いる(第1位置にある)ときは、シフトバルブ103の
切換えにより、両アクチュエータ101、102に対し
て油圧供給が行なわれる一方、該シフトバルブ103を
通して両アクチュエータ101、102からの油圧開放
がなされる。該シフトバルブ103を通しての第2アク
チュエータ102からの油圧開放は、絞り108がある
ため、時間を要けて緩やか行なわれる。一方、タイミン
グバルブ104が開いたとき(第2位置にあるとき)
は、第2アクチュエータ102からの油圧開放は、タイ
ミングバルブ104を通して排出路114から速やかに
行なわれることになる。よって、タイミングバルブ10
4及び絞り108により、セカンドブレーキ19の開放
圧の排圧速度を調整して、該セカンドブレーキ(特定の
摩擦要素)19の締結速度を調整するようにした締結速
度調整手段150を構成している。
【0025】上記2−3シフトバルブ103は2−3シ
フトソレノイドバルブ105によって駆動され、また3
−2タイミングバルブ104はタイミング調整用ソレノ
イドバルブ106によって駆動される。
フトソレノイドバルブ105によって駆動され、また3
−2タイミングバルブ104はタイミング調整用ソレノ
イドバルブ106によって駆動される。
【0026】図3は、セカンドブレーキ19の第2アク
チュエータ102とタイミングバルブ104とソレノイ
ド106との関係を具体的に示した油圧回路図である。
先ず、アクチュエータ102は、ピストン61によりア
プライ側の第1油室62とレリーズ側油室63との2室
に画成されて、ピストン61がセカンドブレーキ19と
連結されている。上記アプライ側の油室62へは油路1
16を介して常に油圧が供給されており、レリーズ側の
油室63に油圧が供給されたときにスプリング64によ
る付勢力とも協働してピストン61が図中下方へ変位し
て、セカンドブレーキ19が開放される。逆に、レリー
ズ側の油室63の油圧が開放されると、ピストン61が
図中上方へ変位してセカンドブレーキ19が締結され
る。上記レリーズ側の油室63に対して前述した分岐路
112が連なっており、この分岐路112がソレノイド
106によるタイミングバルブ104への油圧供給と油
圧開放とによって、閉(分岐路112と排出路114と
が遮断)又は開(112と114とが連通)制御され
る。
チュエータ102とタイミングバルブ104とソレノイ
ド106との関係を具体的に示した油圧回路図である。
先ず、アクチュエータ102は、ピストン61によりア
プライ側の第1油室62とレリーズ側油室63との2室
に画成されて、ピストン61がセカンドブレーキ19と
連結されている。上記アプライ側の油室62へは油路1
16を介して常に油圧が供給されており、レリーズ側の
油室63に油圧が供給されたときにスプリング64によ
る付勢力とも協働してピストン61が図中下方へ変位し
て、セカンドブレーキ19が開放される。逆に、レリー
ズ側の油室63の油圧が開放されると、ピストン61が
図中上方へ変位してセカンドブレーキ19が締結され
る。上記レリーズ側の油室63に対して前述した分岐路
112が連なっており、この分岐路112がソレノイド
106によるタイミングバルブ104への油圧供給と油
圧開放とによって、閉(分岐路112と排出路114と
が遮断)又は開(112と114とが連通)制御され
る。
【0027】[変速制御]図2において、200は、基
本的にCPU、ROM、RAM、CLOCKを備えたマ
イクロコンピュータよりなる制御回路である。この制御
回路200には、スロットル開度センサ202等により
検出されるエンジンの運転状態、及び変速歯車機構2の
入力部の回転数としてタービン回転数を検出する回転数
検出手段としてのタービン回転数センサ201等により
検出される自動変速機の状態が入力される。そして、該
制御回路200は、予め記憶する変速マップに従い、上
記エンジンの運転状態及び自動変速機の状態に基いて変
速動作を制御する。そして、該制御回路200は、2−
3シフトバルブ103を第2位置に切換えるシフト信号
A1をソレノイドバルブ105に出力すると共に、3−
2タイミングバルブ104を第2位置に切換えるタイミ
ング信号A2をソレノイドバルブ106に出力するが、
該各信号A1、A2の出力タイミングについては後述す
る。
本的にCPU、ROM、RAM、CLOCKを備えたマ
イクロコンピュータよりなる制御回路である。この制御
回路200には、スロットル開度センサ202等により
検出されるエンジンの運転状態、及び変速歯車機構2の
入力部の回転数としてタービン回転数を検出する回転数
検出手段としてのタービン回転数センサ201等により
検出される自動変速機の状態が入力される。そして、該
制御回路200は、予め記憶する変速マップに従い、上
記エンジンの運転状態及び自動変速機の状態に基いて変
速動作を制御する。そして、該制御回路200は、2−
3シフトバルブ103を第2位置に切換えるシフト信号
A1をソレノイドバルブ105に出力すると共に、3−
2タイミングバルブ104を第2位置に切換えるタイミ
ング信号A2をソレノイドバルブ106に出力するが、
該各信号A1、A2の出力タイミングについては後述す
る。
【0028】図4は制御回路200からソレノイドバル
ブ105、104へ各々出力されるシフト信号A1及び
タンミング信号A2の波形を示すものであり、3速走行
時には、信号A1、A2は共に出力されない。そして、
2−3シフトバルブ103が第1位置にあって油路11
1を開いているので、第1アクチュエータ101に油圧
が供給されてフロントクラッチ16が締結され、また3
−2タイミングバルブ104も第1位置にあって油路1
12と油圧排出路114とを閉じているので、第2アク
チュエータ102に油圧が供給されて、セカンドブレー
キ19が開放される。
ブ105、104へ各々出力されるシフト信号A1及び
タンミング信号A2の波形を示すものであり、3速走行
時には、信号A1、A2は共に出力されない。そして、
2−3シフトバルブ103が第1位置にあって油路11
1を開いているので、第1アクチュエータ101に油圧
が供給されてフロントクラッチ16が締結され、また3
−2タイミングバルブ104も第1位置にあって油路1
12と油圧排出路114とを閉じているので、第2アク
チュエータ102に油圧が供給されて、セカンドブレー
キ19が開放される。
【0029】上記の状態から第2速へのシフトダウンの
際には、図4(B)に示すように、制御回路200から
のシフト信号A1が出力されて2−3シフトソレノイド
バルブ105がONし、2−3シフトソレノイドバルブ
103が第2位置にシフトされる(図4D参照)。これ
により、アクチュエータ101側への油圧が減少し、フ
ロントクラッチ16は締結状態から開放状態へ速やかに
移行する。また、上記シフト信号A1の出力と同時に、
図4(C)に示すように、制御回路200からのタイミ
ング信号A2が出力されてタイミングバルブ104が第
2位置に切換えられる。これにより、第2アクチュエー
タ102からの油圧が排出路114より速やかに排圧さ
れる。このタイミング信号A2が出力されるのは、シフ
ト信号A1の出力後の設定時間τの間だけであり、この
設定時間τが経過すると、タイミング信号A2の出力は
再び停止されてタイミングバルブ114が第1位置に切
換えられる(図4(E)参照)。これにより、第2アク
チュエータ102からの油圧の開放は、絞り108を介
して排出路113を経て緩やかに行なわれることにな
る。このようにして、タイミング信号A2の設定時間τ
の出力と、設定時間τ経過後の出力の停止により、セカ
ンドブレーキ19は、設定時間τの間は急速に締結方向
へと変位し、この設定時間τ経過後は緩やかに締結を進
行し、やがて締結完了となる。
際には、図4(B)に示すように、制御回路200から
のシフト信号A1が出力されて2−3シフトソレノイド
バルブ105がONし、2−3シフトソレノイドバルブ
103が第2位置にシフトされる(図4D参照)。これ
により、アクチュエータ101側への油圧が減少し、フ
ロントクラッチ16は締結状態から開放状態へ速やかに
移行する。また、上記シフト信号A1の出力と同時に、
図4(C)に示すように、制御回路200からのタイミ
ング信号A2が出力されてタイミングバルブ104が第
2位置に切換えられる。これにより、第2アクチュエー
タ102からの油圧が排出路114より速やかに排圧さ
れる。このタイミング信号A2が出力されるのは、シフ
ト信号A1の出力後の設定時間τの間だけであり、この
設定時間τが経過すると、タイミング信号A2の出力は
再び停止されてタイミングバルブ114が第1位置に切
換えられる(図4(E)参照)。これにより、第2アク
チュエータ102からの油圧の開放は、絞り108を介
して排出路113を経て緩やかに行なわれることにな
る。このようにして、タイミング信号A2の設定時間τ
の出力と、設定時間τ経過後の出力の停止により、セカ
ンドブレーキ19は、設定時間τの間は急速に締結方向
へと変位し、この設定時間τ経過後は緩やかに締結を進
行し、やがて締結完了となる。
【0030】上記設定時間τは、実施例では、図6に示
すように車速をパラメータとして変更されるが、この
他、タービン回転数、スロットル開度又はスロットル弁
開度の変化率等をパラメータとして変更してもよい。
すように車速をパラメータとして変更されるが、この
他、タービン回転数、スロットル開度又はスロットル弁
開度の変化率等をパラメータとして変更してもよい。
【0031】ここで、第3速から第2速へのシフトダウ
ンの終了判定は、次のように行なわれる。先ず、タービ
ン回転数TREVは、第3速走行時の回転数N3から第
2速走行時の回転数N2へと変化する。この際のタービ
ン回転数の変化率VTREVが、その最大値VREVM
の1/2となった時点において、シフトダウン終了と判
定するものである。
ンの終了判定は、次のように行なわれる。先ず、タービ
ン回転数TREVは、第3速走行時の回転数N3から第
2速走行時の回転数N2へと変化する。この際のタービ
ン回転数の変化率VTREVが、その最大値VREVM
の1/2となった時点において、シフトダウン終了と判
定するものである。
【0032】また、上記変速条件(例えば車速)におけ
る上記設定時間τの補正は、上記シフトダウン終了の判
定が行われる時点における実際のタービン回転数TRE
Vに基いて行われる。この点を具体的に説明すると、図
7に示すように、上記両信号A1、A2が出力される時
点をt1(ダウンシフトフラグ0→1)で示し、また前
述のように変速終了と判定される時点(ダウンシフトフ
ラグ1→0)をt2で示す。更に、上記の変速終了判定
時点t2における実際のタービン回転数TREVをA点
で、実際の車速VspをC点で、さらにこの実際の車速
Vsp(C点相当)に基いて第2速走行時に予想される
予想タービン回転数TREVEをB点で示す。このよう
に、変速終了判定後の実際の車速Vspに基づいて予想
タービン回転数TREVEを求めることにより、変速の
相違、例えばアクセル踏込速度等に影響されることなく
精度良く予想タービン回転数TREVEを求めることが
できる。
る上記設定時間τの補正は、上記シフトダウン終了の判
定が行われる時点における実際のタービン回転数TRE
Vに基いて行われる。この点を具体的に説明すると、図
7に示すように、上記両信号A1、A2が出力される時
点をt1(ダウンシフトフラグ0→1)で示し、また前
述のように変速終了と判定される時点(ダウンシフトフ
ラグ1→0)をt2で示す。更に、上記の変速終了判定
時点t2における実際のタービン回転数TREVをA点
で、実際の車速VspをC点で、さらにこの実際の車速
Vsp(C点相当)に基いて第2速走行時に予想される
予想タービン回転数TREVEをB点で示す。このよう
に、変速終了判定後の実際の車速Vspに基づいて予想
タービン回転数TREVEを求めることにより、変速の
相違、例えばアクセル踏込速度等に影響されることなく
精度良く予想タービン回転数TREVEを求めることが
できる。
【0033】図10は変速終了と判定される時点での予
想タービン回転数TREVEを算出する別の方法を示
す。図10では、変速開始時t1でのタービン回転数又
はエンジン回転数に基いて、第2速時の予想タービン回
転数TREVを求めるものである。この場合は、車速セ
ンサを別途要しないという利点を有する。
想タービン回転数TREVEを算出する別の方法を示
す。図10では、変速開始時t1でのタービン回転数又
はエンジン回転数に基いて、第2速時の予想タービン回
転数TREVを求めるものである。この場合は、車速セ
ンサを別途要しないという利点を有する。
【0034】上記実際のタービン回転数TREV(A
点)から予想されるタービン回転数TREVE(B点)
を差し引いた値ΔTがタービン回転数の吹上り量とな
り、この吹上り量ΔTに基づいて上記設定時間τが補正
される。尚、吹上り量は実際のエンジン回転数と予想エ
ンジン回転数との差から求めることもできる。
点)から予想されるタービン回転数TREVE(B点)
を差し引いた値ΔTがタービン回転数の吹上り量とな
り、この吹上り量ΔTに基づいて上記設定時間τが補正
される。尚、吹上り量は実際のエンジン回転数と予想エ
ンジン回転数との差から求めることもできる。
【0035】上記ΔTに基づく設定時間τの補正値Δt
は例えば図8に示すように設定される。すなわち、吹上
り量ΔTの上限値αと下限値βとを車速をパラメータと
して図8に示すように予め設定しておき、ΔTが上限値
α以上であれば吹上り量が大き過ぎるので、設定時間τ
を大きくする方向に補正し、逆に吹上り量ΔTが下限値
β以下であれば吹上り量が小さ過ぎる,即ちタービン回
転数の引き込み時であるので、設定時間τを小さくする
方向に補正する。そして下限値β以下での補正では、ノ
イズの影響を極力小さくし且つハンチングを招かないよ
うに、1回当たりの補正量は「25msec」に設定さ
れる。一方、上限値α以上での補正では、タービン回転
数の吹上りを短期間で解消すべく、1回当たりの補正量
は「50msec」に設定される。
は例えば図8に示すように設定される。すなわち、吹上
り量ΔTの上限値αと下限値βとを車速をパラメータと
して図8に示すように予め設定しておき、ΔTが上限値
α以上であれば吹上り量が大き過ぎるので、設定時間τ
を大きくする方向に補正し、逆に吹上り量ΔTが下限値
β以下であれば吹上り量が小さ過ぎる,即ちタービン回
転数の引き込み時であるので、設定時間τを小さくする
方向に補正する。そして下限値β以下での補正では、ノ
イズの影響を極力小さくし且つハンチングを招かないよ
うに、1回当たりの補正量は「25msec」に設定さ
れる。一方、上限値α以上での補正では、タービン回転
数の吹上りを短期間で解消すべく、1回当たりの補正量
は「50msec」に設定される。
【0036】特定の変速条件(例えば車速)においてこ
の吹上り量ΔT(Δτ)に基づく補正を図式的に示した
のが図9である。この図9では、吹上り量が大き過ぎる
ため、設定時間τを大きくする方向へ補正する場合を例
にして示してある。すなわち1回目の3速から2速への
変速時には設定時間τが例えば「75msec」とさ
れ、このときの吹上り量ΔTはかなり大きい(ΔT≧
α)。このため、2回目の3速から2速への変速時に
は、上記1回目の設定時間τに1回当たりの補正量「5
0msec」を加算した「125msec」とされる。
この2回目の変速時においては、1回目の変速時よりも
吹上り量は減少するが、未だ大きな値である(ΔT≧
α)。従って、3回目の3速から2速への変速時には、
設定時間τは2回目の設定時間τ(=125msec)
にさらに補正量「50msec」を加算した「175m
sec」とされる。これにより、3回目の3速から2速
への変速時には、吹上り量ΔTは更に減少する。このよ
うにして、吹上り量ΔTに応じて設定時間τを補正する
ことにより、変速ショックが最小となるような最適設定
時間τが設定される。勿論、吹上り量ΔTが小さ過ぎる
とき(ΔT≦β)は、上述の場合とは逆に設定時間τが
1回の補正当り「25msec」づつ減少される。この
ような吹上り量ΔTに基づくフィードバック制御を図5
に示す。尚、図5において、Gは、変速ショックとして
車体前後方向に作用する加速度を示す。
の吹上り量ΔT(Δτ)に基づく補正を図式的に示した
のが図9である。この図9では、吹上り量が大き過ぎる
ため、設定時間τを大きくする方向へ補正する場合を例
にして示してある。すなわち1回目の3速から2速への
変速時には設定時間τが例えば「75msec」とさ
れ、このときの吹上り量ΔTはかなり大きい(ΔT≧
α)。このため、2回目の3速から2速への変速時に
は、上記1回目の設定時間τに1回当たりの補正量「5
0msec」を加算した「125msec」とされる。
この2回目の変速時においては、1回目の変速時よりも
吹上り量は減少するが、未だ大きな値である(ΔT≧
α)。従って、3回目の3速から2速への変速時には、
設定時間τは2回目の設定時間τ(=125msec)
にさらに補正量「50msec」を加算した「175m
sec」とされる。これにより、3回目の3速から2速
への変速時には、吹上り量ΔTは更に減少する。このよ
うにして、吹上り量ΔTに応じて設定時間τを補正する
ことにより、変速ショックが最小となるような最適設定
時間τが設定される。勿論、吹上り量ΔTが小さ過ぎる
とき(ΔT≦β)は、上述の場合とは逆に設定時間τが
1回の補正当り「25msec」づつ減少される。この
ような吹上り量ΔTに基づくフィードバック制御を図5
に示す。尚、図5において、Gは、変速ショックとして
車体前後方向に作用する加速度を示す。
【0037】[変速制御(フローチャート)]上述した
制御回路200の制御内容を示す図11ないし図14の
制御フローを説明する。尚、以下の説明でSはステップ
を示す。
制御回路200の制御内容を示す図11ないし図14の
制御フローを説明する。尚、以下の説明でSはステップ
を示す。
【0038】先ず、図11のS1〜S3でイニシャライ
ズ設定を行なう。すなわち、S1でフラグ及びタイマを
全てリセットし、S2で変速歯車機構2のギヤポジショ
ンを第3速に設定し、S3で125ミリ秒間タービン回
転数を計測する。
ズ設定を行なう。すなわち、S1でフラグ及びタイマを
全てリセットし、S2で変速歯車機構2のギヤポジショ
ンを第3速に設定し、S3で125ミリ秒間タービン回
転数を計測する。
【0039】次にS4〜S12に示すフローは25ミリ
秒毎に実行されるもので、S5で変速特性選択用のモー
ドスイッチ(図示略)、センサの出力の計測を行ない、
S6でレンジおよびモード(エコノミーモード、パワー
モード)判定を行なう。次のS7及びS8でシフトアッ
プ判定およびシフトダウン判定のサブルーチンを実行す
る(S8におけるシフトダウン判定のサブフローについ
ては後述する)。S9ではシフトソレノイドバルブに出
力し、次のS10およびS11でシフトアップ終了判定
およびシフトダウン終了判定のサブルーチンを実行する
(S11におけるシフトダウン終了判定のサブフローに
ついては後述する)。そして、S12で図1の3−2タ
イミングバルブ104の駆動タイミングτを設定するた
めの3−2タイマ学習制御のサブルーチンを実行してS
4に戻る。
秒毎に実行されるもので、S5で変速特性選択用のモー
ドスイッチ(図示略)、センサの出力の計測を行ない、
S6でレンジおよびモード(エコノミーモード、パワー
モード)判定を行なう。次のS7及びS8でシフトアッ
プ判定およびシフトダウン判定のサブルーチンを実行す
る(S8におけるシフトダウン判定のサブフローについ
ては後述する)。S9ではシフトソレノイドバルブに出
力し、次のS10およびS11でシフトアップ終了判定
およびシフトダウン終了判定のサブルーチンを実行する
(S11におけるシフトダウン終了判定のサブフローに
ついては後述する)。そして、S12で図1の3−2タ
イミングバルブ104の駆動タイミングτを設定するた
めの3−2タイマ学習制御のサブルーチンを実行してS
4に戻る。
【0040】次に図11のS8におけるシフトダウン判
定制御フローを図12を参照して説明する。先ず、S2
1で変速歯車機構2のギヤポジションを読み出し、この
読み出されたギヤポジションが第1速であるか否かの判
定を行なう。この判定がYESであればそのまま制御を
終了する。
定制御フローを図12を参照して説明する。先ず、S2
1で変速歯車機構2のギヤポジションを読み出し、この
読み出されたギヤポジションが第1速であるか否かの判
定を行なう。この判定がYESであればそのまま制御を
終了する。
【0041】一方、上記ギヤポジションが1速でない場
合には、S22でエンジン負荷センサ202から出力さ
れるスロットル弁開度を読んだ後、S23で図16のシ
フトダウンマップの変速線Ldに照合してこのスロット
ル開度に応じてマップ上の設定タービン回転数Tspm
を読み出す。そして、S24でタービン回転数センサ2
01の出力により実際のタービン回転数Tspを読み出
して、上記設定タービン回転数Tspmより小さいか否
かを判定する。この判定がYESであるときには次のS
26でダウンシフトフラグが“1”であるか否かを判定
する。このダウンシフトフラグはシフトダウンが実行さ
れる際に“1”にセットされて、そのシフトダウン状態
を記憶するものである。そしてこのダウンシフトフラグ
に対する判定がYESであるときにはシフトダウンが行
なわれている状態とみてそのまま制御を終了する。
合には、S22でエンジン負荷センサ202から出力さ
れるスロットル弁開度を読んだ後、S23で図16のシ
フトダウンマップの変速線Ldに照合してこのスロット
ル開度に応じてマップ上の設定タービン回転数Tspm
を読み出す。そして、S24でタービン回転数センサ2
01の出力により実際のタービン回転数Tspを読み出
して、上記設定タービン回転数Tspmより小さいか否
かを判定する。この判定がYESであるときには次のS
26でダウンシフトフラグが“1”であるか否かを判定
する。このダウンシフトフラグはシフトダウンが実行さ
れる際に“1”にセットされて、そのシフトダウン状態
を記憶するものである。そしてこのダウンシフトフラグ
に対する判定がYESであるときにはシフトダウンが行
なわれている状態とみてそのまま制御を終了する。
【0042】逆に、S26における判定がNOであると
きには、S27でダウンシフトフラグを“1”にした上
で、S28で、「3速から2速」または「4速から2
速」への変速であるか否かが判定される。このS28で
の判定でNOのときは、そのまま制御を終了する。逆
に、S28での判定でYESのときは、S29で設定時
間τが、図6に示すマップから現在の車速Vspに基づ
く時間f(vsp)と、この変速条件(車速)において
記憶されている補正値Δτ(vsp)とを加算してセッ
トされた後、S30で変速歯車機構2のギヤポジション
を1段シフトダウン(信号A1、A2を出力)して制御
を終了する。
きには、S27でダウンシフトフラグを“1”にした上
で、S28で、「3速から2速」または「4速から2
速」への変速であるか否かが判定される。このS28で
の判定でNOのときは、そのまま制御を終了する。逆
に、S28での判定でYESのときは、S29で設定時
間τが、図6に示すマップから現在の車速Vspに基づ
く時間f(vsp)と、この変速条件(車速)において
記憶されている補正値Δτ(vsp)とを加算してセッ
トされた後、S30で変速歯車機構2のギヤポジション
を1段シフトダウン(信号A1、A2を出力)して制御
を終了する。
【0043】次に図11のS11におけるシフトダウン
終了判定フローを図13に示す。本判定フローでは、先
ず、S31でダウンシフトフラグが“1”であるか否か
を判定し、この判定がNOであればそのまま制御を終了
する。S31の判定がYESであればS32へ進んでタ
ービン回転変化率VTREVを演算する。そして次のS
33で、変速中のタービン回転変化率の最大値VTRE
VMを更新した後、S34でタービン回転変化率VTR
EVが上記VTREVM/2より小さいか否かを判定す
る。この判定がNOのときはそのまま制御を終了する
が、エンジンが吹上ったときはタービン回転の吹き上り
の頂点でタービン回転変化率がVTREV<VTREV
M/2となり、このときはS35へ進んでダウンシフト
フラグを“0”にして制御を終了する。
終了判定フローを図13に示す。本判定フローでは、先
ず、S31でダウンシフトフラグが“1”であるか否か
を判定し、この判定がNOであればそのまま制御を終了
する。S31の判定がYESであればS32へ進んでタ
ービン回転変化率VTREVを演算する。そして次のS
33で、変速中のタービン回転変化率の最大値VTRE
VMを更新した後、S34でタービン回転変化率VTR
EVが上記VTREVM/2より小さいか否かを判定す
る。この判定がNOのときはそのまま制御を終了する
が、エンジンが吹上ったときはタービン回転の吹き上り
の頂点でタービン回転変化率がVTREV<VTREV
M/2となり、このときはS35へ進んでダウンシフト
フラグを“0”にして制御を終了する。
【0044】図14は図11のS12における3−2タ
イミングバルブ104の駆動タイミングτを設定する3
−2タイマ学習制御フローである。同図では、先ずステ
ップS41で3速から2速または4速から2速へのシフ
トダウンか否かを判定する。そしてこの判定がYESで
あれば、S42へ進んで、変速開始時のタービン回転数
とギヤ比とにより、予想タービン回転数TREVEが算
出される。この後、S44において、車速Vspが算出
された後、S45において、ダウンシフトフラグが1か
ら0になった直後であるか否かが判定される。このS4
5の判定でNOのときはそのまま制御が終了される。逆
にS45の判定でYESのときは、S46へ進んで、実
際のタービン回転数TREVから予想タービン回転数T
REVEを差し引くことにより吹上り量ΔTが算出され
る。
イミングバルブ104の駆動タイミングτを設定する3
−2タイマ学習制御フローである。同図では、先ずステ
ップS41で3速から2速または4速から2速へのシフ
トダウンか否かを判定する。そしてこの判定がYESで
あれば、S42へ進んで、変速開始時のタービン回転数
とギヤ比とにより、予想タービン回転数TREVEが算
出される。この後、S44において、車速Vspが算出
された後、S45において、ダウンシフトフラグが1か
ら0になった直後であるか否かが判定される。このS4
5の判定でNOのときはそのまま制御が終了される。逆
にS45の判定でYESのときは、S46へ進んで、実
際のタービン回転数TREVから予想タービン回転数T
REVEを差し引くことにより吹上り量ΔTが算出され
る。
【0045】S46の後は、S47において、上記ΔT
が上限値α以上であるか否かが判定される。このS47
の判定でYESのときは、S48において、前回の補正
値Δτに対して1回当りの補正値「50msec」を加
算して新たな補正値Δτとする。この後、S51で今回
の変速の変速条件(車速)における補正値Δτ(vs
p)としてこのΔτを記憶(更新)する。この補正値Δ
τは、次回の同一変速条件の変速時においてマップより
求めたτに加算されることになる。
が上限値α以上であるか否かが判定される。このS47
の判定でYESのときは、S48において、前回の補正
値Δτに対して1回当りの補正値「50msec」を加
算して新たな補正値Δτとする。この後、S51で今回
の変速の変速条件(車速)における補正値Δτ(vs
p)としてこのΔτを記憶(更新)する。この補正値Δ
τは、次回の同一変速条件の変速時においてマップより
求めたτに加算されることになる。
【0046】一方、S47の判定でNOのときは、S4
9でΔTが下限値β以下であるか否が判定される。この
S49の判定でYESのときは、S50においてΔτを
「25msec」を差し引いた値として補正した後、前
述したS51の処理がなされる。また、S49の判定で
NOのときは、Δτは補正する必要がないので、そのと
きはS51の処理がなされる。
9でΔTが下限値β以下であるか否が判定される。この
S49の判定でYESのときは、S50においてΔτを
「25msec」を差し引いた値として補正した後、前
述したS51の処理がなされる。また、S49の判定で
NOのときは、Δτは補正する必要がないので、そのと
きはS51の処理がなされる。
【0047】よって、上記図12のシフトダウン判定フ
ローのS28及びS29により、変速歯車機構2による
動力伝達経路の切換時である3→2又は4→2ダウン変
速時には、この変速時に締結されるセカンドブレーキ1
9の締結速度を設定時間τの間だけ速めるように締結速
度調整手段19の3−2タイミングバルブ104を開作
動させて、セカンドブレーキ19の開放圧を設定時間τ
の間絞り108を介さずに素早く排圧するように制御す
る締結速度制御手段220を構成している。
ローのS28及びS29により、変速歯車機構2による
動力伝達経路の切換時である3→2又は4→2ダウン変
速時には、この変速時に締結されるセカンドブレーキ1
9の締結速度を設定時間τの間だけ速めるように締結速
度調整手段19の3−2タイミングバルブ104を開作
動させて、セカンドブレーキ19の開放圧を設定時間τ
の間絞り108を介さずに素早く排圧するように制御す
る締結速度制御手段220を構成している。
【0048】また、図14の3−2タイマ学習制御フロ
ーにより、タービン回転数センサ201の出力を受け、
今回の変速時におけるタービン回転数TREVの目標値
TREVEに対する偏差ΔTに応じて以後の3→2又は
4→2ダウン変速時に備え事前に上記締結速度制御手段
220による締結速度を速める設定時間τを設定補正幅
Δτで逐次補正するようにした補正手段221を構成し
ている。更に、同図の3−2タイマ学習制御フローのS
47ないしS50により、上記タービン回転数センサ2
01の出力を受け、今回の変速の終了判定時におけるタ
ービン回転数TREVの目標値TREVEに対する偏差
ΔTが上限値α以上の正値のときには、上記補正手段2
20による設定時間τの逐次補正の設定補正幅Δτを、
タービン回転数TREVの目標値TREVEに対する偏
差ΔTが下限値β以下の負値のときの小値の20mse
cに比較して、大値の50msecに設定するようにし
た補正幅設定手段222を構成している。
ーにより、タービン回転数センサ201の出力を受け、
今回の変速時におけるタービン回転数TREVの目標値
TREVEに対する偏差ΔTに応じて以後の3→2又は
4→2ダウン変速時に備え事前に上記締結速度制御手段
220による締結速度を速める設定時間τを設定補正幅
Δτで逐次補正するようにした補正手段221を構成し
ている。更に、同図の3−2タイマ学習制御フローのS
47ないしS50により、上記タービン回転数センサ2
01の出力を受け、今回の変速の終了判定時におけるタ
ービン回転数TREVの目標値TREVEに対する偏差
ΔTが上限値α以上の正値のときには、上記補正手段2
20による設定時間τの逐次補正の設定補正幅Δτを、
タービン回転数TREVの目標値TREVEに対する偏
差ΔTが下限値β以下の負値のときの小値の20mse
cに比較して、大値の50msecに設定するようにし
た補正幅設定手段222を構成している。
【0049】したがって、上記実施例においては、3→
2又は4→2ダウン変速時に、その変速の終了判定時点
でのタービン回転数TREVが目標値TREVEに対し
て上限値α以上に大きい吹上り時には、該変速時に締結
されるセカンドブレーキ19の締結速度を速める設定時
間τの学習補正幅Δτが回転数の引き込み時の25ms
ecに比較して50msecの大値に設定され、この設
定操作がこのタービン回転数の吹上り毎に繰返されるの
で、タービン回転数の吹上りが生じる変速回数の比較的
少い段階でセカンドブレーキ19の締結速度が適切値と
なって、短期間でタービン回転数の吹上りが解消され
る。従って、セカンドブレーキ19の締結の信頼性を良
好に確保できると共に、この変速時での運転フィーリン
グの低下を早期に解消できる。
2又は4→2ダウン変速時に、その変速の終了判定時点
でのタービン回転数TREVが目標値TREVEに対し
て上限値α以上に大きい吹上り時には、該変速時に締結
されるセカンドブレーキ19の締結速度を速める設定時
間τの学習補正幅Δτが回転数の引き込み時の25ms
ecに比較して50msecの大値に設定され、この設
定操作がこのタービン回転数の吹上り毎に繰返されるの
で、タービン回転数の吹上りが生じる変速回数の比較的
少い段階でセカンドブレーキ19の締結速度が適切値と
なって、短期間でタービン回転数の吹上りが解消され
る。従って、セカンドブレーキ19の締結の信頼性を良
好に確保できると共に、この変速時での運転フィーリン
グの低下を早期に解消できる。
【0050】しかも、3→2又は4→2ダウン変速時
に、タービン回転数TREVが目標値TREVEに対し
て下限値β以下に小さい引込み時には、セカンドブレー
キ19の締結速度を速める設定時間τの学習補正幅Δτ
が上記回転数の吹上り時の50msecに比較して25
msecの小値に設定されることがタービン回転数の引
込み毎に繰返されて、上記締結速度を速める設定時間τ
の学習補正が適切に且つ安定して行われる。その結果、
セカンドブレーキ19の締結速度がタービン回転数の引
込みが生じる変速回数に従って次第に遅くなって、変速
終了判定時点のタービン回転数TREVは目標値TRE
VEに向って良好に収束し、再びタービン回転数の吹上
りを生じることがなくなる。
に、タービン回転数TREVが目標値TREVEに対し
て下限値β以下に小さい引込み時には、セカンドブレー
キ19の締結速度を速める設定時間τの学習補正幅Δτ
が上記回転数の吹上り時の50msecに比較して25
msecの小値に設定されることがタービン回転数の引
込み毎に繰返されて、上記締結速度を速める設定時間τ
の学習補正が適切に且つ安定して行われる。その結果、
セカンドブレーキ19の締結速度がタービン回転数の引
込みが生じる変速回数に従って次第に遅くなって、変速
終了判定時点のタービン回転数TREVは目標値TRE
VEに向って良好に収束し、再びタービン回転数の吹上
りを生じることがなくなる。
【0051】図15は、吹上り量ΔTを予め定めた基準
値ΔTBに基づいて算出するようにした場合の3−2タ
イマ学習制御(図11のS12に相当)の変形例を示す
ものである。この図15において、S61〜S64は、
図14のS41〜S46の処理に対応しているが、補正
値Δτの算出のために車速Vspを利用しないので、図
14におけるS44の処理は行なわれない。上記S64
での吹上り量ΔTの算出後は、S65で吹上り量ΔTが
正値か否かを判定し、ΔTが正値の場合にはS66で吹
上り量ΔTに「50msec」を掛け合わせた値を基準
値ΔTBで除することにより、補正されたΔτを算出す
る一方、ΔTが負値の場合,即ち引き込み時にはS67
で引込み量ΔTに「25msec」を掛け合わせた値を
基準値ΔTBで除することにより、補正されたΔτを算
出する。そして、S68での補正値Δτの記憶がなされ
る。図15に示す実施例の場合は、吹上り量ΔTに見合
った設定時間τの設定を1回の補正で一挙に行なうこと
ができる。
値ΔTBに基づいて算出するようにした場合の3−2タ
イマ学習制御(図11のS12に相当)の変形例を示す
ものである。この図15において、S61〜S64は、
図14のS41〜S46の処理に対応しているが、補正
値Δτの算出のために車速Vspを利用しないので、図
14におけるS44の処理は行なわれない。上記S64
での吹上り量ΔTの算出後は、S65で吹上り量ΔTが
正値か否かを判定し、ΔTが正値の場合にはS66で吹
上り量ΔTに「50msec」を掛け合わせた値を基準
値ΔTBで除することにより、補正されたΔτを算出す
る一方、ΔTが負値の場合,即ち引き込み時にはS67
で引込み量ΔTに「25msec」を掛け合わせた値を
基準値ΔTBで除することにより、補正されたΔτを算
出する。そして、S68での補正値Δτの記憶がなされ
る。図15に示す実施例の場合は、吹上り量ΔTに見合
った設定時間τの設定を1回の補正で一挙に行なうこと
ができる。
【0052】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず例えば次のような場合をも含むものであ
る。
これに限らず例えば次のような場合をも含むものであ
る。
【0053】制御回路200をコンピュータを利用し
て構成する場合は、デジタル式、アナログ式のいずれで
あってもよい。
て構成する場合は、デジタル式、アナログ式のいずれで
あってもよい。
【0054】変速機構2としては、従来から知られて
いる適宜のものを採択し得る。
いる適宜のものを採択し得る。
【0055】図6示す設定時間τは、油温など変速シ
ョックに影響を与える要素をパラメータとして補正する
ようにしてもよい。
ョックに影響を与える要素をパラメータとして補正する
ようにしてもよい。
【0056】補正値Δτは、イグニッションキーをオ
フした後も、次のエンジン始動直後から使用し得るよう
にしてもよく、この場合は補正値Δτを不揮発性のメモ
リ(RAM)に記憶したり別途バックアップ用電源を用
いればよい(基本のτ値はROMに記憶される)。
フした後も、次のエンジン始動直後から使用し得るよう
にしてもよく、この場合は補正値Δτを不揮発性のメモ
リ(RAM)に記憶したり別途バックアップ用電源を用
いればよい(基本のτ値はROMに記憶される)。
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示す全体系統図である。
【図3】第2アクチュエータ部分の具体的な油圧回路例
を示す図である。
を示す図である。
【図4】3速から2速へのシフトダウン時における変速
信号とタイミング信号とシフトバルブとタイミングバル
ブとの関係を示すグラフである。
信号とタイミング信号とシフトバルブとタイミングバル
ブとの関係を示すグラフである。
【図5】設定時間を補正するためのフィードバック制御
を示す図である。
を示す図である。
【図6】設定時間の基本設定値を示すマップである。
【図7】変速終了判定時の予想タービン回転数を求める
一例を示す図である。
一例を示す図である。
【図8】設定時間の補正値を決定する際に用いるマップ
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
【図9】本発明により変速ショックが低減される様子を
図式的に示す図である。
図式的に示す図である。
【図10】変速終了判定時の予想タービン回転数を求め
る他の例を示す図である。
る他の例を示す図である。
【図11】変速制御の基本を示すフローチャートで図あ
る。
る。
【図12】シフトダウン判定を示すフローチャートで図
ある。
ある。
【図13】シフトダウンの終了の判定を示すフローチャ
ートで図ある。
ートで図ある。
【図14】3−2タイマ学習制御を示すフローチャート
で図ある。
で図ある。
【図15】3−2タイマ学習制御の変形例を示すフロー
チャートで図ある。
チャートで図ある。
【図16】シフトダウン変速線図の一例を示す図であ
る。
る。
【図17】タービン回転数の引き込みの様子の説明図で
ある。
ある。
【図18】タービン回転数の吹上りの様子の説明図であ
る。
る。
2 変速歯車機構 8 タービン軸(変速歯車機構の入力部) 19 セカンドブレーキ(特定の摩擦要素) 104 3−2タイミングバルブ 108 絞り 150 締結速度調整手段 200 制御回路 201 タービン回転数センサ(回転数検出手
段) 220 締結速度制御手段 221 補正手段 222 補正幅設定手段
段) 220 締結速度制御手段 221 補正手段 222 補正幅設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24
Claims (1)
- 【請求項1】 複数個の摩擦要素を有し、該摩擦要素の
締結,開放動作により動力伝達経路を複数段に切換える
変速歯車機構を備えた自動変速機の変速制御装置であっ
て、 上記変速歯車機構の特定の摩擦要素の締結速度を調整す
る締結速度調整手段と、 上記変速歯車機構による動力伝達経路の切換時に、締結
される上記特定の摩擦要素の締結速度を設定時間のあい
だ速めるよう上記締結速度調整手段を制御する締結速度
制御手段と、 上記変速歯車機構の入力部の回転数を検出する回転数検
出手段と、 該回転数検出手段の出力を受け、今回の変速時における
変速歯車機構の入力部の回転数の目標値に対する偏差に
応じて以後の変速時に備え事前に上記締結速度制御手段
による締結速度を速める設定時間を設定補正幅で逐次補
正する補正手段とを備えるとともに、 上記回転数検出手段の出力を受け、今回の変速時におけ
る変速歯車機構の入力部の回転数の目標値に対する偏差
が正値のとき、上記補正手段による設定時間の逐次補正
の設定補正幅を、回転数の目標値に対する偏差が負値の
ときに比較して大値に設定する補正幅設定手段を備えた
ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04254274A JP3135698B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | 自動変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04254274A JP3135698B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | 自動変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06109124A JPH06109124A (ja) | 1994-04-19 |
JP3135698B2 true JP3135698B2 (ja) | 2001-02-19 |
Family
ID=17262697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04254274A Expired - Fee Related JP3135698B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | 自動変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3135698B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4766225B2 (ja) * | 2004-12-28 | 2011-09-07 | スズキ株式会社 | 自動変速機の変速制御装置 |
-
1992
- 1992-09-24 JP JP04254274A patent/JP3135698B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06109124A (ja) | 1994-04-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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