JP3135640U - 電子機器用ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波の放射を低減するとともに、環境にも配慮した電子機器用ケースを提供する。
【解決手段】ケース10は、竹シート層12,14,16が接合層20,22によって接合されており、外側には表面処理層30,内側には竹炭スプレー層32が形成されている。竹シート層12,14,16を、繊維の方向が略直交する方向に積層することで、十分な強度が得られる。また、携帯電話から放射される電磁波は、接合層20,22や竹炭スプレー層32に含まれている竹炭によって吸収され、外部への電磁波の透過が良好に低減される。主原料が竹であるため、軽量・安価であるとともに、使用後は焼却処分が可能であり、自然環境に対する悪影響もない。
【選択図】図1

Description

本考案は、電子機器用ケースに関し、例えば携帯電話などの電波を発する電子機器に好適なケースに関するものである。
携帯電話のケースとしては、樹脂などが使用されている。例えば、下記特許文献1記載の「折りたたみ型携帯電話機」は、ケースに合成樹脂が用いられている。
特開2002−9914
ところで、携帯電話では、電磁波による人体への影響が懸念されていることは周知の通りである。このため、人体に許容される電磁波の基準としていわゆるSAR(Specific Absorption Rate)値が定められており、この値が大きいほど人体への影響が大きいことを示している。しかし、このSARが所定値以下であれば、人体への影響はないということではない。上述した背景技術の樹脂材料は、それ自体が電磁波をシールドする機能を備えているわけではなく、より安全なケースが要望されている。更に、資源の有効利用の観点からの素材の選択も重要である。
本考案は、以上の点に着目したもので、その目的は、電磁波の放射を低減することができる電子機器用ケースを提供することである。他の目的は、環境に配慮したケースを提供することである。
前記目的を達成するため、本考案は、複数の竹シート層を、その繊維が略直交するように重ねるとともに、それらの竹シート層を接合層で接着し、接合層もしくは表裏面の少なくとも一つに竹炭の粉末を含む層を形成した竹シート積層体を使用したことを特徴とする。主要な形態のひとつは、3枚の竹シート層を含み、これらの各竹シート層間の2つの接合層のすべてに竹炭の粉末を混入したことを特徴とする。他の形態の一つは、前記竹シート積層体の電子機器内側の面に竹炭スプレー層を設けたことを特徴とする。更に他の形態の一つは、前記竹シート積層体の電子機器外側の面に表面処理層を設けたことを特徴とする。本考案の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本考案によれば、主な材料して竹を使用し、竹シートを積層するとともに、竹炭を含む層を形成することとしたので、電磁波の放出を良好に低減することができ、携帯電話のSAR値を大幅に低下させることができる。また、竹は再生産や焼却処分が可能であり、環境的にも優れた効果が得られる。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1を参照しながら本考案の実施例1の積層構造を説明する。図1(A)は、携帯電話用ケース(以下単に「ケース」という)10として本考案を適用した例で、同図の点線部分を拡大して示すと、図1(B)に示すようになる。これらの図において、ケース10は、竹材を薄くした竹シート層12,14,16を積層した構造となっている。竹シート層12,14,16は、接合層20,22によって接合されている。更に、携帯電話の外側には表面処理層30が形成されており、内側には竹炭スプレー層32が形成されている。
以上の各部のうち、竹シート層12,14,16としては、厚みが0.15mm〜0.45mm程度,例えば0.25mmの竹のシート材を使用する。竹の素材としての性質上、ある程度の薄さ以下のものを得ることはできない。また、厚いものは硬くなり、加工に不向きである。接合層20,22としては、接着剤に竹炭の粉末を混入したものを使用する。接着剤としては、例えばシリコン系の樹脂を使用する。また、竹炭の粉末としては、例えば粒径が10〜1000μm程度のものを使用する。表面処理層30は、表面保護や着色などを目的としたもので、各種の公知の材料を使用してよい。この表面処理層30に竹炭の粉末を混入してもよい。竹炭スプレー層32は、竹炭の粉末を混入した塗料をスプレー塗装して形成したものである。
次に、図2〜図4を参照しながら、竹シート積層体の製造手順を説明する。図2には、竹シート積層体の製造工程が示されている。同図において、原料となる竹材100としては、例えば孟宗竹,楠竹,麻竹などを使用する(ステップSA)。そして、それらの比較的径が大きく、肉厚の部分を使用する。例えば、根元から数mの部分であれば、直径が10cm前後,平均肉厚が2〜3cm程度の竹材を得ることができる。このような竹材100を、例えば約1mの長さに切断し、竹丸太102を得る(ステップSB)。竹丸太102は、水を沸騰させた釜104に2〜3時間位投入する(ステップSC)。これにより、竹の灰汁抜きを行うとともに、竹の繊維を柔らかくして後述するピーリング加工を容易に行うことができる。また、防カビ剤をお湯に一緒に入れることで、防カビ処理も行われる。
沸騰加工を終えた竹丸太102は、図示しないコンベヤにてピーリングマシンに運ばれ、ピーリングマシンにてスライス加工される(ステップSD)。ピーリングマシンは、図3(A)に示すように、竹丸太102をカッター106でスライス加工して、竹スライス108を得るためのもので、例えば図3(B)に示すような構造となっている。各種のものが公知である。このピーリングマシンにより、カッター106の角度を調整しながら、例えば厚み0.25〜0.30mm(許容範囲±0.01mm)の竹丸太102を剥がして竹スライス108を得る。例えば、長さが約45cm幅の竹丸太102は、10〜12m前後の長さの竹スライス108にスライス加工される。
次に、竹スライス108から、ピンホール部分や沁みの着いた部分を取り除くとともに、規定の寸法に裁断して竹シート110を得る(ステップSE)。その後、図示しないコンベアにより竹シート110を乾燥機112に送り、例えば水分が約10%以下となるように乾燥を行う(ステップSF)。これにより、防虫,防カビの効果が高められる。
次に、竹シート110を、その繊維の方向が縦・横に略直交するように重ね合わせるとともに、竹炭の粉末を混入した接着剤を塗布して貼り合わせる(ステップSG)。これにより、図1に示した竹シート12,14,16,及び接合層20,22による竹シート積層体114が得られる。竹シート積層体114の平気的な厚みは、例えば1mm程度である。竹の繊維を略直交させることで、同じ厚さの単層の竹シートと比較して、弾力性を確保しながら、強度の向上を図ることができる。得られた竹シート積層体114は、研磨機116により表面や角部の研磨・仕上げ加工が施される(ステップSH)。
次に、竹シート積層体114に対して、所望の形状となるようにプレス加工が施される(ステップSI)。プレス加工機118は、例えば図4に示すように構成されている。同図(A)は主要部の拡大図,(B)は全体の斜視図である。これらに示すように、プレス加工機118には、上金型120と下金型122が設けられており、上金型120が油圧機構124によって上下動する。上述した竹シート積層体114を下金型122上に置いて、油圧機構124により上金型120を押し下げることで、図4(A)に点線で示すように、プレス成形体126が得られる。このプレス加工機118も、公知の各種のものを使用してよい。なお、プレス加工時には、竹シート積層体114を加熱するとよい。例えば、125℃程度に加熱すると加工が容易である。
次に、以上のようにして得たプレス成形体126に対して、内側に竹炭スプレーの噴霧,外側に表面処理を施すことで、図1に示したケース10が得られる(ステップSJ)。表面処理としては、着色加工,UV加工,防水加工など、適宜の処理を施してよい。ケース10は、携帯電話に内装されるシャーシ(図示せず)に接合したり、金属ケースの表面に貼り合わせるなどの方法で、携帯電話本体に取り付けられる。
次に、図1に戻って、ケース10の作用を説明すると、竹シート層12,14,16は、繊維の方向が略直交する方向に積層されているので、十分な強度を得ることができる。また、携帯電話から放射される電磁波は、図1(B)に矢印Fで示すように、接合層20,22や竹炭スプレー層32に含まれている竹炭によって吸収される。このため、外部への電磁波の透過が良好に低減されるようになる。更に、ケース10の主原料が竹であるため、軽量・安価であるとともに、使用後は焼却処分が可能であり、自然環境に対する悪影響もない。
なお、本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例1で示した製造工程は一例であり、公知の各種の方法が適用可能である。製造装置も同様である。
(2)前記実施例では、接合層20,22や竹炭スプレー層32に竹炭を混入したが、接合層20,22の一方にのみ竹炭混入してもよいし、竹炭スプレー層32のみに竹炭を混入してもよい。竹炭スプレー層32は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。表面処理層30も、同様に必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
(3)前記実施例は、本考案の電子機器用ケースを携帯電話に適用した例であるが、他の各種の電子機器に適用可能である。例えば、ノートパソコン,PDA,オーディオプレーヤ,などに適用してよい。
本考案によれば、電磁波の遮蔽効果があるので、電磁波を射出する電子機器,例えば携帯電話などのケースに好適である。
本考案の一実施例を示す図である。(A)は斜視図,(B)は(A)の点線部分を拡大して示す端面図である。 前記実施例におけるケースの製造工程を示す説明図である。 前記製造工程で使用するピーリングマシンを示す図である。(A)は主要部を示す説明図,(B)は全体を示す斜視図である。 前記製造工程で使用するプレス機を示す図である。(A)は主要部を示す説明図,(B)は全体を示す斜視図である。
符号の説明
10:携帯電話用ケース
12,14,16:竹シート層
20,22:接合層
30:表面処理層
32:竹炭スプレー層
100:竹材
102:竹丸太
104:釜
106:カッター
108:竹スライス
110:竹シート
112:乾燥機
114:竹シート積層体
116:研磨機
118:プレス加工機
120:上金型
122:下金型
124:油圧機構
126:プレス成形体

Claims (4)

  1. 複数の竹シート層を、その繊維が略直交するように重ねるとともに、それらの竹シート層を接合層で接着し、接合層もしくは表裏面の少なくとも一つに竹炭の粉末を含む層を形成した竹シート積層体を使用したことを特徴とする電子機器用ケース。
  2. 3枚の竹シート層を含み、これらの各竹シート層間の2つの接合層のすべてに竹炭の粉末を混入したことを特徴とする請求項1記載の電子機器用ケース。
  3. 前記竹シート積層体の電子機器内側の面に竹炭スプレー層を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器用ケース。
  4. 前記竹シート積層体の電子機器外側の面に表面処理層を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器用ケース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021142113A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 株式会社アステップ 竹製食器及びその製造方法

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