JP3135122B2 - hPTHフラグメント(1―37)とその誘導体 - Google Patents

hPTHフラグメント(1―37)とその誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、hPTHフラグメント(1−37)とその製造
法、および、これを含有する医薬品とその使用に関する
ものである。
ヒト・パラトルモン(hPTH)、すなわち副甲状腺ホル
モンは、骨粗鬆症や上皮小体機能不全症などの治療に、
重要な役割を果すことができるものである。
骨粗鬆症(骨の量の減少)(Riggs and Melton,N.Eng
l.J.Med.314,1676−1686,1986)は、主として閉経後の
女性や高齢者に、よく起こる病気である。患者は病気の
程度によって、背骨部、前腕部あるいは大腿部を頻繁に
骨折したり、痛みのために動かすことができなくなった
り、また、適正な運動や社会生活ができなくなったり、
さらには、生命の危険に脅かされたりする。現在のとこ
ろ、この病気の治療は、ほとんど不可能と考えられてい
る(Consensus Development Conference:Prophylaxis a
nd Treatment of Osteoporosis.1987)。動物実験の結
果(Selye,Endocrinology 16,547−558,1932;Kalu et a
l.,Lancet 1363−1366,1970;Hefti et al.,Clin.Scienc
e 62,389−396,1982;Tam et al.,Endocrinology 110,50
6−512,1982;Podbeske et al.,Endocrinology 112,1000
−1006,1983;Gunness−Hey and Hock,Metab.Bone Dis.
& Rel.Res.,177−181,1964)や、原発性上皮小体機
能亢進症についてのより最近の組織学的な発現から、PT
Hを用いることによって骨の量を増加できることが示唆
されている。実際、リーヴェ(Reeve)たちは、毎日、
少量のPTHを投与することによって、副作用として僅か
に皮質性骨の量が減少したものの、骨粗鬆症患者の小柱
骨組織を改善することができた(Br.Med.J.1340−1344,
1980),このリーヴェ(Reeve)らの発見は、PTHを1,25
−ビタミンD3(Slovik et al.,J.Bone Miner.Res.,37
7−381,1986)、カルシトニン(Hesch et al.,Calcif.T
issue Int.44,176−180,1989)あるいはエストロゲン
(Reeve et al.,Proceedings of the 5th Internationa
l Congress on Bone Morphometry,Niigata,July 24−2
9,1988)などの骨組織活性物質とともに投与すれば、骨
の皮質を失うことなく海綿質の量を増加させることがで
きることを支持するものである。
上皮小体機能不全症(PTH欠乏症)(Kruse,Monatssch
r.Kinderheilkunde 136,652−666)は、先天的な原因や
手術の結果、あるいは頚部への放射線被曝などによって
起こり、血液中のカルシウム濃度が減少するものであ
る。また、この病気の患者は痙攣性の発作を起しやす
い。もし、PTHが幼児期あるいは小児期に既に欠乏して
いると、知能の発育不全、歯および骨の欠陥といった危
険に長い間さらされることになる。ほとんどの患者は、
カルシウムおよび/またはビタミンD製剤を用いた治療
によって血清中のカルシウム濃度を一定にすることが可
能であるが、この治療は腎臓障害を起す危険を伴うもの
である。この投薬に伴う危険は、PTHによるホルモン治
療に変えることで避けることができる。
さらに、最近、副甲状腺ホルモンは抗高血圧活性を示
すことが明らかにされてきた(Nickols,Blood Vessels,
24,120−124,1987)。
上皮小体機能不全症のホルモン治療だけでなく、骨粗
鬆症や緊張亢進症の治療でも、PTHは長期間、必要であ
れば一生、規則的に投与しなければならない。従って、
投与されるPTHは不純物がなく、また、抗体を形成しな
いものでなければならない。このような条件を最も効率
的に満たすものは、遺伝子工学もしくは化学的な経路を
経て合成された、ヒトPTHのアミノ酸配列を有するペプ
チドである。分泌されるPTH分子は、84個のアミノ酸か
ら成っている[hPTH−(1−84)]。しかしながら、こ
の規模のペプチドは化学的に合成することは困難であ
り、遺伝子工学によってより容易に作ることができる。
今までに、ヒトPTHのアミノ末端部分の配列を持つ、
異なる2種類のペプチド−すなわち、hPTH−(1−34)
とhPTH−(1−38)−が合成されてきた。hPTH−(1−
34)(Mallette et al.,J.Clin.Endocrin.Metab.67,964
−972,1988)でも、hPTH−(1−38)(Kruse and Krac
ht,Eur.J.Pediatr.146,373−377,1987)でも、注射によ
る単独投与を行なった臨床実験では、ウシから抽出され
たウシPTH(bPTH)による実験から経験的に予想されて
いたような短期的な結果、すなわち、尿中のリン酸塩と
環状アデノシン1リン酸(cAMP)の排泄が一時的に促進
されること、および血漿中のcAMP濃度が一時的に増加す
ることなどが観察された。
少人数の骨粗鬆症患者を対象とした治療学的試験で
は、hPTH−(1−34)(Reeve et al.,Proceedings of
the 5th International congress on Bone Morphometr
y,Niigata,July 24−29,1988)もhPTH−(1−38)(he
sch et al.,Calcif.Tissue Int.44,176−180,1989)
も、ある程度の成果をあげることができた。
しかしながら、これほど有用なPTHフラグメントで
も、患者によっては、たとえ内因性PTHであっても外部
より投与されたフラグメントによる効果を反対にしてし
まうような抗体を生成してしまうという欠点がある[例
えば、hPTH−(1−34)ではオードランらの報文(Audr
an et al.,J.Clin.Endocrin.Metab.64,937−943,198
7)、hPTH−(1−38)ではステーグマンらの報文(Sto
gmann et al.,Monatsschr.Kinderheilk 136,107,1988)
を参照]。
約20年ほど以前に、バーソンとヤーロー(Berson and
Yalow,J.Clin.Endocrinol.Metab,28,1037−1047,196
8)は、ヒトの血漿中には、分泌によって生じたり、あ
るいは元の分子の辺縁部が急激に分解されることで生じ
た種々のPTHフラグメントが存在することを明らかにし
た。また、この辺縁部PTH代謝の結果生じ、血液循環に
よって体内に供給される量の生成物は、生物活性を持た
ない巨大なカルボキシル末端のフラグメントであり、こ
のフラグメントは肝臓で形成されることが示された(D'
Amour and Huet,Am.J.Physiol.246,E249−255,1984)。
また、実験の結果から、完全な腎機能に依ったhPTH−
(1−84)は、圧倒的な生物活性を持つタイプのPTHで
あると考えられた。これに対して、不完全な腎機能で
は、個々の患者の血漿のクロマトグラフィーで、hPTH−
(1−34)の溶出ピークが明確に観測された(Grunbaum
et al.,Am.J.Physiol.247,E442−448,1984)。
現在までのところ、健康人の血漿中にあって体内を循
環している、生物活性をもつPTHフラグメントは検出で
きていない。
そのため、体内でのPTHの分解を容器内でシュミレー
ションしてみて、それによって、PTH分子全体での主な
開裂位置を明らかにしようとする、種々の試みがなされ
てきた。このような研究では、鎖のアミノ末端から5番
目のアミノ酸から43番目のアミノ酸までの間の、ほとん
ど全部の位置が考慮されてきた(例えば、Barling et a
l.,Int.J.Biochem.16,815−821,1984)。ズルとシャン
グ(Zull and Chuang,J.Bio.Chem.260,1608−1613,198
5)は、bPTHとカテプシンDとを用いた研究を行なっ
た。その結果、彼らは、ウシひ臓から分泌される酵素に
よってウシPTH(bPTH)が酵素分解されて、C末端のフ
ラグメント(35−84)と(38−84)、および、これらと
相補的なN末端フラグメント(1−34)と(1−37)が
形成されることを明らかにした。なお、彼らの論文に記
載されているbPTHは、我々が発見したhPTH(1−37)と
は、位置1(bPTHではアラニン[以下、Ala]、hPTHで
はセリン[以下、ser])、7(bPTHではフェニルアラ
ニン[以下、Phe]、hPTHではロイシン[以下、Le
u])、および16(bPTHではSer、hPTHではアスパラギン
[以下、Asn])が異なっている。上記の最後に述べた
ウシPTH(1−37)フラグメントは、ラットとウシから
採取した腎臓膜を用いた研究によって、容器中で生物活
性を示すことが明らかになったが、この(1−37)フラ
グメントは、極めて少量しか検出されず、また、急速に
加水分解されて(1−34)フラグメントになってしま
う。このことから、著者らは、ウシの体内で、PTHはカ
テプシンDによる酵素分解をうけて、最終的に(1−3
4)フラグメントを生成すると結論した。これに対し
て、他の研究者からは、生体の、どの血漿中からも、い
かなるN末端フラグメントも検出されないことに疑いが
出された(Goltzmann et al.,J.Clin.Invest.65,1309−
1317,1980)。今までのところ、分解によって生成し
た、生物活性のあるN末端PTHフラグメントを、正常な
ラットから検出することはできていない(Bringhurst e
t al.,Am.J.Physiol.255,E886−893,1982)。また、マ
クレガーら(MacGregor et al.,J.Biol.Chem.261,1929
−1934,1986)は、ウシの生体内の副甲状腺は、いかな
る生物活性N末端PTHフラグメントをも分泌していない
ことを発見した。要するに、上記のような報告から明ら
かなことは、本発明の時点においては、いかなる生物活
性N末端PTHフラグメントも、人間や動物の血漿中にあ
って体内を循環しているということはないということで
ある。
本発明の目的は、天然パラトルモン(PTH)の生物学
的および治療学的活性を有している摂取し易い医薬品の
hPTHフラグメントであって、少なくとも公知のPTHフラ
グメント−(1−34)および(1−38)の効果を有し、
しかも、これらに固有の欠点を持たない−特に、抗体の
形成を引き起こすことのない、新しいhPTHフラグメント
−(1−37)を提供することにある。
また、本発明は、前記hPTHフラグメント−(1−37)
の製造法、およびこれを様々な治療用、診断用医薬品と
して用いる使用を提供することにもある。
上記の目的は、新しいアミノ酸配列からなるhPTHフラ
グメントによって達成することができる。
すなわち、本発明は、以下のアミノ酸配列を有するhP
THフラグメント−(1−37)と、その天然および薬学的
に同等な誘導体、特に、アミド化、アセチル化、ホスホ
リル化およびグリコシル化されたhPTHフラグメント−
(1−37)誘導体に関する。
さらに、本発明は、原核もしくは真核生物の発現によ
り調製し、クロマトグラフィーによって精製することを
特徴とする上記hPTHフラグメント−(1−37)またはそ
の誘導体の製造法に関する。またさらに、本発明は、ヒ
トの血液からクロマトグラフィーを用いた公知の方法に
よって、上記フラグメントを単離するhPTHフラグメント
−(1−37)または、その誘導体の製造法に関する。ま
た、本発明は、保護された上記の配列を含むアミノ酸群
から、従来の方法によってhPTHフラグメントを固相もし
くは液相で形成し、保護基をはずし、クロマトグラフィ
ーを用いた、確立された精製法で精製する上記hPTHフラ
グメント−(1−37)またはその誘導体の製造法にも関
する。
驚くべきことには、完全な生物活性を有する最小のhP
THフラグメントはhPTH−(1−37)であり、これはhPTH
−(1−84)が人体中で開裂して最初に形成されること
が、本発明によって明らかになった(実施例1参照)。
さらにまた驚くべきことには、hPTH−(1−37)の空間
的な構造は、従来知られているフラグメントの構造と明
らかに異なっており(実施例5参照)、構造と効果およ
び抗体の性質との間に特定の関連があることが分った。
hPTHフラグメント−(1−37)は、化学的に合成(実
施例2参照)し、医薬品として製剤した。また、従来の
ベクターを用いた遺伝子工学的な方法によっても製造し
た。すなわち、hPTH−(1−37)ペプチドを、(1)原
核生物および(2)真核生物を用いて、遺伝子工学的な
経路を経て製造した。原核生物を用いる場合、大腸菌を
利用することが好ましい。この目的のために利用できる
ものとしては、分泌発現用の発現ベクター(例えば、pS
P6、pRit誘導体、ファーマシア社製)、直接細胞質発現
用ベクター(例えば、pKK誘導体、ファーマシア社
製)、あるいは融合タンパク質としての発現用ベクター
(例えば、pMC1871、ファーマシア社製)などを挙げる
ことができる(マーストンらの文献を参照[Marston et
al.,Biochem.J.240,1−12,1986])。真核生物を用い
る場合、種々の有機体やベクターを利用することができ
る。例えば、昆虫細胞(Summers and Smith.Tex.Agri.E
xp.Stn.(bull)1555,1987)、酵母(Hitzemann et a
l.,Nature 293,717−722,1981)、糸状菌類(Yelton et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81,1470−1474,1984)お
よび哺乳類の細胞(Zettlmeissl et al.,Biotechnology
,720−725,1987)などである。これらのなかで、昆
虫細胞が好ましい。得られたペプチドはクロマトグラフ
ィー、好ましくは、実施例1に示したクロマトグラフィ
ーによって精製する。
本発明の医薬品は、hPTH−(1−37)もしくは、これ
と生理学的に同等なhPTH−(1−37)の塩を含有する。
hPTH−(1−37)を含有する医薬品の形態および組成
は、投与の方法に依っている。ヒトhPTH−(1−37)の
投与は、非経口的に、あるいは鼻からや口から、また
は、吸入によって行なってもよい。好ましくは、使用直
前に溶液もしくは凍結乾燥されたhPTH−(1−37)から
注射液を調製する。さらに、この医薬品には、調剤のた
め、もしくは、溶解性、安定性または消毒のため、ある
いは体内への吸収効率を高めるためなどに必要な補助成
分が含まれていてもよい。毎日の投与量は症状に依って
いる。骨粗鬆症の治療では、毎日の投与量は、静脈/筋
肉注射の場合で1日当り100から1200単位(mg)であ
り、皮下注射の場合で1日当り300から2400単位(mg)
が好ましい。生物活性の決定は、国際基準試薬と私たち
の実験室でヒトhPTHフラグメントのために調製した基準
試薬とを用いて、hPTHフラグメントに共通なバイオ・ア
ッセイの測定を基礎にして行なった。
本発明のhPTHフラグメント−(1−37)は、上皮小体
機能不全症および骨粗鬆症の長期にわたる治療に、特に
適している。なぜならば、このhPTHフラグメント−(1
−37)は優れた生物活性を示す一方で、たとえ長期間使
用しても、いかなる免疫反応も引き起こさないからであ
る。
また、本発明の医薬品は、本態性緊張亢進症に対して
長期間もしくは一生涯用いる血圧安定剤として優れたも
のである。
さらに、本発明の医薬品は、腎臓病および肺疾患の集
中治療用の試薬として応用できる(実施例6参照)。
またさらに本発明の医薬品は、男性のインポテンツの
治療薬としても利用できる(実施例6参照)。
以下に、実施例および実施例で参照する図を用いて、
本発明をさらに詳細に説明する。
第1図:セファデックス(Sephadex)G25−分子量に
よって粗分離するとともに、粗製ペプチド抽出物の脱塩
を行なう、アルギ酸溶出液の調製用大規模クロマトグラ
フィー。RIA(放射能免疫分析)によって、斜線部分か
らhPTHフラグメントが検出される。
カラム :ファーマシア(Pharmacia)K 100/100;ID
10cm×10cm 材質 :セファデックス(Sephadex)G25 媒体 溶離液 :1M 酢酸 展開速度:5ml/分 光吸収 :280nm 第2図:第1図のペプチド物質を、さらに分離するた
めの調製用HPLC陽イオン交換クロマトグラフィー。各々
16mlずつ採取されたNo.2−5のフラクションは、それぞ
れ640pmol以上のhPTHフラグメント−(44−68)−IR物
質を含有している(斜線部)。
カラム :HPLC鋼製カラム 2cm×10cm 材質 :パーコシル・ペプケート(Parcosil Pepkat) 溶離液 :A:5mM K2HPO4 pH3.0 B:1M HCl中でAと同様 展開速度:8ml/分 光吸収 :280nm 溶離傾斜:0−60%B、60分間 第3図:第2図のフラクションNo.2−5を、さらに分
離するための半調製用RPクロマトグラフィー。フラクシ
ョンNo.17および20には、3ml中に、hPTHフラグメント−
(44−68)が180pmol以上存在していることがRIAによっ
て検出できる。
カラム :HPLC鋼製カラム 1cm×10cm 材質 :オーペゲン(Orpegen)RP HD−ゲル7/300 溶離液 :A:0.01M HCl B:80%アセトニトリル中でAと同様 展開速度:3ml/分 光吸収 :280nm 溶離傾斜:0−60%B、60分間 温度 :45℃ 第4図:第3図のフラクションNo.20を、さらに分離
するための半調製用陽イオン交換クロマトグラフィー。
フラクションNo.32および33には、10ml中に、hPTHフラ
グメント−(44−68)が、それぞれ750pmolおよび600pm
ol存在していることがRIAによって検出できる。
カラム :HPC鋼製カラム 1cm×5cm 材質 :パーコシル・ペプケート(Parcosil Pepkat) 溶離液 :A:5mM K2HPO4 pH3.0 B:1M NaCl中でAと同様 展開速度:3ml/分 光吸収 :230nm 溶離傾斜:0−50%B、50分間 第5図:中間段階1:第4図のフラクションNo.32およ
び33の分析用RPクロマトグラフィー。2種類の形態のhP
THフラグメント−(44−68)−IRが検出された。すなわ
ち、フラクションNo.3には、3ml中に150pmol以上、フラ
クションNo.15および16には、3ml中に、各々300pmol以
上存在している。
カラム :HPLC鋼製カラム 1cm×10cm 材質 :オーペゲン(Orpegen)RP HD−ゲル7/300 溶離液 :A:0.1% TFA B:80%アセトニトリル中でAと同様 展開速度:3ml/分 光吸収 :280nm 溶離傾斜:0−40%B、60分間 温度 :45℃ 第6図:中間段階2:第5図のフラクションNo.15およ
び16の分析用陽イオン交換クロマトグラフィー。2mlの
フラクションNo.9にhPTHフラグメント−(44−68)−IR
物質が、特に、濃縮されていた(200pmol以上)。
カラム :HPLC鋼製カラム 0.5cm×5cm 材質 :パーコシル・ペプケート(Parcosil Pepkat) 溶離液 :A:5mM K2HPO4 pH3.0 B:1M NaCl中でAと同様 展開速度:0.7ml/分 光吸収 :230nm 溶離傾斜:0−50%B、50分間 第7図:第6図のフラクション8および9の疎水性ク
ロマトグラフィー。0.87mlのフラクションNo.5−10の各
々には、170pmol以上のhPTHフラグメント−(44−68)
−IR物質が含まれていた。
カラム :HPLC鋼製カラム 0.5cm×5cm 材質 :パーコシル・プロ(Parcosil Pro)HIC 溶離液 :A:100mM Na2HPO4 pH6.5 B:3M (NH42SO4中でAと同様 展開速度:0.7ml/分 光吸収 :230nm 溶離傾斜:100−0%B、45分間 第8図:第7図のフラクションNo.5から10の分析用RP
クロマトグラフィー。hPTHフラグメント−(44−68)−
IRのピークが観測された。
カラム :HPLC鋼製カラム 0.5cm×5cm 材質 :オーペゲン(Orpegen)RP HD−ゲル7/300 溶離液 :A:0.1% TFA B:80%アセトニトリル中でAと同様 展開速度:0.7ml/分 光吸収 :230nm 溶離傾斜:0−40%B、60分間 温度 :45℃ 第9図:hPTHフラグメントの最終精製に用いた分析用R
Pクロマトグラフィー。第8図のフラクション25を再度
クロマトグラフにかけて、ピーク位置に極めて純粋なhP
THフラグメントを集めた。配列を調べたところ、これが
hPTH−(38−84)であることが分った。
カラム :HPLC鋼製カラム 0.5cm×5cm 材質 :オーペゲン(Orpegen)RP HD−ゲル7/300 溶離液 :A:0.1% TFA B:80%アセトニトリル中でAと同様 展開速度:0.7ml/分 光吸収 :230nm 溶離傾斜:0−40%B、60分間 温度 :45℃ 第10図:N末端hPTHフラグメントを合成するための反転
相HPLCクロマトグラフィー。すなわち、hPTH−(1−3
3)、hPTH−(1−34)、hPTH−(1−37)、hPTH−
(1−38)を合成した。もしこれらのフラグメントが、
血液によって人体内を循環している天然のN末端hPTHフ
ラグメントの参照として用いられるならば、hPTH−(1
−37)がヒトの血液中にある正確な分子形態であること
を示すことができる。
カラム :パーコシル・プロ(Parcosil Pro)300−7
C4、125×4mm 温度 :55℃ 溶離液 :A:0.1% トリフロロ酢酸 B:80%アセトニトリル中+Aと同様 溶離傾斜:最初: 25% B :55分: 50% B 60分:100% B 光吸収 :230nm 展開速度:0.7ml/分 第11図:hPTHフラグメントによる刺激を受けてから
の、PC−12細胞内のcAMP濃度の時間変化である。1.5×1
05の細胞を、10-4MのIBMXの存在下で10-7MのhPTH−(1
−33)、hPTH−(1−37)あるいはhPTH−(1−38)と
ともに、0、2.5、10および20分間培養した。比較のた
めに、IBMXだけで20分間培養した細胞も測定した。値
は、3回の実験の平均値±標準偏差である。
第12図:hPTHフラグメントによる刺激を受けてから5
分後の、PC−12細胞内のcAMP濃度と、hPTH−(1−3
3)、hPTH−(1−37)およびhPTH−(1−38)濃度と
の関係を示した。2.2×105の細胞を、10-4MのIBMXの存
在下で、hPTH−(1−33)、hPTH−(1−37)およびhP
TH−(1−38)の、それぞれ10-11(二つ実験した)
M、10-10M、10-9M、10-8Mおよび10-7M溶液とともに5
分間培養し、細胞内のcAMP濃度を測定する実験を3回行
なった。PTHを含まないIBMX参照試料の値は、18.0、26.
1、20.9であった。示した数値は、平均値±標準偏差で
ある。
第13図:hPTHフラグメントhPTH−(1−33)、hPTH−
(1−37)およびhPTH−(1−38)の紫外光円二色性ス
ペクトルである。他のhPTHフラグメントに比べると、hP
TH−(1−37)は、目立った特徴を有している。
第14図:化学的に合成したhPTH−(1−37)の第1段
階の精製。ここでは、粗製物に対して陽イオン交換クロ
マトグラフィーを用いた。参照試料によると、担持時間
29分の高いピークは、合成したhPTH−(1−37)である
(矢印の位置)。
カラム :パーコシル・プロ(Parcosil Pro)300−7
125×4mm 温度 :25℃ 溶離液 :A:5mM Na2HPO4 B:5mM Na2HPO4、1M NaCl、pH=3.0 溶離傾斜:最初: 5% B 57分:100% B 光吸収 :230nm 展開速度:1ml/分 第15図:合成のときに準じたスケールでの、まだ精製
していない第14図の物質の反転相HPLCクロマトグラフィ
ー。溶出液の22.5分のピークは、hPTH−(1−37)参照
試料のものと一致した。
カラム :パーコシル・プロ(Parcosil Pro)RP300−7
C4、100×20mm 温度 :25℃ 光吸収 :230nm 溶離液 :A:0.1% トリフロロ酢酸 B:80%アセトニトリル中+Aと同様 溶離傾斜:0−100% B、60分間 展開速度:7ml/分 第16図:第15図の物質の最終精製に用いる反転相HPLC
クロマトグラフィー。ピークは、hPTH−(1−37)の参
照試料のものと一致した。
カラム :パーコシル・プロ(Parcosil Pro)RP300−18
C4、125×4mm 温度 :25℃ 光吸収 :230nm 溶離液 :A:0.1% トリフロロ酢酸 B:80%アセトニトリル中+Aと同様 溶離傾斜:0−100% B、60分間 展開速度:0.7ml/分 第17図:第16図で得られた合成hPTH−(1−37)の質
量スペクトル。分子量4398.1のところのピークは、計算
によって求めた分子量4401.0と、0.1%の誤差の範囲内
で一致している。側鎖の配列は観測されていない。分子
量2201.5のピークも、二重イオン化されたものに誤差の
範囲内で一致している。この質量の測定は、相補配列に
よって確認した。
実施例1 体内を循環している生物活性PTHフラグメントの配列の
間接的決定 用いた出発物質は、腎臓機能不全症の患者から採取し
た大量の血液ロ液で、約20000ダルトンまでの分子サイ
ズの、すべての血漿構成成分を含有している。
I.粗製ペプチド物質の回収 血液ロ液は、排除サイズ20000ダルトンのトリアセテ
ート・フィルターを用いたサートリウス(sartorius)
社製血液ロ過装置(SM 40042型、サートリウス社、ゲ
ッチンゲン、ドイツ[Type SM 40042,Sartorius,Gottin
gen,Germany])によって回収した。ロ液は、長期間に
わたるロ過によって安定な代謝を維持している腎臓機能
不全症の患者から採取した。1000リットルの血液ロ液を
採取して、すぐに、フロー加熱、酸性化および阻害酵素
の添加を行ない、タンパク分解が起こらないようにし
た。その後、ホースマン(Forssmann)がDE3633797A1で
開示している方法によって、粗製ペプチド・フラクショ
ン(約100g)をアルギン酸で抽出し、単離した。
II.パラトルモン(PTH)の中間領域およびC末端で特異
的な放射能免疫分析に対して免疫反応性を示すフラクシ
ョン(コード51.5)の単離 1.セファデックス(Sephadex)G25による粗製ペプチド
物質の脱塩 アルギン酸抽出によって得られた粗製ペプチド・フラ
クションを、セファデックスG25(ファーマシア社製、
ウブサラ、スエーデン[Pharmacia,Uppsala,Sweden])
を充填したカラムにかけて、1M酢酸を展開液にして8℃
でゲル・クロマトグラフィーによる分離を行なった(第
1図)。プールIからIVの免疫反応性を、中間領域で特
異的なヒトPTH(hPTH−(44−68)−RIA、イムノンディ
アグノスティク社製、ダルムシュタット、ドイツ[Immu
ndiagnostik,Darmstadt,Germany])を用いた放射能免
疫分析によって測定した。前記製造者のデータによれ
ば、検出限界は、使用した基準(hPTH−(44−68))の
6fmol/試験(1試験当り6フェムト・モル)である。イ
ントラ・アッセイおよびインター・アッセイの変動係数
は、それぞれ10から13%および12から21%である。ペプ
チドhPTH−(53−84)およびhPTH−(1−84)がhPTH−
(44−68)−RIAと100%交叉反応するのに対して、合成
hPTHペプチドhPTH−(1−34)、hPTH−(28−48)およ
びhPTH−(64−84)は、いかなる交叉反応も起こさな
い。
他のフラクションが免疫反応性を全く示さなかったの
に対して、プールIでは、完全な免疫反応性がhPTH−
(44−68)−RIAで測定された。
また、プールIでは、極めて高いC末端免疫反応性が
hPTH−(53−84)−RIA(イムノンディアグノスティク
社製、ダルムシュタット、ドイツ[immundiagnostik,Da
rmstadt,Germany])で測定された。製造者のデータに
よれば、hPTH−(53−84)−RIAによる検出限界は、使
用した基準(hPTH−(53−84))の4fmol/試験である。
イントラ・アッセイおよびインター・アッセイの変動係
数は、それぞれ8.3から9.8%および11から14%である。
ペプチドhPTH−(64−84)およびhPTH−(1−84)がhP
TH−(53−84)−RIAと100%交叉反応するのに対して、
合成hPTHペプチドhPTH−(1−34)、hPTH−(28−48)
およびhPTH−(44−68)は、いかなる交叉反応も起こさ
ない。
ここでは、2種類のPTH−RIAによる測定を行なったた
めに、高濃度のC末端PTHフラグメントが生じたので、
プールI(斜線部)をさらに精製した。
2.プールIの調製用陽イオン交換クロマトグラフィー 陽イオン交換カラム・クロマトグラフを用いて、室温
で、さらに分離・調製を行なった(第2図)。12本のク
ロマトグラフを用いて、総計約6gのプールI成分を分離
し、hPTH−(44−68)−RIAによって免疫反応性を測定
した(第2図)。表には示されていないフラクションN
o.2−5(斜線部)は、hPTH−(44−68)−RIAで、極め
て高い免疫反応性を示した。これらのフラクションを一
緒に集めてプールにして、さらに分離を続けた。なお、
これらのフラクションは、hPTH−(53−84)−RIAで
も、極めて高い免疫反応性を示した。
3.調製用陽イオン交換クロマトグラフィーによって得ら
れた免疫反応性プールの半調製用反転相クロマトグラフ
ィー(第2工程) 得られた免疫反応性プール(約200g)を、半調製用反
転相(RP)クロマトグラフを用いて、45℃で、さらに精
製した(第3図)。hPTH−(53−84)−RIAで免疫反応
性を示すピーク(第3図)と、hPTH−(44−68)−RIA
で免疫反応性を示すピーク(第3図)とが、互いに充分
には分離しないで表われた。
RIAに対して極めて高い反応性を示す、後ろのプール
についての操作を以下により詳しく記載する(第4図か
ら第6図)。この第4工程から第6工程までを行なって
得られたフラクションNo.51.5の配列を分析した。
なお、ここで特に言及しなかったフラクションから
は、いかなる免疫反応性も測定されなかった。
4. a)半調製用RPクロマトグラフィーによって得られた免
疫反応性プールの半調製用陽イオン交換クロマトグラフ
ィー(第3工程) 上記のRPクロマトグラフィーによって得られた免疫反
応性プールを、半調製用陽イオン交換カラム・クロマト
グラフィーを用いて、室温で、さらに精製した(第4
図)。フラクションNo.32−33は、中間領域およびC末
端PTH(図示せず)に免疫反応性を示した。これらのフ
ラクションを集めてプールにして(斜線部)、さらに操
作を進めた。なお、ここで特に言及しなかったフラクシ
ョンからは、いかなる免疫反応性も測定されなかった。
b)4a)で得られた免疫反応性プールの分析用RPクロマ
トグラフィー 上記の半調製用陽イオン交換クロマトグラフィーによ
って得られた免疫反応性プールを、分析用RPクロマトグ
ラフィーを用いて、45℃で、さらに精製した(第5
図)。極めて高い免疫反応性を示す免疫反応性プール
(斜線部)を、さらに精製した。なお、ここで特に言及
しなかったフラクションからは、いかなる免疫反応性も
測定されなかった。
c)4b)で得られた免疫反応性プールの分析用陽イオン
交換クロマトグラフィー 上記で得られた免疫反応性プールを、分析用陽イオン
交換クロマトグラフィーを用いて、室温で、さらに精製
した(第6図)。第6図に示したように、hPTH−(44−
68)−RIAで免疫反応性が観測された(斜線部)。hPTH
−(53−84)−RIAでの測定結果も同様に示した。ここ
で特に言及しなかったフラクションからは、いかなる免
疫反応性も測定されなかった。また、極めて高い免疫反
応性を示したフラクションを集めてプールにし(斜線
部)、さらに操作を進めた。
5.4c)で得られた免疫反応性プールの疎水性クロマトグ
ラフィー 4c)で得られた免疫反応性プールを、疎水性クロマト
グラフィーを用いて、室温で、さらに精製し(第7
図)、hPTH−(44−68)−RIAで免疫反応性を測定した
(第7図)。ここで特に言及しなかったフラクションか
らは、いかなる免疫反応性も測定されなかった。また、
極めて高い免疫反応性を示したフラクションを集めてプ
ールにし(斜線部)、最後の精製を行なった。
6. a)第一分析用RPクロマトグラフィー 5)で得られた免疫反応性プールを、RPカラム・クロ
マトグラフィーを用いて、25℃で分離し、hPTH−(44−
68)−RIAで免疫反応性を測定した(第8図)。斜線部
のフラクションについては、再度、クロマトグラフィー
で分離した。
b)第二分析用RPクロマトグラフィー 6a)で得られた免疫反応性プールを、再びRPカラム・
クロマトグラフに通した(第9図)。温度を45℃にした
以外は、6a)と同様にして行なった。高いピーク部分を
コードNo.51.5とし、配列を調べた。
III.パラトルモン(PTH)の中間領域およびC末端で特
異的な放射能免疫分析に対して免疫反応性を示す第二フ
ラクション(コード54.5)の単離 フラクション51.5の単離を行なう過程で、半調製用RP
クロマトグラフィーによって、二つの免疫反応性を示す
プールが得られた(第3工程)。この第3工程のプール
の前の方を、IIの4から6で述べた後ろのプールの場合
と同様にして精製した。4b)では、再び、免疫反応性を
示すピークが二つ現われた。この場合、前のピークが支
配的であったので、これをさらに精製した。4c)から6
c)を行なったのち、得られたフラクションをコードNo.
54.5として、配列を調べた。
IV.血液ロ液より単離し、パラトルモン(PTH)の中間領
域およびC末端で特異的な放射能免疫分析に対して免疫
反応性を示すPTHペプチドの配列 血液より採取し、上記IIおよびIIIによって得られた
フラクション51.5と54.5のアミノ酸配列を、気相アミノ
酸配列分析装置470A型(アプライド・バイオシステム社
製[Applied Biosystem])によって決定した。標準プ
ログラムPTHRUNを用いてエドマン分解(Edman and Beg
g,Eur.J.Biochem.,80−91,1967)を行なった。遊離し
たアミノ酸の分析は、標準プロトコールABIを使用したA
BI120Aクロマトグラフを用いて、オンラインで行なっ
た。
この結果、フラクション51.5の39のアミノ酸配列を決
定することができた。また、条件によっては、さらに5
つのアミノ酸配列を決定できた。決定された配列は、ヒ
トPTHの(38−76)部分に対応している(Kuetmann et a
l.,Biochem.17,5723−5729,1978)。
フラクション54.5では、16のアミノ酸配列を決定する
ことができた。この配列は、ヒトPTHの(38−53)部分
に対応している。
すなわち、二つのフラクションをヒトの血液ロ液より
単離することができ、その両者ともに、C末端だけでな
く中間領域のPTH−RIAでも検出された。このどちらのペ
プチドもアミノ末端からGln−Ala−Pro−Leu−Ala−Pro
−Arg−etc.と始まっている。すなわち、どちらのペプ
チドもhPTH分子の38番目のアミノ酸から始まっている。
一方、得られたペプチドのどちらでも、C−末端のアミ
ノ酸を明確に決定することはできなかった。フラクショ
ン51.5の場合、配列は、だいたい位置84まで続いてい
る。もう一方のペプチドは、少量しか得られなかったの
で、位置16までしか配列を決定できなかった。このペプ
チドは、C末端RIAで検出できたので、少なくとも30の
アミノ酸配列を有している。また、異なるN末端配列か
ら始まっているC末端PTHペプチドを単離することはで
きなかった。これらの結果から、hPTH−(1−84)は37
番目と38番目のアミノ酸の間で開裂し、生物活性なフラ
グメントhPTH−(1−37)を形成すると考えられる。
実施例2 ヒト・パラトルモン・ペプチドhPTH−(1−37)の合成 1.ケイソウ土で補強したFmoc−Leu−樹脂の合成 無水Fmoc−アミノ酸(5当量)を最小限のN,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)に溶かし、丸底フラスコ中の
ヒドロキシメチルフェノキシアセチルノルロイシン樹脂
に加えた。さらに、4−ジメチルアミノピリジン(1当
量)も最小限のDMFに溶かして、この丸底フラスコ中に
加えた。1時間後、過剰の反応液をロ過によって除き、
樹脂をよく洗浄した。
2.ヒト・パラトルモン・ペプチドhPTH−(1−37)の合
成 以下のアミノ酸配列を有するペプチドを合成するため
に、フロー法(Atherton and Sheppard,Solid phase pe
ptide synthesis.IRL Press,Oxford 1989)を用いた。
上記したペプチド配列を、Fmoc−ペンタフロロフェニ
ル・エステル(OPfp)を用いた自動ペプチド合成装置
(ミリガン[Milligen]9050)によって合成した。以下
に示したOPfp−アミノ酸(4当量)を用いた。(いずれ
の場合も、L−アミノ酸誘導体を用いた。) Fmoc−Ala−OPfp Fmoc−Ala Fmoc−Asp(OBut)−OPfp Fmoc−Asp(OBut) Fmoc−Met−OPfp Fmoc−Met Fmoc−Glu(OBut)−OPfp Fmoc−Glu(OBut) Fmoc−His(Trt)−OPfp Fmoc− His(Trt) Fmoc−Leu−OPfp Fmoc−Leu Fmoc−Arg(Mtr)−OPfp Fmoc−Arg(Mtr) Fmoc−Tri−OPfp Fmoc−Tri Fmoc−Lys(BOC)−OPfp Fmoc−Lys(BOC) Fmoc−Ile−OPfp Fmoc−Ile Fmoc−Phe−OPfp Fmoc−Phe Fmoc−Gly−OPfp Fmoc−Gly Fmoc−Asn−OPfp Fmoc−Asn(Trt) Fmoc−Gln−OPfp Fmoc−Gln(Trt) Fmoc−Val−OPfp Fmoc−Val Fmoc−Ser(But)−ODhbt Fmoc−Ser(But) この合成は、TBTP[テトラフロロホウ酸o−(1H−ベ
ンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラ
メチルウロニウム]を加え、この添加で生じたヒドロキ
シベンゾニトリル・エステルによって行なうこともでき
る。
酢酸−アニソール−エタンジチオール−フェノールの
94:2:2:2(v/v/v/w)混合溶媒によって、担体樹脂から
ペプチドを溶出させ、エーテルで沈殿させた。HPLCによ
って精製したのち、アミノ酸分析、分析用HPLCおよびア
ミノ酸配列分析によって確認した。
3.ヒト・パラトルモン・ペプチドhPTH−(1−37)の実
用的合成 をミリゲン/バイオサーチ[MilliGen/Biosearch]社製
自動合成装置9050(9050 PepSynthesizer)(プログラ
ム・バージョン1.3)を用いた連続フロー法によって合
成した。L体のFmoc−アミノ酸ペンタフロロフェニル・
エステルを、それぞれ0.8mmolづつ用いた。合成に必要
な試薬は、すべてミリゲン/バイオサーチ[MilliGen/B
iosearch]社より入手した。この合成に必要な試薬は、
すなわち、N,N−ジメチルホルムアミド、ピペリジンの2
0%N,N−ジメチルホルムアミド溶液、および1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾールである。L−アミノ酸誘導体は
4倍過剰に用い、また、末端のアミノ基はFmocで保護し
た。アスパラギン酸とグルタミン酸は、NW−tert−ブチ
ル・エステルの形で;チロシンとセリンは、tert−ブチ
ル・エステルの形で;ヒスチジンとリジンは、NW−tert
−ブトキシカルボニル化合物の形で;また、アルギニン
は、NG−2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スル
ホニル(Pmc)誘導体の形で、それぞれ用いた。合成
は、ケイソウ土樹脂Fmoc−Leu−Pepsyn K A(ミリゲン
/バイオサーチ[MilliGen/Biosearch]社製)を出発物
質として行なった。この樹脂では、担体とC末端のアミ
ノ酸(1g当り0.091ミリ当量のロイシン、1.60g)とが結
合する。Fmoc−Arg(Pmc)−OHは、[テトラフロロホウ
酸o−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,
N′,N′−テトラメチルウロニウム](TBTU)、1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾールおよびジイソプロピルエチ
ルアミンの存在化でアシル化した。以下のような操作を
繰り返した。すなわち、ピペリヂンの20%DMF溶液でFmo
cを除き(7分間)、DMFで洗い(12分間)、アシル化
(30分間;Fmoc−Val−OPfpでは45分間)し、DMFで洗っ
た(8分間)。合成反応の進行具合は、紫外光によって
連続的に監視した。合成は、N末端のFmoc基を除去して
完了した。樹脂に結合したペプチドを、それぞれ50mlの
イソプロパノール、氷酢酸、イソプロパノールとジエチ
ルエーテルで、3回洗浄し、乾燥した。
担体樹脂からの溶出は、トリフロロ酢酸/フェノール
/エタンジチオール/チオアニソール1:0.75:0.25:0.5:
0.5(v/w/v/v/v;5ml)混合溶媒で行った。溶液を容器内
で濃縮し、ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。得ら
れた粗製ペプチドをジエチルエーテルで数回洗い、乾燥
させた。以上のようにして、240mgのペプチド樹脂から6
5mgの粗製ペプチドを得た。
別に合成し、正確なアミノ酸配列を質量スペクトルや
配列分析によって明らかにしてあるhPTH−(1−37)を
用いて、精製を行なった。第1段階として、保護基をは
ずした粗製ペプチドを陽イオン交換HPLCで精製した(パ
ーコシル・ペプケート[Parcosil Pepkat]、2cm×10c
m、330Å、7μ、展開速度:9ml/分、230nm、溶離液:A=
5mM Na2HPO4;B=5mM Na2HPO4+1M NaCl、溶離傾斜:5
%から100%60分)。28.17分のピーク(第14図)は、基
準物質のものと一致した。第2段階の精製として、脱塩
のときと同様のRP−HPLCを行なった(パーコシル・プロ
(Parcosil Pro]、2cm×10cm、300Å、7μ、展開速
度:7ml/分、230nm、溶離液:A=0.1%トリフロロ酢酸水
溶液、B=トリフロロ酢酸の0.1%アセトニトリル/水
4:1溶液、溶離傾斜:0%から100%Bで60分)。収量は6.
6mg(1.5mmol;14%)だった。30.80分にピークが表われ
た(第15図)。C18物質を用いた分析用RP−HPLCでは、
鋭い単一のピークが表われた(第16図)。
合成物が、hPTH−(1−37)の一次構造を有している
ことは、質量スペクトル(プラズマ脱着法、バイオ−イ
オン、アプライド・バイオシステム[Bio−Ion,Applied
Biosystem])および気相アミノ酸配列分析装置470A型
(アプライド・バイオシステム社製[Applied Biosyste
m])による相補配列分析で確認した。合成したhPTH−
(1−37)の生物活性は、腎臓動脈と肺動脈とでの筋収
縮の差を測定する機能テストで確認した。このテストの
結果、合成物は確かに生物活性を有していることが分っ
た。
実施例3 体内を循環している生物活性ヒトPTHがhPTH−(1−3
7)であることの証明 実施例1に記載したように、血液ロ液をクロマトグラ
フィーによって処理し、実施例2で合成したhPTH−(1
−37)を参照物質として利用した(第10図)。こうし
て、hPTHの放射能免疫分析に対してアミノ領域で特異的
な免疫反応性を示す、血液ロ液から得たフラクションを
決定することができた。このフラクションを実施例1と
同様にして精製し、hPTH−(1−37)であることを確認
した。パーコシルRPカラム・クロマトグラフを用いるこ
とで、hPTH−(1−37)を、他のhPTHフラグメント(第
10図)、すなわちhPTH−(1−33)、hPTH−(1−34)
およびhPTH−(1−38)から明確に分離することができ
ることで証明できた。
実施例4 hPTH−(1−37)の生物活性を証明するためのフラクシ
ョン分析 ラットにヒト・パラトルモンのペプチドhPTH−(1−
33)、hPTH−(1−37)およびhPTH−(1−38)を投与
して、その後のファエオクロモシトマ(phaeochromocyt
oma)細胞(PC−12)内での環状3′,5′−アデノシン
1リン酸(cAMP)レベルの変化を調べた。
予備実験では、PTHを加えるとラットのファエオクロ
モシトマ細胞内のcAMPレベルは増加した。このことに基
づいて、合成したhPTH−(1−37)の活性と他のN末端
PTHフラグメント[hPTH−(1−33)とhPTH−(1−3
8)]の活性とを、この細胞系で比較した。
実験には、PC−12細胞を用いた。細胞は、10mlのL−
グルタミン酸200M(ギブコ[Gibco]社製)、10%のウ
マ血清、5%FCSおよび1%のペニシリン/ストレプト
マイシンによってRPMI培地(ギブコ[Gibco]社製)で
培養した。ホスホジエステラーゼ阻害剤として、シグマ
[Sigma]社製4−イソブチル−1−メチルキサンチン
(IBMX)を用いた。培養容器は、ポリ−L−ロイシンで
表面処理をした24個のへこみ(直径16mm)が設けられて
いるものを用いた。表面処理は、殺菌ロ過したポリ−L
−ロイシン溶液(100mg/l)を37℃で1時間かけて塗布
することで行なった。
以下のhPTHペプチドについて実験をした。
hPTH−(1−33)(分子量:3972.2;ペプチド含量:76.9
%) hPTH−(1−37)(分子量:4401.0;ペプチド含量:74.5
%) hPTH−(1−38)(分子量:4458.0;ペプチド含量:81.8
%) 濃い細胞シートを形成した細胞(約4−8日後)を実
験に使用した。実験培養は室温で1mlの細胞培地で行な
った。実験の直前にPTHペプチドを細胞培地で希釈して
から、1.5×105の細胞を、10-4MのIBMXの存在下で10-7M
のhPTH−(1−33)、hPTH−(1−37)およびhPTH−
(1−38)とともに、0、2.5、5、10および20分間培
養した。比較のため、IBMXだけで20分間培養する実験も
行なった。数値は、3回行なった結果から得た平均値±
標準偏差である(第11図参照)。
もう一つ別の実験として、2.2×105のPC−12細胞を10
-4MのIBMXの存在下で、それぞれ、10-11(2回行なっ
た)、10-10、10-9、10-8および10-7MのhPTH−(1−3
3)、hPTH−(1−37)およびhPTH−(1−38)ととも
に5分間培養した試料を、各々3試料づつ調製し、細胞
内のcAMP濃度を測定した。PTHを含まないIBMXだけの参
照試料の値は、18,0、26.1、20.9であった。示した数値
は、平均値±標準偏差である(第12図参照)。
PTHとIBMXとは、同時に添加した。培地を吸引除去し
たのち、1mlの99%エタノールを加えて反応を終らせ
た。細胞を削り取り、エタノールでプラスチック製チュ
ーブ(グライナー[Greiner]社製)に移した。培養容
器を66%エタノールで洗い、上記のチューブ内のエタノ
ール溶液と合わせて、遠心分離した。得られた上澄み
を、窒素ガスをパージした状態で、水浴上で蒸発させた
(50℃)。cAMPの濃度は、放射能免疫分析キット(NEN
社製)を用いて測定した。この測定は製造者の指示通り
に行なった。測定に使用したcAMP標準物質、cAMP抗血清
錯体、cAMP125I−トレサー、cAMP担体血清およびcAMP沈
殿剤の使用量は、製造者が指示した量の50%であった。
結果から、実験を行なった細胞内系で、hPTH−(1−
37)の活性は、他の非内因的なPTHペプチドの活性と大
きく異なっていることが分った。このことから、上記に
示したような、これらのペプチドの製造の違いが、PTH
受容体−アデニレートシクラーゼ系の活性化に影響を及
ぼすだけでなく、抗原性にも影響すると考えられる。
実施例5 円二色性によるパラトルモン・フラグメントhPTH−(1
−33)、hPTH−(1−37)およびhPTH−(1−38)の二
次構造に関する研究 ジャスコDP−500データ・プロセッサーと組合せたジ
ャスコJ−500自記偏光分光計を用いて、円二色性を測
定した。二次構造を決定するために、測定は、光路長1m
mの厳選された石英製セルを使用して、室温で190nmから
240nmの範囲で行なった。パラトルモンの濃度は、hPTH
−(1−33)は50μg/ml、hPTH−(1−37)が50μg/m
l、そしてhPTH−(1−38)も50μg/mlであった。溶媒
は、10mMのトリスHCl緩衝液pH7.5を用いた。(他の測定
条件:感度2ミリ度/cm、時定数2秒、記録計速度4nm/
分、波長記録エクスパンション5nm/cm)。第13図に示し
た曲線は、hPTH−(1−33)、hPTH−(1−37)および
hPTH−(1−38)の各々についての4回の測定結果から
ベースラインを差し引いて得られた信号の平均である。
二次構造の決定は、リードとキンゼルによって述べら
れている方法(Reed and Kinzel,Biochemistry 23,1357
−1362,1984)によって行った。得られたデータからの
計算で、hPTH−(1−38)の二次構造は、α−ヘリック
スの比率が約27%であることが分った。これに対して、
アミノ酸一つ分だけ短いhPTH−(1−37)フラグメント
では、はるかに多く、約40−45%であった。また、hPTH
−(1−33)のα−ヘリックスは、hPTH−(1−38)と
同様に少なかった。
二次構造が大きく異っているのために、PTHフラグメ
ントhPTH−(1−37)のペプチド−受容体相互作用や免
疫エピトープの性質は、他のフラグメントの場合と明ら
かに違うことが、この研究から分った。
実施例6 肺血管と海綿体(男性生殖器)の無線条筋に対するhPTH
−(1−37)の生物活性に関する研究 肺血管と海綿体の無線条筋をヒトとウサギから外科的
に採取し、筋力の向上を測定するために、適当な器官浴
システムに固定した。これらの筋肉に、種々の収縮活性
物質を作用させて予め収縮させておき、その後、10-9
ルのhPTH−(1−37)を作用させると、ヒトの器官の他
の平滑筋に比べて顕著な弛緩が起こった。このことは、
hPTH−(1−37)は、肺血管を弛緩させたり、雄性器官
の血液循環を活性化させるのに、特に適したペプチドで
あることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07K 1/14 A61K 37/24 (72)発明者 シュルツ―クナーパ、ペーター ドイツ連邦共和国、ノーイスタット ア ー.デー.ヴェー.デー―6730、アム クリーガーガーテン 2 (72)発明者 アダーマン、クヌート ドイツ連邦共和国、ハノーファー 61、 デー―3000、ローベルトシュトラーセ 4 (72)発明者 ガーゲルマン、ミハエル ドイツ連邦共和国、シュリールシャイ ム、デー―6905、ヴォルムザー―シュト ラーセ 9 (56)参考文献 J.Clin.Endocrino l.Metab.,Vol.67,No. 5(1988)p.964−972 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/635 CA(STN) REGISTRY(STN) MEDLINE(STN) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のアミノ酸配列で表わされるhPTHフラ
    グメント−(1−37)または、そのアミド化、アセチル
    化、ホスホリル化、もしくはグリコシル化されたhPTHフ
    ラグメント−(1−37)誘導体。
  2. 【請求項2】hPTHフラグメント−(1−37)が、下記の
    方法のいずれかで得たものである請求項1に記載のhPTH
    フラグメント−(1−37)またはそのhPTHフラグメント
    −(1−37)誘導体: (1)原核もしくは真核生物の発現により調製し、次い
    でクロマトグラフィーにより精製する方法; (2)ヒトの血液からクロマトグラフィーによって単離
    する方法。
  3. 【請求項3】hPTHフラグメント−(1−37)が、該フラ
    グメントを構成するアミノ酸を保護基によって保護して
    なる複数の保護基含有アミノ酸を用いて、固相もしくは
    液相で合成したのち、保護基を除去し、次いでクロマト
    グラフィーにより精製して得たものである請求項1に記
    載のhPTHフラグメント−(1−37)またはそのhPTHフラ
    グメント−(1−37)誘導体。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のhPTHフラグメント−(1
    −37)またはそのhPTHフラグメント−(1−37)誘導体
    を含有する肺血管弛緩用もしくは雄性器官の血液循環活
    性化用薬剤。
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