JP3135318B2 - 発泡合成樹脂の製造法 - Google Patents

発泡合成樹脂の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオールとポリイソ
シアネート化合物を反応させて得られる発泡合成樹脂の
製造方法に関するものであり、特に特定の整泡剤を使用
したポリウレタンフォームの製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】軟質ポリウレタンフォーム、半硬質ポリ
ウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、ウレタ
ン変性ポリイソシアヌレートフォームなどの発泡合成樹
脂はポリオールを主成分とする活性水素化合物とポリイ
ソシアネート化合物を触媒、発泡剤、整泡剤、その他の
存在下に反応させて製造される。
【0003】ポリオール等の活性水素化合物の合計10
0当量に対するポリイソシアネート化合物の当量(通常
イソシアネートインデックスと呼ばれている)が約80
〜130の割合で反応させて得られる発泡合成樹脂がポ
リウレタンフォームであり、イソシアネート三量化触媒
共存下にポリオールに対して大過剰(通常イソシアネー
トインデックス約150以上)のポリイソシアネート化
合物を反応させて得られる発泡合成樹脂がウレタン変性
ポリイソシアヌレートフォームである。
【0004】使用されるポリオールの平均水酸基価は目
的とするフォームの種類によって異なり、例えば軟質ポ
リウレタンフォームの場合は約20〜80、硬質ポリウ
レタンフォームの場合は多くの場合約300〜700の
範囲にある。しかし、この範囲外の平均水酸基価を有す
るポリオールが使用される場合もあり、また半硬質ポリ
ウレタンフォームの場合のように低水酸基価のポリオー
ルと鎖伸長剤や架橋剤と呼ばれる高水酸基価のポリオー
ル、アルカノールアミン、ポリアミン等が併用される場
合もある。ポリオールは2種以上のポリオールの混合物
であってもよく、その場合一部のポリオールは上記例示
した水酸基価の範囲外にあってもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発泡合成樹脂の製造に
おいて、整泡剤の選択は良好なフォームを得るための重
要な因子の1つである。整泡剤の役割は、気泡の安定
化、気泡径の調節、ポリオール、ポリイソシアネート化
合物および発泡剤等の原料成分の相互分散性向上などに
あると考えられている。
【0006】整泡剤は用途により種々のものが適宜使用
され、例えば軟質ポリウレタンフォーム用の整泡剤と硬
質ポリウレタンフォーム用の整泡剤とはその構造や分子
量等が異るものが採用されている。発泡合成樹脂用の整
泡剤として広く使用されている化合物の1つはポリオキ
シアルキレン鎖を側鎖とすジメチルポリシロキサン、
即ち、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン
系グラフトコポリマーである。また、ポリオキシアルキ
レン鎖の末端基は、アルコキシ基、フェノキシ基等のア
リールオキシ基、アルケニルオキシ基、水酸基等であ
り、ポリオキシアルキレン鎖はポリ(オキシエチレン・
オキシプロピレン)鎖であるものが多い。
【0007】整泡剤の性能はその分子量や構成によって
変化する。従来、ジメチルポリシロキサン主鎖の分子
量、ポリオキシアルキレン側鎖の分子量や構造、それら
の組み合わせ、等々が検討されていた。
【0008】本発明者は、ポリオキシアルキレン側鎖の
分子量分布、および側鎖を形成するためのポリオキシア
ルキレン化合物の合成時副生する不純物等もまた整泡
剤の性能に影響を及ぼすことを見出した。例えば、側鎖
の分子量分布が広い場合、目的とする整泡剤の性能が明
瞭に発揮されない。また、上記不純物として主鎖と反応
し難い化合物や特に低分子の化合物が存在すると、これ
らが整泡剤中に残存する結果整泡剤の整泡能力の目安で
ある珪素原子含量の実効濃度の低下をもたらし、整泡剤
の性能低下につながっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者はポリウレタン
フォーム等の製造に際し使用される整泡剤について、そ
の性能を左右する因子の1つとして、上記のようにポリ
オキシアルキレン側鎖を形成するための原料であるポリ
オキシアルキレン化合物の製法について検討した。その
結果、不純物が少なくかつ分子量分布の狭いポリオキシ
アルキレン化合物を合成することができる触媒として複
合金属シアン化物錯体を使用し、この触媒を用いて合成
したポリオキシアルキレン化合物を用いることにより、
より優れた性能が発揮される整泡剤を製造するに至っ
た。
【0010】本発明は上記の特定のポリオキシアルキレ
ン化合物に由来する側鎖を有するオルガノポリシロキサ
ン−ポリオキシアルキレン系グラフト共重合体からなる
整泡剤を使用して発泡合成樹脂を製造する方法に関する
下記発明である。
【0011】ポリオールとポリイソシアネート化合物を
触媒、発泡剤、および整泡剤の存在下に反応させて発泡
合成樹脂を製造する方法において、整泡剤として、複合
金属シアン化物錯体触媒を用いてアルキレンオキシドを
開環重合して得られたポリオキシアルキレン化合物から
誘導されたポリオキシアルキレン鎖を有し、分子量50
0〜5000のオルガノポリシロキサン鎖からなる主鎖
とこの主鎖に結合した分子量500〜3000の上記ポ
リオキシアルキレン鎖からなる少なくとも1個の側鎖と
を有するオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレ
ン系グラフト共重合体からなる整泡剤を使用することを
特徴とする発泡合成樹脂の製造法。
【0012】ポリオキシアルキレン化合物は、オルガノ
ポリシロキサンからなる主鎖にグラフトさせるために、
少なくとも1個の反応性基を必要とする。この反応性基
は、通常アリル基等の不飽和基である。不飽和基を
ルガノポリシロキサンに存在させた珪素原子−水素原子
結合部分と反応させてグラフト化を行うことができる。
ポリオキシアルキレン化合物中の反応性基は、不飽和基
に限られず、オルガノポリシロキサンに対応する反応性
基が存在する場合それと反応しうる反応性基を有してい
ればよい。
【0013】代表的ポリオキシアルキレン化合物は、不
飽和基を片末端に有し他方の末端に水酸基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、その他の1価の有機基を有す
る。このポリオキシアルキレン化合物は、例えば、不
和基を有する1価のイニシエーターにモノエポキドを
反応させる方法、不飽和基を有しない1価のイニシエー
ターにモノエポキドを反応させ、次に生成モノオール
の末端水酸基部分を不飽和基変換する方法、2価のイ
ニシエーターにモノエポキドを反応させ、次に生成ジ
オールの片末端水酸基部分を不飽和基変換する方法、
等の方法で製造される。
【0014】本発明は、上記のようなイニシエーターに
モノエポキドを反応させポリオキシアルキレン化合
物を製造する際、触媒として複合金属シアン化物錯体触
媒を使用することに特徴を有する。
【0015】触媒として複合金属シアン化物錯体触媒を
用いて種々のポリオキシアルキレン系の化合物を製造す
ることは知られている(例えば、次の米国特許明細書参
照、US 3278457,US 3278458,US 3278459,US 3427256,US
3427334,US 3427335)。この触媒により不飽和モノオー
ル等の不純物の生成が少ないポリオキシアルキレン系化
合物が得られる。分子量分布が狭いポリオキシアルキレ
ン系化合物を製造でき、また極めて高分子量のポリオキ
シアルキレン系化合物を製造できる。また、この触媒は
高活性であり、同等活性のアルカリ触媒使用量に比較し
て触媒使用量が少なくてすむ(通常モル比で1/30〜
1/500)という特徴も有る。
【0016】本発明における複合金属シアン化物錯体触
媒は、前記公知例に示されているように下記一般式(1)
の構造を有すると考えられる。
【0017】 M1 a[M2 x(CN)y]b(H2O)c(R)d … (1) ただし、M1は Zn(II)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)、A
l(III)、Sr(II)、Mn(II)、Cr(III)、Cu(II)、Sn(II)、Pb(II)、
Mo(IV)、Mo(VI)、W(IV)、W(VI) などであり、M2はFe(II)、F
e(III)、Co(II)、Co(III)、Cr(II)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(II
I)、Ni(II)、V(IV)、V(V) などであり、Rは有機配位子で
あり、a,b,xおよびyは、金属の原子価と配位数に
より変わる正の整数であり、cおよびdは金属の配位数
により変わる正の数である。
【0018】一般式(1) におけるM1 はZn(II)が好まし
く、M2 はFe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III) などが好ま
しい。有機配位子としては、えばケトン、エーテル、
アルデヒド、エステル、アルコール、アミドなどがあ
る。
【0019】上述のごとく一般式(1) で表わされる複合
金属シアン化物錯体触媒は、金属塩M1Xa ( M1 、aは
上述と同様、XはM1 と塩を形成するアニオン) とポリ
シアノメタレート(塩)Ze[ M2 x(CN)y]f(M2 、x、y
は上述と同様。Zは水素、アルカリ金属、アルカリ土類
金属など、e、fはZ、M2 の原子価と配位数により決
まる正の整数)のそれぞれの水溶液または水と有機溶剤
の混合溶媒の溶液を混ぜ合わせ、得られた複金属シア
ン化物に有機配位子Rを接触させた後、余分な溶媒およ
び有機化合物Rを除去することにより製造される。
【0020】ポリシアノメタレート(塩)Ze[ M2 x(C
N)y]fは、Zには水素やアルカリ金属をはじめとする種
々の金属を使用しうるが、リチウム塩、ナトリウム塩、
カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩が好まし
い。特に好ましくは通常のアルカリ金属塩、即ちナトリ
ウム塩とカリウム塩である。
【0021】ポリオキシアルキレン系化合物は通常モノ
エポキドとイニシエーターとの混合物に触媒を存在さ
せて反応させることにより製造される。また、反応系に
モノエポキドを徐々に加えながら反応を行うこともで
きる。反応は常温下でも起きるが、必要により、反応系
を加熱または冷却することもできる。複合金属シアン化
物錯体触媒触媒の使用量は特に限定されるものではない
が、最終的に得られるポリオキシアルキレン化合物中の
濃度で表わして20〜200ppmであることが好まし
い。
【0022】複合金属シアン化物錯体触媒を使用して、
イニシエーター−モノエポキド付加物にまたはイニシ
エーターにエチレンオキドを開環重合させる場合、そ
の触媒によってはエチレンオキドの単独重合体が生成
することがある。従って、この場合はエチレンオキ
開環重合を他の触媒、例えば水酸化カリウム等のアル
カリ触媒を用いて行うことが好ましい。また、あらかじ
め必要量のエチレンオキドを反応させて製造したポリ
オキシエチレン化合物をイニシエーターとして使用する
ことができる。末端にポリオキシエチレンブロックを形
成するためには、複合金属シアン化物錯体触媒をアルカ
リ触媒に変換する公知の方法(例えば、特公昭59-15336
号公報参照)を採用することができる。
【0023】本発明におけるポリオキシアルキレン化合
物を製造するためのイニシエーターとしては、1〜2個
の水酸基を有するヒドロキシ化合物が好ましい。このヒ
ドロキシ化合物としては、後述グラフト化についての説
明でも言及するように、不飽和基を有する1価の化合
物、飽和の1価の化合物、または飽和の2価の化合物な
どがある。
【0024】ヒドロキシ化合物としては、えば、アリ
ルアルコール、メタノール、エタノール、ブタノール、
ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
およびこれらのアルコールにアルキレンオキドなどの
モノエポキドを反応させて得られる目的物よりも低分
子量のポリオキシアルキレン化合物がある。これらアル
コールは炭素数6以下、特に4以下のアルコールが好ま
しい。
【0025】また、フェノール、アルキル置換フェノー
ル、ビスフェノールA、レゾール、ノボラックなどのフ
ェノール性水酸基含有化合物、およびこれらにアルキレ
ンオキドなどのモノエポキドを反応させて得られる
目的物よりも低分子量のポリオキシアルキレン化合物が
ある。
【0026】イニシエーターに反応させるモノエポキ
ドとしては、炭素数3以上のアルキレンオキド、およ
びそれとエチレンオキドとの併用が好ましい。炭素数
3以上のアルキレンオキドとしては、プロピレンオキ
ド、1,2−ブチレンオキド、2,3−ブチレンオ
ド、エピクロルヒドリンなどの炭素数3〜4のアル
キレンオキドが好ましく、最も好ましくはプロピレン
オキドである。従って、使用するモノエポキドとし
ては、プロピレンオキドのみかそれとエチレンオキ
ドの併用が最も好ましい。2種以上のアルキレンオキ
ドの使用またはアルキレンオキドと他のモノエポキ
ドの使用の場合は、それらを混合して付加しまたは順次
付加し、ランダム重合鎖やブロック重合鎖を形成で
る。
【0027】特に好ましいポリオキシアルキレン化合物
は、片末端のみに不飽和基を有するポリオキシプロピレ
ン・ポリオキシエチレンブロックコポリマーであり、グ
ラフト点となる不飽和基部分から他端に向かってポリオ
キシプロピレンブロックとポリオキシエチレンブロック
がこの順で配列しているコポリマーが好ましい。両ブロ
ックに対するポリオキシプロピレンブロックの割合は1
0〜90重量%が好ましい。また後述のように、発泡合
成樹脂の種類により、より好ましい割合範囲がある。
【0028】ポリオキシアルキレン化合物の分子量は、
500〜5000であることが好ましく、また更に上記
と同様発泡合成樹脂の種類により、より好ましい分子量
範囲がある。複合金属シアン化物錯体触媒を使用して得
られるポリオキシアルキレン化合物の特徴は、分子量分
布が狭い点にある。分子量分布の広狭は(重量平均分子
量)/(数平均分子量)の値で表わされる。この値が1
に近いほど分子量分布が狭い。この値が高いことは、通
常目的とする分子量よりも低分子量のポリオキシアルキ
レン化合物が多く存在することを意味し、このようなポ
リオキシアルキレン化合物を用いて得られる整泡剤の性
能は不充分となりやすい。本発明におけるポリオキシア
ルキレン化合物の(重量平均分子量)/(数平均分子
量)の値(以下、この値を分子量分布度という)は1.
06以下、特に1.04以下、が好ましい。
【0029】前記不飽和基を片末端に有する代表的ポリ
オキシアルキレン化合物を製造する場合、アリルアルコ
ールなどの不飽和基を有する1価のイニシエーターを使
用して得られたポリオキシアルキレン化合物はそのまま
オルガノポリシロキサンとのグラフト化に使用できる。
また、その一方の末端に有する水酸基をアルコキシ基や
アリールオキシ基等に変換したポリオキシアルキレン化
合物をグラフト化に使用してもよい。
【0030】また、アルカノール等の不飽和基を有しな
い1価のイニシエーターを使用して得られたポリオキシ
アルキレン化合物は、次に末端水酸基をアリルオキシ基
の不飽和基を有する有機基に変換して目的とするポリ
オキシアルキレン化合物とすることができる。さらに、
ジオールであるポリオキシアルキレン化合物は、次に片
末端の水酸基をアリルオキシ基等の不飽和基を有する有
機基に変換して目的とするポリオキシアルキレン化合物
とすることができる。
【0031】水酸基を不飽和基を有する有機基に変換す
る方法としては、水酸基をアルカリ金属アルコラートに
変えた後アリルクロド等の不飽和基を有する有機ハラ
イドと反応させる方法や、アリルイソシアネート等の不
飽和基と水酸基反応性の官能基とを有する有機化合物と
反応させる方法などがある。
【0032】グラフト化を行う前のオルガノポリシロキ
サンとしては、珪素原子−水素原子結合部分を少数有す
るオルガノポリシロキサンが適当で、特にそのような
メチルポリシロキサンが好ましい。このオルガノポリシ
ロキサンの分子量は、500〜5000であることが必
要である。オルガノポリシロキサン中の珪素原子−水素
原子結合部分の数は、下記グラフト点の数以上、通常は
その数とほぼ同数である。
【0033】このオルガノポリシロキサンとポリオキシ
アルキレン化合物とのグラフト化は従来よりよく知られ
ている方法を採用することができる。通常は、白金系触
媒の存在下に両者を反応させて得られる。オルガノポリ
シロキサン1分子に対する反応させたポリオキシアルキ
レン化合物の平均の分子数(グラフト数)は、1〜6が
適当であり、特に1〜4が好ましい。
【0034】ポリオールとポリイソシアネート化合物を
触媒、発泡剤、および整泡剤の存在下に反応させて得ら
れる発泡合成樹脂としては、例えば、軟質ポリウレタン
フォーム、半硬質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレ
タンフォーム、ウレタン変性ポリイソシアヌレートフォ
ームなどがある。本発明における整泡剤は、この発泡合
成樹脂の種類により、その構成を変えることが好まし
い。
【0035】軟質ポリウレタンフォームや半硬質ポリウ
レタンフォーム等の高分子量の活性水素化合物を使用し
たフォームを製造する場合は、整泡剤のオルガノポリシ
ロキサン鎖の分子量は2000〜4000、1つのポリ
オキシアルキレン鎖の分子量は1500〜3000、グ
ラフト数は1〜4であることが好ましい。特に、平均水
酸基価が約20〜80であるポリオキシアルキレンポリ
オールを使用してフォームを製造する場合にこの整泡剤
の使用が好ましい。また、この整泡剤中のポリオキシア
ルキレン鎖はポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレ
ンブロックコポリマー鎖からなり、両ブロックの合計に
対するポリオキシプロピレンブロックの割合は、40〜
95重量%、特に60〜90重量%であることが好まし
い。
【0036】硬質ポリウレタンフォームやウレタン変性
ポリイソシアヌレートフォーム等の高水酸基価のポリオ
ールを使用したフォームを製造する場合は、整泡剤のオ
ルガノポリシロキサン鎖の分子量は500〜3000、
1つのポリオキシアルキレン鎖の分子量は500〜30
00、グラフト数は1〜3であることが好ましい。特
に、平均水酸基価が約300〜800であるポリオキシ
アルキレンポリオールを使用してフォームを製造する場
合にこの整泡剤の使用が好ましい。また、この整泡剤中
のポリオキシアルキレン鎖はポリオキシプロピレン・ポ
リオキシエチレンブロックコポリマー鎖からなり、両ブ
ロックの合計に対するポリオキシプロピレンブロックの
割合は、5〜50重量%、特に10〜40重量%である
ことが好ましい。
【0037】以下に本発明を実施例および比較例により
具体的に説明するが、本発明は、これら実施例にのみ限
定されるものではない。
【0038】
【実施例】[参考例] 整泡剤の製法1 アリルアルコールに少量のプロピレンオキドを反応さ
せて得られた分子量174のアリルアルコール−プロピ
レンオキド付加物をイニシエーターとし、そのイニシ
エーター100gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテート/
グライム錯体触媒0.1gを添加し、110℃において
プロピレンオキドを反応させ、次いで触媒をカリウム
系触媒に変換して更にエチレンオキドを反応させた。
得られた、アリルオキシ末端ポリオキシアルキレン化合
物は、平均分子量約2000、全オキシアルキレン基に
対するオキシプロピレン基の割合は約80重量%であっ
た。また、このアリルオキシ末端ポリオキシアルキレン
化合物の分子量分布は1.02であった。
【0039】次に、分子量約2500、珪素原子に結合
した水素原子の数平均2.2のジメチルポリシロキサン
に、塩化白金触媒存在下に上記アリルオキシ末端ポリオ
キシアルキレン化合物を反応させ、ジメチルポリシロキ
サン主鎖あたり平均2.2のポリオキシアルキレン側鎖
が結合したジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキ
レングラフトコポリマーを得た。以下このグラフトコポ
リマーを整泡剤Aという。
【0040】整泡剤の製法2 水酸化カリウム触媒を使用してメタノールにエチレンオ
ドを反応させて得られた分子量800のメタール
−エチレンオキド付加物をイニシエーターとし、その
イニシエーター100gに、亜鉛ヘキサシアノコバルテ
ート/グライム錯体触媒0.1gを添加し、110℃に
おいてプロピレンオキドを反応させた。得られた、メ
トキシ末端ポリオキシアルキレン化合物は、平均分子量
約2000、全オキシアルキレン基に対するオキシプロ
ピレン基の割合は約80重量%であった。
【0041】次に、メトキシ末端ポリオキシアルキレン
化合物の末端水酸基をナトリウムアルコキドに変換し
た後アリルクロドと反応させ、一方の末端がアリルオ
キシ基、他方の末端がメトキシ基のポリオキシアルキレ
ン化合物を製造した。また、このポリオキシアルキレン
化合物の分子量分布は1.02であった。
【0042】分子量約2500、珪素原子に結合した水
素原子の数平均2.2のジメチルポリシロキサンに、塩
化白金触媒存在下に上記アリル末端ポリオキシアルキレ
ン化合物を反応させ、ジメチルポリシロキサン主鎖あた
り平均2.2のポリオキシアルキレン側鎖が結合したジ
メチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレングラフト
コポリマーを得た。以下このグラフトコポリマーを整泡
剤Bという。
【0043】整泡剤の製法3 実施例1記載の方法を使用して表1記載の整泡剤Cと称
するジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレング
ラフトコポリマーを得た。
【0044】整泡剤の製法4 実施例2記載の方法を使用して表1記載の整泡剤Dと称
するジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレング
ラフトコポリマーを得た。
【0045】整泡剤の製法5 水酸化カリウムによってカリウムアルコキド化したア
リルアルコール100gにプロピレンオキドとエチレ
ンオキドをこの順に反応させ、平均分子量2000、
全オキシアルキレン基に対するオキシプロピレン基の割
合が80重量%のアリルオキシ末端ポリオキシアルキレ
ン化合物を製造した。また、このアリルオキシ末端ポリ
オキシアルキレン化合物の分子量分布は1.2であっ
た。
【0046】次に、製法1と同様にこのアリルオキシ末
端ポリオキシアルキレン化合物を使用してジメチルポリ
シロキサン−ポリオキシアルキレングラフトコポリマー
を得た。以下このグラフトコポリマーを整泡剤Eとい
う。
【0047】整泡剤の製法6 上記整泡剤の製法5と同様にカリウム触媒を使用してメ
タノールにエチレンオキドとプロピレンオキドをこ
の順で反応させ、平均分子量2000、全オキシアルキ
レン基に対するオキシプロピレン基の割合が30重量%
のアリルオキシ末端ポリオキシアルキレン化合物を製造
した。また、このアリルオキシ末端ポリオキシアルキレ
ン化合物の分子量分布は1.1であった。
【0048】次に、整泡剤の製法2の後半の末端アリル
エーテル化とジメチルポリシロキサンへのグラフト化と
同様にして、グラフトコポリマーを製造した。以下この
グラフトコポリマーを整泡剤Fという。
【0049】上記整泡剤の製法1〜6で得られた整泡剤
を表1に示す。なお、POとはオキシプロピレン基を示
し、その割合は重量%を示す。
【0050】
【表1】
【0051】他の整泡剤 比較のため下記市販の整泡剤を使用した。 整泡剤G:商品名”L−520”[日本ユニカー(株)製] 整泡剤H:商品名”L−5740S”[日本ユニカー(株)製] 整泡剤I:商品名”SRX−294A”[東レシリコーン(株)製] 整泡剤J:商品名”SH−193”[東レシリコーン(株)製] 整泡剤K:商品名”F−345”[信越シリコーン(株)製] 整泡剤L:商品名”F−338”[信越シリコーン(株)製]
【0052】[実施例1〜4、比較例1〜2] 軟質ポリウレタンフォームの製造 前記整泡剤と下記原料を使用して下記方法で軟質ポリウ
レタンフォームを製造した。使用した原料、型温度、フ
ォームの状態、およびフォームの物性を表2に示す。
【0053】原料 ポリオールA:グリセリン−プロピレンオキド付加物
からなる水酸基価56.0のポリエーテルトリオール。 ポリオールB:グリセリン−プロピレンオキド付加物
からなる水酸基価34.0のポリエーテルトリオールを
マトリックスとし、その中でアクリロニトリルを重合し
て得られたポリアクリロニトリル含有量20重量%のポ
リマーポリオール。
【0054】TDI−80:2,4−トリレンジイソシ
アネートと2,6−トリレンジイソシアネートの重量比
80:20の混合物。 触媒A:トリエチレンジアミンのジプロピレングリコー
ル溶液(商品名「Dabco 33LV」) 触媒B:n−メチルモルホリン 触媒C:オクチル酸錫(商品名「Dabco T−
【0055】フォームの製造 ポリオールAと同Bの重量割合70/30の混合物10
0重量部に対し、発泡剤として水5.5重量部、触媒A
1.35重量部、触媒B1.35重量部、および表記の
種類の整泡剤2.0重量部を添加して3000rpmで
30秒間撹拌した後25℃に加熱して調温した。このポ
リオール混合物に触媒C0.5重量部添加して25秒間
撹拌し、直ちに25℃に調温済のTDI−80をイソシ
アネートインデックスが100となる量添加して5秒間
撹拌し、350×350×100mmのあらかじめ40
℃に調温済のアルミニウム製成形型に充填し、この型を
150℃のオーブンに入れて12分間加熱し、その後フ
ォームを型から取り出した。
【0056】使用した整泡剤の種類、得られたフォーム
の状態、およびフォーム物性を表2に示す。なお、フォ
ーム状態における評価の記号は以下のとおりである。 ◎;良好(剥離、収縮、クラックがない) ○;良(クラックがわずかあり) △;不良(クラックが目立つ) ×;不可(クラックが多数)
【0057】本発明においては、原料充填時の金型温度
が高くても良好なフォームが得られ、本発明における整
泡剤はいわゆるホットキュアモールディングによる軟質
ポリウレタンフォームの製造において特に有用である。
【0058】
【表2】
【0059】[実施例5〜8、比較例3〜4] 硬質ポリウレタンフォームの製造 前記整泡剤と下記原料を使用して下記方法で硬質ポリウ
レタンフォームを製造した
【0060】原料 ポリオールD:シュークロース−グリセリンの混合物に
プロピレンオキドを付加して得られた水酸基価420
のポリエーテルポリオール。 ポリオールE:メタトリレンジアミンとトリエタノール
アミンとの混合物プロピレンオキドを付加して得ら
れた水酸基価420のポリエーテルポリオール。 C−MDI:市販のクルードジフェニルメタンジイソシ
アネート(日本ポリウレタン社製[MR−200」)。 触媒D:商品名“カオーライザーN0.10” 発泡剤A:トリクロロフルオロメタン
【0061】フォームの製造 ポリオールDとポリオールEの重量割合70/30の混
合物100重量部に対し、発泡剤として水1.5重量部
と発泡剤A30重量部、触媒D2.2重量部、および表
記の種類の整泡剤2.0重量部を混合20℃に調温し
た。このポリオール混合物と20℃に調温済のC−MD
Iをイソシアネートインデックスが110となる量添加
して2700rpmで5秒間撹拌し、直ちに400×4
00×40mmのあらかじめ40℃に調温済のアルミニ
ウム製パネルに注入し、室温で5分間硬化させた。原料
混合物の注入量は、フリー発泡量の10容量%過剰量と
した。
【0062】使用した整泡剤の種類、得られたフォーム
の物性を表3に示す。なお、密度は原料注入量とパネル
容積から計算した値であり、熱伝導率を示すKファクタ
ー[単位;Kcal/(m・hr・℃)]はANACO
N社製測定器による測定値である。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明における整泡剤の使用は、軟質フ
ォームの製造においては原料充填時の成形型の温度が高
くても剥離、収縮、クラック等のない形状の良好なフォ
ームが得られ、特にホットキュアモールディングにおけ
る高温充填を可能とする。また、硬質ポリウレタンフォ
ームの製造においては断熱性の高いフォームが得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 75:04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/81 C08G 77/46 C08J 9/02 - 9/14 C08L 75/04 - 75/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオールとポリイソシアネート化合物を
    触媒、発泡剤、および整泡剤の存在下に反応させて発泡
    合成樹脂を製造する方法において、整泡剤として、複合
    金属シアン化物錯体触媒を用いてアルキレンオキシドを
    開環重合して得られたポリオキシアルキレン化合物から
    誘導されたポリオキシアルキレン鎖を有し、分子量50
    0〜5000のオルガノポリシロキサン鎖からなる主鎖
    とこの主鎖に結合した分子量500〜3000の上記ポ
    リオキシアルキレン鎖からなる少なくとも1個の側鎖と
    を有するオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレ
    ン系グラフト共重合体からなる整泡剤を使用することを
    特徴とする発泡合成樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】ポリオキシアルキレン化合物が、炭素数3
    以上のアルキレンオキドとエチレンオキドのブロッ
    クコポリマーであり、炭素数3以上のアルキレンオキ
    ドを重合させるときに少なくとも複合金属シアン化物錯
    体触媒を使用して得られるポリオキシアルキレン化合物
    である、請求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】オルガノポリシロキサン鎖がジメチルポリ
    シロキサン鎖である、請求項1に記載の製造法。
  4. 【請求項4】主鎖に対する側鎖のグラフト数が1〜6で
    ある、請求項1に記載の製造法。
  5. 【請求項5】ポリオキシアルキレン鎖が、ポリオキシプ
    ロピレン鎖ブロックとポリオキシエチレン鎖ブロックと
    を有するブロックコポリマー鎖からなり、しかもグラフ
    ト点から末端に向かって両ブロックがこの順に配列して
    いるポリオキシアルキレン鎖である、請求項1に記載
    製造法。
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